説明

電動弁

【課題】流体が第1の方向のみならず第2の方向に流されるときにおいても、上方向荷重(開弁方向に働く力)が発生するようにし得、もって、より小さなばね荷重の開弁ばねを使用できるようにして、小型化、大容量化、省電力化等を図ることのできる電動弁を提供する。
【解決手段】背圧室30の室径と弁口9の口径とが略同一に設定されるとともに、弁体20内に弁口9ないし第2入出口12と背圧室30とを連通させるべく直線状の均圧通路32(32c)が設けられるとともに、該均圧通路32を下方に延長するように細径の均圧導管22が下向きに突設され、該均圧導管22(直管部22a)の下端開口が閉じられて側面開口32a、32aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ式冷暖房システム等に使用するのに好適な電動弁に係り、特に、流体が双方向(第1の方向とその逆の第2の方向)に流され、かつ、少なくとも一方向には大流量が流される流路に対応した電動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電動弁として、従来、例えば、弁室、該弁室に開口する横向きの第1入出口、前記弁室に開口する縦向きの弁口、及び該弁口に連なる第2入出口を有する弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に昇降可能に配在された弁体と、該弁体を昇降させるための電動モータを有する昇降駆動手段と、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁ばねと、を備えたものが考えられている。
【0003】
また、かかる電動弁において、前記弁口の口径と前記弁体の上方に画成される背圧室の室径とを略同一に設定するとともに、弁口ないし第2入出口と前記背圧室とを連通させるべく、前記弁体を上下に貫通するように均圧通路を設け、弁口ないし第2入出口の圧力を前記均圧通路を介して背圧室に導入することにより、閉弁状態において弁体に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と押し上げ力(開弁方向に働く力)とをバランス(差圧をキャンセル)させ、もって、より小さなばね荷重の開弁ばねを使用できるようにして、電動弁の小型化、大容量化、省電力化等を図ろうとしたものも考えられている(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-320711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に所載の電動弁のように、弁口の口径と背圧室の室径とを略同一に設定するとともに、差圧をキャンセルすべく弁体を上下に貫通するように均圧通路を設けたものにおいては、流体が第1の方向(第1入出口→第2入出口)に流される場合は、開弁時において弁体を押し下げる力よりも弁体を押し上げる力が上回り、弁体には上方向荷重が発生し、流体が第2の方向(第2入出口→第1入出口)に流される場合は、開弁時に均圧通路を介して背圧室に大きな動圧が印加されるので、開弁時において弁体を押し上げる力よりも弁体を押し下げる力が上回り、弁体に下方向荷重が発生し、流体が第1の方向に流されるときと第2の方向に流されるときとでは、開弁時に弁体に作用する荷重の方向が変化する。この場合、下方向荷重は、弁体を閉弁方向に押し下げる力となるので、より小さなばね荷重の開弁ばねを使用できるようにするには、流体が第2の方向に流されるときにおいても、上方向荷重(開弁方向に働く力)が発生するようになすことが望まれる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、流体が第1の方向のみならず第2の方向に流されるときにおいても、上方向荷重(開弁方向に働く力)が発生するようにし得、もって、より小さなばね荷重の開弁ばねを使用できるようにして、小型化、大容量化、省電力化等を図ることのできる電動弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る電動弁は、基本的には、弁室、該弁室に開口する横向きの第1入出口、前記弁室に開口する縦向きの弁口、及び該弁口に連なる第2入出口を有する弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に昇降可能に配在された弁体と、該弁体を昇降させるための電動モータを有する昇降駆動手段と、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁ばねと、を備え、前記弁口の口径と前記弁体の上方に画成される背圧室の室径とが略同一に設定され、前記背圧室に前記弁口ないし第2入出口から実質的に静圧のみを導入するようにされていることを特徴としている。
【0008】
好ましい具体的な態様では、前記弁体内に、前記弁口ないし第2入出口と前記背圧室とを連通させるべく直線状の均圧通路が設けられるとともに、該均圧通路を下方に延長するように細径の均圧導管が下向きに突設され、該均圧導管の下端開口が閉じられて側方のみが開口せしめられる。
【0009】
他の好ましい具体的な態様では、一端が前記弁口ないし第2入出口の周壁部分に開口し、中間部が前記弁室外を通り、他端が前記背圧室に開口する均圧通路が設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電動弁では、流体が例えば第1の方向に流される場合は、従来のものと同様に、開弁時において弁体を押し下げる力よりも弁体を押し上げる力が上回り、弁体には上方向荷重が発生する。
【0011】
それに対し、流体が、第2の方向に流される場合は、開弁時において背圧室には弁口ないし第2入出口に開口する側面開口から取り込まれる静圧のみが印加され、動圧は印加されないので、この第2の方向流れ時においても、開弁時において弁体を押し下げる力よりも弁体を押し上げる力が上回り、弁体には、第1の方向流れ時よりも小さいが上方向荷重が発生する。
【0012】
このように、第1の流れ方向時だけでなく、第2の流れ方向時においても、弁体に上方向荷重が発生するようにされることにより、より小さなばね荷重の開弁ばねを使用できるようになり、その結果、小型化、大容量化、省電力化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る電動弁の第1実施例の閉弁状態を示し、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB部の拡大詳細図。
【図2】図1に示される第1実施例の開弁状態を示す縦断面図。
【図3】本発明に係る電動弁の第2実施例の閉弁状態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る電動弁の第1実施例の閉弁状態を示し、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB部の拡大詳細図、図2は、図1に示される第1実施例の電動弁の開弁状態を示す縦断面図である。
【0015】
図示の電動弁1は、例えばヒートポンプ式冷暖房システムにおいて膨張弁として使用するのに好適なもので、流体(冷媒)が双方向(第1の方向とその逆の第2の方向)に流され、かつ、少なくとも一方向には大流量が流される流路に対応した双方向流通型の電動弁である。
【0016】
図において、電動弁1は、板金製の筒状基体6を有する弁本体5と、この弁本体5内に昇降可能に配在された弁体20と、この弁体20を昇降させるべく、弁本体5の上側に取り付けられたステッピングモータ50とを備える。
【0017】
弁本体5の筒状基体6には、弁室7が形成されるとともに、この弁室7に開口する横向きの第1入出口(導管継手)11が取り付けられ、さらに、その底部には下側から弁室7に開口する縦向きの弁口9が形成された弁座部材8が固着され、この弁座部材8には、前記弁口9に連なる第2入出口(導管継手)12が取り付けられている。
【0018】
筒状基体6の上面開口部には、段付き筒状基台13が取着され、この基台13の上端部には、モータ50の一部を構成するキャン58の下端部が溶接等により接合されている。筒状基台13の内周側には隔壁14c付き筒状保持部材14が圧入等により固定され、この筒状保持部材14の上部には、下部内周にめねじ15iが設けられためねじ付き軸受部材15がかしめ係止固定されている。筒状保持部材14の隔壁14cの直上は、圧縮コイルばねからなる開弁ばね25が収納されるばね室14aとされている。
【0019】
また、前記弁体20は、前記弁座部材8に接離して弁口9を開閉する逆円錐台状の弁体部20aと、中間小径部20bと、大径上部20cとを有し、大径上部20cは、上記筒状保持部材14における隔壁14cより下側の弁体ガイド穴14bに摺動自在に嵌挿されている。
【0020】
一方、ステッピングモータ50は、ヨーク51、ボビン52、コイル53、樹脂モールドカバー54等からなる、キャン58に外嵌固定されたステータ55と、キャン58内に回転自在に配在され、ロータ支持部材56がその上部内側に固着されたロータ57とを有している。また、ロータ57の内周側には、ロータ支持部材56に一体的に設けられた太陽歯車41、筒状保持部材14に固着された筒状体の先端に固定された固定リング歯車47、前記太陽歯車41及び固定リング歯車47に歯合する遊星歯車42、該遊星歯車42を回転自在に支持するキャリア44、前記遊星歯車42に歯合するリング状の出力歯車45、該出力歯車45に固着された出力軸46等からなる不思議遊星歯車式減速機構40が付設されている。前記固定リング歯車47の歯数は、前記出力歯車45の歯数とは異なるようにされている。
【0021】
前記出力歯車45には出力軸46が固着されている。この出力軸46の上部に設けられた穴に支持軸49の下部が挿通されており、該支持軸49に前記キャリア44、太陽歯車41(ロータ支持部材56)が挿通されている。
【0022】
支持部材48はキャン58の内径とほぼ同一径を有しており、キャン58内部において、該キャン58の上部とロータ支持部材56との配置されている。そして前記支持軸49の上部は、前記支持部材48の中心部に設けられた穴に挿通されている。
【0023】
前記減速機構40の出力軸46は、前記めねじ付き軸受部材15の上部に回転自在に嵌挿され、この出力軸46の回転が、前記軸受部材15に設けられためねじ15iに螺合するおねじ17eが設けられたおねじ付き回転昇降軸17に伝達される。出力軸46の下部にはスリット状嵌合部46aが設けられ、回転昇降軸17には前記スリット状嵌合部46aに摺動自在に嵌合する板状部17aが突設されており、出力軸46が回転すると、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転昇降軸17が回転しながら昇降せしめられる。
【0024】
回転昇降軸17の下方には、該回転昇降軸17の下方への推力がボール18、ボール受座19を介して伝達される段付き筒状の推力伝達部材23が配在されている。なお、ボール18を介在させていることにより、回転昇降軸17が回転しながら下降しても、回転昇降軸17から推力伝達部材23へは下方への推力のみが伝達され、回転力は伝達されない。
【0025】
推力伝達部材23は、上から順に、内周に前記ボール受座19が嵌め込まれた大径上部23a、前記筒状保持部材14の隔壁14cに摺動自在に挿通せしめられた中間胴部23b、該中間胴部23bより小径の小径下部23cからなっており、その内部には、後述する均圧通路32の上部を構成する貫通孔32d及び後述する背圧室30に開口する複数個の横孔32eが設けられている。なお、貫通孔32dの上端開口はボール受座19により閉塞されている。
【0026】
推力伝達部材23の小径下部23cは、弁体20の上部嵌合穴20dに圧入等により嵌合固定されており、弁体20と推力伝達部材23は一体に昇降せしめられる。弁体20の上端面と推力伝達部材23の中間胴部23bの下端段差部との間には、前記小径下部23c圧入時において押さえ部材24が挟み込まれて固定されており、この押さえ部材24と弁体20の上端部に設けられた環状溝と前記弁体ガイド穴14bとの間にはOリング等のシール部材38が装着されている。
【0027】
また、筒状保持部材14の隔壁14cより上側のばね室14aには、圧縮コイルばねからなる開弁ばね25がその下端を隔壁14cに当接させた状態で配在されるとともに、この開弁ばね25の付勢力(引き上げ力)を推力伝達部材23を介して弁体20に伝達すべく、上下に鍔状引っ掛け部28a、28bを有する引き上げばね受け体28が配在されている。引き上げばね受け体28の上引っ掛け部28aは、開弁ばね25の上に乗せられ、下引っ掛け部28bは推力伝達部材23の大径上部23aの下端段差部を掛止するようになっている。
【0028】
したがって、モータ50(ロータ57)が一方向に回転せしめられるときには、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転昇降軸17が回転しながら例えば下降せしめられ、回転昇降軸17の推力により、推力伝達部材23及び弁体20が開弁ばね25の付勢力に抗して押し下げられ、最終的には弁体20の弁体部20aが弁座締切部8aに着座して弁口9が閉じられる。それに対し、モータ50(ロータ57)が他方向に回転せしめられるときには、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転昇降軸17が回転しながら例えば上昇せしめられ、それに伴い推力伝達部材23及び弁体20が開弁ばね25の付勢力によって引き上げられて、弁体部20aが弁座締切部8aからリフトして弁口9を開く。
【0029】
前記弁体20の上方で押さえ部材24と筒状保持部材14の隔壁14cとの間には、背圧室30が画成されている。ここでは、閉弁状態において弁体に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と弁体に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とをバランス(差圧をキャンセル)させるべく、背圧室30の室径と弁口9の口径とは略同一に設定されている。また、第2入出口12と背圧室30とを連通させるべく、弁体20内に均圧通路32の一部を構成する貫通孔32cが設けられている。
【0030】
また、前記弁体20の弁体部20aには、前記均圧通路32の一部(最下部)を構成する細径の均圧導管22の直管部22a上部が圧入等により固定されている。均圧導管22は、弁体部20aの最下面20eより下方に突出せしめられており、その直管部22aの下端面開口が逆円錐状栓部材22bで閉じられるとともに、直管部22aの下端周壁部に複数個の側面開口32a、32aが形成されて側方のみが開口せしめられている。
【0031】
したがって、本実施例では、第2入出口12と背圧室30とを連通させる均圧通路32は、下から順に、均圧導管22の下端周壁に設けられた側面開口32a、32a、均圧導管22の内部通路32b、弁体20内部の貫通孔32c(弁体20の上部嵌合穴20dの下部を含む)、推力伝達部材23内の貫通孔32d、及び背圧室30に開口する複数個の横孔32eで構成される。
【0032】
上記のように第1実施例の電動弁1では、閉弁状態において弁体20に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と押し上げ力(開弁方向に働く力)とをバランス(差圧をキャンセル)させるべく、背圧室30の室径と弁口9の口径とが略同一に設定されるとともに、弁体20内に第2入出口12と背圧室30とを連通させるべく直線状の均圧通路32(32c)が設けられるとともに、該均圧通路32を下方に延長するように細径の均圧導管22が下向きに突設され、該均圧導管22(直管部22a)の下端開口が閉じられて側方のみが開口せしめられているので、開弁時において背圧室30には側面開口32a、32aから取り込まれる静圧のみが印加され、動圧は印加されない。すなわち開弁時には、弁の先端には全圧(静圧と動圧)が加わるが、背圧室内には静圧のみが加わることになるため、次のような作用効果が得られる。
【0033】
流体(冷媒)が図の実線矢印で示される如くに第1の方向(第1入出口11→第2入出口12)に流される場合は、従来のものと同様に、開弁時において弁体20を押し下げる力よりも弁体20を押し上げる力が上回り、弁体20には上方向荷重が発生する。
【0034】
それに対し、流体(冷媒)が図の破線矢印で示される如くに、第2の方向(第2入出口12→第1入出口11)に流される場合は、開弁時において背圧室30には側面開口32a、32aから取り込まれる静圧のみが印加され、動圧は印加されないので、この第2の方向流れ時においても、開弁時において弁体20を押し下げる力よりも弁体20を押し上げる力が上回り、弁体20には、第1の方向流れ時よりも小さいが上方向荷重が発生する。
【0035】
このように、第1の流れ方向時だけでなく、第2の流れ方向時においても、弁体に上方向荷重が発生するようにされることにより、より小さなばね荷重の開弁ばね25を使用できるようになり、その結果、小型化、大容量化、省電力化等を図ることができる。
【0036】
図3は、本発明に係る電動弁の第2実施例の閉弁状態を示す。この第2実施例の電動弁2においては、第1実施例の電動弁1の各部に対応する部分には共通の符号を付してそれらの重複説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
【0037】
この第2実施例の電動弁2では、弁体20に第1実施例のような均圧通路32が設けられておらず、弁体20及び弁室7(弁本体5)外に均圧通路33が設けられている。この均圧通路33は、第2入出口12の周壁部分に横向きに開口する横孔33aと、大部分が外部に配在され、その上辺部が筒状基体6を挿通せしめられて筒状保持部材14の隔壁14cより下側に挿入固定された例えばコ字状の導管34の内部通路33cと、この内部通路33c及び背圧室30に連なる、筒状保持部材14の隔壁14cより下側に設けられた横孔33bとからなっている。
【0038】
かかる均圧通路33が設けられていることにより、背圧室30には静圧しか印加されないので、本第2実施例の電動弁2においても、第1実施例のものと同様に、第1の流れ方向時だけでなく、第2の流れ方向時においても、弁体20に上方向荷重が発生するようにされ、そのため、より小さなばね荷重の開弁ばね25を使用できるようになり、その結果、小型化、大容量化、省電力化等を図ることができる。
【0039】
なお、前記均圧通路33は特にコ字状である必要はなく、第2入出口12あるいは弁口9の側面と背圧室30とが連通すれば良い。
【0040】
また、前述の説明においては、モータと弁体との間には遊星歯車機構が配置されるものとしたが、該機構を配置することなく、モータの出力をねじ機構を介して弁軸に直接伝達させるようにしても良い。
【0041】
さらに、弁体を駆動するアクチュエータはステッピングモータであるものとしたが、他の形態のモータでも良いことは当然である。
【0042】
さらにまた、本発明の電動弁は、ヒートポンプ式冷暖房システムに適用されるだけではなく、他のシステムにも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1、2 電動弁
5 弁本体
7 弁室
8 弁座部材
9 弁口
11 第1入出口
12 第2入出口
20 弁体
20a 弁体部
25 開弁ばね
28 引き上げばね受け体
30 背圧室
32 均圧通路
32a 側面開口
33 均圧通路
34 導管
33a 横孔
50 ステッピングモータ
55 ステータ
57 ロータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室、該弁室に開口する横向きの第1入出口、前記弁室に開口する縦向きの弁口、及び該弁口に連なる第2入出口を有する弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に昇降可能に配在された弁体と、該弁体を昇降させるための電動モータを有する昇降駆動手段と、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁ばねと、を備え、前記弁口の口径と前記弁体の上方に画成される背圧室の室径とが略同一に設定されている電動弁であって、
前記背圧室に前記弁口ないし第2入出口から実質的に静圧のみを導入するようにされていることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記弁体内に、前記弁口ないし第2入出口と前記背圧室とを連通させるべく直線状の均圧通路が設けられるとともに、該均圧通路を下方に延長するように細径の均圧導管が下向きに突設され、該均圧導管の下端開口が閉じられて側方のみが開口せしめられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
一端が前記弁口ないし第2入出口の周壁部分に開口し、中間部が前記弁室外を通り、他端が前記背圧室に開口する均圧通路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−113361(P2013−113361A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259208(P2011−259208)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)
【Fターム(参考)】