説明

電動機及びそれを用いた換気扇

【課題】巻線間を渡る渡り線の処理構造において堅牢で取り扱い易いものとする。
【解決手段】フロント側に配置された巻枠46は、複数の固定子巻線51a,51b,53a,53bの内側にて駆動軸又は回転子を貫通させるように配設され、フロント側を小径とする円筒コーン形状を成す渡り線支持部62を備えている。渡り線支持部62は、巻線51aから巻線51b及び巻線53aから巻線53bに渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより渡り線を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、換気扇等の羽根車駆動に最適な小型電動機に関し、特に電動機の巻線間を渡る渡り線の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
巻線間を渡る渡り線に関しては、従来より種々の提案がされている。例えば集中巻の場合、その一つとして、巻部に設けられた棒状突起間に渡り線を架け渡す方法が提案されている。すなわち、巻線が巻かれる巻部の内壁部に駆動軸と概略平行になるように棒状の突起を設けておき、所定の巻部に巻装された巻線が他の巻部に渡る際、巻線はまず巻終わった位置の突起に絡げられ、その後、空中を渡り次の巻部に到達すると、その位置の突起に絡げられた後にその巻部に巻かれるようにすることにより、巻線間を渡る渡り線を両端にて固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−51513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の渡り線処理構造においては、渡り線が空中を渡っているため、渡り線が他の何かと接触した場合に容易に切断する。そのため、組立時には、この中間組立体を非常に繊細なものとして取り扱わねばならず特別の注意を要するので、コスト向上の原因となるばかりか、完成した電動機が信頼性に欠けるものとなるので改善が望まれていた。
【0005】
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、巻線間を渡る渡り線の処理構造において堅牢で取り扱い易いものとすることができるとともに渡り線の処理作業を容易にしてコスト削減をすることができ、さらに信頼性を向上させることができる電動機及びそれを用いた換気扇を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、この発明に係る電動機は、複数のスロットを形成する複数のティースが設けられた固定子鉄心、ティースに巻装された固定子巻線、および該固定子巻線と固定子鉄心との間に設けられ両者の絶縁を行う巻枠を有する固定子と、固定子に囲まれて配設されティースに形成される磁極により回転する回転子とを有する電動機において、複数の固定子巻線の内側にて駆動軸又は回転子を貫通させるように配設され、端部側を小径とする円筒コーン形状を成し、所定の巻線から他の巻線に渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより渡り線を支持する渡り線支持部を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る電動機によれば、所定の巻線から他の巻線に渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより渡り線を支持する渡り線支持部を有するので、巻線間を渡る渡り線の処理構造を堅牢で取り扱い易いものとすることができるとともに渡り線の処理作業を容易にしてコスト削減をすることができ、さらに電動機の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明にかかる電動機及びそれを用いた換気扇の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の換気扇の横断面図である。図1において、換気扇90は、例えば屋内と屋外とを隔てる壁部又は天井部等に形成された換気口に取り付けられて屋内空気の換気を行う。換気扇90は、換気口に取り付けられて内部に通風路(空気流路)91を形成するケーシング(ベルマウス)92と、ケーシング92内に配設されて通風路91を介して空気を強制的に移動させる送風機95とを含む。送風機95は、電動機80とこの電動機80の駆動軸81に取り付けられた羽根車93とから構成されている。
【0010】
図2はこの発明の実施の形態1の電動機80の内部構造を示す横断面図である。電動機80は、電動機本体60と端子台70とから構成されている。
【0011】
電動機本体60は、中心に駆動軸81を貫通させる回転子10と、この回転子10を貫通させる貫通穴を中央部に有する固定子20と、これら回転子10および固定子20を収納するフロントブラケット82およびリヤブラケット83とを有している。
【0012】
このうち、固定子20は、薄い鋼板が多数積層されて成り複数のスロットを形成する複数のティースが設けられた固定子鉄心30と、ティースに巻装された固定子巻線50と、固定子巻線50および固定子鉄心30との間に設けられ両者の絶縁を行う巻枠40を有している。そして特に本実施の形態の固定子20には、固定子巻線50の内側において、電動機80のフロント側が小径の円筒コーン形状の渡り線支持部62が設けられている。この渡り線支持部62は、断面において駆動軸81の直交面に対して約60度傾く円筒テーパ面を有している。
【0013】
回転子10は、2つのベアリングによって回転可能に支持されている。すなわち、電動機本体60は、フロントブラケット82およびリヤブラケット83の中央部にそれぞれ形成された凹部に外輪が嵌合固定され、内輪が駆動軸81に嵌合固定されたフロントベアリング84およびリアベアリング85をさらに有している。
【0014】
回転子10の外径と固定子20の内径との間には微少な間隙が全周にわたって均一となるように形成されている。つまり、回転子10と固定子20とは、軸心を一致させて配設されている。
【0015】
一方、端子台70においては、樹脂等の絶縁材料にて作製されてリヤブラケット83の後端部(駆動軸81の突出する側を前端部とする)を全体にわたって覆うように配設されている。端子台70は、内部に71を始めとする各種電気部品を収納している。
【0016】
図3は固定子鉄心30の構造を示す斜視面図である。固定子鉄心30は、断面略T字型を成す4個のティース部31と、外周にて環状を成し内周側に4個のティース部31の端部が係合する係合部が形成され4個のティース部31と物理的及び電気的に結合して外周の磁路を形成するヨーク部32とから構成されている。ティース部31とヨーク部32は、両者ともに薄い鋼板が軸方向(厚さ方向)に多数積層されて作製されている。
【0017】
図4は固定子鉄心30の分割された4個のティース部31が軸方向に2分割された巻枠に挟まれる様子を示す斜視面図である。図5は4個のティース部31を挟み込んで嵌合わせされた巻枠40を電動機のフロント側から見た斜視図である。巻枠(絶縁体)40は、電動機の軸方向に第1の巻枠41と第2の巻枠46の2つに分割され、軸方向両側からティース部31を挟み込み、4個のティース部31の相互の位置決めを正確に行うとともに、ティース部31に固定子巻線50が巻装された際、固定子鉄心30と固定子巻線50(図6)との間の絶縁をする。
【0018】
嵌合わせされた第1の巻枠41と第2の巻枠46においては、ティース部31を囲繞する各部分に固定子巻線50が巻回される領域として巻部44が形成される。この巻部44の半径方向内側と外側には、巻部44に巻線を巻回する際、巻線が巻部44に容易に案内されるようにする目的と、巻部44に多量に巻回された固定子巻線50の倒れや巻崩れを防止する目的で外壁部42,47と内壁部43,48とがそれぞれ設けられている。
【0019】
そして、4つの内壁部43,48は、隣り合う辺がそれぞれ結合して全体で矩形筒状をなしている。フロント側の第2の巻枠46において、矩形筒状をなす4つの内壁部48の中央部に円筒コーン形状(中空円錐台形状)の渡り線支持部62が設けられている。渡り線支持部62は、第2の巻枠46と一体に樹脂にて作製されている。そして、第2の巻枠46の4つの内壁部48には、渡り線を通すための切り欠き48aが中央部に各々設けられている。
【0020】
渡り線支持部62は、駆動軸81又は回転子10を貫通させるために前端部側に開口を有しており、この前端部側を小径とし巻枠46との接続側をと大径する円筒コーン形状を成し、所定の巻線から他の巻線に渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより斜面に接触させて支持する。小径側先端部には、渡り線を沿わす作業をする際に誤って外れてしまうことのないように、短尺円筒状の先端立ち上がり部63が設けられている。
【0021】
図6は図5に示した組立体に固定子巻線50を巻装された様子を示す斜視図である。図6においては、固定子巻線50を巻枠(絶縁体)40に巻装される有効な空間として図中網がけにして示している。つまり、図中網がけした部分は、巻線50が最大に巻装可能な空間領域を示し、固定子巻線50は実際にはこの空間領域の内側に巻装されることとなる。ここで、図2にて説明した固定子巻線50は、主巻線51と補助巻線53とから構成されている。主巻線51は、さらに2つの巻線に分割されて、図6に示すように対向する2つの巻部44に第1主巻線51aと第2主巻線51bとして巻装されている。また、補助巻線53も同じように2つの巻線に分割されて、他の対向する2つの巻部44に第1補助巻線53aと第2補助巻線53bとして巻装されている。
【0022】
第1主巻線51aと第2主巻線51bとは1本の巻線にて続けて巻装されおり、同じように、第1補助巻線53aと第2補助巻線53bも1本の続けて巻装されている。本実施の形態の電動機80は、集中巻の電動機であり、巻線は、まず第1補助巻線53aの全部が所定の巻部44に巻かれ、第1補助巻線53aが巻き終わると対向する巻部44に渡り、そこに第2補助巻線53bが巻かれる。次に、第1主巻線51aの全部が所定の巻部44に巻かれ、第1主巻線51aが巻き終わると対向する第2主巻線51bの巻部44に渡り、そこに第2主巻線51bが巻かれる。
【0023】
図7は渡り線が渡り線支持部62の曲面に沿って渡る様子を示す上面図である。第1補助巻線53aが図7中一点鎖線矢印のように巻回されてこれが巻きおわると、巻線は切り欠き48aを通過して渡り線支持部62側に出て、図7中一点鎖線曲線B1に示すように、渡り線支持部62の円錐曲面上を這うようにして大きく半円を描いて進み、対向する側の内壁部の切り欠き48aを通過して、その位置の巻部44に一点鎖線矢印の向きに巻回されて第2補助巻線53baを形成する。
【0024】
同じようにして、第1主巻線51aが図7中一点実線矢印のように巻回されてこれが巻きおわると、巻線は、切り欠き48aを通過して渡り線支持部62側に出て、図7中実線曲線A1に示すように渡り線支持部62の円錐曲面上を這うようにして大きく半円を描いて進み、対向する側の内壁部の切り欠き48aを通過して、その位置の巻部44に実線矢印の向きに巻回されて第2主巻線51bの巻装を完了させる。
【0025】
なお、このとき巻回が完了した第1補助巻線53aは、直径が大きくなっているので、そこから始まる渡り線は、巻線の最も高い位置(軸方向先端側)から離れて切り欠き48aに入ることになる。一方、対向する第2補助巻線53b側においては、これから巻線が巻き始められるので、渡り線は、切り欠き48aの最も低い位置から巻部44へ侵入することとなる。つまり、渡り線は、渡り線支持部62円錐曲面上を這うようにして円錐台形の高い位置(先端側)から最も低い位置へほぼ半円の道のりで移動する。主巻線51側の渡り線も90度ずれた位置にて同じように配置される。このとき、2本の渡り線は、互いに高い位置から低い位置へと立体的に交差するので、交差点においては高さ方向に所定量離れるので、互いに接触することがない。
【0026】
図8は巻線が図7に示すものとは逆方向に巻回された様子を示す上面図である。第1補助巻線53aから第2補助巻線53baへ向かう渡り線は、図8中一点鎖線曲線B2に示すように、図7のものと逆方向に渡り線支持部62の円錐曲面上を這うようにして大きく半円を描いて進む。一方、第1主巻線51aから第2主巻線51baへ向かう渡り線は、図8実線曲線A2に示すように、図7のものと逆方向に渡り線支持部62の円錐曲面上を這うようにして大きく半円を描いて進む。巻枠46は、中心軸を含む面に対して対称の形状を成しているので、逆方向に巻装した場合においても全く同様の巻線処理を行うことができる。すなわち、実施の形態の巻枠構造においては、形状が同じ1種類の巻枠46にて異なる方向の巻線に対応することができる。
【0027】
以上のように本実施の形態の電動機80においては、複数の固定子巻線50(51a,51b,53a,53b)の内側に配設されて、駆動軸81又は回転子10を貫通させる端部側を小径とする円筒コーン形状を成し、所定の巻線から他の巻線に渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより渡り線を支持する渡り線支持部62を有しているので、巻線間を渡る渡り線の処理構造において堅牢で取り扱い易いものとすることができるとともに渡り線の処理作業を容易にしてコスト削減をすることができ、さらに信頼性を向上させることができる電動機80とすることができる。また、このような構成の電動機80を用いて換気扇90を構成することにより、コスト削減をして且つ信頼性を向上させた換気扇90とすることができる。
【0028】
また、巻枠40の巻部44には、固定子巻線50の巻崩れを抑制する内壁部48が形成されており、この内壁部48には、中央部に渡り線を通すための切り欠き48aが設けられているので、渡り線を絡げる突起等を設けることなく巻線を対向する方向に引き出すことができ、容易に渡り線支持部62に這わせることができるとともに、電動機80の軸方向長さを短くすることができる。
【0029】
さらに、渡り線支持部62は、内壁部48の内側に配設され、巻枠40と一体に樹脂にて作製されているので、制作が容易で、且つ部品点数が増えることなくコストが増えることがない。
【0030】
なお、本実施の形態の渡り線支持部62は、図2に示すように駆動軸81の直交面に対して約60度傾く円筒テーパ面を有しているが、円筒テーパ面の角度はこれに限定されるものではなく、約40度から約70度の間で適宜選択されてよい。この角度は、固定子巻線50の巻線の軸方向高さ、および空気の流通性を考慮した回転子10との距離等を考慮して決定される。
【0031】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2の電動機のフロント側の巻枠の上面図である。本実施の形態のフロント側の巻枠86においては、巻部44の最内周角部位置に逃がし溝44aが形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0032】
本実施の形態の巻枠86においては、最内周角部位置に逃がし溝44aを形成することにより、他の巻線から渡った後、巻部44に最初に巻始められる巻き線が逃がし溝44aに収納されて巻部44の表面より上に突出することがなく、1巻目以降の巻線が巻回される面が平坦となるので、固定子巻線50が整然と巻かれ巻装時に傷つくことがない。これにより、電動機の性能が向上するとともに信頼性を向上させることができる。
【0033】
なお、逃がし溝44aは、図7と図8に示すようなどちら方向から巻かれた場合でも対応可能なように、巻部44の最内周の両角部にそれぞれ形成されている。
【0034】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3の電動機のフロント側の巻枠の斜視図である。本実施の形態のフロント側の巻枠96においては、円筒テーパ形状の渡り線支持部65の大径部が、巻枠96の巻部44の始まる外径位置と同じ位置まで広がっている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0035】
本実施の形態の渡り線支持部65においては、円筒コーン形状の大径部が巻部44の始まる外径位置まで広がっているので、渡り線支持部65の円錐曲面上を這う渡り線が巻部44に巻回される直前まで曲面に支持されることとなり、曲面に接触して支持される部分の長さが長くなるので、さらに堅牢で取り扱い易いものとすることができる。
【0036】
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4の電動機のフロント側の巻枠の斜視図である。図12は渡り線支持部の表面に形成された螺旋溝の断面を示すための部分拡大断面図である。本実施の形態のフロント側の巻枠106においては、円筒テーパ形状の渡り線支持部67のテーパ状曲面に、渡り線に沿うようにして1本の螺旋溝68が形成されている。この螺旋溝68は、2本の渡り線のうち下側となる渡り線を渡す際に、渡り線をこの溝68内に収納するようにして使用する。渡り線を螺旋溝68内に収納することにより、渡り線がテーパ曲面上にてずれにくくなり、より堅牢で取り扱い易いものとすることができる。また、下側となる渡り線を溝68内に収納することで、上側となる渡り線との交差点において、両渡り線間の距離を離すことができ、安全性及び信頼性を向上させることができる。なお、螺旋溝68の傾き角及び溝の深さは電動機の仕様により適宜選択されてよい。
【0037】
実施の形態5.
本実施の形態の図示しない巻枠においては、軸方向に分割された2個の巻枠の両方に円筒テーパ形状の渡り線支持部が設けられている。その他の構成は概略実施の形態1と同様である。このような構成の巻枠に関しては、電動機のフロント側及びリヤ側の両方にて渡り線処理をすることができる。これにより、より多くの巻き方に対応が可能であるとともに、複雑な渡り線処理に対しても対応することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本願発明に係る電動機は、小型の電動機に好適なものであり、特に換気扇に用いられ羽根車を駆動する電動機に適用されて最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施の形態1の換気扇の横断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1の電動機の内部構造を示す横断面図である。
【図3】固定子鉄心の構造を示す斜視面図である。
【図4】固定子鉄心の分割された4個のティース部が軸方向に2分割された巻枠に挟まれる様子を示す斜視面図である。
【図5】4個のティース部を挟み込んで嵌合わせされた巻枠をフロント側から見た斜視図である。
【図6】図5に示した組立体に固定子巻線を巻装された様子を示す斜視図である。
【図7】渡り線が渡り線支持部に沿って渡る様子を示す上面図である。
【図8】巻線が図7に示すものとは逆方向に巻回された様子を示す上面図である。
【図9】この発明の実施の形態2の電動機のフロント側の巻枠の上面図である。
【図10】この発明の実施の形態3の電動機のフロント側の巻枠の斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態4の電動機のフロント側の巻枠の斜視図である。
【図12】渡り線支持部の表面に形成された螺旋溝の断面を示すための部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 回転子
20 固定子
30 固定子鉄心
31 ティース部
32 ヨーク部
40 巻枠(絶縁体)
41 第1の巻枠
42 第1の巻枠の外壁
43 第1の巻枠の内壁
44 巻線の巻部
44a 逃がし溝
46 第2の巻枠(フロント側の巻枠)
47 第2の巻枠の外壁
48 第2の巻枠の内壁
49 内部カバー
50 固定子巻線
51 主巻線
51a 第1主巻線
51b 第2主巻線
53 補助巻線
53a 第1補助巻線
53b 第2補助巻線
60 電動機本体
62 渡り線支持部(円筒コーン)
63 先端立ち上がり部
70 端子台
71 始動用コンデンサ
80 電動機
81 駆動軸
82 フロントブラケット
83 リヤブラケット
84 フロントベアリング
85 リアベアリング
86 第2の巻枠
90 換気扇
91 通風路
92 ケーシング
93 羽根車
95 送風機
96 第2の巻枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスロットを形成する複数のティースが設けられた固定子鉄心、前記ティースに巻装された固定子巻線、および該固定子巻線と前記固定子鉄心との間に設けられ両者の絶縁を行う巻枠を有する固定子と、
前記固定子に囲まれて配設され前記ティースに形成される磁極により回転する回転子とを有する電動機において、
複数の前記固定子巻線の内側にて駆動軸又は前記回転子を貫通させるように配設され、端部側を小径とする円筒コーン形状を成し、所定の巻線から他の巻線に渡る渡り線を円錐曲面上に沿って這わすことにより前記渡り線を支持する渡り線支持部を備えた
ことを特徴とする電動機。
【請求項2】
前記巻枠の巻部には、前記固定子巻線の巻崩れを抑制する内壁部が形成されており、該内壁部には、中央部に前記渡り線を通すための切り欠きが設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記渡り線支持部は、前記内壁部の内側に配設され、前記巻枠と一体に樹脂にて作製されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電動機。
【請求項4】
前記固定子鉄心は、前記ティース部とヨーク部とに接合可能に分割されて、前記ティース部に外側から前記巻線を巻装され、該巻線を巻装された後に、前記ティース部に前記ヨーク部を嵌め込む形式のものである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項5】
前記巻枠は、前記固定子鉄心の軸方向に分割されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電動機。
【請求項6】
他の巻線から渡った後、巻部に巻始められる巻き線が巻部表面より上に突出して、1巻目以降の巻線の障害となることのないように、前記巻枠の巻部の最内周角部位置に逃がし溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項7】
前記渡り線支持部の大径部が、前記巻枠の巻部の始まる外径位置と同じ位置まで広がっていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項8】
前記渡り線支持部の小径側先端部にストレート円筒形状の先端立ち上がり部が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機。
【請求項9】
通風路を形成するケーシングと、
請求項1から8のいずれか1項に記載の電動機が駆動軸に羽根車を取り付けられて成り、前記ケーシング内に配設されて、前記通風路を介して空気を移動させる送風機と
を備えたことを特徴とする換気扇。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−236025(P2007−236025A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51053(P2006−51053)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】