説明

電動車両のシート構造

【課題】有効かつ優れた物品収納機能を実現し、利便性や使用性等向上し得る電動車両のシート構造を提供する。
【解決手段】シート10の側部にアームレスト13を備える。アームレスト13の下部に、取入れ取出し口18aが開口する小物入れ18を配設する。小物入れ18は、物品収納部18Aとドリンクホルダ部18Bとが一体的に構成される。小物入れ18の開口端面が、シート10の上面と略同一高さ位置に設定されるドリンクホルダ部18Bがアームレスト13の前端よりも前方かつシート10の前端よりも後方に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば下肢や全身に障害を持つ人の利用に供する小型電動車両等における特にシート構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の小型電動車両、特に下肢や全身に障害を持つ人が使用する標準型の電動車椅子(「モータチェア」等と称している)において、使用者(ユーザー)が着座するシートにアームレストを装備することが条件になっている。車両の性格上、使用者が手を乗せ、あるいは体重を支えることができるようにして安全性を確保している。
【0003】
一方、実使用において使用者は小物等を積んだり、置いたりするための場所もしくはスペースがあると便利であり、たとえばジョイスティックレバーにより車両の運転操作を行うようにしたタイプの電動車両では通常、アームレスト下方に板状の仕切り板を設置してシート内側に物を置く場合が多い。
【0004】
アームレストを備えた電動車両において従来、アームレストまわりの構成を工夫して収納機能を確保した例が知られている。たとえば、アームレストの下部を利用した例として、バッテリを収納可能にしたものがある。また、特許文献1に記載の電動車両では、アームレストの下部に、上方を開口したボックスを該アームレストの基部にて水平方向に回動自在に軸支し、必要に応じて該ボックスをアームレストの下部から外側に開くようにしている。
【0005】
さらに、自操用ハンドル型車椅子に分類されるタイプのものは、高齢者等の足代わりになるものとして極めて利用価値が高い。かかる小型電動車両ではシートの前方、すなわち車体前部に前輪を操舵するステアリングシャフトが立設される。ステアリングシャフトの上端にはハンドルが取り付けられ、運転者はシートに着座して該ハンドルを操作するようになっている。このタイプの車両もシート側部にアームレストを備えているが、ステアリングシャフト付近に収納具(物入れバスケット等)を有するものがある。
【0006】
【特許文献1】実開平4−55331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで近年、いわゆる「ペットボトル等」と称する飲料容器の形態が普及しており、電動車両使用者においてもその需要は高い。しかしながら、このような小物の場合、前述したようなアームレストの下方に仕切り板を設置するものでは、その構成は比較的簡素であるものの衝撃等が加わると小物等が落下するおそれがある。ペットボトル等の比較的嵩だかな容器類にあっては、専用の収納手段が必要になる。このように小物等の収納機能を確保したいという要請があるものの、その際、使用者の邪魔にならないことが極めて重要であり、その配置構成等の自由度は制約されざるを得ない。
【0008】
さらに、比較的短いアームレストを備えたタイプのシート構造の場合、使用者の姿勢保持のためにアームレストを長くしたい場合があり、アームレストパッドを延長した例も知られている。しかしながら、このようにアームレストを長くする場合、その分コストがかかる上、使用者の体型等に合わせて個別に製作しなければならない。
【0009】
本発明はかかる実情に鑑み、有効かつ優れた物品収納機能を実現し、利便性や使用性等向上し得る電動車両のシート構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による電動車両のシート構造は、シートの側部にアームレストを備えた電動車両において、前記アームレストの下部に、取入れ取出し口が開口する小物入れを配設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記小物入れは、物品収納部とドリンクホルダ部とが一体的に構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記小物入れの開口端面が、前記シートの上面と略同一高さ位置に設定されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記ドリンクホルダ部が前記アームレストの前端よりも前方かつ前記シートの前端よりも後方に配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記アームレストは、前記シートに対して跳ね上げ式に構成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電動車両のシート構造において、シートの側部にアームレストを備えた電動車両において、前記アームレストの前方に、補助アームレストを配設したことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記補助アームレストは、前記アームレストの下部に長手方向にスライド可能に取付・支持されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記補助アームレストにグリップを付設したことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の電動車両のシート構造において、前記補助アームレストは、前記アームレストの前端部にて回動可能に軸支され、その使用時に略水平に支持される一方、不使用時には前記アームレストの下部に格納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アームレスト下部に小物入れを配設し、使用者はシートに着座したままの状態で、適宜小物等を取り入れ、あるいは取り出すことができる。この場合、アームレスト自体に何ら邪魔されることなく、手を伸ばすだけで簡単にしかも楽な姿勢で小物等を出し入れすることができる。
また、物品収納部とドリンクホルダ部とが一体的に構成されており、特にドリンクホルダ部にはペットボトル等の飲み物を収納することができ、使用者において持ち運べる物が大幅に増加する。ペットボトル等の筒状で嵩だかな小物もしくは容器類を安定して収納することができ、快適性を向上させることができる。
【0020】
また、アームレストの前方に補助アームレストを有し、使用者の上半身の姿勢を保持するために補助アームレストに手を置くことができる。補助アームレストを用いることで実質的にアームレストを長くしたり、短くしたりすることができるため使用者の快適性を向上することができる。この場合、前後方向および車幅方向に位置調整可能であり、使用者の体型等に応じて最適位置に補助アームレストを設定することができ、使用性等を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明による電動車両のシート構造の好適な実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電動車両100の全体構成を示す側面図である。小型電動車両100において、車体フレーム101には左右一対の前輪102および左右一対の後輪103が、サスペンションを介して懸架される。車体フレーム101はその一部を除き、前部カバー104およびステップ部105(これらは一体成形される)や後部カバー106等を含む樹脂製カバーによって覆われる。
【0022】
車体後部において概略箱状もしくは箱型の後部カバー106が上方に突設され、後部カバー106の内側には後輪103を駆動するための駆動モータやこの駆動モータの出力を後輪車軸に伝達するギヤユニット、さらにはバッテリおよびその充電器等を含む動力装置が収容されている。この動力装置は、制御装置により制御されるようになっている。
【0023】
車体フレーム101において、ステップ部105の対応部位は略平坦に形成され、ステップ部105が複数のビスによって固定される。前部カバー104は、ステップ部105から前方に向けて起伏するように連なり、上方に凸となる滑らかな湾曲状に形成される。また、前部カバー104の左右両側には、前輪102の上部まわりを覆うようにフェンダ部が形成されている。
【0024】
後部カバー106の上側には、車体フレーム101からたとえば門型に立ち上がるブラケット107を介して、搭乗者もしくは使用者が着座するシート10が搭載される。シート10はシートクッション11とシートバック(背もたれ)12を含み、後部カバー106上で水平方向に旋回可能に支持される。なお、この旋回角度は車体センタから左右にたとえば45度および90度等に設定される。図から明らかなようにシート10の前方に平坦なステップ部105が配置され、シート10に着座した搭乗者はステップ部105に足を置くことができる。
【0025】
さらに、シートバック12の両側部にはアームレスト13が設けられ、各アームレスト13は、その基端でシートバック12に支持される。各アームレスト13の側面にはそれぞれウィンカ14が配設される。
【0026】
また、この例では右側のアームレスト13の前端にはアーム15を介して、運転操作を行うための操作ボックス16が付設され、操作ボックス16にはジョイスティックレバー17が立設される。使用者によって行われるジョイスティックレバー17の入力操作により、前部カバー104の内側に配置されたステアリングモータが駆動され、これにより前輪102のステアリング制御が行われる。なお、ジョイスティックによるパワーステアリング型の他に後輪の駆動に従動的なキャスタ型であってもよい。
【0027】
さて、本発明による電動車両のシート構造において、前述のようにシート10の側部にアームレスト13を備え、このアームレスト13の下部に図2にも示されるように、取入れ取出し口18a(図2において、斜線により示される部位)が開口する小物入れ18が配設される。この小物入れ18は、物品収納部18Aとドリンクホルダ部18Bとが一体的に構成されている。
【0028】
ここで、図3に示したようにシートバック12内部には、これを支持するシートバックフレーム19が配置されている。シートバックフレーム19はたとえば概略門型を呈し、両側部の支持部20にて、支軸21を介してアームレストフレーム22を支持する。アームレストフレーム22には下方へ突出するように、小物入れ18を支持するための支持ブラケット23が付設されている。小物入れ18は支持ブラケット23によって、アームレストフレーム22等を覆いながらアームレスト13から垂下されるように支持される。
【0029】
小物入れ18は、この例では図4に示されるようにインナ部材24とアウタ部材25とを含み、これらの部材を相互に突き合せるかたちで結合させてなる。この場合、インナ部材24およびアウタ部材25のそれぞれ内面には、両者を相互に固定するための複数の締着部24a,24b,24c,..および25a,25b,25c,..が設けられ、これらがスクリュウもしくはビス等の固定具によって相互に締結される。
【0030】
また、インナ部材24には物品収納部18Aとドリンクホルダ部18Bを区切るための板状の仕切り部24dが、アウタ部材25側へ張り出すように突出形成されている。さらにインナ部材24の上部付近には、スクリュウもしくはビス等の固定具によって支持ブラケット23に締結される締着部24eが設けられている。一方、アウタ部材25の上部付近の支持ブラケット23対応部位には、スクリュウもしくはビス等の固定具によって支持ブラケット23に締結される締着部25dが設けられている。
【0031】
図3等に示されるように物品収納部18Aの外側開口部(アウタ部材25側)は、適度な角度で前下がりに傾斜して形成され、内側開口部(インナ部材24側)は、シート10のシートクッション11の上面と略同一高さ位置に設定され、略水平となるように形成される。これに連続するドリンクホルダ部18Bの開口部も略水平となるように形成され、ドリンクホルダ部18Bの開口端面は図2等からも明らかなように、シート10のシートクッション11の上面と略同一高さ位置に設定される。
【0032】
また、ドリンクホルダ部18Bは図2に示されるように、アームレスト13の前端よりも前方(距離L1)に配置されるとともに、シートクッション11の前端よりも後方(距離L2)に配置される。
【0033】
上記の場合、図3(b)に示されるようにアームレストフレーム22の下面側から下方に突出するボス26を設け、このボス22にはボルト27が螺着するようになっている。この例では前後一対のボス26を有し、これらにそれぞれボルト27を螺着させることでアーム15を締着・固定することができる。
【0034】
上記構成の電動車両100の実使用において、シート10に着座した使用者は、ジョイスティックレバー17によって入力操作することで電動車両100を走行させることができる。その際、ステップ部105に足を置いて安定かつ的確な操縦が可能である。
【0035】
さて、シート10の下部に小物入れ18が配設されており、使用者はシート10に着座したままの状態で、アームレスト13の下側へ手を伸ばすことで、取入れ取出し口18aから適宜小物等を取り入れ、あるいは取り出すことができる。この場合、取入れ取出し口18aはアームレスト13の下部至近位置に開口しているので、アームレスト13自体に何ら邪魔されることなく、手を伸ばすだけで簡単にしかも楽な姿勢で小物等を出し入れすることができる。
【0036】
小物入れ18は前述したように、物品収納部18Aとドリンクホルダ部18Bとが一体的に構成されており、特にドリンクホルダ部18Bにはペットボトル等の飲み物を収納することができ、使用者において持ち運べる物が大幅に増加する。ドリンクホルダ部18Bは仕切り部24dによって仕切られることで、ペットボトル等に適した収納スペースとなっているため、ペットボトル等の筒状で嵩だかな小物もしくは容器類を安定して収納することができる。使用者は適宜ペットボトル等の飲み物を飲むことができるため、快適性を向上させることができる。同時にまた、物品収納部18Aにはその他の小物類等を適宜出し入れすることができるのは勿論である。そして、物品収納部18Aは前述のように、その外側開口部が適度な角度で前下がりに傾斜して形成されているので、アームレスト13とシートクッション11との間の仕切壁の役割を果たし、小物類を収納した際に小物類が車両の外側にはみ出したり落下したりすることを防止できる。一方、内側開口部はシートクッション11と略同一高さ位置に設定されているので、シート内側から小物類を出し入れすることができる。
【0037】
この場合、ドリンクホルダ部18Bの配置あるいは位置関係につき、シート10のシートクッション11の上面と略同一高さ位置に設定される。小物入れ18における比較的低位置にあるため、ペットボトル等の嵩だかな容器類を収納するには都合がよく、ドリンクホルダ部18Bに物を収納していない不使用時においても、何ら邪魔にならない。
【0038】
また、ドリンクホルダ部18Bは前述のように、アームレスト13の前端よりも前方であって、シートクッション11の前端よりも後方に配置される(図2)。この点でもペットボトル等の嵩だかな容器類を出し入れし易く、必要以上にシートクッション11からはみ出していないため、電動車両100からの乗降等において使用者の邪魔になることなくコンパクトに構成されている。
【0039】
小物入れ18はその構成上、インナ部材24およびアウタ部材25からなり、アームレスト13から垂下されるように支持される。これにより所謂、後付オプションとして装備することができ、使用者のニーズに効果的に対応することができる。また、小物入れ18はアームレスト13からシートクッション11にかけて一体感を持つように構成されており、外観的にも優れた見栄えを保証する。
【0040】
ここで、アームレスト13は、シート10に対して跳ね上げ式に構成されてもよい。すなわち、たとえば図5に示すようにアームレスト13と小物入れ18は別体に構成され、アームレスト13は図示のようにその基端にて上方へ回動するようになっている。この場合、アームレストフレーム22がシートバックフレーム19の支持部20にて、支軸21のまわりに回動可能に支持される。
【0041】
一方、シートバックフレーム19あるいはシートクッションフレーム28を利用して、これらの部材から支持ブラケット等(図示せず)を突出もしくは延出させる。そして、小物入れ18はこれらの支持ブラケットを介して、前述したように所定位置に配設される。なお、物入れ18の構成は、実質的に上記実施形態の場合と同様である。
【0042】
アームレスト13を跳ね上げることにより、物入れ18の上方空間が開放される。これにより小物等をさらに出し入れし易くし、ペットボトル等の嵩だかな容器類にはより使い易くすることができる。
【0043】
つぎに、本発明の電動車両のシート構造の第2の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一または対応する部材には、同一符号を用いるものとする。
第2の実施形態では、アームレスト13の前方に補助アームレストを備えている。たとえば図6に示されるように、左側のアームレスト13の前方に補助アームレスト29を備える。補助アームレスト29はアームレスト13を延長するかたちで、すなわち実質的に同一高さ位置に配置される。図示例のようにたとえば略矩形状の箱型等を呈し、その外側はPVCレザーが縫製され、内側はウレタン材により形成される。また、下板には合板が使用される。
【0044】
補助アームレスト29の支持方法としては、前述した操作ボックス16の場合と同様の構成であってよい。すなわち、アームレストフレーム22の下方に突出するボス26(図3参照)にてアーム15を支持し、このアーム15を利用して補助アームレスト29を支持することができる。
【0045】
この場合、図6(b)のようにアーム15にはボルト27が挿通する長穴15aが形成される。これにより補助アームレスト29は、アームレスト13の下部にて長手方向にスライド可能に取付・支持される。さらに、アーム15の前端部にはベースプレート30が連設され、車幅方向には一対の長穴30aが形成される。長穴30aに挿通させたボルトにより補助アームレスト29を固定することができるが、この場合車幅方向にスライド可能となる。なお、操作ボックス16についても、ベースプレート30を介して固定することができる。
【0046】
第2の実施形態において、比較的短いアームレスト13を備えている場合でも、その前方に補助アームレスト29を有することで、使用者の上半身の姿勢を保持するために補助アームレスト29に手を置くことができる。一方、必要ない場合には、補助アームレスト29を取り外すことができ、このように使用者の体型や体の状態に合わせてアームレスト13を長くしたり、短くしたりすることができるため使用者の快適性を向上することができる。
【0047】
さらに、補助アームレスト29はスライド機構を介して、前後方向および車幅方向に位置調整可能である。これにより使用者の体型等に応じて最適位置に補助アームレスト29を設定することができ、使用性等を向上することができる。
【0048】
つぎに、図7に示したように補助アームレストとして、グリップ31が付設される。この例ではアームレスト13の前方に延長するかたちで、パイプ材32にグリップ31が固定される。パイプ材32は、アーム15を利用して支持することができる。この場合もアーム15にはボルト27が挿通する長穴15aが形成され、スライド可能である。
【0049】
グリップ31の具体的形態としては、たとえば自転車のハンドルグリップや自動車のシフトノブ等に似たもの、すなわち適度な凹凸状に形成したものが好適である。この例によればグリップ31は、使用者の体型等に応じて最適位置に設定することができることに加えて、把持し易く構成されているためしっかりと握ることができ、走行時の安定感を有効に確保することができる。
【0050】
さらに、図8に示した例では補助アームレスト33は、アームレスト13の前端部にて回動可能に軸支され、その使用時に略水平に支持される(図8、二点鎖線)一方、不使用時にはアームレスト13の下部に格納される(図8、実線)ように構成されている。
【0051】
この場合、補助アームレスト33は、アームレスト13の前端部に設けた支軸34のまわりに矢印のように回動可能に支持される。回動端位置、すなわち水平状態および格納状態に補助アームレスト33を保持するロック機構(図示せず)を備え、必要に応じて展開しあるいは格納することができる。特にこの例では補助アームレスト33を取り付け、あるいは取り外す必要がなく手間がかからない上、乗降時には図示のようにコンパクトに折り畳まれ乗降性が向上する。
【0052】
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば、上記実施形態において小物入れ18はインナ部材24およびアウタ部材25により分割構成される例を説明したが、一体物で形成することも可能である。
【0053】
また、この種の小型電動車両は自操用ハンドル型車椅子に分類されるもので、車体前部にて前輪を操舵するステアリングシャフトが立設され、その上端に操舵用ハンドルを備えたタイプの車両に対しても本発明は有効に適用可能であり、上記実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電動車両の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るシートの側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るシート構成例を示すそれぞれ斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る物入れの構成例を示すそれぞれ斜視図である。
【図5】本発明の変形例を示すシートの斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るシートおよびアームの構成例を示すそれぞれ斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るシートおよび補助アームレストの構成例を示すそれぞれ斜視図である。
【図8】本発明の変形例を示すシートの斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
10 シート
11 シートクッション
12 シートバック
13 アームレスト
15 アーム
16 操作ボックス
17 ジョイスティックレバー
18 小物入れ
19 シートバックフレーム
22 アームレストフレーム
24 インナ部材
25 アウタ部材
26 ボス
29 補助アームレスト
100 電動車両
101 車体フレーム
102 前輪
103 後輪
104 前部カバー
105 ステップ部
106 後部カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの側部にアームレストを備えた電動車両において、
前記アームレストの下部に、取入れ取出し口が開口する小物入れを配設したことを特徴とする電動車両のシート構造。
【請求項2】
前記小物入れは、物品収納部とドリンクホルダ部とが一体的に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両のシート構造。
【請求項3】
前記小物入れの開口端面が、前記シートの上面と略同一高さ位置に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の電動車両のシート構造。
【請求項4】
前記ドリンクホルダ部が、前記アームレストの前端よりも前方かつ前記シートの前端よりも後方に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の電動車両のシート構造。
【請求項5】
前記アームレストは、前記シートに対して跳ね上げ式に構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動車両のシート構造。
【請求項6】
前記アームレストの前方に、補助アームレストを配設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動車両のシート構造。
【請求項7】
前記補助アームレストは、前記アームレストの下部に長手方向にスライド可能に取付・支持されることを特徴とする請求項6に記載の電動車両のシート構造。
【請求項8】
前記補助アームレストにグリップを付設したことを特徴とする請求項6または7に記載の電動車両のシート構造。
【請求項9】
前記補助アームレストは、前記アームレストの前端部にて回動可能に軸支され、その使用時に略水平に支持される一方、不使用時には前記アームレストの下部に格納されることを特徴とする請求項6に記載の電動車両のシート構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−82881(P2007−82881A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277381(P2005−277381)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】