説明

電動車両の車内温度制御方法及び空調システム

【課題】
搭載されている電池で駆動される電動車両の車内温度を、電池の放電による車両の走行距離を大幅に低下させることなく、適切に制御する電動車両の車内温度制御方法及び空調システムを提供する。
【解決手段】
電池(26)を有する電動車両の車内温度制御方法であって、冷媒回路(14)を有する空調システム(10)を設け、この冷媒回路を、電池(26)に熱結合して、電池が冷媒回路の熱アキュムレ‐タを形成し、電池(26)を充電ステーションに結合して充電中に、電池(26)を冷却又は加熱する。また、この空調システム(10)は、電池(26)が冷媒回路(14)と直接又は間接に熱結合され、冷媒回路(14)は、電池(26)を選択的に冷却又は加熱し、電池(26)の熱を選択的に冷媒回路(14)に供給するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源として電池を使用する電動車両に関し、特に電動車両の車内温度制御方法及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の空調システム(HVAC)は、車両の車内の空気を、加熱又は冷却する装置として公知である。内燃エンジンを有する車両において、空調システムは、内燃エンジンの排気熱により、空気を加熱することが可能である。車両の車内の冷却に必要なエネルギーは、満タンの燃料によるエネルギー量に対して比較的低い。これに対して、電池駆動の電動車両では、充電された電池によるエネルギー量は、遙に少ない。従って、従来のエネルギー要求で動作させた空調システムは、電気モータが殆どゼロ又は極少量の廃熱を出力するという事実により、車両の車内の加熱に使用できない。これに加えて、夏季における車内の冷却には、非常に大量のエネルギー消費が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した説明から理解しうるように、電池駆動される電動車両の車内の空気を、効率的に、即ち電池の充電エネルギーの消費を最小にして、加熱又は冷却する空調システム又は温度制御方法で、十分なものは提案されていない。
【0004】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みてなされたものであり、上記課題を、解決又は軽減し、電動車両の動作中に付加エネルギー要求を最小にし、従って、空調システムの作動による電動車両の走行距離の低減を最小にする、電動車両の車内温度制御方法及び空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、かつ上述した目的を達成するために、本発明の電動車両の車内温度制御方法及び空調システムは、次の如き特徴的な構成を採用している。
【0006】
本発明の電動車両の車内温度制御方法は、冷媒回路を有する空調システムを設けるステップと、電池が冷媒回路の熱アキュムレータを形成するように冷媒回路を電池と熱結合させるステップと、電池がその充電用の充電ステーションに接続されている間に、電池をオプションで冷却又は加熱するステップとを備えている。
【0007】
上述した冷却又は加熱は、固定パワーシステムで、電池の充電時に行うのが好ましい。
【0008】
熱アキュムレータは、例えば冷媒回路に結合(カップリング)され、かつ熱的には、それから切り離(デカップリング)される。
【0009】
充電中の電池の温度は、冷却モード時には所定の最低値に下げ、電池の加熱モード時には、所定の最大値に加熱することが可能である。
【0010】
上述した所定の最大値は、電池の最大動作温度に対応させ、最低値は、電池の所定最低動作温度に対応させるのが好ましい。
【0011】
本発明の実施例によると、電池に蓄えられた熱エネルギーは、車内の加熱中に冷媒回路供給される。
【0012】
車両の車内に放出された空気の熱エネルギー、及び/又は冷却される車両の電気部品、特にインバータ及び/又は車両の電気ドライブのエネルギーは、冷媒回路に供給されるのが好ましい。
【0013】
電池は、冷媒回路及び冷媒回路に接続された熱交換器により、直接的に加熱又は冷却することが可能である。
【0014】
電池を冷却するラジエータ、特に気化器は、電池領域内の冷媒回路に設けてもよい。オプションとして、ラジエータを、熱交換器に結合するか、又はその内部と一体化してもよい。
【0015】
充電中の電池の冷却中に、冷媒を、例えば電池内の回路に接続可能な膨張バルブにより膨張させ、その後、この冷媒に電池から熱を吸収させる。
【0016】
電池を加熱する加熱装置、特にコンデンサは、電池内の冷媒回路に設けてもよい。
【0017】
本発明の電動車両の車内温度制御方法の好適な実施例によると、充電ステーションへの接続中に、冷媒回路をホットガス回路として使用し、このホットガス回路により、電池を加熱する。
【0018】
充電ステーションへの接続中に、電池の冷却又は加熱を、マニュアルで、例えば充電プロセスの開始時に選択することが可能である。
【0019】
さらに、冷却モード又は加熱モードの選択を、外部温度又は季節に応じて、自動的に行わせてもよい。
【0020】
本発明による電動車両の車内温度制御方法の更に別の好適な実施例として、冷媒回路に接続された流体回路を設け、流体回路、電池、及び少なくとも1個の熱源、特に放出空気の熱交換器、又は冷却される車両部品の車両部品熱交換器を配置し、電池の加熱中に、冷媒回路から流体回路へ熱を供給し、かつ車両の動作中に、熱エネルギーを冷媒回路へ出力させ、及び/又は電池の冷却中に熱エネルギーを取り出し、車両の動作中に、熱源の熱エネルギーを電池により吸収する。
【0021】
上述した冷媒回路は、冷媒温度が0℃より下がらないように動作させるのが好ましい。
【0022】
更に、本発明の電動車両の空調システムは、コンプレッサ、特に気化器であるラジエータ、及びコンデンサである加熱装置を備え、車両電池を、熱交換器を介して、直接又は間接的に冷媒回路に接続し、冷媒回路が電池を選択的に冷却又は加熱するようにし、かつ電池からの熱を、選択的に冷媒回路に供給することを特徴としている。
【0023】
切換可能な熱交換器を冷媒回路に設け、この熱交換器が、膨張バルブにより、気化器として又はバイパスラインを介してコンデンサとして作動し、直接又は間接的に接続された電池を、冷却又は加熱させるのが好ましい。
【0024】
車内の放出空気ライン中に放出空気熱交換器を設け、放出空気の熱を吸収させることも可能である。
【0025】
また、車両のインバータ又は電気ドライブである車両部品に接続された車両部品熱交換器を設け、この車両部品から、熱エネルギーを吸収させることも可能である。
【0026】
また、電池は、一般に部品の熱をバッファし、それを、後の適当なときに車内に出力させてもよい。
【0027】
少なくとも2つの熱交換器、特に全ての熱交換器を、並列に接続して熱エネルギーを吸収させ、そのエネルギーを冷媒回路に出力させてもよい。
【0028】
更に、熱エネルギーを吸収して冷媒回路に出力する少なくとも2つの熱交換器を直列に接続し、最高に冷却するべき部品、即ち最低動作温度の熱交換器を、直列回路の先頭に配置するのが好ましい。
【0029】
本発明の電動車両の空調システムの一実施例によると、冷媒回路に接続された流体回路を設け、この流体回路は、流体ポンプ、電池熱交換器、及び少なくとも1つの付加熱交換器、特に放出空気熱交換器又は冷却される車両部品の車両部品熱交換器を有するものとする。
【0030】
上述した流体回路は、切換可能な熱交換器を介して、冷媒回路に結合させているのが好ましい。
【0031】
これらの回路には、種々の冷媒が設けられるが、回路内で、その相又は状態を変化させる冷媒が好ましい。特に、冷媒回路には、R134a、HFO1234yf又はR744が使用され、流体、特に水、グリコール、又は水とグリコールの混合体を、流体回路に使用するのが好ましい。
【0032】
オプションとして、冷媒回路に冷却装置を接続して設けるのが好ましい。
【0033】
本発明の空調システムの好適な実施例によると、冷媒回路内に接続され、かつコンデンサ及び気化器が取り付けられている空調ユニットが提供される。この空調ユニットは、通常のHVACボックスであり、冷媒回路に接続され、かつこの回路内に接続可能な気化器及びコンデンサを有し、空気が、これらコンデンサ及び気化器を介して、加熱又は冷却状態で車内へ流れる。
【0034】
上述したコンデンサは、冷媒回路内に固定配置され、かつ空調ユニットは、オプションとして形成するか、又は車両の車内へのコンデンサの接続を切り離すのが好ましい。
【0035】
また、上述した冷媒回路内には、内部熱交換器を設けることも可能である。
【発明の効果】
【0036】
上述の如き特徴的な構成を採用する本発明の電動車両の車内温度制御方法、及び空調システムによると、次の如き種々の特有の効果が奏せられる。
【0037】
即ち、本発明の電動車両の車内温度制御方法によると、電池は、電気エネルギーのアキュムレータ及び空調システムの動作に使用可能な熱エネルギーのアキュムレータの双方の機能を果たす。熱アキュムレータ用に、取付スペースや重量が増大することはない。
本発明の種々の実施例又は変形例によると、加熱又は冷却の後で、熱アキュムレータを冷媒回路から切り離し、熱アキュムレータをアイソレートして、必要時のみに回路内に接続可能である。電池が、電気的アキュムレータとして、機能時の熱アキュムレータの容量を最大にすると共に、その使用寿命に悪影響を及ぼすことはない。車内を加熱するために必要な電気エネルギーを低減させることが可能である。ヒートポンプとして動作する冷媒回路は、冷却される車両電気部品を冷却し、同時に、必要な電気エネルギーが最適状態で使用して車内を加熱する。冷媒回路を介して、電池を直接かつ良好に冷却する。また、車両のドライバは、例えば車両の次の使用予定の機能としてや電池でサポートされる空調システムの動作モード(加熱/冷却)が選択できる。例えば、空調システムと冷却が必要である別の流体回路に設けられた種々の装置を組み合わせることができ、冷却は冷たい電池により行うことが可能である。更に、空調システムの種々の部品に氷が生成するのを防止できる。
【0038】
また、本発明の電動車両の空調システムは、上述した電動車両の車内温度制御に容易に応用可能である。電池は、電気アキュムレータ、及び熱アキュムレータの双方の機能を果たす。必要に応じて、車両の動作中に、車内又は電気部品を加熱又は冷却する熱(ヒート)又は「コールド(冷気)」を貯蔵することができ、空調システムの動作中に、車両の走行距離が著しく短縮するのを防止できる。
本発明の空調システムの種々の実施例又は変形例によると、電池を加熱又は冷却する部品は、極僅かの取付スペース及び重量を必要とするのみである。放出空気の熱エネルギーは、ヒートポンプと同様に吸収され、車内の加熱に使用される。また、冷媒回路をヒートポンプとして動作させ、冷却される車両部品の熱を車内へ供給する。熱エネルギーを吸収する種々の熱交換器を個別に作動させることができる。更に、この空調システムの構成は簡単であり、空調システムの制御が簡単であると共に安価である。オプションとして、2つの回路を独立して動作させ、電池の熱エネルギーを極めて長時間保存できる。加えて、予め冷却した電池は、冷媒回路から独立して冷却すべき車両電気部品を冷却できる。冷媒回路は、切換可能な熱交換器により、加熱及び冷却が共に可能である。それぞれの回路に、種々の熱交換器を使用することが可能である。冷却装置は、例えば冷媒を冷媒回路に、コンデンス又は濃縮できる。この空調システムは、コンデンサを回路内に接続する冷媒回路の複雑な切換を行う空調システムに比して、簡単かつ安価に製造できる。また、内部熱交換器により、圧縮した冷媒を、逆流する膨張冷媒で冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】電池の充電及び加熱中における本発明の空調システムの第1実施例の説明図である。
【図2】車両の動作中、車両の車内の加熱中における図1に示す本発明による空調システムの説明図である。
【図3】車両の車内及び/又は電池の冷房中における図1に示す本発明による空調システムの説明図である。
【図4a】直並列接続される複数の熱交換器の種々の接続形態を示す図である。
【図4b】直並列接続される複数の熱交換器の種々の接続形態を示す図である。
【図4c】直並列接続される複数の熱交換器の種々の接続形態を示す図である。
【図5】電池の充電及び加熱中における本発明による空調システムの第2実施例を示す図である。
【図6】車両の動作時の、車内の加熱中における図5に示す空調システムの説明図である。
【図7】電池の充電及び冷却中における図5に示す本発明による空調システムの説明図である。
【図8】車両の動作中の、車内冷房中における図5に示す空調システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明による電動車両の車内温度制御方法、及び空調システムの好適な実施例の構成及び動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図1〜図4は、電池のみを動力源とする本発明による電動車両の空調システム10の第1実施例の説明図である。各種の切換状態を次に説明する。中央空調ユニット(以下、HVACユニットともいう)12は、この空調システムの核を形成している。このHVACユニット12は、車両に取り付けられ、車内を加熱及び冷却する。このHVACユニット12は、冷媒回路14に組み込まれている。
【0042】
このHVACユニット12は、ファン13の他に、空気ダクト及び複数の空気フラップ(図示せず)を備え、オプションとして、このHVACユニット12から、車内へ空気流を導き、それにより、空気温度及び空気量を制御するようになっている。
【0043】
冷媒回路14内における冷媒の通過方向は、複数の矢印で示してある。
【0044】
冷媒回路14は、例えばR134a、R744(CO2)又はHFO123yf等の冷媒で動作し、回路内及びプロセス中で、これらの相状態の変化、多量の熱エネルギーの伝送、吸収及び出力が行われる。
【0045】
冷媒は、空調ユニット12のコンデンサ18を通過する冷媒を圧縮するコンプレッサ16から流れ出る。コンデンサ18は、冷媒回路14及び空調ユニット12に接続され、コンデンサ18に沿って空気が運ばれるようにする。車内の人が希望する場合には、そこで加熱されて車内へ運ばれる。
【0046】
或いは、冷媒回路14には、コンデンサ18をバイパスするためのバイパスラインが設けられている(このバイパスラインは、図示していない)。しかし、空調ユニット12内のコンデンサ18は、車両の車内から熱を切り離し、これにより、車内が加熱されないようにする。これは、図3、図7及び図8の場合である。ここで、空調ユニット12は、加熱された空気が車内へ吹き込まないように切り換えられる。
【0047】
コンデンサ18の下流で、冷媒回路14は、複数の並列ブランチに枝分かれし、それぞれオプションで、ソレノイドバルブ20を介して上流に接続された回路に接続されている。並列接続されたこれらのブランチの第1番目は、空調ユニット12内に位置する気化器22である。気化器22の上流には、膨張バルブ24が接続され、その内部で冷媒が膨張し、その結果、冷媒は気化器22内を冷却し、空調ユニット12から運び出される空気もまた冷却される。この切換状態を図3に示す。
【0048】
更に、3つのブランチが上述した第1ブランチと並列接続され、その第1番目は、熱交換器28と一体の電池26を備えている。この電池26は、電動車両の動力源として機能する。熱交換器28の上流には、膨張バルブ24が接続され、このバルブ24は、気化器の一種として回路に接続されている。この気化器も、熱交換器28により形成されている。
【0049】
膨張バルブ24には、気化器22の下流に接続された温度センサ29、又は気化器として動作する熱交換器28、32、34が接続され(点線参照)、オプションとして温度制御の様式で動作する。
【0050】
指定された膨張バルブ24のバイパスライン30は、更にソレノイドバルブ31を介して接続可能である。このバイパスライン30を介して流れ且つ膨張バルブ24が回路から切り離されると、熱交換器28もコンデンサとして動作し、このコンデンサに直接結合された電池26を加熱し、最早冷却することはない。
【0051】
規定のソレノイドバルブ31を有するバイパスライン30と共に示す実施例は、好適な実施例である。また、ソレノイドバルブ31を有しない本発明の空調システム10も可能である。
【0052】
上述した2つのブランチと並列に、少なくとも2つのブランチがある。その1つには、車両部品熱交換器32と称するものが設けられ、他の1つには、放出空気熱交換器34と称するものが設けられている。
【0053】
電池26は、冷媒回路14内に熱交換器を形成するように、冷媒回路14と熱結合されている。ここで、「熱アキュムレータ」とは、「コールドアキュムレータ」をも包含するものと理解されたい。
【0054】
図1〜図3に示すように、膨張バルブ24は、熱交換器32、34の上流に設けられている。
【0055】
車両部品熱交換器32は、冷却したい車両部品、例えばインバータ及び/又は車両の電気ドライブに指定され、それぞれの車両部品を冷却する作用をする。この車両部品熱交換器32を介して、冷媒により、所定の車両部品から熱エネルギーを吸収する。
【0056】
放出空気熱交換器34は、車両の車内の放出空気ライン内に設けられ、この放出空気から熱エネルギーを吸収する働きをする。これにより、空調システムにより加熱された放出空気の熱エネルギー、及び車両内の人が出力した熱エネルギーを、放出空気熱交換器34で吸収し、冷媒回路14にフィードバックする。
【0057】
ここで、冷媒回路14の循環ラインにより、膨張された冷媒をコンプレッサ16へ戻す。
【0058】
空調ユニット12のコンデンサ18の下流には、多方向バルブ36が設けられ、それを介して、冷媒の流れを冷媒回路14にオプションとして接続可能な冷却装置38、例えば車両の前方ラジエータ及び内部熱交換器39へ向ける。内部熱交換器39は、冷却装置38を含むラインをコンプレッサ16へ導くラインへ結合させる。
【0059】
図1及び図2において、多方向バルブ36は、冷媒の流れが、回路に接続可能な冷却装置38及び内部熱交換器39を通過しないように切り換えられる。
【0060】
しかし、図3においては、多方向バルブ36は、冷却装置38及び内部熱交換器39が冷媒回路内に接続されるバルブ位置である。
【0061】
冷媒回路に接続される冷却装置38は、空調ユニット12の外部に配置されたコンデンサとして具体化される冷媒の冷却装置であり、これに対して、コンデンサ18は空調ユニット12内部にある。
【0062】
次に、上述した空調システムの動作方法を説明する。ここで、空調システムは、電動車両の車内温度を開ループ又は閉ループ制御するものである。
【0063】
図1は、電池26の加熱プロセスを示し、これは、車両が静止状態のとき及び充電ステーションに接続されているときに実行される。この状態のとき、上述した如く、電池26は加熱及び冷却の双方が可能である。
【0064】
図1に示すように、コンプレッサ16は、加熱の場合に動作する。その結果、冷媒回路14は、充電ステーションを介して動作状態にセットされる。従って、冷媒回路14は、車両のドライブモード中に、車内の加熱及び冷却を行うのみならず、車両が充電ステーションに接続されているとき、電池26の加熱及び冷却をも行う。
【0065】
熱アキュムレータを設ける電池26の加熱は、電池26の充電と同時に行われるのが好ましい。
【0066】
しかし、特定の条件下では、充電プロセスの前後に、又は充電の前後に、付加的に更なる加熱を行うことが可能であり、かつ効果的である。また、電池26は、最初に完全に充電し、その後に電池26の加熱又は冷却を行ってもよい。これにより、電池26の最速充電が可能である。外部温度が低い場合には、まず電池を、充電プロセスに最適な温度とし、その後に充電して、電池を最終的に最高温度にしてもよい。
【0067】
図1に示すように、上述した冷媒回路14は、ホットガス(高温ガス)回路として使用される。
【0068】
バルブ36は、圧縮された冷却空気が冷却装置38を介して流れないように切り換えられる。気化器22及び熱交換器32、34は、冷媒回路14に接続されていない。しかし、熱交換器32に割り当てられた電気部品、又は熱交換器34に割り当てられた車両部品が、ドライブモードからの熱でまだ熱ければ、それに応じて、バルブ26を切り換え、この廃熱を冷媒回路14に使用するようにすることも勿論可能である。
【0069】
これに加えて、コンプレッサ16の下流の圧縮された冷媒は、膨張バルブを通るようには向けられず、バイパスライン30を介して、電池26の熱交換器28に向けられる。その結果、暖かい冷媒は電池26を加熱する。バイパスライン30のソレノイドバルブ31は、スロットル機能を有し、電池26への熱いガスの流れを、開ループ又は閉ループ制御する。
【0070】
加熱中に、コンデンサ18内の既に利用可能な冷媒のエネルギーは、ファン13が動作していないので、流れ込む空気を送り出すことはない。
【0071】
更に、図1〜図3において、各状態において流体が流れないラインは、点線で示している。
【0072】
電池26は、その温度が所定の最大値、即ち電池26の最高動作温度に対応する温度になるまで加熱される。この最大値は、電池26のタイプに依存し、例えば40℃〜60℃である。
【0073】
電池26の充電プロセス中に、車内を空調ユニット12により加熱することも可能である。
【0074】
図2は、車両の動作中における上述した加熱モードの空調システム10を示している。
【0075】
圧縮された冷媒は、コンデンサ18内に貯蔵され、空調ユニット12を介して空気中に出力される。ファン13が駆動される。液体冷媒は、電池26の熱交換器28、車両部品熱交換器32、及び/又は放出空気熱交換器34を通過する。冷媒は、何れの場合にも、膨張バルブ24を介して、それぞれ気化器として動作する熱交換器28、32、34へ向けられる。電池26は、車両部品又は放出された空気を冷却する。このプロセスにおいて、冷媒は、電池26、車両部品及び放出空気から熱エネルギーを吸い取り、この熱エネルギーは、冷媒回路14の回路内の空調ユニット12に再度供給され、車内を加熱する。従って、空調システム10は、ヒートポンプとして動作する。
【0076】
電池26は、電池26の最低動作温度に対応する所定の最低温度まで冷却可能である。電池26に貯蔵され、かつ車内の加熱に供給可能な熱エネルギーは、電池26の所定最高温度と所定最低温度との差による。
【0077】
図3は、電池26の充電モードにおける電池26の冷却、及びドライブモードにおける車内を冷却中の空調システム10の動作説明図である。圧縮された冷媒は、回路及びファンが割り当てられた内部熱交換器39に接続可能な冷却装置38により冷却及び濃縮される。次に、液体冷媒は、開ソレノイドバルブを介して種々の熱交換器へ供給される。電池26は、開膨張バルブ24と共に、ラジエータとして動作する熱交換器28を介して、所定の最低温度に冷却される。
【0078】
車両が動作中に、電池26は、徐々に加熱するので、低出力温度のために空調システム10による付加的な冷却は、全く又は殆ど不要である。そのため、例えばソレノイドバルブ20により、冷媒回路14から完全に切り離すことも可能である。
【0079】
放出空気の冷却によるエネルギーの吸収は、不要又は好ましくないので、放出空気熱交換器34は、関連するソレノイドバルブ20による冷媒回路から切り離される。他方、車両部品熱交換器32は、この熱交換器32のソレノイドバルブ20を介して冷媒回路14に結合され、対応する車両部品を冷却する。
【0080】
空調ユニット12は、一体化された気化器22と共に、それを介して流れる空気を冷却する。また、空調ユニット12のコンデンサ18を介する冷媒の流れもあるが、空調ユニット12内では、コンデンサ18の車内への接続は遮断されているので、このコンデンサ18は車内から切り離されている。
【0081】
冷媒回路14は、水が凍結するのを防止するために、0℃以下の温度にならないように動作される。
【0082】
充電ステーションに接続中に、電池26を冷却するか、又は加熱するかの選択は、充電プロセスの始めに手動で行う。これにより、車両のドライバは、例えばその車両の次の使用予定、即ち車両を冷却するか又は加熱するかに応じて決定可能である。或いは、冷却モード又は加熱モードの選択は、例えば外気温度又は季節に基づいて自動的に行ってもよい。
【0083】
次に、熱交換器28、32、34の可能な配置構成を、図4a〜図4cに示す。図4aの場合には、電池26の熱交換器28及び放出空気熱交換器34が相互に冷媒回路14の第1セクションに並列接続されている。冷媒回路14の第2セクションには、車両部品熱交換器32が下流に配置されている。
【0084】
図4bでは、放出空気熱交換器34及び車両部品熱交換器32が直列接続され、電池26の熱交換器28がこれらと並列接続されている。
【0085】
上述した場合に対して、図4cの場合には、車両部品熱交換器32が電池26の熱交換器28と直列接続され、放出空気熱交換器34がこれらと並列接続されている。
【0086】
種々の熱交換器28、32、34を直列接続して、バルブ20、24の数を減らし、空調システム10を簡単にすることが可能である。熱交換器28、32、34を直列接続した場合には、最も冷却したく、かつ最低温度に冷却するべき部品は、直列回路の前面に配置される。同時に動作される部品の熱交換器28、32、34を直列接続するのが特に好ましい。
【0087】
図5〜図8は、本発明による空調システム10の第2実施例の各種動作状態の説明図である。電池26の熱交換器28、車両部品熱交換器32及び放出空気熱交換器34は、上述した第1実施例の場合に対して、別の流体回路40に配置している。空調ユニット12のコンプレッサ16、コンデンサ18及び気化器22を有する冷媒回路14は、図1〜図3に示す第1実施例の冷媒回路と同様に形成される。
【0088】
他方、流体回路40は、流体ポンプ42を備え、切り換え可能な熱交換器44を介して冷媒回路14に結合されている。切り換え可能な熱交換器44は、膨張バルブ24を介して気化器として、又はバイパスライン30を介してコンデンサとして動作可能である。バイパスライン30は、スロットル機能を有するソレノイドバルブ31により、回路に接続可能である。
【0089】
上述した流体回路40は、例えば水、グリコール、又は水/グリコール混合体である流体と共に動作し、熱交換器28、32、34は、液体クーラ又は液体ヒータとして実現される。電池26の熱交換器28及び車両部品熱交換器32は、流体回路40の第1ブランチに直列接続され、放出空気熱交換器34は、ソレノイドバルブ20からデカップリング又は切り離し可能な流体回路40のブランチに並列接続されている。
【0090】
冷媒回路14は、第1実施例の場合と同様の動作し、例えばR134a、HFO123yf又はR744(CO2)である冷媒が、回路内でその相を変化させる。
【0091】
また、冷媒回路14及び流体回路40は、異なる方法で実施することも可能である。特に、空調ユニット12を電動車両用電池の既存の冷媒回路結合することも可能である。また、複数の更なる熱交換器、例えば空調システム10内で冷却される更なる車両部品の熱交換器を設けることも可能である。
【0092】
電池26(例えば冷却薄板及び薄いライン)を介して冷媒を循環させ、電池26の各セルの全てを一様な温度にするのが一般的に有効である。
【0093】
充電ステーションに接続中に、電池26を冷却するか加熱するかの選択は、上述した第1実施例の場合と同様に、手動又は自動的に行う。
【0094】
次に、成就した空調システムの動作方法を、図5〜図8を参照して次に説明する。
【0095】
図5に示す空調システム10の構成では、切り換え可能な熱交換器44がコンデンサとして動作するので、流体回路40内の流体を加熱する。流体ポン部42は、流体回路40を介して、流体を反時計方向へポンピングし、その結果特に電池26が加熱される。
【0096】
充電プロセス及び加熱プロセスの完了後に、空調システム10は、車両の動作中に図6に示す構成に切り換えられる。そこで、切り換え可能な熱交換器44は、膨張バルブ24を介して気化器として動作する。流体回路40内の流体は、熱交換器44内で冷却され、その結果、電池26、車両部品熱交換器32及び放出空気熱交換器34を冷却する。このプロセス中において、流体は、流体回路40の次の循環中に伝送される熱を切り換え可能な熱交換器44を介して熱を吸収する。冷媒回路14から、熱が空調ユニット12のコンデンサ18に供給される。
【0097】
図7は、電池26を冷却する電池26の充電プロセス中の空調ユニット10の構成を示している。冷媒回路14において、回路に接続可能な冷却装置38及び内部熱交換器39は、他方向バルブ36を介して回路に接続され、切り換え可能な熱交換器44は、膨張バルブ24を介して気化器として動作し、流体回路40内の流体を冷却する。流体回路40の冷却された流体は、電池26及び直列接続された車両部品熱交換器32を冷却する。放出空気熱交換器34は、そのソレノイドバルブ20により、流体回路40から切り離される。
【0098】
車両の動作中で電池26の充電プロセス後に、空調システム10は、図8に示す構成に切り換えられる。ここで、切り換え可能な熱交換器44は、そのソレノイドバルブ20により冷媒回路14から切り離される。その結果、電池26も冷媒回路14から切り離される。冷媒回路14は、空調ユニット12の気化器22による車内の冷却のみのエネルギーを必要とする。流体回路40は、電池26に蓄えられた「コールド(冷気)」を使用して、車両部品熱交換器32を冷却する。流体回路40は、流体回路40の温度が、電池26又は冷却される車両部品の最高許容動作温度を超えない限り、冷媒回路14から切り離される。
【0099】
計算によると、冬季モードでは、静止状態の車両の熱損失は、電池26に蓄積された熱を完全に吸収し、空調システムを使用する熱ポンプ動作による車両の走行距離の減少は最小限である。熱ポンプのコンプレッサの僅かなパワードレインは、10〜40℃の熱源高温レベルとなり、熱ポンプの僅かな温度変化を生じる。
【0100】
夏季モードでも、本発明の電動車両の車内温度制御方法及び空調システムによると、従来設計の電動車両の場合に比して、車両の走行距離の減少は小さい。
【0101】
以上、本発明の好適な実施例の構成及び動作を詳述した。しかし、本発明は、上記実施例のみに限定するべきものではなく、本発明の要旨や精神を逸脱することなく、種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できると思う。例えば、上述した特定回路の全体又は一部を組み合わせて、新たな回路を形成することが可能である。
【符号の説明】
【0102】
10 空調システム
12 空調ユニット(HVACユニット)
14 冷媒回路
16 コンプレッサ
18 コンデンサ
22 気化器
24 膨張バルブ
26 電池
28 熱交換器
30 バイパスライン
32、34 熱交換器
38 冷却装置
39 内部熱交換器
40 流体回路
42 流体ポンプ
44 切換可能な熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(26)を備える電動車両の車内温度を制御する方法において、
冷媒回路(14)を有する空調システム(10)を設けるステップと、
前記電池(26)が前記冷媒回路(14)の熱アキュムレータを形成するように、前記冷媒回路(14)を前記電池(26)に熱的結合するステップと、
前記電池(26)を充電するために充電ステーションに結合されているとき、前記電池(26)を選択的に冷却又は加熱するステップ
とを備えることを特徴とする電動車両の車内温度制御方法。
【請求項2】
前記電池(26)の冷却又は加熱を、前記電池(26)の充電中に行うことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項3】
前記熱アキュムレータは、前記冷媒回路(14)に結合可能であり、かつそれから熱的に切り離し可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項4】
充電中の前記電池(26)の温度は、冷却モードでは、所定の最低値に下げ、電池の加熱モードでは、所定の最大値に加熱されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項5】
前記電池(26)に貯蔵された熱エネルギーは、前記車内の加熱中に前記冷媒回路(14)へ供給されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項6】
前記車内の放出空気の熱エネルギー、及び/又は冷却されるインバータや車両の電動ドライブ等の電気車両部品の熱エネルギーは、前記冷媒回路(14)へ供給されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項7】
前記電池(26)は、前記冷媒回路(14)及び前記冷媒回路(14)に接続された熱交換器(28)により、直接に加熱又は冷却されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項8】
前記電池(26)が冷却される気化器等のラジエータは、前記冷媒回路(14)の前記電池(26)の領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項9】
前記電池(26)の冷却中に、前記冷媒回路の前記電池の近傍に接続される膨張バルブ(24)により膨張された冷媒により、前記電池(26)から熱を吸収させることを特徴とする請求項8に記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項10】
前記電池(26)が加熱されるコンデンサ等の加熱装置が、前記冷媒回路(14)の前記電池(26)の近傍に設けられていることを特徴と請求項1〜9の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項11】
前記充電ステーションに接続中に、前記冷媒回路(14)は、ホットガス回路として使用され、前記ホットガス回路により、電池(26)を加熱することを特徴とする請求項1〜10の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項12】
前記充電ステーションに接続中の前記電池(26)の冷却又は加熱の選択は、充電プロセスの開始時に手動で選択されることを特徴とする請求項1〜11の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項13】
前記電池の冷却又は加熱の選択は、外気温度及び/又は季節に応じて自動的に行われることを特徴とする請求項1〜11の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項14】
前記冷媒回路(14)に結合された流体回路(40)が設けられ、前記流体回路(40)、前記電池(26)及び少なくとも1個の熱源である放出空気熱交換器、又は冷却される車両部品熱交換器が配置され、前記電池(26)の加熱中に、熱が前記冷媒回路から前記流体回路(40)へ供給され、車両の動作中に熱エネルギーが、前記冷媒回路(14)へ出力され、及び/又は前記電池の冷却中に、熱エネルギーが吸収され、かつ車両の動作中に、前記熱源からの熱エネルギーが前記電池から吸収されることを特徴とする請求項1〜13の何れか1つに記載の電動車両の車内温度制御方法。
【請求項15】
コンプレッサ(16)を有する冷媒回路(14)、気化器(22)の形態であるラジエーター、及びコンデンサ(18)の形態である加熱装置を有する電動車両の空調システム(10)において、
車両の電池(26)が、熱交換器(28)を介して、直接又は間接に熱的に冷媒回路(14)に結合され、前記冷媒回路(14)は、前記電池(26)を選択的に冷却または加熱するか、又は前記電池(26)からの熱を、前記冷媒回路(14)へ供給するようになっていることを特徴とする電動車両の空調システム(10)。
【請求項16】
切換可能な熱交換器(28)(44)が、前記冷媒回路(14)に設けられ、前記熱交換器は膨張バルブ(24)により、気化器(22)として、又はバイパスライン(30)を介して、コンデンサとして動作可能であり、直接又は間接的に結合された電池(26)を冷却又は加熱することを特徴とする請求項15に記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項17】
車両の車内の放出空気ラインに接続された放出空気熱交換器(34)が設けられ、これにより、放出空気の熱エネルギーを吸収させることを特徴とする請求項15又は16に記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項18】
特にインバータや車両の電気ドライブである電気的車両部品に接続された車両部品熱交換器(32)が設けられ、前記車両部品から熱エネルギーを吸収することを特徴とする請求項15〜17の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項19】
少なくとも2個の熱交換器(28)(32)(34)、特に前記冷媒回路(14)に熱エネルギーを供給する全ての熱交換器(28)(32)(34)が、並列接続されていることを特徴とする請求項15〜18の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項20】
前記冷媒回路に熱エネルギーを供給する少なくとも2個の熱交換器(28)(32)(34)は直列接続され、最高に冷却され、かつ最低動作温度を有する部品からなる熱交換器(28)(32)(34)は、前記直列接続の前配置されていることを特徴とする請求項15〜19の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項21】
前記冷媒回路(14)に結合された流体回路(40)が設けられ、前記流体回路は流体ポンプ(42)、電池熱交換器(28)、及び少なくとも1つの別の熱交換器(32)(34)、特に放出空気熱交換器(34)、又は冷却される車両部品の車両部品熱交換器(32)を有することを特徴とする請求項15〜20の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項22】
前記流体回路(40)は、切り換え可能な熱交換器(44)を介して、前記冷媒回路(14)に結合されていることを特徴とする請求項21に記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項23】
前記冷媒回路(14)及び流体回路(40)には、種々の冷媒が供給され、前記冷媒としては好ましくは前記回路内で相が変化するR134a、HFO1234yf又はR744が、前記冷媒回路(14)に使用され、前記流体回路(40)には水、グリコール又は水とグリコールの混合体が使用されることを特徴とする請求項21又は22に記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項24】
前記冷媒回路(14)にオプションとして接続可能な冷却装置(38)が設けられていることを特徴とする請求項15〜23の何れか1つに記載の電動車両の空調システム。(10)
【請求項25】
前記冷媒回路(14)に接続され、かつコンデンサ(18)及び別体の気化器(22)を有する空調ユニット(12)が設けられていることを特徴とする請求項15〜24の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項26】
前記コンデンサ(18)は、前記冷媒回路(14)に固定的に配置され、前記空調ユニット(12)は、前記コンデンサの車内との接続を、選択的に、形成するか又は切り離すことが可能であることを特徴とする請求項25に記載の電動車両の空調システム(10)。
【請求項27】
内部熱交換器(34)が、前記冷媒回路(14)に設けられていることを特徴とする請求項15〜26の何れか1つに記載の電動車両の空調システム(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−68348(P2011−68348A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−216355(P2010−216355)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(505385251)ヴァレオ クリマジステーメ ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】