電圧クランプ/エネルギー回収回路
【課題】スイッチング補助ネットワーク内に散逸する恐れのあるエネルギーを回収し、これを電気システムの別な部分に戻すか、熱の管理がより簡単な部分に戻す方法を提供する。
【解決手段】各スイッチング段を、共通結合点PCC1〜PCC8のそれぞれ一つと、第1および第2の主dcラインDC1、DC2との間に接続する。各クランプ段を、共通結合点PCC1〜PCC8のそれぞれ一つと、第1および第2の副dcラインDC3、DC4との間に接続する。電圧クランプ回路は、また、第1主dcラインDC1と第1副dcラインDC3との間に接続した第1キャパシターC1、および第2主dcラインDC2と、第2副dcラインDC4との間に接続した第2キャパシターC2を有する。エネルギー回収回路は、dc/dcコンバーター手段を備え、第1および第2の主dcラインDC1、DC2に対して第1および第2のキャパシターC1、C2を選択的に放電する。
【解決手段】各スイッチング段を、共通結合点PCC1〜PCC8のそれぞれ一つと、第1および第2の主dcラインDC1、DC2との間に接続する。各クランプ段を、共通結合点PCC1〜PCC8のそれぞれ一つと、第1および第2の副dcラインDC3、DC4との間に接続する。電圧クランプ回路は、また、第1主dcラインDC1と第1副dcラインDC3との間に接続した第1キャパシターC1、および第2主dcラインDC2と、第2副dcラインDC4との間に接続した第2キャパシターC2を有する。エネルギー回収回路は、dc/dcコンバーター手段を備え、第1および第2の主dcラインDC1、DC2に対して第1および第2のキャパシターC1、C2を選択的に放電する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧クランプ/エネルギー回収回路に関する。具体的には、本発明は、電子整流回路の流出側半導体スイッチング素子をゲートコントロールによって完全に整流する強制的な整流プロセス時に、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)内に熱として散逸する恐れのあるエネルギーを回収する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
イギリス特許出願第2433360号明細書には、電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流子が開示されている。この固定子巻き線の場合、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合している。電子整流子回路は、同数のスイッチング段をもち、各スイッチング段を共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2のdcラインとの間に接続する。各スイッチング段は、陽極を第1dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフできる第1の逆阻止半導体パワー素子および陰極を第2dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフできる第2の逆阻止半導体パワー素子をもつ。
【0003】
好ましいタイプの半導体パワー素子は、逆阻止ゲート式ターンオフサイリスター(RB−GTO)か変形RB−GTOである。理由は、内部回収特性の結果として、絶縁ゲート式バイポーラトランジスタ(IGBT)などの他のゲート式整流化素子群と比較してオンステート損失が小さい利点があるからである。
【0004】
従来のサイリスターの代わりに、逆阻止半導体パワー素子が利用されているが、これは、電子整流回路が、固定子巻き線の電圧に関係なく、電流を強制的に整流できることを意味している。
【0005】
この電気整流回路は、また、半導体パワー素子それぞれと平行に接続されたスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)を備えている。このスナッバーとしては、イギリス特許出願第2433360号明細書に示されているように、公知の工業基準“RCD偏極スナッバー”に準じて構成された直列レジスタ-キャパシターを利用することができる。いずれのスナッバーも、強制的な整流プロセスを確保して、パワー半導体素子のスイッチング損失を減らすことを目的としている。ところが、強制的整流プロセス時に流出側のRB−GTOをスイッチング操作した場合にエネルギーがスナッバー内に散逸すると、これは、相当なエネルギー損失の原因になり、電子整流素子の全体的な効率が低下する原因になる。
【特許文献1】イギリス特許出願第2433360号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)内に散逸する恐れのあるエネルギーを回収し、これを電気システムの別な部分に戻すか、あるいは熱の管理がより簡単な部分に戻す方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明は、電気機械の固定子巻き線に使用する回路であって、固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなる回路において、
同数のスイッチング段を有し、共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に各スイッチング段を接続した電子整流回路であって、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子、を有する電子整流回路、
電圧クランプ回路であって、
共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2副dcラインとの間に各クランプ段を接続し、陰極を第1副dcラインに接続した第1ダイオード、陽極を第2副dcラインに接続した第2ダイオードを有する同数のクランプ段、
第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続した第1キャパシター、および、
第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続した第2キャパシター、を有する電圧クランプ回路、および、
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段を有する回路を提供するものである。
【0008】
本発明の作用効果について説明すると、電圧クランプ回路の第1および第2のキャパシターを個々のクランプ段のすべてによって共有化できることである。また、従来の電子整流回路のスイッチング補助ネットワークおよびスナッバーコンポーネントをクランプ段のダイオードによって有効に置き換えることができる。従って、本発明の電圧クランプ/エネルギー回収装置は、電気コンポーネント数が比較的少なくて済み、ハードウェアコストが低下し、また信頼性が向上する。
【0009】
(好ましくは本質的に損失のない放電路を介して)電気機械に対応する電気システムの適当な任意の部分または電気システムのその他の部分に第1および第2のキャパシターを選択的に放電できる。第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段は、好ましくは、第1および第2のキャパシターに保存されているエネルギーを回収するエネルギー回収回路である。一般的には、エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインのうち一つに対して第1キャパシターを選択的に放電し、そして第1および第2の主dcラインのうちもう一方に対して第2キャパシターを選択的に放電するdc/dcコンバーター手段を有しているのが好ましい。例えば、直流電圧極性に応じて、第1主dcラインまたは第2主dcラインに対して第1主dcラインおよび第1副dcラインの間に設けた第1キャパシターを選択的に放電することができる。
【0010】
電圧クランプ回路には、さらに、第1および第2の副dcライン間に第3のキャパシターを配設してもよい。
また、さらに、電圧クランプ回路には、第1主dcラインと第1副dcラインとの間に複数の第1キャパシターを接続し、そして第2主dcラインと第2副dcラインとの間に複数の第2キャパシターを接続してもよい。
【0011】
通常、本発明回路は、第1および第2のdc端子をもつことになる。即ち、第1dc端子を第1主dcラインに接続し、そして第2dc端子を第2主dcラインに接続する。電気機械を発電モードで使用する場合、第1および第2のdc端子間に直列に接続したサイリスターおよび抵抗器を接続するのが好ましい。
【0012】
本発明の第1の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。
【0013】
本発明の第2の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。
【0014】
dc/dcコンバーターの第1および第2の構成の第3半導体パワー素子としては、電気機械の目的とする動作モードに応じてダイオードまたはサイリスターを使用することができる。例えば、電気機械が走行モードで動作するように設計されている場合には、第3半導体パワー素子は通常ダイオードであればよく、ゲート制御信号は必要ない。なお、電気機械が、(ごく短時間であるが)発電モードで動作する場合には、第3半導体パワー素子は通常サイリスターであればよく、ゲート制御信号を必要とする。
【0015】
(電気機械が走行モードおよび発電モードの両者で動作するように設計されている)本発明の第3構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第2主dcラインに接続した第1インダクター、第1主dcラインに接続した第2インダクター、第1副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第1半導体パワー素子、第2副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第2半導体パワー素子、第1副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第3半導体パワー素子、第2副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第4半導体パワー素子、陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第5半導体パワー素子、および陰極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第4半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続した第6半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1および第3の半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2および第4の半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。dc/dcコンバーター手段の第5および第6の半導体パワー素子としては、サイリスターを使用するのが好ましい。
【0016】
場合によっては、エネルギー回収回路のdc/dcコンバーター手段として共振式dc/dcコンバーター手段を利用するのが有利である。本発明の第4(共振式)の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1インダクターおよび第1キャパシター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第2インダクターおよび第2キャパシター、第1半導体パワー素子および第3インダクターが第1キャパシターと並列に接続されるように、第1副dcラインと、第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第1半導体パワー素子および第3インダクター、第2半導体パワー素子と第4インダクターが第2キャパシターと並列に接続されるように、第2副dcラインと、第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第2半導体パワー素子および第4インダクター、および陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。
【0017】
dc/dcコンバーターの第4構成の場合、
第1半導体パワー素子の陽極を第3インダクターに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続することができる;
第2半導体パワー素子の陰極は第2副dcラインに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第4インダクターに接続することができる;
第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第3インダクターに接続することができる;あるいは
第2半導体パワー素子の陰極を第4インダクターに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続することができる。
【0018】
本発明の第5構成の場合、エネルギー回収回路は、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電する第1dc/dcコンバーター手段、および第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電する第2dc/dcコンバーター手段を有する。そしてこの第1dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する。同様に、第2dc/dcコンバーター手段が、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陽極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接合し、そして陰極を第1主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する。いずれの場合も、電気機械が走行モードでのみ動作されているように設計されているかどうかに応じて、第2半導体パワー素子として、ダイオードまたはサイリスターを使用することができる。
【0019】
なお、容易に理解できるように、実際には、任意の好適なdc/dcコンバーター(共振式、および非共振式)を利用することができ、本発明は、上記の具体的な構成に制限されるものではない。
【0020】
使用することが適正ならば、例えば、パルス幅変調(PWM)方法かパルス周期変調(PPM)方法に従って半導体パワー素子を制御できる。
【0021】
また、本発明は、可動部分、固定子、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合した固定子巻き線、および上記の回路を有する電気機械であって、結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に電子整流回路の各スイッチング段を接続し、そして共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の副dcラインとの間に電圧クランプ回路の各クランプ段を接続した電気機械を提供するものでもある。
【0022】
電気機械としては、任意の好適なタイプの回転電気機械または直進電気機械を利用することができる。回転式または直進式電気機械は好適な手段によって励起でき、この励起のタイプは、動作の基本的な原理およびエネルギー回収回路の作用効果に影響しない。従って、本発明回路は、スリップリングやブラシレス界磁システム、従来形式の、あるいは高温超伝導または低温超伝導界磁巻き線、あるいは永久磁石回転子を備え、磁束が半径方向、軸方向や横断方向にあり、構成が従来構成、裏返し構成や両面構成の同期式機械とともに利用することができる。直進式電気機械の場合、往復運動に固有な作用効果をもつ用途、例えば波動発電機に応用することができる。
【0023】
また、回転式または直進式電気機械の場合、走行モードおよび/または発電モードで動作するように設計することができる。
【0024】
回転式電気機械の場合、可動部分は通常回転子と呼ばれ、直進式電気機械の場合、可動部分は通常トランスレーターと呼ばれている。本発明は全体としては回転子や固定子などの回転式電気機械について説明しているが、容易に理解できるように、本発明の回路は、呼称の異なる他のタイプの電気機械にも応用可能である。
【0025】
第1および第2の副dcライン間の電圧は、電気機械の全ての動作条件においてほぼ一定でもよく、電気機械の動作条件に応じて変動してもよい。
【0026】
さらに、本発明は、電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流回路からエネルギーを回収する方法であって、前記固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなり、前記電子整流回路が同数のスイッチング段を有し、各スイッチング段が共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に接続されると共に、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子を有し、
スイッチング段の第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうち一つがゲートコントロールによってオフ状態になった時に、第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうちの上記の一つを使用してキャパシターを充電する工程、および、
このキャパシターを選択的に放電する工程を有する方法を提供するものである。
【0027】
キャパシター内に保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路によってキャパシターを選択的に放電するのが好ましい。また、エネルギー回収回路が、上記のように構成することができるdc/dcコンバーター手段を有するのが好ましい。例えば、電気機械の目的とする動作モードに応じて、dc/dcコンバーター手段としては、共振式dc/dcコンバーター手段または具体的な目的をもつコンバーター手段を利用することができる。
【0028】
例えば、キャパシターは、第1および第2の主dcラインの一つに対して、あるいはシステムの他の部分に対して選択的に放電することができる。
【0029】
本発明の方法は、さらに、キャパシター上の電圧をモニターして、電気機械の動作特性に関する情報を決定する工程を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1に示すように、回転電気機械の固定子巻き線は、8個の直列コイルを有している。なお、現実にはもっと多くのコイルが使用されることが考えられる。
【0031】
各コイルには、電気機械の回転子(図示省略)の界磁と回転のために、位相がシフトしている以外は同じ起電力(EMF)が発生している。
【0032】
各対の隣接コイルは、共通結合点によって結合されている。図1に示すように、第1の共通結合点PCC1によって第1コイルSC1を第2コイルSC2に、そして一対のゲート式ターンオフサイリスター(GTO)スイッチGTO1およびGTO2に接続する。第1主dcラインDC1によってスイッチGTO1の陰極を第1dc端子に接続し、そして第2主dcラインDC2によってスイッチGTO2の陽極を第2dc端子に接続する。第2の共通結合点PCC2によって第2コイルSC2を第3コイルSC3に、そして一対のGTOスイッチGTO3およびGTO4に接続する。第1主dcラインDC1によってスイッチGTO3の陰極を第1dc端子に接続し、そして第2主dcラインDC2によってスイッチGTO3の陽極を第2dc端子に接続する。その他のコイルは、対応するやり方で、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2に接続する。
【0033】
各対のGTOスイッチは、電子整流回路の個々のスイッチ段になる。
【0034】
第1および第2のdc端子は、サイリスターブリッジ、マトリックスコンバーター、電池や直流発電機などの適当な直流供給源(図示省略)に接続する。コンバーターは通常一定の電流モードで動作するため、図2〜8に示すように、直流リンクインダクターLDCが必要な場合もある。
【0035】
図2では、図示を明瞭にするため、固定子巻き線の直列コイルは省略してあるが、これらが共通結合点間に延長していることは容易に理解できるはずである。即ち、第2コイルSC2は、スイッチGTO1およびGTO2に対応する第1の共通結合点PCC1とスイッチGTO3およびGTO4に対応する第2の共通結合点PCC2との間に延長している。
【0036】
電気機械の運転時、直流電流は円形アレーの第1点で固定子巻き線に流れ込み、円形アレーの第2点で固定子巻き線から流出する。第2点は、第1点からほぼ180電気度変位している。従って、巻き線電流は、第1点でほぼ等しい2つの流路に分岐し、第2点で再合流する。整流を行うためには、第1点または第2点の位置は、アレーにそってワンステップずつインデックスを付ける必要がある。GTOスイッチは、イギリス特許出願第2433360号明細書に詳しく説明されているように、ゲートコントロールによって完全に整流され、この場合、流出側GTOに流入する電流は、流入側GTOに回る。
【0037】
電圧クランプ/エネルギー回収回路は、3つの追加的な機能をもつ。即ち、(i)流出側スイッチGTOがオフの時にこのスイッチGTOに流入する電流がある場合には、この電流の代替流路になる(即ち、通常のスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)作用)、(ii)流出側スイッチGTOのオフ時に発生することがある電圧への電圧クランプ作用、および(iii)普通ならば、通常のスナッバー中に散逸してしまうエネルギーを保存し、このエネルギーを電気システムの他の部分に戻すことを可能にする効率的な手段の3つの機能をもつ。図1および図2に示すように、各共通結合点は一対のダイオードに接続する。第1の共通結合点PCC1は、一対のダイオードD1およびD2に接続する。ダイオードD1の陰極は、第1の副dcラインDC3に接続し、そしてダイオードD2の陽極は、第2の副dcラインDC4に接続する。第2の共通結合点PCC2は、一対のダイオードD3およびD4に接続する。ダイオードD3の陰極は、第1の副dcラインDC3に接続し、そしてダイオードD4の陽極は、第2の副dcラインDC4に接続する。その他の共通結合点は、対応するやり方で、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4に接続する。
【0038】
各対のダイオードが、電圧クランプ/エネルギー回収回路の個々のクランプ段になり、また理想的には、GTO素子に対応する通常のスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)コンポーネントの代替コンポーネントになる。ところが、実際には、GTO素子のそれぞれについて、電圧クランプ回路の寄生インダクタンスを許容することを考えなければならない。この小型のスナッバーの場合、電圧クランプ/エネルギー回収回路がなくても、通常のスナッバーよりも損失が少ない。電気機械の固定子巻き線がn個の共通結合点とともに、n個の直列コイルをもつ一般的な場合、電子整流回路がn個のスイッチング段をもち、またエネルギー回収回路がn個のクランプ段をもつことは容易に理解できるはずである。
【0039】
また、電圧クランプ/エネルギー回収回路は、第1主dcラインDC1と第1副dcラインCD3との間に第1キャパシターC1を接続するとともに、第2主dcラインDC2と第2副dcラインDC4との間に第2キャパシターC2を接続する。第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間の電圧は、常に、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2の間の直流電圧より高いか、あるいは等しく、そしてこの直流電圧に関して対称であり、放電パターンは通常の放電パターンである。従って、第1および第2のキャパシターC1およびC2で回収かつ保存されたエネルギーを電気システムの主dc供給源またはその他の部分に戻すことができる。通常の電気整流回路の場合、このエネルギーは、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)に散逸されることになる。
【0040】
図2は、電気機械が走行モードのみで動作するように設計された場合に使用できる第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電するdc/dc(直流/直流)コンバーターを対象とする一つの考えられる構成を示す図である。dc/dcコンバーターは、エネルギー回収回路の一環となるもので、第1および第2のキャパシターC1およびC2をそれぞれ第2および第1の主dcラインDC2およびDC1に放電する手段になる。具体的には、図2のdc/dcコンバーターは、第1副dcラインDC3と第2主dcラインDC2との間に直列に接続された第1GTOスイッチGTO5および第1インダクターL1を有する。スイッチGTO5の陽極は、第1副dcラインDC3に接続し、そして陰極は、第1インダクターL1に接続する。dc/dcコンバーターは、また、第2副dcラインDC4と第1主dcラインDC1との間に直列に接続された第2GTOスイッチGTO6および第2インダクターL2を有する。スイッチGTO6の陰極は、第2副dcラインDC4に接続し、そして陽極は、第2インダクターL2に接続する。さらに、dc/dcコンバーターは、第1スイッチGTO5と第1インダクターL2との間の接合部に陰極を接続し、そして第2スイッチGTO6と第2インダクターL2との間の接合部に陽極を接続したダイオードSCR1を有する。なお、図示していないが、さらに別なキャパシターを第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間に接続することも可能である。これは、第1および第2のキャパシターC1およびC2を分配配置するか、あるいはマルチキャパシターとする場合に好ましい構成であるが、dc/dcコンバーターをすべてのキャパシターに対して共通化するようにしてもよいことは容易に理解できるはずである。このような構成は、電圧クランプ回路内の寄生インダクタンスの影響を減少させるのに役立つ。
【0041】
回路全体の基本的な動作は、図1から理解できるはずである。走行モードでの通常動作では、電流は第2dc端子から第2主dcラインDC2にそって流れ、ゲートコントロールによってオン状態にある対応するGTOスイッチを介して第1点で固定子巻き線に流入する。巻き線電流は、ほぼ2つの等しい流路に分岐し、第1点とはほぼ180電気度変位している第2点で再合流する。電流は、第2点で固定子巻き線から流れ、オン状態にある対応するGTOスイッチを介して、第1主dcラインDC1にそって第1dc端子に流入する。例えば、電流は、対応するGTOスイッチを介して第5の共通結合点PCC5で固定子巻き線に流れ込み、スイッチGTO1を介して第1の共通結合点PCC1で固定子巻き線から流出する。この場合、電流の一部は、図1に示すようにコイルSC6、SC7、SC8およびSC1には反時計方向に流れ、電流の他の部分は、コイルSC5、SC4、SC3およびSC2には時計方向に流れる。
【0042】
個々のコイルのEMFのベクトル合計は、第1キャパシターC1をピーク直流電圧Vpまで充電し、第2キャパシターC2を負の直流ピーク電圧−Vpまで充電する。各GTOは位相制御下で動作し、機械のEMFにより両端電圧が極性を負から正に変わってからしばらくした後にゲート信号でオン状態になる。この期間は、普通、電気周期に対する角度として表現され、通常放電角度と呼ばれている。
【0043】
電気機械が走行モードで動作している時は、第1主dcラインDC1の電圧は、第2主dcラインDC2に対して負である。
【0044】
電気機械が発電モードで動作している時は、第1主dcラインDC1の電圧は、第2主dcラインDC2に対して正である。V1が第1主dcラインDC1の電圧を表し、V2が第2主dcラインCD2の電圧を表し、V3が第1副dcラインDC3の電圧を表し、そしてV4が第2副dcラインDC4の電圧を表すとすると、比kは次のように定義することができる。
k=(V1−V2)/(V3−V4)
ここで比kは、放電角度に依存するもので、−1(走行モード)と+1(発電モード)との間にある。一方、エネルギーは、スイッチング動作から電圧クランプ回路に移ることはない。電圧クランプ回路の作用は、Vpの実際の動作時の値に影響し、この値は、k単独で設定された値よりも大きい。以下の説明では、エネルギー回収回路が対称であるため、ピーク電圧Vpおよびその他の全ての電圧を回路の中間点に関して考慮するものとする。
【0045】
図2に示した電圧クランプ/エネルギー回収回路の動作について、図3A〜図3Cを参考にして説明する。
【0046】
電流がスイッチGTO1(即ち、流出側スイッチ)からスイッチGTO3(即ち、流入側スイッチ)に整流し、第1共通結合点PCC1で固定子巻き線から流出することから第2共通結合点PCC2で固定子巻き線から流出することに変化するようなインデックス処理の場合(固定子巻き線に流入する電流に関しても同様な適正なインデックス処理が生じる)、電気機械のEMFにより、順方向電圧が流入側スイッチGTO3の両端に存在しなければならない。整流プロセスの開始時の電流(即ち、流入側スイッチGTO3がゲートコントロールによってオン状態になる前の電流)は、図3Aに黒色の矢印で示してある。
【0047】
流入側スイッチGTO3がオン状態になると、順方向電圧が正確な極性をもつため、第1共通結合点PCC1と第2共通結合点PCC2との間で第2コイルSC2(図1)の電流が反転する傾向が出てくる。このため、流入側スイッチGTO3に流れる電流が増え、流出側スイッチGTO1に流れる電流が小さくなる。ゲートコントロールによって流入側スイッチGTO3をオン状態にした直後に流れる電流は、図3Aに灰色の矢印によって示してある。整流プロセス時のある時点で、流出側スイッチGTO1がゲートコントロールによってオフ状態になる。流出側スイッチGTO1を介して第1共通結合点PCC1から流れた電流は、この状態では、ダイオードD1を通って、ピーク電圧Vpにある第1キャパシターC1に流れる。第1キャパシターC1のサイズが十分大きいため、この電流がピーク電圧Vpを変えることはない。ダイオードD1のピーク電流が、流出側スイッチGTO1においてオフ状態になるピーク電流であり、故障が発生する条件下ではこれはフル直流リンク電流になる。第1共通結合点PCC1から第1キャパシターC1へのダイオード電流の流れは、図3Bに黒色の矢印で示してある。k*Vpにある流入側スイッチGTO3を介して、第2共通結合点PCC2を第1主dcラインDC1に接続する。これは、流出側スイッチGTO1両端の電圧が、この状態では(k−1)*Vpになり、第2コイルSC2の電流反転が強制的に生じ、第1共通結合点PCC1から第2共通結合点PCC2に流れる電流を示す図3Bの黒色の矢印で示すように、電流反転が終了することを意味する。このため、ダイオード電流がゼロに下がり、オフ状態になる。即ち、第1キャパシターC1の定電圧に近い電圧が整流プロセス全体を補完し、流出側スイッチGTO1に発生する電圧応力を制限する。図3Bの灰色の矢印は、流出側スイッチGTO1が一旦オフ状態になった後の流入側スイッチGTO3に流れる電流の流れを示すものである。この全体的な整流作用が、増分的に、各インデックスでのピーク電圧Vpを上げることになる。
【0048】
以上の説明は、主に固定子巻き線から流れ出る直流電流のインデックス処理に関している。なお、固定子巻き線に流れ込む直流電流についても、同様なインデックス処理が生じることは容易に理解できるはずである。固定子巻き線に流れ込む直流電流のインデックス処理は、固定子巻き線から流れ出る直流電流のインデックス処理と同時でもよく、あるいは具体的な構成に応じて異なる時点でもよい。例えば、上述したように、電流が第1共通結合点PCC1で固定子巻き線から流れ出ることから、第2共通結合点PCC2で固定子巻き線から出ることに変わるように、インデックス処理を行う場合には、対応するインデックス処理は、電流が第5共通結合点PCC5で固定子巻き線に流入することから第6共通結合点PCC6で固定子巻き線に流入することに変わるように生じる。従って、第5共通結合点PCC5に対応するGTOスイッチは、流出側スイッチになり、そして第6共通結合点PCC6に対応するGTOスイッチは、流入側スイッチになる。なお、以下の説明のためには、スイッチGTO2が流出側スイッチで、スイッチGTO4が流入側スイッチになる完全に別なインデックス処理を想定することがより好便である。
【0049】
極性が反対になることを除けば、インデックス処理は、上記と同じである。整流プロセスの開始時に、流入側スイッチGTO4は順方向にバイアスされ、ゲートコントロールによってオン状態にできる。順方向バイアス電圧では、第1共通結合点PCC1と第2共通結合点PCC2との間で第2コイルSC2(図1)に流れる電流が反転する傾向が出てくる。整流プロセス時のある時点で、ゲートコントロールによって流出側スイッチGTO2がオフ状態になる。第1共通結合点PCC1で電流が不足すると、この不足分は、負のピーク電圧−Vpにある第2キャパシターC2からダイオードD2に流れる。第2共通結合点PCC2は、−k*Vpにある流入側スイッチGTO4を介して第2主dcラインDC2に接続する。これは、流出側スイッチGTO2両端の電圧が、この状態では(k−1)*Vpになり、コイルSC2での電流反転が強制的に終了することを意味する。
【0050】
ピーク電圧Vpが高くなり過ぎることを避けるためには、第1および第2のキャパシターC1およびC2を定期的にかつ同時に放電する。このためには、それぞれの両端電圧が(1−k)*Vpに相当する第1および第2のインダクターL1およびL2に電流が蓄積するようにゲートコントロールによってdc/dcコンバーターの第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6をオン状態すればよい(なお、インデックス処理のこの電圧上昇への作用、および第1および第2のキャパシターC1およびC2の定期的な放電についは無視できるものとする)。ピーク電圧Vpが十分に低下した場合には、第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6をゲートコントロールによってオフ状態にする。このため、インダクターL1およびL2両者の両端電圧が反転し、ダイオードSCR2が順方向にバイアスされ、オン状態になる。第1インダクターL1、ダイオードSCR1および第2インダクターL2の直列回路の電流が弱くない、そしてゼロになった場合に、ダイオードSCR1がオフ状態になり、これによって回路が元の状態に復帰する。
【0051】
第1および第2のキャパシターC1およびC2上の電圧をモニターすると、電気機械の運転特性および状態に関する情報を取得できる。このような情報には、固定子に発生しているEMFおよび個々のスイッチング段のGTOスイッチに電流が適正に流れていることの確認が含まれている。この情報を利用して、電気機械および/または電気機械が一環をなしているシステム全体の制御を補完できる。
【0052】
第1および第2のキャパシターC1およびC2の放電間の周期は、回路の動作にとって臨界的なものではなく、例えば主GTO素子のスイッチング周波数の倍数または約数として設定することができる。なお、放電間の周期は、キャパシター上の電圧が実質的に変動しないことが必要条件であるため、第1および第2のキャパシターC1およびC2の必要なサイズに影響するものである。例えば、フル負荷状態にある第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6の10%負荷サイクルで、第1および第2のインダクターL1およびL2の値を選択できる。負荷サイクルを好適に設定すると、スイッチング期間内で第1および第2のインダクターL1およびL2に流れる電流をゼロにすることができ、ダイオードSCR1に対する需要を減らすことができる。好適な範囲内で負荷サイクルが高くなると、第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6に対するピーク電流の必要条件が低くなるが、ダイオードSCR1の反転回収に利用できる時間が短くなる。
【0053】
電気機械が走行モードでのみ運転できるように設計されている場合に、図2のdc/dcコンバーターを利用できることは、容易に理解できるはずである。即ち、図4は、通常は走行モードで運転するためではあるが、場合によっては発電モードで運転できるように電機機械を設計した場合に、第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電するために利用できるdc/dcコンバーターの別な構成を示す図である。この場合、ダイオードSCR1の代わりにサイリスター(これについてもSCR1とする)を使用し、そして直列接続サイリスターSCR3および抵抗器DBRを第1および第2のdc端子の間に接続し、供給コンバーターを供給ネットワークに組み込むことができない場合に、モーターを破壊できるようにする。これは、抵抗器が動的破壊抵抗器(DBR)として知られ、かつ電気機械が大部分の時間、発電機ではなくモーターとして動作する海洋推進駆動装置では普通の技術である。電気機械が走行モードから発電モードに切り換わると、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2の極性が反転する。この反転が生じる前に、サイリスターSCR1および第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6に印加されたゲートコントロール信号を除去する必要があり、また第1および第2のインダクターL1およびL2の電流をゼロまで下げて、サイリスターSCR1が順方向電圧を回収かつ阻止できる必要がある。この状態では、第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電することが不可能になるため、主GTO素子が自然整流化サイリスターとして働き、陽極電流がゼロなるまでオン状態にある各主GTO素子に対するゲートドライブを維持する。また、電気機械が走行モードから発電モードに切り換わると、主GTO素子の放電角度が前進する。
【0054】
図5は、通常は発電モードで動作するように電気機械を設計した場合に利用できるdc/dcコンバーターの一つの考えられる構成を示す図である。容易に理解できるように、電圧クランプ/エネルギー回収回路は、発電用途では重要性は高くない。というのは、流出側GTOスイッチのオフ制御は、GTOスイッチがゼロに下がるまで、遅延するからであり、性能へ影響はごく小さいからである。この場合、第1および第2のキャパシターC1およびC2を強めるための余分な電流はない。
【0055】
電流が依然として流れている状態で、流出側GTOをゲートコントロールによってオフ状態にする場合、上述したように、第1および第2のキャパシターC1およびC2は強くなる。第1および第2の主dcラインDC1とDC2との間で電圧極性を反転する必要があるため、第1および第2のキャパシターC1およびC2を、走行モードに使用される主dcラインとは反対側にある主dcラインに放電する必要がある。なお、図5に示したdc/dcコンバーターの動作全体は、機能上、図3A〜3Cについて上述したものと等価である。
【0056】
図6は、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間に第3キャパシターC3を接続した、図5に基づく構成を示す図である。さらにキャパシターを追加してもよく、それぞれ第1副dcラインDC3と第1主dcラインDC1との間に、そして第2副dcラインDC4と第2主dcラインDC2との間に、キャパシターC4およびC5を接続する。従って、図6に示した電圧クランプ/エネルギー回収回路はキャパシターを分配配置するか、マルチキャパシターになる。なお、容易に理解できるように、キャパシターC1〜C5の全てを、図6の構成の場合図5のdc/dcコンバーターと同じである一つのdc/dcコンバーターによって共有化してもよい。この構成は、比較的少ない電気コンポーネントで済むもので、換言すれば、ハードウェアコストが低くて済むが、信頼性が高くなることを意味する。容易に理解できるように、このキャパシターの具体的な構成は、本明細書で言及する他の電圧クランプ/エネルギー回収回路に応用することができる。
【0057】
図7は、電気機械が走行モードおよび発電モードの両方で動作できるように設計した場合に利用できるdc/dcコンバーターの一つの考えられる構成を示す図である。dc/dcコンバーターは、それぞれ走行モードおよび発電モードを対象とする図2および図5に示したものの組み合わせとして有効に動作するものである。なお、ダイオードSCR1およびSCR2の代わりに、サイリスター(同じくSCR1およびSCR2で示す)を使用する。これは、ゲートコントロールによってオン状態およびオフ状態にでき、適宜走行モードまたは発電モードに切り換えることができる。
【0058】
図8は、電気機械が通常走行モードで動作できるように設計した場合に利用できる別な共振式dc/dcコンバーターを示す図である。主GTO素子が自然整流化サイリスターとして動作する場合には、電気機械が発電機として動作できるため、陽極電流がゼロに達するまでオン状態にある各主GTO素子に対するゲートドライブを維持できる。容易に理解できるように、このような回路の場合、図8に示すDBRにエネルギーを散逸させて、制動動作を確保する必要がある。共振式dc/dcコンバーターを使用すると、エネルギー回収回路の制御をさらに簡単に実施できる。第1スイッチGTO5の代わりに、平行接続キャパシターC6によりサイリスターSCR4に逆バイアスがかかった場合に自動的にオフ状態になるサイリスターSCR4を使用する。同様に、第2スイッチGTO6の代わりに、平行接続キャパシターC7によりサイリスターSCR5に逆バイアスがかかったと場合に自動的にオフ状態になるサイリスターSCR5を使用する。インダクターL3およびL4は、それぞれ、サイリスターSCR4およびSCR5に直列接続し(そしてキャパシターC6およびC7に並列接続)する。これらインダクターのインダクタンスは、第1および第2のインダクターL1およびL2に比較して小さい。サイリスターSCR6は、サイリスターSCR4と第1インダクターL1との接合部およびサイリスターSCR5と第2インダクターL2との接合部との間に接続する。電気機械が走行モードでのみ動作する場合には、サイリスターSCR6の代わりに、単純なダイオードを使用できる。なお、電気機械が走行モードで動作する場合には必ずサイリスターSCR6がゲートコントロールされたため、このサイリスターは以下の説明ではダイオードのように振舞う。
【0059】
サイリスターSCR4をゲートコントロールによってオン状態にし、電圧クランプ回路の第1キャパシターC1を放電すると、ここに流れている電流は、重ね合わせの原理によって、走行モードを対象とする前述の(非共振式)dc/dcコンバーターに流れる電流になる上に、キャパシターC6およびインダクターL3がキャパシターC6上の電荷で短絡するため、正弦波の共振電流になる。また、これら電流のうち第1電流は、適正なインダクタンスは、2つのインダクターL1およびL3のインダクタンスの和であるが、第1インダクターL1のより大きなインダクタンスによって支配される事実によって、僅かに変形することになる。コンポーネント値を正しく選択すると、キャパシターC6に流れる正弦波電流は、十分大きいため、サイリスターSCR4に流れる全電流が負になり、従ってサイリスターSCR4が自動的にオフ状態になる。第1インダクターL1に、(そして同様に、ゲートコントロールによってサイリスターSCR5がオン状態になり、電圧クランプ回路の第2キャパシターC2を放電した場合の第2インダクターL2)に設定された電流は、流れ続け、サイリスターSCR6に順方向バイアスがかかり、キャパシターC6およびC7を整流する時点までキャパシターC6およびC7によって供給される。
【0060】
共振式dc/dcコンバーターを使用することは、キャパシターC1およびC2上の電圧がある特定の閾値以上になった場合に、ゲートコントロールによってサイリスターSCR4およびSCR5をオン状態にすることによって第1および第2のキャパシターC1およびC2を選択的に放電することを意味する。この後、サイリスターSCR4およびSCR5が、公知の共振式整流プロセスによって自然に回復することになる。
【0061】
第1および第2のインダクターL1およびL2の間の接続および第1および第2の主dcラインD1およびDC2の間の接続を適正に反転させた状態で、同様な共振式dc/dcコンバーターを発電モードで使用できる。なお、適当なコンポーネント値を選択して発電モードの適正動作を行うことは、より難しい。この問題は、走行モードおよび発電モードの両方で動作できるように設計した回路の場合より大きくなるが、dc/dcコンバーターの設計を変更すると、動作可能になる。
【0062】
図9は、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4を対象とする別なdc/dcコンバーターを示す図である。このようなdc/dcコンバーターは、現実のコンポーネント値のため、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4が相互トラックしない場合に必要になる。図9に示した第1のdc/dcコンバーターは、第1副dcラインDC3と第2主dcラインDC2との間に直列接続した第1GTOスイッチGTO5および第1インダクターL1、および陰極を第1スイッチGTO5と第1インダクターL1との接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインDC2に接続したサイリスターSCR6を有する。図9の第2dc/dcコンバーターは、第2副dcラインDC4と第1主dcラインDC1との間に直列接続した第2GTOスイッチGTO6および第2インダクターL2、および陽極を第2スイッチGTO6と第2インダクターL2との接合部に接続し、そして陰極を第1主dcラインDC1に接続したサイリスターSCR7を有する。電気機械が走行モードで動作している時には、サイリスターSCR6およびSCR7は常時オン状態にあるが、電気機械が発電モードで動作する時には、オフ状態にする必要がある。また、電気機械が走行モードでのみ動作している場合には、サイリスターSCR6およびSCR7の代わりに、ダイオードを使用できる。走行モードでのみ使用される、図9の回路の実施態様では、2つの同じ制御回路を使用する。即ち、一つを第1スイッチGTO5に、そしてもう一つを第2スイッチGTO6に使用する。制御回路への制御入力は、変流器によって検出された適正なインダクターに流れる電流(即ち、第1スイッチGTO5に対しては第1インダクターL1、そして第2スイッチGTO6に対しては第2インダクターL2)であり、そして制御されているGTOスイッチ両端の順方向電圧である。制御回路は、順方向電圧がある閾値を越えたときに、GTOスイッチをオン状態にし、適切なインダクターの電流が第2の閾値に達したときに、これをオフ状態にする。この制御回路の設計の場合、副電力は必要なく、また他の制御入力の必要もない。
【0063】
より一般的な場合、サイリスターSCR6およびSCR7の制御、そしてGTOスイッチ両端のトリガー電圧の選択が必要なこともある。トリガー電圧の選択は、ある用途では作用効果を示すクランプ電圧の制御手段を確保するものである。このような機能は、制御回路に対する入力制御をさらに必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の電圧クランプ/エネルギー回収回路の、dc/dcコンバーターを取り除いた簡単な構成を示す概略図である。
【図2】走行モードでのみ動作する電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第1の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図3A】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図3B】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図3C】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図4】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第2の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図5】通常は発電モードで動作する電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第3の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図6】通常は発電モードで動作する電気機械に具体的に応用した、複数のキャパシターおよびdc/dcコンバーターを備えた第4の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図7】走行モードおよび発電モードの両方で動作できる電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第5の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図8】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、共振式dc/dcコンバーターを備えた第6の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図9】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、各副dcラインについて別なdc/dcコンバーターを備えた第7の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧クランプ/エネルギー回収回路に関する。具体的には、本発明は、電子整流回路の流出側半導体スイッチング素子をゲートコントロールによって完全に整流する強制的な整流プロセス時に、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)内に熱として散逸する恐れのあるエネルギーを回収する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
イギリス特許出願第2433360号明細書には、電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流子が開示されている。この固定子巻き線の場合、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合している。電子整流子回路は、同数のスイッチング段をもち、各スイッチング段を共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2のdcラインとの間に接続する。各スイッチング段は、陽極を第1dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフできる第1の逆阻止半導体パワー素子および陰極を第2dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフできる第2の逆阻止半導体パワー素子をもつ。
【0003】
好ましいタイプの半導体パワー素子は、逆阻止ゲート式ターンオフサイリスター(RB−GTO)か変形RB−GTOである。理由は、内部回収特性の結果として、絶縁ゲート式バイポーラトランジスタ(IGBT)などの他のゲート式整流化素子群と比較してオンステート損失が小さい利点があるからである。
【0004】
従来のサイリスターの代わりに、逆阻止半導体パワー素子が利用されているが、これは、電子整流回路が、固定子巻き線の電圧に関係なく、電流を強制的に整流できることを意味している。
【0005】
この電気整流回路は、また、半導体パワー素子それぞれと平行に接続されたスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)を備えている。このスナッバーとしては、イギリス特許出願第2433360号明細書に示されているように、公知の工業基準“RCD偏極スナッバー”に準じて構成された直列レジスタ-キャパシターを利用することができる。いずれのスナッバーも、強制的な整流プロセスを確保して、パワー半導体素子のスイッチング損失を減らすことを目的としている。ところが、強制的整流プロセス時に流出側のRB−GTOをスイッチング操作した場合にエネルギーがスナッバー内に散逸すると、これは、相当なエネルギー損失の原因になり、電子整流素子の全体的な効率が低下する原因になる。
【特許文献1】イギリス特許出願第2433360号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)内に散逸する恐れのあるエネルギーを回収し、これを電気システムの別な部分に戻すか、あるいは熱の管理がより簡単な部分に戻す方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
具体的には、本発明は、電気機械の固定子巻き線に使用する回路であって、固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなる回路において、
同数のスイッチング段を有し、共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に各スイッチング段を接続した電子整流回路であって、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子、を有する電子整流回路、
電圧クランプ回路であって、
共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2副dcラインとの間に各クランプ段を接続し、陰極を第1副dcラインに接続した第1ダイオード、陽極を第2副dcラインに接続した第2ダイオードを有する同数のクランプ段、
第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続した第1キャパシター、および、
第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続した第2キャパシター、を有する電圧クランプ回路、および、
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段を有する回路を提供するものである。
【0008】
本発明の作用効果について説明すると、電圧クランプ回路の第1および第2のキャパシターを個々のクランプ段のすべてによって共有化できることである。また、従来の電子整流回路のスイッチング補助ネットワークおよびスナッバーコンポーネントをクランプ段のダイオードによって有効に置き換えることができる。従って、本発明の電圧クランプ/エネルギー回収装置は、電気コンポーネント数が比較的少なくて済み、ハードウェアコストが低下し、また信頼性が向上する。
【0009】
(好ましくは本質的に損失のない放電路を介して)電気機械に対応する電気システムの適当な任意の部分または電気システムのその他の部分に第1および第2のキャパシターを選択的に放電できる。第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段は、好ましくは、第1および第2のキャパシターに保存されているエネルギーを回収するエネルギー回収回路である。一般的には、エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインのうち一つに対して第1キャパシターを選択的に放電し、そして第1および第2の主dcラインのうちもう一方に対して第2キャパシターを選択的に放電するdc/dcコンバーター手段を有しているのが好ましい。例えば、直流電圧極性に応じて、第1主dcラインまたは第2主dcラインに対して第1主dcラインおよび第1副dcラインの間に設けた第1キャパシターを選択的に放電することができる。
【0010】
電圧クランプ回路には、さらに、第1および第2の副dcライン間に第3のキャパシターを配設してもよい。
また、さらに、電圧クランプ回路には、第1主dcラインと第1副dcラインとの間に複数の第1キャパシターを接続し、そして第2主dcラインと第2副dcラインとの間に複数の第2キャパシターを接続してもよい。
【0011】
通常、本発明回路は、第1および第2のdc端子をもつことになる。即ち、第1dc端子を第1主dcラインに接続し、そして第2dc端子を第2主dcラインに接続する。電気機械を発電モードで使用する場合、第1および第2のdc端子間に直列に接続したサイリスターおよび抵抗器を接続するのが好ましい。
【0012】
本発明の第1の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。
【0013】
本発明の第2の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。
【0014】
dc/dcコンバーターの第1および第2の構成の第3半導体パワー素子としては、電気機械の目的とする動作モードに応じてダイオードまたはサイリスターを使用することができる。例えば、電気機械が走行モードで動作するように設計されている場合には、第3半導体パワー素子は通常ダイオードであればよく、ゲート制御信号は必要ない。なお、電気機械が、(ごく短時間であるが)発電モードで動作する場合には、第3半導体パワー素子は通常サイリスターであればよく、ゲート制御信号を必要とする。
【0015】
(電気機械が走行モードおよび発電モードの両者で動作するように設計されている)本発明の第3構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第2主dcラインに接続した第1インダクター、第1主dcラインに接続した第2インダクター、第1副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第1半導体パワー素子、第2副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第2半導体パワー素子、第1副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第3半導体パワー素子、第2副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第4半導体パワー素子、陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第5半導体パワー素子、および陰極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第4半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続した第6半導体パワー素子を有する。そしてdc/dcコンバーター手段の第1および第3の半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続するとともに、dc/dcコンバーター手段の第2および第4の半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続するのが好ましい。dc/dcコンバーター手段の第5および第6の半導体パワー素子としては、サイリスターを使用するのが好ましい。
【0016】
場合によっては、エネルギー回収回路のdc/dcコンバーター手段として共振式dc/dcコンバーター手段を利用するのが有利である。本発明の第4(共振式)の構成の場合、dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1インダクターおよび第1キャパシター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第2インダクターおよび第2キャパシター、第1半導体パワー素子および第3インダクターが第1キャパシターと並列に接続されるように、第1副dcラインと、第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第1半導体パワー素子および第3インダクター、第2半導体パワー素子と第4インダクターが第2キャパシターと並列に接続されるように、第2副dcラインと、第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第2半導体パワー素子および第4インダクター、および陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する。
【0017】
dc/dcコンバーターの第4構成の場合、
第1半導体パワー素子の陽極を第3インダクターに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続することができる;
第2半導体パワー素子の陰極は第2副dcラインに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第4インダクターに接続することができる;
第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第3インダクターに接続することができる;あるいは
第2半導体パワー素子の陰極を第4インダクターに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続することができる。
【0018】
本発明の第5構成の場合、エネルギー回収回路は、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電する第1dc/dcコンバーター手段、および第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電する第2dc/dcコンバーター手段を有する。そしてこの第1dc/dcコンバーター手段は、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する。同様に、第2dc/dcコンバーター手段が、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陽極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接合し、そして陰極を第1主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する。いずれの場合も、電気機械が走行モードでのみ動作されているように設計されているかどうかに応じて、第2半導体パワー素子として、ダイオードまたはサイリスターを使用することができる。
【0019】
なお、容易に理解できるように、実際には、任意の好適なdc/dcコンバーター(共振式、および非共振式)を利用することができ、本発明は、上記の具体的な構成に制限されるものではない。
【0020】
使用することが適正ならば、例えば、パルス幅変調(PWM)方法かパルス周期変調(PPM)方法に従って半導体パワー素子を制御できる。
【0021】
また、本発明は、可動部分、固定子、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合した固定子巻き線、および上記の回路を有する電気機械であって、結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に電子整流回路の各スイッチング段を接続し、そして共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の副dcラインとの間に電圧クランプ回路の各クランプ段を接続した電気機械を提供するものでもある。
【0022】
電気機械としては、任意の好適なタイプの回転電気機械または直進電気機械を利用することができる。回転式または直進式電気機械は好適な手段によって励起でき、この励起のタイプは、動作の基本的な原理およびエネルギー回収回路の作用効果に影響しない。従って、本発明回路は、スリップリングやブラシレス界磁システム、従来形式の、あるいは高温超伝導または低温超伝導界磁巻き線、あるいは永久磁石回転子を備え、磁束が半径方向、軸方向や横断方向にあり、構成が従来構成、裏返し構成や両面構成の同期式機械とともに利用することができる。直進式電気機械の場合、往復運動に固有な作用効果をもつ用途、例えば波動発電機に応用することができる。
【0023】
また、回転式または直進式電気機械の場合、走行モードおよび/または発電モードで動作するように設計することができる。
【0024】
回転式電気機械の場合、可動部分は通常回転子と呼ばれ、直進式電気機械の場合、可動部分は通常トランスレーターと呼ばれている。本発明は全体としては回転子や固定子などの回転式電気機械について説明しているが、容易に理解できるように、本発明の回路は、呼称の異なる他のタイプの電気機械にも応用可能である。
【0025】
第1および第2の副dcライン間の電圧は、電気機械の全ての動作条件においてほぼ一定でもよく、電気機械の動作条件に応じて変動してもよい。
【0026】
さらに、本発明は、電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流回路からエネルギーを回収する方法であって、前記固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなり、前記電子整流回路が同数のスイッチング段を有し、各スイッチング段が共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に接続されると共に、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子を有し、
スイッチング段の第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうち一つがゲートコントロールによってオフ状態になった時に、第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうちの上記の一つを使用してキャパシターを充電する工程、および、
このキャパシターを選択的に放電する工程を有する方法を提供するものである。
【0027】
キャパシター内に保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路によってキャパシターを選択的に放電するのが好ましい。また、エネルギー回収回路が、上記のように構成することができるdc/dcコンバーター手段を有するのが好ましい。例えば、電気機械の目的とする動作モードに応じて、dc/dcコンバーター手段としては、共振式dc/dcコンバーター手段または具体的な目的をもつコンバーター手段を利用することができる。
【0028】
例えば、キャパシターは、第1および第2の主dcラインの一つに対して、あるいはシステムの他の部分に対して選択的に放電することができる。
【0029】
本発明の方法は、さらに、キャパシター上の電圧をモニターして、電気機械の動作特性に関する情報を決定する工程を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1に示すように、回転電気機械の固定子巻き線は、8個の直列コイルを有している。なお、現実にはもっと多くのコイルが使用されることが考えられる。
【0031】
各コイルには、電気機械の回転子(図示省略)の界磁と回転のために、位相がシフトしている以外は同じ起電力(EMF)が発生している。
【0032】
各対の隣接コイルは、共通結合点によって結合されている。図1に示すように、第1の共通結合点PCC1によって第1コイルSC1を第2コイルSC2に、そして一対のゲート式ターンオフサイリスター(GTO)スイッチGTO1およびGTO2に接続する。第1主dcラインDC1によってスイッチGTO1の陰極を第1dc端子に接続し、そして第2主dcラインDC2によってスイッチGTO2の陽極を第2dc端子に接続する。第2の共通結合点PCC2によって第2コイルSC2を第3コイルSC3に、そして一対のGTOスイッチGTO3およびGTO4に接続する。第1主dcラインDC1によってスイッチGTO3の陰極を第1dc端子に接続し、そして第2主dcラインDC2によってスイッチGTO3の陽極を第2dc端子に接続する。その他のコイルは、対応するやり方で、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2に接続する。
【0033】
各対のGTOスイッチは、電子整流回路の個々のスイッチ段になる。
【0034】
第1および第2のdc端子は、サイリスターブリッジ、マトリックスコンバーター、電池や直流発電機などの適当な直流供給源(図示省略)に接続する。コンバーターは通常一定の電流モードで動作するため、図2〜8に示すように、直流リンクインダクターLDCが必要な場合もある。
【0035】
図2では、図示を明瞭にするため、固定子巻き線の直列コイルは省略してあるが、これらが共通結合点間に延長していることは容易に理解できるはずである。即ち、第2コイルSC2は、スイッチGTO1およびGTO2に対応する第1の共通結合点PCC1とスイッチGTO3およびGTO4に対応する第2の共通結合点PCC2との間に延長している。
【0036】
電気機械の運転時、直流電流は円形アレーの第1点で固定子巻き線に流れ込み、円形アレーの第2点で固定子巻き線から流出する。第2点は、第1点からほぼ180電気度変位している。従って、巻き線電流は、第1点でほぼ等しい2つの流路に分岐し、第2点で再合流する。整流を行うためには、第1点または第2点の位置は、アレーにそってワンステップずつインデックスを付ける必要がある。GTOスイッチは、イギリス特許出願第2433360号明細書に詳しく説明されているように、ゲートコントロールによって完全に整流され、この場合、流出側GTOに流入する電流は、流入側GTOに回る。
【0037】
電圧クランプ/エネルギー回収回路は、3つの追加的な機能をもつ。即ち、(i)流出側スイッチGTOがオフの時にこのスイッチGTOに流入する電流がある場合には、この電流の代替流路になる(即ち、通常のスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)作用)、(ii)流出側スイッチGTOのオフ時に発生することがある電圧への電圧クランプ作用、および(iii)普通ならば、通常のスナッバー中に散逸してしまうエネルギーを保存し、このエネルギーを電気システムの他の部分に戻すことを可能にする効率的な手段の3つの機能をもつ。図1および図2に示すように、各共通結合点は一対のダイオードに接続する。第1の共通結合点PCC1は、一対のダイオードD1およびD2に接続する。ダイオードD1の陰極は、第1の副dcラインDC3に接続し、そしてダイオードD2の陽極は、第2の副dcラインDC4に接続する。第2の共通結合点PCC2は、一対のダイオードD3およびD4に接続する。ダイオードD3の陰極は、第1の副dcラインDC3に接続し、そしてダイオードD4の陽極は、第2の副dcラインDC4に接続する。その他の共通結合点は、対応するやり方で、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4に接続する。
【0038】
各対のダイオードが、電圧クランプ/エネルギー回収回路の個々のクランプ段になり、また理想的には、GTO素子に対応する通常のスイッチング補助ネットワーク(スナッバー)コンポーネントの代替コンポーネントになる。ところが、実際には、GTO素子のそれぞれについて、電圧クランプ回路の寄生インダクタンスを許容することを考えなければならない。この小型のスナッバーの場合、電圧クランプ/エネルギー回収回路がなくても、通常のスナッバーよりも損失が少ない。電気機械の固定子巻き線がn個の共通結合点とともに、n個の直列コイルをもつ一般的な場合、電子整流回路がn個のスイッチング段をもち、またエネルギー回収回路がn個のクランプ段をもつことは容易に理解できるはずである。
【0039】
また、電圧クランプ/エネルギー回収回路は、第1主dcラインDC1と第1副dcラインCD3との間に第1キャパシターC1を接続するとともに、第2主dcラインDC2と第2副dcラインDC4との間に第2キャパシターC2を接続する。第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間の電圧は、常に、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2の間の直流電圧より高いか、あるいは等しく、そしてこの直流電圧に関して対称であり、放電パターンは通常の放電パターンである。従って、第1および第2のキャパシターC1およびC2で回収かつ保存されたエネルギーを電気システムの主dc供給源またはその他の部分に戻すことができる。通常の電気整流回路の場合、このエネルギーは、スイッチング補助ネットワーク(スナッバー)に散逸されることになる。
【0040】
図2は、電気機械が走行モードのみで動作するように設計された場合に使用できる第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電するdc/dc(直流/直流)コンバーターを対象とする一つの考えられる構成を示す図である。dc/dcコンバーターは、エネルギー回収回路の一環となるもので、第1および第2のキャパシターC1およびC2をそれぞれ第2および第1の主dcラインDC2およびDC1に放電する手段になる。具体的には、図2のdc/dcコンバーターは、第1副dcラインDC3と第2主dcラインDC2との間に直列に接続された第1GTOスイッチGTO5および第1インダクターL1を有する。スイッチGTO5の陽極は、第1副dcラインDC3に接続し、そして陰極は、第1インダクターL1に接続する。dc/dcコンバーターは、また、第2副dcラインDC4と第1主dcラインDC1との間に直列に接続された第2GTOスイッチGTO6および第2インダクターL2を有する。スイッチGTO6の陰極は、第2副dcラインDC4に接続し、そして陽極は、第2インダクターL2に接続する。さらに、dc/dcコンバーターは、第1スイッチGTO5と第1インダクターL2との間の接合部に陰極を接続し、そして第2スイッチGTO6と第2インダクターL2との間の接合部に陽極を接続したダイオードSCR1を有する。なお、図示していないが、さらに別なキャパシターを第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間に接続することも可能である。これは、第1および第2のキャパシターC1およびC2を分配配置するか、あるいはマルチキャパシターとする場合に好ましい構成であるが、dc/dcコンバーターをすべてのキャパシターに対して共通化するようにしてもよいことは容易に理解できるはずである。このような構成は、電圧クランプ回路内の寄生インダクタンスの影響を減少させるのに役立つ。
【0041】
回路全体の基本的な動作は、図1から理解できるはずである。走行モードでの通常動作では、電流は第2dc端子から第2主dcラインDC2にそって流れ、ゲートコントロールによってオン状態にある対応するGTOスイッチを介して第1点で固定子巻き線に流入する。巻き線電流は、ほぼ2つの等しい流路に分岐し、第1点とはほぼ180電気度変位している第2点で再合流する。電流は、第2点で固定子巻き線から流れ、オン状態にある対応するGTOスイッチを介して、第1主dcラインDC1にそって第1dc端子に流入する。例えば、電流は、対応するGTOスイッチを介して第5の共通結合点PCC5で固定子巻き線に流れ込み、スイッチGTO1を介して第1の共通結合点PCC1で固定子巻き線から流出する。この場合、電流の一部は、図1に示すようにコイルSC6、SC7、SC8およびSC1には反時計方向に流れ、電流の他の部分は、コイルSC5、SC4、SC3およびSC2には時計方向に流れる。
【0042】
個々のコイルのEMFのベクトル合計は、第1キャパシターC1をピーク直流電圧Vpまで充電し、第2キャパシターC2を負の直流ピーク電圧−Vpまで充電する。各GTOは位相制御下で動作し、機械のEMFにより両端電圧が極性を負から正に変わってからしばらくした後にゲート信号でオン状態になる。この期間は、普通、電気周期に対する角度として表現され、通常放電角度と呼ばれている。
【0043】
電気機械が走行モードで動作している時は、第1主dcラインDC1の電圧は、第2主dcラインDC2に対して負である。
【0044】
電気機械が発電モードで動作している時は、第1主dcラインDC1の電圧は、第2主dcラインDC2に対して正である。V1が第1主dcラインDC1の電圧を表し、V2が第2主dcラインCD2の電圧を表し、V3が第1副dcラインDC3の電圧を表し、そしてV4が第2副dcラインDC4の電圧を表すとすると、比kは次のように定義することができる。
k=(V1−V2)/(V3−V4)
ここで比kは、放電角度に依存するもので、−1(走行モード)と+1(発電モード)との間にある。一方、エネルギーは、スイッチング動作から電圧クランプ回路に移ることはない。電圧クランプ回路の作用は、Vpの実際の動作時の値に影響し、この値は、k単独で設定された値よりも大きい。以下の説明では、エネルギー回収回路が対称であるため、ピーク電圧Vpおよびその他の全ての電圧を回路の中間点に関して考慮するものとする。
【0045】
図2に示した電圧クランプ/エネルギー回収回路の動作について、図3A〜図3Cを参考にして説明する。
【0046】
電流がスイッチGTO1(即ち、流出側スイッチ)からスイッチGTO3(即ち、流入側スイッチ)に整流し、第1共通結合点PCC1で固定子巻き線から流出することから第2共通結合点PCC2で固定子巻き線から流出することに変化するようなインデックス処理の場合(固定子巻き線に流入する電流に関しても同様な適正なインデックス処理が生じる)、電気機械のEMFにより、順方向電圧が流入側スイッチGTO3の両端に存在しなければならない。整流プロセスの開始時の電流(即ち、流入側スイッチGTO3がゲートコントロールによってオン状態になる前の電流)は、図3Aに黒色の矢印で示してある。
【0047】
流入側スイッチGTO3がオン状態になると、順方向電圧が正確な極性をもつため、第1共通結合点PCC1と第2共通結合点PCC2との間で第2コイルSC2(図1)の電流が反転する傾向が出てくる。このため、流入側スイッチGTO3に流れる電流が増え、流出側スイッチGTO1に流れる電流が小さくなる。ゲートコントロールによって流入側スイッチGTO3をオン状態にした直後に流れる電流は、図3Aに灰色の矢印によって示してある。整流プロセス時のある時点で、流出側スイッチGTO1がゲートコントロールによってオフ状態になる。流出側スイッチGTO1を介して第1共通結合点PCC1から流れた電流は、この状態では、ダイオードD1を通って、ピーク電圧Vpにある第1キャパシターC1に流れる。第1キャパシターC1のサイズが十分大きいため、この電流がピーク電圧Vpを変えることはない。ダイオードD1のピーク電流が、流出側スイッチGTO1においてオフ状態になるピーク電流であり、故障が発生する条件下ではこれはフル直流リンク電流になる。第1共通結合点PCC1から第1キャパシターC1へのダイオード電流の流れは、図3Bに黒色の矢印で示してある。k*Vpにある流入側スイッチGTO3を介して、第2共通結合点PCC2を第1主dcラインDC1に接続する。これは、流出側スイッチGTO1両端の電圧が、この状態では(k−1)*Vpになり、第2コイルSC2の電流反転が強制的に生じ、第1共通結合点PCC1から第2共通結合点PCC2に流れる電流を示す図3Bの黒色の矢印で示すように、電流反転が終了することを意味する。このため、ダイオード電流がゼロに下がり、オフ状態になる。即ち、第1キャパシターC1の定電圧に近い電圧が整流プロセス全体を補完し、流出側スイッチGTO1に発生する電圧応力を制限する。図3Bの灰色の矢印は、流出側スイッチGTO1が一旦オフ状態になった後の流入側スイッチGTO3に流れる電流の流れを示すものである。この全体的な整流作用が、増分的に、各インデックスでのピーク電圧Vpを上げることになる。
【0048】
以上の説明は、主に固定子巻き線から流れ出る直流電流のインデックス処理に関している。なお、固定子巻き線に流れ込む直流電流についても、同様なインデックス処理が生じることは容易に理解できるはずである。固定子巻き線に流れ込む直流電流のインデックス処理は、固定子巻き線から流れ出る直流電流のインデックス処理と同時でもよく、あるいは具体的な構成に応じて異なる時点でもよい。例えば、上述したように、電流が第1共通結合点PCC1で固定子巻き線から流れ出ることから、第2共通結合点PCC2で固定子巻き線から出ることに変わるように、インデックス処理を行う場合には、対応するインデックス処理は、電流が第5共通結合点PCC5で固定子巻き線に流入することから第6共通結合点PCC6で固定子巻き線に流入することに変わるように生じる。従って、第5共通結合点PCC5に対応するGTOスイッチは、流出側スイッチになり、そして第6共通結合点PCC6に対応するGTOスイッチは、流入側スイッチになる。なお、以下の説明のためには、スイッチGTO2が流出側スイッチで、スイッチGTO4が流入側スイッチになる完全に別なインデックス処理を想定することがより好便である。
【0049】
極性が反対になることを除けば、インデックス処理は、上記と同じである。整流プロセスの開始時に、流入側スイッチGTO4は順方向にバイアスされ、ゲートコントロールによってオン状態にできる。順方向バイアス電圧では、第1共通結合点PCC1と第2共通結合点PCC2との間で第2コイルSC2(図1)に流れる電流が反転する傾向が出てくる。整流プロセス時のある時点で、ゲートコントロールによって流出側スイッチGTO2がオフ状態になる。第1共通結合点PCC1で電流が不足すると、この不足分は、負のピーク電圧−Vpにある第2キャパシターC2からダイオードD2に流れる。第2共通結合点PCC2は、−k*Vpにある流入側スイッチGTO4を介して第2主dcラインDC2に接続する。これは、流出側スイッチGTO2両端の電圧が、この状態では(k−1)*Vpになり、コイルSC2での電流反転が強制的に終了することを意味する。
【0050】
ピーク電圧Vpが高くなり過ぎることを避けるためには、第1および第2のキャパシターC1およびC2を定期的にかつ同時に放電する。このためには、それぞれの両端電圧が(1−k)*Vpに相当する第1および第2のインダクターL1およびL2に電流が蓄積するようにゲートコントロールによってdc/dcコンバーターの第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6をオン状態すればよい(なお、インデックス処理のこの電圧上昇への作用、および第1および第2のキャパシターC1およびC2の定期的な放電についは無視できるものとする)。ピーク電圧Vpが十分に低下した場合には、第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6をゲートコントロールによってオフ状態にする。このため、インダクターL1およびL2両者の両端電圧が反転し、ダイオードSCR2が順方向にバイアスされ、オン状態になる。第1インダクターL1、ダイオードSCR1および第2インダクターL2の直列回路の電流が弱くない、そしてゼロになった場合に、ダイオードSCR1がオフ状態になり、これによって回路が元の状態に復帰する。
【0051】
第1および第2のキャパシターC1およびC2上の電圧をモニターすると、電気機械の運転特性および状態に関する情報を取得できる。このような情報には、固定子に発生しているEMFおよび個々のスイッチング段のGTOスイッチに電流が適正に流れていることの確認が含まれている。この情報を利用して、電気機械および/または電気機械が一環をなしているシステム全体の制御を補完できる。
【0052】
第1および第2のキャパシターC1およびC2の放電間の周期は、回路の動作にとって臨界的なものではなく、例えば主GTO素子のスイッチング周波数の倍数または約数として設定することができる。なお、放電間の周期は、キャパシター上の電圧が実質的に変動しないことが必要条件であるため、第1および第2のキャパシターC1およびC2の必要なサイズに影響するものである。例えば、フル負荷状態にある第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6の10%負荷サイクルで、第1および第2のインダクターL1およびL2の値を選択できる。負荷サイクルを好適に設定すると、スイッチング期間内で第1および第2のインダクターL1およびL2に流れる電流をゼロにすることができ、ダイオードSCR1に対する需要を減らすことができる。好適な範囲内で負荷サイクルが高くなると、第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6に対するピーク電流の必要条件が低くなるが、ダイオードSCR1の反転回収に利用できる時間が短くなる。
【0053】
電気機械が走行モードでのみ運転できるように設計されている場合に、図2のdc/dcコンバーターを利用できることは、容易に理解できるはずである。即ち、図4は、通常は走行モードで運転するためではあるが、場合によっては発電モードで運転できるように電機機械を設計した場合に、第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電するために利用できるdc/dcコンバーターの別な構成を示す図である。この場合、ダイオードSCR1の代わりにサイリスター(これについてもSCR1とする)を使用し、そして直列接続サイリスターSCR3および抵抗器DBRを第1および第2のdc端子の間に接続し、供給コンバーターを供給ネットワークに組み込むことができない場合に、モーターを破壊できるようにする。これは、抵抗器が動的破壊抵抗器(DBR)として知られ、かつ電気機械が大部分の時間、発電機ではなくモーターとして動作する海洋推進駆動装置では普通の技術である。電気機械が走行モードから発電モードに切り換わると、第1および第2の主dcラインDC1およびDC2の極性が反転する。この反転が生じる前に、サイリスターSCR1および第1および第2のスイッチGTO5およびGTO6に印加されたゲートコントロール信号を除去する必要があり、また第1および第2のインダクターL1およびL2の電流をゼロまで下げて、サイリスターSCR1が順方向電圧を回収かつ阻止できる必要がある。この状態では、第1および第2のキャパシターC1およびC2を放電することが不可能になるため、主GTO素子が自然整流化サイリスターとして働き、陽極電流がゼロなるまでオン状態にある各主GTO素子に対するゲートドライブを維持する。また、電気機械が走行モードから発電モードに切り換わると、主GTO素子の放電角度が前進する。
【0054】
図5は、通常は発電モードで動作するように電気機械を設計した場合に利用できるdc/dcコンバーターの一つの考えられる構成を示す図である。容易に理解できるように、電圧クランプ/エネルギー回収回路は、発電用途では重要性は高くない。というのは、流出側GTOスイッチのオフ制御は、GTOスイッチがゼロに下がるまで、遅延するからであり、性能へ影響はごく小さいからである。この場合、第1および第2のキャパシターC1およびC2を強めるための余分な電流はない。
【0055】
電流が依然として流れている状態で、流出側GTOをゲートコントロールによってオフ状態にする場合、上述したように、第1および第2のキャパシターC1およびC2は強くなる。第1および第2の主dcラインDC1とDC2との間で電圧極性を反転する必要があるため、第1および第2のキャパシターC1およびC2を、走行モードに使用される主dcラインとは反対側にある主dcラインに放電する必要がある。なお、図5に示したdc/dcコンバーターの動作全体は、機能上、図3A〜3Cについて上述したものと等価である。
【0056】
図6は、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4の間に第3キャパシターC3を接続した、図5に基づく構成を示す図である。さらにキャパシターを追加してもよく、それぞれ第1副dcラインDC3と第1主dcラインDC1との間に、そして第2副dcラインDC4と第2主dcラインDC2との間に、キャパシターC4およびC5を接続する。従って、図6に示した電圧クランプ/エネルギー回収回路はキャパシターを分配配置するか、マルチキャパシターになる。なお、容易に理解できるように、キャパシターC1〜C5の全てを、図6の構成の場合図5のdc/dcコンバーターと同じである一つのdc/dcコンバーターによって共有化してもよい。この構成は、比較的少ない電気コンポーネントで済むもので、換言すれば、ハードウェアコストが低くて済むが、信頼性が高くなることを意味する。容易に理解できるように、このキャパシターの具体的な構成は、本明細書で言及する他の電圧クランプ/エネルギー回収回路に応用することができる。
【0057】
図7は、電気機械が走行モードおよび発電モードの両方で動作できるように設計した場合に利用できるdc/dcコンバーターの一つの考えられる構成を示す図である。dc/dcコンバーターは、それぞれ走行モードおよび発電モードを対象とする図2および図5に示したものの組み合わせとして有効に動作するものである。なお、ダイオードSCR1およびSCR2の代わりに、サイリスター(同じくSCR1およびSCR2で示す)を使用する。これは、ゲートコントロールによってオン状態およびオフ状態にでき、適宜走行モードまたは発電モードに切り換えることができる。
【0058】
図8は、電気機械が通常走行モードで動作できるように設計した場合に利用できる別な共振式dc/dcコンバーターを示す図である。主GTO素子が自然整流化サイリスターとして動作する場合には、電気機械が発電機として動作できるため、陽極電流がゼロに達するまでオン状態にある各主GTO素子に対するゲートドライブを維持できる。容易に理解できるように、このような回路の場合、図8に示すDBRにエネルギーを散逸させて、制動動作を確保する必要がある。共振式dc/dcコンバーターを使用すると、エネルギー回収回路の制御をさらに簡単に実施できる。第1スイッチGTO5の代わりに、平行接続キャパシターC6によりサイリスターSCR4に逆バイアスがかかった場合に自動的にオフ状態になるサイリスターSCR4を使用する。同様に、第2スイッチGTO6の代わりに、平行接続キャパシターC7によりサイリスターSCR5に逆バイアスがかかったと場合に自動的にオフ状態になるサイリスターSCR5を使用する。インダクターL3およびL4は、それぞれ、サイリスターSCR4およびSCR5に直列接続し(そしてキャパシターC6およびC7に並列接続)する。これらインダクターのインダクタンスは、第1および第2のインダクターL1およびL2に比較して小さい。サイリスターSCR6は、サイリスターSCR4と第1インダクターL1との接合部およびサイリスターSCR5と第2インダクターL2との接合部との間に接続する。電気機械が走行モードでのみ動作する場合には、サイリスターSCR6の代わりに、単純なダイオードを使用できる。なお、電気機械が走行モードで動作する場合には必ずサイリスターSCR6がゲートコントロールされたため、このサイリスターは以下の説明ではダイオードのように振舞う。
【0059】
サイリスターSCR4をゲートコントロールによってオン状態にし、電圧クランプ回路の第1キャパシターC1を放電すると、ここに流れている電流は、重ね合わせの原理によって、走行モードを対象とする前述の(非共振式)dc/dcコンバーターに流れる電流になる上に、キャパシターC6およびインダクターL3がキャパシターC6上の電荷で短絡するため、正弦波の共振電流になる。また、これら電流のうち第1電流は、適正なインダクタンスは、2つのインダクターL1およびL3のインダクタンスの和であるが、第1インダクターL1のより大きなインダクタンスによって支配される事実によって、僅かに変形することになる。コンポーネント値を正しく選択すると、キャパシターC6に流れる正弦波電流は、十分大きいため、サイリスターSCR4に流れる全電流が負になり、従ってサイリスターSCR4が自動的にオフ状態になる。第1インダクターL1に、(そして同様に、ゲートコントロールによってサイリスターSCR5がオン状態になり、電圧クランプ回路の第2キャパシターC2を放電した場合の第2インダクターL2)に設定された電流は、流れ続け、サイリスターSCR6に順方向バイアスがかかり、キャパシターC6およびC7を整流する時点までキャパシターC6およびC7によって供給される。
【0060】
共振式dc/dcコンバーターを使用することは、キャパシターC1およびC2上の電圧がある特定の閾値以上になった場合に、ゲートコントロールによってサイリスターSCR4およびSCR5をオン状態にすることによって第1および第2のキャパシターC1およびC2を選択的に放電することを意味する。この後、サイリスターSCR4およびSCR5が、公知の共振式整流プロセスによって自然に回復することになる。
【0061】
第1および第2のインダクターL1およびL2の間の接続および第1および第2の主dcラインD1およびDC2の間の接続を適正に反転させた状態で、同様な共振式dc/dcコンバーターを発電モードで使用できる。なお、適当なコンポーネント値を選択して発電モードの適正動作を行うことは、より難しい。この問題は、走行モードおよび発電モードの両方で動作できるように設計した回路の場合より大きくなるが、dc/dcコンバーターの設計を変更すると、動作可能になる。
【0062】
図9は、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4を対象とする別なdc/dcコンバーターを示す図である。このようなdc/dcコンバーターは、現実のコンポーネント値のため、第1および第2の副dcラインDC3およびDC4が相互トラックしない場合に必要になる。図9に示した第1のdc/dcコンバーターは、第1副dcラインDC3と第2主dcラインDC2との間に直列接続した第1GTOスイッチGTO5および第1インダクターL1、および陰極を第1スイッチGTO5と第1インダクターL1との接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインDC2に接続したサイリスターSCR6を有する。図9の第2dc/dcコンバーターは、第2副dcラインDC4と第1主dcラインDC1との間に直列接続した第2GTOスイッチGTO6および第2インダクターL2、および陽極を第2スイッチGTO6と第2インダクターL2との接合部に接続し、そして陰極を第1主dcラインDC1に接続したサイリスターSCR7を有する。電気機械が走行モードで動作している時には、サイリスターSCR6およびSCR7は常時オン状態にあるが、電気機械が発電モードで動作する時には、オフ状態にする必要がある。また、電気機械が走行モードでのみ動作している場合には、サイリスターSCR6およびSCR7の代わりに、ダイオードを使用できる。走行モードでのみ使用される、図9の回路の実施態様では、2つの同じ制御回路を使用する。即ち、一つを第1スイッチGTO5に、そしてもう一つを第2スイッチGTO6に使用する。制御回路への制御入力は、変流器によって検出された適正なインダクターに流れる電流(即ち、第1スイッチGTO5に対しては第1インダクターL1、そして第2スイッチGTO6に対しては第2インダクターL2)であり、そして制御されているGTOスイッチ両端の順方向電圧である。制御回路は、順方向電圧がある閾値を越えたときに、GTOスイッチをオン状態にし、適切なインダクターの電流が第2の閾値に達したときに、これをオフ状態にする。この制御回路の設計の場合、副電力は必要なく、また他の制御入力の必要もない。
【0063】
より一般的な場合、サイリスターSCR6およびSCR7の制御、そしてGTOスイッチ両端のトリガー電圧の選択が必要なこともある。トリガー電圧の選択は、ある用途では作用効果を示すクランプ電圧の制御手段を確保するものである。このような機能は、制御回路に対する入力制御をさらに必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の電圧クランプ/エネルギー回収回路の、dc/dcコンバーターを取り除いた簡単な構成を示す概略図である。
【図2】走行モードでのみ動作する電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第1の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図3A】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図3B】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図3C】走行モードにおける整流電圧クランプ/エネルギー回収プロセスを示す概略図である。
【図4】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第2の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図5】通常は発電モードで動作する電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第3の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図6】通常は発電モードで動作する電気機械に具体的に応用した、複数のキャパシターおよびdc/dcコンバーターを備えた第4の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図7】走行モードおよび発電モードの両方で動作できる電気機械に具体的に応用した、dc/dcコンバーターを備えた第5の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図8】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、共振式dc/dcコンバーターを備えた第6の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【図9】通常は走行モードでのみ動作するが、場合に応じて発電モードで動作させる必要のある電気機械に具体的に応用した、各副dcラインについて別なdc/dcコンバーターを備えた第7の電圧クランプ/エネルギー回収回路を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械の固定子巻き線に使用する回路であって、固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなる回路において、
同数のスイッチング段を有し、共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に各スイッチング段を接続した電子整流回路であって、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子、を有する電子整流回路、
電圧クランプ回路であって、
共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2副dcラインとの間に各クランプ段を接続し、陰極を第1副dcラインに接続した第1ダイオード、陽極を第2副dcラインに接続した第2ダイオードを有する同数のクランプ段、
第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続した第1キャパシター、および、
第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続した第2キャパシター、を有する電圧クランプ回路、および、
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段、を有することを特徴とする回路。
【請求項2】
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段が、第1および第2のキャパシターに保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路である請求項1記載の回路。
【請求項3】
上記エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電し、そして第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電するdc/dcコンバーター手段を有する請求項2記載の回路。
【請求項4】
電圧クランプ回路が、さらに、第1および第2の副dcラインの間に接続された第3キャパシターを有する請求項1〜3のいずれか1項記載の回路。
【請求項5】
電圧クランプ回路が、さらに、複数の第1キャパシターを第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続し、そして複数の第2キャパシターを第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続したものである請求項1〜4のいずれか1項記載の回路。
【請求項6】
さらに、第1および第2のdc端子を有し、これら第1および第2のdc端子の間に直列サイリスターおよび抵抗器を接続した請求項1〜5のいずれか1項記載の回路。
【請求項7】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項8】
dc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項7記載の回路。
【請求項9】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がダイオードである請求項7または8記載の回路。
【請求項10】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がサイリスターである請求項7または8記載の回路。
【請求項11】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項12】
dc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項11記載の回路。
【請求項13】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がダイオードである請求項11または12記載の回路。
【請求項14】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がサイリスターである請求項11または12記載の回路。
【請求項15】
dc/dcコンバーター手段が、第2主dcラインに接続した第1インダクター、第1主dcラインに接続した第2インダクター、第1副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第1半導体パワー素子、第2副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第2半導体パワー素子、第1副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第3半導体パワー素子、第2副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第4半導体パワー素子、陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第5半導体パワー素子、および陰極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第4半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続した第6半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項16】
dc/dcコンバーター手段の第1および第3の半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2および第4の半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項15記載の回路。
【請求項17】
dc/dcコンバーター手段の第3および第4の半導体パワー素子がサイリスターである請求項15または16記載の回路。
【請求項18】
エネルギー回収回路のdc/dcコンバーター手段が、共振式dc/dcコンバーター手段である請求項3記載の回路。
【請求項19】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1インダクターおよび第1キャパシター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第2インダクターおよび第2キャパシター、第1半導体パワー素子および第3インダクターが第1キャパシターと並列に接続されるように、第1副dcラインと、第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第1半導体パワー素子および第3インダクター、第2半導体パワー素子と第4インダクターが第2キャパシターと並列に接続されるように、第2副dcラインと、第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第2半導体パワー素子および第4インダクター、および陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項18記載の回路。
【請求項20】
第1半導体パワー素子の陽極を第3インダクターに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続した請求項19記載の回路。
【請求項21】
第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第4インダクターに接続した請求項19または20記載の回路。
【請求項22】
第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第3インダクターに接続した請求項19〜21のいずれか1項記載の回路。
【請求項23】
第2半導体パワー素子の陰極を第4インダクターに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した請求項19〜22のいずれか1項記載の回路。
【請求項24】
dc/dcコンバーター手段の第1、第2および第3の半導体パワー素子がサイリスターである請求項19〜23のいずれか1項記載の回路。
【請求項25】
エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電する第1dc/dcコンバーター手段、および第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電する第2dc/dcコンバーター手段を有する請求項2記載の回路。
【請求項26】
第1dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する請求項25記載の回路。
【請求項27】
第2半導体パワー素子がダイオードである請求項26記載の回路。
【請求項28】
第2半導体パワー素子がサイリスターである請求項26記載の回路。
【請求項29】
第2dc/dcコンバーター手段が、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陽極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接合し、そして陰極を第1主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する請求項25〜28のいずれか1項記載の回路。
【請求項30】
第2半導体パワー素子がダイオードである請求項29記載の回路。
【請求項31】
第2半導体パワー素子がサイリスターである請求項29記載の回路。
【請求項32】
可動部分、固定子、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合した固定子巻き線、および請求項1〜31のいずれか1項の回路を有する電気機械であって、結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に電子整流回路の各スイッチング段を接続し、そして共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の副dcラインとの間に電圧クランプ回路の各クランプ段を接続したことを特徴とする電気機械。
【請求項33】
第1および第2の副dcライン間の電圧が電気機械の全ての動作条件においてほぼ一定である、請求項32記載の電子機械の制御方法。
【請求項34】
第1および第2の副dcライン間の電圧が電気機械の動作条件に応じて変動する、請求項32記載の電気機械の制御方法。
【請求項35】
dc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項7〜17のいずれか1項記載の回路を制御する方法。
【請求項36】
dc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項19〜24のいずれか1項記載の回路を制御する方法。
【請求項37】
第1および第2のdc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項25〜31記載のいずれか1項の回路を制御する方法。
【請求項38】
電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流回路からエネルギーを回収する方法であって、前記固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなり、前記電子整流回路が同数のスイッチング段を有し、各スイッチング段が共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に接続されると共に、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子を有し、
スイッチング段の第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうち一つがゲートコントロールによってオフ状態になった時に、第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうちの上記の一つを使用してキャパシターを充電する工程、および、
このキャパシターを選択的に放電する工程、を有することを特徴とする方法。
【請求項39】
上記キャパシターに保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路によって上記キャパシターを選択的に放電する請求項38記載の方法。
【請求項40】
上記キャパシターをdc/dcコンバーター手段によって選択的に放電する請求項38または39記載の方法。
【請求項41】
dc/dcコンバーター手段が共振式dc/dcコンバーター手段である請求項40記載の方法。
【請求項42】
上記キャパシターを第1および第2の主dcラインのうち一つに対して選択的に放電する請求項38〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
さらに、上記キャパシター上の電圧をモニターし、電気機械の動作特性に関する情報を判定する工程を有する請求項38〜42記載のいずれか1項記載の方法。
【請求項1】
電気機械の固定子巻き線に使用する回路であって、固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなる回路において、
同数のスイッチング段を有し、共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に各スイッチング段を接続した電子整流回路であって、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子、を有する電子整流回路、
電圧クランプ回路であって、
共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2副dcラインとの間に各クランプ段を接続し、陰極を第1副dcラインに接続した第1ダイオード、陽極を第2副dcラインに接続した第2ダイオードを有する同数のクランプ段、
第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続した第1キャパシター、および、
第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続した第2キャパシター、を有する電圧クランプ回路、および、
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段、を有することを特徴とする回路。
【請求項2】
第1および第2のキャパシターを選択的に放電する手段が、第1および第2のキャパシターに保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路である請求項1記載の回路。
【請求項3】
上記エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電し、そして第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電するdc/dcコンバーター手段を有する請求項2記載の回路。
【請求項4】
電圧クランプ回路が、さらに、第1および第2の副dcラインの間に接続された第3キャパシターを有する請求項1〜3のいずれか1項記載の回路。
【請求項5】
電圧クランプ回路が、さらに、複数の第1キャパシターを第1主dcラインと第1副dcラインとの間に接続し、そして複数の第2キャパシターを第2主dcラインと第2副dcラインとの間に接続したものである請求項1〜4のいずれか1項記載の回路。
【請求項6】
さらに、第1および第2のdc端子を有し、これら第1および第2のdc端子の間に直列サイリスターおよび抵抗器を接続した請求項1〜5のいずれか1項記載の回路。
【請求項7】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項8】
dc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項7記載の回路。
【請求項9】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がダイオードである請求項7または8記載の回路。
【請求項10】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がサイリスターである請求項7または8記載の回路。
【請求項11】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続した第1半導体パワー素子および第1インダクター、第2副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続した第2半導体パワー素子および第2インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、かつ陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項12】
dc/dcコンバーター手段の第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項11記載の回路。
【請求項13】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がダイオードである請求項11または12記載の回路。
【請求項14】
dc/dcコンバーター手段の第3半導体パワー素子がサイリスターである請求項11または12記載の回路。
【請求項15】
dc/dcコンバーター手段が、第2主dcラインに接続した第1インダクター、第1主dcラインに接続した第2インダクター、第1副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第1半導体パワー素子、第2副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第2半導体パワー素子、第1副dcラインと第2インダクターとの間に接続した第3半導体パワー素子、第2副dcラインと第1インダクターとの間に接続した第4半導体パワー素子、陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続した第5半導体パワー素子、および陰極を第2半導体パワー素子と第2インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第4半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続した第6半導体パワー素子を有する請求項3記載の回路。
【請求項16】
dc/dcコンバーター手段の第1および第3の半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そしてdc/dcコンバーター手段の第2および第4の半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続した請求項15記載の回路。
【請求項17】
dc/dcコンバーター手段の第3および第4の半導体パワー素子がサイリスターである請求項15または16記載の回路。
【請求項18】
エネルギー回収回路のdc/dcコンバーター手段が、共振式dc/dcコンバーター手段である請求項3記載の回路。
【請求項19】
dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1インダクターおよび第1キャパシター、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第2インダクターおよび第2キャパシター、第1半導体パワー素子および第3インダクターが第1キャパシターと並列に接続されるように、第1副dcラインと、第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第1半導体パワー素子および第3インダクター、第2半導体パワー素子と第4インダクターが第2キャパシターと並列に接続されるように、第2副dcラインと、第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部との間に直列接続された第2半導体パワー素子および第4インダクター、および陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した第3半導体パワー素子を有する請求項18記載の回路。
【請求項20】
第1半導体パワー素子の陽極を第3インダクターに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第1インダクターと第1キャパシターとの間の接合部に接続した請求項19記載の回路。
【請求項21】
第2半導体パワー素子の陰極を第2副dcラインに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第4インダクターに接続した請求項19または20記載の回路。
【請求項22】
第1半導体パワー素子の陽極を第1副dcラインに接続し、そして第1半導体パワー素子の陰極を第3インダクターに接続した請求項19〜21のいずれか1項記載の回路。
【請求項23】
第2半導体パワー素子の陰極を第4インダクターに接続し、そして第2半導体パワー素子の陽極を第2インダクターと第2キャパシターとの間の接合部に接続した請求項19〜22のいずれか1項記載の回路。
【請求項24】
dc/dcコンバーター手段の第1、第2および第3の半導体パワー素子がサイリスターである請求項19〜23のいずれか1項記載の回路。
【請求項25】
エネルギー回収回路が、第1および第2の主dcラインの一つに対して第1キャパシターを選択的に放電する第1dc/dcコンバーター手段、および第1および第2の主dcラインのもう一つに対して第2キャパシターを選択的に放電する第2dc/dcコンバーター手段を有する請求項2記載の回路。
【請求項26】
第1dc/dcコンバーター手段が、第1副dcラインと第2主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陰極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接続し、そして陽極を第2主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する請求項25記載の回路。
【請求項27】
第2半導体パワー素子がダイオードである請求項26記載の回路。
【請求項28】
第2半導体パワー素子がサイリスターである請求項26記載の回路。
【請求項29】
第2dc/dcコンバーター手段が、第2副dcラインと第1主dcラインとの間に直列接続された第1半導体パワー素子および第1インダクター、および陽極を第1半導体パワー素子と第1インダクターとの間の接合部に接合し、そして陰極を第1主dcラインに接続した第2半導体パワー素子を有する請求項25〜28のいずれか1項記載の回路。
【請求項30】
第2半導体パワー素子がダイオードである請求項29記載の回路。
【請求項31】
第2半導体パワー素子がサイリスターである請求項29記載の回路。
【請求項32】
可動部分、固定子、多数のコイルを同数の共通結合点によって結合した固定子巻き線、および請求項1〜31のいずれか1項の回路を有する電気機械であって、結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に電子整流回路の各スイッチング段を接続し、そして共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の副dcラインとの間に電圧クランプ回路の各クランプ段を接続したことを特徴とする電気機械。
【請求項33】
第1および第2の副dcライン間の電圧が電気機械の全ての動作条件においてほぼ一定である、請求項32記載の電子機械の制御方法。
【請求項34】
第1および第2の副dcライン間の電圧が電気機械の動作条件に応じて変動する、請求項32記載の電気機械の制御方法。
【請求項35】
dc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項7〜17のいずれか1項記載の回路を制御する方法。
【請求項36】
dc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項19〜24のいずれか1項記載の回路を制御する方法。
【請求項37】
第1および第2のdc/dcコンバーター手段の半導体パワー素子をパルス幅変調(PWM)法か、あるいはパルス周期変調(PPM)法によって制御する、請求項25〜31記載のいずれか1項の回路を制御する方法。
【請求項38】
電気機械の固定子巻き線に使用する電子整流回路からエネルギーを回収する方法であって、前記固定子巻き線が多数のコイルを同数の共通結合点によって結合したものからなり、前記電子整流回路が同数のスイッチング段を有し、各スイッチング段が共通結合点のそれぞれ一つと第1および第2の主dcラインとの間に接続されると共に、
陰極を第1主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第1逆阻止半導体パワー素子、および、
陽極を第2主dcラインに接続したゲートコントロールによってオンオフ状態にできる第2逆阻止半導体パワー素子を有し、
スイッチング段の第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうち一つがゲートコントロールによってオフ状態になった時に、第1または第2の逆阻止半導体パワー素子のうちの上記の一つを使用してキャパシターを充電する工程、および、
このキャパシターを選択的に放電する工程、を有することを特徴とする方法。
【請求項39】
上記キャパシターに保存されたエネルギーを回収するエネルギー回収回路によって上記キャパシターを選択的に放電する請求項38記載の方法。
【請求項40】
上記キャパシターをdc/dcコンバーター手段によって選択的に放電する請求項38または39記載の方法。
【請求項41】
dc/dcコンバーター手段が共振式dc/dcコンバーター手段である請求項40記載の方法。
【請求項42】
上記キャパシターを第1および第2の主dcラインのうち一つに対して選択的に放電する請求項38〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
さらに、上記キャパシター上の電圧をモニターし、電気機械の動作特性に関する情報を判定する工程を有する請求項38〜42記載のいずれか1項記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−178024(P2009−178024A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−304223(P2008−304223)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(508314766)コンバーチーム テクノロジー リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】Converteam Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Boughton Road,Rugby,Warwickshire, CV21 1BU United Kingdom
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304223(P2008−304223)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(508314766)コンバーチーム テクノロジー リミテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】Converteam Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Boughton Road,Rugby,Warwickshire, CV21 1BU United Kingdom
【Fターム(参考)】
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