説明

電子デバイスパッケージ構造及びそれが用いられた電子回路モジュール

【課題】小型化を図ることができて、特に、大きな電気的ノイズを発生しやすいモータやインジェクタ等のアクチュエータへの内蔵を可能とする電子デバイスパッケージ構造及びそれが用いられた電子回路モジュールを提供する。
【解決手段】半導体素子等からなる電子部品10、11が実装される電子回路部21Aを有するベース基板1が誘電体で形成され、前記電子回路部21Aから外部へ及び/又は外部から前記電子回路部21Aへ侵入するノイズを除去ないし遮断すべく、前記ベース基板1の外周部に、シート状の誘電体2と導体4とが積層されてなる誘電体積層部が前記電子回路部21Aを包囲するように枡形状に設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースとなる基板の面上に半導体素子等からなる電子部品が実装される電子デバイスパッケージ構造びそれが用いられた電子回路モジュールに係り、特に、自動車等の高いノイズ環境で使用するのに好適な電子回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路(電子部品)を実装する回路モジュールにおいて、従来技術では、半導体素子やノイズを防止(低減)するためのコンデンサ、抵抗などの電子部品は回路基板に直接実装している。あるいは、半導体素子やノイズ除去コンデンサ、抵抗などの電子部品をインターポーザ基板に実装した後に樹脂等による封止によってパッケージングし、そのパッケージを回路基板に実装している(下記特許文献1、2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−168266号公報
【特許文献2】特開2002−184894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、電子回路(電子部品)の電磁波等による電気的ノイズの影響を防止するコンデンサは個別に設置しているため、回路モジュール自体の小型化に難があり、特にモータやインジェクタ(燃料噴射弁)等のアクチュエータへの電子回路の内蔵を困難としていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小型化を図ることができて、特に、大きな電気的ノイズを発生しやすいモータやインジェクタ等のアクチュエータへの内蔵を可能とする電子デバイスパッケージ構造及びそれが用いられた電子回路モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明に係る電子デバイスパッケージ構造の一つは、基本的には、半導体素子等からなる電子部品が実装される電子回路部を有するベース基板が誘電体で形成され、前記電子回路部から外部へ及び/又は外部から前記電子回路部へ侵入するノイズを除去ないし遮断すべく、前記ベース基板の外周部に、シート状の誘電体と導体とが積層されてなる誘電体積層部が前記電子回路部を包囲するように枡形状に設けられていることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る電子デバイスパッケージ構造の他の一つは、半導体素子等からなる電子部品が実装される電子回路部を有するベース基板が誘電体で形成され、前記ベース基板における前記電子回路部の周囲に、シート状の誘電体と導体とが積層されてなる誘電体積層部が複数個所定の態様で設けられるとともに、前記複数個の誘電体積層部のうちの少なくとも一つの誘電体積層部に隣接して、該誘電体積層部を構成する誘電体とは異なる特性の誘電体で構成される誘電体積層部が配在されていることを特徴としている。
【0008】
この場合、前記特性が異なる複数の誘電体は、好ましくは、その容量又は誘電率が異なるようにされる。
【0009】
前記特性が異なる複数の誘電体は、好ましくは、同一材質の紛粒体を焼成したものであり、その粒径の違いにより前記特性が異なるようにされる。
【0010】
さらに好ましい態様では、前記特性が異なる複数の誘電体は、材質は同一であるが粒径の異なる紛粒体をグリーンシート状に形成し、それらを所定寸法形状に打ち抜いて同じ特性のもの同士が隣り合わないように互い違いに配列するとともに、同じ特性のもの同士を積層した後、一体的に焼結したものとされる。
【0011】
前記誘電体の材料は、好ましくは、チタン酸バリウムとされる。
【0012】
他の好ましい態様では、前記誘電体積層部は、同じ特性の誘電体と導体とが交互に積層され、nを整数として、前記導体のn層とn+2層とが、それらの間に配在されている前記誘電体に設けられたビアホールに充填された導体で接続される。
【0013】
一方、本発明に係る電子回路モジュールは、上記した電子デバイスパッケージ構造が採用されたもので、前記ベース基板の電子回路部に半導体素子等からなる電子部品が実装されるとともに、前記誘電体積層部における最外層が導体で形成され、該最外層の導体は、前記電子回路部に接続されるとともに、外部に接続するために設けられた電極端子部に接続されていることを特徴としている。
【0014】
電子回路モジュールの好ましい態様では、一部ないし全部が導体で形成されたキャップにより封止される。
【0015】
前記電子部品は、好ましくは、導電性接着材により前記ベース基板に接着される。
【0016】
前記電子部品は、好ましくは、金属バンプにより前記基板の面上に形成された導体に接続される。
【0017】
電子回路モジュールの他の好ましい態様では、モータを制御する駆動回路として構成されて、該モータに内蔵可能とされる。
【0018】
電子回路モジュールの別の好ましい態様では、車載用エンジンのインジェクタを制御する駆動回路として構成されて、該インジェクタに内蔵可能とされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電子デバイスパッケージ構造が採用された電子回路モジュールでは、電子回路部を有するベース基板が誘電体で形成され、このベース基板の外周部に、シート状の誘電体と導体とが積層されてなる誘電体積層部が前記電子回路部を包囲するように枡形状に設けられている(好ましくは特性の異なる複数種の誘電体積層部が例えば互い違いに配設される)ことから、電子回路部の入り口で誘電体積層部により電気的ノイズが吸収除去ないし遮断され、そのため、電子回路部分を安定して動作させることができる。
【0020】
特に、自動車におけるモータやインジェクタ(燃料噴射弁)などのアクチュエータでは、アクチュエータの動作時の電磁波がノイズとなって電子回路(電子部品)を誤動作させるが、本発明によれば、ノイズは電子回路部の入り口の誘電体積層部により吸収されるため、アクチュエータへの内蔵搭載も容易となる。同時に、モジュール内の電子回路部から外部に放出されるノイズも除去できる。
【0021】
また、電子回路を構成する各電子部品に個別にコンデンサを設置する必要がなく、さらに複数種の半導体部品を実装することにより回路基板が不要な回路モジュールができ、大幅な小型化が可能となる。
【0022】
さらに本発明によれば、誘電体で形成したモジュール(パッケージ)の中に電子回路部(電子部品)を実装するため、従来のように実装する電子部品ごとに個別にコンデンサを設置する等、コンデンサの配置を考える必要がなく設計の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る電子デバイスパッケージ構造の一実施例の概略構成を示す側面図(図2のX−X’矢視断面図)。
【図2】図1に示されるノイズ除去用コンデンサの概略構成を示す平面図
【図3】図1のY−Y’矢視断面図。
【図4】本発明に係る電子回路モジュールの一例を示す断面図。
【図5】モータの駆動回路図。
【図6】本発明に係る電子回路モジュールの一例を内蔵したモータの断面図。
【図7】図6に示されるモータの要部詳細図。
【図8】従来のインジェクタ駆動回路図。
【図9】ドライバ内蔵インジェクタの駆動回路図。
【図10】本発明の電子回路モジュールの他の例を内蔵したインジェクタの断面図。
【図11】図10に示されるインジェクタに内蔵する駆動回路モジュールの外観概念図。
【図12】図10に示されるインジェクタの要部詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の電子デバイスパッケージ構造の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1、図2、図3は、本発明に係る電子デバイスパッケージ構造の一実施例の概略構成を示し、図1はその側面図(図2のX−X’矢視断面図)、図2はその平面図、図3は図1のY−Y’矢視断面図である。
【0026】
図1〜図3において、ベース基板1は、誘電体材料からなっている。基板1には回路の基準電位となる導体6が電子回路配線(図示されていない)と共に同一面に形成されている。
【0027】
誘電体2、3は、それぞれの誘電率(ε1、ε2)は異なり、導体層4及び5と重ね合わせて積層されている(誘電体積層部2、3、あるいは誘電体積層部16と称することがある)。
【0028】
更に、導体層4と5、及び6とは、図3に示すように誘電体層2の内部に設けられ、導体を充填したビアホール7によって隔層毎に互い違いに接続されている。更に、導体層4は、図3に示すように、外部と接続するためにパッケージ(モジュール)の側面に配設された導体8に接続されている。
【0029】
次に、前記誘電体積層部2、3を含むパッケージ構造を製造する工程を説明する。
【0030】
まず、誘電体である基板1をグリーンシート状で導体6を印刷にて形成した状態としておく。基板1の材料としてはコンデンサに多用される酸化チタン、あるいはチタン酸バリウムを所要の誘電率に合わせて選択する。誘電体層3は誘電体層2に相当する部分を打ち抜いた誘電率ε1の材料で基板1と同様にグリーンシート状態で形成しておく。誘電体層2(ε2)は誘電体層3と反対に図2の斜線部分を残した形に打ち抜き、基板1、誘電体層3と同様、グリーンシート状態で導体5、あるいは導体4を印刷するとともにビアホールにより接続が必要な誘電体2の層には導体を充填したビアホール7を設けておく。
【0031】
次にこれらの各層を積層する。即ち、基板1を最下層に誘電体3、誘電体2の層を積層し、表面に導体4が形成された層を最後(最上段)に積層し、加圧プレスの後、1300℃以上の高温で焼成する。その後、側面に導体4と電気的に接続するように導体8を塗布し再度導体8を900℃程度の温度で焼成する。
【0032】
その結果、半導体素子等からなる電子部品10、11が実装される電子回路部を有する基板1を備え、この基板1の外周に、誘電体積層部16が設けられた枡状の電子デバイスパッケージ構造(電子回路モジュール)を得ることができる。
【0033】
ここで、誘電体層3と誘電体層2とに望まれる誘電率は異なる。即ち、コンデンサを形成する誘電体層2には高誘電率(ε2)の性能(特性)が、また、誘電体層3には回路のクロストーク低減のため低誘電率(ε1)の性能(特性)が望まれる。しかし、前述したように製法はグリーンシートの焼成のため、焼成中の焼成温度過程における挙動、代表的には収縮特性が揃わないと焼成後に割れてしまう問題がある。本発明では、これを解決するため、誘電体層3と誘電体層2とは同じ材料(材質)、例えばチタン酸バリウムで形成し、グリーンシートを形成するときの粉黛状態での粒径を変えた。チタン酸バリウムには粒径により誘電率が大きく(1〜10倍)変化する特徴がある。このようにすることにより焼成中の焼結特性を揃えて、誘電率の異なる層を形成することを実現した。
【0034】
本実施例によれば、基板1の外周部に誘電体積層部からなるコンデンサを有し、内部に電子回路を形成できる極めて小型の電子デバイスパッケージ(モジュール)を提供することができる。
【0035】
図4は、上記した如くの電子デバイスパッケージ構造が採用された電子回路モジュール(モータ駆動回路モジュール)21を示す。本例の電子回路モジュール21は、基本的には、半導体素子等からなる電子部品10、11が実装される電子回路部21Aを有するベース基板1が誘電体で形成され、該基板1の面上における前記電子回路部21Aの周囲に、誘電体2、3及び導体4が所定の態様で配列された誘電体積層部が設けられている。
【0036】
このモジュール21には、図5に示されるモータを制御する駆動回路(モータドライバー)が実装されている。
【0037】
図4に示される電子部品11は、図5に示されるトランジスタT1〜T4(17〜20)で、電子部品10は図5に示されるドライバーICである。誘電体層2(ε2)と導体層5等で形成された誘電体積層部16はコンデンサを示す。
【0038】
電子部品11(トランジスタT1〜T4)は、基板1の基準電圧導体6に導電性接着材12で固定されている。その表面電極(図示していない)からはワイヤ14がワイヤボンディングにより導体層4に接続され外部へ接続する電極8へ電気的に継いでいる。
【0039】
電子部品10(ドライバーIC)は、金属バンプ(例えばはんだ)13により基板1の電子回路形成導体に接続されている。さらに、外部から進入する塵埃、水分を防止するため、プラスチック成形品であるキャップ9が備えられている。該キャップ9の内側にはめっきにより金属層15が形成されており、その金属層15は電気的に基準電位(図4右側の導体層8を介して)に接続されている。
【0040】
図5に示される回路の動作を説明する。
【0041】
マイコンを中心とした制御回路は様々な指令とセンサの情報信号に従いモータ22の回転動作に対する信号をドライバーIC10に出力する。ドライバーICはその指示にしたがいモータを動作させるための信号をトランジスタT1〜T4に出力する。その結果、例えば、トランジスタT1とT4をON操作することによりモータ22は右へ回転、T2、T3をONさせると左方向へと回転を制御する。
【0042】
この構成によればモータ駆動回路(モータドライバー)に進入する電気ノイズをコンデンサ16(誘電体層2、導体層5)で除去できるので動作の安定したモータ駆動回路(回路モジュール)を提供することが出来る。
【0043】
図6、図7は、図5に示される如くのモータ駆動回路(回路モジュール)21をモータ22に内蔵した状態を示す。このモータ22は、自動車のパワーウインドウや、座席シートを操作するパワーシート、シートベルトを巻き取るパワーシートベルトの類のものである。これらのモータは動作機能上、自動車の車室内に装着する必用があり、モータから発生する電気ノイズ、特にモータ〜制御回路間の配線から放出されるノイズは音響機器や最近普及拡大中のナビゲーションに代表される情報機器の誤動作を招くので低減が望まれている。
【0044】
図6において、モータ22は、ロータ26、マグネット(永久磁石)MG、コンミテータ25、ブラシ24、回路基板23等を備えている。回路基板23は、図7に示される如くに、図4、5に示されるモータ駆動回路(回路モジュール)21が搭載されている。回路基板23上には配線層が形成されており、図6のコネクタC部を介して外部、マイコン、電源VBに接続されている。また、内部はコンミテータ25のM+M−端子に接続されている。
【0045】
この実施例によれば、モータと制御回路である駆動回路(回路モジュール)21との間の電気ノイズ(放射ノイズ)はモータ本体の金属でシールドされ、モータと制御回路21との間の配線も無くなるため、電気ノイズの放射・放出のないモータ内蔵回路モジュールを提供することができる。
【0046】
次に、上記した電子デバイスパッケージ構造を自動車の燃料噴射弁であるインジェクタのドライバーに適用した例について説明する。
【0047】
インジェクタ70は、図10に示すように、燃料ポンプ(図示していない)により加圧された燃料をインジェクタ入り口33へ送り、外部から通電されたコイル32の電磁力で弁体34を開き噴射ホール35から燃料をエンジンの吸気ポート又は燃焼室内に噴射するものである。
【0048】
このインジェクタ70の一般的な制御における電気的接続は、図8に示すように、多くの指令情報とセンサ情報を入力とするECU(エレクトリック コントロール ユニット)に内蔵されたトランジスタTに接続されている。この接続ではECUとインジェクタ間の接続が長い配線となるため、その配線から電気ノイズが外部に放射され、モータと同じ不具合の発生要因となっていた。
【0049】
本例では、図9に示すように、ECUの一部、即ちインジェクタを駆動する回路27を前記した如くのパッケージ内に収納し、図10に示されるインジェクタ内のコネクタ部に内蔵した。
【0050】
図11、図12を用いてその内容を説明する。
【0051】
電子回路モジュール27は、図9に示した回路を内部に実装しており、符号28、29、A、B、Cは、特性の異なる誘電体の側面に設けた電極である。
【0052】
図12において、回路モジュール27の電極28、29はインジェクタ70のコイル端子31、30にそれぞれ接触端子によって接続されている。また、3つの電極A,B、Cは同様に接触端子A,B、C(41、42、43)によって外部端子に接続されている。
【0053】
このような構成にすることにより、駆動回路(回路モジュール)27に配設されたコンデンサ16により電気ノイズが除去されるため回路動作の安定した、かつ電気ノイズの放出のない電子回路モジュールを提供できる。
【符号の説明】
【0054】
1 基板(誘電体)
2 誘電率ε1の誘電体
3 誘電率ε2の誘電体
4 導体層
5 導体層
6 導体層
7 導体を充填したビアホール
8 導体
9 キャップ
10 半導体素子
11 半導体素子
12 導電性接着剤
13 金属バンプ
14 金属ワイヤ
15 めっきによる金属膜
16 ノイズ除去用コンデンサ
21 モータ駆動回路(電子回路モジュール)
21A 電子回路部(モータに内蔵されるモータ駆動回路)
22 モータ
23 回路基板
24 ブラシ
25 コンミテータ
26 ロータ
27 インジェクタ駆動回路(電子回路モジュール)
28 電極
29 電極
30 コイル端子
31 コイル端子
32 コイル
33 インジェクタ入り口
34 噴射弁
35 噴射ホール
36 インジェクタと駆動回路のコネクタ部(外部ソケット)
37 インジェクタと駆動回路のコネクタ部(インジェクタ側ソケット)
70 インジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子等からなる電子部品が実装される電子回路部を有するベース基板が誘電体で形成され、前記電子回路部から外部へ及び/又は外部から前記電子回路部へ侵入するノイズを除去ないし遮断すべく、前記ベース基板の外周部に、シート状の誘電体と導体とが積層されてなる誘電体積層部が前記電子回路部を包囲するように枡形状に設けられていることを特徴とする電子デバイスパッケージ構造。
【請求項2】
半導体素子等からなる電子部品が実装される電子回路部を有するベース基板が誘電体で形成され、前記ベース基板における前記電子回路部の周囲に、シート状の誘電体と導体とが積層されてなる誘電体積層部が複数個所定の態様で設けられるとともに、前記複数個の誘電体積層部のうちの少なくとも一つの誘電体積層部に隣接して、該誘電体積層部を構成する誘電体とは異なる特性の誘電体で構成される誘電体積層部が配在されていることを特徴とする電子デバイスパッケージ構造。
【請求項3】
前記特性が異なる複数の誘電体は、その容量又は誘電率が異なっていることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスパッケージ構造。
【請求項4】
前記特性が異なる複数の誘電体は、同一材質の紛粒体を焼成したものであり、その粒径の違いにより前記特性が異なるようにされていることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスパッケージ構造。
【請求項5】
前記特性が異なる複数の誘電体は、材質は同一であるが粒径の異なる紛粒体をグリーンシート状に形成し、それらを所定寸法形状に打ち抜いて同じ特性のもの同士が隣り合わないように互い違いに配列するとともに、同じ特性のもの同士を積層した後、一体的に焼結したものであることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスパッケージ構造。
【請求項6】
前記誘電体の材料は、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスパッケージ構造。
【請求項7】
前記誘電体積層部は、同じ特性の誘電体と導体とが交互に積層され、nを整数として、前記導体のn層とn+2層とが、それらの間に配在されている前記誘電体に設けられたビアホールに充填された導体で接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスパッケージ構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電子デバイスパッケージ構造が採用された電子回路モジュールであって、前記ベース基板の電子回路部に半導体素子等からなる電子部品が実装されるとともに、前記誘電体積層部における最外層が導体で形成され、該最外層の導体は、前記電子回路部に接続されるとともに、外部に接続するために設けられた電極端子部に接続されていることを特徴とする電子回路モジュール。
【請求項9】
一部ないし全部が導体で形成されたキャップにより封止されていることを特徴とする請求項8に記載の電子回路モジュール。
【請求項10】
前記電子部品は、導電性接着材により前記ベース基板に接着されていることを特徴とする請求項8に記載の電子回路モジュール。
【請求項11】
前記電子部品は、金属バンプにより前記基板の面上に形成された導体に接続されていることを接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電子回路モジュール。
【請求項12】
モータを制御する駆動回路として構成されて、該モータに内蔵可能とされていることを特徴とする請求項8に記載の電子回路モジュール。
【請求項13】
車載用エンジンのインジェクタを制御する駆動回路として構成されて、該インジェクタに内蔵可能とされていることを特徴とする請求項8に記載の電子回路モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−171254(P2010−171254A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13144(P2009−13144)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】