説明

電子デバイス用誘電体磁器組成物及びその製造方法

【課題】 Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料において、該材料が有する高いQf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御することができる電子デバイス用誘電体磁器組成物とその製造方法の提供。
【解決手段】 Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物に、Znを加えたBa[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物を、焼結温度1570℃以上、焼結時間5時間以上で焼結することにより、組成物中のZnOを揮発させ、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを析出させ、該BaTaの体積濃度を制御することにより、Qf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、準マイクロ波、マイクロ波、ミリ波などの通信用フィルタ、発信器、誘電体基板などに用いられる電子デバイス用誘電体磁器組成物とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高周波帯デバイスに有用な材料として、非常に高いQf値を有するBa(Mg1/3Ta2/3)O系材料が知られている。しかし、種々の高周波帯デバイスに用いるためには、用途によって共振周波数の温度係数τfを調整する必要があるが、前記Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料は、単一化合物のため温度係数τfを調整することが困難であった。
【0003】
出願人は先に、前記Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料において、温度係数τfを調整可能にすべく、組成式がXBa(Mg1/3Ta2/3)O−Y(BaSr1−z)(Ga1/2Ta1/2)Oで表わされる組成物(特許文献1)、XBa(Zn1/3Ta2/3)O−Y(BaSr1−z)(Ga1/2Ta1/2)Oで表わされる組成物(特許文献2)、XBa[(Mg1−ZZn1/3Ta2/3]O−YSr(Ga1/2Ta1/2)Oで表わされる組成物(特許文献3)を提案した。
【0004】
しかしながら、上記提案では、共振周波数の温度係数τfを制御できる範囲が狭かったり、温度係数τfの制御のため、添加元素の置換量を多くすると、Qf値が低下するなどの問題があった。
【0005】
また、前記Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料は、0〜0.5ppm/℃近傍のτfを有するため、前記提案では、主として、温度係数τfを負の方向へシフトさせることが試みられていた。しかし、共振器やフィルタなどに用いる場合、誘電体材料の周囲で使用される金属材料の種類によってその温度特性を制御する必要があり、温度係数τfを正の方向で制御できる材料も要求される。
【0006】
温度係数τfを正の方向で制御する方法として、Ba(Mg1/3Ta2/3)OのAサイト、すなわち、Baの一部を添加元素で置換することが考えられるが、上記提案と同様に、添加元素の置換量が増すに伴って、Qf値が低下するという問題がある。
【0007】
前記、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料とは異なるが、Al、BaO、Taを主成分とするアルミナ系磁器材料において、結晶相としてBaTaを含有させることによって、低い誘電損失を維持したまま、温度係数τfを正側に移行させることが提案されている(特許文献4)。しかし、この提案は、アルミナ系磁器材料に関するものであって、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料への適用可否については、何ら言及されていない。
【0008】
一方、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系焼結体を得るに際して、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系仮焼物に複合酸化物としてBaTaを添加した後、焼結することによって、緻密度の高い焼結体とすることができ、誘電特性が向上することが提案されている(特許文献5)。しかし、この提案においては、誘電率、Q値などの誘電特性の向上効果については記載されているが、共振周波数の温度係数τfの制御については、何ら言及されていない。
【特許文献1】特開平4−260656号公報
【特許文献2】特開平11−189468号公報
【特許文献3】特開2003−226575号公報
【特許文献4】特開平9−110518号公報
【特許文献5】特開平3−210704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献5によれば、BaTaは仮焼後の誘電体材料に添加されるものであるが、所定量のBaTaのみを別に用意するのは、高温での処理が必要であるなど、製造が極めて困難である。また、BaTaは微粉砕後の仮焼物に添加されるため、均質な焼結体を得るには、十分に分散させるための混合工程が必要となる。
【0010】
その点、特許文献4においては、BaOとTaとを特定の範囲で配合し、それを焼結することによりBaTaを析出させているが、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料では、MgとTaの組成比が決まっているため、BaOとTaの組成を調整することによって所定量のBaTaを析出させることは困難である。
【0011】
この発明は、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料において、当該材料が有する高いQf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御することができる電子デバイス用誘電体磁器組成物とその製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者らは、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料のQf値、誘電率を維持しながら、温度係数τfを正の方向へ制御できる組成について、鋭意研究の結果、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物にZnを加えてBa[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物とし、該組成物を特定の条件で焼結することにより、組成物中のZnOを揮発させ、その結果、所定量のBaTaを析出させる方法を知見した。
【0013】
また、発明者らは、該BaTaの体積濃度の変化に伴い、共振周波数の温度係数τfが正の方向へシフトすることを知見するとともに、温度係数τfが正の方向へシフトしても、Qf値、誘電率はほとんど変化しないことを知見し、また、BaTaの体積濃度は、焼結温度、焼結時間などの焼結条件によって制御できることを知見した。
【0014】
さらに、発明者らは、Ba[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物において、析出したBaTaを詳細に分析したところ、単なるBaTaではなく、MgまたはZn、あるいはMgとZnが少量ドープされたBaTaであることを確認し、この発明を完成した。
【0015】
すなわち、この発明は、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物中に、Zn又はMgあるいはZnとMg(以下Zn及び/又はMgと略記する)がドープされたBaTaを、体積濃度0〜1.2%(0を含まず)含有することを特徴とする電子デバイス用誘電体磁器組成物である。
【0016】
また、この発明は、Ba[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物を、焼結温度1570℃以上、焼結時間5時間以上で焼結することにより、組成物中のZnOを揮発させ、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを析出させることを特徴とする電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法である。
【0017】
さらに、この発明は、上述の構成の製造方法において、さらに、
Zn及び/又はMgがドープされたBaTaの析出量が、組成物全体に対して、体積濃度で0〜1.2%(0を含まず)である構成、
焼結温度が1570℃以上1650℃以下である構成、
焼結時間が5時間以上300時間以下である構成、をそれぞれ特徴とする電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、本系組成物が本来有している高Qf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御することが可能となり、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを析出させることにより、Qf値が従来材料よりも向上したBa(Mg1/3Ta2/3)O系材料を提供することができる。
【0019】
またこの発明によれば、焼結工程によってBaTaを析出させるため、BaTaを別に準備する必要がなく、工数の低減、コストの低減を図ることができる。
【0020】
この発明による電子デバイス用誘電体磁器組成物は、準マイクロ波、マイクロ波・ミリ波通信用フィルタ、発信器、誘電体基板などの用途に最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明は、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物に、Znを加えたBa[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物を、焼結温度1570℃以上、焼結時間5時間以上で焼結し、組成物中のZnOを揮発させることにより、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物中に、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを、体積濃度0〜1.2%(0を含まず)含有する電子デバイス用誘電体磁器組成物を得ることを特徴とする。
【0022】
この発明において、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物とは、
Ba(Mg1/3Ta2/3)O、(BaSr)(Mg1/3Ta2/3)O
Ba(Mg1/3Ta2/3)O−Ba(Ga1/2Ta1/2)O
Ba(Mg1/3Ta2/3)O−(BaSr)(Ga1/2Ta1/2)O
Ba(Mg1/3Ta2/3)O−(BaSr)(Ga1/2Ta1/2)O
(BaCa)(Mg1/3Ta2/3)O−(BaSr)(Ga1/2Ta1/2)O
Ba([MgNi]1/3Ta2/3)O−Sr(Ga1/2Ta1/2)O
など、Ba(Mg1/3Ta2/3)Oを基本形とする誘電体磁器組成物のことをいう。
【0023】
以下にこの発明による電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法を説明する。ここでは、Ba[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物を用いて、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを含有するBa(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物を得る方法を例にとって説明する。
【0024】
まず、原料粉末を用意し、組成式がBa([Mg1−xZn1/3Ta2/3)Oとなるように秤量する。このとき、xは0.02〜0.3とすることが好ましい。xが0.02未満では、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを析出することができず、xが0.3を超えると、得られる誘電体磁器組成物のQf値が低下するため好ましくない。
【0025】
次に、秤量後の粉末に純水またはエタノールを加え混合・粉砕を行う。混合・粉砕後の混合粉の平均粒径は0.7μm〜1.4μmが好ましい。
【0026】
混合物を乾燥した後、仮焼する。乾燥温度は100℃〜200℃、仮焼温度は1100℃〜1400℃、仮焼時間は2〜6時間が好ましい。この時点では、ZnOはまだほとんど揮発しておらず、Ba([Mg1−xZn1/3Ta2/3)O組成物のままで仮焼されている。
【0027】
次に、仮焼粉を粉砕する。粉砕は、純水またはエタノール中で行うことが好ましい。また、粉砕後の粉砕粉の平均粒径は0.6μm〜1.5μmが好ましい。
【0028】
粉砕粉を乾燥した後、公知の成形手段によって所要形状に成形する。成形前に、必要に応じて粉砕粉を造粒装置によって造粒してもよい。成形時の成形圧力は3.0g/cm〜5.2g/cmが好ましい。
【0029】
次いで、成形体を焼結するが、この焼結条件がこの発明の特徴であり、焼結条件、特に特定の焼結温度、焼結時間により、BaTaの析出量をコントロールし、温度係数τfを制御することができる。
【0030】
焼結温度は1570℃以上が必要である。また、焼結時間は5時間以上が必要である。好ましい焼結温度は1570℃以上1650℃以下、好ましい焼結時間は5時間以上300時間以下である。
【0031】
この焼結条件を適用することによって、Ba([Mg1−xZn1/3Ta2/3)O組成物中のZnOが揮発し、その結果、BaTaが析出する。また、ZnOの揮発により、Ba([Mg1−xZn1/3Ta2/3)O組成物はBa(Mg1/3Ta2/3)O系組成物に変化する。
【0032】
一般に、Ba(Mg1/3Ta2/3)O系材料は、1550℃以下で焼結され、1550℃を超える場合でも、4時間程度の短い時間で処理され、この発明のように、温度が1570℃以上で、5時間以上の焼結を行うことはない。一方、成形体を温度1570℃以上、時間5時間以上で焼結を行ったとしても、その組成物が、
Ba([Mg1−xZn1/3Ta2/3)Oでなければ、Zn及び/又はMgが少量ドープされたBaTaは析出しない。
【0033】
BaTaの析出量のコントロールは、後述する実施例に示すように、焼結温度と焼結時間を組合わせることにより行うことができる。そして、BaTaの析出量をコントロールすることにより、温度係数τfを制御することができる。
【0034】
BaTaの析出量は、得られるBa(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物に対して、体積濃度(%)で0〜1.2%(0を含まず)が好ましい。1.2%を超えると、Qf値が低下するため好ましくない。
【0035】
焼結時の雰囲気は、大気中あるいは酸素濃度50%〜100%の雰囲気中が好ましい。造粒を行った場合は、焼結前に、300℃〜700℃で脱バインダー処理を行うことが好ましい。
【0036】
上記焼結条件によって析出したBaTaは、後述する実施例に示すとおり、単なるBaTaではなく、Zn及び/又はMgが少量ドープされたBaTaであることが分かった。BaTaの析出量を変化させ、温度係数τfを正の方向へ制御しても、高Qf値、誘電率がほとんど低下しないのは、このZn及び/又はMgがドープされたBaTaの存在に起因するものと考えられる。
【0037】
上述した製造方法により、この発明によるBa(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物中に、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを体積濃度0〜1.2%(0を含まず)含有する電子デバイス用誘電体磁器組成物を得ることができる。上述のとおり、この組成物において、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaを体積濃度を0〜1.2%(0を含まず)の範囲でコントロールすることにより、高Qf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御することが可能になる。
【実施例】
【0038】
実施例1
出発原料として、BaCO、MgO、ZnO、Taの粉末を準備した。組成式がBa([Mg1−xZn1/3Ta2/3)Oにおいて、x=0.2となるように配合し、純水中で混合・粉砕した後に乾燥し、平均粒径1.2μmの混合粉を得た。次いで、該混合粉を1300℃で4時間仮焼した。得られた仮焼粉を湿式粉砕によって平均粒径が0.95μmに粉砕した後、粉砕粉を乾燥させた。
【0039】
次に、乾燥粉にPVAを添加、混合した後、造粒装置によって造粒した。得られた造粒粉を一軸プレス装置により、成形密度3.8g/cmに成形した。得られた成形体を300℃〜700℃で脱バインダー後、酸素濃度80%の雰囲気中において、表1に示す焼結条件で焼結し、この発明による焼結体を得た。
【0040】
得られた焼結体をφ10mm×9〜4mmに加工し、試験片を得た。得られた試験片をネットワークアナライザを用いてH&C法によって誘電率、Qf値、τf値を測定した。測定結果を表1に示す。
【0041】
また、表1のデータに基づく、BaTaの体積濃度(%)と共振周波数の温度係数τf(ppm/℃)の関係を示したグラフを図1に示す。
【0042】
比較例1
組成式がBa([Mg1−xZn1/3Ta2/3)Oにおいて、x=0とする以外は実施例1と同じ条件で焼結体を得た。得られた焼結体を実施例1と同じ条件で誘電率、Qf値、τf値を測定した。測定結果を表1(No.15)に示す。
【0043】
評価
表1及び図1から明らかなように、この発明による電子デバイス用誘電体磁器組成物は、焼結温度と焼結時間を組合わせることによって、BaTaの析出量をコントールすることができ、それによって、高Qf値、誘電率を維持したままで、温度係数τfを正の方向へ制御することができる。
【0044】
実施例2
実施例1における試験片No.1の試料断面を切断加工の後表面をダイヤモンドスラリーで鏡面研磨を施した。該試料を顕微鏡観察し、Ba(Mg1/3Ta2/3)O固溶体からなる主相以外の相(異相)が存在することを確認した。
【0045】
さらに、EPMA装置(SHIMADZU製、EPMA1610)を用いて、該異相の定性分析及び特性X線のマッピング分析を行った。定性分析条件は、加速電圧15kV、試料電流0.1μA、照射範囲φ100μm(電子ビーム径)、マッピング分析の条件は、加速電圧15kV、試料電流30nAであった。定性分析の結果を図2に、特性X線のマッピング分析の結果を図3に示す。図2において、各プロファイル(4段に表示)における各ピークは、特性X線の波長(Å)を示す。図3において、「Map Data Proc.:Multi Display−Image」と記載されるタイトルバーを横長の正面に見て、上段左はBEI(組成像)、上段中央はBaの特性X線像、上段右はZnの特性X線像、下段左はMgの特性X線像、下段中央はTaの特性X線像を示す。
【0046】
図2及び図3の結果から、前記異相はBaとTaを主として含有するBaTaであることが分かった。すなわち、図2における大半のピークはBaとTaからなり、図3の下段中央のTaの特性X線像において、Ta濃度が高い部分すなわちX線スポット(白くなっている部分)が観察されており、この部分の定量分析の結果から、異相はBaTaであると同定した。さらに、図2において、8.0Å付近及び24.0Å付近にZnのピークが、3.5Å付近にMgのピークが存在すること、図3の下段左のMgの特性X線像においてBaTa部分に、若干X線スポットが見られる、すなわち、BaTaに若干のMgが存在すること、並びに図3の上段右のZnの特性X線像に均一なX線スポットが見られること、すなわち、BaTaにもZnが存在していることから、前記異相は少量のZn及びMgがドープされたBaTa相であることが分かった。
【0047】
なお、図2及び図3に示す組成分析の結果では、MgとZnの両方が存在するが、別のBaTa相ではMgのみの場合あるいはZnのみの場合もあり、各BaTa相によってZnとMgのドープ量が異なっているように推察される。従って、この発明においては、Zn及び/又はMgがドープされたBaTaと定義した。
【0048】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明による電子デバイス用誘電体磁器組成物は、準マイクロ波、マイクロ波・ミリ波通信用フィルタ、発信器、誘電体基板などの用途に最適であり、電子デバイスの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】BaTaの体積濃度(%)と共振周波数の温度係数τf(ppm/℃)の関係を示すグラフである。
【図2】実施例2のEPMA装置による定性分析結果を示すグラフである。
【図3】実施例2のEPMA装置による特性X線のマッピング分析結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ba(Mg1/3Ta2/3)O系誘電体磁器組成物中に、Zn又はMgあるいはZnとMgがドープされたBaTaを、体積濃度0〜1.2%(0を含まず)含有する電子デバイス用誘電体磁器組成物。
【請求項2】
Ba[(MgZn)1/3Ta2/3]O系誘電体磁器組成物を、焼結温度1570℃以上、焼結時間5時間以上で焼結することにより、組成物中のZnOを揮発させ、Zn又はMgあるいはZnとMgがドープされたBaTaを析出させる電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法。
【請求項3】
Zn又はMgあるいはZnとMgがドープされたBaTaの析出量が、組成物全体に対して、体積濃度で0〜1.2%(0を含まず)である請求項2に記載の電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法。
【請求項4】
焼結温度が1570℃以上1650℃以下である請求項2に記載の電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法。
【請求項5】
焼結時間が5時間以上300時間以下である請求項2に記載の電子デバイス用誘電体磁器組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−36589(P2006−36589A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219012(P2004−219012)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000183417)株式会社NEOMAX (121)
【Fターム(参考)】