説明

電子ペンからのデータフローを制御するための情報管理装置及び方法

情報管理装置は、電子ペンと宛先装置間での電子データのフロー経路コントローラとして電子ネットワーク内に配置され、電子データは電子ペンよって記録される手書きデータと、と一つまたは複数のペン固有パラメータとを含む。情報管理装置は、電子ペンから電子データの少なくとも一部を受け取り、関連付けられる処理命令を特定するためにこのようにして受け取った電子データを一つまたは複数のフロー制御オブジェクトに対してマッピングする。ここで、フロー制御オブジェクトはペン固有パラメータの一つの値に対応し、該このようにして特定された処理命令に基づいて宛先装置に該電子データフローを向ける。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、ともに参照することにより本書に組み込まれる2003年10月31日に出願されたスウェーデン特許出願番号第0302884−2号、及び2003年10月31日に出願された米国仮特許出願第60/515,704号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は情報管理システムに関し、特に、このようなシステムにおいて電子ペンから宛先装置へ電子データを配布することに関する。
【背景技術】
【0003】
電子ペンは、ベース上での手書き入力を反映する電子情報の生成のために使用できる。このような電子情報は電子ペン自体、ベース、またはベース上のペンの運動パターンを検知する外部監督装置によって生成されることができる。
【0004】
追加の処理のために電子情報を異なる宛先装置に効率的に伝達できるように、このような電子ペンを情報管理システム内に組み込むことが望ましいであろう。
【0005】
参照することにより本書に組み込まれている米国第2003/0061188号明細書、米国第2003/0046256号明細書、及び米国第2002/0091711号明細書で、本出願人は、ベース上の複数の絶対位置をコード化するために各ベースに位置コードが適用されるような情報管理システムを提案している。位置コードを読み取ることにより、電子ペンはベース上でのそれら自体の運動を反映する位置のシーケンスを電子的に記録できる。
【0006】
各ベース上の位置コードは、はるかに大きな抽象的な位置コーディングパターンの部分集合である。このような抽象的なパターンは米国特許第6,663,008号明細書、米国特許第6,570,104号明細書、及び国際公開第99/50787号パンフレットに説明されている。該抽象的なパターンは、既定のサイズの部分集合に動的にまたは静的に分割されてよく、それぞれのこのような部分集合はシステム内で一意の識別子と関連付けられている。各部分集合がそれぞれの物理的なページ向けである場合、それは論理ページとして示され、一意のページアドレスで表される。このような場合、それぞれの絶対位置はページアドレスと、関連付けられた論理ページ内の局所的な位置で表されることができる。
【0007】
抽象的なパターンのさまざまな部分を異なる宛先装置専用とすることによって、処理のために電子情報をペンから正しい宛先装置に自動的に向けることができる。例えば、システムは、ペンから一つまたは複数の位置を受け取ると、正しい動作主の関連ネットワークアドレスを特定し、データのフローをこのアドレスに向ける中継サーバを含んでもよい。
【0008】
例えば、動作主は、メモを取る、電子メールを送信する、ファックスを送信する等の一つまたは複数の一般的なサービス専用である位置コード化製品を提供することができる。他の動作主は、特定の商品を注文する、時間報告書を提出する、在庫品目を提出する等の高度に特殊化されたサービス専用である位置コード化製品を提供することができる。すべてのこのような動作主は位置コードの部分を、製品上の対応する図によって適切に裏づけられている特定の処理命令と関連付けることによって一意の位置コードの付いた製品を開発、製造しなければならない。動作主はサービス、つまりペンと通信し、受け取ったデータに対して特定の処理命令を選択的に実行するソフトウェアをも開発しなければならない。
【0009】
このような位置コード化製品と対応するサービスソフトウェアを製造するための開発ツールは、参照することによりここに組み込まれている米国第2002/0040816号に開示されている。さらに、このような電子ペンとのデータ交換で使用されるプロトコルは、参照することによりここに組み込まれる米国特許2003/0055865号明細書に開示されている。ここでは、ペンが、位置データと、システム内のペンまたはペンユーザ/所有者の特性を特定する一つまたは複数のペン固有パラメータとの両方を通信できる。
【0010】
製品を開発すること、適切な量の製品を市場で十分に流通させて供給すること、及びサービスを開発することの複雑度も、電子ペン技術の導入と採用の障害として働いている可能性がある。
【特許文献1】米国第2003/0061188号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述した問題に対する解決策を提供する、あるいは少なくとも緩和することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下の説明から明らかになるであろうこの目的または他の目的は、請求項1による情報管理装置及び請求項23に記載の方法によって全体的にまたは部分的に達成される。好適実施形態は従属クレームにより定義されている。
【0013】
一つまたは複数のペン固有のパラメータを電子ペンと宛先装置間でのフロー制御に含めることによって、製品とサービスの間の厳密な一対一の関係を壊すことができる。一般的には、任意の一つの製品からの電子データは任意の一つのサービスに伝達できる。一つに対して、位置コード化された製品は複数の動作主によって用いられることができる。つまり一つの同じ製品から記録される位置データは、この位置データを記録したペンの実際の特性に応じて異なる宛先装置に伝達されることができる。これによれば、既存の製品を活用することができるため、動作主が提供するサービスにカスタマイズした製品を開発、配布する必要性が潜在的に低減される。
【0014】
さらに、サービスの開発にかけられる作業は、フロー制御と同時にペンからの電子データを集中的に前処理することによって削減できる、あるいは排除することさえ可能である。この目的を達成するために、既存のサービスの提供物を十分に活用している一つまたは複数のサブサービス(sub−services)を定義するために既存のサービスの中に本発明のフロー制御をインストールすることができる。例えば、位置コード化製品を介して電子メール等の通信サービスを提供している動作主は、データ収集サービスが電子ペンの限定されたグループによる使用を目的とするならば、他の任意のデータ収集サービス用に一つまたは複数の既存の通信サービスの使用を、他の動作主に対して提供することができる。本発明のフロー制御によって、通信サービスは限定されたペンのグループから電子データを分離し、おそらくなんらかの前処理の後に通信サービスを介して関連する動作主の宛先装置にこのデータを送信することができるであろう。
【0015】
本発明のフロー制御は、少なくとも中継サーバのオペレータがフロー制御を修正または更新できるようにする管理インタフェースを有する場合がある中継サーバに組み込まれることができる。例えば、新しいフロー制御オブジェクトは随意に作成され、任意の処理命令と関連付けられてよい。フロー制御オブジェクトは、ペンによって送信される電子データから引き出せる、選択された制御パラメータの選択された値を論理的に結合することにより作成されてよい。処理命令は宛先装置のネットワークアドレス、オプションで宛先装置までの通信チャネル及び/または宛先装置に伝達される電子データのフォーマット及び/または宛先装置へのデータフローに含められるバックグラウンド画像を定義してよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好適実施形態は添付図面を参照してさらに詳しく後述される。
【0017】
以下の説明は、ページユニットに細分される上述の抽象的な位置コード化パターンの使用に基づいている。ページユニットはパターンの上位部分集合の一部である場合がある。例えば、パターンは、複数の「セグメント」を含み、これは、いくつかの「シェルフ」に分割され得る。「シェルフ」のそれぞれは、いくつかの「ブック」を含み、「ブック」は「論理ページ」とも呼ばれるいくつかの前述されたページユニットに分割され得る。抽象的なパターンにおける特定の論理ページの位置は、従って、おおよそIPアドレスのように、セクション.セグメント.シェルフ.ブック.ページの形のページアドレス、例えば1.231.841.334.226と記述できる。
【0018】
以下の説明も一つまたは複数の論理ページに対応する位置コードを含む各製品に基づいている。しかしながら、製品上の位置コードが論理ページと一致する必要がないことが留意されるべきである。したがって、一つまたは複数の論理ページからの一つまたは複数の部分集合は製品上に任意に配列されてよい。製品は、それぞれがその中のあらゆるペンスストロークに作用するためにある特定の機能と関連付けられている機能領域も含んでよい。したがって、それぞれのこのような機能領域内で位置コードによってコード化される位置は特定の機能と関連付けられている。このような機能エリアから外れるコード化位置はデフォルトの機能と関連付けられてよく、例えばあらゆるこのような位置はペンストロークによって表される、つまりペンの運動の純粋なデジタル化を生じさせるべきである。各製品は、関連のある論理ページ(複数の場合がある)のページアドレス(複数の場合がある)を特定する定義ファイル(PADファイル)によって表され、関連付けられる機能だけではなく論理ページ(複数の場合がある)上の各機能領域の配置とサイズ等の製品上の論理ページ(複数の場合がある)のマッピングも定義する。各製品は、製品に関し、人間が読み取ることができる情報、つまりユーザに指示し、ユーザを制御し、及び/またはユーザに知らせることを目的とするレイアウトまたは裏づけの図を定義するグラフィックファイルによっても表される。
【0019】
ペンは、位置コード化製品上でのペンの動きを、ページアドレス及び対応する論理ページ上での局所的な位置のシーケンスとして記録してよい。したがって、物理的なペンストロークは、位置のシーケンスの形で電子ペンのストロークとして記録される。ペンは次に記録された位置データを一つまたは複数のページアドレスと局所的な位置との形で送信してよい。
【0020】
また前置きとして特定されるように、電子ペンは位置データと関連して送信され得る一つまたは複数のパラメータを記憶する。これらのペン固有のパラメータはペン自体の、あるいはペンの所有者/ユーザの特性を特定する。ペン固有のパラメータは、PEN_ID(ペンの一意の識別子)、OPERATOR_ID(ペンにネットワークアクセスを提供するオペレータの一意の識別子)、PEN_OWNER_LANGUAGE、PEN_OWNER_NAME、PEN_OWNER_ADDRESS、PEN_OWNER_EMAIL、PEN_OWNER_HOME_PHONE、PEN_OWNER_CELL_PHONE、PEN_OWNER_BUSINESS_PHONE、PEN_OWNER_PAGER、PEN_OWNER_HOME_FAX、及びPEN_OWNER_BUSINESS_FAXを含む。
【0021】
電子ペンと位置コード化製品は、適切な宛先装置への記録された位置データのトランスペアレントな配布を可能にするために、ネットワークベースの情報管理システムの中のインフラストラクチャ構成要素と適切に組み合わされる。
【0022】
一つのこのようなインフラストラクチャ構成要素が、ペンから宛先装置へのデータのフローを管理する、図1に示される中継サーバまたはフローコントローラ2である。
【0023】
フローコントローラ2は、直接的にまたは間接的に電子ペンと通信するための入力インタフェース4、及び直接的または間接的に宛先装置と通信するための出力インタフェース6を含む。
【0024】
フローコントローラ2は、入力インタフェースと出力インタフェース4、6を介してペンから宛先装置へのデータのフローを制御するための処理装置8と、規則オブジェクトと関連付けられる処理命令とを恒久的に記憶する記憶装置10も有する。管理インタフェース12は、規則オブジェクトと処理命令に対するアクセスを提供するために記憶装置10に接続されており、例えば許可されたオペレータが規則オブジェクト及び/または処理命令を追加/削除/編集できるようにする。
【0025】
フローコントローラ2は、インタフェースハードウェア、制御ソフトウェア、(例えばCPU、DSP、FPGA、ASIC等の)プロセッサ、及び(RAM、ROM、PROM、EPROM、ハードディスク等の)記憶装置と通信するウェブサーバ等のネットワークサーバとして実現されてよい。
【0026】
フローコントローラの動作はここで図2に関連して例示される。この例では、フローコントローラは、フロー制御に加えて一つまたは複数のデフォルトサービスを達成するように構成されている。
【0027】
処理装置8(図1)は、入力インタフェース(ステップ20)を介して電子ペンからデータを受け取り、ページアドレス等の一つまたは複数の位置パラメータを抽出する(ステップ21)。それぞれのこのような位置パラメータは、フロー制御が達成されるべきかどうかを確認するために規則オブジェクトに突き合わされる(ステップ22)。達成されるべきでない場合には、従来の方法でデフォルトサービスにアクセスする(ステップ23)。一致が検出されると、処理装置は、受け取られたデータ内に存在するペン固有パラメータの値を抽出する(ステップ24)。これらの値は、オプションで位置パラメータ値(複数の場合がある)とともに記憶装置内の規則オブジェクトに対してマッピングされる(ステップ25)。一致が検出されない場合、デフォルトサービスが実行されてよい(ステップ23)。一致が検出されると、関連付けられた処理命令が特定され(ステップ27)、その結果フロー制御がそれに基づいて実行される(ステップ28)。
【0028】
上記ステップは変更されてよいことが注意されなければならない。例えば、すべての制御パラメータ(つまり位置とペン固有パラメータ)の値は一つの単一のステップで抽出されてよい。さらに、処理装置は、入力インタフェースを介して、ペンから追加のパラメータの伝送を要求してよい。さらにステップ22は省略されてよい。
【0029】
フローコントローラは、ペンから受け取られるデータを前処理してもよい。前処理は記憶装置内の処理命令により少なくとも部分的に特定されてよい。
【0030】
一つの実施形態では、フローコントローラはペンストロークの画像を受け取ったデータによって定められるように表現し、このストローク画像を、適切には、ペンストロークがペンによって描画される製品上の裏づけの図を表すバックグラウンド画像とともに宛先装置に送信させる。この目的を達成するために、フローコントローラは、位置データに基づいて、または記憶装置内の処理命令によって示されるように、関連するPADファイルとグラフィックファイルを特定し、アクセスする。処理命令は、ストローク画像を送信するフォーマットも特定してよい。このようなフォーマットはマークアップ言語(例えば、html、xml)、ラスタグラフィックス(例えば、bmp、tiff、gif、png、jpeg)及びベクタグラフィックス(例えばsvg)を含む。
【0031】
ペンストロークの作り直しを行う上記実施形態は、新製品が既存の製品の裏づけの図を単に変更するだけで既存の製品に基づいて作成されてよいという優位点を有する。フローコントローラがアクセスしやすい裏づけの図を表すグラフィックスファイルを作成することにより、このような新製品から記録されるすべてのペンストロークの画像を、新製品の裏づけの図を表すバックグラウンド画像とともに正しい宛先装置に伝達することができる。少なくとも新製品が物理的な製品に対する論理ページのマッピングにおける変更を取り込む場合には、PADファイルもフローコントローラからアクセス可能にされてよい。
【0032】
ストローク画像を形成し、伝達するという上記の概念も、従来のフロー制御を達成する、つまり位置データ(例えばページアドレス)だけに基づいてフローコントローラで実現されてよい。概念は、サービスプロバイダが宛先装置内でサービスを実現するソフトウェアを開発する必要性を低減するまたは排除するという全般的な優位点を与える。代わりに、宛先装置は、オプションでそれが関連付けられたバックグラウンド画像とマージされた後にストローク画像から関連するデータを受け取り、抽出する従来の文字認識ソフトウェア(OCR/ICR)を含んでよい。
【0033】
別の実施形態では、フローコントローラは、PADファイル内で定義された機能領域にペンストロークを割り当て、機能領域と関連付けられたそれぞれの機能に基づいてペンストロークを処理することによってデータを抽出し、次にこのような抽出データを宛先装置に送信させられる。
【0034】
すべての実施形態において、フローコントローラは、抽出されたフロー制御パラメータのいくつかまたはすべての値を宛先装置に送信させられてもよい。
【0035】
これらの及び他の実施形態では、フローコントローラは、電子メール、ファックス、SMS、MM等、宛先装置へのデータ転送に使用される通信チャネルを特定してもよい。通信チャネルは、関連する規則オブジェクトの処理命令によって、または製品上の専用の領域(選択ボックス)に起因するペンストロークによって与えられてよい。
【0036】
規則オブジェクトは順次検索される一つまたは複数のステートメントを含んでよい。基本的にこのようなステートメントは制御パラメータを既定の値に関連付ける。制御パラメータは、ペンによって出力でき、フローコントローラの処理装置によって特定できる任意の、位置関連、あるいはペン固有のパラメータである場合がある。複数のステートメントは、明示的なまたは暗示的な論理演算子(例えば、AND、OR、NAND、NOR、ANDNOT)を使用することによって組み合わされてよい。値は、ワイルドカード、切捨て、範囲等の使用により任意の分解能で指定されてよい。値のどれか一つはNULL値、つまり、制御パラメータの有効値がないことを示してもよい。
【0037】
規則オブジェクトのすべてのこのようなステートメントが真であると判明すると、関連付けられた処理命令が実行される。
【0038】
以下に、暗示的な論理AND演算子が使用される例を示す。例示する規則オブジェクトは特定のページアドレスからの位置データに、及び指定された範囲内のペン識別子を記憶するペンからであって、特定のインターネットドメイン内のペン所有者電子メールアドレスから受け取られるデータのみに対して有効である。関連付けられた処理命令は宛先、フォーマット及びバックグラウンド画像を定める。
【0039】
xxxx
管理インタフェース12(図1)の使用が、記憶装置に新しい規則オブジェクト及び処理命令を追加する場合について、ここで図3を参照してさらに例示される。管理インタフェースは、フローコントローラの記憶装置10(図1)への低レベルのアクセスを扱うように設計されている。コンピュータはインタフェースに適切に接続され、グラフィックユーザインタフェース(GUI)を介したインタフェースへのアクセスを提供するソフトウェアモジュールを備える。
【0040】
図3の例では、オペレータは最初に作成される規則オブジェクトの名前を入力するようにプロンプトを出される(ステップ30)。次に、ソフトウェアモジュールは、使用可能なペン固有制御パラメータのリストをオペレータに提示する(ステップ31)。選択された制御パラメータごとに、オペレータは既定のフォーマットに従って対応する制御値を入力するようにプロンプトを出される(ステップ32から32’)。以後、ソフトウェアモジュールはオペレータに使用可能な位置関連制御パラメータのリストを提示する(ステップ33)。再び、オペレータは、選択された制御パラメータごとに、既定のフォーマットに従って対応する制御値を入力するようにプロンプトを出される(ステップ34から34’)。オペレータは次に、選択された制御パラメータを結合するために論理演算子を選択するオプションを提示される(ステップ35)。デフォルトで、制御パラメータは論理AND演算子によって結合される。次に、URL(ユニフォームリソースロケータ)、IPアドレス、電子メールアドレス、ファックス番号等のネットワークアドレスの形で宛先を入力するようにプロンプトを出されたオペレータによって、結果のパラメータが設定される(ステップ36)。必要な場合、オペレータは通信チャネルを選択するようにプロンプトも出される。さらに、オペレータは製品/論理ページのためにPADファイルの位置を特定するように命令されてもよい。オペレータはバックグラウンド画像のロケーションを特定するオプション(ステップ38から38‘)だけではなく宛先装置に伝達されるべき、結果のデータのフォーマットをリストから選択するオプション(ステップ37から37’)も与えられてよく、その結果規則オブジェクトは完成され、記憶装置に記憶される(ステップ39)。
【0041】
再び、上記が例に過ぎないことが注記されなければならない。別の例では、ソフトウェアモジュールは、オペレータが上記制御ステートメント及び処理命令を手作業で入力できるようにしてよい。
【0042】
図4aから図4cは、コード化製品42から位置データを読み取る電子ペン41に基づき、ペンから適切な宛先装置43に電子データを伝達する情報管理システム内の(参照番号40で示される)フローコントローラの活用をさらに図解する。
【0043】
図4aでは、フローコントローラ40は中央演算処理装置として配置される。したがって、フローコントローラ40はその入力インタフェース4(図1)を介して、ペン41からデータを受信し、受信した電子データをおそらくなんらかの前処理の後に、その出力インタフェース6(図1)を介して複数の宛先装置43の内の一つに伝達する。フローコントローラは、図4aの破線ではない矢印によって示されるように、同期する双方向プロトコルでペンと通信してよい。あるいは、フローコントローラ40は、ペンからのファイルオブジェクトとしてデータをプルすることによって、あるいはデータがペンからフローコントローラへのファイルオブジェクトとしてプッシュされることによって、ペンからデータを非同期で引き出してもよい。
【0044】
図4bでは、フローコントローラ40は情報管理システム内でルータとして配置される。本実施形態では、フローコントローラの入力インタフェースと出力インタフェースは単一のI/Oインタフェースとして実現されてよい。フローコントローラ40はペン41からデータを受信し、少なくとも適切な宛先装置のアドレスをペンに返す。例えば、ルータは従来の技術から公知であるように、一つまたは複数の位置パラメータに基づいて、ペン41を適切な宛先装置43に向けるデフォルトのサービスを実行してよく、本発明のフロー制御が製品41とシステム内の宛先装置43の間の一対一の関係性を壊すオプションを提供する。
【0045】
図4bのフロー制御は、ペン41から宛先装置43への全体的なデータフローの小さな部分集合に基づくことができる。フローコントローラ40は関連する制御パラメータの値を受信する必要があるだけである。しかしながら、前処理の場合には、フローコントローラはペンによって記録される電子データのさらに大きな集合またはすべてで受信してよい。
【0046】
図4cでは、フローコントローラ40は、情報管理システムにおいて下位であるが、中央演算処理装置として配置されている。ルータ44は、例えば記録されていた位置データ内の位置パラメータに基づいてペン41をフローコントローラ40に向けてよい。フローコントローラ40は、その入力インタフェースを介してペン41と通信し、受信した電子データをおそらく何らかの前処理の後に、その出力インタフェースを介して、複数の下流の宛先装置43の内の一つに伝達する。フローコントローラ40は、従来の技術から公知であるようにデフォルトの一般的なサービスまたはカスタマイズされたサービスを実行してよく、本発明のフロー制御は製品41とシステム内の宛先装置43の間の一対一の関係性を講和すオプションを提供する。前述されたように、本発明のフロー制御はデフォルトサービス(複数の場合がある)のどれかを利用する前処理を含むこともある。
【0047】
本発明と整合させることができる多くの変形がある。上記説明は図解及び説明の目的で提示される。それは網羅的ではなく、開示されている正確な形式に本発明を限定しない。修正及び変形は上記教示に鑑みて考えられる、あるいは本発明を実施することから取得されてよい。
【0048】
例えば、本発明な任意のタイプの電子ネットワークで適用可能であり、その公衆ネットワークまたは私的ネットワーク、コンピュータネットワークまたは電気通信ネットワーク、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク、またはそのどれかの組み合わせで適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一つの実施形態に係る情報管理装置を示す。
【図2】本発明の実施形態に従ってフロー制御を実行するステップを描く。
【図3】図1の情報管理装置内でフロー制御オブジェクトを追加するステップを描く。
【図4a−4c】三つの異なる従来の技術による情報管理システムに組み込まれているように図1の情報管理装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンと宛先装置間での電子データのフロー経路コントローラとして電子ネットワーク内に配置される情報管理装置であって、電子データは電子ペンにより記録される手書きデータと一つまたは複数のペン固有のパラメータとを含み、
電子ペンから電子データの少なくとも一部を受け取る手段と、
少なくとも一つのフロー制御オブジェクトと、関連付けられる処理命令とを記憶する手段であって、前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトが該ペン固有パラメータの少なくとも一つの値に対応する手段と、
関連付けられる処理命令を特定するために、前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトに対して、このようにして受け取られた電子データをマッピングする手段と、
該このようにして特定された処理命令に基づいて、該電子データフローを宛先装置に向ける手段と、
を備える前記情報管理装置。
【請求項2】
前記記憶する手段に接続され、前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトと、該関連付けられた処理命令との入力を可能にする管理インタフェースをさらに備える請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
該管理インタフェースが、使用可能なペン固有のパラメータの集合から少なくとも一つの制御パラメータを選択することと、選択されたそれぞれの制御パラメータの値を設定することと、制御パラメータに基づいてフロー制御オブジェクトを生成することに備える請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
管理インタフェースが、使用可能なペン固有のパラメータと手書きデータの使用可能なパラメータの集合から少なくとも二つの制御パラメータを選択することことに備え、その結果該このようにして選択された制御パラメータは該フロー制御オブジェクトを形成するために論理的に結合される請求項3に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトは、該電子データ内に存在する制御パラメータの論理的に結合された値の集合を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項6】
該関連付けられた処理命令が、一つの該宛先装置のアドレスを定義する請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項7】
向ける該手段が、該電子ペンに該アドレスを返す請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項8】
向ける該手段が、該受け取られた電子データを該アドレスに転送する請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項9】
該関連付けられた処理命令も、該受け取られた電子データを該アドレスにトランスポートするための電子通信サービスを特定する請求項6または8の情報管理装置。
【請求項10】
該関連付けられた処理命令が、該宛先装置への該電子データフローのフォーマットを識別する任意の請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項11】
該フォーマットが、マークアップ言語、ベクトルグラフィックスまたはラスタグラフィックスに基づく、請求項10に記載の情報管理装置。
【請求項12】
該関連付けられた処理命令が、該宛先装置への該電子データフローに含まれるべき画像も特定する請求項1〜11のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項13】
該画像が該手書きデータへのバックグラウンド画像として識別される請求項12に記載の情報管理装置。
【請求項14】
該電子データに基づいて該手書きデータを作り直し、該このようにして作り直された手書きデータを該宛先装置に転送するために配置される請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項15】
前記フロー制御オブジェクトが、該電子ペンにより記録される該手書きデータの少なくとも一つのパラメータの値にも対応する任意の前記請求項に記載の情報管理装置。
【請求項16】
該手書きデータの前記少なくとも一つのパラメータが、コマンド、あるいは該電子ペンによって該手書きデータが記録された該基板に関連付けられた識別子を含む請求項15に記載の情報管理装置。
【請求項17】
該識別子が、該手書きデータの該記録の間に該ベース上の位置コードから該電子ペンによって復号される絶対位置の少なくとも一部である請求項16に記載の情報管理装置。
【請求項18】
該ペン固有パラメータのそれぞれが、該電子ネットワークにおける該電子ペンの特性または該電子ペンの該ユーザの特性を特定する請求項1〜17のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項19】
該ペン固有パラメータが、該電子ペンの該識別子、該電子ネットワークのオペレータの識別子、地理的な位置の識別子、電子メールアドレス、電話番号、ファックス番号、及び言語の識別子の少なくとも一つを含む請求項1〜18のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項20】
前記値が、ある範囲の値として定められる請求項1〜19のいずれか一項に記載の情報管理装置。
【請求項21】
複数の電子ペンと、請求項1〜20のいずれか一項に記載の該情報管理装置とを備える情報管理システム。
【請求項22】
それぞれが、少なくとも一つの絶対位置を符号化する位置コードを有する複数のベースと、該位置コードを前記少なくとも一つの絶対位置に変換することによって該手書きデータとして前記ベースのどれか一つにおける運動を記録する複数の電子ペンと、請求項17に記載の該情報管理装置とを備える情報管理システム。
【請求項23】
電子ペンと電子ネットワーク内の宛先装置との間での電子データのフローを制御する方法であって、該電子データが、該電子ペンにより記録される手書きデータと一つまたは複数のペン固有のパラメータとを含み、
電子ペンから該電子データの少なくとも一部を受け取るステップと、
関連付けられる処理命令を特定するために少なくとも一つのフロー制御オブジェクトに対して該このようにして受け取られた電子データをマッピングするステップであって、前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトが該ペン固有パラメータの一つの値に対応するステップと、
該このようにして特定される処理命令に基づいて該電子データフローを宛先装置に向けるステップと、
を備える前記方法。
【請求項24】
前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトと、該関連付けられた処理命令との入力を可能にする管理インタフェースを提供するステップをさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
使用可能なペン固有パラメータの集合から少なくとも一つの制御パラメータを選択し、選択されたそれぞれの制御パラメータの値を入力し、それに基づいて該フロー制御オブジェクトを生成するために該管理インタフェースを操作するステップをさらに備える請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該管理インタフェースが少なくとも二つの制御パラメータの選択に備え、その結果該このようにして選択された制御パラメータの値が該フロー制御オブジェクトを形成するために論理的に結合される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも一つのフロー制御オブジェクトが、論理的に結合された制御パラメータ値の集合を含む請求項23に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【公表番号】特表2007−512589(P2007−512589A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537929(P2006−537929)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001487
【国際公開番号】WO2005/043374
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(506145326)アノト アクティエボラーク (49)
【Fターム(参考)】