説明

電子ペン不正判断装置、電子ペン不正判断方法、及びプログラム

【課題】電子ペンを用いて文書を記載する際に、その文書を記載すべきユーザが文書を記載しているかどうかを判断できる電子ペン不正判断装置を提供する。
【解決手段】ユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部31と、電子ペンによる記載の情報である記載情報を受信する記載情報受信部34と、ユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報に対応する過去記載情報とを対応付ける対応情報が記憶される対応情報記憶部39と、対応情報を用い、ユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、その過去記載情報と記載情報とを用いて、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるか判断する判断部40と、判断結果を出力する判断結果情報出力部41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを用いた記載における不正の有無を判断する電子ペン不正判断装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イーラーニングシステムにおいて、不正防止の観点から受講生の認証が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−189558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例のイーラーニングの方法では、受講生の認証において、受講前の認証のみが行われるだけであり、それ以外の認証が行われていなかった。そのため、例えば、途中で受講生が入れ替わっても、そのような不正を検知することができないという問題があった。
【0004】
一般的に言うと、テストや講座の受講、その他の文書の作成等において、文書作成前の認証以外の認証が行われていないため、不正を検知できない場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、電子ペンを用いて文書を作成する際に、より厳密な認証を行うことができる電子ペン不正判断装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による電子ペン不正判断装置は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、ユーザが電子ペンを使用して文書を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部と、前記対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報とを用いて、当該記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する判断部と、前記判断部による判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する判断結果情報出力部と、を備えたものである。
【0007】
このような構成により、電子ペンを用いて文書を記載する際に、その記載を行っているユーザが、その文書を作成するべきユーザであるのかどうかについて判断することができる。したがって、本来記載すべきでないユーザが文書を記載するという不正行為を検出することができうる。
【0008】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記対応情報は、ユーザ識別情報と、過去記載情報と、当該過去記載情報の記載内容に対応した文字とを対応付ける情報であり、前記判断部は、前記記載情報受信部が受信した記載情報に対応する記載の示す文字に対応付けられている過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記文字に対応する記載情報とを用いて前記判断を行ってもよい。
【0009】
このような構成により、記載情報と、過去記載情報とにおいて、同じ文字に関する情報同士を比較することによって、より適切で厳密な判断を行うことができうる。
【0010】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載情報から、記載の過程に関する情報である記載過程情報を取得する記載過程情報取得部をさらに備え、前記判断部は、前記記載過程情報取得部が取得した記載過程情報と、前記過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断してもよい。
このような構成により、記載の過程に関する情報を比較することによって、判断を行うことができる。
【0011】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載過程情報は、画数、書き順のいずれか1以上の情報であってもよい。
【0012】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載情報から、記載の特性に関する情報である記載特性情報を取得する記載特性情報取得部をさらに備え、前記判断部は、前記記載特性情報取得部が取得した記載特性情報と、前記過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断してもよい。
このような構成により、記載の特性に関する情報を比較することによって、判断を行うことができる。
【0013】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載特性情報は、筆圧、単位時間当たりの記載量のいずれか1以上の情報であってもよい。
【0014】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載情報から、記載の結果に関する情報である記載結果情報を取得する記載結果情報取得部をさらに備え、前記判断部は、前記記載結果情報取得部が取得した記載結果情報と、前記過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断してもよい。
このような構成により、記載の結果に関する情報を比較することによって、判断を行うことができる。
【0015】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記記載結果情報は、筆跡、文字の大きさ、文字間の空白のいずれか1以上の情報であってもよい。
【0016】
また、本発明による電子ペン不正判断装置では、前記文書を作成する前の認証で用いられる情報である認証情報を受け付ける認証情報受付部と、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記認証情報受付部が受け付けた認証情報とを用いて、前記文書を作成する前の認証を行う認証部と、をさらに備え、前記判断部は、前記文書が作成される過程の記載情報を用いた判断を行ってもよい。
【0017】
このような構成により、文書作成前にも認証情報を用いた認証を行うことができ、より厳密な認証を行うことができうる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による電子ペン不正判断装置等によれば、電子ペンを用いて文書を記載する際に、その文書を記載すべきユーザが文書を記載しているかどうかを判断することができうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明による電子ペン不正判断装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0020】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による電子ペン不正判断装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による電子ペン不正判断装置は、電子ペンを用いた記載に関する情報である記載情報を用いて、その記載をすべきユーザが、その記載を行っているかどうかを判断するものである。
【0021】
図1は、本実施の形態による電子ペンシステムの構成を示す図である。本実施の形態による電子ペンシステムは、電子ペン1と、情報処理装置2と、電子ペン不正判断装置3とを備える。電子ペン1と、情報処理装置2とは、有線または無線の通信回線で接続されているものとする。この通信は、例えば、赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信であってもよい。また、情報処理装置2と、電子ペン不正判断装置3とは、有線または無線の通信回線500で接続されている。通信回線500は、例えば、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網等である。
【0022】
電子ペン1は、ペンで紙などの媒体4に記載した文字や図形等をデジタル化するものである。例えば、ペン自体が文字等をデジタル化する技術を有してもよく、あるいは、タッチパネルやペンタブレットのように、ペン以外の方に文字等をデジタル化する技術が存在してもよい。前者の場合の例としては、アノト社の開発した電子ペンがある。これは、媒体4に特殊ドットパターンが印刷されており、その特殊ドットパターンを用いて電子ペン1が座標値を検出することによって、文字等をデジタル化するものである。一方、後者の場合の例としては、前述のペンタブレットや、電子ペン1が発生した超音波を、媒体4に固定した受信機で受信し、その超音波の伝搬する時間から電子ペン1の位置を取得するものなどがある。このように、電子ペン1は、手書きの筆跡をデジタル化できるものであればその手法を問わない。したがって、情報処理装置2が受信する手書きの筆跡に関する情報等は、電子ペン1から直接、情報処理装置2に入力されてもよく、あるいは、タブレットや、受信機等から情報処理装置2に入力されてもよい。本実施の形態では、アノト方式の電子ペン1であり、電子ペン1から直接、手書きの筆跡に関する情報等が情報処理装置2に送信される場合について説明する。
【0023】
なお、電子ペン1が有する筆記具の種類は問わない。その筆記具は、例えば、水性や油性のボールペンであってもよく、鉛筆であってもよく、シャープペンシルであってもよく、万年筆であってもよく、サインペンであってもよく、その他の筆記具であってもよい。また、例えば、タッチパネルに対して記載を行う場合等には、電子ペン1が有する筆記具は、スタイラスペンのように、それ自身が筆記機能を有していなくてもよい。また、媒体4は、例えば、テストの解答用紙であってもよく、選挙の投票用紙であってもよく、アンケートの回答用紙であってもよく、ビジネスで用いられる報告書(例えば、日報や月報など)であってもよく、その他の用途で用いられるものであってもよい。また、電子ペン1の有する筆記具がスタイラスペンである場合には、媒体4は、タッチパネルそのものであってもよい。
【0024】
図2は、本実施の形態による電子ペン1の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態による電子ペン1は、座標情報取得部11と、圧力情報取得部12と、記載情報構成部13と、送信部14とを備える。なお、この電子ペン1の構成は一例であって、ペンタブレット形式の電子ペン1などの場合には、図2と異なる構成であってもよい。
【0025】
座標情報取得部11は、媒体4の表面における座標を示す情報である座標情報を取得する。座標情報取得部11は、例えば、特殊ドットパターンが印刷されている媒体から、特殊ドットパターンによる座標検出技術を用いて座標情報を取得してもよい。具体的には、座標情報取得部11は、CCDカメラと、パターン認識及び解析を行うプロセッサとで構成されていてもよい。そして、媒体4に印刷されている0.3mmピッチのグリッドに沿ってドットを示す特殊ドットパターンを1秒あたり60フレームで撮影する。プロセッサは、その撮影画像をパターン認識することによって、Right,Left,Up,Downの4パターンに振り分ける。そして、プロセッサは、その認識されたパターンを解析することによって、CCDカメラの移動、すなわち、撮影されたパターンの変化を検出し、座標値を取得することができる。なお、座標情報取得部11は、これ以外の方法によって座標情報を取得してもよい。例えば、媒体4に印刷されているバーコードを読み取り、そのバーコードを用いて座標情報を取得してもよい。この場合には、座標情報取得部11は、例えば、バーコードを読み取るバーコードリーダ等によって構成される。
【0026】
圧力情報取得部12は、電子ペン1の有する筆記具の媒体4に対する圧力を示す情報である圧力情報を取得する。圧力情報取得部12は、例えば、静電容量の変化や、ひずみを検出する圧力センサ等によって実現されうる。
【0027】
記載情報構成部13は、電子ペン1を用いて媒体4に記載された際のその記載に関する情報である記載情報を構成する。この記載情報は、例えば、座標情報と圧力情報とを有する情報であってもよく、その情報から得られた、特徴データ、例えば、記載過程情報や、記載特性情報、記載結果情報であってもよい。記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報については後述する。記載情報が特徴データである場合には、座標情報や圧力情報から筆跡等の情報を取得する図示しない情報取得部を電子ペン1が有してもよい。本実施の形態では、記載情報構成部13が構成する記載情報は、座標情報と圧力情報とを有する情報であるとする。その記載情報のデータ構造等は問わない。
【0028】
送信部14は、記載情報構成部13が構成した記載情報を情報処理装置2に送信する。その送信のタイミングは問わない。記載情報が構成されるたびに、順次、記載情報を送信してもよく、あるいは、ある程度の記載情報を一時的に保存した上で、まとめて記載情報を送信してもよい。なお、送信部14は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、送信部14は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。本実施の形態では、送信部14が、Bluetooth(登録商標)を用いて情報を送信する場合について説明する。
【0029】
図3は、本実施の形態による情報処理装置2の構成を示すブロック図である。図3において、本実施の形態による情報処理装置2は、ユーザ識別情報受付部21と、認証情報受付部22と、記載情報受信部23と、送信部24と、受信部25と、表示部26とを備える。
【0030】
ユーザ識別情報受付部21は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付ける。ユーザ識別情報受付部21は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力されたユーザ識別情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信されたユーザ識別情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出されたユーザ識別情報を受け付けてもよい。本実施の形態では、ユーザ識別情報受付部21は、入力デバイスから入力されたユーザ識別情報を受け付けるものとする。なお、ユーザ識別情報受付部21は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、ユーザ識別情報受付部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0031】
認証情報受付部22は、文書を作成する前の認証で用いられる情報である認証情報を受け付ける。認証情報は、文書を作成するユーザが、ユーザ識別情報で識別されるユーザ本人であるかどうかを認証するために用いられる情報であり、例えば、パスワードや、電子ペン1を識別する電子ペン識別情報等であってもよい。本実施の形態では、認証情報がパスワードの場合について説明する。この認証情報を用いた認証は、前述の従来例の認証と同様のものである。
【0032】
認証情報受付部22は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された認証情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された認証情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された認証情報を受け付けてもよい。なお、認証情報受付部22は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、認証情報受付部22は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0033】
記載情報受信部23は、ユーザが電子ペン1を使用した記載に関する情報である記載情報を受信する。本実施の形態では、記載情報受信部23は、Bluetooth(登録商標)を用いて電子ペン1から送信された記載情報を受信する場合について説明する。
【0034】
なお、記載情報受信部23は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、記載情報受信部23は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0035】
ここで、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部22が受け付けた認証情報とが対応するものであることを見分ける方法について簡単に説明する。例えば、あらかじめ決められた一定時間以内(同時であってもよい)に、ユーザ識別情報受付部21がユーザ識別情報を受け付け、認証情報受付部22が認証情報を受け付けた場合に、両者が対応するものであると判断してもよい。また、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、記載情報受信部23が受信した記載情報についても同様であるとする。また、後述する電子ペン不正判断装置3におけるユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部32が受け付けた認証情報とについても同様であるとする。また、後述する電子ペン不正判断装置3におけるユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、記載情報受信部34が受信した記載情報についても同様であるとする。なお、電子ペン不正判断装置3での受信や受け付けの場合には、2以上の情報を同時に受信したり、受け付けたりしたことによって、その2以上の情報が対応するものであると判断してもよい。例えば、同一パケットに2以上の情報(例えば、ユーザ識別情報と電子ペン識別情報など)が含まれていた場合などには、その2以上の情報が対応するものであると判断してもよい。
【0036】
送信部24は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報、認証情報受付部22が受け付けた認証情報、記載情報受信部23が受信した記載情報を電子ペン不正判断装置3に送信する。送信部24は、あらかじめ図示しない記録媒体において電子ペン不正判断装置3のアドレス等を保持していてもよく、あるいは、ユーザ識別情報等の送信時に、他の構成要素から電子ペン不正判断装置3のアドレス等を受け取ってもよい。また、送信部24が、ユーザ識別情報等の情報を送信するタイミングは問わない。送信部24は、それらの情報を一緒に送信してもよく、あるいは、別々のタイミングで送信してもよい。また、送信部24は、記載情報を送信する際には毎回、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と記載情報とを対応付けて送信してもよい。
【0037】
なお、送信部24は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、送信部24は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0038】
受信部25は、電子ペン不正判断装置3から送信された情報を受信する。その情報は、例えば、後述するテスト問題情報であってもよい。なお、受信部25は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受信部25は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0039】
表示部26は、受信部25が受信した情報を表示する。表示部26が表示する情報は、例えば、後述するテスト問題情報であってもよい。なお、表示部26は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部26は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0040】
図4は、本実施の形態による電子ペン不正判断装置3の構成を示すブロック図である。図4において、本実施の形態による電子ペン不正判断装置3は、ユーザ識別情報受付部31と、認証情報受付部32と、認証部33と、記載情報受信部34と、記載情報蓄積部35と、記載過程情報取得部36と、記載特性情報取得部37と、記載結果情報取得部38と、対応情報記憶部39と、判断部40と、判断結果情報出力部41とを備える。
【0041】
ユーザ識別情報受付部31は、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付ける。ユーザ識別情報受付部31は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力されたユーザ識別情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信されたユーザ識別情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出されたユーザ識別情報を受け付けてもよい。本実施の形態では、ユーザ識別情報受付部31は、情報処理装置2から送信されたユーザ識別情報を受信するものとする。なお、ユーザ識別情報受付部31は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、ユーザ識別情報受付部31は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0042】
認証情報受付部32は、文書を作成する前の認証で用いられる情報である認証情報を受け付ける。認証情報受付部32は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された認証情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された認証情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された認証情報を受け付けてもよい。本実施の形態では、認証情報受付部22は、情報処理装置2から送信された認証情報を受信するものとする。なお、認証情報受付部32は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、認証情報受付部32は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0043】
認証部33は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部22が受け付けた認証情報とを用いて、文書を作成する前の認証を行う。この認証は、例えば、ログイン時の認証や、テストの受験前の認証等である。認証情報がパスワードの場合には、例えば、認証部33は、認証に用いる情報(例えば、ユーザ識別情報とパスワードとを対応付ける情報)を図示しない記録媒体で保持しており、その情報を用いて、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部22が受け付けた認証情報とが正当なものであるかどうかを判断してもよい。
【0044】
記載情報受信部34は、ユーザが電子ペン1を使用して文書を記載した際の、その記載に関する情報である記載情報を受信する。「文書」とは、例えば、学習の達成度を評価するために用いられる文書であってもよく、あるいは、その他の文書(例えば、仕事などで用いられる帳票や、報告書、提案書、申請書、精算所、役所等に提出する書類等)であってもよい。学習の達成度を評価するために用いられる文書は、例えば、テスト等の解答の文書であってもよく、あるいは、与えられた課題に対するレポート(例えば、実験のレポート、読書感想文、作文など)の文書等であってもよい。本実施の形態では、文書が学習の達成度を評価するために用いられる文書である場合について説明する。また、記載情報受信部34は、記載情報を電子ペン1から受信してもよく、あるいは、他の装置を介して受信してもよい。本実施の形態では、記載情報受信部34が、情報処理装置2から送信された記載情報を受信する場合について説明する。この記載情報は、前述のように、電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報であってもよく、あるいは、その情報から得られた、特徴データを示す情報であってもよい。前者の場合には、前述のように、記載情報は座標情報と圧力情報とを有するものであってもよい。さらに、記載情報は、座標情報によって示される位置への記載がなされた時間を示す時間情報をも含んでいてもよい。この時間情報は、電子ペン1によって構成されたものであってもよく、あるいは、電子ペン1から送信された座標情報等を受信した装置において付加されたものであってもよい。本実施の形態では、記載情報が、座標情報と圧力情報とを含むものである場合について説明する。記載情報が電子ペン1による記載対象の座標値を少なくとも示す情報である場合に、その記載情報は、電子ペン1から順次、リアルタイムで入力されてくるものであってもよく(この場合でも、情報処理装置2経由で入力されてもよい)、あるいは、一時的に情報処理装置2等で蓄積されて、まとめて入力されてくるものであってもよい。なお、記載情報が特徴データである場合に、特徴データへの変換は、どこでなされてもよい。例えば、電子ペン1においてなされてもよく、情報処理装置2においてなされてもよく、その他の装置においてなされてもよい。
【0045】
なお、記載情報受信部34は、受信を行うための有線または無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、記載情報受信部34は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0046】
記載情報蓄積部35は、記載情報受信部34が受信した記載情報を記録媒体に蓄積する。この記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、記載情報蓄積部35が有していてもよく、あるいは記載情報蓄積部35の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、記載情報を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。
【0047】
記載過程情報取得部36は、記載情報受信部34が受信した記載情報から、記載の過程に関する情報である記載過程情報を取得する。記載過程情報は、文字等が記載される過程で得られる情報であり、例えば、文字等の画数を示す情報であってもよく、文字等の書き順を示す情報であってもよい。文字は、例えば、漢字を含んでもよく、平仮名を含んでもよく、片仮名を含んでもよく、句読点や括弧等の記号を含んでもよく、四角のマークや三角のマーク等のキャラクタコードで示される図形を含んでもよい。記載過程情報取得部36は、その取得した記載過程情報を図示しない記録媒体において一時的に記憶してもよい。
【0048】
[記載過程情報の取得方法]
ここで、記載過程情報取得部36が記載情報から記載過程情報を取得する方法について説明する。まず、記載過程情報取得部36が文字の画数を示す情報を取得する場合について説明する。記載過程情報取得部36は、記載情報と、記載情報によって示される図形を文字認識した結果の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目(文字間の区切り)を認識することができる。なお、記載情報によって示される図形から文字認識を行う方法は、すでに公知であり、その説明を省略する。そして、記載過程情報取得部36は、文字の切れ目から次の文字の切れ目までの記載情報において、連続して記載された箇所(例えば、漢字の一画など)の数をカウントすることによって、文字ごとの画数を示す情報を取得することができる。なお、記載過程情報取得部36が、文字ごとの画数を取得するのではなく、単位時間当たりの画数を取得する場合などには、文字の区切りを検出する処理を行わなくてもよい。
【0049】
次に、記載過程情報取得部36が文字の書き順を示す情報を取得する場合について説明する。記載過程情報取得部36は、文字ごとの一画の記載順序を取得することによって、書き順を示す情報を取得することができる。例えば、あらかじめ図示しない記録媒体において文字と、その文字を構成する一画ごとの画像とが対応付けられており、記載過程情報取得部36は、記載情報を用いた文字認識後に、記載情報の示す文字の一画ごとの図形を、文字認識された文字に対応する、図示しない記録媒体で記憶されている一画ごとの画像と比較することによって、記載情報の示す一画ごとの図形が、どの一画の画像に該当するのかを決定し、その決定後の一画ごとの画像を識別する情報の並びを取得することによって、書き順を示す情報を取得してもよい。
【0050】
なお、ここで説明した方法は一例であって、その他の方法によって記載過程情報が取得されてもよいことは言うまでもない。また、記載過程情報は、画数や書き順以外の情報、例えば、一画と次の一画との間の空白の時間(期間)を示す情報(この情報は、例えば、文字ごとの平均値であってもよい)や、一文字と次の一文字との間の空白の時間を示す情報(この情報は、例えば、文書全体での平均値であってもよい)等であってもよい。
【0051】
記載特性情報取得部37は、記載情報受信部34が受信した記載情報から、記載の特性に関する情報である記載特性情報を取得する。記載特性情報は、記載の行為に関する特性に関する情報であり、例えば、筆圧であってもよく、単位時間当たりの記載量であってもよい。筆圧は、例えば、文字単位での筆圧の平均であってもよく、記載された文書全体での筆圧の平均であってもよく、その他の筆圧に関する情報であってもよい。また、単位時間当たりの記載量は、例えば、単位時間(例えば、1秒、1分等)当たりに記載された文字数であってもよく、単位時間当たりに記載された線の長さであってもよく、その他の単位時間当たりの記載量に関する情報であってもよい。記載特性情報取得部37は、その取得した記載特性情報を図示しない記録媒体において一時的に記憶してもよい。
【0052】
[記載特性情報の取得方法]
ここで、記載特性情報取得部37が記載情報から記載特性情報を取得する方法について説明する。まず、記載特性情報取得部37が文字ごとの筆圧の平均を示す情報を取得する場合について説明する。記載特性情報取得部37は、記載情報と、記載情報によって示される図形を文字認識した結果の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目を認識することができる。そして、記載特性情報取得部37は、文字の切れ目から次の文字の切れ目までの記載情報において、筆圧の平均を算出する処理を文字ごとに繰り返して実行することにより、文字ごとの筆圧の平均を示す情報を取得することができる。筆圧の平均は、例えば、サンプリングされた筆圧の合計を、サンプリング数で割ることによって算出されてもよい。なお、この場合には、記載情報に圧力情報が含まれているものとする。
【0053】
次に、記載特性情報取得部37が単位時間当たりに記載された文字数を取得する場合について説明する。記載特性情報取得部37は、記載情報と、記載情報によって示される図形を文字認識した結果の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目を認識することができる。そして、記載特性情報取得部37は、記載情報を用いて、文字の切れ目から次の文字の切れ目までの時間(期間)を算出する処理を文字ごとに繰り返して実行することにより、1文字当たりの記載時間を取得することができる。その後、記載特性情報取得部37は、その1文字当たりの記載時間の逆数を計算することによって、文字ごとの、単位時間当たりに記載された文字数を取得することができる。なお、この場合には、記載情報に時間に関する情報である時間情報も含まれているものとする。時間情報は、例えば、時刻を示す情報であってもよく、ある時点を基準とした相対的な時間間隔(例えば、タイマによって示される値)を示す情報であってもよい。また、ここでは、文字ごとに、単位時間当たりに記載された文字数を取得する場合について説明したが、2文字ごとや、あらかじめ決められた個数の文字数ごとに、単位時間当たりに記載された文字数を取得してもよいことは言うまでもない。
【0054】
なお、ここで説明した方法は一例であって、その他の方法によって記載特性情報が取得されてもよいことは言うまでもない。また、記載特性情報は、筆圧や単位時間当たりの記載量以外の情報(例えば、文字ごとの記載時間等)であってもよい。
【0055】
記載結果情報取得部38は、記載情報受信部34が受信した記載情報から、記載の結果に関する情報である記載結果情報を取得する。記載結果情報は、記載された結果に関する情報であり、例えば、筆跡であってもよく、文字の大きさであってもよく、文字間の空白であってもよい。記載結果情報取得部38は、その取得した記載結果情報を図示しない記録媒体において一時的に記憶してもよい。
【0056】
[記載結果情報の取得方法]
ここで、記載結果情報取得部38が記載情報から記載結果情報を取得する方法について説明する。まず、記載結果情報取得部38が筆跡を示す情報を取得する場合について説明する。記載結果情報取得部38は、記載情報の示す座標値をつなげることによって、筆跡を示す情報を取得することができる。この筆跡を取得する方法は、すでに知られているものである。
【0057】
次に、記載結果情報取得部38が文字の大きさを示す情報を取得する場合について説明する。記載結果情報取得部38は、記載情報と、記載情報によって示される図形を文字認識した結果の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目を認識することができる。そして、記載結果情報取得部38は、上記説明と同様にして筆跡を取得し、文字ごとに文字の高さや幅を示す情報を取得する。文字の高さは、例えば、文字の最大の高さ(文字の最も低い位置の画素から、文字の最も高い位置の画素までの高さ方向の距離)であってもよい。同様に、文字の幅は、例えば、文字の最大の幅(文字の最も左の位置の画素から、文字の最も右の位置の画素までの左右方向の距離)であってもよい。なお、文字の大きさを示す情報は、文字の高さと文字の幅のいずれか一方のみの情報であってもよい。
【0058】
次に、記載結果情報取得部38が文字間の空白を示す情報を取得する場合について説明する。記載結果情報取得部38は、記載情報と、記載情報によって示される図形を文字認識した結果の文字とを比較することによって、記載情報における文字の切れ目を認識することができる。そして、記載結果情報取得部38は、上記説明と同様にして筆跡を取得し、文字と文字の区切りの位置において、一の文字と、その隣(あるいは下)の文字との間の空白の幅(左右方向の幅、あるいは、上下方向の幅)を取得してもよい。その空白の幅は、例えば、文字の最小の幅(例えば、左側の文字の最も右の位置の画素から、右側の文字の最も左の位置の画素までの左右方向の距離)であってもよい。なお、文字間の空白を示す情報は、この説明のように、文字間の空白の左右や上下方向の幅を示す情報であってもよく、文字間の空白の面積を示す情報であってもよく、あるいは、文字間の空白を示すことがきる情報であれば、その他の情報であってもよい。
【0059】
なお、ここで説明した方法は一例であって、その他の方法によって記載結果情報が取得されてもよいことは言うまでもない。また、記載結果情報は、筆跡や文字の大きさ、文字間の空白以外の情報(例えば、行当たりの文字数、段落当たりの文字数、文書全体における漢字と平仮名との比、単位文字数当たりの句点や読点の数等)であってもよい。
【0060】
対応情報記憶部39では、対応情報が記憶される。ここで、対応情報は、ユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の、その記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である。なお、「ユーザ識別情報と、過去記載情報とを対応付ける」とは、ユーザ識別情報と過去記載情報の一方の情報から、他方の情報を取得できればよいという意味である。したがって、対応情報は、ユーザ識別情報と過去記載情報とを組として含む情報を有してもよく、ユーザ識別情報と過去記載情報とをリンク付ける情報であってもよい。後者の場合には、対応情報は、例えば、ユーザ識別情報と過去記載情報の格納されている位置を示すポインタやアドレスとを対応付ける情報であってもよい。本実施の形態では、前者の場合について説明する。また、ユーザ識別情報と過去記載情報とは、直接対応付けられていなくてもよい。例えば、ユーザ識別情報に、第3の情報が対応しており、その第3の情報に過去記載情報が対応していてもよい。他の2以上の情報が対応付けられている場合にも同様であるとする。
【0061】
また、対応情報は、ユーザ識別情報と、過去記載情報と、その過去記載情報の記載内容に対応した文字とを対応付ける情報であってもよい。本実施の形態では、この場合について説明する。「文字」は、1文字であってもよく、複数の文字(文字列)であってもよい。すなわち、過去記載情報は、対応する一文字ごとに区別可能であってもよく、あるいは、対応する複数の文字(文字列)ごとに区別可能であってもよい。前者の場合には、例えば、文字「あ」に対して、過去記載情報が対応付けられており、後者の場合には、例えば、文字列「あめ」に対して、過去記載情報が対応付けられていてもよい。過去記載情報は、例えば、過去の記載についての座標情報や圧力情報等を示す情報であってもよく、それらの情報に基づいて取得された特徴データ(例えば、前述の記載過程情報や、記載特性情報、記載結果情報等)であってもよく、その両方を含んでいてもよい。なお、過去記載情報に特徴データが含まれていない場合であっても、後述する判断部40による処理において特徴データが必要な場合には、座標情報等から特徴データが取得されてもよい。また、この過去記載情報は、電子ペン1を用いて取得されたものであってもよく、あるいは、ユーザが紙等に記載したものをスキャナやデジタルカメラ等の光学的電子機器によって読み取ったものであってもよい。後者の場合には、記載結果情報以外の情報を取得することは難しいが、記載過程情報や、記載特性情報を、別途、手入力等によって取得してもよい。
【0062】
対応情報記憶部39に対応情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して対応情報が対応情報記憶部39で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された対応情報が対応情報記憶部39で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された対応情報が対応情報記憶部39で記憶されるようになってもよい。対応情報記憶部39での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。対応情報記憶部39は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0063】
判断部40は、対応情報記憶部39で記憶されている対応情報を用いて、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定する。そして、判断部40は、その特定した過去記載情報と、記載情報受信部23が受信した記載情報とを用いて、その記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する。前述の認証部33による認証が、文書の作成前の認証であるのに対し、判断部40による判断は、文書が作成される過程の記載情報を用いた判断である。なお、過去記載情報の特定は、例えば、特定した過去記載情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、その過去記載情報に対してフラグ等を設定することであってもよい。
【0064】
対応情報に含まれる過去記載情報が文字に対応付けられている場合には、判断部40は、記載情報受信部23が受信した記載情報に対応する記載の示す文字(この文字は、例えば、文字認識によって取得することができる)に対応付けられている過去記載情報を特定し、その過去記載情報と、文字に対応する記載情報とを用いて判断を行ってもよい。すなわち、判断部40は、記載情報と、過去記載情報とを用いた判断を行う際に、同じ文字に対応する記載情報と過去記載情報とを比較して判断を行ってもよい。
【0065】
具体的には、判断部40は、記載過程情報取得部36が取得した記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうか判断する。また、判断部40は、記載特性情報取得部37が取得した記載特性情報と、過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致するかどうか判断する。また、判断部40は、記載結果情報取得部38が取得した記載結果情報と、過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致するかどうか判断する。この判断も、過去記載情報が文字に対応付けられている場合には、同じ文字に対応する、記載情報から取得された記載過程情報等と、過去記載情報とを比較することによって行われてもよい。なお、過去記載情報における記載の過程の情報とは、例えば、過去記載情報に含まれる記載の過程の情報であってもよく、あるいは、過去記載情報から得られる記載の過程の情報であってもよい。過去記載情報における記載の特性に関する情報、過去記載情報における記載の結果に関する情報についても同様である。そして、判断部40は、記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致し、記載特性情報と、過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致し、記載結果情報と、過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致する場合に、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断し、それ以外の場合に、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載でないと判断してもよい。
【0066】
ここで、記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するとは、両者が厳密な意味で一致する場合であってもよく、両者の類似度が高い場合であってもよい。両者の類似度が高いとは、例えば、両者の類似度があらかじめ決められたしきい値以上であることであってもよく、あるいは、両者の類似度が、その記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する他の情報との類似度よりも高いことであってもよい。記載特性情報と、過去記載情報における記載の特性に関する情報との一致、不一致、記載結果情報と、過去記載情報における記載の結果に関する情報との一致、不一致についても同様であるとする。
【0067】
判断結果情報出力部41は、判断部40による判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する。ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。なお、判断結果情報出力部41は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、判断結果情報出力部41は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0068】
なお、記載情報蓄積部35が記載情報を蓄積する記録媒体と、対応情報記憶部39とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、記載情報を記憶している領域が、記載情報蓄積部35が記載情報を蓄積する記録媒体となり、対応情報を記憶している領域が、対応情報記憶部39となる。
【0069】
次に、本実施の形態による電子ペン1の動作について、簡単に説明する。
電子ペン1による筆記が行われると、座標情報取得部11が座標情報を取得し、圧力情報取得部12が圧力情報を取得する。そして、記載情報構成部13によって、座標情報、圧力情報を含む記載情報が構成され、送信部14によって情報処理装置2に送信される。なお、これは一例であって、電子ペン1は、他の動作を行うものであってもよい。また、前述のように、電子ペン1以外から座標情報や圧力情報が情報処理装置2に入力されてもよい。
【0070】
次に、本実施の形態による情報処理装置2の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)ユーザ識別情報受付部21は、ユーザ識別情報を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS101の処理を繰り返す。なお、受け付けられたユーザ識別情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0071】
(ステップS102)認証情報受付部22は、認証情報を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS102の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過しても認証情報を受け付けない場合には、タイムアウトであるとしてステップS101に戻ってもよい。また、受け付けられた認証情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0072】
(ステップS103)送信部24は、ユーザ識別情報受付部21が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部22が受け付けた認証情報とを電子ペン不正判断装置3に送信する。
【0073】
(ステップS104)情報処理装置2の図示しない制御部は、ステップS103で送信したユーザ識別情報と、認証情報とを用いた認証の結果が正当であったかどうか判断する。そして、正当であった場合には、ステップS105に進み、正当でなかった場合には、ステップS101に戻る。その図示しない制御部は、例えば、電子ペン不正判断装置3から送信された認証結果を示す情報を用いて、認証の結果が正当であったかどうかを判断してもよい。また、認証情報が正当でない場合には、その旨を表示することなどによって、正当でない旨の認証結果をユーザに通知してもよい。
【0074】
(ステップS105)記載情報受信部23は、記載情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS107に進む。
【0075】
(ステップS106)送信部24は、記載情報受信部23が受信した記載情報を電子ペン不正判断装置3に送信する。そして、ステップS105に戻る。
【0076】
(ステップS107)受信部25は、表示部26が表示するための情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、ステップS109に進む。
【0077】
(ステップS108)表示部26は、受信部25が受信した情報をモニタに表示する。そして、ステップS105に戻る。
【0078】
(ステップS109)情報処理装置2の図示しない制御部は、記載情報を受信したり、表示のための情報を受信したりする処理を終了するかどうか判断する。そして、終了する場合には、ステップS101に戻り、そうでない場合には、ステップS105に戻る。
【0079】
なお、図5のフローチャートでは、電子ペン1に関係する処理を主に記載したが、それ以外の処理を情報処理装置2が行ってもよい。また、図5のフローチャートのステップS101、S102において、電子ペン1や、入力デバイス等から、ユーザ識別情報、認証情報の順で情報が入力される場合について説明したが、それ以外の順番でも各情報を受け付けることができるようにしてもよい。
【0080】
次に、本実施の形態による電子ペン不正判断装置3の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)ユーザ識別情報受付部31は、ユーザ識別情報を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS201の処理を繰り返す。なお、受け付けられたユーザ識別情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0081】
(ステップS202)認証情報受付部32は、認証情報を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、受け付けるまでステップS202の処理を繰り返す。なお、あらかじめ決められた時間が経過しても認証情報を受け付けない場合には、タイムアウトであるとしてステップS201に戻ってもよい。また、受け付けられた認証情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0082】
(ステップS203)認証部33は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部32が受け付けた認証情報とを用いて、文書作成前の認証を行う。
【0083】
(ステップS204)電子ペン不正判断装置3の図示しない送信部は、認証部33による認証結果を示す情報を情報処理装置2に送信する。
【0084】
(ステップS205)電子ペン不正判断装置3の図示しない制御部は、認証部33による認証の結果が、正当であったのか、正当でなかったのか判断する。そして、正当である場合にはステップS206に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
【0085】
(ステップS206)電子ペン不正判断装置3の図示しない送信部は、テスト問題を示す情報であるテスト問題情報の記憶されている図示しない記録媒体からテスト問題情報を読み出し、そのテスト問題情報を情報処理装置2に送信する。
【0086】
(ステップS207)記載情報受信部34は、記載情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS208に進み、そうでない場合には、ステップS209に進む。
【0087】
(ステップS208)記載情報蓄積部35は、記載情報受信部34が受信した記載情報を記録媒体に蓄積する。そして、ステップS207に戻る。
【0088】
(ステップS209)判断部40は、判断を行うかどうか判断する。そして、判断を行う場合には、ステップS210に進み、そうでない場合には、ステップS212に進む。判断部40は、例えば、記載情報受信部34によって、あらかじめ決められた容量以上の記載情報が受信された場合に、判断を行うと判断してもよく、最後の記載情報が受信されてから、あらかじめ決められた時間が経過した場合に、判断を行うと判断してもよく、その他のタイミングで、判断を行うと判断してもよい。
【0089】
(ステップS210)判断部40は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、対応情報記憶部39で記憶されている対応情報と、記載情報受信部34が受信した記載情報から取得された各種の情報を用いて、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが、記載情報受信部34が受信した記載情報で示される記載を行ったのかどうか判断する。この判断処理の詳細については、図7のフローチャートを用いて後述する。
【0090】
(ステップS211)判断結果情報出力部41は、判断部40による判断の結果を示す判断結果情報を出力する。そして、ステップS207に戻る。
【0091】
(ステップS212)電子ペン不正判断装置3の図示しない制御部は、記載情報を受信したり、判断を行ったりする処理を終了するかどうか判断する。そして、終了する場合には、ステップS201に戻り、そうでない場合には、ステップS207に戻る。
【0092】
なお、図6のフローチャートでは、電子ペン1に関係する処理を主に記載したが、それ以外の処理を電子ペン不正判断装置3が行ってもよい。例えば、電子ペンシステムにおいて、イーラーニングを行う際に、記載情報を用いた採点の処理や、情報処理装置2へのイーラーニングの画像・音声を送信する処理等を電子ペン不正判断装置3が実行してもよい。
【0093】
また、図6のフローチャートのステップS201、S202において、情報処理装置2からユーザ識別情報、認証情報の順で情報が送信される場合について説明したが、それ以外の順番でも各情報を受信できるようにしてもよい。
【0094】
図7は、図6のフローチャートにおける判断の処理(ステップS210の処理)の詳細の一例を示すフローチャートである。
【0095】
(ステップS301)記載過程情報取得部36は、記載情報から記載過程情報を取得する。その取得された記載過程情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。なお、記載過程情報取得部36が記載過程情報として、画数や書き順などのうち、どの情報を取得するのかは、あらかじめ決められているものとする。
【0096】
(ステップS302)記載特性情報取得部37は、記載情報から記載特性情報を取得する。その取得された記載特性情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。なお、記載特性情報取得部37が記載特性情報として、筆圧や単位時間当たりの記載量などのうち、どの情報を取得するのかは、あらかじめ決められているものとする。
【0097】
(ステップS303)記載結果情報取得部38は、記載情報から記載結果情報を取得する。その取得された記載結果情報は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。なお、記載結果情報取得部38が記載結果情報として、筆跡や文字の大きさ、文字間の空白などのうち、どの情報を取得するのかは、あらかじめ決められているものとする。
【0098】
(ステップS304)判断部40は、記載情報について文字認識を行い、記載情報に対応した文字を取得する。なお、記載過程情報や記載特性情報、記載結果情報の取得の際に、すでに文字認識が行われている場合には、判断部40は、その結果を取得してもよい。
【0099】
(ステップS305)判断部40は、文字認識の結果を用いて、互いに比較する記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報と、過去記載情報とを特定する。判断部40は、文字認識の結果と、対応情報において過去記載情報に対応付けられている文字とを比較し、両方に存在する文字に対応する記載過程情報等と、過去記載情報とを特定する。なお、ここで特定される過去記載情報は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報に対応付けられているものである。
【0100】
(ステップS306)判断部40は、ステップS305で特定した記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS307に進み、そうでない場合には、ステップS310に進む。なお、過去記載情報に記載の過程に関する情報が含まれていない場合には、判断部40は、その過去記載情報から記載の過程に関する情報を取得してもよい。その取得された記載の過程に関する情報は、過去記載情報に含めて蓄積されてもよい。
【0101】
(ステップS307)判断部40は、ステップS305で特定した記載特性情報と、過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS308に進み、そうでない場合には、ステップS310に進む。なお、過去記載情報に記載の特性に関する情報が含まれていない場合には、判断部40は、その過去記載情報から記載の特性に関する情報を取得してもよい。その取得された記載の特性に関する情報は、過去記載情報に含めて蓄積されてもよい。
【0102】
(ステップS308)判断部40は、ステップS305で特定した記載結果情報と、過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致するかどうか判断する。そして、一致する場合には、ステップS309に進み、そうでない場合には、ステップS310に進む。なお、過去記載情報に記載の結果に関する情報が含まれていない場合には、判断部40は、その過去記載情報から記載の結果に関する情報を取得してもよい。その取得された記載の結果に関する情報は、過去記載情報に含めて蓄積されてもよい。
【0103】
なお、ステップS306〜S308において、記載過程情報等に2以上の情報が含まれる場合、例えば、記載過程情報に画数と書き順とが含まれる場合には、その各々について判断を行ってもよい。そして、そのすべてについて一致する場合に、記載過程情報等の全体として一致すると判断してもよい。
【0104】
(ステップS309)判断部40は、記載情報によって示される記載が、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断する。そして、図6のフローチャートに戻る。
【0105】
(ステップS310)判断部40は、記載情報によって示される記載が、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによらない記載である、すなわち、不正な記載であると判断する。そして、図6のフローチャートに戻る。
【0106】
なお、図7のフローチャートのステップS301〜S303において、記載情報のすべてについて記載過程情報等を取得する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、記載過程情報等の取得の処理よりも前に、ステップS304の文字認識の処理を行い、その後に、比較する記載情報と過去記載情報との特定をステップS305と同様にして行う。そして、その特定された記載情報の部分のみから、記載過程情報等の取得を行ってもよい。このようにすることによって、記載過程情報等の取得の処理が軽減されることになる。
【0107】
次に、本実施の形態による情報処理装置2や電子ペン不正判断装置3の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、ユーザが電子ペン1を用いてテストを受験する場合について説明する。
【0108】
また、この具体例において、認証部33の図示しない記録媒体では、図8で示される情報が記憶されているものとする。図8で示される情報は、ユーザ識別情報と、認証情報(パスワード)とを対応付けるものである。認証部33は、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報と、認証情報受付部32が受け付けた認証情報との組が、図8で示されるテーブルのいずれかのレコードに存在する場合に、正当であると認証し、そうでない場合に、正当でないと認証するものとする。
【0109】
また、この具体例において、対応情報記憶部39では、図9で示される対応情報が記憶されているものとする。図9で示される対応情報において、ユーザ識別情報と、文字と、過去記載情報とが対応付けられている。図9で示される過去記載情報は、座標情報や圧力情報をそのまま含む情報ではなく、座標情報や圧力情報から取得された特徴データ、すなわち、記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報を含むものである。この具体例では、記載過程情報は画数であるとする。また、この具体例では、記載特性情報は、筆圧(1文字当たりの平均値であるとする)と、1秒当たりの文字数とであるとする。また、この具体例では、記載結果情報は、筆跡と、大きさ(mm)であるとする。大きさは、文字の高さであるとする。図9で示される対応情報では、文字認識された結果である文字と、過去記載情報とが対応付けられている。例えば、文字「私」に対して、画数「7」、筆圧「AZ1」、文字数/秒「0.7」、筆跡の画像、大きさ「11」が対応付けられている。したがって、「私」の文字が、7画で記載され、その文字が記載された際の筆圧の平均値がAZ1であり、その文字が1秒当たり0.7文字のペースで記載され、筆跡が図9で示されるとおりであり、その文字の高さが11mmであることが分かる。
【0110】
まず、ユーザが、電子ペン1を起動したとする。すると、電子ペン1が起動されたことを示す情報が、電子ペン1から情報処理装置2に送信される。情報処理装置2は、その情報を受信すると、図10で示されるように、ユーザ識別情報とパスワード(認証情報)の入力を要求する画面を図示しないモニタに表示する。この表示において、ユーザがキーボードやマウス等を操作して、ユーザ識別情報「U001」と、パスワード「ABCD」とを入力し、「OK」ボタンをクリックしたとする。すると、それらの情報が情報処理装置2のユーザ識別情報受付部21と、認証情報受付部22で受け付けられる(ステップS101,S102)。そして、送信部24は、受け付けられたユーザ識別情報と認証情報とを電子ペン不正判断装置3に送信する(ステップS103)。
【0111】
その送信されたユーザ識別情報と、認証情報とは、電子ペン不正判断装置3のユーザ識別情報受付部31と、認証情報受付部32とによって受信され(ステップS201,S202)、認証部33に渡される。認証部33は、受け取ったユーザ識別情報「U001」を検索キーとして、図8で示されるテーブルを検索し、検索されたユーザ識別情報「U001」と同じレコードに含まれる認証情報「ABCD」を取得する。そして、その取得した認証情報と、認証情報受付部32から受け取った認証情報「ABCD」とを比較し、両者が一致するため、正当であると認証する(ステップS203)。なお、もし両者が異なる場合には、認証部33は、正当でないと認証するものとする。また、この認証結果は、ユーザ識別情報「U001」に対応付けられて蓄積されるものとする。
【0112】
そして、電子ペン不正判断装置3の図示しない送信部が、認証結果「正当」を示す情報を情報処理装置2に送信する(ステップS204)。また、電子ペン不正判断装置3の図示しない制御部は、認証部33による認証の結果が正当であると判断し(ステップS205)、図示しない送信部に対して、テスト問題情報を情報処理装置2に送信するように指示する。すると、その送信部は、図示しない記録媒体からテスト問題情報を読み出して、情報処理装置2に送信する(ステップS206)。
【0113】
電子ペン不正判断装置3から送信された認証結果は、情報処理装置2の受信部25で受信され、図示しない制御部に渡される。その制御部は、認証結果が「正当」であるため(ステップS104)、そのまま記載情報の受信や表示するための情報の受信等を待つことになる。なお、認証結果が「正当でない」場合には、認証結果が正当でない旨を示す情報がモニタに表示されることによって、電子ペン1を用いているユーザに、認証結果を認知させるようにしてもよい。
【0114】
また、情報処理装置2の受信部25は、電子ペン不正判断装置3から送信されたテスト問題情報を受信し、そのテスト問題情報を表示部26に渡す(ステップS107)。表示部26は、受け取ったテスト問題情報を図示しないモニタに表示する(ステップS108)。図11は、そのようにしてモニタに表示されたテスト問題情報の一例を示す図である。
【0115】
電子ペン1のユーザは、図11で示されるテスト問題情報を見て、解答用紙に対して電子ペン1を用いて、図12で示されるように解答を記載していく。すると、その記載に関する座標情報と圧力情報とが座標情報取得部11と圧力情報取得部12とによって取得される。また、記載情報構成部13によって、座標情報と圧力情報とから記載情報が構成され、情報処理装置2に送信される。情報処理装置2の記載情報受信部23は、図13で示されるような記載情報を順次、受信する(ステップS105)。図13において、(x1,y1)等によって座標情報が示され、z1等によって圧力情報が示され、t1等によって時間情報が示されるものとする。なお、時間情報は、例えば、電子ペン1において取得されたものであってもよく、情報処理装置2において付加されたものであってもよい。記載情報受信部23によって受信された記載情報は順次、送信部24によって電子ペン不正判断装置3に送信される(ステップS106)。
【0116】
送信された記載情報は、電子ペン不正判断装置3の記載情報受信部34で受信され(ステップS207)、記載情報蓄積部35によって順次、記録媒体に蓄積されていく(ステップS208)。判断部40は、記載情報があらかじめ決められた容量だけ蓄積された時点において、判断処理を行うと判断する(ステップS209)。テストにおいて終了時間に近くなると、ユーザが乱筆となり、ユーザの記載の特徴が現れない可能性が高いため、テスト開始直後の記載情報を用いた方が適切だと考えられるからである。
【0117】
そして、判断部40は、記載情報の示す記載が、ユーザ識別情報「U001」で識別されるユーザによってなされたものであるかどうか判断する(ステップS210)。具体的には、まず、記載過程情報取得部36によって、記載情報蓄積部35が蓄積した記載情報から記載過程情報が取得される(ステップS301)。ここでは、画数が記載過程情報として取得されるものとする。また、記載特性情報取得部37によって、記載情報蓄積部35が蓄積した記載情報から記載特性情報が取得される(ステップS302)。ここでは、筆圧と、1秒当たりの文字数とが記載特性情報として取得されるものとする。また、記載結果情報取得部38によって、記載情報蓄積部35が蓄積した記載情報から記載結果情報が取得される(ステップS303)。ここでは、筆跡と大きさとが記載結果情報として取得されるものとする。また、判断部40によって、記載情報蓄積部35が蓄積した記載情報についての文字認識が行われる(ステップS304)。図14は、そのようにして取得された記載過程情報等と、文字認識された文字との対応を示す図である。
【0118】
判断部40は、図9のテーブルにおけるユーザ識別情報「U001」に対応する文字と過去記載情報と、図14で示される記載情報から取得された情報とを比較し、両者に含まれる文字を特定する。ここでは、「生」「物」のみが両者に含まれる文字であったとする。すると、判断部40は、「生」に対応する過去記載情報と、「生」に対応する図14で示される画数等の情報とを特定する。また、判断部40は、「物」に対応する過去記載情報と、「物」に対応する図14で示される画数等の情報とを特定する(ステップS305)。
【0119】
そして、判断部40は、その特定した2文字「生」「物」について、記載過程情報、すなわち画数が一致するかどうか判断する。この場合には、その2文字とも、画数「5」「8」が一致するため、判断部40は、記載過程情報が一致すると判断する(ステップS306)。なお、この判断では、例えば、厳密に一致するかどうか判断されてもよく、一画の差であれば一致すると判断され、二画以上の差があれば一致しないと判断されてもよい。
【0120】
次に、判断部40は、その特定した2文字「生」「物」について、記載特性情報、すなわち筆圧と1秒当たりの文字数とが一致するかどうか判断する。ここでは、筆圧と、1秒当たりの文字数とは共に、記載情報から取得された情報と、過去記載情報に含まれる情報との差が、一方の2割以内であれば、両者が一致すると判断されるものとする。この場合には、「生」の過去記載情報の筆圧「AZ3」と、取得された記載特性情報の筆圧「AZ109」とは一致すると判断され、また、「物」の過去記載情報の筆圧「AZ4」と、取得された記載特性情報の筆圧「AZ110」も一致すると判断されたものとする。また、「生」の過去記載情報の1秒当たりの文字数「1.0」と、取得された記載特性情報の1秒当たりの文字数「1.0」は一致すると判断され、「物」の過去記載情報の1秒当たりの文字数「0.6」と、取得された記載特性情報の1秒当たりの文字数「0.7」も一致すると判断される。したがって、判断部40は、記載特性情報が一致すると判断する(ステップS307)。
【0121】
次に、判断部40は、その特定した2文字「生」「物」について、記載結果情報、すなわち筆跡と大きさとが一致するかどうか判断する。ここでは、筆跡は、記載情報から取得された筆跡と、過去記載情報に含まれる筆跡との類似度が8割以上である場合に、両者が一致すると判断されるものとする。また、大きさは、記載情報から取得された大きさと、過去記載情報に含まれる大きさとの差が、一方の2割以内であれば、両者が一致すると判断されるものとする。この場合には、筆跡は、2文字共に類似度が8割以上であったとする。また、大きさは、「生」の過去記載情報の大きさ「11」と、取得された記載結果情報の大きさ「12」とは一致すると判断され、「物」の過去記載情報の大きさ「10」と、取得された記載結果情報の大きさ「11」とも一致すると判断される。したがって、判断部40は、記載結果情報が一致すると判断する(ステップS308)。
【0122】
その結果、判断部40は最終的に、記載情報によって示される記載が、ユーザ識別情報「U001」で識別されるユーザによって記載されたものであると判断される(ステップS309)。そして、判断結果情報出力部41は、ユーザ識別情報「U001」に対応付けて文書作成中の認証が「正当」である旨の情報を記録する(ステップS211)。図15は、そのようにして記録された判断結果の一例を示す図である。図15において、ユーザ識別情報「U001」に対応付けられて、そのユーザ識別情報で識別されるユーザが受験したテストを識別するテスト識別情報「E123」と、文書作成前の認証(認証部33によって行われた認証)の結果「正当」と、文書作成中の認証(判断部40によって行われた判断)の結果「正当」とが記録されている。例えば、テストの主催者は、この図15で示される情報を参照することによって、ユーザ識別情報「U001」で識別されるユーザが、テスト識別情報「E123」で識別されるテストを受験した際に、受験前の認証情報を用いた認証でも正当であると判断され、受験中の判断でも正当であると判断されたことを知ることができ、そのテストが適正に行われたと判断することができる。
【0123】
なお、テストの時間が終了したり、ユーザが解答を終了する旨を情報処理装置2に入力することなどによって、記載情報が受信されたりする処理は、終了されることになる(ステップS109,S212)。
【0124】
この具体例の判断部40による判断において、文字ごとに記載過程情報や、記載特性情報、記載結果情報を比較する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、筆圧や単位時間当たりの文字数、大きさ等については、過去記載情報に含まれる全体または一部の情報の平均値と、記載情報の全体または一部の情報の平均値とを比較してもよい(この場合には、文字ごとの比較ではなく、複数の文字についての比較となる)。そのような場合において、筆圧の平均を算出する場合や、単位時間当たりの記載の長さ(記載された線の距離)を算出する場合等においては、記載情報に関する文字認識を行わなくてもそれらの情報を得ることができるため、それらの情報を得るために文字認識を行わなくてもよい。
【0125】
この具体例では、記載過程情報等が一致するかどうかの判断が個別的に行われる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、記載過程情報の類似度と、記載特性情報の類似度と、記載結果情報の類似度とのそれぞれについて所定の重み付けをした値を用いて、記載情報の示す記載と、過去記載情報の示す記載とが一致するかどうかを判断してもよい。このことは、記載過程情報等に2以上の情報(例えば、画数と書き順など)が含まれる場合においても同様である。例えば、画数の類似度と、書き順の類似度に重み付けをした値を用いて、記載情報から取得された記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうかを判断してもよい。
【0126】
以上のように、本実施の形態による電子ペンシステムによれば、電子ペン1を用いて文書が記載される際において、その文書をユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザが記載したかどうかを判断することができる。したがって、例えば、ログイン時に使用されたユーザ識別情報で識別されるユーザと、電子ペン1を用いて文書を記載したユーザとが異なると言った不正が行われた場合に、そのような不正を検知することができうる。また、イーラーニングにおいては、受講者や受験者を監督する者がいないため、ログイン時には正当なユーザがログインを行い、その後に違う者が受講や受験をすることができうるが、そのような不正を防止することができる。また、認証のために用いられる情報(例えば、認証情報や、認証のために用いられる署名の情報など)によって認証を行う場合には、不正を行う者は、正当に認証されるようにできるだけ努力をする(例えば、正当なユーザから教えられたパスワードを使用したり、正当なユーザの筆跡に似せて署名を行ったりするなど)ため、場合によっては不正を見抜くことができないこともありうる。一方、認証のために用いられる情報とは異なる情報、例えば、解答等の文書作成のために記載された情報を用いて認証を行うことによって、不正を行う者は、そのような認証が行われていることを知ることができず、正当なユーザの筆跡や記載の癖に似せようとするための誘因がないため、より正確な認証を行うことができうるものと考えられる。
【0127】
なお、本実施の形態では、記載情報から取得された記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報のすべてを用いて判断部40が判断を行う場合について説明したが、判断部40は、記載情報から取得された記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報のうち、一部の情報を用いて判断を行ってもよい。その判断において、判断部40は、記載過程情報、記載特性情報、記載結果情報のうちの判断で用いられる1以上の情報のすべてが一致した場合には、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断し、そうでない場合には、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載ではないと判断してもよい。すなわち、判断部40は、記載過程情報と、過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合には、他の条件に抵触しない限りにおいて(例えば、記載特性情報等について正当であると判断される限りにおいて)、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断し、一致しない場合には、記載情報に関する記載が、そのユーザによる記載でないと判断してもよい。また、判断部40は、記載特性情報と、過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合には、他の条件に抵触しない限りにおいて(例えば、記載過程情報等について正当であると判断される限りにおいて)、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断し、一致しない場合には、記載情報に関する記載が、そのユーザによる記載でないと判断してもよい。また、判断部40は、記載結果情報と、過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合には、他の条件に抵触しない限りにおいて(例えば、記載過程情報等について正当であると判断される限りにおいて)、記載情報に関する記載が、ユーザ識別情報受付部31が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断し、一致しない場合には、記載情報に関する記載が、そのユーザによる記載でないと判断してもよい。また、その判断で用いられない情報は、記載情報から取得されなくてもよく、また、その判断で用いられない情報の取得に用いられる構成要素を電子ペン不正判断装置3が備えていなくてもよい。例えば、判断部40による判断に記載過程情報が用いられない場合には、電子ペン不正判断装置3は記載過程情報取得部36を備えていなくてもよく、判断部40による判断に記載特性情報が用いられない場合には、電子ペン不正判断装置3は記載特性情報取得部37を備えていなくてもよく、判断部40による判断に記載結果情報が用いられない場合には、電子ペン不正判断装置3は記載結果情報取得部38を備えていなくてもよい。
【0128】
また、あらかじめ記載情報に記載過程情報等の特徴データが含まれている場合には、その特徴データを取得する構成要素を電子ペン不正判断装置3が備えていなくてもよい。例えば、記載情報に記載過程情報が含まれている場合には、電子ペン不正判断装置3は記載過程情報取得部36を備えていなくてもよい。また、例えば、記載情報に記載特性情報が含まれている場合には、電子ペン不正判断装置3は記載特性情報取得部37を備えていなくてもよい。また、例えば、記載情報に記載結果情報が含まれている場合には、電子ペン不正判断装置3は記載結果情報取得部38を備えていなくてもよい。
【0129】
また、本実施の形態では、過去記載情報が記載内容に対応した文字と対応付けられており、記載情報についても文字認識を行い、同じ文字について、過去記載情報と、記載情報から取得された記載過程情報等とを比較することによって判断部40による判断が行われる場合について説明したが、過去記載情報は文字に対応付けられていなくてもよい。例えば、電子ペン1で記載される文書に特定の文字の含まれることがあらかじめ決まっている場合(例えば、所定の位置に学校名や、会社名、書類の名称等が記載される決まりになっている場合など)には、その文字に対応する記載情報と、過去記載情報とを用いて、判断部40による判断を行ってもよい。さらに、そのような場合には、記載情報から取得した記載過程情報等を用いた比較を行う代わりに、判断部40は、記載情報に含まれる座標情報と、過去記載情報に含まれる座標情報とを直接比較することによって判断を行ってもよい。記載情報や過去記載情報に圧力情報も含まれる場合には、座標情報と圧力情報とを用いた比較を行ってもよい。
【0130】
また、本実施の形態では、文書作成前の認証で用いられる認証情報がパスワードである場合について主に説明したが、認証情報は、前述のように電子ペン識別情報であってもよい。その場合には、認証情報受付部22は、電子ペン識別情報を電子ペン1から直接受け付けてもよい。また、その場合には、電子ペン不正判断装置3において、図8で示される情報に代えて、ユーザ識別情報と認証情報としての電子ペン識別情報とを対応付ける情報が保持されており、その情報を用いて認証が行われてもよい。
【0131】
また、本実施の形態では、文書作成前の認証を認証部33において行う場合について説明したが、この認証を行わなくてもよい。この文書作成前の認証を行わない場合には、電子ペン不正判断装置3は、認証情報受付部32と、認証部33とを備えていなくてもよい。
【0132】
また、本実施の形態では、電子ペン不正判断装置3が情報処理装置2からユーザ識別情報や記載情報等を受信する場合について説明したが、電子ペン不正判断装置3は、それらの情報を情報処理装置2以外から受信したり、受け付けたりしてもよい。例えば、電子ペン不正判断装置3は、記載情報を電子ペン1から直接受信してもよく、また、ユーザ識別情報や認証情報をユーザから直接受け付けてもよい。
【0133】
また、本実施の形態では、認証の処理において、ユーザ識別情報や認証情報が一致するかどうかを判断する場合について説明したが、それ以外の判断によって認証の処理を行ってもよい。例えば、受け付けられた認証情報と、電子ペン不正判断装置3で保持されている認証情報とがあらかじめ決められている関係を有する場合に、認証部33は、正当であると認証してもよい。あらかじめ決められている関係とは、例えば、一方の情報にあらかじめ決められている演算(例えば、1を足す、ハッシュ値をとる、逆数をとる等の演算)を行えば、他方の情報となる関係などである。
【0134】
また、上記実施の形態では、電子ペン不正判断装置3がサーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置である場合について説明したが、電子ペン不正判断装置3は、スタンドアロンの装置であってもよい。
【0135】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0136】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0137】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0138】
また、上記実施の形態において、電子ペン不正判断装置3に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0139】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における電子ペン不正判断装置3を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、ユーザが電子ペンを使用して文書を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部で記憶されている対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報とを用いて、当該記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する判断部と、前記判断部による判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する判断結果情報出力部として機能させるためのものである。
【0140】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0141】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0142】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0143】
図16は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による電子ペン不正判断装置3を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0144】
図16において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0145】
図17は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図17において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0146】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による電子ペン不正判断装置3の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0147】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による電子ペン不正判断装置3の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0148】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上より、本発明による電子ペン不正判断装置等によれば、文書作成過程の情報をも用いて、文書を作成すべきユーザが文書を記載しているかどうかを判断することができ、例えば、電子ペンを用いたイーラーニングシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施の形態1による電子ペンシステムの構成を示す図
【図2】同実施の形態による電子ペンの構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図
【図4】同実施の形態による電子ペン不正判断装置の構成を示すブロック図
【図5】同実施の形態による情報処理装置の動作を示すフローチャート
【図6】同実施の形態による電子ペン不正判断装置の動作を示すフローチャート
【図7】同実施の形態による電子ペン不正判断装置の動作を示すフローチャート
【図8】同実施の形態における認証で用いられるユーザ識別情報と認証情報との対応の一例を示す図
【図9】同実施の形態における対応情報の一例を示す図
【図10】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図11】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図12】同実施の形態における解答用紙への記載の一例を示す図
【図13】同実施の形態における記載情報の一例を示す図
【図14】同実施の形態における記載情報から取得された記載過程情報等の一例を示す図
【図15】同実施の形態における判断結果の一例を示す図
【図16】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図17】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【符号の説明】
【0151】
1 電子ペン
2 情報処理装置
3 電子ペン不正判断装置
4 媒体
11 座標情報取得部
12 圧力情報取得部
13 記載情報構成部
14、24 送信部
21、31 ユーザ識別情報受付部
22、32 認証情報受付部
23、34 記載情報受信部
25 受信部
26 表示部
33 認証部
35 記載情報蓄積部
36 記載過程情報取得部
37 記載特性情報取得部
38 記載結果情報取得部
39 対応情報記憶部
40 判断部
41 判断結果情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、
ユーザが電子ペンを使用して文書を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、
ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部と、
前記対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報とを用いて、当該記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する判断部と、
前記判断部による判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する判断結果情報出力部と、を備えた電子ペン不正判断装置。
【請求項2】
前記対応情報は、ユーザ識別情報と、過去記載情報と、当該過去記載情報の記載内容に対応した文字とを対応付ける情報であり、
前記判断部は、前記記載情報受信部が受信した記載情報に対応する記載の示す文字に対応付けられている過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記文字に対応する記載情報とを用いて前記判断を行う、請求項1記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項3】
前記記載情報から、記載の過程に関する情報である記載過程情報を取得する記載過程情報取得部をさらに備え、
前記判断部は、前記記載過程情報取得部が取得した記載過程情報と、前記過去記載情報における記載の過程に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断する、請求項1または請求項2記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項4】
前記記載過程情報は、画数、書き順のいずれか1以上の情報である、請求項3記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項5】
前記記載情報から、記載の特性に関する情報である記載特性情報を取得する記載特性情報取得部をさらに備え、
前記判断部は、前記記載特性情報取得部が取得した記載特性情報と、前記過去記載情報における記載の特性に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断する、請求項1または請求項2記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項6】
前記記載特性情報は、筆圧、単位時間当たりの記載量のいずれか1以上の情報である、請求項5記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項7】
前記記載情報から、記載の結果に関する情報である記載結果情報を取得する記載結果情報取得部をさらに備え、
前記判断部は、前記記載結果情報取得部が取得した記載結果情報と、前記過去記載情報における記載の結果に関する情報とが一致するかどうか判断し、一致する場合に、前記記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であると判断する、請求項1または請求項2記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項8】
前記記載結果情報は、筆跡、文字の大きさ、文字間の空白のいずれか1以上の情報である、請求項7記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項9】
前記文書を作成する前の認証で用いられる情報である認証情報を受け付ける認証情報受付部と、
前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報と、前記認証情報受付部が受け付けた認証情報とを用いて、前記文書を作成する前の認証を行う認証部と、をさらに備え、
前記判断部は、前記文書が作成される過程の記載情報を用いた判断を行う、請求項1から請求項8のいずれか記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項10】
前記文書は、学習の達成度を評価するために用いられる文書である、請求項1から請求項9のいずれか記載の電子ペン不正判断装置。
【請求項11】
ユーザ識別情報受付部と、記載情報受信部と、ユーザ識別情報と当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部と、判断部と、判断結果情報出力部とを用いて処理される電子ペン不正判断方法であって、
前記ユーザ識別情報受付部が、ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付ステップと、
前記記載情報受信部が、ユーザが電子ペンを使用して文書を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信ステップと、
前記判断部が、前記対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付ステップで受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記記載情報受信ステップで受信した記載情報とを用いて、当該記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付ステップで受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する判断ステップと、
前記判断結果情報出力部が、前記判断ステップでの判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する判断結果情報出力ステップと、を備えた電子ペン不正判断方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を受け付けるユーザ識別情報受付部と、
ユーザが電子ペンを使用して文書を記載した際の当該記載に関する情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、
ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザが過去に記載した際の当該記載に関する情報である過去記載情報とを対応付ける情報である対応情報が記憶される対応情報記憶部で記憶されている対応情報を用いて、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報に対応する過去記載情報を特定し、当該過去記載情報と、前記記載情報受信部が受信した記載情報とを用いて、当該記載情報に関する記載が、前記ユーザ識別情報受付部が受け付けたユーザ識別情報で識別されるユーザによる記載であるかどうかを判断する判断部と、
前記判断部による判断の結果を示す情報である判断結果情報を出力する判断結果情報出力部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−271714(P2009−271714A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121356(P2008−121356)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(398063593)株式会社ワオ・コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】