説明

電子ペーパーディスプレイ装置に用いるカラーフィルター用感光性レジスト組成物

本発明は、着色剤を含む感光性レジスト組成物に関する。具体的には、電子ペーパーディスプレイ装置、カラー撮像素子などに用いるカラーフィルターの製造に用いるのに有利な感光性レジスト組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性レジスト組成物に関し、具体的には、液晶ディスプレイ装置及び固体撮像素子に有用なカラーフィルターにおける、着色フィルターセグメント、例えば赤色−、緑色−、青色−、黄色−、橙色−、シアン−、及びマゼンタ−着色フィルターセグメント並びにブラックマトリクスを形成するのに有効な、高感度感光性レジスト組成物に関する。さらに、本発明は、感光性レジスト組成物を用いて形成されたカラーフィルター、及びこのように形成されたカラーフィルターの、電子ペーパーディスプレイ装置、カラー撮像素子などにおける使用に関する。
【0002】
電子ペーパー、すなわちe−ペーパーは、1枚のペーパー上のテキストを書き換えできるようにする新たに出現した技術である。「ペーパー」は、実際には、電荷に応答する小さなボールを含有する導電性プラスチックを用いる有機エレクトロニクスで作られ、ピクセルがコンピュータモニター上で変化するのとほぼ同じようにページを変化させる。
【0003】
電子ペーパーは、コンピュータモニターのいくつかの制限を克服する。例えば、モニターのバックライトはヒトの眼に苛酷であるのに対して、電子ペーパーはちょうど標準的な紙と同様に光を反射する。フラットスクリーンモニターよりもある角度で読みやすい。プラスチック製なので、電子ペーパーは軟質である可能性がある。軽く、場合によっては安価である。
【0004】
電子ペーパーは、1970年代にNick SheridonによりXerox's Palo Alto Research Centerで初めて開発された。最初の電子ペーパーは、Gyriconと呼ばれる、1面が黒色でもう1面が白色である小さな静電帯電されたボールからなる。ペーパーの「テキスト」は、ボールを上向き又は下向きにする電界の存在により変えられる。
【0005】
1990年代に、別のタイプの電子ペーパーが、Joseph Jacobsonにより発明された。これは、着色オイル中に懸濁した帯電白色粒子が入った小さなマイクロカプセルを用いている。初期のバージョンでは、下側の電気回路の機構が、白色粒子がカプセルの上部にあるか(したがって、見る人は白色が見える)、あるいはカプセルの底部にあるか(したがって、見る人はオイルの色が見える)どうかを制御する。これは本質的に、周知電気泳動ディスプレイ技術の再導入であるが、マイクロカプセルの使用は、ディスプレイを、ガラスの代わりに軟質のプラスチックシートが使用できるようにした。この分野で技術を開発している多数の会社で、電子ペーパーへの多数の取り組みがある。電子ペーパーに適用される他の技術は、液晶ディスプレイの改質、エレクトロクロミックディスプレイ、及び九州大学におけるEtch−A−Sketchの電子同等品を含む。さまざまな形の電子ペーパーが、Gyricon(Xeroxの子会社)、Philips Electronics、Kent Displays(コレステリックディスプレイ)、Ntera(エレクトロクロミック・ナノクロミック・ディスプレイ)、その他多くによって開発されている。
【0006】
着色電子ペーパーディスプレイ装置を開発する必要がある。基本的に、着色ディスプレイを得るのに二つの異なる方法がある。第一は、白色粒子を着色(RGB/CYM)粒子に換えること、あるいはまた、電子ペーパーディスプレイの上にカラーフィルターを付着することによる。
【0007】
硬質の電子ペーパーディスプレイは、別のガラス基板上に作られたカラーフィルターを用いることができる。しかし、これは高価な手法であり、カラーフィルターを伴う第二のガラス基板を電子ペーパーディスプレイの上へ積層する必要があるために、実現するのは容易ではない。軟質の電子ペーパーディスプレイはこの積層法を全く用いることができない。
【0008】
代替のより安価な方法は、電子ペーパー層上に直接にカラーフィルターをパターン形成することである。感光性レジスト組成物を用いてカラーフィルターを形成する。高い感度、基板への接着性、耐薬品性などが組成物に必要である。一般に、このような感光性レジスト組成物を用いてカラーフィルターを形成するためには、光散乱層パターンを透明基板上に形成し、分散された着色剤を有する感光性レジスト組成物を基板に塗布し、現像するためにフォトマスクを介して放射線露光し、次いで未露光部分を、現像液を用いて溶解させて、ピクセルパターンを形成する。赤色、緑色及び青色着色剤を着色剤として用いる。通常用いられる感光性レジスト組成物は、酸性の官能基を含有する樹脂、例えば(メタ)アクリル酸、多官能モノマー、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含む。
【0009】
しかし、レジストは少なくとも200℃の温度での最後の硬化工程が必要であるという理由で、既存のカラーフィルターレジストを用いて電子ペーパー層上に直接にカラーフィルターをパターン形成することは不可能である。この温度で、黒色及び白色粒子を有する分散液を含有するカプセルは、完全に破壊される。現在の技術水準のレジストでは、このポストベーク工程を省くことは不可能である。色よって約40〜50%までの程度のアクリレートモノマーの光誘発架橋は、カラーフィルターが逐次的に作られる3層、R、G及びBから形成されるという点から見て、第二及び第三層に対する十分な耐薬品性には足りない。
【0010】
低温適用のためのカラーフィルターレジストは、例えば、Yoshimoto、Yasufumiにより、“Photocurable composition containing alkali-soluble resin, color filter using the composition, and formation of pattern using the composition”、 日本公開特許公報(2004)、JP−2004−083754A2に;及びImamura、Naotaにより“Light-sensitive color resin composition for manufacturing color filters of liquid crystal displays”、日本公開特許公報(2003)、JP−2003−330184A2に記載されている。しかし、硬化温度を下げるために、レジスト中での追加の添加剤(エポキシド、過酸化物)の使用が不可欠である。熱硬化工程を省くことができる手がかりはない。
【0011】
本発明の目的は、カラーフィルター用の新規な感光性レジスト組成物を提供することである。
【0012】
驚くべきことに、従来技術で用いるアクリルモノマーよりも、反応性で、高接着性だが、より軟質でもある選択されたジアクリレートモノマーを用いることにより、解決策が見出された。それらの選択されたジアクリレートモノマーを用いることにより、光重合によって約80%の十分な架橋度をすでに達成することができ、得られた層は、後続のカラーフィルターレジストに対する抵抗が極めて良好である。より高い架橋度を達成するために選択されたそれらのジアクリレートモノマーを使用すると、物性、例えば優れた分散安定性、溶解性、及び耐薬品性の維持と両立できる。ポストベーク工程を省くことの効果は明らかである:ポストベークがないと、工程の総数が減り、製造プロセスを低費用化する。しかし、最大の利点は、今や低温基板を用いることができることである。
【0013】
本発明の目的は、低温適用に関連するカラーフィルターの製造に適切な感光性レジスト組成物を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、電子ペーパーディスプレイ装置に用いるカラーフィルターの製造に適切な感光性レジスト組成物を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的及び利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0016】
本発明によれば、第一に、上述した本発明の目的及び利点は、(A)一般式(I):
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、R1’、R1”、R2’、R2”、R3’及びR3”は、互いに独立して、H、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキル、Eで置換されていてもよいC6〜C30アリール、E、−SR5で置換されていてもよいC2〜C30ヘテロアリール;−NR56であり;
4’は、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキルであり;
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、又は−POR5−であり;
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7、又はハロゲンであり;
5及びR6は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシで置換されたC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されたC1〜C18アルキルであるか;又はR5及びR6は、一緒になって5員又は6員環を形成し、
7は、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシで置換されたC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;−O−で中断されたC1〜C18アルキルであり;
Y’及びY”は、互いに独立して、−OH又はハロゲンであり;そして
X’及びX”は、互いに独立して、O又はSである)のジアクリレートモノマーを含む感光性レジスト組成物により達成することができる。
【0019】
好ましくは、本発明の感光性レジスト組成物は、(A)一般式(II):
【0020】
【化5】

【0021】
(式中、R4’は、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキルであり;
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、又は−POR5−であり;
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7、又はハロゲンである)のジアクリレートモノマーを含む。
【0022】
より好ましくは、本発明の感光性レジスト組成物は、(A):
(1)グリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレート:
【0023】
【化6】

【0024】
(2)エチレングリコール及びポリ(エチレングリコール)ジグリセロレートジアクリレート(式中、nは1〜10の整数である):
【0025】
【化7】

【0026】
(3)プロポキシル化エチレングリコール及びポリ(エチレングリコール)ジグリセロレートジアクリレート:
【0027】
【化8】

【0028】
(4)1,3−プロピレングリコール及びポリ(プロピレングリコール)ジグリセロレートジアクリレート(式中、nは1〜10の整数である):
【0029】
【化9】

【0030】
(5)1,2−プロピレングリコールジグリセロレートジアクリレート:
【0031】
【化10】

【0032】
(6)1,4−ブチレングリコールジグリセロレートジアクリレート:
【0033】
【化11】

【0034】
(7)1,3−ブチレングリコールジグリセロレートジアクリレート:
【0035】
【化12】

【0036】
(8)ネオペンチルグリコールジグリセロレートジアクリレート:
【0037】
【化13】

【0038】
(9)1,6−ヘキサンジオールジグリセロレートジアクリレート:
【0039】
【化14】

【0040】
(10)1,9−ノナンジオールジグリセロレートジアクリレート:
【0041】
【化15】

【0042】
(11)1,4−ジメタノールシクロヘキサンジグリセロレートジアクリレート:
【0043】
【化16】

【0044】
(12)ビスフェノールAジグリセロレートジアクリレート:
【0045】
【化17】

【0046】
(13)エトキシル化ビスフェノールAジグリセロレートジアクリレート:
【0047】
【化18】

【0048】
(14)プロポキシル化ビスフェノールAジグリセロレートジアクリレート:
【0049】
【化19】

【0050】
よりなる群から選択されるジアクリレートモノマーを含む。
【0051】
ジアクリレートモノマー(A)としてグリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレートを用いる場合が特に好ましい。
【0052】
上述したジアクリレートモノマーは、対応するジグリシジルエーテル(そのほとんどが市販されている)から合成することができる。他のジアクリレートモノマーは、例えばAldrichから市販されている。
【0053】
上述のジアクリレートモノマーは、単独でも2種以上の混合状態でも用いることができる。
【0054】
モノマーの両端にアクリレート基を有するポリグリセロール誘導体をベースとするモノマーは、文献で主に印刷版用の架橋剤として公知である。これらの材料はカラーフィルターの製造に関連して言及されておらず、まして、当技術分野において、それによればそれらが硬化のための最後の加熱工程を省くことの利点を提供するどんなヒントも示されていない。
【0055】
カラーフィルターレジストにおいて、光架橋は、主にラジカル重合によって行われる。光開始剤は、放射線照射され、そして発生したラジカルが例えば、多官能の(メタ)アクリレートモノマーの二重結合と反応する。標準的なモノマーは、次の構造:
【0056】
【化20】

【0057】
を有するジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレートである。
【0058】
従来のモノマー、例えば標準的なモノマー、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレートを使用する場合、約40〜50%の架橋度しか達成することができない。しかし、約200℃のポストベークを行うことによりさらなる架橋を行うことができ、90〜100%の架橋度をもたらす。
【0059】
標準的なレジストモノマーを、反応性がより高いが官能性のより低いアクリレートモノマーと換えることにより、架橋度ほぼ80%に達することができ、ポストベーク工程を不必要にするが、そのなかで次のグリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレート:
【0060】
【化21】

【0061】
が好ましく、代表的な例である。
【0062】
ポストベークなしで、このカラーフィルター製造プロセスは、不可逆な熱膨張若しくは収縮に関する問題及び/又は電子ペーパーディスプレイ装置のカプセルの起こりうる破壊に関する問題を伴わずに、有機箔上に用いることができる。
【0063】
重要なパラメータとして、ジアクリレートモノマーの反応性、及び非重合モノマーのアルカリ現像液(テトラメトキシアンモニウムハイドロオキサイド、NaHCO3など)への溶解性が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
いかなる理論にも限定されないが、両方のパラメータは、本質的に、モノマー分子中のヒドロキシル基の数及び位置で特定した。ヒドロキシル基は、モノマーの反応性及びその転化率を高め、同時に材料をアルカリ性の媒体に溶解する。したがって、個々のモノマーの構造は、光重合反応の速度及び程度に強く影響する。研究の結果、水素結合力は、両方のモノマーのプレ組織化を介する全体的な重合速度、及び局所粘度効果のための停止阻害を高めることが示唆されている。ヒドロキシル化系は、全体的に増加した転化率で、通常のモノマーよりも、著しく高い重合速度を示す。例えば、Leeら, Polymer preprints 45(2), 49-50, 2004: Influence of hydrogen bonding on the photopolymerisation rates of mono- and multifunctional (meth)acrylates; Jansen, J. F. G. A.; Dias, A.A.; Dorschu, M.; Coussens, B. Macromolecules 2003, 36, 3861-3873; Dickens, S. H.; Stansbury, J. W.; Choi, K. M.; Floyd, C. J. E. Macromolecules 2003, 36, 6043-6053; and Mathias, L. J.; Shemper, B. S.; Alirol, M.; Morizur, J.-F. Macromolecules 2004, 37, 3231-3238を参照。類推によって、試験したモノマーは、最大の反応性及び最適な転化率のためにOH基を組み込んでいる。
【0065】
アクリレート基間のスペーサーの長さも重要なトポロジーパラメータである。橋の長さは、水素結合を介するプレ組織化を実現するのに重要なモノマー配座移動度、及び樹脂特性に影響を及ぼす。通常、良好な接着性を有する柔軟なスペーサーが望ましい。
【0066】
本発明の第二の態様は、上述したジアクリレートモノマー(A)を含み、さらに(B)着色剤;(C)バインダーポリマー;及び(D)光重合開始剤を含む感光性レジスト組成物を提供することである。
【0067】
好ましくは、感光性レジスト組成物は、バインダーポリマー(C)を、着色剤(B)100重量部に基づいて10〜1,000重量部の量で、ジアクリレートモノマー(A)を、バインダーポリマー(C)100重量部に基づいて5〜500重量部の量で、そして光重合開始剤(D)を、ジアクリレートモノマー(A)の合計100重量部に基づいて0.01〜200重量部の量で含む。
【0068】
感光性レジスト組成物は、好ましくは、溶媒約75%、適切な分散剤で安定化された顔料約8%、メタクリレートバインダー(メタクリル酸と脂肪族及び/又は芳香族メタクリレートとのコポリマー)8%、上述のジアクリレートモノマー8%、及びIrgacure(登録商標)369のような光開始剤又は他の公知及び市販されている光開始剤1%を含有する。
【0069】
本発明における着色剤(B)は、特定の色に限定されず、カラーフィルターの適用目的にしたがって適切に選択される。それは有機又は無機のいずれでもよい。
【0070】
好ましくは、本発明の感光性レジスト組成物は、有機着色剤及びカーボンブラックよりなる群から選択される着色剤(B)を含む。
【0071】
有機着色剤の具体例には、染料、有機顔料、天然色素などがある。無機着色剤の具体例は、無機顔料、「体質顔料」と呼ばれる無機塩などを含む。極めて正確な発色及び耐熱性がカラーフィルターに必要なので、本発明で用いる着色剤は、好ましくは発色特性及び高い耐熱性、特に高い熱分解抵抗を有する。有機着色剤及び/又はカーボンブラックが一般に用いられ、有機顔料及び/又はカーボンブラックが特に好ましい。
【0072】
本発明の感光性組成物で使用できる有機顔料の例を、カラーインディックス番号と共に以下に示す。
【0073】
赤色フィルターセグメントを形成するための赤色着色組成物に対して、赤色顔料、例えばC.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264又は272を用いることができる。黄色顔料又は橙色顔料を赤色着色組成物中にさらに用いてもよい。
【0074】
黄色フィルターセグメントを形成するための黄色着色組成物に対して、黄色顔料、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213又は214を用いることができる。
【0075】
橙色フィルターセグメントを形成するための橙色着色組成物に対して、橙色顔料、例えばC.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71又は73を用いることができる。
【0076】
緑色フィルターセグメントを形成するための緑色着色組成物に対して、緑色顔料、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36又は37を用いることができる。黄色顔料を、緑色着色組成物中に組み合わせてさらに用いてもよい。
【0077】
青色フィルターセグメントを形成するための青色着色組成物に対して、青色顔料、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60又は64を用いることができる。紫色顔料、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42又は50を、青色着色組成物中にさらに用いてもよい。
【0078】
シアンフィルターセグメントを形成するためのシアン着色組成物に対して、青色顔料、例えばC.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16又は81を用いることができる。
【0079】
マゼンタフィルターセグメントを形成するためのマゼンタ着色組成物に対して、紫色顔料及び赤色顔料、例えばC.I.ピグメントバイオレット1及び19、及びC.I.ピグメントレッド144、146、177、169及び81を用いることができる。黄色顔料を、マゼンタ着色組成物中にさらに用いてもよい。
【0080】
さらに、ブラックマトリクス用黒色着色剤として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック、アントラキノンブラック顔料、ペリレンブラック顔料、特に、C.I.ピグメントブラック6、7、12、20、31又は32を用いることができる。これらの中で、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの表面を、例えば、樹脂で処理してもよい。
【0081】
さらに、無機顔料の例として、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸鉛、黄鉛、亜鉛黄、弁柄(赤色酸化鉄(III))、カドミウムレッド、ネイビーブルー、プルシアンブルー、酸化クロムグリーン、コバルトグリーン、アンバー、及び合成鉄黒が挙げられる。良好なコーティング特性、感度、現像特性などを確保するために、彩度と輝度のバランスをとりながら、無機顔料を有機顔料と組み合わせて用いる。
【0082】
本発明の感光性組成物は、色味付のために、耐熱性を下げない量で、染料を含有することができる。
【0083】
これらの中で、無機着色剤、カーボンブラックが特に好ましい。
【0084】
本発明では、上述の着色剤を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0085】
これらの着色剤それぞれの表面を、使用前にポリマーで変性してもよい。着色剤の表面を変性するためのポリマーは、JP−A 8−259876により開示されたポリマー(本明細書で用いる用語「JP−A」は「日本公開特許公報を意味する」)、顔料分散用市販ポリマー又はオリゴマーなどである。JP−A 8−259876の明細書は、本発明の開示に引用する。
【0086】
本発明における着色剤は、必要に応じて、分散剤又は分散助剤と組み合わせて使用できる。
【0087】
分散剤の代表的な例として、ポリカルボキシレート、例えばポリウレタン及びポリアクリレート;不飽和ポリアミド;ポリカルボン酸の(一部の)アミン塩、アンモニウム塩及びアルキルアミン塩;ポリシロキサン;長鎖ポリアミノアミドホスフェート;ヒドロキシル基含有ポリカルボキシレート;及びこれらの変性生成物;遊離カルボン酸基を有するポリエステルとポリ(低級アルキレンイミン)とを反応させることにより形成されたアミド及びその塩;など、商品名Disperbyk−130、101、161、162、163、164、165、166、170、2000、2001、2050など(Byk Chemie Japan Co., Ltd.)、EFKA4046、4047、4050 4055、4060、4330、4340など(EFKA Co., Ltd.)、SOLS PERSE13240、13940、17000、24000GR、28000、20000、12000、27000、32000、32500など(ZENEKA Co., Ltd.)が挙げられる。
【0088】
分散剤又は分散助剤は、例えば、カチオン、アニオン、ノニオン、若しくは両性界面活性剤、又はシリコーン系若しくはフッ素系界面活性剤である。
【0089】
界面活性剤の具体例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールジエステル、例えばポリエチレングリコールジラウレート及びポリエチレングリコールジステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸変性ポリエステル;第三級アミン変性ポリウレタン;ポリエチレンイミンなど、商品名ではKP(信越化学工業(株))、Polyflow(共栄社油脂化学工業(株))、F−Top(トーケムプロダクツ(株))、Megafax(大日本インキ化学工業(株))、Florade(住友スリーエム(株))、Asahi Guard及びSurflon(旭硝子(株))などが挙げられる。
【0090】
これらの分散剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0091】
分散剤は、通常、着色剤100重量部に基づいて、50重量部以下、好ましくは0〜30重量部の量で用いる。
【0092】
分散助剤は、顔料を、酸、塩基又はポリマーで処理することにより得られる顔料誘導体である。分散助剤の具体例は、青色顔料誘導体、例えば銅フタロシアニン誘導体;黄色顔料誘導体;などを含む。
【0093】
本発明では、バインダーポリマーとして、着色剤(B)用のバインダーとして働くならば任意のバインダーポリマー(C)用いることができる。
【0094】
バインダーポリマーは、酸性の官能基、例えばカルボキシル基又はフェノール性ヒドロキシル基を含有するポリマーである。
【0095】
本発明におけるバインダーポリマーは、好ましくはカルボキシル基を含有するポリマー、特に、少なくとも1個のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「カルボキシル基含有不飽和モノマー」という)と、他の共重合性のエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「他の不飽和モノマー」という)とのコポリマー(以下、単に「カルボキシル基含有コポリマー」という)である。
【0096】
カルボキシル基含有不飽和モノマーの具体例として、不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、エタクリル酸及びケイ皮酸;不飽和ジカルボン酸(無水物)、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸及びメサコン酸;分子中に少なくとも3個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸(無水物);非重合性のジカルボン酸のモノ(メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル、例えばコハク酸のモノ(2−アクリロイルオキシエチル)エステル、コハク酸のモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−アクリロイルオキシエチル)エステル、及びフタル酸のモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0097】
これらのカルボキシル基含有不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0098】
他の不飽和モノマーの具体例として、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、p−ビニルベンジルメチルエーテル及びp−ビニルベンジルグリシジルエーテル;不飽和カルボキシレート、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、s−ブチルアクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート及びメトキシトリエチレングリコールメタクリレート;不飽和アミノアルキルカルボキシレート、例えば2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート及び3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート;不飽和グリシジルカルボキシレート、例えばグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレート;ビニルカルボキシレート、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及び安息香酸ビニル;不飽和エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びメタリルグリシジルエーテル;ビニルシアニド化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル及びビニリデンシアニド;不飽和アミド及び不飽和イミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、マレイミド、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミド;脂肪族共役ジエン、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン;ポリマー分子鎖の末端にモノアクリロイル基又はモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー、例えばポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート及びポリシロキサンなどが挙げられる。
【0099】
これらの他の不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0100】
カルボキシル基含有コポリマー中のカルボキシル基含有不飽和モノマーの割合は、通常5〜50wt%、より好ましくは10〜40wt%である。カルボキシル基含有不飽和モノマーの割合が5wt%未満である場合、得られた感放射線性組成物のアルカリ現像液への溶解性が低下する傾向があり、一方この割合が50wt%より高い場合、アルカリ現像液を用いる現像時に、形成されたピクセルパターンが基板から剥離する傾向、又はピクセルの表面が荒くなる傾向がある。
【0101】
特に、カルボキシル基含有不飽和モノマーを上述の特定の割合で含有するカルボキシル基含有コポリマーは、アルカリ現像液への溶解性が優れている。バインダーとしてこのコポリマーを含有する感放射線性組成物においては、アルカリ現像液を用いる現像後に不溶物が残ることは極めて少なく、基板のピクセルが形成される部分以外の領域ではステイン又はフィルム残留物がほとんど生じず、そしてこの組成物から得られるピクセルパターンは、アルカリ現像液に過度に溶解せず、基板への接着性に優れ、基板から剥離しない。
【0102】
カルボキシル基含有コポリマーは、特に好ましくは、(1)不可欠な成分としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含むカルボキシル基含有不飽和モノマー、場合によってはコハク酸のモノ(2−アクリロイルオキシエチル)エステル及び/又はコハク酸のモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル、並びに(2)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーよりなる群から選択される少なくとも1種のメンバーのコポリマーである(以下、「カルボキシル基含有コポリマー(I)」という)。
【0103】
カルボキシル基含有コポリマー(I)の具体例として、2成分及び3成分コポリマー(以下、「カルボキシル基含有コポリマー(Ia)」という)、例えば(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/メチル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、及び(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー;
4成分コポリマー(以下、「カルボキシル基含有コポリマー(Ib)」という)例えば(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、及び(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー;
5成分コポリマー(以下、「カルボキシル基含有コポリマー(Ic)」という)、例えば(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、
(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレン/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、
(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、
(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミドのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステル/ベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、及び(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/コハク酸のモノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]エステルのコポリマー;並びに
6成分コポリマー(以下、「カルボキシル基含有コポリマー(Id)」という)、例えば(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマー、(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、及び(メタ)アクリル酸/スチレン/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/ポリメチルメタクリレートマクロモノマーのコポリマーが挙げられる。
【0104】
カルボキシル基含有コポリマー(I)は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。本発明では、場合によっては、少なくとも1種の他のバインダーポリマーをカルボキシル基含有コポリマー(I)と組み合わせて用いることができる。
【0105】
バインダーポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:溶媒テトラヒドロフラン)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)3,000〜300,000、より好ましくは5,000〜100,000を有するのが好ましい。重量平均分子量対数平均分子量の比は、好ましくは1〜5、より好ましくは1.5〜4、さらに好ましくは2〜3.5である。
【0106】
このような特定の重量平均分子量を有するバインダーポリマーを用いることにより、優れた現像性を有する感放射線性組成物を得ることができ、これにより鮮明なパターンエッジを有するピクセルアレイを形成することができ、そして現像の時には、基板のピクセルが形成される部分以外の領域にはステイン、フィルム残留物などがほとんど生じない。
【0107】
本発明で用いるバインダーポリマーの量は、通常、着色剤(B)100重量部に基づいて、10〜1,000重量部、好ましくは20〜500重量部である。
【0108】
本発明で用いる用語「光重合開始剤(D)」とは、成分(A)の重合を開始しうるラジカル、カチオン又はアニオン活性種を、露光によって起こる結合の分解又は開裂により、形成する化合物を意味する。
【0109】
光重合開始剤は、ビイミダゾール環を有する化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノ系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、又はトリアジン系化合物(以下、「ビイミダゾール環を有する化合物など」という)である。
【0110】
ビイミダゾール系化合物(1)及びビイミダゾール系化合物(2)の具体例は、以下の通りである。
【0111】
ビイミダゾール系化合物(1)として、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
【0112】
ビイミダゾール系化合物(2)として、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが挙げられる。
【0113】
これらのうち、特に好ましいビイミダゾール系化合物(1)は、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール及び2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾールである。これらのうち、特に好ましいビイミダゾール系化合物(2)は、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール及び2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
【0114】
ビイミダゾール系化合物(1)及びビイミダゾール系化合物(2)は、溶媒への溶解性に優れ、不溶物及び析出物のような異物を生じない。さらに、それらは感度が高く、少量のエネルギーの露光により硬化反応を十分に促進し、高いコントラストを与え、未露光部分での硬化反応がない。したがって、これらの化合物の露光されたコーティングフィルムは、現像液に不溶性の硬化部分と、現像液に高い溶解性の未硬化部分とに明確に分かれ、これによりピクセルパターンの部分的若しくは完全な欠落又はアンダーカットのないカラーフィルターを形成することを可能にする。
【0115】
ベンゾイン系化合物の具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインi−プロピルエーテル、ベンゾインi−ブチルエーテル、メチル−2−ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。
【0116】
アセトフェノン系化合物の具体例として、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどが挙げられる。
【0117】
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0118】
α−ジケトン系化合物の具体例として、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメートなどが挙げられる。
【0119】
多核キノン系化合物の具体例として、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。
【0120】
キサントン系化合物の具体例として、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられる。
【0121】
トリアジン系化合物の具体例として、1,3,5−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’、4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−ブロモ−4’−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
【0122】
上述のベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物及びトリアジン系化合物(以下、「ベンゾイン系化合物など」という)のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンが好ましく、それは形成されたピクセルパターンが現像の時に基板からほとんど剥離せず、ピクセル強度及び感度が高いからである。
【0123】
本発明では、ビイミダゾール環を有する化合物などを、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0124】
本発明では、ビイミダゾール環を有する化合物などを、増感剤、硬化促進剤、及び必要に応じてポリマー化合物で構成される光架橋剤又は光増感剤(以下、「ポリマー光架橋/増感剤」という)よりなる群から選択されるメンバー少なくとも1種と組み合わせて使用できる。
【0125】
増感剤の具体例として、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコンなどが挙げられる。
【0126】
硬化促進剤の具体例として、連鎖移動剤、例えば2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。
【0127】
さらに、ポリマー光架橋/増感剤は、光架橋剤及び/又は光増感剤として働きうる官能基を主鎖及び/又は側鎖中に有するポリマー化合物である。ポリマー光架橋/増感剤の具体例として、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂の縮合物、4−アクリロイルフェニルシンナモイルエステルのホモポリマー及びコポリマー、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエンなどが挙げられる。
【0128】
上述の増感剤、硬化促進剤、及びポリマー光架橋/増感剤のうちで、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましく、それは形成されたピクセルパターンが現像の時に基板からほとんど剥離せず、そしてピクセル強度及び感度が高いからである。
【0129】
本発明では、光重合開始剤は、特に好ましくは、ビイミダゾール系化合物(1)及びビイミダゾール系化合物(2)よりなる群から選択される少なくとも1種と、アセトフェノン系化合物及び/又はベンゾフェノン系化合物との組み合わせである。
【0130】
特に好ましい上述の組み合わせの例は、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせ;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンの組み合わせ;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの組み合わせ;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾールの組み合わせ;2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせ;2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンの組み合わせ;2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの組み合わせ;2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/2−メルカプトベンゾチアゾールの組み合わせ;2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾールの組み合わせ;及び2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンの組み合わせを含む。
【0131】
本発明では、ベンゾイン系化合物などの合計量が、光重合開始剤の全量に基づいて、好ましくは80wt%以下、増感剤と硬化促進剤の合計量は、光重合開始剤の全量に基づいて、好ましくは80wt%以下であり、そしてポリマー光架橋/増感剤の量は、ビイミダゾール系化合物(1)とビイミダゾール系化合物(2)との合計100重量部に基づいて、通常200重量部以下、好ましくは0.01〜200重量部、より好ましくは50〜180重量部である。
【0132】
本発明における光重合開始剤の量は、成分(A)の合計100重量部に基づいて、通常0.01〜200重量部、好ましくは1〜120重量部、特に好ましくは1〜50重量部である。光重合開始剤の量が0.01重量部よりも少ないと、露光による硬化が不十分であり、その結果ピクセルパターンが部分的に若しくは完全に欠落するか、又はアンダーカットされる恐れがある。一方、この量が200重量部より多いと、形成されたピクセルパターンが現像の時に基板から剥離しやすく、そしてピクセルが形成される部分以外の領域にステイン又はフィルム残留物が生成しやすくなる。
【0133】
本発明の感光性レジスト組成物は、必要に応じて、さらに、種々の添加剤を含有することができる。
【0134】
本発明の感光性レジスト組成物は、組成物の経時的な粘度を安定させるために、貯蔵安定剤を含有することができる。貯蔵安定剤の例として、第四級アンモニウムクロリド、例えばベンジルトリメチルクロリド及びジエチルヒドロキシアミン、有機酸、例えば乳酸及びシュウ酸並びにこれらのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、有機ホスフィン、例えばテトラエチルホスフィン及びテトラフェニルホスフィン、及び亜リン酸の塩が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の重量に基づいて、0.1%〜10%の量だけ用いることができる。
【0135】
添加剤の具体例として、青色顔料誘導体、例えば銅フタロシアニン誘導体及び黄色顔料誘導体用分散助剤;充填剤、例えばガラス及びアルミナ;ポリマー化合物、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル及びポリ(フルオロアルキルアクリレート);界面活性剤、例えばノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤;結合促進剤、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン;酸化防止剤、例えば2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び2,6−ジ−t−ブチルフェノール;紫外線吸収剤、例えば2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール及びアルコキシベンゾフェノン;及び凝集防止剤、例えばポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
【0136】
成分(B)を除く本発明の感光性レジスト組成物の上述の成分は全て、通常、適切な溶媒に溶解して液体組成物を調製する。
【0137】
それらが分散又は溶解可能で、かつ成分及び添加剤と反応せず、そして適切な揮発性を有するならば、任意の溶媒を許容できる。
【0138】
溶媒の具体例として、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノエチルエーテル;(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート;他のエーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン;ケトン、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン及び3−ヘプタノン;アルキルラクテート、例えばメチル2−ヒドロキシプロピオネート及びエチル2−ヒドロキシプロピオネート;他のエステル、例えばメチル2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート、エチル2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオネート、メチル3−メトキシプロピオネート、エチル3−メトキシプロピオネート、メチル3−エトキシプロピオネート、エチル3−トキシプロピオネート、エチルエトキシアセテート、エチルヒドロキシアセテート、メチル2−ヒドロキシ−3−メチルブチレート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、i−プロピルアセテート、n−ブチルアセテート、i−ブチルアセテート、n−アミルアセテート、i−アミルアセテート、n−ブチルプロピオネート、エチルブチレート、n−プロピルブチレート、i−プロピルブチレート、n−ブチルブチレート、メチルピルビン酸、エチルピルビン酸、n−プロピルピルビン酸、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート及びエチル2−オキソブチレート;芳香族炭化水素、例えばトルエン及びキシレン;カルボン酸アミド、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
【0139】
これらの溶媒は、単独で又は2種以上の混合状態で用いることができる。
【0140】
高沸点溶媒、例えばベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、ベンジルアセテート、エチルベンゾエート、ジエチルオキサレート、ジエチルマレエート、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテートを、溶媒と組み合わせて使用できる。
【0141】
これらの高沸点溶媒は、単独で又は2種以上の混合状態で用いることができる。
【0142】
上述の溶媒のうち、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、エチル2−ヒドロキシプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、エチル3−メトキシプロピオネート、メチル3−エトキシプロピオネート、エチル3−エトキシプロピオネート、n−ブチルアセテート、i−ブチルアセテート、n−アミルアセテート、i−アミルアセテート、n−ブチルプロピオネート、エチルブチレート、i−プロピルブチレート、n−ブチルブチレート及びエチルピルビン酸が、溶解性、顔料分散性及びコーティング特性の観点から好ましく、上述の高沸点溶媒のうち、γ−ブチロラクトンが好ましい。
【0143】
本発明における溶媒の量は、通常、バインダーポリマー(C)100重量部に基づいて、100〜10,000重量部、好ましくは500〜5,000重量部である。
【0144】
本発明の感光性組成物は、溶剤現像型又はアルカリ現像型の着色レジストの形態で製造することができる。レジストは、着色剤、例えば顔料、及び上述したさらなる物質を分散することにより製造することができる。本発明の感光性組成物から、5μm以上、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上の大きな粒子及び雑多のダストを、例えば、遠心分離、焼結フィルター又はメンブランフィルターによって除去するのが好ましい。
【0145】
本発明の第3の態様は、コーティングフィルムを提供することである。コーティングフィルムは、上述したバインダーポリマー(C)、ジアクリルモノマー(A)、光重合開始剤(D)、及び着色剤(B)を含む着色感光性レジスト組成物を含む。
【0146】
好ましくは、着色剤(B)は、C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264若しくは272又はこれらの混合物よりなる群から選択される赤色顔料を含む。コーティングフィルム中の赤色顔料の好ましい含有量は0.02〜1.5g/mである。
【0147】
着色剤が、C.I.ピグメントグリーン7、10、36若しくは37又はこれらの混合物よりなる群から選択される緑色顔料を含み、コーティングフィルム中の緑色顔料の含有量が、0.02〜1.5g/mであるコーティングフィルムも好ましい。
【0148】
同様に、着色剤が、C.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60若しくは64又はこれらの混合物よりなる群から選択される青色顔料を含み、コーティングフィルム中の青色顔料含有量が、0.02〜1.5g/mであるコーティングフィルムが好ましい。
【0149】
本発明の第3の態様は、カラーフィルターを提供することである。本発明のカラーフィルターは、本発明の感光性組成物を用いて形成したフィルターセグメントを少なくとも1つ有する。カラーフィルターには、少なくとも1つの赤色フィルターセグメント、少なくとも1つの緑色フィルターセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルターセグメントを含む加法混色型、並びに少なくとも1つのマゼンタフィルターセグメント、少なくとも1つのシアンフィルターセグメント、及び少なくとも1つの黄色フィルターセグメントを含む減法混色型がある。赤色フィルターセグメントを形成する赤色着色感光性組成物、緑色フィルターセグメントを形成する緑色着色感光性組成物、及び青色フィルターセグメントを形成する青色着色感光性組成物にそれぞれ用いる顔料は、すでに記載した。同様に、マゼンタフィルターセグメントを形成するマゼンタ着色感光性組成物、シアンフィルターセグメントを形成するシアン着色感光性組成物、及び黄色フィルターセグメントを形成する黄色着色感光性組成物にそれぞれ用いる顔料は、すでに記載した。
【0150】
好ましくは、本発明のカラーフィルターは、赤色感光性レジスト層、緑色感光性レジスト層、及び青色感光性レジスト層を含み;
(i)赤色感光性レジスト層は、上述したコーティングフィルムを含み、着色剤(B)が、C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264若しくは272又はこれらの混合物よりなる群から選択される赤色顔料を含み、コーティングフィルム中の赤色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mであり;
(ii)緑色感光性レジスト層は、上述したコーティングフィルムを含み、着色剤(B)が、C.I.ピグメントグリーン7、10、36若しくは37又はこれらの混合物よりなる群から選択される緑色顔料を含み、コーティングフィルム中の緑色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mであり;そして
(iii)青色感光性レジスト層は、上述したコーティングフィルムを含み、着色剤(B)が、C.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60若しくは64又はこれらの混合物よりなる群から選択される青色顔料を含み、コーティングフィルム中の青色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mである。
【0151】
本発明の第4の態様は、カラーフィルターを製造する方法を提供することである。本方法は、:(a)感光性レジスト層を形成する工程;(b)感光性レジスト層を露光する工程;次いで(c)感光性レジスト層を現像する工程を含み;感光性レジスト層は上述した感光性レジスト組成物を含む。
【0152】
本発明のカラーフィルターは、それぞれのフィルターセグメントを、透明基板上に、本発明の感光性組成物を用いて、フォトリソグラフィの方法で形成することにより製造することができる。
【0153】
透明基板として、ガラス板又は樹脂板、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレンテレフタレートを用いることができる。
【0154】
フォトリソグラフィ法によるそれぞれのカラーフィルターセグメントの形成は、次の方法によって行うことができる。すなわち、溶剤現像型又はアルカリ現像型着色レジストの形態で調製した感光性組成物を、透明基板上に、コーティング方法、例えばスプレーコーティング、スピンコーティング、スリットコーティング、又はロールコーティングによって、乾燥時の厚さ0.2〜5μmにコーティングする。次いで、乾燥したコーティング上に、接触状態又は非接触状態で、コーティング上に与えられた所定のパターンを有するマスクを通して、紫外線露光を行う。次いで、コーティングを溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、又は例えば、現像液をスプレーを用いてコーティング上に噴霧することにより、非硬化部分を除去する。他の色についても同様の操作を繰り返し、カラーフィルターを製造する。フォトリソグラフィ法は、印刷法により製造したものよりも高い精度を持つカラーフィルターを製造することができる。
【0155】
アルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムの水溶液を用いることができる。また、有機アルカリ、例えばジメチルベンジルアミン又はトリエタノールアミンを用いることができる。消泡剤又は界面活性剤を現像液に加えることができる。
【0156】
さらに、紫外線露光の感度を高めるために、コーティングされ乾燥された着色レジスト上に、水溶性又はアルカリ可溶性の樹脂、例えばポリビニルアルコール又は水溶性アクリル樹脂をコーティングし、次いでコーティングされた樹脂を乾燥して、酸素により起こる重合阻害を防ぐフィルムを形成した後で、紫外線露光を行うこともできる。
【0157】
本発明の感光性レジスト組成物を用いるカラーフィルターを形成する方法のより詳細な説明を、続いて示す。
【0158】
最初に、透明基板の表面上に、光散乱層を形成して、ピクセルを形成する部分を画定する。例えば、分散された赤色顔料を有する液体感光性レジスト組成物を、この基板上にコーティングしてコーティングフィルムを形成する。その後、コーティングフィルムにフォトマスクを介して放射線露光し、アルカリ現像液で現像して、コーティングフィルムの未露光部分を溶解除去して、所定のパターンで配列された赤色ピクセルのアレイを形成する。
【0159】
その後、分散された緑色及び青色顔料を有する液体感光性レジスト組成物を、上述と同じ方法で、コーティングし、露光し、現像して、緑色ピクセル及び青色ピクセルのアレイを、同一基板上に逐次的に形成する。こうして、基板上に配列された3つの赤色、緑色及び青色ピクセルのアレイを有するカラーフィルターが得られる。
【0160】
カラーフィルターを形成するのに用いる透明基板は、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどから製造される。透明基板は、適切な前処理、例えば、シランカップリング剤などを用いる化学処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、ガス蒸気反応プロセス又は真空蒸着に付すことができる。
【0161】
液体感放射線性組成物を透明基板上にコーティングするために、回転コーティング、キャストコーティング、ロールコーティングなどを適切に使用することができる。
【0162】
乾燥後のコーティングフィルムの厚さは、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5.0μm、特に好ましくは0.2〜3.0μmである。
【0163】
カラーフィルターを形成するのに用いる放射線は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子ビーム、X線などから選択される。190〜450nmの波長を有するのが好ましい。
【0164】
放射線の照射エネルギーは、好ましくは1〜1,000mJ/cmである。
【0165】
アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネンなどの水溶液が好ましい。
【0166】
アルカリ現像液は、水溶性有機溶媒、例えばメタノール又はエタノール、及び界面活性剤を適切な量で含有することができる。アルカリ現像液は通常、水で洗い落とされる。
【0167】
現像は、シャワー現像、スプレー現像、ディップ現像、パドル現像などにより、常温で、5〜300秒行う。
【0168】
このように形成されたカラーフィルター(これも本発明の態様である)は、カラー液晶ディスプレイ装置、カラー撮像素子、カラーセンサなどに極めて有効である。
【0169】
このように形成されたカラーフィルターの、電子ペーパーディスプレイ装置における使用が特に好ましい。さらに、本発明の別の態様は、このように形成されたカラーフィルター少なくとも1つを含む電子ペーパーディスプレイ装置を提供することである。
【0170】
上述したように、感光性レジスト組成物は、低温基板及び/又はディスプレイ、例えば電子ペーパーに関連するカラーフィルターの製造に特に適切である。
【0171】
しかし、基本的に、ガラス以外の基板を使用する、全ての軟質ディスプレイは、低温カラーフィルター法が必要である。インクジェット、直接印刷などのように、パターニングの必要がない、新規なこれから現れる技術も、コーティングされたピクセルを硬化する必要がある(溶剤除去、硬化など)。例えばインクジェットは、多くの場合、熱硬化の代わりに放射線硬化を使用する(例えば、Yoshihiroら、JP−2002−371216を参照)。これらの技術に対しても、本発明のジアクリレートモノマーは強い利点をもたらす。
【0172】
したがって、本発明の好ましい実施態様は、上述した本発明の感光性レジスト組成物を用いるカラーフィルターを製造するための、フィルター材料を印刷する方法に関する。ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)用のカラーフィルターを製造するための、赤色、緑色、及び青色フィルター材料の印刷を伴う特定の適用を見い出した。しかし、本発明の方法が、他のタイプのディスプレイ、ディスプレイ装置などの用途のためのカラーフィルターの製造にも適用できることは明らかであろう。
【0173】
したがって、目的は、送達される指定されたセルからのインクの流れを防止するための物理的バリヤを用いることにより、着色インクを所定の位置に付着するために、インクジェット印刷システムをうまく用いる手段を提供することにより、液晶又は類似のディスプレイに用いるカラーフィルターを製造することである。着色インクは、極めて正確なやり方で、インクジェットプロセスにより、又は着色熱可塑性プラスチック若しくはワックスのいずれかが基板上に送達されるフォトコピーのようなプロセスによって、付着することができる(これらの装置の解像度は、カラーフィルターに対する必要条件より高いので)。バックグラウンドは色で完全に飽和されること、及び平滑な色の移り変わりを作るために一つの色ドットから次への良好な連続があることが確実になる。各色及び黒色マトリックスの間の移り変わりが鮮明で、色は分れて純粋なままである。
【0174】
高くした黒色マスクをガラス又はポリマーのシート上に置くために、リソグラフィの工程又は高解像度印刷工程を用いることによって、インク又はトナーを入れるためのダムを本質的に形成することができる。次いで、カラーフィルターは、インクジェット又はレーザプリンター機構を用いて「印刷される」。このようなプロセスを用いて、アラインメントマークなどを提供し、並びに色の混合を防止する働きもして純粋な色及び極めてきれいな色の間の区別を確実にするただ一つのリソグラフィの工程が必要とされる。このプロセスについて、効果的に働くために、黒色マトリックス(マスク)の厚さは、現在のLCDに見られるものより著しく厚くなければならないということが重要である。物理的バリヤは、液体の動きを防止し、ダム、表面ぬれ現象などを含むことができる任意の手段を意味することができる。この発明はLCD用の将来のピクセル寸法に対して有効であることに気をつけなければならない。
【0175】
本発明をさらに具体的に説明することを目的に以下に実施例を示すが、これらは限定とみなされるものではない。
【0176】
実施例
フォトレジストの溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中の未硬化サンプルを用いて、超音波浴中、室温で試験を行った。標準的なレジストは、15分後、ほぼ完全に破壊された。本発明によるレジストは、超音波浴中、2時間後に、微量の損傷しか示さなかった。
【0177】
さらなる試験として、最大温度90℃で露光した完全なカラーフィルターを製造した。
【0178】
実施例1
IrgaphorレッドBT−CF 1gを、EFKA4340 1g、一般的なバインダー(メタクリル酸と芳香族メタクリレートのコポリマー)のPGMEA中の25%溶液 3.2g、及びPGMEA 7gと混合した。30gのジルコンビーズを加え、混合物をSkandex中で少なくとも5時間振盪した。この後ビーズを分離し、グリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレート(GDDA; Aldrich)1g、PGMEA 3g、及びIrgacure369 0.1gを加えた。オープンスピンコータ中で、この混合物をポリエチレン(PE)基板上に、800rpmで30秒スピンし、自然乾燥した。
【0179】
乾燥した基板を、フォトマスクを介して、高圧力タングステンランプのUV光を用いて露光した。UV光の量は、20〜40mJ/cmであった。露光した基板を、水中のTMAH(テトラメトキシアンモニウムハイドロオキサイド、0.125M)及び界面活性剤(0.5%)の混合物中で、約60秒現像し、十分に水ですすいだ。
【0180】
実施例2(比較例):
GDDAをジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート(Dipetia、Sartomer 399、Sartomer)に置き換えたほかは、実施例1に記載されている全工程を繰り返した。
【0181】
実施例3
実施例1及び2からの2枚の基板を、PGMEAの入ったビーカーに入れた。このビーカーを超音波浴に入れ、15分間超音波処理した。実施例1の基板は、いかなる変化も示さなかった。実施例2の基板上のパターンは、ほぼ完全に除去された。
【0182】
実施例4
実施例3を繰り返したが、今度は2時間である。
【0183】
実施例1の基板上のパターンは、多少の損傷を示した。パターンの約10〜15%は破壊された。実施例2の基板上のパターンは完全に除去された。基板は汚れがなかった。
【0184】
実施例5
実施例1を繰り返したが、IrgaphorレッドBT−CFを、PB15:6 0.9g及びPV23 0.1gに置き換えた。EFKA4340をDisperbyk161(30%、1.5g)に置き換えた。得られたフォトレジストを、実施例1からの赤色基板の上に塗布し、90℃で3分間プリベークし、次いで約100mJ/cm露光した。現像時間は約45秒であった。
【0185】
実施例6
実施例1を繰り返したが、IrgaphorレッドBT−CFを、PG36 0.6g及び黄緑色顔料0.4gに置き換えた。EFKA4340をSolsperse24’000 0.5gに置き換えた。出発PGMEAの量は9gであった。得られた顔料着色フォトレジストを、実施例5の赤色+青色パターン上にコーティングした。90℃でのプリベークを3分行った。現像液を水(0.063%のTMAH及び0.25%の界面活性剤)で、1:1で希釈した。現像時間は約60秒であった。
【0186】
結果は明確に定められたピクセルを有する完全な赤色、緑色、青色カラーフィルターであった。緑色フォトレジストの現像後、赤色及び青色ピクセルの損傷は見られなかった。
【0187】
ジアクリレートモノマー合成の典型的な方法:
グリコール−ジグリシジルエーテルジアクリレートモノマーを、対応するジグリシジルエーテル及びアクリル酸から合成した。典型的な方法においては、アクリル酸(1mol)、ジグリシジルエーテル(0.5mol)、重合防止剤及び触媒の混合物を、80〜110℃で数時間、反応物質が完全に消失するまで反応させた。反応の進行をGC又はHPLCによりモニターした。種々の触媒、例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、三フッ化ホウ素、トリフェニルホスフィン、種々の金属塩、又は当業者に周知の任意の他のエポキシド開環触媒を用いることができる。触媒は反応の初めに一度に加えても、あるいは反応の間、連続的に又は一定の間隔で徐々に加えてもよい。反応防止剤を用いて、アクリレートの望ましくない重合を防止する。例は、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンエーテル、例えばヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチルピロカテコール、フェノチアジン、p−フェニレンジアミン、メチレンブルー、立体障害フェノール類、及びニトロキシル、例えばTEMPOを含み、当業者に広く知られている。反応防止剤の、個々又は混合物としての割合は、反応混合物全体の重量を基準として、通常、約0.01〜約1重量%の範囲であってよい。
【0188】
実施例7
実施例1の配合物をメチルエチルケトン(MEK)45gで希釈した。MEKの代わりに、PGMEA又はシクロヘキサノンなどのような溶媒も可能である。
【0189】
得られた溶液をインクジェット実験に用いた。Fujifilm Dimatix製インクジェットヘッドを用いて、PET箔上に、液滴をパターン様に付着し、その後UV硬化した。
【0190】
図1に示す写真から解釈できるように、黒色の四角は標的領域を形づくり、灰色のドットはインクジェット液滴である。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】図1は、実施例7のインクジェット実験により得られたパターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(I):
【化1】


(式中、R1’、R1”、R2’、R2”、R3’及びR3”は、互いに独立して、H、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキル、Eで置換されていてもよいC6〜C30アリール、E、−SR5で置換されていてもよいC2〜C30ヘテロアリール;−NR56であり;
4’は、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキルであり;
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、又は−POR5−であり;
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7、又はハロゲンであり;
5及びR6は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシで置換されたC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;又は−O−で中断されたC1〜C18アルキルであるか;又はR5及びR6は一緒になって5員又は6員環を形成し、
7は、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシで置換されたC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;−O−で中断されたC1〜C18アルキルであり;
Y’及びY”は、互いに独立して、−OH又はハロゲンであり;そして
X’及びX”は、互いに独立して、O又はSである)のジアクリレートモノマーを含む、感光性レジスト組成物。
【請求項2】
(A)一般式(II):
【化2】


(式中、R4’は、Eで置換及び/又はDで中断されていてもよいC1〜C18アルキルであり;
Dは、−CO−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR5−、又は−POR5−であり;
Eは、−OR5、−SR5、−NR56、−COR8、−COOR7、−CONR56、−CN、−OCOOR7、又はハロゲンである)のジアクリレートモノマーを含む、請求項1記載の感光性レジスト組成物。
【請求項3】
ジアクリレートモノマー(A)が、
【化3】




(式中、nは、1〜10の整数である)よりなる群から選択される、請求項1記載の感光性レジスト組成物。
【請求項4】
さらに
(B)着色剤;
(C)バインダーポリマー;及び
(D)光重合開始剤
を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の感光性レジスト組成物。
【請求項5】
着色剤(B)が有機着色剤及びカーボンブラックよりなる群から選択される、請求項4記載の感光性レジスト組成物。
【請求項6】
バインダーポリマー(C)を、着色剤(B)100重量部に基づいて10〜1,000重量部の量で、ジアクリレートモノマー(A)を、バインダーポリマー(C)100重量部に基づいて5〜500重量部の量で、そして光重合開始剤(D)を、ジアクリレートモノマー(A)の合計100重量部に基づいて0.01〜200重量部の量で含む、請求項4記載の感光性レジスト組成物。
【請求項7】
バインダーポリマー、請求項1〜3のいずれか1項記載のジアクリルモノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含む感光性レジスト組成物のコーティングフィルムであって;該着色剤がC.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264若しくは272又はこれらの混合物よりなる群から選択される赤色顔料を含み;該コーティングフィルム中の赤色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mである、感光性レジスト組成物のコーティングフィルム。
【請求項8】
バインダーポリマー、請求項1〜3のいずれか1項記載のジアクリルモノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含む感光性レジスト組成物のコーティングフィルムであって;該着色剤がC.I.ピグメントグリーン7、10、36若しくは37又はこれらの混合物よりなる群から選択される緑色顔料を含み;該コーティングフィルム中の緑色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mである、感光性レジスト組成物のコーティングフィルム。
【請求項9】
バインダーポリマー、請求項1〜3のいずれか1項記載のジアクリルモノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含む感光性レジスト組成物のコーティングフィルムであって;該着色剤がC.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60若しくは64又はこれらの混合物よりなる群から選択される青色顔料を含み;該コーティングフィルム中の青色顔料の含有量が0.02〜1.5g/mである、感光性レジスト組成物のコーティングフィルム。
【請求項10】
赤色感光性レジスト層、緑色感光性レジスト層、及び青色感光性レジスト層を含むカラーフィルターであって、赤色感光性レジスト層が請求項7記載のコーティングフィルムを含み、緑色感光性レジスト層が請求項8記載のコーティングフィルムを含み、そして青色感光性レジスト層が請求項9記載のコーティングフィルムを含むカラーフィルター。
【請求項11】
感光性レジスト層を形成し、感光性レジスト層を露光し、感光性レジスト層を現像すること含み、感光性レジスト層が請求項1〜6のいずれか1項記載の感光性レジスト組成物を含む、カラーフィルターの製造方法。
【請求項12】
感光性レジスト層を印刷技術、好ましくはインクジェット印刷により付着する、請求項11記載のカラーフィルターの製造方法。
【請求項13】
請求項11又は12記載の方法により製造されたカラーフィルター。
【請求項14】
請求項14記載のカラーフィルターを用いる電子ペーパーディスプレイ装置。

【図1】
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【公表番号】特表2009−531727(P2009−531727A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502026(P2009−502026)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052671
【国際公開番号】WO2007/113107
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】