説明

電子内視鏡

【課題】照明光としての短波長の光を十分な光量で照射することが可能であり、且つ先端部の細径化を図ることができる。
【解決手段】電子内視鏡に設けられた先端部16aは、撮像部36及び光源部37が組み込まれている。撮像部36は、対物光学系ユニット34、プリズム38、CCD39を備える。対物光学系ユニット34の対物光学系27は、光軸が先端部16aの挿入方向と平行に配される。CCD39は挿入方向と平行に配される。プリズム38は、対物光学系27によって取り込まれた被検体内の像光をCCD39に結像させる。プリズム38に対して先端部16aの挿入方向における基端側に青色光を発する半導体光源45を配置し、半導体光源45からの青色光を照明レンズ28に光ファイバ束33で導いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内を観察する電子内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、電子内視鏡を用いた診断や治療が数多く行われている。電子内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部の先端部に、被検体内の像光を取り込むための対物光学系と、対物光学系により取り込んだ像光が結像される撮像素子と、被検体内へ照明光を照射するための照明光学系とを備えている。
【0003】
医療用の電子内視鏡では、生体組織内の血管の異常構造などを観察する場合、周辺部位に対して血管を強調した観察画像を取得することが求められる。血液成分であるヘモグロビンは青色光の吸収率が高く、赤色光の吸収率が低い。すなわち、青色光は表層で吸収されるが、赤色光は血管の内部にまで深達して散乱する。よって、血管と周辺部位とのコントラストを大きくして観察するためには、照明光学系からより多くの青色光を被検体に照射することが必要である。
【0004】
従来の電子内視鏡では、挿入部及び手元操作部などの内部を通って配された光ファイバ束が設けられ、この光ファイバ束が電子内視鏡の外部に配置された光源から発する青色光を導く(例えば、特許文献1)。なお、光ファイバ束としては、NA(Numerical Aperture:開口数)がなるべく大きいものを用いる。NAが大きい光ファイバ束は、光の照射角が大きいため、被検体内を広い範囲で照明することができる。また、特許文献2に記載されている電子内視鏡では、挿入部の先端部に青色光を発する光源としてのLEDなどの半導体光源を設け、このLEDが発する青色光を被検体へ照射する。
【0005】
一方、電子内視鏡では、挿入時における患者の負担を減らすために、先端部のさらなる細径化が求められている。そこで、特許文献3記載の電子内視鏡のように、対物光学系の光軸を挿入部の軸方向(挿入方向)と平行に配置し、且つ撮像素子を対物光学系の光軸と平行に配置し、対物光学系により取り込まれた像光の光路を屈折させて、撮像素子の受光面へ入射させるプリズムを対物光学系の後端部に設ける。これにより、面積の大きい撮像素子を挿入部の軸方向と平行に配置することができるので、先端部の内部スペースに効率良く部品を配置して小径化に寄与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−170009号公報
【特許文献2】特開2009−297290号公報
【特許文献3】特開2002−136474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1記載の電子内視鏡のように、外部の光源から供給された光を光ファイバからなるライトガイドで導くと、伝達損失により光量の減衰が大きく、特に短波長の光は、光ファイバの寸法が長い程減衰率が大きくなる。また、全長の長い光ファイバで十分な光量を得ようとすると、大出力の半導体光源を備えることが必要となり、コスト面及び安全性の面で好ましくない。さらに、NAの大きい光ファイバを用いた場合、光源から先端部まで導く距離が長いと、内部で反射する回数が増加するため、短波長の光の減衰が顕著になる。
【0008】
また、上記特許文献2のように先端部に光源を設ける電子内視鏡では、先端付近には光源とともに、対物光学系などが配されており、対物光学系と光源とを並べて配置すると、先端部の細径化を妨げることになる。さらにまた、小型且つ十分な光量が得られるLEDは高価であり、電子内視鏡のローコスト化の妨げとなる。なお、特許文献3では、短波長の照明を照射するために電子内視鏡に光源を配置すること、あるいは光ファイバで照明光を導く際の減衰などは考慮されていない。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、挿入部の先端部内において、照明光としての短波長の光を十分な光量で照射することが可能であり、且つ先端部の細径化を図ることを可能とする電子内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電子内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部の先端部に設けられ、前記先端部の内部且つ前記挿入部の挿入方向と平行に配された撮像素子と、前記先端部の先端面から露呈する位置で、且つ前記挿入方向と平行に配設され、被検体内の像光を取り込んで観察を行うための対物光学系と、前記対物光学系が取り込んだ像光を屈折させて前記撮像素子に結像させるための光路変換部材と、前記先端部の内部で、前記光路変換部材に対して前記挿入方向における基端側に配され、短波長の光を発する光源と、前記先端面から被検体内へ照明光を照射するための照明光学系と、前記光源からの光を前記照明光学系に導く光ファイバ束とからなることを特徴とする。
【0011】
前記光源は、半導体光源であることが好ましい。前記光ファイバ束は、NAが0.5以上であることが好ましい。
【0012】
前記光源が発する短波長の光は、波長が550nm以下の青色光であることが好ましい。
【0013】
前記光路変換部材は、プリズムであることが好ましい。前記光路変換部材の基端側、且つ前記光ファイバ束と前記光源との間に、前記光源からの光を前記光ファイバ束に集光させるための集光部材を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、対物光学系が取り込んだ像光を屈折させて撮像素子に結像させるための光路変換部材の基端側に、短波長の光を発する光源を配し、この光源からの光を光ファイバで照明光学系に導いているので、血管と周辺部位とのコントラストが大きい観察画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電子内視鏡システムの外観斜視図である。
【図2】電子内視鏡の先端部の構成を示す斜視図である。
【図3】対物光学系及び照明光学系に沿って切断した先端部の断面図である。
【図4】ヘモグロビンの吸光係数を示すグラフである。
【図5】光ファイバの減衰率を示すグラフである。
【図6】2つの照明光学系に導く光ファイバ束を備えた変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に示すように、電子内視鏡システム10は、電子内視鏡11、プロセッサ装置12、送気・送水装置13などから構成されている。送気・送水装置13は、エアーの送気を行う周知の送気装置(ポンプなど)13aが内蔵され、外部に設けられた洗浄水タンク13bに洗浄水を貯留する。電子内視鏡11は、被検体内に挿入される挿入部16と、挿入部16の基端部分に連設された手元操作部17と、プロセッサ装置12及び送気・送水装置13に接続されるコネクタ18と、手元操作部17とコネクタ18との間を繋ぐユニバーサルコード19とを有する。
【0017】
挿入部16は、その先端に設けられ、被検体内撮像用の撮像素子としてのCCD型イメージセンサ(図3参照。以下、CCDという)39等が内蔵された先端部16aと、先端部16aの基端に連設された湾曲自在な湾曲部16bと、湾曲部16bの基端に連設された可撓性を有する可撓管部16cとからなる。
【0018】
コネクタ18は複合タイプのコネクタであり、プロセッサ装置12、及び送気・送水装置13がそれぞれ接続される。手元操作部17には、湾曲部16bを上下左右に湾曲させるためのアングルノブ21や、送気・送水ノズル30(図2参照)からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタン22といった操作部材が設けられている。また、手元操作部17には、鉗子チャンネル(図示せず)に電気メス等の処置具を挿入するための鉗子入口23が設けられている。
【0019】
プロセッサ装置12は、電子内視鏡システム10の動作を統括的に制御する。プロセッサ装置12は、ユニバーサルコード19や挿入部16内に挿通された撮像素子用ケーブル43及び光源用ケーブル51(図3参照)を介して電子内視鏡11に給電を行い、CCD39及び半導体光源45(図3参照)の駆動を制御する。また、プロセッサ装置12は、撮像素子用ケーブル43を介してCCD39から出力された撮像信号を取得し、各種画像処理を施して画像データを生成する。プロセッサ装置12で生成された画像データは、プロセッサ装置12にケーブル接続されたモニタ24に観察画像として表示される。
【0020】
図2及び図3に示すように、先端部16aは、先端部本体25、この先端部本体25の先端側に固着される先端保護キャップ26、対物光学系27、照明光学系としての照明レンズ28、鉗子出口29、及び送気・送水ノズル30を備える。先端部本体25には、対物光学系ユニット34や、光ファイバ束33などの各部品を保持する貫通孔25a,25bが挿入部16の軸方向に沿って形成されている。先端部本体25の後端は、湾曲部16bを構成する先端側の湾曲駒31に連結されている。
【0021】
先端保護キャップ26は、先端部本体25の先端側を覆う先端板部26aと、先端部本体25の外周面を覆う円筒部26bとからなる。湾曲部16bの外周面を覆う外皮層32が先端部本体25まで延在し、外皮層32の先端と円筒部26bの後端とが突き合わされて端部同士が接着剤などにより固着されている。先端板部26aには、挿入部16の軸方向(挿入方向)と直交する平坦状であり、先端側に位置する先端面26cが形成されている。先端板部26aには、貫通孔26d〜26f、及び鉗子出口29が形成されている。
【0022】
対物光学系27は、鏡筒35とともに対物光学系ユニット34を構成する。鏡筒35は、対物光学系27を保持する。対物光学系27は、固定焦点型であり、挿入部16の挿入方向と平行な方向に沿って光軸が配されている。対物光学系ユニット34は、鏡筒35の外周面が先端部本体25の貫通孔25aに、最先端側のレンズ27aの外周面が先端保護キャップ26の貫通孔26dにそれぞれ嵌合し、鏡筒35の先端面が先端保護キャップ26に突き当たって取り付けられている。これにより、対物光学系27は、レンズ27aが、貫通孔26dから露呈する位置に配され、且つ光入射面となる表面が先端面26cと同一面上に位置し、挿入方向と平行な方向からの像光を取り込む。
【0023】
照明レンズ28は、貫通孔26eから露呈する位置に取り付けられ、且つ表面が先端面26cと同一面上に位置する。照明レンズ28の奥には、後述する光ファイバ束33の出射端が面している。照明レンズ28は、光ファイバ束33によって導かれた照明光を対物光学系ユニット34が像光を取り込む観察範囲に向かって照射する。
【0024】
また、鉗子出口29は、鉗子管路(図示せず)を介して手元操作部17の鉗子入口23に連通している。鉗子入口23から挿入された各種処置具は、鉗子管路に導かれ、鉗子出口29から先端を突出して処置を行うことができる。送気・送水ノズル30は、貫通孔26fから露呈するように設けられ、送気・送水装置13から供給されたエアーや洗浄水を対物光学系27に向けて噴射して、対物光学系27に付着した汚れなどを洗い流すことができる。
【0025】
先端部16aには、撮像部36及び光源部37が組み込まれている。撮像部36は、対物光学系ユニット34、プリズム38(光路変換部材)、CCD39とを備える。CCD39は、先端部16aの内部、且つ先端部16aの挿入方向と平行、すなわち対物光学系ユニット34の光軸方向と平行に配されている。このCCD39は、先端部本体25の内部に形成された収納部25cに配されている。収納部25cは、先端部本体25の後端面から切り欠かれた形状の開口部であり、貫通孔25a,25bと連通する。
【0026】
鏡筒35の後端部には、プリズム38が取り付けられている。プリズム38は、45°直角二等辺三角形のプリズムであり、直角と対向する斜面に入射光を反射させるミラー38aが形成されている。プリズム38の出射面38bには、カバーガラス40が接続されている。
【0027】
CCD39は、例えばインターライン型のCCDからなり、撮像面(図示せず)が表面に設けられたベアチップが用いられる。CCD39の撮像面には、四角枠状のスペーサ41を介してカバーガラス40が取り付けられている。対物光学系27によって取り込まれた被検体内の像光は、プリズム38のミラー38aによって直角に屈折されてCCD39の撮像面に結像され、撮像信号に変換される。
【0028】
CCD39の基端面には、CCD39と略同等の厚さをもつ回路基板42が接着されている。CCD39と回路基板42とは電気的に接続されている。回路基板42の後端部に形成された端子には、撮像素子用ケーブル43が接続されている。撮像素子用ケーブル43は、複数の信号線43aを束ね、束ねた信号線43aの上をチューブ44で覆っている。各信号線43aは、ハンダ付けなどにより回路基板42の端子に接続されている。撮像素子用ケーブル43は、回路基板42を介してCCD39の基端側に配置されるので、プリズム38の基端側には、スペース的に余裕がある。
【0029】
プリズム38に対して挿入方向における基端側であり、プリズム38と対面する位置には、光源部37が配置されている。光源部37は、半導体光源45が設けられた半導体基板46と、集光レンズ47と、レンズ枠48と、支持片49とからなる。半導体光源45としては、LEDが使用される。
【0030】
半導体基板46には、接続端子50が設けられている。接続端子50には、ハンダ付けなどにより、光源用ケーブル51が接続されている。光源用ケーブル51は、撮像素子用ケーブル43とともに束ねられる。
【0031】
半導体光源45は短波長の光である青色光を発し、具体的には、青色光として550nm以下の波長の光を発する。さらに、半導体光源45が発する青色光としては、350nm以上、550nm以下の波長であることが好ましく、400nm以上、550nm以下の波長の光であることがさらに好ましい。図4に示すように、血液中のヘモグロビンは、照明光の波長によって吸光係数mMcm−1が変化する。なお、Hbは酸化ヘモグロビンの吸光係数を示し、HbO2は還元ヘモグロビンの吸光係数をそれぞれ示す。これらの吸光係数は、の大きさ(吸光度)を示しており、赤色光(700nm以上)では吸収率が低く、上述した青色光(550nm以下)では吸収率が高いことが分かる。
【0032】
集光レンズ47は、光ファイバ束33と半導体光源45との間に配され、半導体光源45が発する青色光を集光して光ファイバ束33に導く。レンズ枠48は、内部に集光レンズ47を収納するとともに、基端側に半導体基板46が固着される。
【0033】
光ファイバ束33は、多数の光ファイバ(例えば、石英からなる)を束ねており、外周面にチューブを被覆して形成されたものである。この光ファイバ束33は、先端側が先端部本体25に、基端部がレンズ枠48にそれぞれ保持され、半導体光源45からの青色光を照明レンズ28に導く。この光ファイバ束33としては、NAが大きい光ファイバ束、好ましくは、NAが0.5以上の光ファイバ束が使用される。
【0034】
レンズ枠48は、支持片49に固着される。支持片49は、フレキシブル基板52により、回路基板42と連結されている。これにより、回路基板42と、レンズ枠48とは、フレキシブル基板52及び支持片49を介して連結されており、軸方向の移動が規制される。軸方向の移動が規制されたレンズ枠48と、レンズ枠48に保持される集光レンズ47及び半導体基板46は、CCD39及び回路基板42とともに先端部本体25の収納部25cに収納される。なお、集光レンズ47及び半導体基板46の取り付け構造としては、上記の構造に限らず、集光レンズ47及び半導体基板46を先端部本体25の内部に配置できる取り付け構造であればよく、例えば、回路基板42や、先端部本体25にレンズ枠48あるいは半導体基板46を固定してもよい。
【0035】
上述したように、CCD39を先端部16aの挿入方向と平行に配し、対物光学系27によって取り込まれた被検体内の像光をCCD39に結像させるためのプリズム38を設け、このプリズム38に対して先端部16aの挿入方向における基端側に青色光を発する半導体光源45を配置し、半導体光源45からの青色光を照明レンズ28へ光ファイバ束33で導いているので、光ファイバ束33は、先端部16aの内部に収まり、寸法を短くすることができる。よって、半導体光源45から発する青色光は伝達損失が少なく、電子内視鏡11を用いて観察を行うとき、十分な青色光を被検体内に照射することができる。また、光ファイバ束33は、短い寸法で青色光を導くため、0.5以上という大きいNAの光ファイバ束を用いることができる。NAが大きい光ファイバ束33では、十分な照射角を有するため、この光ファイバ束33で青色光が導かれた照明レンズ28は被検体に広い範囲で青色光を照射することができる。そして、照明レンズ28から青色光の照明光が被検体内の観察範囲に照射されたとき、この観察範囲を撮像する撮像部36では、血管と周辺部位とのコントラストが大きく、血管が強調された観察画像を取得してモニタ24に表示することができる。
【0036】
なお、従来の電子内視鏡では、約3mの光ファイバ束で外部の光源から挿入部先端部の照明光学系まで光を導いていため、伝達損失が大きかった。図5に示すように、長い光ファイバ束を用いた場合、短波長の光では減衰率が大きくなっている。L1,L2,L3は、寸法がそれぞれ1m,5m,10mの光ファイバ束を用いた場合の減衰率を示す。これらの光ファイバ束では、特に550nm以下の短波長の光は、減衰率が大きいことが分かる。本発明では、光ファイバ束33を短い寸法で形成することができるため、このようなことがない。また、半導体光源45としては、汎用の部品で十分な光量を得ることができるため、電子内視鏡のローコスト化を図ることができる。
【0037】
また、先端部16aでは、スペースに余裕のあるプリズム38の基端側に、半導体光源45及び集光レンズ47を配置しているので、先端部16aの内部スペースに効率良く部品を配置して小径化を図ることができる。また、大きいNAの光ファイバ束33を用いているため、照明レンズ28としては小径のサイズのものを使用することが可能であり、例えば、対物光学系27の直径が3mmであれば、光ファイバ束38は約30μmの光ファイバを1000〜6000本束ねたもので直径が1.3mmであり、照明レンズ28は直径が1.5mmのものであればよい。よって、さらなる先端部16aの小径化を図ることができる。
【0038】
上記第1実施形態では、先端部16aに設けられた半導体光源45から、1つの照明レンズ28へ光を導く光ファイバ束33を備える構成を上げているが、これに限らず、図6に示す先端部60のように、半導体光源45から2つの照明レンズ61a,61bへ向かって、途中で分岐された光ファイバ束62a,62bを用いてもよい。なお、図6においては、上記第1実施形態と同様の部品については、同符号を付して説明を省略する。
【0039】
この第2実施形態では、先端部60には、対物光学系27を間に挟んで2つの照明レンズ61a,61bが設けられている。光ファイバ束62a,62bは、先端側が先端部本体25に、基端部がレンズ枠48にそれぞれ保持され、半導体光源45からの青色光を照明レンズ61a,61bに導く。これにより、上記第1実施形態と同様に、光ファイバ束62a,62bの寸法を短くすることができる。光ファイバ束62a,62bとしては、上記実施形態と動揺に、NAが大きい光ファイバ束、好ましくは、NAが0.5以上の光ファイバ束が使用される。
【0040】
上記実施形態では、半導体光源としてLEDを用いているが、本発明はこれに限るものではなく、例えばLDでもよい。また、上記実施形態では、固定焦点型の対物光学系が先端部に設けられているが、これに限らず、対物光学系の一部を移動させて焦点を切り換える可変焦点型の対物光学系でもよい。また、上記実施形態では、対物光学系27によって取り込まれた被検体内の像光をCCD39に結像させる光路変換部材としてプリズム38を設けているが、これに限らず、板状のミラーなどでもよい。さらにまた、上記実施形態では、被検体内の像光を撮像する撮像素子としてCCDを用いているが、CCDに限らず、CMOSでもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 電子内視鏡システム
11 電子内視鏡
16 挿入部
16a,60 先端部
28,61a,61b 照明レンズ
27 対物光学系
33,62a,62b 光ファイバ束
45 半導体光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される挿入部の先端部に設けられ、前記先端部の内部且つ前記挿入部の挿入方向と平行に配された撮像素子と、
前記先端部の先端面から露呈する位置で、且つ前記挿入方向と平行に配設され、被検体内の像光を取り込んで観察を行うための対物光学系と、
前記対物光学系が取り込んだ像光を屈折させて前記撮像素子に結像させるための光路変換部材と、
前記先端部の内部で、前記光路変換部材に対して前記挿入方向における基端側に配され、短波長の光を発する光源と、
前記先端面から被検体内へ照明光を照射するための照明光学系と、
前記光源からの光を前記照明光学系に導く光ファイバ束とからなることを特徴とする電子内視鏡。
【請求項2】
前記光源は、半導体光源であることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡。
【請求項3】
前記光ファイバ束は、NAが0.5以上であることを特徴とする請求項2記載の電子内視鏡。
【請求項4】
前記光源が発する短波長の光は、波長が550nm以下の青色光であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の電子内視鏡。
【請求項5】
前記光路変換部材は、プリズムであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の電子内視鏡。
【請求項6】
前記光路変換部材の基端側、且つ前記光ファイバ束と前記光源との間に、前記光源からの光を前記光ファイバ束に集光させるための集光部材を設けたことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の電子内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−205849(P2012−205849A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75668(P2011−75668)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】