説明

電子制御式芳香生成素子

【解決手段】 電子制御式芳香生成素子は、第1面から、前記第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートと、前記プレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、前記複数の穿孔の1つと合致するようにされた複数のマイクロプラグと、前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち一方と接続される移動機構と、前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方と接続される振動体とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月8日に「コンピュータ制御された芳香送出のための方法及び装置」という名称で出願された米国仮特許出願第61/143283号に対する優先権を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、電子制御式芳香生成の分野、特に、超音波マイクロプラグユニットを備える装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ビデオゲーム、特にコンピュータによるゲーム及びゲームステーションは、かなり普及している。視覚と聴覚を組み合わせた刺激は、人々の余暇時間のかなりの部分を捕えるのに成功してきた。入力機器の変更を考慮に入れることによって、さらに触感を伴う種々のゲームが、関連したハードウェアとともに開発されてきた。一例では、モックギターのような楽器が、ゲームの入力として利用され、このようにして触感を伴う。
【0004】
再びユーザの種々の感覚を刺激することに基づき、バーチャル・リアリティの世界を提供するゲームが開発されてきた。しかしながら、今日まで、残りの感覚、即ち、嗅覚と味覚は、刺激されてこなかった。
【0005】
2003年12月2日にカミンコウ(Kaminkow)等に発行された米国特許6656041号(その内容の全体を参照により本明細書に組み込まれる)は、ゲーム用装置の一部として、好ましくは、気流を生成する送風機と、稲妻をエミュレートする光源と、雷鳴を伝えるように構成されたサウンドカードとを備えたトッパーユニットとして、嵐をエミュレートするための方法及び装置を提供する。このようにして、聴覚と視覚に加えて、触覚が刺激される。
【0006】
2008年2月21日にグオ(Guo)に発行された米国特許出願第2008/0043204号は、サウンドチャネルを備えたデジタル芳香映画のプロジェクタを対象とするものである。芳香製造装置は、芳香をシネマに放出し、これにより視覚、聴覚及び嗅覚を映画の一部として提供するフィルム技術を提供する。
【0007】
映画は所定の台本に沿って進行し、台本は、ユーザとの対話を許容しない。このようにして、グオによって提供されようとする芳香は、所定のものであり、ユーザの行動による変化を受けない。さらに、グオによって提供される芳香は、大きな空間内に芳香を放出するように構成されており、コンピュータゲームを行う個人には適当ではない。
【0008】
多くの従来技術の解決策に関する更なる課題は、残存芳香であり、特に、芳香は、所望の放出の後、比較的長時間持続してなかなか消えない。残存芳香は、芳香が容易に消えない、邪魔の入らない空間で行われることが多い個人のコンピュータゲームの場合に特に問題となる。特に、芳香分子の濃縮によって接触された任意の物理的要素は、芳香を発し続ける。残存芳香はさらに、ゲームの進行に従って迅速に放出される必要があるかもしれない付加的な芳香に悪影響を及ぼす。
【0009】
2002年4月25日にセナイト(SENEIT, Inc.)社に発行された世界知的所有権機関の刊行物の国際公開第02/32470A1号は、香りを放つための装置を対象とするものである。あいにく、香りが付いた空気が移動する包囲空間に沿って芳香分子がただようので、上記装置は、上述の残存芳香から多大な影響を受ける。
【0010】
振動する細かなメッシュを噴霧しようとする液体と接触させることを含む、種々の噴霧機の方式が、従来技術において知られている。メッシュは典型的には、液体の任意の流れを遮るのに十分な程に細かく構成され、典型的には超音波振動数で振動され、これにより当該液体を霧化する。あいにく、このような方式は、メッシュの開口を介した揮発性蒸気の自然発生的な放出を阻止する手段がないので、自然発生的な芳香の漏洩のような一定の欠点を受ける。さらに、メッシュ壁に付着する任意の分子が、振動無しに放出されるかもしれず、残存芳香がさらに生ずることとなる。また、メッシュの開口に付着する芳香性の分子によって細かなメッシュが塞がれた状態になりがちである。さらに、寸法が固定されているメッシュ孔は、特定の分子の大きさ及び粘度に合うように設計されており、特定の固定されたメッシュによる噴霧機は、一定範囲の粘度の複数の液体に対して、固定されたメッシュを変えずに使用されることはできない。
【0011】
2007年8月17日にプリンス(Prince)等に発行された米国特許出願第2007/0189919号(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、噴霧機の一部分からの薬剤をクリーニングするための方法を対象とするものである。特に、上述の出願は、従来技術のメッシュベースの噴霧機が塞がれた状態になるという課題に取り組んでいる。
【0012】
このようにして、残存芳香の問題を対象とし、閉塞を回避するように構成された電子制御式噴霧機に対する要請がある。
【発明の概要】
【0013】
従って、本発明の主たる目的は、上記先行技術の不都合のうち数なくともいくつかを改善することである。かかる目的は、以下の実施形態において電子制御式芳香生成素子を提供することによって達成される。すなわち、電子制御式芳香生成素子は、第1面から、第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートと、プレートの第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体と、プレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、複数の穿孔の1つと合致するようにされた複数のマイクロプラグと、プレートと複数のマイクロプラグのうち一方と接続され、複数のマイクロプラグのそれぞれが複数の穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から、複数のマイクロプラグの各々が複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置までプレートに関係する複数のマイクロプラグを移動させるようにされる移動機構と、プレートと複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方と接続される振動体と、を含む。
【0014】
一の更なる実施形態では、第1位置に位置する複数のマイクロプラグは、プレートの第1面からプレートの第2面への揮発性芳香液体の流れを阻止する。他の更なる実施形態では、複数のマイクロプラグのそれぞれは、先端部に向かう略円錐形のテーパ状である。一の追加の実施形態では、複数の穿孔のそれぞれは略円錐形状であり、略円錐形状の複数の穿孔のベースは複数のマイクロプラグのベース端部に面する。別の追加の実施形態では、複数の穿孔のそれぞれは、第2面のところで約30ミクロンの直径である。
【0015】
一の更なる実施形態では、プレートに関係する複数のマイクロプラグが第2位置にあるとき、複数のマイクロプラグは先端部に向かって環状の小滴を形成するようにされた形状である。他の更なる実施形態では、移動機構及び振動体は単一の圧電素子で構成される。
【0016】
一の更なる実施形態では、振動体は複数のマイクロプラグとのみ接続されている。一の追加の実施形態では、移動機構及び振動体と接続されるドライバをさらに含み、ドライバは、移動機構を介して複数のマイクロプラグを第1位置に移動させ、複数のマイクロプラグが第1位置にあるときに振動体を振動させるようにされており、これによりプレートの第2面及び複数のマイクロプラグの先端部を超音波クリーニングする。
【0017】
一の更なる実施形態では、移動機構及び振動体と接続されるドライバをさらに含み、ドライバは、移動機構を介して複数のマイクロプラグを第2位置に移動させ、複数のマイクロプラグが第2位置にあるときに振動体を振動させるようにされており、これにより揮発性芳香液体を霧化する。一の追加の実施形態では、ドライバはさらに、振動体の電気特性を検出するようにされており、電気特性が所定値に達した場合に、揮発性芳香液体の欠如を表示する信号を出力する。
【0018】
また、実施の形態は、制御式芳香を生成する方法を提供する。この方法によると、第1面から、第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートを設け、設けられたプレートの第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体を設け、設けられたプレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、複数の穿孔の1つと合致するように設けられた複数のマイクロプラグを設け、設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれが複数の穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から、設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれが複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置まで設けられたプレートに関係するように設けられた複数のマイクロプラグを移動させ、設けられたプレートと設けられた複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方を超音波エネルギーで振動させて芳香を生成する。
【0019】
一の更なる実施形態では、第1位置に位置する設けられた複数のマイクロプラグは、設けられたプレートの第1面から設けられたプレートの第2面への設けられた揮発性芳香液体の流れを阻止する。他の更なる実施形態では、設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれは、先端部に向かう略円錐形のテーパ状である。一の追加の実施形態では、複数の穿孔のそれぞれは略円錐形状であり、略円錐形状の複数の穿孔のベースは設けられた複数のマイクロプラグのベース端部に面する。他の更なる実施形態では、複数の穿孔のそれぞれは、第2面のところで約30ミクロンの直径である。
【0020】
一の更なる実施形態では、移動及び振動は、単一の圧電素子によって行われる。他の更なる実施形態では、振動は、設けられた複数のマイクロプラグによるもののみである。一の追加の実施形態では、設けられた複数のマイクロプラグを第1位置に移動させ、第1位置において設けられた複数のマイクロプラグを振動させることによって、プレートの第2面及び設けられた複数のマイクロプラグの先端部を超音波クリーニングする。
【0021】
一の更なる実施形態では、振動は振動体によって行われ、振動体の電気特性を自動的に検出することと、電気特性が所定値に合致する場合に、設けられた揮発性芳香液体の欠如を表示する信号を出力する。一の追加の実施形態では、振動は、振動体、及び設けられたプレートと設けられた複数のマイクロプラグのうち振動した少なくとも一方の自然共鳴周波数と関連した周波数である。一の更なる実施形態では、さらに、設けられたプレートに関係する設けられた複数のマイクロプラグは、第2位置に移動されるとき、環状の小滴を先端部に向かって形成される。
【0022】
また、実施の形態は、噴霧機に基づく超音波マイクロプラグを提供する。噴霧機に基づく超音波マイクロプラグは、第1面から、第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートと、プレートの第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体と、プレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、複数の穿孔の1つと合致するようにされた複数のマイクロプラグと、プレートと複数のマイクロプラグのうち一方と接続され、複数のマイクロプラグのそれぞれが複数の穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から複数のマイクロプラグのそれぞれが複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置までプレートに関係する複数のマイクロプラグを移動させるようにされる移動機構と、プレートと複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方と接続される振動体とを含む。
【0023】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の図面及び説明から明らかになるであろう。
【0024】
本発明の種々の実施形態をより良く理解し、同じやり方で実施される方法を示すため、ここで単なる例示として、添付図面を参照するが、添付図面では、同じ参照符号が全体にわたって対応する要素又は部分を表す。
【0025】
いま図面を特に詳細に参照すると、下記の事項は一例であって、本発明のみの好ましい実施形態の例示的な考察の目的のためのものであり、最も有用であると思われ、かつ、本発明の原理及び概念的な態様を容易に理解することを提供するために提示されることを強調する。この点に関して、本発明の基本的な理解にとって必要であるもの以上には本発明の構造的な細部をより詳細に示されることはなく、図面に関連する説明は、本発明の幾つかの形態がどのようにして実際に具体化されるかもしれないかを、当業者に対して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1B】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1C】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1D】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1E】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1F】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1G】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1H】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1I】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図1J】典型的な実施形態による複数のマイクロプラグと、複数のマイクロプラグと並置された有孔プレートとを含む電子制御式芳香生成素子の典型的な実施形態の種々の図である。
【図2A】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が積み重ねられた状態で供給される図1Aの芳香生成素子の第1の他の実施形態の図である。
【図2B】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が積み重ねられた状態で供給される図1Aの芳香生成素子の第1の他の実施形態の図である。
【図3A】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が異なる個所に供給される図1Aの芳香生成素子に対する第2の他の実施形態の図である。
【図3B】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が異なる個所に供給される図1Aの芳香生成素子に対する第2の他の実施形態の図である。
【図3C】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が異なる個所に供給される図1Aの芳香生成素子に対する第2の他の実施形態の図である。
【図4A】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が供給され振動体が有孔プレートのみを振動させるように配列される図1Aの芳香生成素子に対する第3の他の実施形態の図である。
【図4B】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が供給され振動体が有孔プレートのみを振動させるように配列される図1Aの芳香生成素子に対する第3の他の実施形態の図である。
【図4C】典型的な実施形態による別個の移動機構と振動体が供給され振動体が有孔プレートのみを振動させるように配列される図1Aの芳香生成素子に対する第3の他の実施形態の図である。
【図5】図1A〜図4Cのいずれかの芳香生成素子800とともに使用できる駆動回路の高レベルの概略図である。
【図6】典型的な実施形態による図5の制御回路の動作の高レベルフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
少なくとも一の実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、以下の説明に記載され又は図面に例示された構成要素の構造及び配列の詳細に対する応用に関して限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態に適用でき或いは種々の方法で実施され又は実行される。また、本明細書で使用される用語又は術語は、説明の目的のためのものであり、限定するものとみなすべきではないことを理解すべきである。
【0033】
図1A〜図1Jは、電子制御式芳香生成素子800の典型的な実施形態の種々の分解図を例示しており、これらの図はともに説明される。電子制御式芳香生成素子800は、範囲を超えずに、電子制御式芳香生成素子130の代わりに使用されてもよく、独立して使用されてもよい。電子制御式芳香生成素子800はさらに、範囲を超えずに、薬剤のような任意の液体を霧状にし又は霧化するのに使用されてもよい。特に、図1Aは、電子制御式芳香生成素子800の等角図を例示する。図1Bは、図1Aの電子制御式芳香生成素子800の頂部の詳細図を例示する。図1Cは、電子制御式芳香生成素子800の切り取り等角図を例示する。図1Dは、図1Bの頂部の詳細図を例示する。図1Eは、電子制御式芳香生成素子800の第1の分解図を例示する。図1Fは、電子制御式芳香生成素子800の第2の分解図を例示する。図1Gは、電子制御式芳香生成素子800のある部分に対する第1位置を例示する。図1Hは、電子制御式芳香生成素子800のある部分に対する第2位置を例示する。図1Iは、電子制御式芳香生成素子800の穿孔とプラグの非常に詳細な図を例示する。図1Jは、典型的な実施形態に従って、結果として得られる芳香生成液滴の形状を例示する。
【0034】
電子制御式芳香生成素子800は、容器805と、下部リザーバ810と、一方向流動膜815と、上部リザーバ816と、封止リング818と、プラグベース820と、第1電極830と、圧電素子840と、第2電極850と、プレート860とを含む。プレート860は、第1面882から第2面884まで延びた複数の穿孔880を備える。プラグベース820は、複数の貫通溝890と、プラグベース820に取り付けられたベース部分から先端部875まで長さ方向に延びた複数のマイクロプラグ870とを備え、各プラグは、穿孔880のそれぞれ1つに合致するように配列されている。好ましくは、各プラグ870の一部、特に穿孔880を通って延びる部分は、頂点がプラグベース820から遠ざかる方に延びた円錐形に形作られている。穿孔880は好ましくは、プラグベース820が第1面882に関してその最も近接した位置に動かされるときマイクロプラグ870がそれぞれの穿孔880の内壁に当接して位置するように、同様に円錐形に形作られている。好ましくは、穿孔880は、第1面882のところで約30ミクロンの直径を備え、穿孔880内に完全に位置するときのマイクロプラグ870の直径に合致する。各マイクロプラグ870がそれぞれの穿孔880から離れているときに第2面884に向かって生成される空隙は、空隙895で示され、揮発性芳香液体の環状の小滴897は、第2面884の近傍におけるプラグ870の形状によって形成される。
【0035】
封止リング818は、液体、特に揮発性芳香液体を封止するように、柔軟な材料で作られる。一方向流動膜815は、容器805とともに、下部リザーバ810を形成する。一方向流動膜815は、プラグベース820とともに、上部リザーバ816を形成する。特に、一方向流動膜815は、下部リザーバ810の頂部と上部リザーバ816の底部を規定する。上部リザーバ816の頂部は、プラグベース820の一端、特にマイクロプラグ870を備えない側によって規定される。第1電極830は、圧電素子840の一方の側に、圧電素子840と電気的に接触し、かつ、プラグベース820、特にマイクロプラグ870を備えるプラグベース820の側と物理的に接触して配置される。圧電素子840は好ましくは、環状の素子であり、第2電極850は、圧電素子840の第2の側に圧電素子840と電気的に接触して配置される。プレート860は、第2電極850と物理的に接触して配置され、一の実施形態では、プレート860の脱落を防止するため、接着剤で第2電極850に固定される。プレート860の面882は、各マイクロプラグ870が合致する穿孔880内に延びるように、プラグベース820と並置される。マイクロプラグ870と穿孔880の結合体は、超音波マイクロプラグユニットを形成する。
【0036】
図1G及び図1Hに例示されるような第1の動作態様では、低周波数電力が圧電素子840に加えられ、これに応答して、圧電素子840は膨張し、最接近位置である図1Gに示されるプレート860から図1H〜図1Jに例示されるような分離位置にプラグベース820を分離させる。膨張の後、付加的な高周波数電力がさらに供給され、低周波数電力に重ね合わされ、圧電素子840を振動させる。典型的な実施形態では、高周波数電力とは150〜200kHzの周波数範囲であるが、いずれにしても、これは、限定的であることを意味しない。マイクロプラグ870の好ましい円錐形状は、圧電素子840によって供給される音響エネルギーを先端部875に向かって集中させるように機能し、これにより遠位の第2面884が香るように、穿孔880内でマイクロプラグ870と接触する任意の揮発性芳香液体を霧化する。好都合なことに、マイクロプラグ870の円錐形状は環状の小滴897を形成し、小滴897は、揮発性芳香液体の標準的な小滴と比較すると、霧化し又は霧状にするのに必要なエネルギーは少量ですむ。好都合なことに、プラグベース820とプレート860との間の距離は、霧化され又は霧状にされる液体の粘度に応じて変えてもよく、これにより穿孔880とともにマイクロプラグ870によって生成される環状開口の寸法を変え、このようにして単一の超音波マイクロプラグユニットは、遮られることなく、広範囲に粘性を有する液体に対して利用されてもよい。
【0037】
第2の動作態様では、電力が圧電素子840から遮断され、これに応答して、圧電素子840は収縮して、マイクロプラグ870が穿孔880内で当接して、即ち閉鎖位置に位置するまで、プラグベース820をプレート860と近接させ、このようにして揮発性芳香液体を第2面884から封止し、遠位の第2面884が任意の更なる芳香を受けないようにする。上述の特定の円錐形状の結果、完全な封止が得られる。完全な封止は、揮発性芳香液体に使用するのに好ましいが、いずれにしても、これは、限定的であることを意味しない。他の実施形態では、完全な封止は、第2の態様では必要とされず、閉塞しないように残存液体が穿孔880内に残らないことを確保するため、複数のマイクロプラグが穿孔880を通って十分に進行することのみが必要とされる。
【0038】
第3の動作態様では、マイクロプラグ870が穿孔880内に当接して位置すると、40kHz〜400kHzの非限定的な実施形態では、高周波数電力についての媒体が圧電素子840に供給され、このようにしてプレート860とマイクロプラグ870の結合体を振動させる。先端部875及び第2面884上の任意の残存揮発性芳香は、迅速に霧化され又は霧状にされて取り除かれ、このようにして芳香の生成を完全に停止する。
【0039】
図2A及び図2Bは、電子制御式芳香生成素子800の第1の他の実施形態を例示しており、この形態では、複数の素子840が積み重ねられた状態で供給され、第1素子が移動機構840Aであり、第2素子が振動体840Bである。特に、一対の電極がそれぞれ設けられ、物理的に積み重ねられた一対の圧電素子が提供される。移動機構840Aは、プレート860に関係するプラグベース820を、図2Aに示されるような、プラグベース820がプレート860の近傍にある第1閉鎖位置と、図2Bに示されるような、プラグベース820がプレート860から取り外される第2開放位置との間で移動させる。振動体840Bは、上述のように、プラグベース820及びプレート860を振動させるように動作し、これにより芳香を制御可能に生成する。マイクロプラグ870と穿孔880の結合体は、超音波マイクロプラグユニットを形成する。
【0040】
図3A〜図3Cは、電子制御式芳香生成素子800の第2の他の実施形態を例示しており、この形態では、複数の素子840が供給され、第1素子が移動機構840Aであり、第2素子が振動体840Bであり、素子840にプレート860が固定され、振動エネルギーがプラグベース820にのみ供給される。図3Aは、第2の他の実施形態の切り取り図を例示し、図3Bは、プラグベース820がプレート860の近傍にある閉鎖位置における第2の他の実施形態を例示し、図3Cは、プラグベース820がプレート860から取り外される開放位置における第2の他の実施形態を例示している。
【0041】
特に、複数の素子840は、一対の電極がそれぞれ設けられた一対の圧電素子である。移動機構840Aは、プレート860と接続され、容器のリムに位置している。振動体840Bは、プラグベース820と接続され、プレート860から機械的に切り離されている。マイクロプラグ870と穿孔880の結合体は、超音波マイクロプラグユニットを形成する。
【0042】
第1の動作態様では、低周波数電力が移動機構840Aに加えられ、これに応答して、移動機構840Aは膨張し、特にプレート860を容器805のリムから分離させることによって、プレート860をベースプレート820から分離させる。高周波数電力が振動体840Bにさらに加えられ、このようにしてマイクロプラグ870を振動させる。好ましい円錐形状を備えるマイクロプラグ870は、微小音響レンズとして作用し、貫通溝890を介して受け入れる揮発性芳香液体を砕いて微小滴にし、このようにして遠位の第2面884が香るように、マイクロプラグ870と穿孔880内で接触する任意の揮発性芳香液体を霧化する。好都合なことに、図1I及び図1Jに関連して上述したように、マイクロプラグ870の形状は、環状の小滴897を形成するように構成され、環状の小滴897は、揮発性芳香液体の標準的な滴と比較すると、霧化し又は霧状にするのに少量のエネルギーを必要とする。典型的な実施形態では、高周波数電力は150〜200kHzの周波数範囲であるが、いずれにしても、これは、限定的であることを意味しない。好都合なことに、プラグベース820とプレート860との間の距離は、霧化され又は霧状にされる液体の粘度に応じて変えてもよく、このようにして穿孔880とともにマイクロプラグ870によって生成される環状開口の寸法を変え、このようにして単一の超音波マイクロプラグユニットは、広範囲の粘度の液体に対して遮られずに利用されてもよい。
【0043】
第2の動作態様では、電力が移動機構840Aから遮断され、これに応答して、移動機構840Aは収縮して、マイクロプラグ870が穿孔880内で当接して、即ち閉鎖位置に位置するまで、プレート860をプラグベース820と近接させ、このようにして揮発性芳香液体を第2面884から封止し、遠位の第2面884が任意の更なる芳香を受けないようにする。上述の特定の円錐形状の結果、完全に封止されることとなり、完全な封止は、揮発性芳香液体に使用するのに好ましいが、いずれにしても、これは限定的であることを意味しない。他の実施形態では、完全な封止は、第2の態様では必要とされず、閉塞しないように残存液体が穿孔880内に残らないことを確保するため、複数のマイクロプラグが穿孔880を通って十分に移動することのみが必要とされる。
【0044】
図4A〜図4Cは、電子制御式芳香生成素子800の第3の他の実施形態を例示しており、この形態では、複数の素子840が供給され、第1素子が移動機構840Aであり、第2素子が振動体840Bであり、振動エネルギーが、一方向流動膜815を貫通する部材910を介してプレート820にのみ供給される。図4Aは、第3の他の実施形態の切り取り図を例示し、図4Bは、プラグベース820がプレート860の近傍にある閉鎖位置における第3の他の実施形態を例示し、図4Cは、プレート860がプラグベース820から移される開放位置における第3の他の実施形態を例示している。プレート860と電子制御式芳香生成素子800の壁に連結されたフランジ915との間の封止を提供する封止リング818が、さらに供給される。
【0045】
特に、複数の素子840、とりわけ移動機構840Aと振動体840Bは、一対の電極がそれぞれ設けられた一対の圧電素子である。移動機構840Aと振動体840Bはそれぞれ、部材910を介してプレート860と接触している。振動体840Bは、プラグベース820から機械的に切り離されている。
【0046】
第1の動作態様では、低周波数電力は移動機構840Aに加えられ、これに応答して、移動機構840Aは膨張し、プレート860をマイクロプラグ870のベースプレート820から芳香生成位置まで離す。高周波数電力が振動体840Bにさらに供給され、このようにしてプレート860を振動させ、第1面882と接触する液体を霧化する。典型的な実施形態では、高周波数電力は150〜200kHzの周波数範囲であるが、いずれにしても、これは、限定的であることを意味しない。好都合なことに、プラグベース820とプレート860との間の距離は、霧化され又は霧状にされる液体の粘度に応じて変えてもよく、このようにして穿孔880とともにマイクロプラグ870によって生成される環状開口の寸法を変え、このようにして単一の超音波マイクロプラグユニットは、広範囲の粘度の液体に対して遮られずに利用されてもよい。
【0047】
第2の動作態様では、電力が移動機構840Aから遮断され又は移動機構840Aに反転して供給され、これに応答して、移動機構840Aは収縮して、マイクロプラグ870が穿孔880内で当接して、即ち閉鎖位置に位置するまで、プレート860をプラグベース820と近接させ、このようにして揮発性芳香液体を第2面884から封止し、遠位の第2面884が任意の更なる芳香を受けないようにする。上述の特定の円錐形状の結果、完全に封止されることとなり、完全な封止は、揮発性芳香液体に使用するのに好ましいが、いずれにしても、これは、限定的であることを意味しない。他の実施形態では、完全な封止は、第2の態様では必要とされず、閉塞しないように残存液体が穿孔880内に残らないことを確保するため、複数のマイクロプラグが穿孔880を通って十分に移動することのみが必要とされる。
【0048】
第3の動作態様では、マイクロプラグ870が穿孔880内に当接して位置すると、40kHz〜400kHzの非限定的な一実施形態では、高周波数電力についての媒体が、圧電素子840に供給され、このようにしてプレート860とマイクロプラグ870の結合体を振動させる。先端部875及び第2面884上の任意の残存揮発性芳香は、迅速に霧化され又は霧状にされて取り除かれ、このようにして芳香の生成を完全に停止する。
【0049】
図5は、図1A〜図4Cの電子制御式芳香生成素子800とともに使用でき、パルスジェネレータ950と、ドライバ960と、第1圧電素子840Aと、第2圧電素子840Bと、電気特性センサ回路970と、制御回路980とを含む駆動回路の高レベル概略図を例示する。パルスジェネレータ950は、好ましくは低周波数機能部952と、高周波数機能部954と、超音波クリーニング機能部956とを含む。制御回路980は、パルスジェネレータ950、ドライバ960、及び電気特性センサ回路970のそれぞれと接続されている。例示されるように、複数の出力を含んでもよいパルスジェネレータ950の出力は、ドライバ960を介して、第1圧電素子840A及び第2圧電素子840Bのそれぞれの第1接点にそれぞれ接続される。第1圧電素子840A及び第2圧電素子840Bのそれぞれの第2接点は、電気特性センサ回路970にそれぞれ接続される。電気特性センサ回路970は、センサレジスタと、センサレジスタの電圧降下を制御回路980によって供給される値と比較するように構成されたコンパレータとを含んでもよい。単一の圧電素子840が設けられている場合には、パルスジェネレータ950とドライバ960のうち一方は、結合信号を圧電素子840に提供するように構成されている。或いは、上述のように、一対の電極が単一の圧電素子840の各端に供給され、一対の電極のうち第1のものが低周波数機能部952に応答し、一対の電極のうち第2のものが高周波数機能部954に応答する。
【0050】
動作時に、上述のように、制御回路980は、低周波数機能部952に低周波数電力を生成させ、低周波数電力は、ドライバ960によって圧電素子840へと駆動され、例えばプレート860をベースプレート820から離すように動作する。高周波数機能部954は、1又はそれ以上のプレート860及びベースプレート820を振動させるように構成されている。特定の態様では、制御回路980に応答して、超音波クリーニング機能部956は、低周波数機能部952からの低周波数電力と高周波数機能部954からの高周波数電力の両方がない場合に動作し、当接して位置しているときにベースプレート820及びプレート860に振動エネルギーを提供することによって、超音波クリーニングを行う。
【0051】
制御回路980は、電気特性センサ回路970を介して、振動素子と結合した圧電素子840の少なくとも1つの電気特性をモニタするようにさらに動作する。第1の動作態様では、振動素子と組み合わされた圧電素子840の自然共鳴周波数は、周波数の範囲にわたってスウィーピング又はステッピングすることによって捜し出される。固有周波数は、電流に対する最小抵抗であり、このようにして高周波数機能部954に応答する圧電素子840を通る電流を監視することによって、振動素子と組み合わされた圧電素子840の自然共鳴周波数は、見つかる。自然共鳴周波数が高周波数機能部954によって供給される周波数の整数関数に合致しない場合には、一の実施形態では、周波数は、自然共鳴周波数の平均を得るため、自然共鳴周波数のすぐ上とすぐ下との間で切り換えられる。
【0052】
自然共鳴周波数は、圧電素子840と接続される液体の容積、振動素子、圧電素子840の温度及び年数の関数である。このようにして、パラメータが所定範囲外にあるために、見つかった自然共鳴周波数が、不十分な量の揮発性芳香液体が圧電素子840と接続されていることを示す場合には、制御回路980は、低液体アラーム信号をアサートするように動作する。
【0053】
図6は、典型的な実施形態による、図12の制御回路980の動作の高レベルフローチャートを例示する。段階3000では、好ましくは、低周波数機能部952に対するターゲット周波数と、高周波数機能部954に対するターゲット周波数と、ドライバ960に対する駆動振幅と、動作時間と、動作態様と、低流体アラーム状態とを含むプロトコルが、制御回路980によってロードされる。一の非限定的な例では、芳香生成プロトコルは、50Hzの低周波数ターゲット値と、20Vの低周波数振幅と、159kHzの高周波数ターゲット値と、30Vの高周波数振幅と、2秒の時間と、動作のパルスモードとを含む。一の非限定的な例では、クリーニングプロトコルは、0Hzの低周波数ターゲット値と、0Vの低周波数振幅と、50kHzの高周波数ターゲット値と、25Vの高周波数振幅と、6秒の時間と、動作の連続モードとを含む。上述のように、ドライバ960の振幅は、低周波数機能部952に応答する電力に対して設定されてもよく、このようにしてプラグベース820とプレート860との間隔は、霧化され又は霧状にされる液体の粘度に応答して変化させてもよく、このようにして単一超音波マイクロプラグユニットが、広範囲の粘度の液体に対して遮られずに利用されてもよい。
【0054】
段階3010では、制御回路980は、移動機構を動作させることによって、プレート860をプラグベース820から分離するように動作する。典型的な実施形態では、移動機構は、低周波数機能部952に応答する信号を備える圧電素子840Aである。低周波数信号の振幅は、段階3000のロードされたプロトコルに応答して、ドライバ960によって制御される。
【0055】
段階3020では、振動の固有周波数が見つけられ、パルスジェネレータ950、特に高周波数機能部954によって駆動される振動の周波数は、段階3000のロードされた高周波数のターゲット周波数を上方及び下方にスウィーピングし又はステッピングすることによって、振動の固有周波数に合致するように修正される。自然共鳴周波数が高周波数機能部954によって供給される周波数の整数関数に合致しない場合には、一の実施形態では、周波数は、自然共鳴周波数の平均を得るため、自然共鳴周波数のすぐ上とすぐ下との間で切り換えられる。
【0056】
段階3030では、振動の捜し出された固有周波数における電気特性が、段階3000のプロトコルの一部としてロードされた所定範囲と比較される。振動の見つかった固有周波数又は振動の見つかった固有周波数における電気特性が所定範囲にないが、その代わりに揮発性芳香液体の欠如を表示する場合には、流体のアラーム信号の出力がアサートされる。
【0057】
段階3040では、段階3000のプロトコルの一部としてロードされた動作態様及び動作時間に従って、プラグベース820とプレート860のうち少なくとも一方が、段階3020のっ見つかった固有周波数の場所で振動される。
【0058】
明瞭にするため別々の実施形態に関連して記載される本発明の一定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが認識される。逆に、簡潔にするため単一の実施形態に関連して記載される本発明の種々の特徴が、別々に又は任意の適当な副次的な組み合わせで提供されてもよい。
【0059】
特に規定されていない場合には、本明細書で用いられるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する分野における当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似の又は同等な方法が、本発明の実施又は試験において使用されることができるが、適当な方法は、ここに記載される。
【0060】
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願明細書、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。競合する場合には、定義を含む特許出願明細書は、優先する。さらに、材料、方法、及び例は、例示であるにすぎず、限定することを意図していない。
【0061】
本発明が、上記に特別に示され記載されたものに限定されないことは、当業者によって認識されるであろう。更には、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定され、上述の種々の特徴の組み合わせと下位の組み合わせの両方、並びに、以上の説明を読むことによって当業者に想起されるそれらの変形及び改良を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面から、前記第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートと、
前記プレートの前記第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体と、
前記プレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、前記複数の穿孔の1つと合致するようにされた複数のマイクロプラグと、
前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち一方と接続され、前記複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から、前記複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置まで前記プレートに関係する前記複数のマイクロプラグを移動させるようにされる移動機構と、
前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方と接続される振動体と、
を含む電子制御式芳香生成素子。
【請求項2】
前記第1位置に位置する前記複数のマイクロプラグは、前記プレートの前記第1面から前記プレートの前記第2面への前記揮発性芳香液体の流れを阻止する請求項1に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項3】
前記複数のマイクロプラグのそれぞれは、前記先端部に向かう略円錐形のテーパ状である請求項1に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項4】
前記複数の穿孔のそれぞれは略円錐形状であり、前記略円錐形状の複数の穿孔のベースは前記複数のマイクロプラグの前記ベース端部に面する請求項3に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項5】
前記複数の穿孔のそれぞれは、前記第2面のところで約30ミクロンの直径である請求項3に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項6】
前記プレートに関係する前記複数のマイクロプラグが前記第2位置にあるとき、前記複数のマイクロプラグは前記先端部に向かって環状の小滴を形成するようにされた形状である請求項1に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項7】
前記移動機構及び前記振動体は単一の圧電素子で構成される請求項1に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項8】
前記振動体は前記複数のマイクロプラグとのみ接続されている請求項1〜7のいずれかに記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項9】
前記移動機構及び前記振動体と接続されるドライバをさらに含み、前記ドライバは、前記移動機構を介して前記複数のマイクロプラグを前記第1位置に移動させ、前記複数のマイクロプラグが前記第1位置にあるときに前記振動体を振動させるようにされており、これにより前記プレートの前記第2面及び前記複数のマイクロプラグの前記先端部を超音波クリーニングする請求項8に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項10】
前記移動機構及び前記振動体と接続されるドライバをさらに含み、前記ドライバは、前記移動機構を介して前記複数のマイクロプラグを前記第2位置に移動させ、前記複数のマイクロプラグが前記第2位置にあるときに前記振動体を振動させるようにされており、これにより前記揮発性芳香液体を霧化する請求項1〜7のいずれかに記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項11】
前記ドライバはさらに、前記振動体の電気特性を検出するようにされており、前記電気特性が所定値に達した場合に、前記揮発性芳香液体の欠如を表示する信号を出力する請求項10に記載の電子制御式芳香生成素子。
【請求項12】
電子制御式芳香生成の方法であって、
第1面から、前記第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートを設け、
前記設けられたプレートの前記第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体を設け、
前記設けられたプレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、前記複数の穿孔の1つと合致するように設けられた複数のマイクロプラグを設け、
前記設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の前記穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から、前記設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置まで前記設けられたプレートに関係するように前記設けられた複数のマイクロプラグを移動させ、
前記設けられたプレートと前記設けられた複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方を超音波エネルギーで振動させて芳香を生成する、
ことを含む方法。
【請求項13】
前記第1位置に位置する前記設けられた複数のマイクロプラグは、前記設けられたプレートの前記第1面から前記設けられたプレートの前記第2面への前記設けられた揮発性芳香液体の流れを阻止する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記設けられた複数のマイクロプラグのそれぞれは、前記先端部に向かう略円錐形のテーパ状である請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の穿孔のそれぞれは略円錐形状であり、前記略円錐形状の複数の穿孔のベースは前記設けられた複数のマイクロプラグの前記ベース端部に面する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の穿孔のそれぞれは、前記第2面のところで約30ミクロンの直径である請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記移動及び前記振動は、単一の圧電素子によって行われる請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記振動は、前記設けられた複数のマイクロプラグによるもののみである請求項12〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記設けられた複数のマイクロプラグを前記第1位置に移動させ、前記第1位置において前記設けられた複数のマイクロプラグを振動させることによって、前記プレートの前記第2面及び前記設けられた複数のマイクロプラグの前記先端部を超音波クリーニングすることをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記振動は振動体によって行われ、
前記振動体の電気特性を自動的に検出することと、
前記電気特性が所定値に合致する場合に、前記設けられた揮発性芳香液体の欠如を表示する信号を出力すること
とをさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記振動は、前記振動体、及び前記設けられたプレートと前記設けられた複数のマイクロプラグのうち前記振動した少なくとも一方の前記自然共鳴周波数と関連した周波数である請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに、前記設けられたプレートに関係する前記設けられた複数のマイクロプラグは、前記第2位置に移動されるとき、環状の小滴を前記先端部に向かって形成される請求項12に記載の方法。
【請求項23】
第1面から、前記第1面と対向する第2面へと延伸する複数の穿孔を備えるプレートと、
前記プレートの前記第1面と物理的に接触する揮発性芳香液体と、
前記プレートと並置され、それぞれがベース端部から先端部まで長手方向に延伸し、前記複数の穿孔の1つと合致するようにされた複数のマイクロプラグと、
前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち一方と接続され、前記複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の前記穿孔のそれぞれ1つに当接して位置する第1位置から前記複数のマイクロプラグのそれぞれが前記複数の穿孔の一の穿孔の壁から少なくとも部分的に取り外される第2位置まで前記プレートに関係する前記複数のマイクロプラグを移動させるようにされる移動機構と、
前記プレートと前記複数のマイクロプラグのうち少なくとも一方と接続される振動体と、
を含む噴霧機に基づく超音波マイクロプラグ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−514515(P2012−514515A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544966(P2011−544966)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000016
【国際公開番号】WO2010/079485
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511166002)セント・コム リミテッド (1)
【Fターム(参考)】