説明

電子化ジャーナルと映像の統合管理システム

【課題】金融機関の店舗等に設置される自動取引装置の電子化ジャーナルデータと映像監視データを連携させて、不正な取引や犯罪を防止することを目的とする。
【解決手段】自動取引装置2と、ネットワーク3を介して接続された統合管理システム1であって、映像蓄積手段・店舗対応表と、撮影手段・店舗対応情報を備える参照部と、映像監視データから不審者を発見する不審者発見部と、不審者の映像監視データを選択して表示する映像選択・検出部と、不審者が操作した自動取引装置を特定する自動取引装置割り出し部と、不審者が操作した口座に関連する電子化ジャーナルを検索するジャーナル検索部と、不審者が取引を行った口座に関連する映像監視データを検索する映像検索部と、不審者が取引を行った口座に関連して検索された過去の電子化ジャーナルと映像監視データとを一覧表示する検索結果表示部と、を備える管理手段8を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の店舗等に設置される自動取引装置の電子化ジャーナルデータと映像監視データを連携させて、不正な取引や犯罪の防止を図るための電子化ジャーナルと映像の統合管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、簡便かつ容易な操作で、預金の預け入れ、引き出し、あるいは振込、両替等の各種の取引を迅速に行えることから、金融機関の店舗には多くの現金自動預け払い機(以下、「ATM(Automatic Teller Machine)」という)等の自動取引装置が設置され、また、ATMのみを設置した無人店舗もあり、さらに、コンビニエンスストア、駅構内、商業施設、レジャー施設等にもATMが設置されている。このATMを利用した取引では、その取引日時、口座番号および取引内容を含む取引情報が、各店舗または金融機関の管理センタ等に電子化ジャーナルとして記録される。一方、自動取引装置の設置場所では、犯罪や事故の防止または抑止を目的として、防犯カメラを設置して自動取引装置の操作者や設置場所の内外を撮影し、その映像を監視するとともに、撮影した映像を一定期間保存することが行われている。これらの取引情報を記録した電子化ジャーナルや映像は、不正な取引や犯罪の発見に有用である。
【0003】
ところで、近年、ATM等の自動取引装置を悪用して、キャッシュカードの不正使用、偽造または盗難されたキャッシュカードを使用した不正な取引、さらには、振り込め詐欺等の犯罪取引が増加している。こうした状況に伴い、ATM等の自動取引装置の電子化ジャーナルデータ、映像監視データ、さらには自動取引装置を操作した操作者の画像データが、犯罪取引の証拠データとして活用される機会が増えている。しかし、保存・蓄積されている多量の電子化ジャーナルデータ、映像監視データ、操作者の画像データの中から、犯罪取引に関連するデータを抽出するためには多大の労力と時間とを要し、迅速に証拠データを収集することが困難であった。そこで、特許文献1には、ATMの操作者の画像とATM電子化ジャーナルデータを紐付けしておき、画像選択によりその画像データに対応したATM電子化ジャーナルデータを抽出する方法が提案されている。また、特許文献2には、POS(Point of sale)端末を利用して、取引を行った顧客の画像とその顧客に販売した商品の販売データをリンクさせて記憶しておく方法が提案されている。
【特許文献1】特開2006−301754号公報
【特許文献2】特開2006−48466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている方法では、ATM電子化ジャーナルデータと画像データを1対1に紐付けしたデータベースを利用するため、画像に対応した取引データしか検索できない。そのため、この画像の人物が、別の時間や別の店舗で取引した行為を発見することができないという問題があった。例えば、同じ人物が、異なる時間や店舗で、同じキャッシュカードを不正に使用したり、偽造または盗難されたキャッシュカードを使用して不正な口座取引、さらには振り込め詐欺等の犯罪取引を行ったりした場合に、同じ人物が行った不正行為であることを発見できず、不正な取引を防止するための犯罪取引の証拠データを統合管理して利用することが困難である、という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたものであり、金融機関の店舗等に設置される自動取引装置の電子化ジャーナルデータと映像監視データを連携させて、不正な取引や犯罪の防止を図るための電子化ジャーナルと映像の統合管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の電子化ジャーナルと映像の統合管理システムは、金融取引を行う自動取引装置と、この自動取引装置の周辺部を監視する監視カメラと、前記自動取引装置および前記監視カメラとネットワークを介して接続される管理手段とを備える電子化ジャーナルと映像の統合管理システムであって、前記管理手段は、前記監視カメラにより取得された映像監視データを前記自動取引装置毎に蓄積する映像蓄積手段と、前記自動取引装置を操作した操作者の取引日時、口座番号および取引内容を含む取引情報を電子化ジャーナルとして蓄積する電子化ジャーナル蓄積手段とに接続され、前記設置場所と前記取引情報とを対応づけた対応表(対応情報)を用いて、所定の取引情報に対応する対応電子化ジャーナルを検索するジャーナル検索部と、前記対応電子化ジャーナルおよび前記対応電子化ジャーナルに関連する映像監視データの映像を一覧表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この統合管理システムによれば、不審者が取引を行った、または取引を試みた口座に関連して、ジャーナル検索手段によって検索された電子化ジャーナルと、映像検索手段によって検索された映像監視データとを表示部によって一覧表示して、不正な取引を検出することができる。そのため、同一人物が異なる時間または店舗でATMを使用して不正な取引を行った場合も、同じ人物が行った不正行為であることを迅速かつ的確に確認して、犯罪取引の証拠データを取得できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金融機関の店舗等に設置される自動取引装置を操作する操作者が行った取引に関する電子化ジャーナルと、その操作者の顔画像を含む映像監視データを統合管理することができる。これにより、同一人物が異なる時間または場所で自動取引装置を使用して不正な取引を行った場合も、同じ人物が行った不正行為であることを発見して、犯罪取引の証拠データを統合管理して利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る電子化ジャーナルと映像の統合管理システム(以下、「本発明の統合管理システム」という)について適宜図面を参照して説明する。
図1は、本発明の統合管理システムの構成例を示す。
【0010】
図1に示す統合管理システム1は、自動取引装置2と、ネットワーク3を介して接続され、自動取引装置(ATM)2の設置場所の周辺に配置されたカメラ(監視カメラ、撮影手段)4と、カメラ4によって撮影された映像監視データを蓄積するDVR(Digital Video Recorder:映像記録手段)5と、自動取引装置2における取引情報を電子化ジャーナルとして蓄積する電子化ジャーナル蓄積サーバ(電子化ジャーナル蓄積手段)6と、DVR5における映像監視データを蓄積する映像蓄積サーバ(映像蓄積手段)7と、映像監視データと電子化ジャーナルとを統合管理する管理端末(管理手段)8とを備える。
【0011】
自動取引装置2は、操作者がキャッシュカード、クレジットカード等を使用して暗証番号、口座番号、希望する取引種別等を指定して操作することによって、金融機関と取引を行う装置である。この自動取引装置2を用いて、預貯金口座への現金の預入、貸付金の現金による返済、預貯金や貸付金の引出、預貯金残高や取引明細、相場情報などの照会、預貯金通帳に記入されていない取引の記入・預貯金通帳の繰越、振込(現金あるいはキャッシュカードを利用した振込)、振替(自己の預貯金口座の一方から引き出し、他方に預け入れする取引)、キャッシュカードに登録した暗証番号の変更、債券や外国通貨の購入申し込み、宝くじの購入申し込みなどの多様な各種の取引が行われる。また、自動取引装置2が設置されている金融機関以外の他の金融機関の口座に関して取引を行う場合は、主に預貯金の引出と預貯金残高の照会が取り扱われる。この自動取引装置2は、前記の取引を行うため、紙幣、硬貨、通帳、帳票類、磁気カードなどの挿入・支払い口、案内や操作のための表示画面、操作鍵(キー)などを備える。また、操作部に画面表示と一体化した液晶 タッチパネルを採用したものでもよい。
【0012】
この自動取引装置2は、銀行、郵便局等の金融機関の店舗、コンビニエンスストア、駅構内、商業施設、レジャー施設などに設置され、また、自動取引装置2のみを設置した無人店舗もある。この自動取引装置2は、設置される場所における取引の数等に応じて、1台または複数台が設置される。
【0013】
この自動取引装置2を利用して取引を行った場合、その取引日時、口座番号および取引内容を含む取引情報のデータが、ネットワーク3を介して電子化ジャーナル蓄積サーバ6に送信され、蓄積される。
【0014】
ネットワーク3は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等で構成され、自動取引装置2、カメラ4、DVR5、電子化ジャーナル蓄積サーバ6、映像蓄積サーバ7、および管理端末(管理手段)8に接続され、これらの間で双方向のデータの送受信を行うものである。このネットワーク3は、専用回線で接続されたものでもよいし、また、汎用のネットワーク回線で接続されたものでもよい。特に、汎用のネットワーク回線で接続する場合は、データを暗号化して送受信するなどのセキュリティ対策が講じられる。
【0015】
カメラ(撮影手段)4は、自動取引装置2を操作して取引を行う操作者および自動取引装置2の設置場所の内外を撮影するためのものである。カメラ4は、特に、操作者の顔画像を撮影できる箇所、さらには、自動取引装置2の設置場所の周囲等に死角がないように設置される。このカメラ4によって、自動取引装置2を操作して取引を行う操作者の顔画像、さらに、自動取引装置2の設置場所の周辺を撮影した画像を含む映像監視データが取得される。そして、カメラ4によって撮影された映像監視データは、自動取引装置2の設置場所ごとに設けられるDVR5に記録される。このカメラ4には、設置場所を識別するために固有のカメラ番号が付される。
【0016】
DVR(Digital Video Recorder:映像記録手段)5は、カメラ4によって撮影された映像監視データを記録するためのものである。1箇所の設置場所に設置されるカメラ4が多数の場合には、複数のDVRが自動取引装置2の設置場所ごとに設けられる。そして、DVR5には、設置場所および映像監視データを記録するカメラを識別するために固有のDVR番号が付される。このDVR5に記録された映像監視データは、ネットワーク3を介して映像蓄積サーバ7に送信されて蓄積される。
【0017】
電子化ジャーナル蓄積サーバ(電子化ジャーナル蓄積手段)6は、自動取引装置2の取引履歴であるジャーナルを蓄積するハードディスクを有し、金融機関の全営業店、店舗外のATMのジャーナルを保存する。電子化ジャーナル蓄積サーバ6は、ネットワーク3を介して自動取引装置2から取引情報に関するデータが送信され、自動取引装置2を操作して操作者が行った取引の取引日時、口座番号、預貯金口座への現金の預入等の取引内容を含む取引内容に関するデータが電子化ジャーナルとして蓄積される。取引情報には、自動取引装置の設置場所の識別記号(例えば、店舗番号)、操作した自動取引装置2の識別番号、取引データ(使用したカードの種別および番号、預入または引き出した現金の金額、振り込んだ金額、振込先)、操作者の顔画像等の各種の取引内容が含まれる。これらの電子化ジャーナルは、口座番号、取引日時等に基づいて検索可能にデータベース化されて蓄積される。
【0018】
映像蓄積サーバ(映像蓄積手段)7は、映像監視データを蓄積するハードディスクを有し、ネットワーク3を介して、自動取引装置2の設置場所ごとに設けられたDVR5からカメラ4によって取得された映像監視データが送信され、その映像監視データを蓄積する。この映像監視データは、DVR5、カメラ4による撮影日時、DVR5の識別番号B、カメラ4のカメラ番号、設置場所等を検索可能にデータベース化されて蓄積される。映像監視データは、圧縮して蓄積していてもよい。
【0019】
管理端末(管理手段)8は、映像監視データと電子化ジャーナルデータとを統合管理するものであり、図2に示すように、参照部81と、不審者発見部82と、映像選択・表示部83と、自動取引装置割り出し部84と、ジャーナル検索部85と、映像検索部86と、検索結果表示部87と、不正取引判定部88とを備える。
【0020】
参照部81は、図3(a),(b)に示すように、DVR・店舗対応表(映像記録手段・店舗対応表)81aと、カメラ・自動取引装置対応表(撮影手段・自動取引装置対応表)81bとを備える。DVR・店舗対応表81aは、DVR5の設置場所(店舗名)と、そのDVR5に付された固有のDVR番号とを関連付けしてデータベース化して蓄積したものである。カメラ・自動取引装置対応表81bは、カメラ4が設置されている自動取引装置2と、そのカメラ4に付された固有のカメラ番号とを関連付けしてデータベース化して蓄積したものである。カメラ・自動取引装置対応表81bは、DVR5ごとに存在する。
【0021】
不審者発見部82は、カメラ4によって取得された映像監視データから、自動取引装置2を操作する、または操作を試みた不審者を発見する(不審者か否かを判別する)ためのものである。この不審者発見部82は、例えば、管理端末8に設けられた映像表示モニタに、各設置場所に設けられたカメラ4から直接送信されてくるライブ映像として、またはDVR5から送信されてくる録画映像を、1画面または4、9、16等に分割された画面に表示し、管理端末8を操作する管理者が目視で監視して、不審と思われる行為を発見することによって具体化することができる。さらに、管理者による目視以外の手段として、行動認証プログラムなどによって、画面に表示される操作者の不審な行為を検知して、自動検出することによって具体化してもよい。行動認証プログラムとしては、例えば、再生中の映像と、あらかじめ登録しておいた画像の特徴パターンと比較し、類似度を判定するプログラムなどである。
【0022】
映像選択・表示部83は、不審者発見部82によって発見された不審者の映像監視データを選択して表示するものである。この映像・選択表示部83によって、不審と思われる行為が表示されている画面を指定、例えば、その画面にマウスのポインタを合わせてクリックすると(例えば、図4に示す画面1にマウスのポインタを合わせてクリックすると)、その不審な行為を行っている操作者、すなわち、不審者を検出することができる。また、行動認証プログラムを用いる場合には、行動認証プログラムが、画面に表示される操作者の不審な行為を検知した場合には、その不審な行為を表示している画面を自動的に拡大して表示したり、あるいは警告音とともに該当画面を点滅させたりすることによって、管理者に不審者の検出を報知するようにしてもよい。
【0023】
自動取引装置割り出し部84は、DVR・店舗対応表81aと、カメラ・自動取引装置対応表81bとを参照し、不審者発見部82によって発見された不審者が操作した、または操作を試みた自動取引装置2を特定するためのものである。この自動取引装置割り出し部84では、DVR・店舗対応表81aに関連付けられて記録されているDVR5の設置場所と、そのDVR5に付された固有のDVR番号とを参照して、あるいはカメラ・自動取引装置対応表81bに関連付けられて記録されているカメラ4が設置されている自動取引装置2と、そのカメラ4に付された固有のカメラ番号とを参照して、不審者発見部82によって発見された不審者が操作した、または操作を試みた自動取引装置2を特定する。
【0024】
この自動取引装置割り出し部84では、例えば、不審者発見部82において、管理端末8に設けられた映像表示モニタに表示された、各設置場所に設けられたカメラ4から直接送信されてくるライブ映像の中から、管理者が目視で、または行動認証プログラムによって不審な行為が検知され、映像選択・表示部83によって、その不審な行為を表示している画面が拡大表示されたり、あるいは該当画面が点滅され、不審な行為の存在が検知されたりした場合には、その不審な行為を撮影しているカメラ4のカメラ番号から、カメラ・自動取引装置対応表81bを参照して、不審な行為が行われている自動取引装置2を特定することができる。また、映像表示モニタに表示されている画像が、DVR5から送信されてくる録画映像である場合には、まず、その不審な行為の録画映像を送信しているDVR5のDVR番号から、DVR・店舗対応表81aを参照して、DVR5を特定し、さらに、カメラ・自動取引装置対応表81bから、不審な行為が行われている自動取引装置2を特定することができる。
【0025】
ジャーナル検索部85は、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された他の電子化ジャーナルの中から、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた口座に関連する電子化ジャーナルを検索する役割を有するものである。このジャーナル検索部85においては、不審者が自動取引装置2を操作して、または操作を試みた口座に関連して、ネットワーク3を介して、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルを検索して、その口座に該当する電子化ジャーナルを特定するものである。例えば、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に基づいて、その口座番号を有する口座に関連して蓄積されている電子化ジャーナルを特定し、その電子化ジャーナルを、電子化ジャーナル蓄積サーバ6からネットワーク3を介して管理端末8に取り出す。
【0026】
このとき、ジャーナル検索部85によって、電子化ジャーナルは、検索日時を指定して、すなわち、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた日時を中心として、その前後の時間を指定して検索を行うことができる。ここで、映像選択・表示部83によって、不審と思われる行為が表示されている画面を選択または行動認証プログラム等によって、不審と思われる行為が自動検出された場合に、その画面の選択または自動検出の日時に基づいて、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルの中から、不審者が自動取引装置2によって行った、または試みた取引の取引情報を特定することができる。
【0027】
また、管理端末8において、過去のジャーナル検索が指定された場合には、ジャーナル検索部85は、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルの中から、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に基づいて、その口座に関連する過去の電子化ジャーナルを検索して特定する。そして、特定された過去の電子化ジャーナルは、ネットワーク3を介して、電子化ジャーナル蓄積サーバ6から管理端末8に送信される。
【0028】
これらのジャーナル検索部85によって行われた電子化ジャーナルの検索結果は、図5(a)または図5(b)に示すように、管理端末8に設けられた映像表示モニタに表示される。該当する電子化ジャーナルが電子化ジャーナル蓄積サーバ6に無い場合には、図5(a)に示すように、該当する電子化ジャーナルが存在しない旨のメッセージが表示される。一方、該当する電子化ジャーナルが存在する場合は、図5(b)に示すように、電子化ジャーナルに関する取引情報が表示される。
【0029】
映像検索部86は、映像蓄積サーバ7に蓄積された他の映像監視データの中から、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または操作を試みた口座に関連する映像監視データを検索する役割を有するものである。この映像検索部86においては、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた口座に関連して、ネットワーク3を介して、映像蓄積サーバ7に蓄積された映像監視データを検索して、その不審者の顔画像、さらには、該当口座に関連して蓄積されている過去の映像監視データを検索して特定する。例えば、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または操作を試みた口座の口座番号に基づいて、その口座番号に関連して蓄積されている映像監視データを特定し、その映像監視データが、映像蓄積サーバ7からネットワーク3を介して管理端末8に送信される。
【0030】
このとき、映像検索部86による映像監視データの検索は、管理端末8において指定された検索日時を指定して、すなわち、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた日時を中心として、その前後の時間を指定して行うことができる。ここで、映像選択・表示部83によって、不審と思われる行為が表示されている画面を選択または行動認証プログラム等によって、不審と思われる行為が自動検出された場合に、その画面の選択または自動検出の日時に基づいて、映像蓄積サーバ7に蓄積された映像監視データの中から、不審者の不審な行為を撮影した映像監視データを特定することができる。また、不審者の不審な行為だけでなく、不審者が操作を行った、または操作を試みた前記自動取引装置の設置場所の内外の映像監視データを検索することによって、不審者が自動取引装置2の設置場所に来た時から退出するまでの映像を確認することができ、不正行為の発見を的確かつ効率的に行うことができる。
【0031】
検索結果表示部87は、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連して、ジャーナル検索部85によって検索された電子化ジャーナルと、映像検索部86によって検索された映像監視データとを一覧表示するものである。この検索結果表示部87によって管理端末8に設けられた映像表示モニタに表示される電子化ジャーナルと映像監視データの一覧表示においては、下記の電子化ジャーナルおよび映像監視データの画像(映像)が表示される。
(a)不審者が自動取引装置2を操作して行った取引、または試みた取引に関する電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(b)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(c)自動取引装置2を操作した、または操作を試みた不審者の映像監視データ(不審者の映像、不審者が自動取引装置2の設置場所に来た時から退出するまでの映像)
(d)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の映像監視データ
【0032】
不正取引判定部88は、検索結果表示部87によって、管理端末8に設けられた映像表示モニタに表示された、一覧表示と、自動取引装置2を操作する、または操作を試みた不審者の映像監視データおよび電子化ジャーナルとから不正取引であるか否かを判定するとともに、ジャーナルデータ、および映像監視データと事前に登録しておいた画像パターンとの類似度に基づく重み付けを行って、重み付けされた判定結果を表示するものである。判定結果の重み付けは、事前に登録した重み付け表に基づいて行うことができる。これによって、緊急度および重要度の高いと取引データから順番に判断および確認を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0033】
次に、本発明の統合管理システムによってキャッシュカードの不正使用を発見する第1実施形態について説明する。
図7に、第1実施形態における本発明の統合管理システムの動作を示す。
【0034】
(101ステップ)不審者発見部82において、図4に示すように、本発明の統合管理システムの管理者は、管理端末8の映像表示モニタに、各設置場所に設けられたカメラ4から直接送信されてくるライブ映像、またはDVR5から送信されてくる録画映像、映像蓄積サーバ7に蓄積された映像監視データを、1画面または4、9、16等に分割された画面に表示される映像を目視で監視して、不審と思われる行為を発見する。または、管理者による目視以外の手段として、行動認証プログラムなどによって、画面に表示される操作者(不審者)の不審な行為を検知して、自動検出するようにしてもよい。
【0035】
(102ステップ)
不審な行為が発見された場合には、カメラ映像を選択または自動検出する。例えば、不審と思われる行為が表示されている画面を指定、そのカメラ映像を表示している画面にマウスのポインタを合わせてクリックすると(例えば、図4に示す画面1にマウスのポインタを合わせてクリックすると)、映像・選択表示部83によって、その不審な行為を行っている操作者、すなわち、不審者を検出することができる。また、行動認証プログラムを用いる場合には、行動認証プログラムが、画面に表示される操作者の不審な行為を検知した場合には、その不審な行為を表示している画面を自動的に拡大して表示したり、あるいは警告音とともに該当画面を点滅させたりすることによって、管理者に不審者の検出を報知するようにしてもよい。
【0036】
(103ステップ)
次に、自動取引装置割り出し部84は、該当の店舗番号、自動取引装置番号を割り出す。すなわち、参照部81に蓄積されているDVR・店舗対応表81a(図3(a))と、カメラ・自動取引装置対応表81b(図3(b))とを参照し、不審者発見部82によって、発見された不審者が操作した、または操作を試みた自動取引装置2とその自動取引装置2の設置場所を割り出す。
【0037】
(104ステップ)
(102ステップ)で映像を選択した時刻または自動検出された時刻をもとに、ジャーナル検索部85によって、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルの中から、該当の電子化ジャーナルを検索する。すなわち、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた口座に関連する電子化ジャーナルを検索する。不審者が自動取引装置2を操作して、または操作を試みた口座に関連して、ネットワーク3を介して、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルを検索して、その口座に該当する電子化ジャーナルを特定する。このとき、ジャーナル検索部85によって電子化ジャーナルの検索は、検索日時を指定して、すなわち、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた日時を中心として、その前後の時間を指定して行うことができる。
【0038】
ジャーナル検索部85によって行われた電子化ジャーナルの検索結果は、図5(a)または図5(b)に示すように、管理端末8に設けられた映像表示モニタに表示される。該当する電子化ジャーナルが電子化ジャーナル蓄積サーバ6に無い場合には、図5(a)に示すように、該当する電子化ジャーナルが存在しない旨のメッセージが表示される。一方、該当する電子化ジャーナルが存在する場合は、図5(b)に示すように、電子化ジャーナルに関する取引情報が表示される。
【0039】
(105ステップ)
そして、図5(b)に示す画面において、日時の検索範囲を指定して、「過去のジャーナル検索」のボタンをクリックすると、ジャーナル検索部85および映像検索部86は、該当の口座番号をキーにして過去の電子化ジャーナルと映像監視データを検索する。このとき、ジャーナル検索部85は、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルの中から、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連する過去の電子化ジャーナルを検索する。また、映像検索部86は、映像蓄積サーバ7に蓄積された他の映像監視データの中から、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または操作を試みた口座に関連する映像監視データを検索する。これらの検索結果は、検索結果表示部87によって、図6に示すように、管理端末8の映像表示モニタに一覧表示される。
【0040】
図6に示す画面においては、下記の(a)〜(d)のデータを含む、取引内容、顔画像、映像のデータが一覧表示される。取引内容としては、取引日時、取引種別(入金、出金、振込など)、取引支店名、自動取引装置2の識別番号などのデータが表示される。
(a)不審者が自動取引装置2を操作して行った取引、または試みた取引に関する電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(b)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(c)自動取引装置2を操作した、または操作を試みた不審者の映像監視データ(不審者の映像、不審者が自動取引装置2の設置場所に来た時から退出するまでの映像)
(d)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の映像監視データ
【0041】
顔画像の領域には、自動取引装置2の操作者の画像が複数枚表示される。このとき、画面上の該当箇所をクリックすると拡大画像が表示されるようにすると、好ましい。
また、映像の箇所には、該当の電子化ジャーナルに関連した映像監視データへのリンクを設置し、このリンクをクリックすると、映像蓄積サーバ7から検索された映像を再生するようにする。
【0042】
そして、検索結果表示部87においては、図3(a)に示すDVR・店舗対応表81aより店舗名からDVRのDVR番号を割り出す。割り出されたDVR5の「カメラ・自動取引装置対応表」(図3(b))より自動取引装置2の識別番号からカメラ4のカメラ番号を割り出す。割り出されたカメラ4のカメラ番号の数だけ映像監視データへのリンクを設置する。このとき、映像監視データの開始時刻と終了時刻は、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた日時より算出する。例えば、その日時の3分前を開始時刻とし、その日時の2分後を終了時刻とし、映像データを5分間とする。この開始時刻と終了時刻の設定は自由に設定可能とする。
【0043】
(106ステップ)
また、図6に示す画面には、「全媒体作成」「チェック箇所の媒体作成」「チェック箇所に電話する」のボタンを設置し、取引内容の確認が行われる。「全媒体作成」をクリックすると、(105ステップ)にて検索されたデータすべて(取引内容、顔画像、映像)を外部媒体に出力する。「チェック箇所の媒体作成」をクリックすると、ステップ(105ステップ)にて検索されたデータのうち、チェックボックスのチェックをしたデータのみを外部媒体に出力する。1つのチェックボックスにチェックした状態で、「チェック箇所に電話する」をクリックすると、該当の自動取引装置2の操作者の登録済み連絡先に電話をかける。電話をかける方法については、管理端末にインストールされたソフトフォンを利用するなど各種の方法を採用することができる。これによって、不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連して、キャッシュカードの不正使用を特定できる。すなわち、不審者の顔画像と、該当口座に関連する過去の電子化ジャーナルおよび映像監視データの映像内に表示される、該当口座を使用する操作者の顔画像が異なったり、不審な行為があったりした場合には、該当口座の登録済み連絡先に電話して、不審者の行為が不正にカードを使用したか否かを確認することができる。また、不審者が行った行為が、例えば、使用したキャッシュカードについて登録されているものとは異なる暗証番号を使用したりする場合、さらには、振り込め詐欺等に特有の行為(例えば、携帯電話を掛けながら自動取引装置2の操作を行ったりする行為)が、映像監視データから確認される場合には、該当口座の登録済み連絡先に電話して、不正な行為であるか否かを確認できる。
【0044】
(107ステップ)
以上の取引内容の確認結果により、金融機関は、取引停止や取引を制限するなど、適切な事後処理を取ることができる。
【0045】
このとき、管理端末8は、一覧表示と、前記自動取引装置を操作する、または操作を試みた不審者の映像監視データおよび電子化ジャーナルとから不正取引を判定する不正取引判定部88を設けてもよい。この不正取引判定部88では、映像監視データおよび電子化ジャーナルとから、事前に登録した重み付け表に基づく重み付けを行って、重み付けされた判定結果を表示する。この不正取引判定部88によって重み付けされた判定結果に基づいて、不正取引の発見を的確かつ効率的に行うことができる。
【0046】
以上の第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)同一口座番号に基づいて、過去の取引内容、顔画像、映像を一覧表示することにより、本人が自身のカード(キャッシュカード)を使用している場合は、顔画像はすべて同一人物であるので、顔画像を確認することにより、カード(キャッシュカード)の不正使用の特定が可能である。また、本人が自身のカード(キャッシュカード)を使用した場合でも、不審な行為が行われているか否かを確認することによって、振り込め詐欺等の犯罪取引の特定のために活用できる。
(2)管理端末8において、「全媒体作成」「チェック箇所の媒体作成」「チェック箇所に電話する」等の機能を活用することにより、人の負荷をかけずに、警察など外部機関に証拠能力の高いデータを提供できる。
(3)「チェック箇所に電話する」機能を利用することにより、取引内容について、その場で、自動取引装置2の操作者に確認をとることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、本発明の統合管理システムによって偽造/盗難カード使用を発見する第2実施形態について説明する。
図8に、第2実施形態における本発明の統合管理システムの動作を示す。
この第2実施形態において、(201ステップ)〜(204ステップ)は、それぞれ第1実施形態における(101ステップ)〜(104ステップ)と同じであるので、説明を省略する。
【0048】
(205ステップ)
図5(b)の画面において、日時の検索範囲を指定して、「類似画像の検索」のボタンをクリックすると、該当の電子化ジャーナルの顔画像の類似画像を検索し、取引内容、顔画像、映像データを一覧表示する。このとき、ジャーナル検索部85は、電子化ジャーナル蓄積サーバ6に蓄積された電子化ジャーナルの中から、その不審者の顔画像に類似した顔画像に関連づけて蓄積された電子化ジャーナルを検索する。また、映像検索部86は、映像蓄積サーバ7に蓄積された映像監視データの中から、不審者の顔画像に類似した顔画像に関連つけて蓄積された映像監視データを検索する。これらの検索結果は、検索結果表示部87によって、図9(a)または(b)に示す画面が、管理端末8の映像表示モニタに一覧表示される。類似画像が存在しない場合は、図9(a)の画面となる。類似画像が存在する場合は、図9(b)の画面となる。
【0049】
図9(b)に示す画面においては、下記の(a)〜(d)のデータを含む、取引内容、顔画像、映像が一覧表示される。取引内容としては、取引日時、取引種別(入金、出金、振込など)、取引支店名、自動取引装置2の識別番号などが表示される。
(a)不審者が自動取引装置2を操作して行った取引、または試みた取引に関する電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(b)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の電子化ジャーナル、不審者の顔画像
(c)自動取引装置2を操作した、または操作を試みた不審者の映像監視データ(不審者の映像、不審者が自動取引装置2の設置場所に来た時から退出するまでの映像)
(d)不審者が自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みた口座の口座番号に関連する過去の映像監視データ
【0050】
顔画像の箇所には、自動取引装置2の操作者の画像が複数枚表示される。このとき、画面上の該当箇所をクリックすると拡大画像が表示されるようにすると、好ましい。
また、映像の箇所には、該当の電子化ジャーナルに関連した映像監視データへのリンクを設置し、このリンクをクリックすると、映像蓄積サーバ7から検索された映像を再生するようにする。
【0051】
そして、検索結果表示部87においては、図3(a)に示すDVR・店舗対応表81aより店舗名からDVRのDVR番号を割り出す。割り出されたDVR5の「カメラ・自動取引装置対応表」(図3(b))より自動取引装置2の識別番号からカメラ4のカメラ番号を割り出す。割り出されたカメラ4のカメラ番号の数だけ映像監視データへのリンクを設置する。このとき、映像監視データの開始時刻と終了時刻は、不審者が自動取引装置2を操作した、または操作を試みた日時より算出する。例えば、その日時の3分前を開始時刻とし、その日時の2分後を終了時刻とし、映像データを5分間とする。この開始時刻と終了時刻の設定は自由に設定可能とする。
【0052】
(206ステップ)
また、図9(b)に示す画面には、「全媒体作成」「チェック箇所の媒体作成」「チェック箇所に電話する」のボタンを設置し、取引内容を確認するために活用する。「全媒体作成」をクリックすると、(205ステップ)にて検索されたデータすべて(取引内容、顔画像、映像)を外部媒体に出力する。「チェック箇所の媒体作成」をクリックすると、ステップ(205ステップ)にて検索されたデータのうち、チェックボックスのチェックをしたデータのみを外部媒体に出力する。1つのチェックボックスにチェックをした状態で、「チェック箇所に電話する」をクリックすると、該当の自動取引装置2の操作者の登録済み連絡先に電話をかける。電話をかける方法については、管理端末にインストールされたソフトフォンを利用するなど各種の方法を採用することができる。これによって、不審者が偽装/盗難カードを使用して自動取引装置2を操作して取引を行った、または取引を試みたか否かを特定できる。すなわち、図9(b)の口座番号が異なったり、不審な行為があったりした場合には、該当口座の登録済み連絡先に電話して、不審者が偽装/盗難カードを使用したか否かを確認することができる。
【0053】
(207ステップ)
以上の取引内容の確認結果により、金融機関は、取引停止や取引を制限するなど、適切な事後処理を取ることができる。
【0054】
このとき、管理端末8は、一覧表示と、前記自動取引装置を操作する、または操作を試みた不審者の映像監視データおよび電子化ジャーナルとから不正取引を判定する不正取引判定部88を設けてもよい。この不正取引判定部88では、映像監視データおよび電子化ジャーナルとから、事前に登録した重み付け表に基づく重み付けを行って、重み付けされた判定結果を表示する。この不正取引判定部88によって重み付けされた判定結果に基づいて、不正取引の発見を的確かつ効率的に行うことができる。
【0055】
以上の第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)該当のジャーナルの顔画像の類似画像を検索し、取引内容、顔画像、映像データを一覧表示し、口座番号を確認することにより、偽造/盗難カードの使用の特定が可能となる。すなわち、自動取引装置2の操作者が偽造/盗難カードを使用し、さらに他の偽造/盗難カードや自分のカードを使用していた場合に、図9(b)に示す画面に表示される口座番号には、異なる口座番号が表示されるので、偽造/盗難カードの使用の特定が可能となる。
(2)「全媒体作成」「チェック箇所の媒体作成」等の機能を利用することにより、人の負荷をかけずに、警察など外部機関に証拠能力の高いデータを提供できる。
(3)「チェック箇所に電話する」機能を利用することにより、取引内容について、その場で、自動取引装置2の操作者に確認を取ることができる。
【0056】
なお、前記した第1実施形態および第2実施形態では、図3(a)に示すDVR・店舗対応表81a、および図3(b)に示すカメラ・自動取引装置対応表81bを管理端末8の参照部81に設けられているものとしたが、これらのDVR・店舗対応表81aおよびカメラ・自動取引装置対応表81bを、電子化ジャーナル蓄積サーバ6、映像蓄積サーバ7、あるいは他のサーバに設け、管理端末8が、そのサーバに問い合わせるようにしてもよい。これによって、DVR・店舗対応表81a、およびカメラ・自動取引装置対応表81bの一元管理ができ、メンテナンスを容易にすることが可能となる。
【0057】
また、前記した第1実施形態および第2実施形態では、電子化ジャーナル蓄積サーバ6と映像蓄積サーバ7は各々独立してもうけられているものとしたが、これを1つのサーバ(データ統合管理手段)に統合し、電子化ジャーナルと映像監視データを1つのハードディスクに蓄積してもよい。これによって、1つのサーバによって、電子化ジャーナルと映像監視データとを統合して管理することができる。
【0058】
さらに、前記した第1実施形態および第2実施形態では、図5(b)、図7(b)の一覧表示の「映像」の箇所には、「カメラ・自動取引装置対応表」81bに基づいて自動取引装置2付近の監視映像がリンクされる例を示したが、「カメラ・自動取引装置対応表」81bに不審者が操作を行った、または操作を試みた自動取引装置2の設置場所の内外のカメラ4による映像監視データを追加することにより、不審者が自動取引装置の設置場所に来た時から退出するまでの映像を確認することができる。例えば、「カメラ・自動取引装置対応表」を図10のように変更し、カメラ番号4の映像を図6(b)、図9(b)の「映像」の箇所にデフォルトで加えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る統合管理システムの構成例を示す図である。
【図2】管理端末(管理手段)の構成例を示す図である。
【図3】(a)は、DVR・店舗対応表、(b)は、カメラ・自動取引装置対応表を示す図である。
【図4】不審者の映像監視データを表示する画面を示す図である。
【図5】(a)および(b)は、電子化ジャーナルの検索結果を示す図である。
【図6】(a)および(b)は、過去の電子化ジャーナルの検索結果を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態における統合管理システムの動作を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態における統合管理システムの動作を示す図である。
【図9】管理端末の映像表示モニタに一覧表示される画面の例である。
【図10】カメラ・ATM対応表の別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 統合管理システム
2 自動取引装置
3 ネットワーク
4 カメラ(監視カメラ、撮影手段)
5 DVR(映像記録手段)
6 電子化ジャーナル蓄積サーバ(電子化ジャーナル蓄積手段)
7 映像蓄積サーバ(映像蓄積手段)
8 管理端末(管理手段)
81 参照部
81a DVR・店舗対応表(映像記録手段・店舗対応表)
81b カメラ・自動取引装置対応表
82 不審者発見部
83 映像選択・検出部
84 自動取引装置割り出し部
85 ジャーナル検索部
86 映像検索部
87 検索結果表示部
88 不正取引判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融取引を行う自動取引装置と、この自動取引装置の周辺部を監視する監視カメラと、前記自動取引装置および前記監視カメラとネットワークを介して接続される管理手段とを備える電子化ジャーナルと映像の統合管理システムであって、
前記管理手段は、
前記監視カメラにより取得された映像監視データを前記自動取引装置毎に蓄積する映像蓄積手段と、
前記自動取引装置を操作した操作者の取引日時、口座番号および取引内容を含む取引情報を電子化ジャーナルとして蓄積する電子化ジャーナル蓄積手段とに接続され、
前記設置場所と前記取引情報とを対応づけた対応情報を用いて、所定の取引情報に対応する対応電子化ジャーナルを検索するジャーナル検索部と、
前記対応電子化ジャーナルおよび前記対応電子化ジャーナルに関連する映像監視データの映像を一覧表示する表示部と
を備えることを特徴とする電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、
前記監視カメラが取得した映像監視データから前記自動取引装置を操作する、または操作を試みた不審者を発見する不審者発見部と、
前記不審者発見部によって発見された不審者が操作した自動取引装置、または操作を試みた自動取引装置を割り出す自動取引装置割り出し部と、をさらに備え、
前記所定の取引情報は、前記自動取引装置割り出し部が割り出した自動取引装置で取引した取引情報であることを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項3】
前記不審者発見部は、前記映像監視データの複数の映像を前記表示部に表示して、操作者により選択されることにより前記不審者を発見することを特徴とする請求項2に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記一覧表示と、前記自動取引装置を操作する、または操作を試みた不審者の映像監視データおよび電子化ジャーナルとから不正取引を判定するとともに、
事前に登録した重み付け表に基づく重み付けを行って、重み付けされた判定結果を表示する不正取引判定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項5】
前記管理手段は、
前記映像蓄積手段に蓄積された映像監視データの中から、前記不審者が前記自動取引装置を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連する映像監視データを検索する映像検索部を備え、
検索日時を指定して、前記不審者が前記自動取引装置を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連して、前記ジャーナル検索部によって検索された過去の電子化ジャーナルと、前記映像検索部により検索された過去の映像監視データとの一覧表示とに基づいて、キャッシュカードの不正使用を特定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項6】
前記管理手段は、
前記映像蓄積手段に蓄積された映像監視データの中から、前記不審者が前記自動取引装置を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連する映像監視データを検索する映像検索部を備え、
前記管理手段は、検索日時を指定して、前記映像検索部によって、前記不審者の顔画像に類似する画像を含む映像監視データを検索し、検索された映像監視データと、前記不審者が前記自動取引装置を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連して、前記ジャーナル検索部によって検索された過去の電子化ジャーナルと、前記映像検索部によって検索された過去の映像監視データとの一覧表示に基づいて、偽造/盗難カードの使用を特定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項7】
前記電子化ジャーナル蓄積手段と前記映像蓄積手段は、前記電子化ジャーナルと映像監視データとを管理して蓄積するデータ統合蓄積手段に統合されていることを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。
【請求項8】
前記管理手段は、
前記映像蓄積手段に蓄積された映像監視データの中から、前記不審者が前記自動取引装置を操作して取引を行った、または取引を試みた口座に関連する映像監視データを検索する映像検索部を備え、
前記管理手段は、前記映像検索部によって、前記映像蓄積手段に蓄積された映像監視データの中から、前記不審者が操作した前記自動取引装置の設置場所の映像監視データを検索し、前記不審者が操作を行った、または操作を試みた前記自動取引装置の設置場所の内外の映像監視データを、前記一覧表示に表示することを特徴とする請求項1に記載の電子化ジャーナルと映像の統合管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−72989(P2010−72989A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240530(P2008−240530)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】