電子式塩分計
【課題】測定対象物の温度を正確に推定して正確な塩度測定が可能な電子式塩分計を提供する。
【解決手段】一対のセンサピン13と、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサ18と、電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部110と、測定対象物の温度を測定するための温度測定部106と、制御信号に応じて温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部108と、制御信号に応じて温度補正部によって補正された温度と塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部112と、ボタン操作部23と、表示部22とから構成される。
【解決手段】一対のセンサピン13と、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサ18と、電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部110と、測定対象物の温度を測定するための温度測定部106と、制御信号に応じて温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部108と、制御信号に応じて温度補正部によって補正された温度と塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部112と、ボタン操作部23と、表示部22とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式塩分計に関し、さらに詳しくは各種ボタンを除去して使用が便利で完全防水を可能にしながら、測定対象物の温度を正確に推定して正確な塩度測定が可能な電子式塩分計に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ウェルビーイング、健康に対する一般人の関心が高まることに伴い、塩分の多い食べ物が高血圧の主な発生要因の一つということが明らかになり、食べ物に含まれた塩分を測定する塩分計に対する関心が増大している。
【0003】
食べ物や海水など測定対象物の塩度を測定する方式としては、測定対象物に含まれている塩分の量によって電気伝導率が異なるという点を利用した電気伝導率(conductivity)方式と、測定対象物内に含まれた塩分の量によって光の屈折具合が変わる原理を利用した反射率計(reflectometer)方式が知られている。
【0004】
電気伝導率方式は測定対象物に溶け込んでいるイオン化された塩分(電解質)による伝導率を、二つの電極の間に流れる電流の大きさを用いて測定する方式である。また、塩度は温度に影響されるものであり、通常、1℃の温度変化があると、塩度には約2%程度の変化が起こるということが知られている。
【0005】
したがって、塩度を正確に測定するためには温度を正確に測定することが非常に重要であり、また、使用者の混同を避けるために測定対象物の塩度は常温(25℃)における塩度(単位:%又はppt)に単一化して表示することが好ましいとされており、常温以外の温度で測定された塩度を常温での塩度に変換して表示する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
温度によって塩度が異なるので正確な塩度を測定するためには測定対象物の塩度測定時に測定対象物の実際温度を正確に測定することが非常に重要である。
【0007】
ところが、電気伝導率方式で塩度を測定する従来の電子式塩分計は、その構造上、熱い汁の塩度を正確に測定できない上、塩度測定時の実際温度を正確に測定することができないため測定された塩度の正確度が落ちるという問題点がある。
【0008】
また、従来の電子式塩分計は電源の切り替えや測定の制御を行うための操作ボタンを具備しているため使用が不便で、測定部を完全防水構造にすることが難しいという問題点がある。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解消するために提案されたものであり、本発明の目的は、測定開始後に所定時間の間の測定温度と実際温度との関係をあらかじめ予測して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正することで短い時間内に正確に塩度を測定できる電子式塩分計を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、温度センサによって感知される温度変化を追いかけて温度変化がしきい値(threshold)以下に落ちた場合には、熱平衡状態に到達したと推定してこれを表示するとともに、温度と塩度を測定することで正確度を向上させた電子式塩分計を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、節電モードで動作中には測定中であるか否かを常に監視し、測定物との接触が感知されると、自動的に電源がオンにされ正常モードで動作するようにすることで、電源ボタンや測定ボタンを除去したので使用が簡便で完全防水を可能にした電子式塩分計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するために本発明の電子式塩分計は、測定対象物に電源を印加するための一対のセンサピンと、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、温度と常温塩度を表示するための表示部と、前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする。
【0013】
前記のような目的を達成するために本発明の他の電子式塩分計は、測定対象物に電源を印加するための一対のセンサピンと、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、制御信号に応じて測定開始後に所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、温度と塩度を表示するための表示部と、前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると前記熱平衡検出部を作動させ、熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による電子式塩分計は、測定開始後に所定時間の間の測定温度と実際温度との関係をあらかじめ予測して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正することで短い時間内に正確に塩度を測定できる。
【0015】
また、本発明による電子式塩分計は、温度センサによって感知される温度変化を追いかけて温度変化がしきい値以下に落ちた場合には熱平衡状態に到達したと推定してこれを表示するとともに温度と塩度を測定することで正確度を向上させることができる。
【0016】
さらに、本発明による電子式塩分計は、操作のためのボタンを全て除去した後、測定対象物に投入したとき自動的に電源がオンにされるようにして自動的に測定を行うとともに測定が終了した時に振動でこれを知らせるので使用が非常に便利で、測定部を完全防水構造にすることが容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるスプーン型電子式塩分計を示した斜視図である。
【図2】本発明によるスプーン型電子式塩分計の使用状態図である。
【図3】本発明によるスプーン型電子式塩分計の分離斜視図である。
【図4】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図5】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計のLCD表示画面を例示した図である。
【図6】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【図11】本発明による棒型電子式塩分計を示した斜視図である。
【図12】本発明による棒型電子式塩分計の使用状態図である。
【図13】本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図14】本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図16】本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明と本発明の実施によって達成される技術的課題は、次に説明する本発明の好ましい実施の形態によってより明確になるであろう。次の実施の形態は 本発明を説明するために例示したものにすぎず、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0019】
先ず、本発明の電子式塩分計は、測定部の形状によってスプーン型と棒(針)型に区分することができ、塩度測定方式によって所定時間測定方式と熱平衡感知測定方式に区分することができ、電源制御方式によって電源オン/オフボタンを使用するボタン構造型と測定を感知すると自動的に電源がオン状態になるようにすることでボタンを除去したボタン無し自動オンタイプに区分することができる。ボタン無し自動オン機能は測定部の形状がスプーン型である場合にも棒型である場合にも適用することができるが、反復を避けるために本発明の実施の形態のおいては、測定部がスプーン型である場合にはボタン構造を例にあげて説明し、棒型である場合にはボタン無し構造を例にあげて説明する。
【0020】
本発明の実施の形態で第1実施の形態は、ボタンを有し測定部の形状はスプーン型で所定時間の間測定を行うする方式であり、第2実施の形態はボタンを有し測定部の形状はスプーン型で熱平衡を感知して測定する方式であり、第3実施の形態はボタンを有しない(ボタン無し)測定部の形状は棒型で所定時間の間測定する方式であり、第4実施の形態はボタンを有しない(ボタン無し)測定部の形状は棒型で熱平衡を感知して測定する方式である。
【0021】
[第1実施の形態]
図1は本発明によるスプーン型電子式塩分計を示した斜視図であり、図2は本発明によるスプーン型電子式塩分計の使用状態図であり、図3は本発明によるスプーン型電子式塩分計の分離斜視図である。
【0022】
本発明によるスプーン型電子式塩分計100は、図1乃至図3に示すように、測定対象物(図2の40)を掬い取ることのできる測定容器10と、測定容器10に入れてある測定対象物の温度と塩度を測定して常温での塩度で表示する本体20と、からなり、測定容器10と本体20はリングホルダー30によってねじ結合されるとともに、リングホルダー30を緩めることで互いに分離できるように形成されている。
【0023】
測定容器10は支持台11の一端部が測定対象物40を掬い取ることのできるスプーン12になっており、スプーン12の底面には塩度と温度を感知するための一対のセンサピン13が突出しており、支持台11の内部には図示していない電気線がコネクタ16を介して本体20の連結ピン26と連結され得るようになっている。支持台11の他端部には本体20との結合のための結合部14が形成されるとともに、スプーン12と結合部14との間の支持台11に前後移動が可能にリングホルダー30が挟まれており、リングホルダー30は結合部の顎部17によって抜けられないようになっている。このような測定容器10はプラスチック射出物等で製造され得る。
【0024】
本体20はプリント回路基板(PCB)とバッテリなどを格納できるように内部が空いている円筒状のケース21にLCD表示部22とボタン操作部23とが付着されており、ケース21の一端部にはリングホルダー30との結合のためのねじ山21aが形成されるとともに、他端部にはアクセサリー取り付け用の輪が形成された乾電池キャップ24が結合されている。また、ケース21の内側には測定容器のガイド溝15a、15bに対応するガイド25a、25bが形成され測定容器のコネクタ16と本体の連結ピン26とが正確に結合できるようになっている。
【0025】
図4は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図であり、図5は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計のLCD表示画面を例示した図である。
【0026】
本発明の第1実施の形態による電子式塩分計100は、図4に示すように、測定容器10のスプーン12に位置する一対のセンサピン13がコネクタ16を介して本体20に連結されており、センサピン13のうちいずれか一つには測定対象物の熱量を感知するためのサーミスタ(NTC)18が実装されている。本体20の電気的な構成は、図4に示すように、バッテリ102、電源部104、温度測定部106、温度補正部108、塩度測定部110、常温塩度変換部112、制御部114、メモリ116、LCD駆動部118、LCD120、及びボタン操作部22からなる。ここで、ボタン操作部22は電源オン/オフ(ON/OFF)ボタン22aと自動(Auto)ボタン22bと温度(TEMP)ボタン22cとからなり、塩度測定部の一部、温度測定部の一部、常温塩度変換部、温度補正部、制御部、メモリ、LCD駆動部は、フラッシュメモリとLCD駆動部とを有する単一のマイクロコントロールユニットマイコン(MCU)であり得る。
【0027】
図4に示すように、センサピン13は白金メッキが施された銅のように伝導率と熱伝導特性が良好な金属からなり、内蔵されたサーミスタ18に速かに熱を伝達できる構造になっている。センサピン13は塩度測定部110に連結される電極であり、塩度測定部110により印加される交流電圧を測定対象物40に伝達して測定対象物の塩度を電気伝導率方式で測定できる。塩度測定に交流電圧を用いるのは、直流電圧を使用する場合電極が腐食することを防止するためである。
【0028】
サーミスタ18は温度によって抵抗値が変化する素子であり、NTCとPTCがあるが、温度センサには白金メッキが施されたNTCが主に用いられており、温度測定部106に連結されセンサピン13を介して伝達される測定対象物の温度を感知する。
【0029】
電源部104は制御部114の電源(PWR)オン/オフ制御信号に応じてバッテリ102から入力される電源を安定化させて回路素子にVcc電圧を供給し、制御部114の測定オン/オフ信号に応じてMVcc電圧を塩度測定部110に供給する。
【0030】
温度測定部106はセンサピン13の導通によって測定が開示された時間を基準にして所定時間が経過した時点(例えば、10秒)でサーミスタ18を用いて流れる電流を検出することで測定対象物の温度を測定し、温度補正部108は次の表1のような温度補正テーブルを用いて温度測定部106によって測定された温度を実際温度に補正する。
【0031】
【表1】
【0032】
前記表1のような温度補正テーブルは、測定容器10の温度が常温である状態で測定対象物を測定容器のスプーン12で掬い取って所定時間(例えば、10秒)が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したものである。この時、同じ測定対象物であっても測定開始時の測定容器10の温度によって10秒が経過した時点の温度が異なることがあるので、測定開始時の測定容器10の温度はできる限り常温に近いことが好ましい。したがって、本発明による電子式塩分計を複数回使用する場合には次の測定を始める前に水道水で測定容器10を洗い流して測定容器10の温度を常温に近づける必要がある。
【0033】
塩度測定部110はMVcc電源を交流電源に変換してセンサピン13に交流電圧を印加するための発振回路を含んでおり、測定対象物を経由してセンサピン13を介して流れる電流から測定対象物の伝導率を算出する電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定し、常温塩度変換部112は温度補正部108によって補正された測定対象物の実際温度と塩度測定部110によって測定された塩度を所定の変換式やテーブルを用いて常温での塩度値に変換する。
【0034】
メモリ116はソフトウェアが保存されたフラッシュメモリ、データを保存するためのSRAM、テーブル値を保存するためのEEPROMなどからなり、制御部114はメモリ116に保存されたソフトウェアを実行してボタン操作部22の電源ボタン22aがオンにされると電源部104を制御してVcc電源を供給させ、自動(Auto)ボタン22bがオンにされるとMVcc電圧を供給させて塩度測定部110を介して測定対象物によって二つのセンサピン13間が導通しているか否かを監視し、センサピン13間が導通状態になると内蔵タイマーを動作させた後10秒が経過すると温度測定部106と塩度測定部110とを制御して温度と塩度を測定させる。そして、常温塩度変換部112から入力された常温の塩度値をLCD駆動部118を介してLCD120に表示させる。
【0035】
LCD120は図5に示すように、LCD駆動部118の駆動に応じてAuto、Hold、ローバッテリなどの動作状態や%、℃など単位、温度や塩度などの数字を表示できるようになっている。
【0036】
図6は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計100の動作手順を示したフローチャートである。
【0037】
図6に示すように、電源ボタン22aがオンにされると制御部114は電源部104がVcc電圧を供給するように制御することで各々の素子が初期動作を行うようにするとともにLCD画面をオンにする(S101、S102)。次いで、自動ボタン22bがオンにされると、制御部114はLCD上にAutoという文字を点滅させて自動測定状態であることを表示するとともに電源部104がMVcc電源を出力するように制御した後、塩度測定部110を介してセンサピン13が導通しているか否かを監視する(S103〜S106)。
【0038】
測定物を投入することによりセンサピン13が導通状態になると、制御部114は内蔵タイマーを動作させて時間をカウントし、所定の設定時間(例えば、10秒)が経過すると、温度測定部106と塩度測定部110とに測定対象物の温度と塩度を測定させる(S107〜S108)。そして、HOLD状態であることを表示して測定が終了したことを表示し、測定された温度を温度補正テーブルによって実際温度に補正するとともに、実際温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S110〜S112)。そして、常温での塩度値をLCD120上に表示し、電源がオンにされてから所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S113〜S115)。
【0039】
一方、自動ボタン22bがオンにされていない状態で測定容器10を測定対象物40に入れると補正テーブルでなく実際にセンサに伝達された温度を補償して測定することができ、温度ボタン22cが入力されると測定された温度をLCD120上に表示する。
【0040】
図7は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【0041】
図7に示すように、使用者がt1時間にボタン操作部の電源ボタン22aを押して電源がオンにされると電源部104がVcc電圧を出力して回路素子を動作させ、t2時間に自動ボタン22bを押すと電源部104がMVcc電圧を出力して塩度測定部110を動作させ、これにより塩度測定部110がセンサピン13を常に監視し、t3時間に測定容器10に測定対象物が投入されるとセンサピン13が導通状態になってタイマーが時間をカウントする。この時、高温の測定対象物が測定容器10に投入されると、測定容器の温度は温度グラフから分かるように常温状態から急激に増加し、タイマーが10秒をカウントしたt4時間に塩度測定部110と温度測定部106とが測定対象物の塩度と温度を実際に測定する。そして、温度測定部106で測定された温度は温度補正テーブルにより補正され、実際温度の塩度値は常温での塩度値に変換されてLCD120上に常温の塩度で表示される。
【0042】
[第2実施の形態]
図8は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0043】
本発明の第2実施の形態による電子式塩分計200は、図8に示すように、第1実施の形態の温度補正部106が第2実施の形態では熱平衡検出部210に変更されたことを除けば他の構成は同じであるので重複を避けるために相違点を中心に説明する。第2実施の形態の電子式塩分計200は、第1実施の形態のようにタイマーを用いて時間をカウントせず、測定が始まった後温度測定部106によって測定されたリアルタイム温度を熱平衡検出部210が受信して温度変化量を算出した後、温度変化量△Tが所定のしきい値△Tcut以下になると温度センサの温度が測定物と同じ温度になる熱平衡状態に到達したと判断して実際の温度と塩度を測定するものである。
【0044】
図8に示すように、電源ボタン22aがオンにされ自動ボタン22bがオンにされると、制御部114は電源部104を制御してMVcc電圧を出力させ、塩度測定部110はセンサピン13間の導通を監視する。測定物の投入によりセンサピン13間が導通状態になると、熱平衡検出部210は温度測定部106を介して測定対象物の温度を測定した後、前の測定温度と比較して温度変化量△Tを算出する。そして、温度変化量△Tが次第に小さくなって所定のしきい値△Tcut以下になると熱平衡検出部210は熱平衡状態であると判断して温度測定部106と塩度測定部110とに温度と塩度をそれぞれ測定させる。測定された温度と塩度は常温塩度変換部112で常温での塩度値に変換された後、LCD120上に常温の塩度で表示される。
【0045】
図9は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計200の動作手順を示したフローチャートである。
【0046】
図9に示すように、電源ボタン22aがオンにされると制御部114は電源部104がVcc電圧を供給するように制御して各々の素子に初期動作を行わせるとともにLCD画面をオンにする(S201、S202)。次いで、自動ボタン22bがオンにされると、制御部114はLCD上にAutoという文字を点滅させて自動測定状態を表示するとともに電源部104にMVcc電源を出力させた後、塩度測定部110を介して測定物が投入されてセンサピン13が導通しているか否かを監視する(S203〜S205)。
【0047】
センサピン13が導通状態になると、温度測定部106を介して温度を測定し、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、前の温度と比較して温度変化量△Tを算出する(S206、S207)。
【0048】
そして、算出された温度変化量△Tを所定のしきい値△Tcutと比較してしきい値以下になると温度測定部106と塩度測定部110とに測定対象物の温度と塩度を測定させる(S208、S208)。そして、HOLD状態であると表示して測定が終了したことを表示し、測定温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S210、S211)。そして、常温での塩度値をLCD上に表示し、電源がオンにされてから所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S212〜S214)。
【0049】
図10は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【0050】
図10に示すように、使用者がt1時間にボタン操作部22の電源ボタン22aを押して電源がオンにされると電源部104がVcc電圧を出力して回路素子を動作させ、t2時間に自動ボタン22bを押すと電源部104がMVcc電圧を出力して塩度測定部110を動作させ、これによって塩度測定部110がセンサピン13を常に監視し、t3時間に測定容器10に測定対象物が投入されるとセンサピン13が導通状態になり、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、現在の測定温度と前の測定温度を比較して温度変化量△Tを算出する。
【0051】
そして、熱平衡検出部210は算出された温度変化量△Tをしきい値△Tcutと比較して温度変化量がしきい値以下になると熱平衡状態であると判断してt5時間に塩度測定部110と温度測定部106とに測定対象物の塩度と温度を実際に測定させる。この時、熱平衡に到達するまでの時間は測定対象物の温度と測定開始時の測定容器の温度によって異なる。また、実際温度の塩度値は常温での塩度値に変換されてLCD120上に常温の塩度で表示される。
【0052】
[第3実施の形態]
図11は本発明による棒型電子式塩分計を示した斜視図であり、図12は本発明による棒型電子式塩分計の使用状態図である。
【0053】
本発明による電子式塩分計300は、図11及び図12に示すように、測定対象物に挿入できるようになっている測定バー310と測定バー310によって測定対象物の温度と塩度を測定して常温での塩度で表示する本体320とからなり、測定バー310と本体320は一体に結合されている。
【0054】
測定バー310は先端に第1センサピン313aが突出しており、絶縁体319を介在して第2センサピン313bが前後配列されて塩度を測定するための電極を構成しており、先端の第1センサピン313aには温度を感知するための温度センサ318が内蔵され、熱伝逹を活発にするために温度センサ318とセンサピン313aとの間にはサーマルクリームが充填されている。
【0055】
本体320はプリント回路基板とバッテリなどを格納できるように内部が空いている四角い筒型のケース321に表示部322が付着されており、ケース321の端部には乾電池キャップ324が結合されている。このような棒型電子式塩分計300には自動オン機能が採用され電源操作と測定のためボタンがすべて除去されている。
【0056】
図13は本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0057】
図13に示すように、第1実施の形態と同じ構成要素に対しては同じ符号を付した後、反復を避けるためにそれ以上の説明は省略し、第1実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
第3実施の形態は第1実施の形態のスプーン型測定容器10が棒型測定バー310に変更され、ボタン操作部22が除去された代りに測定の開始を監視するための測定監視部330が部がされ、電源部304が普段は節電モードで動作しながら常時電源を出力し、測定が開始されると測定電源を出力して全ての回路素子を正常動作させて塩度と温度を測定させるようにしたものである。即ち、本発明の第3実施の形態では測定監視部330が節電モードでセンサピン313a、313b間が導通しているか否かを監視していて、測定バー310が測定対象物に接触して二つのセンサピン313a、313b間が導通状態になるとこれを感知して制御部314に測定の開始を告知し、これにより制御部314が電源部304を制御して測定電源を出力して実際の測定が行われる。また、測定中にはLCD120に「測定中」と表示され、測定終了時には制御部314の制御に応じてLCD120に測定値を表示するとともに振動部340を振動させて振動で使用者に測定の終了を認識させる。
【0059】
第3実施の形態による電子式塩分計300の測定バー310は、第1センサピン313aと第2センサピン313bが絶縁体319を介在して前後配列され、先端の第1センサピン313aには温度を感知するための温度センサ318が内蔵されている。
【0060】
第3実施の形態で電源部304の出力は常時電源と測定電源とに区分され、節電モードでは常時電源のみが出力されるが、測定が感知されると制御部314の制御(測定オン)に応じて測定電源が出力される。常時電源は節電モードで動作が必要な最小限の素子に印加される電源であって消費電流を最小化(例えば、約10μA以下)する電源であり、測定電源は全体の回路素子を正常動作させる電源で測定対象物に対する塩度と温度を測定できるようにする電源である。そして、測定電源がオンにされ測定が終了して所定時間が経過すると電源部304は制御信号に応じて自動的に常時電源のみを出力して節電モードで動作する。
【0061】
図14は本発明の第3実施の形態による電子式塩分計100の動作手順を示したフローチャートである。
【0062】
図14に示すように、第3実施の形態の電子式塩分計300は別途のボタンが無いのでバッテリを挿入する時間を除けば、節電モードのための常時電源が出力される。常時電源によって動作する測定監視部330は二つのセンサピン313a、313b間が導通しているか否かを監視する(S301、S302)。
【0063】
測定対象物に測定バー310を投入してセンサピン313a、313bが導通状態になると、制御部314は内蔵タイマーを動作させて時間をカウントしLCD120に測定中であることを表示する(S303、S304)。
【0064】
そして、所定の設定時間(例えば、4秒)が経過すると、温度測定部106と塩度測定部110に測定対象物の温度と塩度を測定させる(S305、S306)。次いで、測定された温度を温度補正テーブルにより実際温度に補正するとともに実際温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S307、S308)。そして、常温での塩度値をLCD120上に表示するとともに振動で測定の終了を使用者に告知し、電源がオンにされた後所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に測定電源をオフにする(S309〜S311)。この時、振動はバッテリの消耗を抑えるために数秒程度だけ振動することが好ましい。
【0065】
[第4実施の形態]
図15は本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0066】
図15に示すように、第2実施の形態と同じ構成要素に対しては同じ符号を付した後、反復を避けるためにそれ以上の説明は省略し、第2実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0067】
第4実施の形態は第2実施の形態のスプーン型測定容器10が棒型測定バー310に変更され、ボタン操作部22が除去された代りに測定の開始を監視するための測定監視部430が部がされて電源部404が普段は節電モードで動作しながら常時電源を出力するが、測定が開始されると測定電源を出力して全ての回路素子を正常動作させて塩度と温度を測定させるようにしたものである。即ち、本発明の第4実施の形態では測定監視部430が節電モードでセンサピン413a、413b間が導通しているか否かを監視していて、測定バー310が測定対象物に挿入されてセンサピン313a、313bが導通状態になるとこれを感知して制御部414に測定の開始を告知し、これにより制御部414が電源部404を制御して測定電源を出力して実際の測定を行わせる。
【0068】
また、測定中にはLCD120に「測定中」と表示され、測定終了時には制御部414の制御に応じてLCD120に測定値を表示するとともに振動部440を振動させて振動で使用者に測定の終了を認識させる。
【0069】
第4実施の形態による電子式塩分計400の測定バー310は第1センサピン413aと第2センサピン413bとが絶縁体419を介在して前後配列され、先端の第1センサピン413aには温度を感知するための温度センサ418が内蔵されている。
【0070】
第4実施の形態で電源部404の出力は常時電源と測定電源とに区分され、節電モードでは常時電源のみが出力されるが、測定が感知されると制御部414の制御(測定オン)に応じて測定電源が出力される。常時電源は節電モードで動作が必要な最小限の素子に印加される電源であって消費電流を最小化(例えば、約10μA以下)する電源であり、測定電源は全体の回路素子を正常動作させる電源で測定対象物に対する塩度と温度を測定できるようにする電源である。
【0071】
図16は本発明の第4実施の形態による電子式塩分計400の動作手順を示したフローチャートである。
【0072】
図16に示すように、第4実施の形態の電子式塩分計400は別途のボタンが無いのでバッテリを挿入する時間を除けば節電モードのための常時電源が出力される。常時電源によって動作する測定監視部430は二つのセンサピン413a、413b間が導通しているか否かを監視する(S401、S402)。
【0073】
センサピン413a、413bが導通状態になると、LCD120に測定中であることを表示するとともに温度測定部106を介して温度を測定し、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、前の温度と比較して温度変化量△Tを算出する(S403〜S405)。
【0074】
そして、算出された温度変化量△Tを所定のしきい値△Tcutと比較してしきい値以下になると、温度測定部106と塩度測定部110に測定対象物の温度と塩度を測定させる(S406、S407)。次いで、測定温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S408)。
【0075】
また、常温での塩度値をLCD120上に表示するとともに振動部440を振動することで使用者に測定の終了を認識させ、電源がオンにされた後所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S409〜S411)。
【0076】
以上、本発明は図面に図示された実施の形態を参照して説明されたが、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明によって多様な変型及び均等な他の実施の形態を行うことが可能であることを理解できるはずである。
【符号の説明】
【0077】
10:測定容器
11:支持台
12:スプーン
13:センサピン
14:結合部
15a、15b:ガイド溝
16:コネクタ
17:顎部
20:本体
21:ケース
22:表示部
23:ボタン操作部
24:乾電池キャップ
25a、25b:ガイド
26:連結ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式塩分計に関し、さらに詳しくは各種ボタンを除去して使用が便利で完全防水を可能にしながら、測定対象物の温度を正確に推定して正確な塩度測定が可能な電子式塩分計に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ウェルビーイング、健康に対する一般人の関心が高まることに伴い、塩分の多い食べ物が高血圧の主な発生要因の一つということが明らかになり、食べ物に含まれた塩分を測定する塩分計に対する関心が増大している。
【0003】
食べ物や海水など測定対象物の塩度を測定する方式としては、測定対象物に含まれている塩分の量によって電気伝導率が異なるという点を利用した電気伝導率(conductivity)方式と、測定対象物内に含まれた塩分の量によって光の屈折具合が変わる原理を利用した反射率計(reflectometer)方式が知られている。
【0004】
電気伝導率方式は測定対象物に溶け込んでいるイオン化された塩分(電解質)による伝導率を、二つの電極の間に流れる電流の大きさを用いて測定する方式である。また、塩度は温度に影響されるものであり、通常、1℃の温度変化があると、塩度には約2%程度の変化が起こるということが知られている。
【0005】
したがって、塩度を正確に測定するためには温度を正確に測定することが非常に重要であり、また、使用者の混同を避けるために測定対象物の塩度は常温(25℃)における塩度(単位:%又はppt)に単一化して表示することが好ましいとされており、常温以外の温度で測定された塩度を常温での塩度に変換して表示する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
温度によって塩度が異なるので正確な塩度を測定するためには測定対象物の塩度測定時に測定対象物の実際温度を正確に測定することが非常に重要である。
【0007】
ところが、電気伝導率方式で塩度を測定する従来の電子式塩分計は、その構造上、熱い汁の塩度を正確に測定できない上、塩度測定時の実際温度を正確に測定することができないため測定された塩度の正確度が落ちるという問題点がある。
【0008】
また、従来の電子式塩分計は電源の切り替えや測定の制御を行うための操作ボタンを具備しているため使用が不便で、測定部を完全防水構造にすることが難しいという問題点がある。
【0009】
本発明は上記のような問題点を解消するために提案されたものであり、本発明の目的は、測定開始後に所定時間の間の測定温度と実際温度との関係をあらかじめ予測して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正することで短い時間内に正確に塩度を測定できる電子式塩分計を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、温度センサによって感知される温度変化を追いかけて温度変化がしきい値(threshold)以下に落ちた場合には、熱平衡状態に到達したと推定してこれを表示するとともに、温度と塩度を測定することで正確度を向上させた電子式塩分計を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、節電モードで動作中には測定中であるか否かを常に監視し、測定物との接触が感知されると、自動的に電源がオンにされ正常モードで動作するようにすることで、電源ボタンや測定ボタンを除去したので使用が簡便で完全防水を可能にした電子式塩分計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するために本発明の電子式塩分計は、測定対象物に電源を印加するための一対のセンサピンと、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、温度と常温塩度を表示するための表示部と、前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする。
【0013】
前記のような目的を達成するために本発明の他の電子式塩分計は、測定対象物に電源を印加するための一対のセンサピンと、いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、制御信号に応じて測定開始後に所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、温度と塩度を表示するための表示部と、前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると前記熱平衡検出部を作動させ、熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明による電子式塩分計は、測定開始後に所定時間の間の測定温度と実際温度との関係をあらかじめ予測して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正することで短い時間内に正確に塩度を測定できる。
【0015】
また、本発明による電子式塩分計は、温度センサによって感知される温度変化を追いかけて温度変化がしきい値以下に落ちた場合には熱平衡状態に到達したと推定してこれを表示するとともに温度と塩度を測定することで正確度を向上させることができる。
【0016】
さらに、本発明による電子式塩分計は、操作のためのボタンを全て除去した後、測定対象物に投入したとき自動的に電源がオンにされるようにして自動的に測定を行うとともに測定が終了した時に振動でこれを知らせるので使用が非常に便利で、測定部を完全防水構造にすることが容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるスプーン型電子式塩分計を示した斜視図である。
【図2】本発明によるスプーン型電子式塩分計の使用状態図である。
【図3】本発明によるスプーン型電子式塩分計の分離斜視図である。
【図4】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図5】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計のLCD表示画面を例示した図である。
【図6】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【図11】本発明による棒型電子式塩分計を示した斜視図である。
【図12】本発明による棒型電子式塩分計の使用状態図である。
【図13】本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図14】本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【図16】本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明と本発明の実施によって達成される技術的課題は、次に説明する本発明の好ましい実施の形態によってより明確になるであろう。次の実施の形態は 本発明を説明するために例示したものにすぎず、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0019】
先ず、本発明の電子式塩分計は、測定部の形状によってスプーン型と棒(針)型に区分することができ、塩度測定方式によって所定時間測定方式と熱平衡感知測定方式に区分することができ、電源制御方式によって電源オン/オフボタンを使用するボタン構造型と測定を感知すると自動的に電源がオン状態になるようにすることでボタンを除去したボタン無し自動オンタイプに区分することができる。ボタン無し自動オン機能は測定部の形状がスプーン型である場合にも棒型である場合にも適用することができるが、反復を避けるために本発明の実施の形態のおいては、測定部がスプーン型である場合にはボタン構造を例にあげて説明し、棒型である場合にはボタン無し構造を例にあげて説明する。
【0020】
本発明の実施の形態で第1実施の形態は、ボタンを有し測定部の形状はスプーン型で所定時間の間測定を行うする方式であり、第2実施の形態はボタンを有し測定部の形状はスプーン型で熱平衡を感知して測定する方式であり、第3実施の形態はボタンを有しない(ボタン無し)測定部の形状は棒型で所定時間の間測定する方式であり、第4実施の形態はボタンを有しない(ボタン無し)測定部の形状は棒型で熱平衡を感知して測定する方式である。
【0021】
[第1実施の形態]
図1は本発明によるスプーン型電子式塩分計を示した斜視図であり、図2は本発明によるスプーン型電子式塩分計の使用状態図であり、図3は本発明によるスプーン型電子式塩分計の分離斜視図である。
【0022】
本発明によるスプーン型電子式塩分計100は、図1乃至図3に示すように、測定対象物(図2の40)を掬い取ることのできる測定容器10と、測定容器10に入れてある測定対象物の温度と塩度を測定して常温での塩度で表示する本体20と、からなり、測定容器10と本体20はリングホルダー30によってねじ結合されるとともに、リングホルダー30を緩めることで互いに分離できるように形成されている。
【0023】
測定容器10は支持台11の一端部が測定対象物40を掬い取ることのできるスプーン12になっており、スプーン12の底面には塩度と温度を感知するための一対のセンサピン13が突出しており、支持台11の内部には図示していない電気線がコネクタ16を介して本体20の連結ピン26と連結され得るようになっている。支持台11の他端部には本体20との結合のための結合部14が形成されるとともに、スプーン12と結合部14との間の支持台11に前後移動が可能にリングホルダー30が挟まれており、リングホルダー30は結合部の顎部17によって抜けられないようになっている。このような測定容器10はプラスチック射出物等で製造され得る。
【0024】
本体20はプリント回路基板(PCB)とバッテリなどを格納できるように内部が空いている円筒状のケース21にLCD表示部22とボタン操作部23とが付着されており、ケース21の一端部にはリングホルダー30との結合のためのねじ山21aが形成されるとともに、他端部にはアクセサリー取り付け用の輪が形成された乾電池キャップ24が結合されている。また、ケース21の内側には測定容器のガイド溝15a、15bに対応するガイド25a、25bが形成され測定容器のコネクタ16と本体の連結ピン26とが正確に結合できるようになっている。
【0025】
図4は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図であり、図5は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計のLCD表示画面を例示した図である。
【0026】
本発明の第1実施の形態による電子式塩分計100は、図4に示すように、測定容器10のスプーン12に位置する一対のセンサピン13がコネクタ16を介して本体20に連結されており、センサピン13のうちいずれか一つには測定対象物の熱量を感知するためのサーミスタ(NTC)18が実装されている。本体20の電気的な構成は、図4に示すように、バッテリ102、電源部104、温度測定部106、温度補正部108、塩度測定部110、常温塩度変換部112、制御部114、メモリ116、LCD駆動部118、LCD120、及びボタン操作部22からなる。ここで、ボタン操作部22は電源オン/オフ(ON/OFF)ボタン22aと自動(Auto)ボタン22bと温度(TEMP)ボタン22cとからなり、塩度測定部の一部、温度測定部の一部、常温塩度変換部、温度補正部、制御部、メモリ、LCD駆動部は、フラッシュメモリとLCD駆動部とを有する単一のマイクロコントロールユニットマイコン(MCU)であり得る。
【0027】
図4に示すように、センサピン13は白金メッキが施された銅のように伝導率と熱伝導特性が良好な金属からなり、内蔵されたサーミスタ18に速かに熱を伝達できる構造になっている。センサピン13は塩度測定部110に連結される電極であり、塩度測定部110により印加される交流電圧を測定対象物40に伝達して測定対象物の塩度を電気伝導率方式で測定できる。塩度測定に交流電圧を用いるのは、直流電圧を使用する場合電極が腐食することを防止するためである。
【0028】
サーミスタ18は温度によって抵抗値が変化する素子であり、NTCとPTCがあるが、温度センサには白金メッキが施されたNTCが主に用いられており、温度測定部106に連結されセンサピン13を介して伝達される測定対象物の温度を感知する。
【0029】
電源部104は制御部114の電源(PWR)オン/オフ制御信号に応じてバッテリ102から入力される電源を安定化させて回路素子にVcc電圧を供給し、制御部114の測定オン/オフ信号に応じてMVcc電圧を塩度測定部110に供給する。
【0030】
温度測定部106はセンサピン13の導通によって測定が開示された時間を基準にして所定時間が経過した時点(例えば、10秒)でサーミスタ18を用いて流れる電流を検出することで測定対象物の温度を測定し、温度補正部108は次の表1のような温度補正テーブルを用いて温度測定部106によって測定された温度を実際温度に補正する。
【0031】
【表1】
【0032】
前記表1のような温度補正テーブルは、測定容器10の温度が常温である状態で測定対象物を測定容器のスプーン12で掬い取って所定時間(例えば、10秒)が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したものである。この時、同じ測定対象物であっても測定開始時の測定容器10の温度によって10秒が経過した時点の温度が異なることがあるので、測定開始時の測定容器10の温度はできる限り常温に近いことが好ましい。したがって、本発明による電子式塩分計を複数回使用する場合には次の測定を始める前に水道水で測定容器10を洗い流して測定容器10の温度を常温に近づける必要がある。
【0033】
塩度測定部110はMVcc電源を交流電源に変換してセンサピン13に交流電圧を印加するための発振回路を含んでおり、測定対象物を経由してセンサピン13を介して流れる電流から測定対象物の伝導率を算出する電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定し、常温塩度変換部112は温度補正部108によって補正された測定対象物の実際温度と塩度測定部110によって測定された塩度を所定の変換式やテーブルを用いて常温での塩度値に変換する。
【0034】
メモリ116はソフトウェアが保存されたフラッシュメモリ、データを保存するためのSRAM、テーブル値を保存するためのEEPROMなどからなり、制御部114はメモリ116に保存されたソフトウェアを実行してボタン操作部22の電源ボタン22aがオンにされると電源部104を制御してVcc電源を供給させ、自動(Auto)ボタン22bがオンにされるとMVcc電圧を供給させて塩度測定部110を介して測定対象物によって二つのセンサピン13間が導通しているか否かを監視し、センサピン13間が導通状態になると内蔵タイマーを動作させた後10秒が経過すると温度測定部106と塩度測定部110とを制御して温度と塩度を測定させる。そして、常温塩度変換部112から入力された常温の塩度値をLCD駆動部118を介してLCD120に表示させる。
【0035】
LCD120は図5に示すように、LCD駆動部118の駆動に応じてAuto、Hold、ローバッテリなどの動作状態や%、℃など単位、温度や塩度などの数字を表示できるようになっている。
【0036】
図6は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計100の動作手順を示したフローチャートである。
【0037】
図6に示すように、電源ボタン22aがオンにされると制御部114は電源部104がVcc電圧を供給するように制御することで各々の素子が初期動作を行うようにするとともにLCD画面をオンにする(S101、S102)。次いで、自動ボタン22bがオンにされると、制御部114はLCD上にAutoという文字を点滅させて自動測定状態であることを表示するとともに電源部104がMVcc電源を出力するように制御した後、塩度測定部110を介してセンサピン13が導通しているか否かを監視する(S103〜S106)。
【0038】
測定物を投入することによりセンサピン13が導通状態になると、制御部114は内蔵タイマーを動作させて時間をカウントし、所定の設定時間(例えば、10秒)が経過すると、温度測定部106と塩度測定部110とに測定対象物の温度と塩度を測定させる(S107〜S108)。そして、HOLD状態であることを表示して測定が終了したことを表示し、測定された温度を温度補正テーブルによって実際温度に補正するとともに、実際温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S110〜S112)。そして、常温での塩度値をLCD120上に表示し、電源がオンにされてから所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S113〜S115)。
【0039】
一方、自動ボタン22bがオンにされていない状態で測定容器10を測定対象物40に入れると補正テーブルでなく実際にセンサに伝達された温度を補償して測定することができ、温度ボタン22cが入力されると測定された温度をLCD120上に表示する。
【0040】
図7は本発明の第1実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【0041】
図7に示すように、使用者がt1時間にボタン操作部の電源ボタン22aを押して電源がオンにされると電源部104がVcc電圧を出力して回路素子を動作させ、t2時間に自動ボタン22bを押すと電源部104がMVcc電圧を出力して塩度測定部110を動作させ、これにより塩度測定部110がセンサピン13を常に監視し、t3時間に測定容器10に測定対象物が投入されるとセンサピン13が導通状態になってタイマーが時間をカウントする。この時、高温の測定対象物が測定容器10に投入されると、測定容器の温度は温度グラフから分かるように常温状態から急激に増加し、タイマーが10秒をカウントしたt4時間に塩度測定部110と温度測定部106とが測定対象物の塩度と温度を実際に測定する。そして、温度測定部106で測定された温度は温度補正テーブルにより補正され、実際温度の塩度値は常温での塩度値に変換されてLCD120上に常温の塩度で表示される。
【0042】
[第2実施の形態]
図8は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0043】
本発明の第2実施の形態による電子式塩分計200は、図8に示すように、第1実施の形態の温度補正部106が第2実施の形態では熱平衡検出部210に変更されたことを除けば他の構成は同じであるので重複を避けるために相違点を中心に説明する。第2実施の形態の電子式塩分計200は、第1実施の形態のようにタイマーを用いて時間をカウントせず、測定が始まった後温度測定部106によって測定されたリアルタイム温度を熱平衡検出部210が受信して温度変化量を算出した後、温度変化量△Tが所定のしきい値△Tcut以下になると温度センサの温度が測定物と同じ温度になる熱平衡状態に到達したと判断して実際の温度と塩度を測定するものである。
【0044】
図8に示すように、電源ボタン22aがオンにされ自動ボタン22bがオンにされると、制御部114は電源部104を制御してMVcc電圧を出力させ、塩度測定部110はセンサピン13間の導通を監視する。測定物の投入によりセンサピン13間が導通状態になると、熱平衡検出部210は温度測定部106を介して測定対象物の温度を測定した後、前の測定温度と比較して温度変化量△Tを算出する。そして、温度変化量△Tが次第に小さくなって所定のしきい値△Tcut以下になると熱平衡検出部210は熱平衡状態であると判断して温度測定部106と塩度測定部110とに温度と塩度をそれぞれ測定させる。測定された温度と塩度は常温塩度変換部112で常温での塩度値に変換された後、LCD120上に常温の塩度で表示される。
【0045】
図9は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計200の動作手順を示したフローチャートである。
【0046】
図9に示すように、電源ボタン22aがオンにされると制御部114は電源部104がVcc電圧を供給するように制御して各々の素子に初期動作を行わせるとともにLCD画面をオンにする(S201、S202)。次いで、自動ボタン22bがオンにされると、制御部114はLCD上にAutoという文字を点滅させて自動測定状態を表示するとともに電源部104にMVcc電源を出力させた後、塩度測定部110を介して測定物が投入されてセンサピン13が導通しているか否かを監視する(S203〜S205)。
【0047】
センサピン13が導通状態になると、温度測定部106を介して温度を測定し、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、前の温度と比較して温度変化量△Tを算出する(S206、S207)。
【0048】
そして、算出された温度変化量△Tを所定のしきい値△Tcutと比較してしきい値以下になると温度測定部106と塩度測定部110とに測定対象物の温度と塩度を測定させる(S208、S208)。そして、HOLD状態であると表示して測定が終了したことを表示し、測定温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S210、S211)。そして、常温での塩度値をLCD上に表示し、電源がオンにされてから所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S212〜S214)。
【0049】
図10は本発明の第2実施の形態による電子式塩分計の動作を説明するための図である。
【0050】
図10に示すように、使用者がt1時間にボタン操作部22の電源ボタン22aを押して電源がオンにされると電源部104がVcc電圧を出力して回路素子を動作させ、t2時間に自動ボタン22bを押すと電源部104がMVcc電圧を出力して塩度測定部110を動作させ、これによって塩度測定部110がセンサピン13を常に監視し、t3時間に測定容器10に測定対象物が投入されるとセンサピン13が導通状態になり、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、現在の測定温度と前の測定温度を比較して温度変化量△Tを算出する。
【0051】
そして、熱平衡検出部210は算出された温度変化量△Tをしきい値△Tcutと比較して温度変化量がしきい値以下になると熱平衡状態であると判断してt5時間に塩度測定部110と温度測定部106とに測定対象物の塩度と温度を実際に測定させる。この時、熱平衡に到達するまでの時間は測定対象物の温度と測定開始時の測定容器の温度によって異なる。また、実際温度の塩度値は常温での塩度値に変換されてLCD120上に常温の塩度で表示される。
【0052】
[第3実施の形態]
図11は本発明による棒型電子式塩分計を示した斜視図であり、図12は本発明による棒型電子式塩分計の使用状態図である。
【0053】
本発明による電子式塩分計300は、図11及び図12に示すように、測定対象物に挿入できるようになっている測定バー310と測定バー310によって測定対象物の温度と塩度を測定して常温での塩度で表示する本体320とからなり、測定バー310と本体320は一体に結合されている。
【0054】
測定バー310は先端に第1センサピン313aが突出しており、絶縁体319を介在して第2センサピン313bが前後配列されて塩度を測定するための電極を構成しており、先端の第1センサピン313aには温度を感知するための温度センサ318が内蔵され、熱伝逹を活発にするために温度センサ318とセンサピン313aとの間にはサーマルクリームが充填されている。
【0055】
本体320はプリント回路基板とバッテリなどを格納できるように内部が空いている四角い筒型のケース321に表示部322が付着されており、ケース321の端部には乾電池キャップ324が結合されている。このような棒型電子式塩分計300には自動オン機能が採用され電源操作と測定のためボタンがすべて除去されている。
【0056】
図13は本発明の第3実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0057】
図13に示すように、第1実施の形態と同じ構成要素に対しては同じ符号を付した後、反復を避けるためにそれ以上の説明は省略し、第1実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
第3実施の形態は第1実施の形態のスプーン型測定容器10が棒型測定バー310に変更され、ボタン操作部22が除去された代りに測定の開始を監視するための測定監視部330が部がされ、電源部304が普段は節電モードで動作しながら常時電源を出力し、測定が開始されると測定電源を出力して全ての回路素子を正常動作させて塩度と温度を測定させるようにしたものである。即ち、本発明の第3実施の形態では測定監視部330が節電モードでセンサピン313a、313b間が導通しているか否かを監視していて、測定バー310が測定対象物に接触して二つのセンサピン313a、313b間が導通状態になるとこれを感知して制御部314に測定の開始を告知し、これにより制御部314が電源部304を制御して測定電源を出力して実際の測定が行われる。また、測定中にはLCD120に「測定中」と表示され、測定終了時には制御部314の制御に応じてLCD120に測定値を表示するとともに振動部340を振動させて振動で使用者に測定の終了を認識させる。
【0059】
第3実施の形態による電子式塩分計300の測定バー310は、第1センサピン313aと第2センサピン313bが絶縁体319を介在して前後配列され、先端の第1センサピン313aには温度を感知するための温度センサ318が内蔵されている。
【0060】
第3実施の形態で電源部304の出力は常時電源と測定電源とに区分され、節電モードでは常時電源のみが出力されるが、測定が感知されると制御部314の制御(測定オン)に応じて測定電源が出力される。常時電源は節電モードで動作が必要な最小限の素子に印加される電源であって消費電流を最小化(例えば、約10μA以下)する電源であり、測定電源は全体の回路素子を正常動作させる電源で測定対象物に対する塩度と温度を測定できるようにする電源である。そして、測定電源がオンにされ測定が終了して所定時間が経過すると電源部304は制御信号に応じて自動的に常時電源のみを出力して節電モードで動作する。
【0061】
図14は本発明の第3実施の形態による電子式塩分計100の動作手順を示したフローチャートである。
【0062】
図14に示すように、第3実施の形態の電子式塩分計300は別途のボタンが無いのでバッテリを挿入する時間を除けば、節電モードのための常時電源が出力される。常時電源によって動作する測定監視部330は二つのセンサピン313a、313b間が導通しているか否かを監視する(S301、S302)。
【0063】
測定対象物に測定バー310を投入してセンサピン313a、313bが導通状態になると、制御部314は内蔵タイマーを動作させて時間をカウントしLCD120に測定中であることを表示する(S303、S304)。
【0064】
そして、所定の設定時間(例えば、4秒)が経過すると、温度測定部106と塩度測定部110に測定対象物の温度と塩度を測定させる(S305、S306)。次いで、測定された温度を温度補正テーブルにより実際温度に補正するとともに実際温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S307、S308)。そして、常温での塩度値をLCD120上に表示するとともに振動で測定の終了を使用者に告知し、電源がオンにされた後所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に測定電源をオフにする(S309〜S311)。この時、振動はバッテリの消耗を抑えるために数秒程度だけ振動することが好ましい。
【0065】
[第4実施の形態]
図15は本発明の第4実施の形態による電子式塩分計の構成ブロック図である。
【0066】
図15に示すように、第2実施の形態と同じ構成要素に対しては同じ符号を付した後、反復を避けるためにそれ以上の説明は省略し、第2実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0067】
第4実施の形態は第2実施の形態のスプーン型測定容器10が棒型測定バー310に変更され、ボタン操作部22が除去された代りに測定の開始を監視するための測定監視部430が部がされて電源部404が普段は節電モードで動作しながら常時電源を出力するが、測定が開始されると測定電源を出力して全ての回路素子を正常動作させて塩度と温度を測定させるようにしたものである。即ち、本発明の第4実施の形態では測定監視部430が節電モードでセンサピン413a、413b間が導通しているか否かを監視していて、測定バー310が測定対象物に挿入されてセンサピン313a、313bが導通状態になるとこれを感知して制御部414に測定の開始を告知し、これにより制御部414が電源部404を制御して測定電源を出力して実際の測定を行わせる。
【0068】
また、測定中にはLCD120に「測定中」と表示され、測定終了時には制御部414の制御に応じてLCD120に測定値を表示するとともに振動部440を振動させて振動で使用者に測定の終了を認識させる。
【0069】
第4実施の形態による電子式塩分計400の測定バー310は第1センサピン413aと第2センサピン413bとが絶縁体419を介在して前後配列され、先端の第1センサピン413aには温度を感知するための温度センサ418が内蔵されている。
【0070】
第4実施の形態で電源部404の出力は常時電源と測定電源とに区分され、節電モードでは常時電源のみが出力されるが、測定が感知されると制御部414の制御(測定オン)に応じて測定電源が出力される。常時電源は節電モードで動作が必要な最小限の素子に印加される電源であって消費電流を最小化(例えば、約10μA以下)する電源であり、測定電源は全体の回路素子を正常動作させる電源で測定対象物に対する塩度と温度を測定できるようにする電源である。
【0071】
図16は本発明の第4実施の形態による電子式塩分計400の動作手順を示したフローチャートである。
【0072】
図16に示すように、第4実施の形態の電子式塩分計400は別途のボタンが無いのでバッテリを挿入する時間を除けば節電モードのための常時電源が出力される。常時電源によって動作する測定監視部430は二つのセンサピン413a、413b間が導通しているか否かを監視する(S401、S402)。
【0073】
センサピン413a、413bが導通状態になると、LCD120に測定中であることを表示するとともに温度測定部106を介して温度を測定し、熱平衡検出部210は温度測定部106で測定された温度を保存した後、前の温度と比較して温度変化量△Tを算出する(S403〜S405)。
【0074】
そして、算出された温度変化量△Tを所定のしきい値△Tcutと比較してしきい値以下になると、温度測定部106と塩度測定部110に測定対象物の温度と塩度を測定させる(S406、S407)。次いで、測定温度と測定塩度を常温での塩度値に変換する(S408)。
【0075】
また、常温での塩度値をLCD120上に表示するとともに振動部440を振動することで使用者に測定の終了を認識させ、電源がオンにされた後所定時間(例えば、5分)が経過するとバッテリの消耗を防止するために自動的に電源をオフにする(S409〜S411)。
【0076】
以上、本発明は図面に図示された実施の形態を参照して説明されたが、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明によって多様な変型及び均等な他の実施の形態を行うことが可能であることを理解できるはずである。
【符号の説明】
【0077】
10:測定容器
11:支持台
12:スプーン
13:センサピン
14:結合部
15a、15b:ガイド溝
16:コネクタ
17:顎部
20:本体
21:ケース
22:表示部
23:ボタン操作部
24:乾電池キャップ
25a、25b:ガイド
26:連結ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物と接触される測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、
制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を 常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、
温度と常温塩度を表示するための表示部と、
前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項2】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子式塩分計。
【請求項3】
前記温度補正部の温度補正テーブルは、
前記測定部の温度が常温である状態で測定対象物に接触した後、所定時間が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したことを特徴とする請求項1に記載の電子式塩分計。
【請求項4】
測定対象物と接触される測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて測定を開始した後、所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、
前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、
温度と塩度を表示するための表示部と、
前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると前記熱平衡検出部を作動させ、熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項5】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項4に記載の電子式塩分計。
【請求項6】
制御信号に応じて普段は節電モードで常時電源を出力し、測定時には回路を正常動作させるための測定電源を出力する電源部と、
測定対象物と接触する測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、
制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
前記常時電源によって動作しながら前記センサピンが導通しているか否かによって測定の開始を感知するための測定監視部と、
温度と常温塩度を表示するための表示部と、
前記測定監視部が測定を感知すると、前記電源部が前記測定電源を出力するとともに内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項7】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項8】
前記温度補正部の温度補正テーブルは、
前記測定部の温度が常温である状態で測定対象物に接触された後、所定時間が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したことを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項9】
前記電子式塩分計は、
測定が終了すると前記制御部の制御に応じて振動することで測定が終了したことを知らせる振動部をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項10】
制御信号に応じて普段は節電モードで常時電源を出力し、測定時には回路を正常動作させるための測定電源を出力する電源部と、
測定対象物と接触する測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて測定が開始した後、所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、
前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
前記常時電源によって動作しながら前記センサピンが導通しているか否かによって測定の開始を感知するための測定監視部と、
温度と塩度を表示するための表示部と、
前記測定監視部を介して測定が感知されると、前記熱平衡検出部を介して熱平衡状態を監視し熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項11】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項10に記載の電子式塩分計。
【請求項12】
前記電子式塩分計は、
測定が終了すると前記制御部の制御に応じて振動することで測定が終了したことを知らせる振動部をさらに具備したことを特徴とする請求項10に記載の電子式塩分計。
【請求項1】
測定対象物と接触される測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、
制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を 常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、
温度と常温塩度を表示するための表示部と、
前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項2】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電子式塩分計。
【請求項3】
前記温度補正部の温度補正テーブルは、
前記測定部の温度が常温である状態で測定対象物に接触した後、所定時間が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したことを特徴とする請求項1に記載の電子式塩分計。
【請求項4】
測定対象物と接触される測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて測定を開始した後、所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、
前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
使用者の操作入力を受けるためのボタン操作部と、
温度と塩度を表示するための表示部と、
前記ボタン操作部を介して自動測定が入力されると、前記センサピンが導通しているか否かを監視していて、前記センサピンが測定対象物によって導通状態になると前記熱平衡検出部を作動させ、熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項5】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項4に記載の電子式塩分計。
【請求項6】
制御信号に応じて普段は節電モードで常時電源を出力し、測定時には回路を正常動作させるための測定電源を出力する電源部と、
測定対象物と接触する測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて前記温度測定部によって測定された温度を所定の温度補正テーブルにより補償して測定された温度を測定対象物の実際温度に補正する温度補正部と、
制御信号に応じて前記温度補正部によって補正された温度と前記塩度測定部の測定値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
前記常時電源によって動作しながら前記センサピンが導通しているか否かによって測定の開始を感知するための測定監視部と、
温度と常温塩度を表示するための表示部と、
前記測定監視部が測定を感知すると、前記電源部が前記測定電源を出力するとともに内蔵タイマーを作動させ、前記内蔵タイマーが設定された時間になると前記温度測定部と前記塩度測定部とを制御して温度と塩度を測定させ、前記温度補正部と前記常温塩度変換部とを制御して前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と常温塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項7】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項8】
前記温度補正部の温度補正テーブルは、
前記測定部の温度が常温である状態で測定対象物に接触された後、所定時間が経過した時点での測定温度と実際温度のデータを求めてテーブル化したことを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項9】
前記電子式塩分計は、
測定が終了すると前記制御部の制御に応じて振動することで測定が終了したことを知らせる振動部をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の電子式塩分計。
【請求項10】
制御信号に応じて普段は節電モードで常時電源を出力し、測定時には回路を正常動作させるための測定電源を出力する電源部と、
測定対象物と接触する測定部に位置し測定対象物に電圧を印加するための一対のセンサピンと、
いずれか一つのセンサピンに内蔵され測定対象物の温度を感知するための温度センサと、
前記センサピンに交流電源を印加して電気伝導率方式で測定対象物の塩度を測定するための塩度測定部と、
前記温度センサに電源を印加して測定対象物の温度を測定するための温度測定部と、
制御信号に応じて測定が開始した後、所定時間間隔で前記温度測定部によって予備測定された温度値を保存し、現在の温度と前の温度とを比較して温度変化量を求めた後、前記温度変化量が所定しきい値以下になると熱平衡状態に到達したと判断して前記塩度測定部と前記温度測定部とに実際の測定を指示する熱平衡検出部と、
前記温度測定部の測定温度と前記塩度測定部の塩度値を常温の塩度値に変換する常温塩度変換部と、
前記常時電源によって動作しながら前記センサピンが導通しているか否かによって測定の開始を感知するための測定監視部と、
温度と塩度を表示するための表示部と、
前記測定監視部を介して測定が感知されると、前記熱平衡検出部を介して熱平衡状態を監視し熱平衡状態に到達すると前記常温塩度変換部から常温での塩度値を受信して前記表示部に温度と塩度を表示するように制御する制御部と、から構成されることを特徴とする電子式塩分計。
【請求項11】
前記電子式塩分計は、
前記測定部がスプーン型または棒型に形成されており、スプーン型である場合は測定部が本体から分離可能に形成されることを特徴とする請求項10に記載の電子式塩分計。
【請求項12】
前記電子式塩分計は、
測定が終了すると前記制御部の制御に応じて振動することで測定が終了したことを知らせる振動部をさらに具備したことを特徴とする請求項10に記載の電子式塩分計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−256321(P2010−256321A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230948(P2009−230948)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(509276021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(509276021)
【Fターム(参考)】
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