説明

電子文書登録システム、方法及び端末装置

【課題】キー入力や文字認識処理をすることなく、登録する書類のメータデータを生成することができる電子文書登録システムを提供する。
【解決手段】書類6を作成するときには電子フォーム5が利用され、電子フォーム5にデータが入力されることで、書類6の電子データが作成され、データが入力された電子フォーム5を印刷することで、書類6は作成される。印刷された書類6には、電子フォーム5の一部のデータがエンコードされた2次元バーコード60が付与され、書類6の画像データを電子文書として登録するときは、書類6の画像データに含まれる2次元バーコード60の画像をデコードし、2次元バーコード60をデコードすることで得られるデータをメタデータとして利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙媒体である書類の電子文書を登録する技術に関し、更に詳しくは、登録する電子文書の内容について記述したメタデータを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに代表されるコンピュータネットワークが普及するに連れ、コンピュータネットワークを利用した電子申請システムが数多く開発されるようになったが、未だに、審査機関や金融機関などに電子申請を行う場合は、申請者が筆記署名・捺印した紙の書類が利用されるケースも少なくない。
【0003】
申請者が筆記署名・捺印した紙の書類を電子化する際は、イメージスキャナで紙の書類を光学的に読取り、光学的に読取った書類の画像データの要約や検索キーなどが記述されたメタデータを付与して、書類の画像データをデータベースに登録する。
【0004】
書類の画像データにメタデータを付与する際、メタデータとなる文字をキー入力すると大変手間が掛かるため、書類の画像データからメタデータを自動的に抽出する発明が開示されている。
【0005】
特許文献1で開示されている文書デ−タベ−ス登録システムは、イメージスキャナを用いて読み取った書類の画像データから、メタデータとなる文字コードを容易確実に生成してデータベースに登録できる発明で、標題や著者名などの属性に対応する画像データ上の文字領域をオペレータが指定し、指定した文字領域に含まれる画像データを文字認識処理して、標題や著者名などの属性に対するメタデータを生成するシステムである。
【0006】
また、特許文献2で開示されているファイリングシステムは、書類の画像データに含まれる文字について文字認識処理を施してテキストデータを作成し、画像データとテキストデータとを読み込んで、体系的に書類の画像データをファイリングするシステムである。
【0007】
更に、特許文献3で開示されているファイリングシステムは、特許文献2で開示されているファイリングシステムは、特許文献2で開示されているようなファイリングシステムにおいて、書類の画像データとテキストデータに加え、書類に付与され、書類の種別毎にユニークなコードを利用して、体系的に書類の画像データをファイリングするシステムである。
【特許文献1】特開平8−83285号公報
【特許文献2】特開平10−97606公報
【特許文献3】特開2005−182476公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述したように従来の技術では、画像データの全面、または、オペレータが指定した画像データの領域を文字認識し、文字認識で得られるテキストデータをメタデータとして利用するが、文字認識の文字認識精度は100%完全でないため、文字認識した後に確認作業などが必要となってしまう問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題を鑑みて、電子文書として書類の画像データを登録する際に、人手によるキー入力や文字認識処理をすることなく、登録する書類のメータデータを生成することができる電子文書登録システム及び方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決する第1の発明は、電子文書を登録する電子文書登録システムであって、前記電子文書登録システムは、書類を作成する端末装置と、電子文書を登録する電子文書登録サーバとから、少なくとも構成され、
前記端末装置は、前記書類の電子データを作成編集する書類作成手段と、前記書類の電子データに含まれ、メタデータとして利用するデータを光学コードのデータにエンコードし、前記光学コードのデータを前記書類のデータに組み込む手段と、前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力する手段と、を備え、
前記電子文書登録サーバは、印刷された前記書類を光学的に読取り、前記書類の画像データを取得するイメージスキャナと、前記書類の画像データを電子文書として記憶するデータベースと、前記書類の画像データを前記データベースに登録する電子文書登録手段を備え、前記電子文書登録手段は、前記書類の画像データに含まれる光学コードの画像をデコードとし、デコードして得られるデータから、前記書類の画像データのメタデータを生成し、生成したメタデータを付与して前記書類の画像データを前記データベースに登録することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記光学コードとは、1次元バーコードや2次元バーコードのように、光学的に読取られ、文字や数字がエンコードされた符号(Code)を意味する。
【0012】
また、第1の発明において、前記端末装置に備えられた前記書類作成手段は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成する手段であることが好適である。加えて、前記電子フォームには、前記光学コードにエンコードするデータを指定する手段が設けられていることが好適である。
【0013】
更に、上述した課題を解決する第2の発明は、電子文書を登録する電子文書登録方法であって、前記電子文書登録方法は、
(a)書類の電子データを作成するステップ、
(b)ステップ(a)で作成した前記書類の電子データに含まれ、前記書類のメタデータとして利用されるデータを光学コードのデータにエンコードし、前記書類の電子データに組み込むステップ、
(c)前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力するステップ、
が順に実行される書類作成工程と、
(d)前記ステップ(c)で印刷された前記書類を光学的に読取り、前記書類の画像データを取得するステップ、
(e)前記書類の画像データに含まれる前記光学コードの画像をデコードとし、デコードして得られるデータから前記書類の画像データのメタデータを生成するステップ、
(f)ステップ(e)で生成したメタデータを付与して、前記書類の画像データをデータベースに登録するステップ、
が順に実行される電子文書登録工程と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明において、前記書類作成工程の前記ステップ(c)は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成するステップであることが好適である。
【0015】
更に、上述した課題を解決する第3の発明は、電子文書登録システムで利用される端末装置であって、前記端末装置は、前記書類の電子データを作成編集する書類作成手段と、前記書類の電子データに含まれ、メタデータとして利用するデータを光学コードのデータにエンコードし、前記光学コードのデータを前記書類のデータに組み込む手段と、前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力する手段と、を備えていることを特徴とする。
【0016】
なお、第3の発明に記載の端末装置において、前記端末装置に備えられた書類作成手段は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成する手段であることが好適である。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明によれば、書類の電子データに含まれ、メタデータとして利用するデータは、光学コードにエンコードされて書類に印刷されるため、この光学コードをデコードすれば、人手によるキー入力や文字認識処理をすることなく、書類から、メタデータとして利用するデータを取得することができる。
【0018】
なお、書類の電子データを作成するときは、電子フォームを利用することで、書類の電子データを容易に作成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ここから、本発明に係る電子文書登録システムについて、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る電子文書登録システムを説明するための図である。
【0020】
通常、紙媒体である書類6を作成するときは、提出する書類6の記入用紙が利用されるが、これに対し、本発明においては、記入用紙の代わりに書類6の電子フォーム5が利用される。この電子フォーム5には、電子フォーム5の画像をディスプレイなどに表示する機能に加え、電子フォーム5にデータを入力する機能が備えられている。
【0021】
ユーザが書類6を作成するとき、この電子フォーム5にデータを入力することで、書類6の電子データが作成され、データが入力された電子フォーム5を印刷することで、書類6を作成する。この書類6には、電子フォーム5の一部のデータがエンコードされた2次元バーコード60が付与されている。
【0022】
書類6を電子文書として登録するとき、書類6を光学的に読取ることで書類6の画像データを取得し、この書類6の画像データを電子文書として登録する。なお、書類6の画像データを電子文書として登録するときは、書類6の画像データに含まれる2次元バーコード60の画像をデコードし、2次元バーコード60をデコードすることで得られるデータをメタデータとして利用する。
【0023】
図1においては、書類6を作成するときに利用される電子フォーム5は電子フォームサーバ3に記憶されている。ユーザが電子フォーム5を利用するときは、端末装置1から電子フォームサーバ3に、作成する書類6の電子フォーム5を送信要求し、ネットワーク4を介して、電子フォームサーバ3から端末装置1に電子フォーム5は送信される。
【0024】
ユーザは、端末装置1を操作して、電子フォームサーバ3から取得した電子フォーム5に必要なデータを入力する。入力したデータは電子フォーム5に組み込まれ、書類6の電子データが作成される。
【0025】
ユーザが書類5を作成する際は、ユーザは、端末装置1に接続されたプリンタ12に、書類6の電子データ、すなわち、データが入力された電子フォーム5を出力する。なお、上述しているように、この書類6には、書類6の電子データの一部がエンコードされた2次元バーコード60が付与されている。
【0026】
書類6の提出先には、書類6の画像データを電子文書として登録する電子文書登録サーバ2が備えられている。この電子文書登録サーバ2には、書類6を光学的に読取る装置であるイメージスキャナ22が備えられている。
【0027】
電子文書登録サーバ2は、書類6をイメージスキャナ22で読取ることで書類6の画像データを取得する。そして、取得した書類6の画像データの中から2次元バーコード60の画像を抽出し、2次元バーコード60をデコードすることで、2次元バーコード60にエンコードされていたデータを得る。
【0028】
書類6の画像データを登録するとき、電子文書登録サーバ2は、2次元バーコード60の画像をデコードすることで得られるデータからメタデータを生成し、生成したメタデータを付与して、書類6の画像データをデータベースに登録する。
【0029】
図2は、図1で示した電子文書登録システムのブロック図である。図2に示したように、電子フォームサーバ3には、書類6を作成する時に利用される電子フォーム5を記憶する電子フォームデータベース31(DB: Data Base)と、電子フォームDB31に記憶された電子フォーム5を端末装置1に提供する電子フォーム提供手段30を備える。
【0030】
電子フォームサーバ3に備えられた電子フォーム提供手段30とは、電子フォームサーバ3に備えられたWebアプリケーションで、電子フォーム5を提供する複数のWebページと、ネットワーク4を介して、電子フォーム5を端末装置1に送信する手段(例えば、メールを送信する手段)を備える。
【0031】
更に、端末装置1には、電子フォームサーバ3から送信された電子フォーム5などを記憶する手段であるデータ記憶手段11(例えば、ハードディスク)と、端末装置1に備えられたCPUを動作させるコンピュータプログラムで実現される書類作成アプリケーション10が備えられている。
【0032】
端末装置1に備えられた書類作成アプリケーションは、電子フォーム5の表示する機能、電子フォーム5へのデータ入力機能など、電子フォーム5を利用して書類6の電子データを作成編集する機能と、書類6の電子データの一部を2次元バーコード60のデータにエンコードし、2次元バーコード60のデータを書類6の電子データに組み込む機能と、書類6の電子データをプリンタ12に出力する機能とを備えている。
【0033】
更に、電子文書登録サーバ2には、2次元バーコード60が付与された書類6を光学的に読取るイメージスキャナ22が接続され、電子文書として書類6の画像データが登録される電子文書DB21と、電子文書登録サーバ2に備えられたCPUを動作させるコンピュータプログラムで実現され、イメージスキャナ22を利用して、書類6の画像データを取得し、取得した画像データを電子文書DB21に登録する電子文書登録手段20を備えている。
【0034】
この、電子文書登録手段20には、書類6の画像データから2次元バーコード60の画像を抽出する機能、2次元バーコード60をデコードする機能、2次元バーコード60をデコードして得られるデータから、書類6の画像データのメタデータを生成する機能が備えられている。
【0035】
ここから、これまで説明した電子文書登録システムの動作を説明しながら、本発明に係る電子文書登録方法の手順についても説明する。
【0036】
図3は、書類6の作成する書類作成工程を示したフロー図である。この工程の最初のステップS1は、提出する書類6の電子フォーム5を取得するステップである。このステップでは、ユーザは端末装置1を操作して電子フォームサーバ3にアクセスし、電子フォーム提供手段30に、作成する書類6の電子フォーム5の送信を要求し、電子フォームサーバ3から送信された電子フォーム5は、端末装置1のデータ記憶手段11に記憶される。
【0037】
図4は、電子フォームサーバ3から取得する電子フォーム5を説明するための図である。電子フォーム5はスクリプト言語で記述され、図4に示したように、電子フォーム5には、電子フォーム5の画像を端末装置1のディスプレイに表示させるためのオブジェクトである表示オブジェクト50や、端末装置1に表示した電子フォーム5の画像にデータを入力するためのオブジェクトである入力オブジェクト51、電子フォーム5のすべて或いは一部のデータが記述されるデータオブジェクト52が含まれる。
【0038】
図5は、データオブジェクト52を説明する図である。図5においては、データオブジェクト52には、電子フォーム5に含まれる様々なデータがタグで表記されている。<formID>タグ520で囲まれたデータは、電子フォーム5の種別ごとにユニークな番号で、この番号によって、電子フォーム5の種別が特定される。また、<se#number>タグ521で囲まれたデータは、電子フォーム5の種別ごとのシリアル番号で、<formID>タグ520で囲まれたデータ及び<se#number>タグ521で囲まれたデータは、電子フォーム5に予め記述されている。
【0039】
<shimei#kanji>タグ522で囲まれたデータは、電子フォーム5にデータを入力するユーザの氏名(漢字)で、<shimei#furigana>タグ523で囲まれたデータは、電子フォーム5にデータを入力するユーザの氏名(ふりがな)で、<juusyo>タグ524で囲まれたデータは、電子フォーム5にデータを入力するユーザの住所、そして、<tel>タグ525で囲まれたデータは、電子フォーム5にデータを入力するユーザの電話番号である。
【0040】
<shimei#kanji>タグ522で囲まれたデータ、<shimei#furigana>タグ523で囲まれたデータ、<juusyo>タグ524で囲まれたデータ、及び、<tel>タグ525で囲まれたデータは、電子フォーム5の入力オブジェクト51を利用し、ユーザが電子フォーム5に入力するデータで、当然のことながら、電子フォームサーバ3から取得した電子フォーム5においては、これらのデータは記述されていない。
【0041】
また、それぞれのタグの設けられたbarcode属性は、2次元バーコード60にエンコードを指示するデータで、barcode属性が"enable"であるタグで囲まれたデータは、タグが付与されたまま2次元バーコード60にエンコードされる。
【0042】
なお、本実施の形態において、電子フォームサーバ3から取得した電子フォーム5では、<formID>タグ520で囲まれたデータ及び<se#number>タグ521で囲まれたデータのbarcode属性が"enable"で、それ以外のデータのbarcode属性は"disable"である。
【0043】
ここから、書類6を生成する工程の説明に戻る。ステップS1の次に実行されるステップS2は、電子フォーム5が表示され、表示された電子フォーム5にデータが入力されるステップである。
【0044】
このステップでは、端末装置1のデータ記憶手段11に記憶された電子フォーム5をユーザが選択(例えば、アイコンのダブルクリック)することで、書類作成アプリケーション10は起動し、ユーザが選択した電子フォーム5の表示オブジェクト50を解釈・実行し、電子フォーム5の画像をディスプレイに表示させると共に、入力オブジェクト51を解釈・実行し、所定のデータ(例えば、<shimei#kanji>タグで囲まれたデータ)の入力する入力欄を表示する。
【0045】
図6は、端末装置1に表示される電子フォーム5を説明するための図である。図6においては、伝票の内容に加え、ユーザの氏名(漢字)、氏名(ふりがな)、住所及び電話番号をそれぞれ入力する入力欄510が表示される。
【0046】
ユーザの氏名(漢字)の入力欄510に入力されたデータは、<shimei#kanji>タグ522のデータとして埋め込まれ、氏名(ふりがな)の入力欄510に入力されたデータは、<shimei#furigana>タグ523のデータとして埋め込まれ、住所の入力欄510に入力されたデータは、<juusyo>タグ524のデータとして埋め込まれ、そして、電話番号の入力欄510に入力されたデータは、<tel>タグ525ののデータとして埋め込まれる。
【0047】
次のステップS3は、端末装置1に表示された電子フォーム5に、ユーザがデータを入力し、書類6の電子データを作成するステップである。ここでは、端末装置1に表示された電子フォーム5の入力欄510に、ユーザはデータを入力する。例えば、ユーザの氏名(漢字)の入力欄510には、ユーザの氏名(漢字)が入力されることで、書類6の電子データが作成される。
【0048】
図7は、データが入力された後の電子フォーム5を説明するための図で、図7は、図6の電子フォーム5にデータが入力された図である。図7を見ればわかるように、図6の入力欄510にはそれぞれデータが入力され、図7において、ユーザの氏名(漢字)は「日本太郎」で、ユーザの氏名(ふりがな)は「ニッポンタロウ」で、ユーザの住所は「東京都東京区東京市1番地」で、そして、ユーザの電話番号は「AAA-BBB-CCCC」である。
【0049】
電子フォーム5に入力されたデータは、入力オブジェクト51によって、それぞれの入力欄に該当するタグのデータとして、データオブジェクト52に埋め込まれる。
【0050】
次のステップS4は、メタデータを生成するときに利用するデータをユーザが選択するステップである。本実施の形態において、電子フォーム5には、データを入力する機能に加え、書類6のメタデータを生成するときに利用されるデータをユーザが選択できる機能を備えている。
【0051】
図8は、書類6のメタデータを生成するときに利用するデータを選択する画面を説明する図である。電子フォームアプリケーションはユーザの操作によって、例えば、図8で示した画面を表示させ、書類6のメタデータを生成するときに利用される可能性のあるデータの項目をユーザに提示し、ユーザがチェックした項目に対応するデータをメタデータとして利用するデータとして認識する。
【0052】
図8では、フォームID(<formID>タグ520のデータ)、シリアル番号(<se#number>タグ521のデータ)、氏名(漢字)(<shimei#kanji>タグ522のデータ)、氏名(ふりがな)(<shimei#furigana>タグ523のデータ)、及び、住所(<juusyo>タグ524のデータ)が、メタデータを生成するときに利用される。なお、上述しているように、フォームID(<formID>タグ520のデータ)、シリアル番号(<se#number>タグ521のデータ)は、電子フォーム5を電子フォームサーバ3に登録したときに予め選択されている。
【0053】
図8で、ユーザがチェックした内容は、電子フォーム5のデータオブジェクト52に反映される。ここでは、ユーザがチェックした項目に対応するデータのbarcode属性の値が、"disable"から"enable"に変更される。
【0054】
図9は、データが入力された後のデータオブジェクト52を説明する図である。図5において、<shimei#kanji>タグ522で囲まれたデータ、<shimei#furigana>タグ523で囲まれたデータ、<juusyo>タグ524で囲まれたデータ、及び、<tel>タグ525で囲まれたデータは、記述されていないなかったが、図9においては、入力されたデータがそれぞれのタグのデータとして埋め込まれる。
【0055】
図9では、図7で示したデータが図5のフォームデータに埋め込まれ、すなわち、<shimei#kanji>タグで囲まれたデータとして「日本太郎」が埋め込まれ、<shimei#furigana>タグで囲まれたデータとして「ニッポンタロウ」が埋め込まれ、<juusyo>タグで囲まれたデータとして「東京都東京区東京市1番地」が埋め込まれ、そして、<tel>タグで囲まれたデータとして「AAA-BBB-CCCC」が、フォームデータに埋め込まれている。
【0056】
更に、図9では、図8の画面によって、<shimei#kanji>タグ522のデータ、<shimei#furigana>タグ523のデータ、及び、<juusyo>タグ524のデータが選択されているため、<shimei#kanji>タグ522のデータ、<shimei#furigana>タグ523のデータ、及び、<juusyo>タグ524のデータのbarcode属性が"disable"から"enable"に変更されている。
【0057】
次のステップS5は、書類6の電子データの一部を2次元バーコード60のデータにエンコードするステップである。このステップでは、ユーザが端末装置1の書類作成アプリケーション10に2次元バーコード60のデータを生成する指示を出すと、書類作成アプリケーション10は、電子フォーム5のデータオブジェクト52を参照し、タグのbarcode属性が“enable"であるデータを抽出し、抽出したデータすべてを、タグを付与したまま2次元バーコード60のデータにエンコードし、2次元バーコード60のデータを書類6の電子データに組み込む。
【0058】
図9で示したデータオブジェクトを例に挙げれば、<formID>タグ520で囲まれたデータ、<se#number>タグ521で囲まれたデータ、<shimei#kanji>タグ522で囲まれたデータ、<shimei#furigana>タグ523で囲まれたデータ、及び、<juusyo>タグ524で囲まれたデータが、タグが付与されたまま2次元バーコード60のデータにエンコードされる。
【0059】
次のステップS5は、書類6の電子データを印刷するステップである。このステップでは、ユーザは端末装置1を操作して、書類6の電子データをプリンタ12に出力し、書類6が得られる。
【0060】
図10は、印刷された書類6を説明するための図である。図10に示したように、印刷された書類6には、電子フォーム5の画像に加え、データオブジェクト52の一部がエンコードされた2次元バーコード60が付与される。書類6に印刷された2次元バーコード60をデコードすることで、メタデータを生成するときに利用するデータを取得することができる。
【0061】
次に、書類6の画像データを電子文書として登録する電子文書登録工程について説明する。図11は、電子文書登録工程を示したフロー図である。
【0062】
この工程の最初のステップS10は、電子文書を登録する機関が印刷された書類6を取得するステップである。このステップでは、ユーザがプリンタ12で出力した書類6に捺印などして、印刷された書類6を提出する機関に郵送し、電子文書を登録する機関は印刷された書類6を取得する。
【0063】
次のステップS11は、印刷された書類6を光学的に読取り、書類6の画像データを取得するステップである。このステップでは、電子文書登録サーバ2は、書類6をイメージスキャナ22で読取り書類6の画像データを取得する。なお、イメージスキャナ22が読取った書類6の画像データは、電子文書登録サーバ2のメモリに一時的に保存される。
【0064】
次のステップS12は、書類6の画像データに含まれる2次元バーコード60の画像をデコードするステップである。このステップで、電子文書登録サーバ2の電子文書登録手段20は、メモに一時的に保存している書類6の画像データの中から、2次元バーコード60の画像を抽出し、抽出した2次元バーコード60の画像をデコードして、2次元バーコード60にエンコードされていたデータを得る。
【0065】
本実施の形態では、2次元バーコード60に、<formID>タグ520のデータ、<se#number>タグ521のデータ、<shimei#kanji>タグ522のデータ、<shimei#furigana>タグ523のデータ、及び、<juusyo>タグ524のデータがエンコードされているため、2次元バーコードをデーコードすることでこれらのデータを取得することができる。
【0066】
次のステップS13は、メタデータを生成するステップである。このステップで、電子文書登録サーバ2の電子文書登録手段20は、ステップ12で2次元バーコード60をデコードすることで得られたデータから、ステップS11で取得した書類6の画像データのメタデータを生成する。
【0067】
2次元バーコード60をデコードすることで得られたデータからメタデータを生成する際は、2次元バーコード60をデコードすることで得られたデータそのものをメタデータとして利用することができる。
【0068】
更には、電子文書登録手段20は電子辞書を備え、ステップ12で2次元バーコード60をデコードすることで得られたデータの同義語を調べ、2次元バーコード60をデコードすることで得られたデータに同義語を加えたデータをメタデータとしてもよい。
【0069】
次のステップS14は、電子文書として書類6の画像データを登録するステップである。このステップで、電子文書登録サーバ2の電子文書登録手段20は、書類6の画像データにステップS13で生成したメタデータを加え、電子文書DB21に登録する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る電子文書登録システムを説明するための図。
【図2】電子文書登録システムのブロック図。
【図3】書類の作成する書類作成工程を示したフロー図。
【図4】電子フォームを説明するための図。
【図5】データオブジェクトを説明する図。
【図6】端末装置に表示される電子フォームを説明するための図。
【図7】データが入力された後の電子フォームを説明するための図。
【図8】メタデータを生成するときに利用するデータを選択する画面を説明する図。
【図9】データが入力された後のデータオブジェクトを説明する図。
【図10】印刷された書類を説明するための図。
【図11】電子文書登録工程を示したフロー図。
【符号の説明】
【0071】
1 端末装置
10 電子フォームアプリケーション
11 データ記憶手段
12 プリンタ
2 電子文書登録サーバ
20 電子文書登録手段
21 電子文書DB
22 イメージスキャナ
3 電子フォームサーバ
30 電子フォーム提供手段
31 電子フォームDB
4 ネットワーク
5 電子フォーム
50 表示オブジェクト、51 入力オブジェクト、52 データオブジェクト
510 入力欄
520 <formID>タグ、521 <se#number>タグ、522 <shimei#kanji>タグ
523 <shimei#furigana>タグ、524 <juusyo>タグ、525 <tel>タグ
6 書類


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書を登録する電子文書登録システムであって、前記電子文書登録システムは、書類を作成する端末装置と、電子文書を登録する電子文書登録サーバとから、少なくとも構成され、
前記端末装置は、前記書類の電子データを作成編集する書類作成手段と、前記書類の電子データに含まれ、メタデータとして利用するデータを光学コードのデータにエンコードし、前記光学コードのデータを前記書類のデータに組み込む手段と、前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力する手段と、を備え、
前記電子文書登録サーバは、印刷された前記書類を光学的に読取り、前記書類の画像データを取得するイメージスキャナと、前記書類の画像データを電子文書として記憶するデータベースと、前記書類の画像データを前記データベースに登録する電子文書登録手段を備え、前記電子文書登録手段は、前記書類の画像データに含まれる光学コードの画像をデコードとし、デコードして得られるデータから、前記書類の画像データのメタデータを生成し、生成したメタデータを付与して前記書類の画像データを前記データベースに登録することを特徴とする電子文書登録システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子文書登録システムであって、前記端末装置に備えられた前記書類作成手段は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成する手段であること特徴とする電子文書登録システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子文書登録システムであって、前記電子フォームには、前記光学コードにエンコードするデータを指定する手段が設けられていることを特徴とする電子文書登録システム。
【請求項4】
電子文書を登録する電子文書登録方法であって、
(a)書類の電子データを作成するステップ、
(b)ステップ(a)で作成した前記書類の電子データに含まれ、前記書類のメタデータとして利用されるデータを光学コードのデータにエンコードし、前記書類の電子データに組み込むステップ、
(c)前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力するステップ、
が順に実行される書類作成工程と、
(d)前記ステップ(c)で印刷された前記書類を光学的に読取り、前記書類の画像データを取得するステップ、
(e)前記書類の画像データに含まれる前記光学コードの画像をデコードとし、デコードして得られるデータから前記書類の画像データのメタデータを生成するステップ、
(f)ステップ(e)で生成したメタデータを付与して、前記書類の画像データをデータベースに登録するステップ、
が順に実行される電子文書登録工程と、
を含むことを特徴とする電子文書登録方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電子文書登録方法において、前記書類作成工程の前記ステップ(c)は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成するステップであることを特徴とする電子文書登録方法。
【請求項6】
電子文書登録システムで利用される端末装置であって、書類の電子データを作成編集する書類作成手段と、前記書類の電子データに含まれ、メタデータとして利用するデータを光学コードのデータにエンコードし、前記光学コードのデータを前記書類のデータに組み込む手段と、前記光学コードのデータが組み込まれた前記書類の電子データを紙に出力する手段と、を備えていることを特徴とする端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の端末装置において、前記端末装置に備えられた書類作成手段は、電子フォームを利用して前記書類の電子データを作成する手段であることを特徴とする端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−97066(P2008−97066A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274613(P2006−274613)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】