説明

電子機器、及びその使用状態検出方法、プログラム

【課題】ストラップを用いて吊り下げられた状態と他の状態とを明確に区別して検出することを可能とする。
【解決手段】
持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器1に、機器本体に生じる加速度を検出する加速度センサ25を設ける。CPU15に、加速度センサ25により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する処理を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器の使用状態を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1には、携帯型の電子機器であるデジタルカメラの使用状態を検出する技術として、カメラ内に角速度センサを設け、角速度センサの出力波形の振幅に基づいて、カメラが放置状態と撮影準備状態と持ち運び状態の何れの状態であるのかを判定する技術が記載されている。かかる技術を用いれば、カメラが撮影準備状態以外の状態で一定期間操作が行われなかったときには、電源を自動的にオフ状態とすることにより電池寿命の長期化を図ると同時に、撮影準備状態で一定期間操作が行われなかったときユーザの意に反して電源がオフ状態となる不都合を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−173970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばコンパクト型のデジタルカメラでは、カメラ本体にストラップが装着されているものが一般的であり、カメラが持ち運び状態にあるときには、ユーザがカメラを直接手で持っている場合と、ストラップを用いて吊り下げている場合とがある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、カメラが持ち運び状態にあるとき、ユーザがカメラを手に持っているのか、またはストラップを用いて吊り下げているのかを区別することができない。そのため、例えば以下の要求には対応することができないという問題があった。
【0006】
すなわちデジタルカメラの撮影レンズが沈胴式である場合、撮影モードが設定されている間、撮影レンズがカメラ本体から繰り出された状態にある。係る状態のままカメラを持ち歩くと、撮影レンズが他との干渉により破損したり、衝撃によってフォーカス位置ずれを起こしたりする虞がある。したがって、撮影モードが設定されている状態では、カメラがストラップを用いて吊り下げられたときには、撮影レンズを直ちにカメラ本体に収納することが望ましいが、係る要求には対応することができなかった。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、ストラップを用いて吊り下げられた状態と他の状態とを明確に区別して検出することが可能な電子機器、及びその使用状態検出方法と、それらの実現に使用されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明においては、持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器において、機器本体に生じる加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する判断手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ストラップを用いて吊り下げられた状態と他の状態とを明確に区別して検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの外観図である。
【図2】デジタルカメラのブロック図である。
【図3】ストラップを用いたデジタルカメラの吊り下げ状態を示す説明図である。
【図4】撮影モードでの加速度データに基づく処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】揺れサイクル検出処理を示すフローチャートである。
【図7】カメラ本体に振子運動が生じているとき加速度の出力波形の例を示す図である。
【図8】ストラップ持ち状態と手持ち移動状態とにおいてデジタルカメラに生じる加速度の出力波形の特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明を適用したデジタルカメラ1の外観図である。図示したように、デジタルカメラ1の本体(以下、カメラ本体という。)2には、前面に沈胴式の撮影レンズ3が配置され、上面にシャッターキー4が配置されている。また、カメラ本体2の一方の側面にはストラップ取付部5が設けられており、ストラップ取付部5にはストラップ6が取り付けられている。
【0012】
図2は、主としてデジタルカメラ1の電気的構成の概略を示したブロック図である。デジタルカメラ1は、レンズブロック12と、モータブロック13と、モータドライバ14とを備えている。
【0013】
レンズブロック12は、撮影レンズ3を構成するとともに図示しない鏡胴内に収容されたフォーカスレンズを含むズームレンズからなるレンズ群、及び絞りから構成される。
【0014】
モータブロック13は、レンズブロック12のレンズ群を駆動するズームモータ及びフォーカスモータと、絞りを開閉駆動する絞り用モータとから構成される。モータドライバ14は、デジタルカメラ1全体を制御するCPU(Central Processing Unit)15の命令に従いモータブロック13の各モータを駆動する。
【0015】
デジタルカメラ1は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)16を有しており、レンズブロック12において結像された被写体の光学像はCCD16により電気信号に変換される。
【0016】
CCD16は、CPU15の命令に従いタイミング発生器(TG)17が生成するタイミング信号に基づいて垂直/水平ドライバ18により駆動され、被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号をAFE(Analog Front End)19へ供給する。
【0017】
AFE19は、CCD16から供給された撮像信号のノイズ低減、増幅、及びデジタル信号への変換を行い、変換後の画像データを画像処理部20へ供給する。
【0018】
画像処理部20は、CPU15の命令に従いSDRAM(Synchronous dynamic random-access memory)21を作業用メモリとして、入力したデジタルの撮像信号(ベイヤーデータ)に基づき画素毎のRGBデータを生成するRGB補間処理、RGBデータをYUVデータに変換するYUV変換処理等のデジタル信号処理を行う。
【0019】
画像処理部20で変換されたYUVデータは順次SDRAM21に格納され、1フレーム分のデータが蓄積される毎にビデオ信号に変換されて液晶モニタ(LCD)22へ供給され、液晶モニタ22においてライブビュー画像として表示される。
【0020】
また、撮影モードにおいて、シャッターキー4が押下された撮影時には、SDRAM21に一時記憶された画像データがCPU15によって圧縮され、最終的には所定のフォーマットの静止画ファイルとして外部メモリ23に記録される。
【0021】
外部メモリ23は、例えばカメラ本体2着脱自在な各種のメモリカードにより構成される。外部メモリ23に記録された静止画ファイルは、再生モードにおいてユーザの選択操作に応じてCPU15により随時読み出されて伸張された後、YUVデータとしてSDRAM21に展開される。SDRAM21に展開されたYUVデータは液晶モニタ22に供給され、液晶モニタ22において静止画像として表示される。
【0022】
デジタルカメラ1は、記憶データが書き換え可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ24を備えている。フラッシュメモリ24には、CPU15にデジタルカメラ1の各部を制御させるための各種のプログラム、すなわち一般的なAE制御や、AF制御、AWB制御等を行わせるプログラム、及びデジタルカメラ1の制御に使用される各種データが記憶されている。さらに、フラッシュメモリ24には、デジタルカメラ1が撮影モードで動作している間に、CPU15に後述する処理を行わせるプログラムも記憶されている。
【0023】
また、デジタルカメラ1は、加速度センサ25及びマイコン26を備えている。加速度センサ25は、X,Y,Zの3軸方向の加速度を個別に検出するセンサである。加速度センサ25は、加速度の検出信号を増幅するアンプと、増幅後の検出信号をデジタルの検出信号に変換するA/D変換器とを含み、3軸毎の加速度データをCPU15に供給する。なお、CPU15に供給された加速度データは、CPU15により、画像データの記憶領域とは別にSDRAM21に確保された記憶領域に必要に応じて記憶される。
【0024】
加速度センサ25は、カメラ本体2の内部において、X軸がカメラ本体2の左右方向と一致し、Y軸がカメラ本体2の前後方向(レンズブロック12の光軸方向)と一致し、Z軸がカメラ本体2の上下方向に一致するように配置されている。そして、カメラ本体2の左右方向の一端にストラップ6が取り付けられている。つまり、加速度センサ25は、デジタルカメラ1がユーザによりストラップ6を用いて吊り下げられた状態において、図3に示したようにX軸が鉛直線となるようにカメラ本体2の内部に配置されている。なお、図3は、撮影レンズ3がカメラ本体2から繰り出された状態を示した図である。
【0025】
マイコン26には、キー入力部27と電源制御回路28とが接続されている。キー入力部27は、シャッターキー4や、図示しない電源キー、モード切替スイッチ、ズームアップ及びズームダウンボタン等の各種のスイッチから構成される。マイコン26はキー入力部27における各種スイッチの操作の有無を定常的にスキャンしており、ユーザによって操作されたスイッチを示す操作信号をCPU15へ供給する。
【0026】
電源制御回路28は、ニッケル水素電池等の充電可能なバッテリー29の電力を決められた電圧に個別に制御して上述した各部へ供給する。電源制御回路28の動作はマイコン26によって制御されている。
【0027】
以上の構成からなるデジタルカメラ1においては、電源がオン状態にあるとき、CPU15が、フラッシュメモリ24記憶されているプログラムに従い、加速度センサ25から供給される加速度データに基づく種々の処理を実行する。加速度データに基づく処理は、逐次検出される3軸毎の加速度や、各軸の加速度から判断されるカメラ本体2の移動方向や移動量に応じた処理であり、係る処理には以下の処理が含まれる。
【0028】
すなわち加速度データに基づく処理には、再生モードにおいて液晶モニタ22に静止画像、すなわち記録済みの画像の表示に関する処理が含まれる。記録済みの画像の表示に関する処理は、例えばユーザによる予め決められている方向へのカメラ本体2の移動操作に応答し、液晶モニタ22に表示する画像をカメラ本体2の移動方向に応じて記録順に従った順送り、又は逆送りで切り替える処理である。また、記録済みの画像の表示に関する処理は、例えばユーザによる予め決められている方向へのカメラ本体2の移動操作に応答し、液晶モニタ22に表示中の画像を拡大したり、縮小したりする処理である。
【0029】
また、加速度データに基づく処理には、撮影モードにおいて行われる処理が含まれる。撮影モードにおける処理は、例えば単位時間毎にカメラ本体2の移動方向及び移動量を手振れ方向及び手振れ量として取得し、取得した手振れ方向及び手振れ量を液晶モニタ22に表示中のライブビュー画像に逐次合成して表示する処理である。
【0030】
また、撮影モードにおける処理には、デジタルカメラ1に予め設けられている手振れ防止用の自動シャッタ機能がオン状態となっているとき、単位時間毎にカメラ本体2の移動量を逐次確認し、単位時間内での移動量がカメラ本体2の揺れが止まったと判断できる移動量となった時点で自動的に撮影を行う処理が含まれる。
【0031】
また、撮影モードにおける処理には、撮影モードの下位の動作モードとして設けられているパノラマ撮影モードが設定されているときの処理が含まれる。なお、パノラマ撮影モードは、ユーザに連続した複数回の撮影を行わせ複数枚の画像を取得し、取得した複数枚の画像を左右方向につなぎ合わせてパノラマ画像を生成し、記録する撮影モードである。
【0032】
パノラマ撮影モードにおける処理は、1回目の撮影時を基準とした2回目以降の撮影時におけるカメラ本体2の移動方向、及び移動量に応じて、2枚目以降の画像の合成位置を調整する処理である。また、パノラマ撮影モードにおける処理には、ユーザが複数回の撮影を行う際の上下方向の画角の維持を支援するための水平基準となる基準線を、液晶モニタ22に表示中のライブビュー画像に合成表示するとともに、基準線の表示位置をカメラ本体2の移動方向、及び移動量に応じて制御する処理が含まれる。
【0033】
さらに、撮影モードにおいてCPU15が加速度データに基づき行う処理には、撮影レンズ3及び電源の制御に関する以下に説明する処理が含まれる。
【0034】
概略を先に説明すると、CPU15は、加速度センサ25から供給された加速度データに基づいてデジタルカメラ1がストラップ6を用いて吊り下げられた状態(図3に示した状態)や、手持ちで移動している状態となったことを判断する。そして、デジタルカメラ1が手持ちで移動している状態となった後、その状態が一定時間続いた場合には、液晶モニタ22への電源供給を停止してライブビュー画像等の表示を停止する表示オフ状態とする。また、デジタルカメラ1がストラップ6を用いて吊り下げられた状態となったときには、撮影レンズ3を直ちにカメラ本体2へ収納するとともに電源を自動的にオフとする。
【0035】
なお、以下の説明においては、ユーザがストラップ6を用いて吊り下げた状態をストラップ持ち状態といい、ユーザがデジタルカメラ1の本体部分を手持ちで移動している状態を手持ち移動状態という。なお、本実施形態では、手持ち移動状態が本発明における他の使用状態に相当する。
【0036】
以下、撮影モードにおいてCPU15が実行する撮影レンズ3及び電源の制御に関する具体的な処理内容を、図4、及び図5に示したフローチャートに従い詳述する。
【0037】
CPU15は、撮影モードの設定とともに処理を開始した後、直ちに加速度センサ25から供給されたY軸及びZ軸の加速度データのSDRAM21への蓄積を開始する(ステップS1)。ここで、CPU15がSDRAM21に蓄積する加速度データは、予め決められている一定時間内に得られた最新の加速度データのみである。また、一定時間とは、デジタルカメラ1が手持ち移動状態であるか否かの判断に必要な加速度データの蓄積に要する時間である。
【0038】
次に、CPU15は、検出対象をY軸に設定した後(ステップS2)、図6のフローチャートに示した揺れサイクル検出処理を実行する(ステップS3)。ここで揺れサイクル検出処理は、あくまでもデジタルカメラ1がストラップ持ち状態にあるとき生じることが想定される振子の重りと同様の周期的な特定の揺れ(以下、振子運動という。)が実際に生じているときの1周期分に相当する揺れを検出する処理である。
【0039】
また、揺れサイクル検出処理は、以下のことを前提とした処理である。すなわちカメラ本体2に振子運動が生じているときには、加速度センサ25によって検出されるZ軸又はY軸の加速度の変化(加速度の出力波形)が図7に示したような正弦波に近い波形となる。なお、Z軸及びY軸の加速度の検出値は、カメラ本体2が検出対象軸の一方側へ移動するときが正の値、他方側へ移動するときが負の値である。また、図7に例示した波形の山部分及び谷部分の加速度が、カメラ本体2が最下点(例えばストラップ6が鉛直線と一致する位置)を通過するときの加速度である。
【0040】
また、カメラ本体2に振子運動が生じているとき、カメラ本体2が一方側へ移動していると判断できるある加速度を正方向の規定加速度A、カメラ本体2が他方向へ移動していると判断できるある加速度を負方向の規定加速度Bとした場合、加速度は、正方向の規定加速度Aをいったん超えてから、その規定加速度Aを下回り、さらに負方向の規定加速度Bをいったん超えてから、その規定加速度Bを下回ることとなる。
【0041】
この規定加速度Aおよび規定加速度Bは、ノイズによる誤検出が避けられる範囲で最小値である。
【0042】
そして、この振子運動の1周期の時間を計測するためには、加速度が正方向の規定加速度Aをいったん超えてから、その規定加速度Aを下回るのを1回検出した後、加速度が負方向の規定加速度Bをいったん超えてから、その規定加速度Bを下回るのを1回検出し、もう一度、加速度が正方向の規定加速度Aを超えるまでの時間を計測すればよい。こうして計測される1周期の時間は、主としてストラップ6の長さによって決まる。
【0043】
つまり揺れサイクル検出処理は、カメラ本体2に振子運動が生じているときには、加速度センサ25によって検出されるZ軸又はY軸の加速度が、周期的に変化し、かつ変化の周期がストラップ6の長さに応じて予め決められた範囲の周期であることを前提とした処理である。
【0044】
以下、CPU15による揺れサイクル検出処理について具体的に説明する。図6に示したようにCPU15は、まず、加速度センサ25によって検出された加速度が、前述した正方向の規定加速度Aを超えたか否かを確認する(ステップS101)。
【0045】
CPU15は、加速度が正方向の規定加速度Aを超えていないとき、つまりカメラ本体2が検出対象軸において正方向へ移動していないと判断できる場合には(ステップS101:NO)、直ちに検出結果を「非検出」と決定し(ステップS102)、揺れサイクル検出処理を終了する。
【0046】
一方、CPU15は、加速度が正方向の規定加速度Aを超えている場合、つまりカメラ本体2が検出対象軸において正方向へ移動しているか、又は移動し始めたと判断できる場合には(ステップS101:YES)、その時点からの経過時間(Time)の計測を開始する(ステップS103)。
【0047】
その後、CPU15は、移動確認後の経過時間が、予め決められている検出中止時間(CABNCEL_T)に達するまでの間(ステップS105:NO)、加速度が正方向の規定加速度Aを下回ったか否かを繰り返し確認する(ステップS104)。
【0048】
ここで、上記の検出中止時間は、ストラップ持ち状態のカメラ本体2に揺れ(振子運動)が生じている場合におけるカメラ本体2の振動周期として予想される最大時間に応じて決められた時間であり、ストラップ6の長さを考慮して決められた時間である。なお、検出中止時間は、例えば予め想定される振動周期の最大時間であり、例えば1.5秒である。なお、この最大時間は後述する上限時間(MAX_T)、又はそれよりも僅かに短い時間である。
【0049】
そして、CPU15は、前記経過時間が検出中止時間に達する以前に(ステップS105:NO)、加速度が正方向の規定加速度Aを下回わった後には(ステップS104:YES)、加速度が前述した負方向の規定加速度Bを超えたか否かを確認する(ステップS106)。
【0050】
さらに、CPU15は、前記経過時間が検出中止時間に達する以前に(ステップS107:NO)、加速度が負方向の規定加速度Bを負方向に超えたら(ステップS106:YES)、その後は、加速度が負方向の規定加速度Bを負方向に対して下回ったか否かを確認する(ステップS108)。
【0051】
引き続き、CPU15は、前記経過時間が検出中止時間に達する以前に(ステップS109:NO)、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わったときには(ステップS108:YES)、その時点における前記経過時間が、予め決められている下限時間(MIN_T)を超え、かつ上限時間(MAX_T)に達しない許容範囲内であるか否か確認する(ステップS110)。
【0052】
ここで上記の下限時間と上限時間とは、ストラップ持ち状態のカメラ本体2に揺れ(振子運動)が生じている場合におけるカメラ本体2の振動周期として予想される最小時間と最大時間であり、係る時間もストラップ6の長さを考慮して決められた時間である。
【0053】
そして、CPU15は、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わった時点での前記経過時間が予め決められている許容時間内であれば(ステップS110:YES)、カメラ本体2に1周期分の揺れが生じたと判断し、検出結果を「検出」と決定し(ステップS111)、揺れサイクル検出処理を終了する。
【0054】
逆に、CPU15は、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わった時点での前記経過時間が許容時間内でなければ(ステップS110:NO)、カメラ本体2に1周期分の揺れが生じていないと判断し、検出結果を「非検出」と決定し(ステップS102)、揺れサイクル検出処理を終了する。
【0055】
また、CPU15は、前述したステップS104以降の処理を行っている間に、前記経過時間が検出中止時間を超えた場合には、その時点でカメラ本体2に1周期分の揺れが生じていないと判断し、検出結果を「非検出」と決定して(ステップS102)、揺れサイクル検出処理を終了する。
【0056】
なお、上記揺れサイクル検出処理では、加速度が正方向の規定加速度Aを超えてから、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わるまでの時間を、上記下限時間(MIN_T)および上限時間(MAX_T)と比較することで、実際に検出される振子運動の1周期がストラップ6の長さから推定される1周期の長さと一致するか否かを判断したが、もちろん加速度が正方向の規定加速度Aを超えてから再び加速度が正方向の規定加速度Aを超えるまでの時間を上記下限時間(MIN_T)および上限時間(MAX_T)と比較してもかまわない。
【0057】
上記揺れサイクル検出処理では、上記規定加速度Aおよび上記規定加速度Bを、ノイズによる誤検出が避けられる範囲で最小値に設定してある。したがって、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わってから再び加速度が正方向の規定加速度Aを超えるまでの時間(図7でT1の終了時点からT2の開始時点までの時間)は極小さいため、この間の時間を無視しても1周期の判断にはあまり影響しない。むしろ、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わったのを検出した時点で、直ちに1周期分の揺れサイクル検出処理を完了することができるので、次の1周期分の揺れサイクル検出処理と重なることが無く、処理を簡潔化することが可能となる。
【0058】
また、上記揺れサイクル検出処理では、加速度が正方向の規定加速度Aを超えたことが確認できた第1の時点からの経過時間(Time)が予め想定される振動周期の最大時間(CANCEL_T)を超える以前に、規定加速度Aが下回わった第2の時点、その後に、加速度が負方向の規定加速度Bを負方向に超えた第3の時点、さらにその後に、加速度が負方向の規定加速度Bを下回わった第4の時点のいずれかの時点が確認できないとき検出結果を「非検出」とした。
【0059】
しかし、これとは異なり、以下の場合に検出結果を「非検出」としてもよい。すなわち、予め想定される振動周期の最大時間(例えば1.5秒)の半分の時間(例えば0.75秒)を検出中止時間する。そして、上記第1の時点からの経過時間が検出中止時間を超える以前に上記第2の時点が確認できないとき、また、上記第2の時点からの経過時間が検出中止時間を超える以前に上記第3の時点が確認できないとき、さらに、上記第3の時点からの経過時間が検出中止時間を超える以前に上記第4の時点が確認できないとき、検出結果を「非検出」としてもよい。
【0060】
そして、以上の揺れサイクル検出処理を終了した後、CPU15は、図4の処理に戻り以下の処理を行う。
【0061】
まず、揺れサイクル検出処理において上記の1周期分の特定の揺れが検出できなかったときの処理について説明する。CPU15は、1周期分の特定の揺れが検出できなかったときには(ステップS4:NO)、その時点で非検出時間を計測中でなければ(ステップS5:NO)、非検出時間の計測を開始する(ステップS6)。
【0062】
そして、CPU15は、検出対象軸を変更した後、つまり処理開始当初であれば検出対象軸をY軸からZ軸に変更した後(ステップS9)、ステップS10〜S19(図5)の処理を経て、再びステップS3の揺れサイクル検出処理を実行する(ステップS3)。
【0063】
また、CPU15は、1周期分の特定の揺れが検出できなかったとき、その時点で非検出時間を計測中であれば(ステップS5:YES)、計測中の非検出時間が予め決められている第1の規定時間(Ta)を超えているか否かを確認する(ステップS7)。なお、第1の規定時間(Ta)は、カメラ本体2が振子運動している場合におけるカメラ本体2の振動周期として予想される最大時間の数倍、つまり数周期分(例えば2周期分)の時間である。
【0064】
そして、CPU15は、計測中の非検出時間が第1の規定時間(Ta)を超えていなければ(ステップS7:NO)、直ちに検出対象軸を変更した後(ステップS9)、ステップS10〜S19(図5)の処理を経て、再びステップS3の揺れサイクル検出処理を実行する(ステップS3)。
【0065】
また、CPU15は、計測中の非検出時間が第1の規定時間(Ta)を超えていれば(ステップS7:YES)、カメラ本体2の揺れ回数(N)をリセットする(ステップS8)。なお、カメラ本体2の揺れ回数(N)の初期値はゼロである。そして、検出対象軸を変更した後(ステップS9)、ステップS10〜S19(図5)の処理を経て、再びステップS3の揺れサイクル検出処理を実行する(ステップS3)。
【0066】
なお、以上の処理におけるステップS10〜S19の具体的な内容については、便宜上、ここでの説明を省略する。
【0067】
次に、前述した揺れサイクル検出処理において1周期分の特定の揺れが検出できたときの処理について説明する。CPU15は、1周期分の特定の揺れが検出できたときには(ステップS4:YES)、図5に示した以下の処理を行う。
【0068】
まず、CPU15は、前述した非検出時間を計測中であれば(ステップS20:YES)、非検出時間の計測を停止した後(ステップS21)、カメラ本体2の揺れ回数(N)をインクリメントする(ステップS22)。また、CPU15は、非検出時間を計測中でなければ(ステップS20:NO)、直ちにカメラ本体2の揺れ回数(N)をインクリメントする(ステップS22)。つまり、CPU15は、揺れサイクル検出処理で1周期分の特定の揺れを検出する毎に、1周期分の揺れを単位としてカメラ本体2の揺れ回数をカウントする。
【0069】
しかる後、CPU15は、揺れ回数(N)が予め決められている規定回数(DETECT)に達したか否かを確認する。つまりCPU15は、直前におけるZ軸又はY軸の加速度の変化形態が、カメラ本体2に振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認する。そして、揺れ回数が規定回数に達する以前においては(ステップS23:NO)、再び揺れサイクル検出処理を実行する(ステップS3)。なお、上記の規定回数は例えば2〜3回程度である。
【0070】
その後、CPU15は、カメラ本体2の揺れ回数が上記の規定回数に達する以前に、揺れサイクル検出処理において1周期分の特定の揺れが検出できなくなったときには(ステップS4:NO)、前述したステップS5〜S19の処理を繰り返す。
【0071】
その際、それまでにカウントされていたカメラ本体2の揺れ回数は、非検出時間が前述した第1の規定時間(Ta)を超えるまではリセットされずに保持される。つまり、1周期分の特定の揺れが一時的に検出できなくなっても、それが直ちに検出できるようになった場合については、カメラ本体2の揺れ回数のカウントが継続して行われる。
【0072】
引き続き、CPU15は、上述したステップS3以降の処理を繰り返す間に、揺れ回数(N)が規定回数(DETECT)に達したときには(ステップS23:YES)、その時点でデジタルカメラ1がストラップ持ち状態になったと判断し、繰り出し状態にある撮影レンズ3をカメラ本体2に収容するとともに、電源を自動的にオフ状態とし(ステップS24)、処理を終了する。
【0073】
ここで、先に説明を省略したステップS10〜S19の処理(図5)、すなわち揺れサイクル検出処理で1周期分の特定の揺れが検出できなかった場合において、CPU15がステップS5〜S9の処理後に行う処理について説明する。
【0074】
CPU15は、ステップS9で検出対象軸を変更した後、SDRAM21に蓄積されている加速度データに基づいて、加速度センサ25から出力されたY軸及びZ軸における一定時間分の加速度の出力波形を評価する(ステップS10)。
【0075】
ステップS10の処理に際してCPU15は、Y軸及びZ軸の出力波形における一定時間内における振幅の平均を演算する。そして、CPU15は、Y軸及びZ軸の出力波形のいずれか一方における振幅の平均が、予め決められている閾値よりも大きければデジタルカメラ1が手持ち移動状態であると判定し、閾値よりも小さければデジタルカメラ1が手持ち移動状態ではないと判定する。
【0076】
そして、CPU15は、デジタルカメラ1が手持ち移動状態であると判定した場合には(ステップS11:YES)、手持ち時間が計測中でなければ(ステップS12:NO)、手持ち時間の計測を開始した後(ステップS13)、ステップS3の揺れサイクル検出処理を行う。また、手持ち時間が計測中であったときには(ステップS12:YES)、その時点の手持ち時間が予め決められている第2の規定時間(Tb)を超えているか否かを確認する(ステップS14)。
【0077】
CPU15は、手持ち時間が第2の規定時間(Tb)を超えていなければ(ステップS14:NO)、そのまま、ステップS3の揺れサイクル検出処理を行う。また、CPU15は、手持ち時間が第2の規定時間(Tb)を超えていたときには(ステップS14:YES)、液晶モニタ22を表示オフ状態とした後(ステップS15)、ステップS3の揺れサイクル検出処理を行う。
【0078】
一方、CPU15は、ステップS10の処理でデジタルカメラ1が手持ち移動状態でないと判定した場合においては(ステップS11:NO)、以下の処理を行う。
【0079】
まず、CPU15は、その時点で手持ち時間が計測中であれば(ステップS16:YES)、手持ち時間の計測を中止した後(ステップS17)、液晶モニタ22が表示オフ状態であるか否かを確認する(ステップS18)。また、CPU15は、手持ち時間が計測中でなければ(ステップS16:NO)、直ちに液晶モニタ22が表示オフ状態であるか否かを確認する(ステップS18)。
【0080】
しかる後、CPU15は、液晶モニタ22が表示オフ状態であれば(ステップS18:YES)、液晶モニタ22を表示オン状態とする。つまり液晶モニタ22への電源供給を再開することによりライブビュー画像等の表示を再開する(ステップS19)。しかる後、ステップS3の揺れサイクル検出処理を行う。
【0081】
係るステップS10〜S19の処理によって、デジタルカメラ1が手持ち移動状態となり、その状態が第2の規定時間Tbを超えて続くと、液晶モニタ22が自動的に表示オフ状態となり、その後、デジタルカメラ1が手持ち移動状態から撮影準備状態等の他の状態に移行した時点で、液晶モニタ22が自動的に表示オン状態となる。
【0082】
以上のように本実施形態においては、撮影モードが設定されている間には、CPU15が、加速度センサ25によって検出されるY軸又はZ軸における加速度の変化形態がストラップ6を用いて吊り下げられた状態において想定される特定の変化形態となった場合に、デジタルカメラ1がストラップ持ち状態となったと判断する。したがって、デジタルカメラ1の使用状態としてストラップ持ち状態と手持ち移動状態とを明確に区別して検出することができる。
【0083】
これにより、デジタルカメラ1がストラップ持ち状態となった際には、繰り出し状態にある撮影レンズ3をカメラ本体2に直ちに収容することができる。したがって、撮影レンズが他との干渉により破損したり、衝撃によってフォーカス位置ずれを起こしたりする事態を未然に防止することができる。
【0084】
また、撮影レンズ3のカメラ本体2への収容と同時に電源を直ちにオフ状態とすることにより、使い勝手を低下させることなく電池寿命の長期化を図ることもできる。すなわち、デジタルカメラ1をカバンなどに収納して持ち歩く場合には、ユーザが電源を切り忘れることは少ないが、ストラップ持ち状態で持ち歩く場合には、電源を切り忘れてしまう場合も多い。また、ユーザがデジタルカメラ1を手持ちで移動しているときには、すぐに撮影を行う可能性が高いが、ストラップ持ち状態で持ち歩く場合には、すぐに撮影を行う可能性が低いためである。
【0085】
また、本実施形態においては、デジタルカメラ1がストラップ持ち状態とは異なる手持ち移動状態となり、その状態が一定時間(第2の規定時間)続いたときには。電源をオフ状態とすることなく液晶モニタ22のみをオフ状態とするようにした。したがって、ユーザがすぐに撮影を行う可能性が高い状態においては、次回の撮影を直ちに行える状態を維持したまま、電池寿命の長期化を図ることができる。
【0086】
なお、本実施形態では、手持ち移動状態が一定時間続いたとき液晶モニタ22を自動的に表示オフ状態としたが、手持ち移動状態が確認できた時点で液晶モニタ22を直ちに表示オフ状態としてもよい。
【0087】
また、デジタルカメラ1においては、ストラップ持ち状態と手持ち移動状態とを明確に区別して検出することができるため、デジタルカメラ1が一般的なオートパワーオフ機能、つまり一定時間操作がなかったとき電源を自動的にオフ状態とする機能を有するものである場合には、デジタルカメラ1を以下のような構成とすることもできる。例えばオートパワーオフ機能によって電源をオフ状態とするまでの時間を、ストラップ持ち状態を検出した場合と手持ち移動状態を検出した場合とで異なる時間に変更するようにしてもよい。
【0088】
また、上記のように、オートパワーオフ機能によって電源をオフ状態とするまでの時間を変更する構成においても、例えば手持ち移動状態を検出した後、予め決められた時間内に引き続きストラップ持ち状態を検出した場合には、待ち時間なしに撮影レンズ3をカメラ本体2に収容し、電源をオフ状態とする構成を採用することもできる。
【0089】
(変形例)
ここで、本実施形態の変形例について説明する。本実施形態においては、デジタルカメラ1がストラップ持ち状態となったことを、Y軸及びZ軸の加速度の出力波形をストラップの長さを考慮して解析することにより検出し、またデジタルカメラ1が手持ち移動状態となったことを、Y軸及びZ軸の加速度の出力波形における振幅を確認することによって検出する構成とした。
【0090】
しかし、本発明の実施に際しては、本実施形態とは異なる方法によってストラップ持ち状態と手持ち移動状態とを互いに区別して検出するようにしてもよい。すなわち加速度センサ25によって検出されるY軸又はZ軸における加速度の出力波形は、ストラップ持ち状態のときには、図8(a)に示した正弦波に近い比較的滑らかな波形となる。これに対し、手持ち移動状態のときの加速度の出力波形は、図8(b)に示したような滑らかさに欠けた波形となる。
【0091】
したがって、例えばY軸又はZ軸の加速度の出力波形における振幅が予め決められている閾値を超える場合にはデジタルカメラ1が持ち運び状態であると判定し、持ち運び状態であると判定した際には、さらに、以下のようにして、その状態がストラップ持ち状態と手持ち移動状態との何れであるかを判定すればよい。すなわち一定時間毎にY軸又はZ軸の加速度を時間微分した値を変化度合として取得し、直近の一定時間内における変化度合の平均値が閾値以下であればデジタルカメラ1がストラップ持ち状態にあると判定し、変化度合の平均値が閾値を超えているときにはデジタルカメラ1が手持ち移動状態にあると判定すればよい。
【0092】
また、デジタルカメラ1がストラップ持ち状態であるか否かを判断する際には、カメラ本体2に生じた加速度の変化形態が、カメラ本体2に振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認すればよく、具体的な確認方法については任意の方法を採用することができる。したがって、上記の確認は加速度センサ25によって検出される3軸全ての加速度に基づいて行うようにしても構わない。
【0093】
また、本発明の実施に際しては、カメラ本体2に生じる加速度を加速度センサ25によって検出したが、本発明の実施に際しては、カメラ本体2に生じる加速度を角速度センサを用いて検出する構成としても構わない。
【0094】
また、本実施形態においては本発明をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明は持ち運びに使用されるストラップを備えたものであれば、デジタルカメラ以外の他の電子機器、例えば各種の携帯情報端末にも適用することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、これらの実施形態は本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器において、機器本体に生じる加速度を検出する加速度検出手段と、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する判断手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
[請求項2]
前記加速度検出手段は、機器本体に生じる加速度として、機器本体の重心と機器本体における前記ストラップの取り付け位置とを結ぶ方向と直行するとともに、互いに直行する2軸の加速度を検出し、前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された前記2軸の加速度のうちのいずれか一方の加速度の変化形態が前記特定の変化形態であるか否かを確認し、いずれか一方の加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
[請求項3]
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度が周期的に変化し、かつ変化の周期が前記ストラップの長さに応じて予め決められた範囲の周期である場合に、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が前記特定の変化形態であると判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
[請求項4]]
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の時間毎の変化度合に基づいて、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が前記特定の変化形態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
[請求項5]
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、前記特定の変化形態とは異なる予め想定された他の変化形態であるか否かを更に確認し、前記加速度の変化形態が前記他の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態とは異なる他の使用状態にあると判断することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の電子機器。
[請求項6]
前記判断手段によって機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断された場合に、電子機器の電源をオフ状態に制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の電子機器。
[請求項7]
沈胴式の撮影レンズを更に備え、前記制御手段は、前記判断手段により機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断された場合に、機器本体から繰り出された状態の撮影レンズを機器本体に収納させるとともに、電子機器の電源をオフ状態に制御することを特徴とする請求項6記載の電子機器。
[請求項8]
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか、振子運動以外の運動に対応した変化形態であるかに応じて、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態であるか、手持ち移動状態であるかを識別して判断することを特徴とする請求項6又は7記載の電子機器。
[請求項9]
前記制御手段は、前記判断手段により機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態であると判断された場合は、直ちに電子機器の電源をオフ状態にし、前記判断手段により手持ち移動状態であると判断された場合は、この手持ち移動状態が所定時間以上継続したことを条件として電子機器の電源をオフ状態にするように制御することを特徴とする請求項8記載の電子機器。
[請求項10]
持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器の機器本体に生じる加速度を検出する工程と、検出した加速度の変化形態が、電子機器が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する工程とを含むことを特徴とする使用状態検出方法。
[請求項11]
持ち運びに使用されるストラップと、機器本体に生じる加速度を検出する加速度検出手段とを備えた電子機器が有するコンピュータに、前記加速度検出手段によって検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0096】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体
3 撮影レンズ
5 ストラップ取付部
6 ストラップ
15 CPU
21 SDRAM
22 液晶モニタ
25 加速度センサ
28 電源制御回路
29 バッテリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器において、
機器本体に生じる加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する判断手段と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記加速度検出手段は、機器本体に生じる加速度として、機器本体の重心と機器本体における前記ストラップの取り付け位置とを結ぶ方向と直行するとともに、互いに直行する2軸の加速度を検出し、
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された前記2軸の加速度のうちのいずれか一方の加速度の変化形態が前記特定の変化形態であるか否かを確認し、いずれか一方の加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度が周期的に変化し、かつ変化の周期が前記ストラップの長さに応じて予め決められた範囲の周期である場合に、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が前記特定の変化形態であると判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項4】
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の時間毎の変化度合に基づいて、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が前記特定の変化形態であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
【請求項5】
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、前記特定の変化形態とは異なる予め想定された他の変化形態であるか否かを更に確認し、前記加速度の変化形態が前記他の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態とは異なる他の使用状態にあると判断することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の電子機器。
【請求項6】
前記判断手段によって機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断された場合に、電子機器の電源をオフ状態に制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の電子機器。
【請求項7】
沈胴式の撮影レンズを更に備え、
前記制御手段は、前記判断手段により機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断された場合に、機器本体から繰り出された状態の撮影レンズを機器本体に収納させるとともに、電子機器の電源をオフ状態に制御する
ことを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記判断手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか、振子運動以外の運動に対応した変化形態であるかに応じて、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態であるか、手持ち移動状態であるかを識別して判断することを特徴とする請求項6又は7記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記判断手段により機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態であると判断された場合は、直ちに電子機器の電源をオフ状態にし、前記判断手段により手持ち移動状態であると判断された場合は、この手持ち移動状態が所定時間以上継続したことを条件として電子機器の電源をオフ状態にするように制御することを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
持ち運びに使用されるストラップを備えた電子機器の機器本体に生じる加速度を検出する工程と、
検出した加速度の変化形態が、電子機器が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する工程と
を含むことを特徴とする使用状態検出方法。
【請求項11】
持ち運びに使用されるストラップと、機器本体に生じる加速度を検出する加速度検出手段とを備えた電子機器が有するコンピュータに、
前記加速度検出手段によって検出された加速度の変化形態が、機器本体が振子運動する場合に想定される特定の変化形態であるか否かを確認し、前記加速度の変化形態が前記特定の変化形態であることが確認できた場合に、機器本体が前記ストラップを用いて吊り下げられた状態にあると判断する処理を実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−252203(P2012−252203A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125327(P2011−125327)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】