説明

電子機器、表示制御方法及びプログラム

【課題】三次元映像を表示するための画面に二次元映像を表示する際に、当該二次元映像に含まれる文字の視認性を向上できる電子機器、表示制御方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、文字画像生成手段、第1画像生成手段、映像合成手段及び表示画像生成手段を具備する。文字画像生成手段は、ディスプレイが三次元映像を表示するための三次元映像表示モードに設定されている場合、前記ディスプレイが二次元映像を表示するための二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成する。第1画像生成手段は前記第2文字画像を含む第1画像を生成する。映像合成手段は、前記第1画像と複数の画像を含む映像フレームとを合成することによって合成映像フレームを生成する。表示画像生成手段は、前記合成映像フレームを用いて表示画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、三次元映像を再生する電子機器、該機器に適用される表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、三次元映像を観賞するための様々な電子機器が提供されている。このような電子機器の一つに、裸眼立体視方式(裸眼3D方式)による電子機器がある。裸眼立体視方式では、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)の画面に左眼用映像と右眼用映像とを表示し、LCD上に配置されたレンズによって、それら映像内の画素に対応する光線が射出される方向を制御する。
【0003】
画面には、左眼用映像に含まれる画素と右眼用映像に含まれる画素とが所定の順序で配置される。例えば、左眼用映像に含まれる画素と右眼用映像に含まれる画素とは、画面に交互に配置される。LCD上のレンズは、配置された画素に対応する光線が射出される方向を制御する。これによりユーザは、左眼用映像の画素を左眼で、右眼用映像の画素を右眼で見ることができるので、三次元映像(立体映像)を知覚することができる。
【0004】
また、三次元映像を表示する電子機器には、画面を、三次元映像を表示するモードと二次元映像を表示するモードとで切り換えられるものがある。ユーザは、それらモードを切り換えることによって、三次元映像と二次元映像とをそれぞれ観賞することができる。例えば、パーソナルコンピュータのような電子機器では、二次元映像表示モードでデスクトップ画面のような二次元映像を表示し、三次元映像表示モードで三次元映像コンテンツを表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−95730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、三次元映像表示モードの画面には、三次元映像だけでなく、デスクトップ画面のような二次元映像も表示されることがある。そして、三次元映像表示モードの画面に二次元映像が表示された場合、左眼と右眼のそれぞれではその二次元映像の一部しか見えないので、映像の視認性が低下する可能性がある。特に、二次元映像に含まれる、文字のような細かいオブジェクトでは視認性が著しく低下する可能性がある。
【0007】
本発明は、三次元映像を表示するための画面に二次元映像を表示する際に、当該二次元映像に含まれる文字の視認性を向上できる電子機器、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、電子機器は、文字画像生成手段、第1画像生成手段、映像合成手段、及び表示画像生成手段を具備する。文字画像生成手段は、ディスプレイが三次元映像を表示するための三次元映像表示モードに設定されている場合、前記ディスプレイが二次元映像を表示するための二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成する。第1画像生成手段は、二次元映像を表示するための、前記第2文字画像を含む第1画像を生成する。映像合成手段は、前記第1画像と、三次元映像を表示するための複数の画像を含む映像フレームとを合成することによって、合成映像フレームを生成する。表示画像生成手段は、前記合成映像フレームを用いて、前記ディスプレイの画面に表示するための表示画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態の電子機器の構成例を示すブロック図。
【図3】同実施形態の電子機器によって表示される画面の例を示す図。
【図4】同実施形態の電子機器による三次元映像表示のためのサブピクセルの配置の例を示す図。
【図5】同実施形態の電子機器によって実行されるデスクトップウィンドウマネージャの構成の例を示すブロック図。
【図6】同実施形態の電子機器によって実行される表示制御処理の手順の例を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の電子機器によって実行される表示制御処理の手順の別の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。この電子機器は、例えばノートブックタイプのパーソナルコンピュータ1として実現される。また、この電子機器は、テレビジョン受信機、映像データを記録・再生するためのパーソナルビデオレコーダ(例えば、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダ)、タブレットPC、スレートPC、PDA、カーナビゲーション装置、スマートフォン、ビデオゲーム機等として実現され得る。
【0011】
図1に示すように、本コンピュータ1は、コンピュータ本体2と、ディスプレイユニット3とから構成される。
ディスプレイユニット3には、三次元ディスプレイ(3Dディスプレイ)15が組み込まれている。ディスプレイユニット3は、コンピュータ本体2の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体2の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在にコンピュータ本体2に取り付けられている。また、3Dディスプレイ15は、例えば、LCD(liquid crystal display)とレンズユニットとを備える裸眼3Dディスプレイである。レンズユニットは、LCD上にはり合わせられている。レンズユニットは、LCDに表示される映像に含まれる複数の画素に対応する複数の光線をそれぞれ所定の方向に射出するための複数のレンズ機構を含む。
【0012】
レンズユニットは、例えば、三次元映像表示に必要な機能を電気的にスイッチングできる液晶GRIN(gradient index)レンズである。この液晶GRINレンズは、平坦な液晶層を用いて電極で屈折率分布を作るので、レンズの屈折率を代えることにより、3Dディスプレイ15の画面全体を、三次元映像を表示するための三次元映像表示モードと二次元映像を表示するための二次元映像表示モードとのいずれかの表示モードで使用することができる。
【0013】
3Dディスプレイ15は、例えば、三次元映像表示モードに設定されている場合に複数の視点に対応する複数の視差画像(例えば、2視点に対応する左眼用映像と右眼用画像)を表示し、二次元映像表示モードに設定されている場合に二次元映像を表示する。これによりユーザは、三次元映像表示モードに設定された画面を見たとき三次元映像を知覚し、二次元映像表示モードに設定された画面を見たとき二次元映像を知覚することができる。
【0014】
コンピュータ本体2は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面には、キーボード26、本コンピュータ1を電源オン/電源オフするためのパワーボタン28、入力操作パネル29、タッチパッドのようなポインティングデバイス27、スピーカ18A,18Bなどが配置されている。入力操作パネル29上には、各種操作ボタンが設けられている。これらボタン群には、TV機能(視聴、録画、録画された放送番組データ/ビデオデータの再生)を制御するための操作ボタン群も含まれている。
【0015】
コンピュータ本体2の例えば右側面には、TV放送用のアンテナ端子30Aが設けられている。また、コンピュータ本体2の例えば背面には、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)規格に対応した外部ディスプレイ接続端子が設けられている。この外部ディスプレイ接続端子は、放送番組データのような映像コンテンツデータに含まれる映像データ(動画像データ)を外部ディスプレイに出力するために用いられる。
【0016】
図2は、本コンピュータ1のシステム構成を示す図である。
本コンピュータ1は、図2に示すように、CPU11、ノースブリッジ12、主メモリ13、表示コントローラ14、ビデオメモリ(VRAM)14A、3Dディスプレイ15、サウスブリッジ16、サウンドコントローラ17、スピーカ18A,18B、BIOS−ROM19、LANコントローラ20、ハードディスクドライブ(HDD)21、光ディスクドライブ(ODD)22、無線LANコントローラ23、USBコントローラ24、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)25、キーボード(KB)26、ポインティングデバイス27、TVチューナ30等を備えている。
【0017】
CPU11は、本コンピュータ1の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、HDD21から主メモリ13にロードされる、オペレーティングシステム(OS)13A、ディスプレイドライバプログラム13Cのようなドライバプログラム、及び映像コンテンツ再生プログラム13B等のようなアプリケーションプログラムを実行する。
【0018】
OS13Aは、デスクトップ画面のような二次元映像を生成するための機能(デスクトップウィンドウマネージャとも称する)を有する。OS13Aは、二次元映像として画面に表示される背景、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、実行中のアプリケーションプログラムに対応するウィンドウ、ポップアップ等の画像を生成する。また、OS13Aは、ユーザによる操作や各種の処理に応じて、画面に表示される二次元映像を更新する。
【0019】
映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータを視聴するための機能を有するソフトウェアである。この映像コンテンツ再生プログラム13Bは、TVチューナ30によって受信された放送番組データを視聴するためのライブ再生処理、受信された放送番組データをHDD21に記録する録画処理、HDD21に記録された放送番組データ/ビデオデータを再生する再生処理、ネットワークを介して受信された映像コンテンツデータを再生する再生処理等を実行する。また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、DVDやBD(登録商標)のような記憶メディアやハードディスクのような記憶装置に格納された映像コンテンツデータを再生することもできる。
【0020】
さらに、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、三次元映像を視聴するための機能も有する。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、再生対象の映像コンテンツデータ(又は放送番組データ)に基づく三次元映像を3Dディスプレイ15の画面に表示する。具体的には、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、再生対象の映像コンテンツデータを用いて、三次元映像を表示するための映像フレームを生成する。この映像フレームのフォーマットには、例えば、サイドバイサイドフォーマットやトップアンドボトムフォーマット等が用いられる。サイドバイサイドフォーマットの映像フレームは、左眼用画像と右眼用画像とが左右に並べて配置された映像フレームである。トップアンドボトムフォーマットの映像フレームは、左眼用画像と右眼用画像とが上下に並べて配置された映像フレームである。また、映像フレームのフォーマットは、例えば、4視点の視差画像が2×2の領域に並べられるフォーマットや、9視点の視差画像が3×3の領域に並べられるフォーマットのように、より多くの視点に対応する視差画像が並べられるフォーマットであってもよい。
【0021】
また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像コンテンツデータに含まれる二次元映像を三次元映像にリアルタイムで変換して画面に表示することもできる。映像コンテンツ再生プログラム13Bは、様々な映像コンテンツデータ(例えば、放送番組データ、記憶メディアや記憶装置に格納されたビデオデータ、インターネット上のサーバから受信したビデオデータ、等)を2Dto3D変換することができる。つまり、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、2Dto3D変換によって、三次元映像を表示するための映像フレームを生成する。
【0022】
三次元映像の表示には、例えば、裸眼立体視方式(例えば、インテグラルイメージング方式、レンチキュラ方式、パララックスバリア方式等)による3Dディスプレイ15が用いられる。ユーザは、裸眼立体視方式による3Dディスプレイ15に表示された映像を見ることにより、三次元映像を裸眼で知覚することができる。
【0023】
また、CPU11は、BIOS−ROM19に格納されたBIOS(Basic Input/Output System)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0024】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ16との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ12には、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ12は、表示コントローラ14との通信を実行する機能も有している。
【0025】
表示コントローラ14は、本コンピュータ1のディスプレイとして使用されるLCD15Aを制御するデバイスである。この表示コントローラ14によって生成される表示信号はLCD15Aに送られる。LCD15Aは、表示信号に基づいて映像を表示する。
【0026】
サウスブリッジ16は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ16は、HDD21及びODD22を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラ、及びBIOS−ROM19をアクセス制御するメモリコントローラが内蔵されている。さらに、サウスブリッジ16は、サウンドコントローラ17及びLANコントローラ20との通信を実行する機能も有している。
【0027】
また、サウスブリッジ16は、映像コンテンツ再生プログラム13Bによる要求等に応じて、レンズユニット15Bがそれぞれ三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定されるように制御するための制御信号を、レンズユニット15Bに出力することができる。レンズユニット15Bは、サウスブリッジ16によって出力された制御信号に応じて、例えば、液晶層の屈折率を変更することにより、三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれか一方に設定される。
【0028】
サウンドコントローラ17は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18Bに出力する。LANコントローラ20は、例えばEthernet(登録商標)規格の有線通信を実行する有線通信デバイスであり、無線LANコントローラ23は、例えばIEEE 802.11規格の無線通信を実行する無線通信デバイスである。また、USBコントローラ24は、例えばUSB2.0規格のケーブルを介して外部機器との通信を実行する。
【0029】
EC/KBC25は、電力管理を行うためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)26及びポインティングデバイス27を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このEC/KBC25は、ユーザによる操作に応じて本コンピュータ1をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0030】
TVチューナ30はテレビジョン(TV)放送信号によって放送される放送番組データを受信する受信装置であり、アンテナ端子30Aに接続されている。このTVチューナ30は、例えば、地上波デジタルTV放送のようなデジタル放送番組データを受信可能なデジタルTVチューナとして実現されている。また、TVチューナ30は、外部機器から入力されるビデオデータをキャプチャする機能も有している。
【0031】
次いで、図3は、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15の画面の例を示す。図3に示すように、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15には、三次元映像だけでなく、二次元映像も表示されることがある。三次元映像が表示される領域(以下、三次元映像表示領域と称する)52では、複数の視点に対応する複数の視差画像(例えば、2つの視点に対応する左眼用画像と右眼用画像)に含まれる画素(ピクセルとも称する)が、三次元映像表示のための所定のパターンで配置される。三次元映像表示領域52に配置された画素に対応する光線は、レンズユニット15Bによって射出される方向が制御される。例えば、左眼用画像の画素と右眼用画像の画素とが三次元映像表示領域52に所定のパターンで配置されているとき、レンズユニット15Bは、左眼用画像の画素に対応する光線が左眼で知覚され、右眼用画像の画素に対応する光線が右眼で知覚されるように制御する。これによりユーザは、三次元映像表示領域52を見ることによって、三次元映像を知覚することができる。
【0032】
一方、二次元映像が表示される領域(以下、二次元映像表示領域と称する)51では、例えば、デスクトップ画面のような二次元映像に対応する画素が配置される。この二次元映像には、例えば、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、実行中のアプリケーションプログラムに対応するウィンドウ、ポップアップ等のオブジェクトが含まれる。そして、このようなオブジェクトには、テキスト(文字)が含まれていることがある。例えば、アイコン51Aでは、関連付けられたファイルやフォルダ(ディレクトリ)の名称を示すテキストが表示される。また、例えば、ウィンドウ51Bでは、対応するアプリケーションプログラムの名称や処理対象のファイルの名称が、当該ウィンドウ51Bのタイトルバーに表示される。そして、ウィンドウ51B内には、例えば、処理対象のファイルの内容を示すテキスト(例えば、文書ファイルに含まれるテキスト)が表示される。さらに、ダイアログ等に配置されるボタンでは、そのボタンの機能を示すテキスト(例えば、「OK」、「キャンセル」等)が、当該ボタン上に表示される。
【0033】
3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されているので、二次元映像表示領域51に配置された画素は、三次元映像表示領域52内に配置された画素と同様に扱われる。つまり、3Dディスプレイ15は、二次元映像表示領域51に配置された二次元映像の画素を、三次元映像表示のための所定のパターンで配置された画素であるものとして取り扱う。そのため、二次元映像表示モードでは画面上の全てのピクセル(すなわち、二次元映像内の全ての画素)が見えるが、三次元映像表示モードでは、ユーザの左眼と右眼のそれぞれで、画面上のピクセルの一部しか見ることができない。
【0034】
つまり、三次元映像表示領域52の場合と同様に、二次元映像表示領域51に配置された画素に対応する光線も、レンズユニット15Bによって射出される方向が制御される。レンズユニット15Bは、例えば、二次元映像内のある画素(左眼用画像の画素が配置されるべき位置の画素)に対応する光線が左眼で知覚され、二次元映像内の別の画素(右眼用画像の画素が配置されるべき位置の画素)に対応する光線が右眼で知覚されるように制御する。そのため、左眼と右眼のそれぞれでは、二次元映像の一部だけしか見ることができないので、ユーザによる二次元映像の視認性は低下する可能性がある。特に、二次元映像中の、文字のような細かいオブジェクトでは、文字の一部が欠けて見えることや色が乱れること(例えば、文字が本来の色とは異なる色に見えること)等によって、視認性が著しく低下する可能性がある。
【0035】
また、三次元映像表示領域52では、2視点に対応する2つの視差画像だけでなく、4視点に対応する4つの視差画像のようなより多くの視点に対応する複数の視差画像を用いて、それら複数の視差画像それぞれに含まれる画素を、三次元映像表示のための所定のパターンで配置することもできる。4つの視差画像の画素が画面(LCD)15Aに配置されることにより、ユーザは、例えば、3Dディスプレイ15の正面からだけでなく、正面からやや外れた位置からも三次元映像を観賞することできる。これは例えば、複数人での観賞が想定される大画面のテレビ等で用いられる。
【0036】
図4は、4視点に対応する4つの視差画像に含まれる画素が画面15Aに配置される例を示す。画面15Aには、4つの視差画像のそれぞれに含まれる画素が所定のパターンで配置されている。そして、1つの画素(ピクセル)に対してR(赤)G(緑)B(青)の3つのサブピクセルが配置されている。
【0037】
具体的には、例えば、画面15A内の領域521では、第1視差画像の画素に対応する3つのサブピクセル1R,1G,1Bと、第2視差画像の画素に対応する3つのサブピクセル2R,2G,2Bと、第3視差画像の画素に対応する3つのサブピクセル3R,3G,3Bと、第4視差画像の画素に対応する3つのサブピクセル4R,4G,4Bとが、所定のパターンで配置されている。図4に示す例では、4つの視差画像の画素に対応するサブピクセルが、水平方向や垂直方向に整列されているのではなく、入り組んだようなパターンで配置されている。このようなパターンで、4つの視差画像それぞれに対応するサブピクセル(画素)が配置されているとき、それらサブピクセルに対応する光線の各々が射出される方向は、レンズユニット15Bによって制御される。
【0038】
ユーザは、任意の位置から3Dディスプレイ15を見るので、ユーザの一方の目では、例えば、スリット状の領域61内の画素(ここでは、第2視差画像の画素と第3視差画像の画素)が見える。また、ユーザのもう一方の目では、例えば、別のスリット状の領域内の画素(例えば、第3視差画像の画素と第4視差画像の画素)が見える。ユーザは、一方の目でスリット状の領域61を見て、もう一方の目で別のスリット状の領域を見ることにより、三次元映像を知覚することができる。
【0039】
三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15では、図4に示すようなパターンで画素(サブピクセル)が配置され、そのパターンに合わせて画素に対応する光線が射出される方向が制御される。また、上述のように、3Dディスプレイ15は、二次元映像表示領域51に配置された二次元映像の画素も、三次元映像表示のための所定のパターンで配置された画素であるものとして取り扱う。
【0040】
そのため、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に二次元映像を表示した場合、ユーザの左眼と右眼のそれぞれでは、二次元映像の一部(すなわち、二次元映像内のスリット状の領域)だけしか見ることができないので、ユーザによる二次元映像の視認性は低下する可能性がある。特に、二次元映像内の文字(テキスト)は、細かいオブジェクトであるので、文字の一部が欠けて見えることがある。また、二次元映像内のスリット状の領域には、ある画素のサブピクセルと別の画素のサブピクセル(例えば、第1画素のサブピクセル1Rと、第1画素に隣接する第2画素のサブピクセル2G及び2B)とが混在していることがあるので、二次元映像内の画素の本来の色とは異なる色(すなわち、サブピクセル1R,2G,2Bによって知覚される色)の画素が見えることがある。したがって、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15では、表示される二次元映像に含まれる文字の視認性が著しく低下する可能性がある。
【0041】
そのため、本コンピュータ1では、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15で二次元映像が表示される際に、その二次元映像に含まれる文字(テキスト)に所定の処理を施すことにより、文字の視認性を向上させる。
【0042】
図5は、3Dディスプレイ15に表示される二次元映像内の文字の視認性を向上させるための一構成例を示す。3Dディスプレイ15には、映像コンテンツ再生プログラム13Bによって生成された三次元映像を表示するための映像と、OS13Aによって生成された二次元映像を表示するための映像とが、ディスプレイドライバプログラム13Cによって合成され、表示される。また、以下では、説明を簡単にするため、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像が画面に表示され、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像と映像コンテンツ再生プログラム13Bによって再生される三次元映像とが画面に表示されることを想定する。
【0043】
OS13Aは、デスクトップウィンドウマネージャ130を備える。デスクトップウィンドウマネージャ130は、例えば、デスクトップ画面として表示される二次元映像(二次元映像の映像信号)を生成する。デスクトップウィンドウマネージャ130は、例えば、背景、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、実行中のアプリケーションプログラムに対応するウィンドウ、ポップアップ等を含む二次元映像を生成する。また、デスクトップウィンドウマネージャ130は、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイス27によって指示される位置を示すカーソルのような二次元映像を生成することもできる。ウィンドウマネージャ130は、表示モード判定部131、フォントレンダラ132及び二次元画像生成部133を備える。
【0044】
表示モード判定部131は、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれの表示モードに設定されているかを判定する。表示モード判定部131は、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードと二次元映像表示モードのいずれの表示モードに設定されているかを示す判定結果を、フォントレンダラ132に出力する。
【0045】
フォントレンダラ132は、表示モード判定部131による判定結果に基づいて、画面に表示される二次元映像に含まれる、テキスト(文字)の画像を生成する。このテキストは、例えば、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に用いられる文字である。
【0046】
具体的には、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されていることを示す判定結果である場合、フォントレンダラ132は、HDD21から第1フォントデータ21Aを読み出し、その第1フォントデータ21Aを用いてテキストの画像(第1文字画像とも称する)を生成する。第1文字画像は、例えば、ビットマップ形式の画像である。また、第1フォントデータは、二次元映像表示モードで用いられる第1フォント(システムフォント)のデータを含む。
【0047】
一方、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されていることを示す判定結果である場合、フォントレンダラ132は、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成する。フォントレンダラ132は、例えば、隣接するピクセルが同一の色又は類似する色に設定されたテキストの画像(第2文字画像)を生成する。具体的には、フォントレンダラ132は、HDD21から第2フォントデータ21Bを読み出し、その第2フォントデータ21Bを用いて第2文字画像を生成する。第2フォントデータ21Bは、例えば、二次元映像表示モードで用いられる第1フォントよりも線幅の太い第2フォントのデータを含む。なお、第2フォントデータ21Bは、ボールド体である第2フォントのデータを含んでもよい。三次元映像表示モードでは、線幅の太い第2フォントを用いたテキストの画像を生成することにより、例えば、図4に示す領域521のような、画面上で隣接する所定のピクセル領域が同じ色又は類似した色に設定されやすくなる。領域521では、4視点に対応する視差画像内の画素に対応する4つのピクセル(12のサブピクセル)が配置されている。フォントレンダラ132は、例えば、それら4つのピクセルが同じ色又は類似した色に設定されるように、第2文字画像を生成する。これにより、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に二次元映像を表示した際に、二次元映像の一部が欠落して見える場合にも、テキスト(文字)を見やすくすることができる。
【0048】
また、フォントレンダラ132は、表示モード判定部131による判定結果に基づいて、フォントレンダラの機能を切り替えてもよい。例えば、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されていることを示す判定結果である場合、アンチエイリアス機能を有する第1フォントレンダラがテキストの画像(第1文字画像)を生成する。第1フォントレンダラは、例えば、所定のフォントデータを用いてテキストの画像を生成し、生成されたテキストにアンチエイリアス処理を施す。このアンチエイリアス処理では、文字の画像の輪郭が滑らかになるように(文字の画像の輪郭に生じるジャギーが抑制されるように)、例えば、文字の画像の輪郭部分が、文字の色と背景の色との間の中間的な色の画素に変更される(置き換えられる)。例えば、白の背景に黒の文字が描画されるとき、文字の画像の輪郭部分が灰色や緑色の画素に変更される。
【0049】
一方、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されていることを示す判定結果である場合、アンチエイリアス機能を有しない第2フォントレンダラがテキストの画像(第2文字画像)を生成する。第2フォントレンダラは、例えば、所定のフォントデータを用いて、アンチエイリアス処理が施されていないテキストの画像を生成する。つまり、第2フォントレンダラは、アンチエイリアス処理を実行しないことによって、文字の画像の輪郭部分に、文字の色と背景の色との間の中間的な色の画素が用いられないようにする。三次元映像表示モードでは、アンチエイリアス処理が施されていないテキストの画像を生成することによって、例えば、図4に示す領域521のような、画面上で隣接する所定のピクセル領域が同じ色又は類似した色に設定されやすくなる。領域521では、4視点に対応する視差画像内の画素に対応する4つのピクセル(12のサブピクセル)が配置されている。フォントレンダラ132は、例えば、それら4つのピクセルが同じ色又は類似した色に設定されるように、テキストの画像を生成する。これにより、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に二次元映像を表示した際に、二次元映像の一部が欠落して見える場合にも、テキスト(文字)を見やすくすることができる。
【0050】
なお、フォントレンダラ132は、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されていることを示す判定結果である場合、第2フォントデータ21Bを用いて、アンチエイリアス処理が施されていないテキストの画像(第2文字画像)を生成してもよい。フォントレンダラ132は、生成されたテキストの画像を二次元画像生成部133に出力する。
【0051】
二次元画像生成部133は、フォントレンダラ132によって生成されたテキストの画像(第1文字画像又は第2文字画像)を含む第1画像を生成する。二次元画像生成部133は、例えば、テキストに対応する画像を、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、ボタン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に対応する画像上に合成することによって、二次元映像を表示するための第1画像を生成する。二次元画像生成部133は、生成された第1画像をディスプレイドライバプログラム13Cに出力する。
【0052】
また、映像コンテンツ再生プログラム13Bは、映像リード部134を備える。
映像リード部134は、例えば、HDD21から再生対象の映像コンテンツデータを読み出す。また、映像リード部134は、ODD22に格納されたDVDやBDから映像コンテンツデータを読み出してもよい。映像リード部134は、さらに、ネットワークを介して映像コンテンツデータを受信してもよい。この映像コンテンツデータは、例えば、三次元映像を表示するための複数の映像フレームに対応する三次元映像データを含む。この複数の映像フレームの各々は、第1解像度を有する複数の視差画像が、第1フォーマットに基づいて配置された映像フレームである。より具体的には、この複数の映像フレームの各々は、例えば、サイドバイサイドフォーマットやトップアンドボトムフォーマット(ハーフフォーマット)のように、映像フレームに設けられた2つの領域に、2視点の視差画像(例えば、左眼用画像と右眼用画像)が配置された画像である。なお、複数の映像フレームの各々は、例えば、4視点の視差画像が2×2の領域に並べられた画像や、9視点の視差画像が3×3の領域に並べられた画像のように、より多くの視点に対応する視差画像が並べられた画像であってもよい。
【0053】
映像リード部134は、複数の映像フレームを先頭から順次、処理対象の映像フレームに設定する。この映像フレームは、例えば、三次元映像を表示するための複数の視差画像を含む映像フレームである。映像リード部134は、設定された処理対象の映像フレームをディスプレイドライバプログラム13Cに出力する。なお、映像リード部134は、2Dto3D変換によって生成された映像フレームを、ディスプレイドライバプログラム13Cに出力することもできる。
【0054】
ディスプレイドライバプログラム13Cは、画像合成部135を備える。画像合成部135は、二次元画像生成部133によって出力された第1画像と、映像リード部134によって出力された映像フレームとが合成された映像(合成映像フレーム)を生成する。画像合成部135は、例えば、二次元映像を表示するための第1画像上の所定の位置(三次元映像表示領域52に対応する位置)に、三次元映像を表示するための映像フレームを合成することによって、合成映像フレームを生成する。画像合成部135は、生成された合成映像フレームを3Dディスプレイ15に出力する。
【0055】
3Dディスプレイ15は、画像補間部151と表示画像生成部152とを備える。
画像補間部151は、画像合成部135によって出力された合成映像フレーム内の、三次元映像フレームに対応する画像を用いて、複数の補間された視差画像を生成する。三次元映像フレームに対応する画像内には、複数の第1解像度の視差画像が含まれている。画像補間部151は、複数の第1解像度の視差画像を用いて、第1解像度よりも高い第2解像度を有する複数の視差画像を生成する。そして、画像補間部151は、生成された複数の視差画像と、合成映像フレーム内の第1画像に対応する画像とを表示画像生成部152に出力する。
【0056】
表示画像生成部152は、画像補間部151によって出力された第1画像に対応する画像と、複数の視差画像とを用いて、LCD15Aに表示される表示画像を生成する。表示画像生成部152は、画像補間部151によって出力された画像を用いて、LCD15Aでのピクセル(サブピクセル)の配置に応じて、サブピクセル単位で画素が並び換えられた表示画像を生成する。具体的には、表示画像生成部152は、第1画像に対応する画像に含まれる画素を、表示画像内の対応する領域(ピクセル)51に配置する。そして、表示画像生成部152は、複数の視差画像に含まれる画素を、表示画像内の対応する領域52に所定のパターン(三次元映像表示のためのパターン)で配置する。例えば、表示画像生成部152は、レンズユニット15Bによって第1の視点で知覚されるように制御される領域(ピクセル)に、第1視差画像の画素を配置する。同様に、表示画像生成部152は、レンズユニット15Bによって第2の視点で知覚されるように制御される領域に、第2視差画像の画素を配置する。表示画像生成部152は、レンズユニット15Bによって第3の視点で知覚されるように制御される領域に、第3視差画像の画素を配置する。表示画像生成部152は、レンズユニット15Bによって第4の視点で知覚されるように制御される領域に、第4視差画像の画素を配置する。そして、表示画像生成部152は、生成された表示画像をLCD15Aに出力する。
【0057】
LCD15Aは、表示画像生成部152によって出力された表示画像を画面に表示する。表示された画像に含まれる複数の画素に対応する複数の光線は、レンズユニット15Bによってそれぞれ所定の方向に射出されるように制御される。これによりユーザは、三次元映像表示領域52に表示された三次元映像を知覚することができる。また、二次元映像表示領域51に表示された二次元映像も、レンズユニット15Bによって光線が射出される方向が制御されるので、ユーザの左眼と右眼とではそれぞれ二次元映像の一部しか見えず、一部が欠落しているように見える可能性がある。しかし、表示される二次元映像に含まれる文字は、例えば、線幅の太い文字として描画されているので、二次元映像の一部が欠落することによる影響が抑制される。したがって、三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に二次元映像を表示する際に、その二次元映像に含まれる文字の視認性を向上させることができる。なお、上述の画像補間部151と表示画像生成部152とは、3Dディスプレイ15内ではなく、表示コントローラ14内に設けられてもよい。
【0058】
また、映像コンテンツ再生プログラム13Bによって三次元映像コンテンツデータが再生されていない場合、映像リード部134は映像フレームを画像合成部135に出力せず、また3Dディスプレイ15の表示モードは二次元映像表示モードに設定される。その場合、画像合成部135は、二次元画像生成部133によって出力された第1画像を3Dディスプレイ15(LCD15A)に出力する。そして、LCD15Aは、その第1画像を画面に出力する。つまり、デスクトップ画像のような第1画像がそのまま、二次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に表示される。
【0059】
次いで、図6のフローチャートを参照して、コンピュータ1によって実行される表示制御処理の手順の例について説明する。以下では、説明を簡単にするため、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像が画面に表示され、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像と映像コンテンツ再生プログラム13Bによって再生される三次元映像とが画面に表示されることを想定する。
【0060】
まず、デスクトップウィンドウマネージャ130の表示モード判定部131は、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードであるか否かを判定する(ブロックB101)。3Dディスプレイ15の表示モードは、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Bが、三次元映像を表示するための三次元映像コンテンツデータを再生する際に、三次元映像表示モードに設定される。3Dディスプレイ15の表示モードは、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Bによる三次元映像コンテンツデータの再生が終了した際に、二次元映像表示モードに設定される。また、3Dディスプレイ15の表示モードは、例えば、映像コンテンツ再生プログラム13Bが、二次元映像を表示するための二次元映像コンテンツデータを再生する際に、二次元映像表示モードに設定される。3Dディスプレイ15の表示モードはさらに、ユーザによる指示(操作)に応じて切り替えられてもよい。
【0061】
3Dディスプレイ15の表示モードが二次元映像表示モードである場合(ブロックB101のNO)、フォントレンダラ132は、HDD21等に格納された第1フォントデータ21Aを用いて、画面に表示される二次元映像に含まれる、テキスト(文字)の画像(第1文字画像)を生成する(ブロックB102)。このテキストは、例えば、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に用いられる文字である。また、第1フォントデータは、二次元映像表示モードで用いられる第1フォント(システムフォント)のデータを含む。二次元画像生成部133は、第1フォントが用いられた第1文字画像を含む第1画像を生成する(ブロックB103)。二次元画像生成部133は、例えば、テキストに対応する第1文字画像を、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、ボタン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に対応する画像上に合成することによって、第1画像を生成する。そして、LCD15Aは、生成された第1画像を画面に表示する(ブロックB104)。
【0062】
一方、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードである場合(ブロックB101のYES)、フォントレンダラ132は、HDD21等に格納された第2フォントデータ21Bを用いて、画面に表示される二次元映像に含まれる、テキスト(文字)の画像(第2文字画像)を生成する(ブロックB105)。上述のように、このテキストは、例えば、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に用いられる文字である。また、第2フォントデータ21Bは、例えば、二次元映像表示モードで用いられる第1フォントよりも線幅の太い第2フォントのデータを含む。なお、第2フォントデータ21Bは、ボールド体である第2フォントのデータを含んでもよい。二次元画像生成部133は、第2フォントが用いられた第2文字画像を含む第1画像を生成する(ブロックB106)。つまり、二次元画像生成部133は、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードである場合、太い線幅を有する第2フォントが用いられた第2文字画像を含む第1画像を生成する。二次元画像生成部133は、生成された第1画像をディスプレイドライバプログラム13Cの画像合成部135に出力する。
【0063】
次いで、映像コンテンツ再生プログラム13Bの映像リード部134は、再生対象の三次元映像データに含まれる複数の三次元映像フレームを順次読み出す(ブロックB107)。この三次元映像フレームは、三次元映像を表示するための複数の視点に対応する複数の視差画像(例えば、2視点に対応する左眼用画像と右眼用画像)を含む。映像リード部134は、読み出された三次元映像フレームを画像合成部135に出力する。
【0064】
画像合成部135は、二次元画像生成部133によって出力された第1画像と、映像リード部134によって出力された三次元映像フレームとを合成する(ブロックB108)。画像合成部135は、例えば、第1画像上の所定の位置(三次元映像表示領域52に対応する位置)に三次元映像フレームを合成することによって、合成された映像フレーム(合成映像フレーム)を生成する。
【0065】
次いで、3Dディスプレイ15の画像補間部151は、合成映像フレーム内の、三次元映像フレームに対応する画像を用いて、補間された視差画像を生成する(ブロックB109)。具体的には、例えば、画像補間部151は、三次元映像フレームに対応する画像から、第1解像度の左眼用画像と右眼用画像とを検出する。画像補間部151は、第1解像度の左眼用画像を補間することによって、第1解像度よりも高い第2解像度の(3Dディスプレイ15に三次元映像を表示するための)左眼用画像を生成し、第1解像度の右眼用画像を補間することによって、第2解像度の(3Dディスプレイ15に三次元映像を表示するための)右眼用画像を生成する。
【0066】
そして、表示画像生成部152は、合成映像フレーム内の第1画像に対応する画像と、生成された視差画像(例えば、第2解像度の左眼用画像と右眼用画像)とを用いて、3Dディスプレイ15でのピクセル(サブピクセル)の配置に応じて、画素が配置された表示画像を生成する(ブロックB110)。具体的には、表示画像生成部152は、第1画像に対応する画像に含まれる画素を、表示画像内の対応する領域に配置する。そして、表示画像生成部152は、生成された視差画像に含まれる画素(左眼用画像に含まれる画素と右眼用画像に含まれる画素)を所定のパターン(三次元映像表示のためのパターン)で配置する。そして、LCD15Aは、生成された表示画像を画面に表示する(ブロックB111)。
【0067】
以上の処理により、三次元映像表示モードに設定されている3Dディスプレイ15に二次元映像を表示する際に、二次元映像に含まれる文字の画像に太字のフォントが用いられるので、二次元映像に含まれる文字を読みやすくすることができる。なお、映像コンテンツ再生プログラム13Bの映像リード部134は、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されているとき、再生対象の二次元映像データに含まれる複数の二次元映像フレームを順次、ディスプレイドライバプログラム13Cの画像合成部135に出力してもよい。その場合、画像合成部135は、二次元画像生成部133によって生成された第1画像(デスクトップ画像)と二次元映像フレームとを合成することによって、合成映像フレームを生成する。そして、この合成映像フレームがLCD15Aに表示される。
【0068】
また、図7のフローチャートは、コンピュータ1によって実行される表示制御処理の手順の別の例を示す。以下では、図6と同様に、3Dディスプレイ15が二次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像が画面に表示され、3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されている場合に、デスクトップ画面のような二次元映像と映像コンテンツ再生プログラム13Bによって再生される三次元映像とが画面に表示されることを想定する。
【0069】
まず、デスクトップウィンドウマネージャ130の表示モード判定部131は、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードであるか否かを判定する(ブロックB201)。
【0070】
3Dディスプレイ15の表示モードが二次元映像表示モードである場合(ブロックB201のNO)、フォントレンダラ132は、フォントレンダラ132内に設けられる第1フォントレンダラによって、画面に表示される二次元映像に含まれる、テキスト(文字)の画像(第1文字画像)を生成する(ブロックB202)。このテキストは、例えば、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に用いられる文字である。また、第1フォントレンダラは、アンチエイリアス処理が施されたテキストの画像を生成する。二次元画像生成部133は、アンチエイリアス処理が施されたテキストの画像を含む第1画像を生成する(ブロックB203)。二次元画像生成部133は、例えば、テキストに対応する第1文字画像を、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、ボタン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に対応する画像上に合成することによって、第1画像を生成する。そして、LCD15Aは、生成された第1画像を画面に表示する(ブロックB204)。
【0071】
一方、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードである場合(ブロックB201のYES)、フォントレンダラ132は、フォントレンダラ132内に設けられる第2フォントレンダラによって、画面に表示される二次元映像に含まれる、テキスト(文字)の画像(第2文字画像)を生成する(ブロックB205)。上述のように、このテキストは、例えば、画面に表示されるウィンドウ、アイコン、タスクバー、ツールバー、ダイアログ、ポップアップ等に用いられる文字である。また、第2フォントレンダラは、アンチエイリアス処理が施されていない第2文字画像を生成する。二次元画像生成部133は、アンチエイリアス処理が施されていない第2文字画像を含む第1画像を生成する(ブロックB206)。つまり、二次元画像生成部133は、3Dディスプレイ15の表示モードが三次元映像表示モードである場合、太い線幅を有する第2フォントが用いられた第2文字画像を含む第1画像を生成する。二次元画像生成部133は、生成された第1画像をディスプレイドライバプログラム13Cの画像合成部135に出力する。
【0072】
次いで、映像コンテンツ再生プログラム13Bの映像リード部134は、再生対象の三次元映像データに含まれる複数の三次元映像フレームを順次読み出す(ブロックB207)。この三次元映像フレームは、三次元映像を表示するための複数の視点に対応する複数の視差画像(例えば、2視点に対応する左眼用画像と右眼用画像)を含む。映像リード部134は、読み出された三次元映像フレームを画像合成部135に出力する。
【0073】
画像合成部135は、二次元画像生成部133によって出力された第1画像と、映像リード部134によって出力された三次元映像フレームとを合成する(ブロックB208)。画像合成部135は、例えば、第1画像上の所定の位置(三次元映像表示領域52に対応する位置)に三次元映像フレームを合成することによって、合成された映像フレーム(合成映像フレーム)を生成する。
【0074】
次いで、3Dディスプレイ15の画像補間部151は、合成映像フレーム内の、三次元映像フレームに対応する画像を用いて、補間された視差画像を生成する(ブロックB209)。具体的には、例えば、画像補間部151は、三次元映像フレームに対応する画像から、第1解像度の左眼用画像と右眼用画像とを検出する。画像補間部151は、第1解像度の左眼用画像を補間することによって、第1解像度よりも高い第2解像度の(3Dディスプレイ15に三次元映像を表示するための)左眼用画像を生成し、第1解像度の右眼用画像を補間することによって、第2解像度の(3Dディスプレイ15に三次元映像を表示するための)右眼用画像を生成する。
【0075】
そして、表示画像生成部152は、合成映像フレーム内の第1画像に対応する画像と、生成された視差画像(例えば、第2解像度の左眼用画像と右眼用画像)とを用いて、3Dディスプレイ15でのピクセル(サブピクセル)の配置に応じて、画素が配置された表示画像を生成する(ブロックB210)。具体的には、表示画像生成部152は、第1画像に対応する画像に含まれる画素を、表示画像内の対応する領域に配置する。そして、表示画像生成部152は、生成された視差画像に含まれる画素(左眼用画像に含まれる画素と右眼用画像に含まれる画素)を所定のパターン(三次元映像表示のためのパターン)で配置する。そして、LCD15Aは、生成された表示画像を画面に表示する(ブロックB211)。
【0076】
以上の処理により、三次元映像表示モードに設定されている3Dディスプレイ15に二次元映像を表示する際に、二次元映像に含まれる文字に対応する画像にはアンチエイリアス処理が施されないので、二次元映像に含まれる文字を読みやすくすることができる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、三次元映像を表示するための画面に二次元映像を表示する際に、当該二次元映像に含まれる文字の視認性を向上できる。3Dディスプレイ15が三次元映像表示モードに設定されている場合、フォントレンダラ132は、例えば、線幅の太い第2フォントデータ21Bを用いて、アンチエイリアス処理が施されていない第2文字画像を生成する。そして、二次元画像生成部133は、生成された第2文字画像を用いて、デスクトップ画面のような第1画像を生成する。三次元映像表示モードに設定された3Dディスプレイ15に、この第1画像を表示することにより、第1画像内の文字を読みやすくすることができる。
【0078】
なお、本実施形態の表示制御処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、表示制御処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
13A…OS、13B…映像コンテンツ再生プログラム、13C…ディスプレイドライバプログラム、130…デスクトップウィンドウマネージャ、131…表示モード判定部、132…フォントレンダラ、133…二次元画像生成部、134…映像リード部、135…画像合成部、15…3Dディスプレイ、151…画像補間部、152…表示画像生成部、15A…LCD、21…HDD、21A…第1フォントデータ、21B…第2フォントデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイが三次元映像を表示するための三次元映像表示モードに設定されている場合、前記ディスプレイが二次元映像を表示するための二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成する文字画像生成手段と、
二次元映像を表示するための、前記第2文字画像を含む第1画像を生成する第1画像生成手段と、
前記第1画像と、三次元映像を表示するための複数の画像を含む映像フレームとを合成することによって、合成映像フレームを生成する映像合成手段と、
前記合成映像フレームを用いて、前記ディスプレイの画面に表示するための表示画像を生成する表示画像生成手段とを具備する電子機器。
【請求項2】
前記第1文字画像は、第1フォントを用いた文字の画像を含み、
前記第2文字画像は、前記第1フォントよりも線幅が太い第2フォントを用いた文字の画像を含む請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1文字画像は、アンチエイリアス処理が施された文字の画像を含み、
前記第2文字画像は、前記アンチエイリアス処理が施されていない文字の画像を含む請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記合成映像フレーム内の、前記三次元映像を表示するための複数の画像を用いて複数の視差画像を生成する視差画像生成手段をさらに具備し、
前記表示画像生成手段は、前記合成映像フレーム内の前記第1画像に対応する画像と、前記生成された複数の視差画像とを含む前記表示画像を生成する請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示画像生成手段は、前記表示画像内に、前記複数の視差画像に含まれる画素を、三次元映像を表示するための所定のパターンで配置する請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示画像を前記画面に表示するよう制御する表示制御手段をさらに具備する請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
前記ディスプレイは、前記画面に表示された、前記表示画像に含まれる複数の画素に対応する複数の光線をそれぞれ所定の方向に射出するための複数のレンズを含むレンズユニット含む請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
ディスプレイが三次元映像を表示するための三次元映像表示モードに設定されている場合、前記ディスプレイが二次元映像を表示するための二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成し、
二次元映像を表示するための、前記第2文字画像を含む第1画像を生成し、
前記第1画像と、三次元映像を表示するための複数の画像を含む映像フレームとを合成することによって、合成映像フレームを生成し、
前記合成映像フレームを用いて、前記ディスプレイの画面に表示するための表示画像を生成する表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータにより実行されるプログラムであって、前記プログラムは前記コンピュータに、
ディスプレイが三次元映像を表示するための三次元映像表示モードに設定されている場合、前記ディスプレイが二次元映像を表示するための二次元映像表示モードに設定されている場合に生成される第1文字画像とは異なる第2文字画像を生成する手順と、
二次元映像を表示するための、前記第2文字画像を含む第1画像を生成する手順と、
前記第1画像と、三次元映像を表示するための複数の画像を含む映像フレームとを合成することによって、合成映像フレームを生成する手順と、
前記合成映像フレームを用いて、前記ディスプレイの画面に表示するための表示画像を生成する手順とを実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−104963(P2013−104963A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247629(P2011−247629)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】