説明

電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体

【課題】電子機器の動作状態に応じて、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を出力する。
【解決手段】本発明の携帯電話機10は、空間的輝度変調によって表示用画像を表示画面に表示する表示制御部21を制御し、表示制御部21は、サイド画像の画像データに基づいて、メイン画像の画像データを変調し、変調した画像データを表示用画像の画像データとすることによって、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するものであり、携帯電話機10は、自機の動作状態を判定する判定部52・54と、動作状態とサイド画像の表示を表示制御部21に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部81と、該記憶部81において上記判定部によって判定された動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を表示制御部21に指図する表示指図部53とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間的輝度変調によって表示用画像を表示するように液晶表示素子を制御する電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型情報機器のディスプレイとして液晶ディスプレイ(LCD)が広く利用されている。LCDは、CRT(Cathode Ray Tube)、プラズマディスプレイなどに比べて、視野角が狭いことが欠点とされてきたが、近時のLCD技術の進歩により、視野角の広角化が進められている。
【0003】
しかしながら、上記携帯型情報機器は、電車やバスの車内などにおいて混雑した状況で利用すると、上記携帯型情報機器の表示画面に表示された内容が周囲の人に覗き見される虞がある。特に、電子メールの作成および閲覧を行う場合には、その内容が周囲の人に覗き見されることはプライバシー上好ましくない。
【0004】
この問題に対応して、視野角を制御できるLCDが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなLCDでは、通常の広視野角モード(パブリックモード)と、視野角の狭い狭視野角モード(プライベートモード)との何れか一方から他方に切り替え可能となっている。なお、狭視野角モードとは、ユーザのいる表示画面真正面からは通常どおりの表示画像が視認でき、斜め方向からは無地画像または別の画像が見えるモードである。
【0005】
特許文献1に記載の表示装置では、液晶表示パネルが、視野角の狭い範囲では線形のデータ値/輝度応答性を有し、視野角の狭い範囲の外では非線形のデータ値/輝度応答性を有することを利用している。
【0006】
具体的には、原画像における隣接するデータ値を、一方は分割値を加算し、他方は分割値を減算することにより修正(変調)する。修正された画像は、表示画面の法線に平行な軸上で上記表示画面を見た場合、人間の目が空間的平均化を行うため、上記原画像と同等の画像として視認されるが、軸外で上記表示画面を見た場合、上記分割値の要素が追加されることになる。上記分割値が上記修正された画像内でマスキング画像と比例した割合で変化する場合、軸外、すなわち上記表示画面に対して斜め方向では原画像とマスキング画像とがともに視認可能となる。マスキング画像が、格子縞模様や企業のロゴなどの攪乱パターンを有する場合、軸外の観察者に対しては、原画像は実質的に隠される。これにより、プライベートモードが実現され、軸上の観察者は覗き見されることなく原画像を見ることができる。なお、本明細書では、軸外の観察者によってのみ視認される上記マスキング画像をサイド画像と称する。また、上記原画像をサイド画像に対し、メイン画像と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−017988号公報(2007年01月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したとおり、サイド画像(マスキング画像)は、軸外観察者から、メイン画像(原画像)が覗き見されることを防止するために合成されるものである。したがって、サイド画像としては、メイン画像に対して、遮蔽効果が高い画像、注目度の高い(目立つ、目に付きやすい)画像が適しているといえる。
【0009】
携帯電話機の機能によって、メイン画像としては、大小、色、形、様々なオブジェクトが表示されるため、覗き見防止に最も効果的なサイド画像は、メイン画像の内容(オブジェクト)によって異なる、といえる。
【0010】
しかしながら、メイン画像の内容は、携帯電話機の動作状態によって、すぐに変化するものである。したがって、携帯電話機の動作状態(メイン画像の内容)にかかわらず、常に、覗き見防止の効力を発揮するサイド画像を表示し続けることはできないという問題があった。この問題は、上記携帯電話機に限らず、多機能が搭載された、様々な大きさ、色、形、動きのオブジェクトを表示可能な電子機器において、共通に生じる問題である。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器の動作状態に応じて、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を出力する電子機器、電子機器の制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、空間的輝度変調によって表示用画像を表示画面に表示するように液晶表示素子を制御する表示制御装置を制御する電子機器であって、上記表示制御装置は、上記液晶表示素子からの輝度に関して、上記表示画面の法線に平行な軸方向に対する輝度と軸外の方向に対する輝度との非線形な対応関係と、当該電子機器が供給するサイド画像の画像データとに基づいて、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像の画像データを変調し、変調した画像データを上記表示用画像の画像データとすることによって、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するものであり、当該電子機器は、当該電子機器の動作状態を判定する判定手段と、上記動作状態と、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部と、上記表示指図情報記憶部において上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する表示指図手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、上記電子機器は、自機の動作結果を表示画面に表示するためのメイン画像と、該メイン画像を軸外の方向からの観察者から遮蔽するためのサイド画像とを表示制御装置に供給して、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するよう上記表示制御装置に指図する。そして、上記電子機器は、自機の動作状態と、それに合わせた表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部を備えている。表示指図情報は、電子機器が、上記表示制御装置に対して、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像を合成するよう指図するためのものである。
【0014】
具体的には、電子機器の上記判定手段は、まず、自機の動作状態を判定する。続いて、上記表示指図手段は、上記判定手段が判定した自機の動作状態に対応する表示指図情報を表示指図情報記憶部から特定する。表示指図手段は、その表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する。
【0015】
これにより、電子機器が表示制御装置に対して行ったサイド画像表示の指図は、メイン画像が軸外の方向からの観察者から遮蔽されるという目的において、電子機器の動作状態に合わせて行われた適切な指図である。
【0016】
このような指図にしたがって、表示制御装置は、電子機器の動作によって得られたメイン画像が適切に遮蔽されるようにサイド画像を合成し、表示用画像を出力することができる。
【0017】
結果として、電子機器の動作状態に応じて、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を出力することが可能となる。
【0018】
上記電子機器の上記表示指図情報記憶部には、当該電子機器の動作状態と、上記表示制御装置に供給すべきサイド画像を指定する画像指定情報とが関連付けて記憶されており、上記表示指図手段は、上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている画像指定情報が指定するサイド画像を、上記表示制御装置に供給するサイド画像指定手段を含んでいてもよい。
【0019】
これにより、電子機器は、自機の動作状態に応じて、覗き見防止上適切なサイド画像を選択し、表示させることができる。
【0020】
上記電子機器の上記表示指図情報記憶部には、当該電子機器の動作状態と、上記サイド画像の加工方法を示す画像加工方法情報とが関連付けて記憶されており、上記表示指図手段は、上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている画像加工方法情報が示す画像加工方法にて上記サイド画像を加工するよう、上記表示制御装置を制御する画像加工指示手段を含んでいてもよい。
【0021】
これにより、電子機器は、自機の動作状態に応じて、覗き見防止上適切な方法でサイド画像を表示させることができる。
【0022】
上記電子機器の上記判定手段は、当該電子機器が実行中のアプリケーションを判定するアプリケーション判定手段を含み、上記表示指図情報記憶部には、当該電子機器が実行可能なアプリケーションと、上記表示指図情報とが関連付けて記憶されており、上記表示指図手段は、上記アプリケーション判定手段によって判定されたアプリケーションに関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図してもよい。
【0023】
これにより、電子機器は、自機が実行するアプリケーションに応じて、覗き見防止上適切なサイド画像表示を実現することができる。
【0024】
上記電子機器の上記判定手段は、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像に含まれているオブジェクトの種類を判定する表示オブジェクト判定手段を含み、上記表示指図情報記憶部には、上記オブジェクトの種類と、上記表示指図情報とが関連付けて記憶されており、上記表示指図手段は、上記表示オブジェクト判定手段によって判定されたオブジェクトの種類に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図してもよい。
【0025】
これにより、電子機器は、自機が動作結果を表示中の内容(オブジェクト)に応じて、覗き見防止上適切なサイド画像表示を実現することができる。
【0026】
上記電子機器の上記表示指図情報記憶部には、上記オブジェクトの種類としての動画に関連付けて、上記サイド画像を動画で表示するように上記表示制御装置に指図する表示指図情報が記憶されており、上記表示指図手段は、上記表示オブジェクト判定手段が、上記メイン画像に動画が含まれていると判定した場合に、上記表示指図情報にしたがって、サイド画像を動画で表示することを上記表示制御装置に対して指図してもよい。
【0027】
上記構成によれば、上記表示指図情報記憶部には、「オブジェクトの種類:動画」に対応付けて、「サイド画像を動画で表示する」という表示指図情報が記憶されている。
【0028】
上記電子機器が動作した結果、メイン画像に動きを伴う動画オブジェクトが表示されている場合には、上記表示オブジェクト判定手段が、オブジェクトに動画が含まれていると判定する。この場合、上記表示指図手段は、「オブジェクトの種類:動画」に対応付けられた上記表示指図情報にしたがって、サイド画像を動画で表示することを上記表示制御装置に対して指図する。これにより、メイン画像に動画が表示されている場合に、サイド画像を動画で表示することができ、効果的にメイン画像を隠蔽することができる。
【0029】
なぜなら、電子機器が動画のオブジェクトを表示している場合、メイン画像は、常に動きのある映像が全画面に映し出される状態になる。このようなメイン画像に対して覗き見防止効果が期待できるサイド画像としては、サイド画像に動画が表示されていることが有効である。メイン画像の動きを攪乱するように動きが付いたサイド画像(例えば、メイン画像の動きと反対の動きを伴うサイド画像)が表示されれば、メイン画像の動画を、軸外観察者から効果的に隠すことが可能である。
【0030】
上記表示オブジェクト判定手段は、さらに、上記メイン画像に含まれている各種オブジェクトのサイズおよび表示位置を取得するものであり、上記表示指図手段は、上記メイン画像のオブジェクトのサイズ、および、表示位置に基づいて、当該オブジェクトを軸外の方向からサイド画像が遮蔽するように、上記サイド画像を編集するサイド画像編集手段を含むことが好ましい。
【0031】
上記サイド画像編集手段は、上記表示オブジェクト判定手段が取得した、上記メイン画像のオブジェクトのサイズに合わせて、上記サイド画像のオブジェクトを拡大または縮小することが好ましい。
【0032】
サイド画像のオブジェクトの注目度が高まり、メイン画像のオブジェクトを実質的に隠すことが可能となる。
【0033】
本発明の電子機器の制御方法は、上記課題を解決するために、空間的輝度変調によって表示用画像を表示画面に表示するように液晶表示素子を制御する表示制御装置を制御する電子機器の制御方法であって、上記表示制御装置は、上記液晶表示素子からの輝度に関して、上記表示画面の法線に平行な軸方向に対する輝度と軸外の方向に対する輝度との非線形な対応関係と、当該電子機器が供給するサイド画像の画像データとに基づいて、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像の画像データを変調し、変調した画像データを上記表示用画像の画像データとすることによって、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するものであり、上記電子機器において、上記電子機器の動作状態を判定する判定ステップと、上記動作状態と、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部において、上記判定ステップにて判定された上記動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する表示指図ステップとを含むことを特徴としている。
【0034】
なお、上記電子機器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記電子機器をコンピュータにて実現させる電子機器の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0035】
上述した本発明がどのように課題を解決するのかを、具体例を用いて説明すると、以下のとおりである。上述したとおり、覗き見防止に最も効果的なサイド画像は、メイン画像の内容(オブジェクト)によって異なる。例えば、電子機器がメール作成画面または受信メール表示画面をメイン画像として表示している場合、メイン画像は、文字がたくさん整列して配置されている画像になる。このようなメイン画像に対して覗き見防止効果が期待できるサイド画像としては、チェック柄、水玉模様など上記文字の大きさ程度の絵が敷き詰められた画像が考えられる。このようにオブジェクト(ここでは文字)の大きさに合った、適度に細かい柄の画像は、大きい絵柄の画像にできるような広い隙間(非変調領域)や広範囲に均質な領域がないために、その領域で文字が目に付くということが無く、覗き見される心配がない。一方、均一性の高い細かすぎる画像(網点模様など)は、文字に比べて模様が小さすぎて、模様の下の文字の方が目立ってしまうことになる。また、コントラストの低い配色のサイド画像についても、メイン画像の文字より目立たないので不適切である。
【0036】
あるいは、電子機器がテレビ機能を実行している場合、メイン画像は、常に動きのある映像が全画面に映し出される状態になる。このようなメイン画像に対して覗き見防止効果が期待できるサイド画像としては、サイド画像が動画であることが有効である。メイン画像の動きを攪乱するように動きが付いたサイド画像(例えば、メイン画像の動きと反対の動きを伴うサイド画像)が表示されれば、メイン画像の動画を、軸外観察者から効果的に隠すことが可能である。
【0037】
このように、覗き見防止に最も効果的なサイド画像は、メイン画像の内容(オブジェクト)によって異なるが、メイン画像の内容は、電子機器の動作状態によって、忙しく変化するものである。例えば、電子機器で、メールを作成している間は、適度な大きさの格子柄のサイド画像が適していたが、その後すぐにテレビ放送に表示を切り替えると、当該サイド画像が最適であるとは限らないということである。
【0038】
本発明の電子機器の上記構成によれば、上記不都合を解消することができる。すなわち、電子機器の動作状態を判定し、そのときの動作状態において、適切なサイド画像を適切な方法で合成表示することができる。したがって、電子機器においてメイン画像の内容が激しく変化するような状況でも、常に覗き見防止効果を発揮するようサイド画像を出力することが可能である。
【発明の効果】
【0039】
本発明の電子機器は、上述したとおり、当該電子機器の動作状態を判定する判定手段と、上記動作状態と、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部と、上記表示指図情報記憶部において上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する表示指図手段とを備えていることを特徴としている。
【0040】
したがって、電子機器の動作状態に応じて、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を出力することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態にかかる電子機器としての携帯電話機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる電子機器としての携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】隣接する画素の輝度を示す図である。
【図4】(a)および(b)は、階調値に対する輝度の応答性を示すグラフである。
【図5】上記電子機器におけるメイン画像の階調値と、表示用画像の階調値との対応関係を示すグラフである。
【図6】上記電子機器における正面視の画像と側面視の画像とを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態である電子機器における表示制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】(a)は、表示制御部の配置パターン記憶部に記憶されている配置パターンの具体例を示す図であり、(b)は、上記配置パターンの一例にしたがってサイド画像が配置されたときの表示部における表示態様を示す図である。
【図9】(a)は、表示制御部の配色パターン記憶部34に記憶されている配色パターンの具体例を示す図であり、(b)は、上記配色パターンの一例にしたがってサイド画像が着色されたときの表示部上での配色のパターンを示す図である。
【図10】表示制御部の回転・反転情報記憶部に記憶されている回転角の情報および反転方向の情報の具体例を示す図である。
【図11】表示制御部の拡縮率記憶部に記憶されている拡縮率の情報の具体例を示す図である。
【図12】携帯電話機のサイド画像記憶部に記憶されているサイド画像の具体例を示す図である。
【図13】携帯電話機の表示指図情報記憶部に記憶されている表示指図情報の具体例を示す図である。
【図14】(a)および(b)は、上記電子機器における側面視の画像を示す図であり、特に、携帯電話機の動作状態に応じて適切なサイド画像が選択されて、または、適切に加工されて、覗き見防止の効果を発揮している様子を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態における携帯電話機による、サイド画像の合成処理の流れを示す図である。
【図16】本発明の他の実施形態にかかる携帯電話機の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図17】(a)は、本発明の実施形態における携帯電話機の表示指図情報記憶部に記憶されている表示指図情報の一例を示す図であり、(b)は、上記表示指図情報の他の例を示す図である。
【図18】(a)は、メイン画像Mの一例を示す図であり、(b)は、サイド画像編集部62が編集したサイド画像Sの一例を示す図であり、(c)は、上記メイン画像Mに上記サイド画像Sが合成されたときに、上記電子機器において軸外から観察される側面視の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
≪実施形態1≫
以下、本発明の一実施形態について図1〜図18を参照して説明する。図2は、本実施形態の電子機器の概略構成を示している。本実施形態では、この電子機器を携帯電話機10として説明するが、電子機器の例としては、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書、携帯型通信端末などの携帯型電子機器が挙げられる。またこれに限らず、本発明は、LCD(Liquid Crystal Display)ユニット(液晶表示装置)を備えた任意の電子機器に適用することができる。
【0043】
図2に示すように、携帯電話機10は、主制御部11、バス12、記憶部13、表示装置14、通信部15、操作部16、および、撮像部17を備える構成である。
【0044】
主制御部11は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機10内の各種ユニットの統括的な制御を、バス12を介して行うものであり、例えば、CPUなどで実現される。本実施形態では、主制御部11は、バス12を介して表示装置14に、メイン画像およびサイド画像の画像データ、各種指示などを送信している。ここで、サイド画像は、覗き見防止などの目的で、メイン画像を撹乱するためにメイン画像に重畳される画像をいう。
【0045】
バス12は、携帯電話機10内の各種構成間でデータの送受信を行うための共通の信号線である。記憶部13は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部13の例としては、主制御部11が動作するときに必要なプログラム等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAMとが挙げられる。
【0046】
表示装置14は、主制御部11または記憶部13からバス12を介して画像データを受信し、受信した画像データに基づいて画像を表示するものである。表示装置14は、表示部22および表示制御部21を備える構成である。
【0047】
表示部22は、表示用画像の画像データに基づいて表示素子に文字、記号、図形などの画像を表示させる機能単位であり、表示画素がマトリクス状に配列されたマトリクス型のLCD素子(液晶表示素子)と、該LCD素子を駆動する駆動回路とを備えるものである。上記LCD素子は、光源からの入射光の輝度を空間的に変調する空間的輝度変調によって画像を表示するものである。なお、画像には、静止画像および動画像が含まれる。本実施形態では、表示部22は、以下の構成を備えたLCDモジュールとして実現される。例えば、LCDモジュールは、光源の洩光を防ぐための反射シート、光源が出す光を伝播させるための導光板、前方(観察者の視点への方向)への集光効果を持つレンズシート、および、光源の光を均一に拡散させ、光の濃淡(ムラ)を取り除くための拡散シートに、上記LCD素子と上記駆動回路とを備えるLCDパネルが積層された構成となっている。
【0048】
表示制御部21は、表示部22を制御するものである。具体的には、表示制御部21は、上記表示用画像の画像データを表示部22に送信すると共に、表示部22を表示制御するための複数の制御信号を送信している。この制御信号の例としては、垂直同期信号、水平同期信号、表示用画像の画像データをLCD素子の各表示画素に転送するための転送クロック信号などが挙げられる。本実施形態では、表示制御部21として、例えば、上述のLCDモジュールを制御するLCDコントローラを採用することができる。
【0049】
通信部15は、携帯電話機10が通信網(携帯電話網、インターネットなど)を介して、外部の通信装置と通信するためのものである。本実施形態では、電子機器は、携帯電話機10であるので、例えば、通信部15は、電波を送受信するアンテナ部、携帯電話機10が扱うデータと無線信号との形式変換を行う無線処理部、および、データの符号化/復号化を行うデータ処理部などから構成される。
【0050】
操作部16は、携帯電話機10の本体に設けられた操作ボタンなどの入力デバイスをユーザが操作することにより、操作データを作成して主制御部11に供給するものである。入力デバイスとしては、ボタン(十字キーやテンキーなど)、スイッチ、あるいは、タッチパネルなどが挙げられる。
【0051】
撮像部17は、被写体を撮像して、画像、動画などのデータを生成するものである。具体的には、撮像部17は、被写体からの光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)などの撮像素子と、撮像素子からの電気信号をRGB各色のデジタルデータに変換する映像処理回路とを備える構成が挙げられる。例えば、携帯電話機10にて、テレビ通話を行う場合には、撮像部17によって撮像中の自分の動画が、通信部15を介して、テレビ通話の相手に送信される。
【0052】
〔サイド画像の原理〕
本実施形態では、表示部22のLCD素子の表示画面から該表示画面の法線方向に存在する領域(以下、この領域を「軸上の領域」と称する。)Aonに位置する軸上観察者Vonは、メイン画像を視認するようになっている。一方、上記表示画面を視認可能な領域であって、上記軸上の領域以外の領域(以下、この領域を「軸外の領域」と称する。)Aoffに位置する軸外観察者Voffは、メイン画像とサイド画像とが合成された画像を視認するようになっている。この原理について以下に説明する。
【0053】
一般に、観察者は、表示素子から離れるに従って、該表示素子における隣接する画素同士が判別し難くなり、ついには判別できなくなる。このとき、観察者は、上記隣接する画素における輝度の平均値(平均輝度)を知覚することになる。
【0054】
このことから、図3に示すことが言える。図3は、隣接する画素の輝度を示している。まず、同図の(a)に示すように、隣接する画素p・p同士の輝度は等しく、Iとする。次に、同図の(b)に示すように、一方の画素pは、元の輝度Iから或る輝度Iを減算した輝度に変更し、他方の画素pは、元の輝度Iに或る輝度Iを加算した輝度に変更する。この場合、観察者は、上記隣接する画素p・p同士が判別できなくなると、同図の(c)に示すように、上記隣接する画素p・pの領域p12は、画素pの輝度(I−I)と画素pの輝度(I+I)との平均輝度、すなわち元の輝度Iを知覚することになる。
【0055】
すなわち、隣接する画素の輝度を同図の(b)のように変更しても、隣接する画素同士が判別できない程度に観察者が表示素子から離れると、該観察者にとっては、同図の(a)のような元の輝度が知覚されることになる。
【0056】
ところで、通常の表示素子は、出力される輝度が、入力される階調値(例えば、画像データが8ビットデータの場合、0〜255)に比例応答せず、該階調値の定数乗(γ乗)に比例応答している。このため、通常の表示ユニットは、ガンマ補正が行われて、出力される輝度が、入力される階調値に比例応答するようになっている。
【0057】
図4は、上記階調値に対する上記輝度の応答性を示すグラフである。ガンマ補正後の上記階調値と上記輝度とは、同図の(a)に示すように、比例しており、線形性を有している。この場合、階調値(原値)Dに対応する輝度をIとすると、原値Dから分割値Dだけ加算および減算をそれぞれ行った階調値(D+D)および階調値(D−D)に対応する輝度は、それぞれ輝度(I+I)および輝度(I−I)となる。従って、平均輝度はIとなり、原値Dに対応する輝度Iと同じとなる。
【0058】
しかしながら、LCD素子の場合、軸上の方向に通過する光と、軸外の方向に通過する光とは、液晶を通過する光路長が異なっているのみならず、光の進行方向に対する液晶分子の傾きの違いに起因した複屈折性が異なっている。このため、軸上の方向に通過する光に関しては、図4の(a)のように、上記階調値に対する上記輝度の応答性が線形となるようにガンマ補正を行ったとしても、軸外の方向に通過する光に関しては、上記応答性が非線形となる。
【0059】
図4の(b)は、上記応答性が非線形である場合を示している。同図の(b)を参照すると、この場合、階調値(原値)Dに対応する輝度Iは、原値Dから分割値Dだけ加算した階調値(D+D)に対応する輝度と、原値Dから分割値Dだけ減算した階調値(D−D)に対応する輝度との平均輝度Iと異なることが理解できる。
【0060】
そこで、メイン画像に対し、隣接する画素の一方は原値Dから分割値Dだけ加算し、他方は原値Dから分割値Dだけ減算するように階調値が変調され、変調された画像がLCD素子に表示される場合を考える。この場合、軸上観察者は、メイン画像と同等の画像(平均輝度I)を視認することになるが、軸外観察者は、メイン画像に対し、分割値Dに対応して変調された画像(輝度I)を視認することになる。従って、本実施形態では、メイン画像の上記隣接する画素の分割値Dを、サイド画像の対応する画素の階調値に対応付けている。これにより、軸外観察者は、メイン画像にサイド画像が合成された画像を視認することになる。
【0061】
ところで、図4の(b)を参照すると、分割値Dが大きくなるほど、輝度Iと平均輝度Iとの差が大きくなることが理解できる。本実施形態の場合、輝度Iと平均輝度Iとの差が大きいと、軸外観察者はサイド画像をより明確に視認することになるので、メイン画像の覗き見防止の観点から望ましい。従って、分割値Dは大きい方が望ましい。
【0062】
一方、階調値は0以上である必要があるので、原値Dから分割値Dだけ減算した階調値(D−D)も0以上である必要がある。このため、階調値(D−D)は、0または0に近い正数となるような分割値Dを設定することが望ましい。また、原値Dから分割値Dだけ加算した階調値(D+D)は、階調値の最大値以下である必要がある。このため、メイン画像は、利用可能な階調値の範囲を圧縮する必要がある。
【0063】
図5は、本実施形態におけるメイン画像の階調値と、表示用画像の階調値との対応関係を示すグラフであり、分割値Dに関する上記条件を満たすものである。なお、図5は、サイド画像が2階調(0または255)の例を示している。ここで、階調値が0の場合、サイド画像はメイン画像を撹乱する度合が最も高い(最大撹乱)とし、階調値が255の場合、サイド画像はメイン画像を撹乱しない(無撹乱)とする。また、図5の例では、実線および破線が直線で表現されているが、実際には曲線であることが多い。
【0064】
図5の実線は、サイド画像の階調値が255(無撹乱)の場合を示している。この場合、表示用画像の階調値は、メイン画像の圧縮された原値D’となる。また、図5の破線は、サイド画像の階調値が0(最大撹乱)の場合を示している。この場合、表示用画像における隣接する画素の階調値は、一方が、メイン画像の圧縮された原値D’から分割値Dだけ加算された階調値(D’+D)となり、他方が、メイン画像の圧縮された原値D’から分割値Dだけ減算した階調値(D’−D)となる。なお、サイド画像が多階調である場合は、サイド画像の階調値に応じて図5の2つの破線と同様のグラフが、図5の実線と2つの破線との間に記載されることになる。
【0065】
従って、本実施形態の表示制御部21は、図5に示すような、メイン画像の階調値と分割値Dとの対応関係を分割パラメータとして記憶しておき、メイン画像の階調値を、サイド画像の階調値と上記分割パラメータとに基づいて変調し、これを表示用画像の階調値として表示部22に送信している。これにより、軸上観察者は、メイン画像と同じ画像を視認する一方、軸外観察者は、メイン画像にサイド画像が合成された画像を視認することになる。その結果、軸外観察者は、メイン画像がサイド画像によって撹乱されて視認し難くなるので、メイン画像は、軸上観察者のみが視認できることになる。
【0066】
図6は、軸外観察者から見てメイン画像がサイド画像によって撹乱される現象を示す図である。上述したとおり、表示画面を正面から見る軸上観察者には、メイン画像(図6の例では四葉のクローバー)のみが視認される。一方、表示画面を側面から見る軸外観察者は、上記メイン画像にサイド画像(図6の例では禁止マーク)が合成された画像を視認することになる。図6に示す例では、禁止マークの着色部分が、上記分割値によって階調値が変調された変調領域となる。禁止マークのサイド画像は、非変調領域(隙間)が広く、小さい文字がたくさん配置されたメール作成画面などのメイン画像であれば、覗き見防止の観点からサイド画像に適していないと判断される。しかしながら、図6に示すようなクローバーのオブジェクトを遮蔽するには、当該オブジェクトとほぼ同じ大きさの禁止マークをサイド画像として採用することが有益である。本発明は、このように、メイン画像の表示内容に合わせて、覗き見防止の観点から最適なサイド画像を出力することが可能である。
【0067】
具体的には、本実施形態にかかる携帯電話機10は、携帯電話機10の動作状態、すなわち、表示部22にメイン画像として何が表示されているのかに応じて、その状況下で覗き見防止の効力を発揮できるサイド画像を選択し、該サイド画像を表示制御部21に対して供給するものである。あるいは、本発明の携帯電話機10は、サイド画像が、上記状況下で覗き見防止の効力を発揮できる態様で出力されるよう、サイド画像の加工方法を表示制御部21に指図するものである。
【0068】
〔表示制御部の構成〕
まず、主制御部11から供給されたサイド画像を、主制御部11の指図にしたがって合成する表示制御部21の詳細について説明する。
【0069】
図7は、本発明の表示制御部21において、メイン画像およびサイド画像を用いて表示用画像を作成することに関する概略構成を示すブロック図である。図7に示すように、表示制御部21は、少なくとも、メイン画像用メモリ30、サイド画像用メモリ31、分割パラメータ記憶部38および画像合成部39を備える構成であり、さらに、表示制御部21は、サイド画像を加工するための画像加工部としての配色パターン記憶部34、色切替部35、拡縮率記憶部36、画像拡縮部37、回転・反転情報記憶部40、回転・反転部41、配置パターン記憶部42、および、画像配置部43を備えていてもよい。
【0070】
メイン画像用メモリ30は、主制御部11(記憶部13)からのメイン画像Mの画像データを取得して記憶するフレームバッファである。メイン画像用メモリ30に記憶されたメイン画像Mの画像データは、所定のタイミングで画像合成部39に送信される。
【0071】
サイド画像用メモリ31は、主制御部11(記憶部13)からのサイド画像Sの画像データを取得して記憶するものである。本実施形態では、メモリ容量の節約のために、サイド画像用メモリ31の容量をメイン画像用メモリ30の4分の1とし、サイド画像Sを、メイン画像Mの4分の1のサイズで記憶するようになっている。したがって、サイド画像Sは、メイン画像Mと合成されるときには、画像拡縮部37によって、縦、横方向のそれぞれに2倍ずつ拡大される。なお、表示制御部21の構成は、これに限定されるものではない。
【0072】
配置パターン記憶部42は、サイド画像Sのレイアウトのパターン(配置パターン)を記憶するものである。また、画像配置部43は、配置パターン記憶部42に記憶されている配置パターンにしたがって、サイド画像Sの配置を決定するものである。本実施形態では、画像配置部43は、一例として、配置パターン記憶部42に記憶されているタイル張りの配置パターンに応じて、メイン画像Mに重畳するサイド画像Sのタイル張りを行う。
【0073】
図8(a)は、配置パターン記憶部42に記憶されている配置パターンの具体例を示す図であり、(b)は、上記配置パターンの一例にしたがってサイド画像が配置されたときの表示部22における表示態様を示す図である。図8(a)に示すとおり、配置パターン記憶部42には、複数の配置パターンが記憶されており、各配置パターンには、画像配置部43が当該配置パターンに従えばよいのか否かを示すフラグが関連付けられている。なお、このデータ構造は一例であって、本発明の構成を限定するものではない。
【0074】
配置パターンの具体例としては、例えば、サイド画像S(1枚の画像)を、表示画面に配置することが考えられる(図8(a)の“1*1(タイル張り無し)”)。この配置パターンに従えば、サイド画像Sが1枚、メイン画像Mに合成されることが決定される。あるいは、サイド画像Sを、表示画面に横×縦=2枚×2枚でタイル張りするパターンが考えられる(図8(a)の“2*2”)。この場合、図8(b)に示すとおり、サイド画像S(4枚)は、表示部22の表示画面を2*2で分割した4つの領域にそれぞれ配置されることになる。なお、サイド画像Sを分割した領域に配置するときの、拡縮は、後述の拡縮率記憶部36および画像拡縮部37によって行われる。
【0075】
また、配置パターン記憶部42において、複数の配置パターンに対してフラグが立っていてもよい。この場合、画像配置部43は、フラグが立っている配置パターンうち、参照する配置パターンを所定のタイミングで切り替えて、サイド画像Sの配置を当該タイミングで切り替える。
【0076】
配色パターン記憶部34は、複数の配色パターンのデータを記憶するものである。また、色切替部35は、配色パターン記憶部34における上記複数の配色パターンを利用して、サイド画像の配色パターンを所定のタイミングで切り替えるものである。サイド画像の配色パターンを変化させることにより、サイド画像の動画化を実現することができる。
【0077】
図9(a)は、配色パターン記憶部34に記憶されている配色パターンの具体例を示す図である。図9(a)に示すとおり、配色パターン記憶部34には、あらかじめ登録されてある複数の色情報と、それらの色を用いた配色パターンが複数記憶されている。色情報は、例えば、色合い、階調などの値であって、表示制御部21が再現可能な色を特定する情報である。各配色パターンには、色切替部35が当該配色パターンに従えばよいのか否かを示すフラグが関連付けられている。なお、このデータ構造は一例であって、本発明の構成を限定するものではない。
【0078】
具体的には、色切替部35は、まず、配色パターン記憶部34における複数の配色パターンの中から或る配色パターンを選択する。次に、色切替部35は、選択された配色パターンのデータに基づいて、サイド画像用メモリ31からのサイド画像の画像データの色情報を変更し、変更後のサイド画像の画像データを回転・反転部41に送信する。そして、所定のタイミングで、色切替部35は、上記或る配色パターンとは別の配色パターンを配色パターン記憶部34における複数の配色パターンの中から選択し、上記動作を繰り返す。
【0079】
図9(b)は、上記配色パターンの一例にしたがってサイド画像が着色されたときの表示部22上での配色パターンを示す図である。より詳細には、例えば、サイド画像S(=オブジェクト)が、横×縦=7*11で配置される場合であって、図9(a)に示す、配色パターン“1234567”が選択されている場合には、表示部22の表示画面に表示された7*11個のオブジェクトは、以下のような配色パターンで表示される。すなわち、図9(b)に示すとおり、一行目の7つのオブジェクトは、左から順に、1234567の各色で着色され、以降の行は、2345671、・・・、7123456、というように最初の配色から1つずつ左にずれたパターンで繰り返し着色される。
【0080】
図9(a)に示すすべての配色パターンにフラグが立っている場合には、色切替部35は、各配色パターンにしたがって、7*11個のオブジェクトの色を、所定のタイミングで切り替える。これにより、図9(b)に示す配色パターンが、全体に左に1つずつ、ずれていき、軸外の観察者に対して、同色のオブジェクトが所定のタイミングで左に移動していくように見せかけることができる。
【0081】
回転・反転情報記憶部40は、回転角の情報と、左右反転、上下反転などの反転方向の情報とを記憶するものである。また、回転・反転部41は、回転・反転情報記憶部40における回転角の情報に基づいてサイド画像を所定のタイミングで回転したり、回転・反転情報記憶部40における反転方向の情報に基づいてサイド画像を所定のタイミングで反転したりするものである。サイド画像を回転または反転することによりサイド画像の動画化を実現することができる。
【0082】
図10は、回転・反転情報記憶部40に記憶されている回転角の情報および反転方向の情報の具体例を示す図である。図10に示すとおり、回転・反転情報記憶部40には、複数の回転角の情報、および、複数の反転方向の情報とが記憶されており、各情報には、回転・反転部41がいずれの情報にしたがえばよいのかを示すフラグが関連付けられている。なお、図10に示す回転角、反転方向の情報は一例であって、回転・反転情報記憶部40の構成を限定するものではない。
【0083】
具体的には、回転・反転部41は、色切替部35からのサイド画像の画像データに対し、回転・反転情報記憶部40における回転角の情報に基づいて回転し、回転したサイド画像の画像データを画像拡縮部37に送信し、上記動作を繰り返す。或いは、回転・反転部41は、色切替部35からのサイド画像の画像データに対し、回転・反転情報記憶部40における反転方向の情報に基づいて反転し、反転したサイド画像の画像データを画像拡縮部37に送信し、上記動作を繰り返す。
【0084】
例えば、回転角の情報のすべてにフラグが立っている場合には、回転・反転部41は、各回転角の情報にしたがって、サイド画像Sを所定のタイミングで順に回転させて表示することが可能となり、これにより、1つのオブジェクトが回転し続けている動画としてのサイド画像Sを実現することができる。
【0085】
拡縮率記憶部36は、画像サイズの拡大率または縮小率である拡縮率を複数個記憶するものである。また、画像拡縮部37は、拡縮率記憶部36における複数の上記拡縮率を利用して、サイド画像の画像サイズを所定のタイミングで拡大または縮小するものである。サイド画像の画像サイズを拡大または縮小することにより、サイド画像の動画化を実現することができる。
【0086】
図11は、拡縮率記憶部36に記憶されている拡縮率の情報の具体例を示す図である。図11に示すとおり、拡縮率記憶部36には、複数の拡縮率の情報が記憶されており、各情報には、画像拡縮部37がいずれの情報にしたがえばよいのかを示すフラグが関連付けられている。なお、図11に示す拡縮率の情報は一例であって、拡縮率記憶部36の構成を限定するものではない。
【0087】
具体的には、画像拡縮部37は、まず、拡縮率記憶部36における複数の拡縮率の中から或る拡縮率(フラグによって指定されている拡縮率、例えば、50%)を選択する。次に、画像拡縮部37は、回転・反転部41からのサイド画像の画像データを、上記或る拡縮率で拡大または縮小されたサイド画像の画像データとなるように変更し、変更後のサイド画像の画像データを画像合成部39に送信する。そして、複数の拡縮率がフラグによって指定されている場合に、所定のタイミングで、画像拡縮部37は、上記或る拡縮率とは別の拡縮率(例えば、150%)を拡縮率記憶部36における複数の拡縮率の中から選択し、上記動作を繰り返す。これにより、1つのオブジェクトが大きくなったり小さくなったりする動画としてのサイド画像Sを実現することができる。
【0088】
分割パラメータ記憶部38は、上述の分割パラメータを記憶するものである。また、画像合成部39は、画像拡縮部37からのサイド画像の画像データと、分割パラメータ記憶部38における分割パラメータとに基づいて、メイン画像用メモリ30からのメイン画像Mの画像データを変調するものである。画像合成部39は、変調した画像データを上記表示用画像の画像データとして表示部22に送信している。
【0089】
変調した画像データが表示部22に表示されると、軸上からは、メイン画像Mのみが、軸外からは、メイン画像Mに重畳されたサイド画像Sが視認される。
【0090】
上述のとおり、表示制御部21の各画像加工部は、各記憶部に記憶されている情報にしたがって、サイド画像Sを加工する。したがって、携帯電話機10の主制御部11は、表示制御部21の各記憶部のデータを制御して、サイド画像Sの画像加工を表示制御部21に対して指図することが可能となる。
【0091】
〔主制御部の要部構成〕
次に、表示制御部21に対して、サイド画像を供給し、該サイド画像の加工方法を指示する携帯電話機10(主制御部11)の要部構成について詳細に説明する。
【0092】
図1は、本発明の実施形態にかかる携帯電話機10の要部構成を示すブロック図である。
【0093】
図1に示すとおり、携帯電話機10の主制御部11は、アプリケーション実行部50、アプリケーション制御部51、アプリケーション判定部52、および、表示指図部53を含む構成となっている。
【0094】
アプリケーション実行部50は、記憶部13に記憶されている図示しない各種プログラムを読み出して実行することにより携帯電話機10の機能(各種アプリケーションなど)を実現するものである。アプリケーションの具体例としては、例えば、外部の機器と電子メールをやり取りする機能であるメールアプリケーション70、放送波を受信してテレビ放送番組を表示するテレビアプリケーション71、インターネット上に公開されているウェブサイトを取得して表示するウェブブラウザアプリケーション72、表計算文書を処理して表計算を実行する表計算アプリケーション73、外部の通信装置と映像および音声の送受信を行ってテレビ通話を実現するテレビ通話アプリケーション74、および、携帯電話機10が外部から取得したまたは内蔵する辞書データを読み出して、辞書機能を実行する辞書アプリケーション75などが挙げられるが、これらは一例であって、本発明の携帯電話機10を限定するものではない。アプリケーション実行部50は、携帯電話機10を操作するためのメニュー画面や各種設定画面などを表示するプログラムを実行してもよい。
【0095】
アプリケーション実行部50の実行結果の情報は、図示しない描画部によってメイン画像Mとして成形されて表示制御部21に出力される。
【0096】
アプリケーション制御部51は、携帯電話機10において発生する所定のイベントをトリガにして、それに応じたアプリケーションを実行するようアプリケーション実行部50を制御するものである。例えば、ユーザが操作部16を操作して、メール機能を呼び出した場合には、操作部16のボタンの押下をトリガにして、アプリケーション制御部51は、メールアプリケーション70を起動する。
【0097】
アプリケーション判定部52は、アプリケーション制御部51によって起動された、アプリケーション実行部50が実行中のアプリケーションを判定するものである。上述の例にしたがえば、メールアプリケーション70が起動されたとき、アプリケーション判定部52は、実行中のアプリケーションを「メールアプリケーション70」と判定する。
【0098】
表示指図部53は、携帯電話機10の動作状態(アプリケーション実行部50の実行結果としてのメイン画像Mの内容)に応じて、サイド画像Sの表示を表示制御部21に対して指図するものである。すなわち、表示指図部53は、表示制御部21の画像合成部39に対して、サイド画像Sのメイン画像Mへの合成を指図するものである。
【0099】
具体的には、本実施形態では、表示指図部53は、サイド画像指定部60および画像加工指示部61を含んでいる。サイド画像指定部60は、メイン画像Mに合成するべきサイド画像Sを選択し、表示制御部21に対して指定するものである。サイド画像指定部60は、記憶部13に記憶されている各種情報を参照することにより、アプリケーション判定部52によって判定されたアプリケーションの実行中に、覗き見防止の効果が得られる最適なサイド画像Sを選択することができる。
【0100】
画像加工指示部61は、メイン画像Mに合成するべきサイド画像Sについて、該サイド画像Sに対し、画像加工(タイル張り、配色、回転、反転、拡大、縮小など)を施す必要がある場合には、その画像加工方法を表示制御部21に対して指示するものである。画像加工指示部61は、表示制御部21の各記憶部に記憶されている情報の内容を更新したり、フラグを変更したりすることによって、画像加工方法を表示制御部21に指示する。画像加工指示部61は、記憶部13に記憶されている各種情報を参照することにより、アプリケーション判定部52によって判定されたアプリケーションの実行中に、覗き見防止の効果が得られる最適なサイド画像Sの画像加工方法を表示制御部21に対して指示することができる。
【0101】
上述した主制御部11の各部は、CPU(central processing unit)が不図示のROM(read only memory)等の記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。すなわち、上記各部は、上記CPUが上記記憶装置に格納されたプログラムを実行し、図示しない入出力回路などの周辺回路を制御することによって実現される機能ブロックである。
【0102】
次に、表示指図部53が参照する記憶部13の各種情報について説明する。記憶部13は、サイド画像記憶部80および表示指図情報記憶部81を含む構成となっている。
【0103】
図12は、サイド画像記憶部80に記憶されているサイド画像の具体例を示す図である。サイド画像記憶部80には、1以上のサイド画像が記憶されており、これらの一つがサイド画像指定部60によって読み出されて表示制御部21に供給される。本実施形態では、一例として、静止画、動画を含む複数のサイド画像が、サイド画像記憶部80に格納されている。図12に示すとおり、各サイド画像には、サイド画像を一意に識別するためのサイド画像IDが関連付けられているとともに、サイド画像ごとの付属情報が関連付けられている。サイド画像の付属情報として、画像の種類やファイル形式などを示す情報、画像サイズ、および、動画の場合には、長さ、フレームレートなどが格納される。
【0104】
サイド画像指定部60は、この付属情報を参照して、現在アプリケーション実行部50が実行中のアプリケーションに最適なサイド画像を選択することが可能となる。例えば、テレビアプリケーション71が起動されていると、メイン画像Mは、テレビ放送番組などの動画となる。このように動きのある映像が表示されている場合には、同じように動きを伴うサイド画像Sで遮蔽することが、メイン画像Mの内容の覗き見防止に適していると考えられる。そこで、アプリケーション判定部52が、実行中のアプリケーションをテレビアプリケーション71と判定した場合には、サイド画像指定部60は、サイド画像記憶部80の付属情報を参照して、動画であるサイド画像(img004またはimg005)を取得し、表示制御部21に供給する、というように、実行中のアプリケーションに応じて最適なサイド画像Sを指定することが可能になる。
【0105】
本発明の携帯電話機10は、単に、選択したサイド画像Sを供給するだけでなく、供給するサイド画像Sに対してどのような画像加工を施せば、より覗き見防止の効果が高まるのかを判断して、画像加工方法を表示制御部21に指示することができる。
【0106】
図13は、表示指図情報記憶部81に記憶されている表示指図情報の具体例を示す図である。表示指図情報記憶部81には、携帯電話機10に搭載されているアプリケーションに対応付けて、表示制御部21にサイド画像Sの表示を指図する表示指図情報が記憶されている。表示指図情報とは、主制御部11が表示制御部21に対して、サイド画像の表示を指図するための情報である。本実施形態では、表示指図情報として、図13に示すとおり、いずれのサイド画像Sを採用するのかを示す画像指定情報と、該画像指定情報によって指定されたサイド画像Sをどのように加工するのかを示す画像加工方法情報とが記憶されている。
【0107】
例えば、図13に示すとおり、「アプリケーション:メール」に関連付けられている表示指図情報によれば、「img003の静止画を等倍のまま、縦×横=11×7で配置し、第1色から第7色までの各色の階調値を上げ、すべての配色パターンを切り替えて表示すること」が指図されている。したがって、アプリケーション判定部52によって、メールアプリケーション70が実行中と判定された場合、画像加工指示部61は、上記の表示態様にてimg003の静止画が、メイン画像Mに合成されて表示されるように、表示制御部21に対して画像加工方法を指示する。すなわち、画像加工指示部61は、配置パターン記憶部42の「11*7」の配置パターンのフラグを立て、配色パターン記憶部34の各色情報の階調値を上げ、全配色パターンのフラグを立て、拡縮率記憶部36の拡縮率「100%」にのみフラグを立てるという処理を行う。
【0108】
そして、表示制御部21は、表示指図部53から表示指図にしたがって、指定されたサイド画像Sを指示された方法にて加工し、メイン画像Mに合成する(メイン画像Mを変調する)。その結果、例えば、図14(b)に示すようなチェック柄が軸外から観察され、メール作成中の画面などを、軸外観察者から実質的に隠すことが可能となる。
【0109】
図13に示すその他の表示指図情報によれば、表示指図部53は、テレビアプリケーション71実行中には、img005の動画をサイド画像Sとして出力し、効果的に覗き見を防止することができる。動画は、例えば、フレームごとにサイド画像用メモリ31に供給することが考えられる。ウェブブラウザアプリケーション72実行中には、img004の動画をサイド画像Sとして出力する。表示部22に表示されるウェブサイトには、テキスト、イメージ、アニメなど、大小のオブジェクトが混ざって表示されることが多い。そこで、大きいオブジェクトとそれよりも細かい柄との両方を含むimg004の動画をサイド画像Sとすることにより、効果的に覗き見を防止することができる。フレームが4枚程度であれば、表示制御部21に4枚の画像を格納しておけるサイド画像用メモリ31を搭載することができるならば、img004の動画をまとめて表示制御部21に供給することが考えられる。表計算アプリケーション73実行中には、img002の静止画をサイド画像Sとして全画面表示されるように出力する。表計算ソフトでは、大小のオブジェクトが混ざって表示されることが多く、また、グラフやマークなどシンボリックな絵柄が表示される。そこで、メイン画像Mのグラフ以上に、認識されやすい、目立った、また、変調領域が広いimg002の静止画をサイド画像Sとして全画面表示することにより、効果的に覗き見を防止することができる。テレビ通話アプリケーション74実行中には、img001の静止画を、2*2のタイル張りで表示されるように出力する。テレビ会議などでは、会議参加者の映像が参加する数名分表示される。そこで、このような映像のオブジェクトと同じくらいの大きさで、当該オブジェクトを隠せるような表示態様でサイド画像Sを表示する。これにより、例えば、図14(a)に示すとおり、参加者の顔が映されたオブジェクトを、軸外観察者から実質的に隠すことが可能となる。結果として、効果的に覗き見を防止することができる。辞書アプリケーション75実行中には、img003の静止画が大きさとレイアウトとを所定のタイミングで変化させて表示されるように該静止画を出力する。辞書アプリケーションの画面では、見出し語や説明文など、大小さまざまな大きさのフォントで文字がたくさん表示される。そこで、上記チェック柄の大きさを変化させてサイド画像Sとして表示することにより、大小さまざまな文字を軸外観察者から隠し、効果的に覗き見を防止することができる。
【0110】
これまで述べてきたとおり、本発明の携帯電話機10の上記構成によれば、アプリケーション判定部52が、アプリケーション実行部50が実行中のアプリケーションを判定し、表示指図部53が、判定されたアプリケーションに応じて、最適なサイド画像Sを選択する。また、表示指図部53は、上記アプリケーションに応じて、サイド画像Sを最適な方法にて加工してから表示するように表示制御部21に対して指示する。ここで、最適なサイド画像Sとは、軸外観察者に攪乱パターン視認させてメイン画像Mを実質的に隠すのに最も高い効果が得られる絵柄を持つサイド画像Sのことを指す。
【0111】
以上のことから、電子機器の動作状態に応じて、どのようなアプリケーションを実行中でも、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を常に出力することが可能となる。
【0112】
〔サイド画像合成フロー〕
図15は、本実施形態における携帯電話機10による、サイド画像Sの合成処理の流れを示す図である。
【0113】
ユーザの操作部16の操作などによって、携帯電話機10のいずれかのアプリケーションが呼び出されると(S1においてYES)、主制御部11のアプリケーション制御部51は、指定されたアプリケーションを実行するように、アプリケーション実行部50に指示する。アプリケーション実行部50が、指定されたアプリケーションを起動して、該アプリケーションを実行する(S2)。
【0114】
続いて、アプリケーション判定部52は、起動されたアプリケーションを判定する(S3)。そして、表示指図部53は、表示指図情報記憶部81を参照し、アプリケーション判定部52によって判定されたアプリケーションに対応付けられている表示指図情報を取得する(S4)。具体的には、S3にて、辞書アプリケーション75が実行中であると判定されたとすると、サイド画像指定部60は、図13に示す表示指図情報(画像指定情報)に基づいて、img003の静止画を、表示制御部21に供給すべきサイド画像Sとして特定する。また、画像加工指示部61は、画像加工方法情報「配置パターン:2*2〜7*11で切り替え/拡縮率:200%〜30%で切り替え」を特定する。
【0115】
続いて、表示指図部53は、特定した表示指図情報にしたがって、表示制御部21に対して、表示指図を行う(S5)。具体的には、サイド画像指定部60は、img003の静止画を、サイド画像記憶部80から取得して、表示制御部21に供給する。画像加工指示部61は、表示制御部21の各記憶部のフラグを更新する。
【0116】
最後に、表示制御部21は、表示指図部53からの表示指図にしたがってメイン画像Mにサイド画像Sを合成して(メイン画像Mの階調値を変調して)、変調後のメイン画像Mの画像データを表示部22に出力し、表示する。
【0117】
上記方法によれば、S3にて、S2で実行中のアプリケーションが判定される。そして、S4にて、判定されたアプリケーションに応じて、適切なサイド画像Sが選択される。また、上記アプリケーションに応じて、サイド画像Sを適切な(現在のメイン画像Mに対して覗き見防止に効果的な)方法にて加工してから表示するように表示制御部21を制御する。ここで、適切なサイド画像Sとは、軸外観察者に攪乱パターン視認させてメイン画像Mを実質的に隠すのに高い効果が得られる絵柄を持つサイド画像Sのことを指す。
【0118】
以上のことから、電子機器の動作状態に応じて、どのようなアプリケーションを実行中でも、表示中のメイン画像に対して覗き見防止効果の高い、適切なサイド画像を常に出力することが可能となる。
【0119】
≪実施形態2≫
上述の実施形態では、電子機器の動作状態、特に、実行中のアプリケーションに応じて、適切なサイド画像、画像加工方法を決定する携帯電話機10の構成について述べてきた。しかし、本発明の携帯電話機10は、上記構成に限定されず、携帯電話機10の表示部22が表示するメイン画像Mの内容物(テキスト、静止画、動画などのオブジェクト)に応じて、適切なサイド画像、画像加工方法を決定する構成であってもよい。
【0120】
図16は、本発明の他の実施形態にかかる携帯電話機10の要部構成を示すブロック図である。なお、図16の各構成要素に付された符号は、図1の各構成要素に付された符号に対応しており、同じ符号は、同じ構成要素を示している。したがって、上述の各実施形態ですでに説明した構成要素についての説明は繰り返さない。
【0121】
図16に示す携帯電話機10において、図1に示す実施形態1の携帯電話機10と異なる点は、主制御部11が、アプリケーション判定部52に加えて(あるいは、代えて)、表示オブジェクト判定部54を備えている点である。
【0122】
表示オブジェクト判定部54は、アプリケーション実行部50がプログラムを実行した結果得られる情報に基づいて、表示部22に表示されるメイン画像Mに含まれるオブジェクトの種類を判定するものである。メイン画像Mに含まれて表示されるオブジェクトの種類としては、例えば、テキスト、イメージ、アニメーション、ビデオ、および、それらの混合が挙げられる。
【0123】
さらに、本実施形態では、表示オブジェクト判定部54は、記憶部13に含まれる設定情報記憶部82に記憶されている設定情報に基づいて、オブジェクトのサイズ、色、および、配置を判定することができる。設定情報とは、携帯電話機10にて表示されるユーザインターフェース画面の基本的なデザインをカスタマイズするために、ユーザが携帯電話機10の設定登録した各種情報のことである。例えば、ユーザが指定した、画面背景色、文字色、文字フォント、文字サイズ、アイコンサイズ、アイコンのレイアウトなどの各種設定情報が記憶されている。表示オブジェクト判定部54は、メイン画像Mにテキストが含まれていると判定した場合には、上記文字サイズ、および、文字色の情報を設定情報記憶部82から読み出して、表示指図部53に供給する。
【0124】
上記構成によれば、表示指図部53のサイド画像指定部60は、判定されたオブジェクトに応じて適切なサイド画像Sを選択できる。例えば、オブジェクトがアニメーション、ビデオなど動きのあるオブジェクト(動画)と判定された場合には、サイド画像指定部60は、動きを伴うサイド画像S(img004またはimg005など)を選択することが可能である。
あるいは、画像加工指示部61は、判定されたオブジェクトに応じて、さらに、当該オブジェクトの色やサイズに応じて、当該オブジェクトの遮蔽に適したサイド画像Sとするための画像加工方法を、表示制御部21に指示することができる。
【0125】
図17(a)は、本実施形態における表示指図情報記憶部81に記憶されている表示指図情報の一例を示す図である。図17(a)に示すのは、表示制御部21に供給すべきサイド画像Sが1つ決定している(例えば、図12の静止画img003)場合に、当該サイド画像Sを、判定されたオブジェクトに応じてどのように加工するのかを示す画像加工方法情報が、表示指図情報として記憶されている例である。図17(a)に示す例では、表示オブジェクトに関連付けて、画像加工方法情報が記憶されている。
【0126】
例えば、アプリケーション実行部50によってメールアプリケーション70が実行されており、メールアプリケーション70が受信メールを表示するために実行結果を出力したとする。このとき、表示オブジェクト判定部54は、実行結果に基づいて、メイン画像Mに、テキストのオブジェクトが含まれていると判定する。
【0127】
画像加工指示部61は、表示オブジェクト判定部54が、表示オブジェクトはテキストであると判定したことを受けて、表示指図情報記憶部81を参照し、図17(a)に示す表示指図情報から、「オブジェクト:テキスト」に関連付けられている「画像加工方法情報:文字の大きさに最も近い拡縮率で、タイル張りで表示」を取得する。次に、画像加工指示部61は、取得した画像加工方法情報にしたがって、設定情報記憶部82の設定情報のうち、設定されている文字サイズを取得して、当該文字サイズと、サイド画像Sの静止画img003のイメージサイズとがほぼ同じなる拡縮率を選択して、拡縮率記憶部36のフラグを更新する。
【0128】
以上のとおり、サイド画像記憶部80にサイド画像が1種類しか記憶されていず、サイド画像指定部60が備えられていない場合でも、当該サイド画像を、判定されたオブジェクトに応じて、覗き見防止に適したものに加工することを表示制御部21に指示することができる。もちろん、上記構成は、サイド画像が複数記憶されており、サイド画像指定部60が備えられた場合にも適用できる。
【0129】
図17(b)は、本実施形態における表示指図情報記憶部81に記憶されている表示指図情報の他の例を示す図である。図17(b)に示すのは、サイド画像記憶部80にサイド画像Sが複数記憶されている場合に、表示制御部21に供給すべきサイド画像を決定するための画像指定情報が、表示指図情報として記憶されている例である。図17(b)に示す例では、表示オブジェクトに関連付けて、画像指定情報が記憶されている。
【0130】
例えば、アプリケーション実行部50によってテレビアプリケーション71が実行されており、メールアプリケーション70がテレビ放送番組を表示するために実行結果を出力したとする。このとき、表示オブジェクト判定部54は、実行結果に基づいて、メイン画像Mに、ビデオのオブジェクトが含まれていると判定する。
【0131】
サイド画像指定部60は、表示オブジェクト判定部54が、表示オブジェクトはビデオであると判定したことを受けて、表示指図情報記憶部81を参照し、図17(b)に示す表示指図情報から、「オブジェクト:ビデオ」に関連付けられている「画像指定情報:img004またはimg005」を取得する。サイド画像指定部60は、画像指定情報によって特定されたサイド画像をサイド画像記憶部80から取得して、表示制御部21に供給する。
【0132】
なお、上述の例のように、判定されたオブジェクトに対してサイド画像が複数関連付けられている場合には、両方の動画を交互に出力するように、表示制御部21に対して供給してもよいし、ランダムでいずれか一方を選択して、一方の動画だけを供給してもよい。
【0133】
上記構成によれば、サイド画像記憶部80に複数のサイド画像が記憶されている場合に、表示されるメイン画像Mの内容に応じて、覗き見防止に適したサイド画像を選択し、表示制御部21に供給することが可能となる。この構成は、画像加工指示部61と組み合わせて実現することも可能である。これにより、表示部22の表示内容に応じて適切なサイド画像Sを選択した上で、さらに、表示内容に応じてより遮蔽効果が高まるように当該サイド画像Sを加工することを表示制御部21に対して指示することが可能となる。
【0134】
結果として、表示制御部21は、表示部22に表示される内容に対して適切なサイド画像Sを合成、出力し続けることが可能となり、表示内容(メイン画像Mの内容)が変化しても、常に覗き見を防止することができる。
【0135】
なお、本実施形態の構成は、実施形態1のアプリケーション判定部52と組み合わせることが可能である。この場合、判定されたアプリケーションおよび判定されたオブジェクトに基づいて、画像指定情報および/または画像加工方法情報が特定される。つまり、表示指図情報記憶部81には、アプリケーションとオブジェクトとの組み合わせに関連付けて、表示指図情報が記憶されている。
【0136】
〔変形例〕
さらに、表示指図部53は、サイド画像編集部62を含む構成であってもよい。サイド画像編集部62は、メイン画像Mの各オブジェクトのサイズや表示位置に応じて、当該メイン画像Mの遮蔽効果が高まるように、サイド画像指定部60が選択したサイド画像S、または、サイド画像記憶部80に記憶されているサイド画像Sを編集するものである。
【0137】
以下では、図18(a)〜(c)の具体例を参照しつつ、サイド画像編集部62を含む主制御部11の動作について説明する。
【0138】
図18(a)は、ウェブブラウザアプリケーション72の実行結果として出力されるメイン画像Mの一例を示す図である。表示オブジェクト判定部54は、アプリケーション実行部50が出力する実行結果の情報に基づいて、メイン画像Mがイメージ90、イメージ91およびテキスト92の各オブジェクトを含むことを認識し、各オブジェクトの表示位置、各オブジェクトのサイズを取得する。
【0139】
表示指図部53のサイド画像指定部60は、表示オブジェクト判定部54が取得した情報に応じて、図17(b)の表示指図情報にしたがって、サイド画像Sに使用する画像を取得する。具体的には、テキストに対応付けられている静止画img003と、イメージに対応付けられている静止画img001とをサイド画像記憶部80から取得する。
【0140】
サイド画像編集部62は、図17(a)の表示指図情報にしたがって、テキスト遮蔽用の静止画img003については、該静止画img003が文字の大きさに近くなるよう拡大または縮小して、タイル張りにする。そして、イメージ遮蔽用の静止画img001については、禁止マークのオブジェクトが、それぞれのイメージ(90、91)の大きさに近くなるように上記オブジェクトを拡大または縮小して、各イメージに重畳する位置にレイアウトする。
【0141】
図18(b)は、サイド画像編集部62が、静止画img003と、静止画img001と組み合わせて編集した結果得られるサイド画像Sの一例を示す図である。図18(b)に示すサイド画像Sにおいて、静止画93(img003)は、文字サイズに近い大きさでタイル張りされており、静止画94および静止画95(img001)は、それぞれ、イメージ90、91のサイズに近い大きさで、各イメージオブジェクトの位置に配置されている。
【0142】
図18(c)は、サイド画像編集部62が生成した図18(b)のサイド画像Sに基づいて、画像合成部39が、図18(a)のメイン画像Mを変調した場合に、その画像データが軸外から観察されたときの様子を説明する図である。メイン画像Mのうち、テキスト92は、静止画93のタイル張りによって効果的に遮蔽され、イメージ90、92は、それよりも注目度の高い静止画94、95によってそれぞれ効果的に遮蔽されている。
【0143】
このように、サイド画像編集部62が、オブジェクトの大きさに応じて、サイド画像のオブジェクトを拡大縮小したり、オブジェクトの表示位置に応じて別のサイド画像を組み合わせて配置したりすることによって、メイン画像Mの内容に応じて、覗き見防止の観点からより効果的なサイド画像Sを生成し、表示制御部21に供給することが可能となる。
【0144】
また、サイド画像編集部62は、オブジェクトの色に応じて、当該オブジェクトが目立たなくなるような色を用いてサイド画像を編集してもよい。色を編集された後のサイド画像を重ねると、メイン画像Mのオブジェクトが目立たなくなり、メイン画像Mを軸外観察者から実質的に隠すことが可能となる。また、サイド画像編集部62は、サイド画像の配色がコントラストの低い配色である場合には、コントラストの高い配色となるように(メイン画像よりも目立つように)サイド画像の色を編集してもよい。
【0145】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0146】
最後に、携帯電話機10における主制御部11および表示制御部21の各ブロック、特に、アプリケーション判定部52および表示指図部53の各部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0147】
すなわち、携帯電話機10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである、携帯電話機10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0148】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0149】
また、携帯電話機10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、軸外観察者からのメイン画像の覗き見を防止する目的でメイン画像にサイド画像を合成することが可能な電子機器において、上記サイド画像を、覗き見を防止の観点から、該電子機器の動作状態に応じて適切な状態に変更して出力することができる。したがって、空間的輝度変調によってメイン画像とサイド画像とを合成して表示制御を行う表示制御装置を備えた任意の電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0151】
10 携帯電話機(電子機器)
11 主制御部
12 バス
13 記憶部
14 表示装置
15 通信部
16 操作部
17 撮像部
21 表示制御部(表示制御装置)
22 表示部
30 メイン画像用メモリ
31 サイド画像用メモリ
34 配色パターン記憶部
35 色切替部
36 拡縮率記憶部
37 画像拡縮部
38 分割パラメータ記憶部
39 画像合成部
40 回転・反転情報記憶部
41 回転・反転部
42 配置パターン記憶部
43 画像配置部
50 アプリケーション実行部
51 アプリケーション制御部
52 アプリケーション判定部(判定手段/アプリケーション判定手段)
53 表示指図部(表示指図手段)
54 表示オブジェクト判定部(判定手段/表示オブジェクト判定手段)
60 サイド画像指定部(表示指図手段/サイド画像指定手段)
61 画像加工指示部(表示指図手段/画像加工指示手段)
62 サイド画像編集部(表示指図手段/サイド画像編集手段)
70 メールアプリケーション
71 テレビアプリケーション
72 ウェブブラウザアプリケーション
73 表計算アプリケーション
74 テレビ通話アプリケーション
75 辞書アプリケーション
80 サイド画像記憶部
81 表示指図情報記憶部
82 設定情報記憶部
90 イメージ(メイン画像のオブジェクト)
91 イメージ(メイン画像のオブジェクト)
92 テキスト(メイン画像のオブジェクト)
93 静止画(サイド画像のオブジェクト)
94 静止画(サイド画像のオブジェクト)
95 静止画(サイド画像のオブジェクト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的輝度変調によって表示用画像を表示画面に表示するように液晶表示素子を制御する表示制御装置を制御する電子機器であって、
上記表示制御装置は、
上記液晶表示素子からの輝度に関して、上記表示画面の法線に平行な軸方向に対する輝度と軸外の方向に対する輝度との非線形な対応関係と、当該電子機器が供給するサイド画像の画像データとに基づいて、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像の画像データを変調し、変調した画像データを上記表示用画像の画像データとすることによって、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するものであり、
当該電子機器は、
当該電子機器の動作状態を判定する判定手段と、
上記動作状態と、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部と、
上記表示指図情報記憶部において上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する表示指図手段とを備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記表示指図情報記憶部には、
当該電子機器の動作状態と、上記表示制御装置に供給すべきサイド画像を指定する画像指定情報とが関連付けて記憶されており、
上記表示指図手段は、上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている画像指定情報が指定するサイド画像を、上記表示制御装置に供給するサイド画像指定手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記表示指図情報記憶部には、
当該電子機器の動作状態と、上記サイド画像の加工方法を示す画像加工方法情報とが関連付けて記憶されており、
上記表示指図手段は、上記判定手段によって判定された上記動作状態に関連付けられている画像加工方法情報が示す画像加工方法にて上記サイド画像を加工するよう、上記表示制御装置を制御する画像加工指示手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記判定手段は、当該電子機器が実行中のアプリケーションを判定するアプリケーション判定手段を含み、
上記表示指図情報記憶部には、
当該電子機器が実行可能なアプリケーションと、上記表示指図情報とが関連付けて記憶されており、
上記表示指図手段は、上記アプリケーション判定手段によって判定されたアプリケーションに関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
上記判定手段は、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像に含まれているオブジェクトの種類を判定する表示オブジェクト判定手段を含み、
上記表示指図情報記憶部には、
上記オブジェクトの種類と、上記表示指図情報とが関連付けて記憶されており、
上記表示指図手段は、上記表示オブジェクト判定手段によって判定されたオブジェクトの種類に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
上記表示指図情報記憶部には、
上記オブジェクトの種類としての動画に関連付けて、上記サイド画像を動画で表示するように上記表示制御装置に指図する表示指図情報が記憶されており、
上記表示指図手段は、
上記表示オブジェクト判定手段が、上記メイン画像に動画が含まれていると判定した場合に、上記表示指図情報にしたがって、サイド画像を動画で表示することを上記表示制御装置に対して指図することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
上記表示オブジェクト判定手段は、さらに、上記メイン画像に含まれている各種オブジェクトのサイズおよび表示位置を取得するものであり、
上記表示指図手段は、
上記メイン画像のオブジェクトのサイズ、および、表示位置に基づいて、当該オブジェクトを軸外の方向からサイド画像が遮蔽するように、上記サイド画像を編集するサイド画像編集手段を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
上記サイド画像編集手段は、
上記表示オブジェクト判定手段が取得した、上記メイン画像のオブジェクトのサイズに合わせて、上記サイド画像のオブジェクトを拡大または縮小することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
空間的輝度変調によって表示用画像を表示画面に表示するように液晶表示素子を制御する表示制御装置を制御する電子機器の制御方法であって、
上記表示制御装置は、上記液晶表示素子からの輝度に関して、上記表示画面の法線に平行な軸方向に対する輝度と軸外の方向に対する輝度との非線形な対応関係と、当該電子機器が供給するサイド画像の画像データとに基づいて、当該電子機器が動作することによって得られるメイン画像の画像データを変調し、変調した画像データを上記表示用画像の画像データとすることによって、メイン画像とサイド画像とを合成して表示するものであり、
上記電子機器において、
上記電子機器の動作状態を判定する判定ステップと、
上記動作状態と、上記メイン画像を軸外の方向から遮蔽するように上記サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図するための表示指図情報とを関連付けて記憶する表示指図情報記憶部において、上記判定ステップにて判定された上記動作状態に関連付けられている表示指図情報にしたがって、サイド画像の表示を上記表示制御装置に指図する表示指図ステップとを含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から8までのいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−33983(P2011−33983A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182505(P2009−182505)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】