説明

電子機器およびプリント基板モジュール

【課題】プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を図る。
【解決手段】プリント基板モジュール130は、キーフレキ140と、キーフレキ140上に配置されたメタルドームと、トップテープ160とを備える。トップテープ160は、メタルドームおよびキーフレキ140のメタルドームが配置された面に貼り付けられる表面接着部163と、表面接着部163から延伸してキーフレキ140の端面で折り返される折り返し部166とを有する。また、トップテープ160は、折り返し部166から延伸してキーフレキ140のメタルドーム132が配置された面の裏面に貼り付けられる裏面接着部168を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプリント基板モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの電子機器では、機器の入力インターフェースとして各種のキーが設けられており、ユーザがキーを押下することによって各種操作が実行される。電子機器では、例えば接点スイッチを用いたキー構造を採用することが知られている。
【0003】
接点スイッチを用いたキー構造は、電子回路が形成されたプリント基板上に接点スイッチを配置して構成されるプリント基板モジュールと、プリント基板モジュール上に配置されたキーモジュールとによって構成される。キーモジュールは例えば、プリント基板モジュール上に配置される弾性材料のラバーシートと、ラバーシート上に配置されるキートップとを有して構成される。ラバーシートは、プリント基板モジュール側の面の接点スイッチに対応する位置に凹状の窪みが形成されており、これによって、ラバーシートには厚肉部と薄肉部が形成される。厚肉部はプリント基板モジュール上に載置されて薄肉部を浮動支持する。薄肉部の接点スイッチ側の面には突起状の押し子が形成され、薄肉部上にはキートップが載置される。ユーザがキートップを押下すると、ラバーシートの薄肉部が撓み、押し子が接点スイッチの方向に移動して接点スイッチを押下する。
【0004】
ここで、プリント基板モジュールの接点スイッチとしては、例えば下記特許文献1に説明されているように、導電材料をドーム状に形成したメタルドームを用いる場合がある。この場合、絶縁性の保護シートにメタルドームの頂部をあらかじめ貼り付けておいて、保護シートをプリント基板上に貼り付けることにより、メタルドームがプリント基板上のメタルドーム用の接点が形成された位置に正確に配置される。また、このようにプリント基板のメタルドームが配置された面が保護シートで覆われることになるので、プリント基板モジュールにおいてメタルドームが剥き出しになるのを防ぐことができ、メタルドームを保護するとともに絶縁性を保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−32588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1において説明されている従来技術は、プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を図ることは考慮されていない。
【0007】
すなわち、従来のプリント基板モジュールでは、プリント基板の端部に配置されたメタルドームを繰り返し押下操作することによって、プリント基板に貼り付けられた保護シートの端部がプリント基板から剥離して、防塵性が損なわれるおそれがあった。そこで、従来のプリント基板モジュールでは、プリント基板の端面から所定の距離(例えば、1.6mm〜1.8mm)内側にオフセットした位置よりも内側にメタルドームを設けることが知られていた。言い換えれば、プリント基板の端部に接点スイッチを配置する場合には、メタルドームとプリント基板の端面との間に所定の距離を確保することにより、保護シートの剥離を抑制することが知られていた。
【0008】
しかしながら、メタルドームとプリント基板の端面との間に所定の距離が確保されるようにプリント基板の外形を形成すると、プリント基板のサイズが大きくなるため、プリント基板モジュールの小型化を妨げる場合がある。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、防塵性を向上させ、かつ、小型化を図ることができる電子機器およびプリント基板モジュールを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する電子機器は、一つの態様において、プリント基板と、前記プリント基板上に配置された接点スイッチと、保護シートとを備えたプリント基板モジュールを有する。保護シートは、前記接点スイッチおよび前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面に貼り付けられた第1の面状部と、前記第1の面状部から延伸して前記プリント基板の端面で折り返された折り返し部とを有する。また、保護シートは、前記折り返し部から延伸して前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面の裏面に貼り付けられた第2の面状部を有する。また、電子機器は、前記接点スイッチに対向して前記保護シート上に設けられたキートップと、前記キートップと前記接点スイッチとの間に設けられ、前記キートップの前記接点スイッチの方向への移動に連動して前記接点スイッチの方向へ移動して前記接点スイッチを押下する突起状の押し子とを備えたキーモジュールを備える。また、電子機器は、前記プリント基板モジュールおよび前記キーモジュールを収容する筐体を備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する電子機器の一つの態様によれば、プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体をスライドさせずに閉じた状態の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体をスライドさせて開いた状態の外観を示す斜視図である。
【図3】図3は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体の分解斜視図である。
【図4】図4は、キーフレキの平面図である。
【図5】図5は、ベーステープの平面図である。
【図6】図6は、トップテープの平面図である。
【図7】図7は、プリント基板モジュールのドームスイッチ部分の断面図である。
【図8】図8は、プリント基板モジュールの接点スイッチの他の実施形態を示す図である。
【図9】図9は、プリント基板モジュールを表面側から見た斜視図である。
【図10】図10は、プリント基板モジュールの表面側の端部の一部を拡大した拡大図である。
【図11】図11は、プリント基板モジュールを背面側から見た斜視図である。
【図12】図12は、プリント基板モジュールの背面側の端部の一部を拡大した拡大図である。
【図13】図13は、プリント基板モジュールの第2の実施例を示す図である。
【図14】図14は、プリント基板モジュールの第3の実施例を示す図である。
【図15】図15は、プリント基板モジュールの第4の実施例を示す図である。
【図16】図16は、プリント基板モジュールの第4の実施例を示す図である。
【図17】図17は、プリント基板モジュールの第5の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する電子機器およびプリント基板モジュールの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、電子機器の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、これに限らず、PDA(Personal Digital Assistant)など、接点スイッチを有するプリント基板モジュールを備えた電子機器であれば以下の実施形態を適用することができる。
【実施例1】
【0014】
図1は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体をスライドさせずに閉じた状態の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体をスライドさせて開いた状態の外観を示す斜視図である。図3は、本実施形態の携帯電話機の表示側筐体の分解斜視図である。図1,図2に示すように、本実施例の携帯電話機100は、表示側筐体110と操作側筐体190とを備える。表示側筐体110と操作側筐体190は、図示しないスライド機構を介して相対的にスライド移動可能に連結されている。図1は、表示側筐体110がスライドされておらず、表示側筐体110と操作側筐体190とが全面的に重なり合っている閉状態を示している。また、図2は、表示側筐体110がスライドされて、表示側筐体110と操作側筐体190とが最小の重なり範囲で重なった開状態を示している。
【0015】
図3に示すように、表示側筐体110は一面が開口される。表示側筐体110には、表示側筐体110の内部空間を開口側の空間と底面側の空間とに隔てる隔壁111が設けられる。また、隔壁111の開口側の表面には、開口側の空間を携帯電話機のスライド方向に沿った2つの空間に隔てる隔壁112が立設される。隔壁112によって、開口側の空間は、部品を収容する第1の空間114と第2の空間116とに隔てられる。第1の空間114には、表示部120が収容される。また、第2の空間116には、隔壁111の表面に両面テープ128を介して貼り付けられるプリント基板モジュール130と、プリント基板モジュール130上に配置されるフロントキーモジュール170とが収容される。フロントキーモジュール170は、携帯電話機100の各種操作を行うための操作モジュールである。
【0016】
表示部120は、表示モジュール122と、パッキン124と、液晶パネルなどの表示パネル126とを有して構成される。表示モジュール122は隔壁111の表面側に収容され、表示パネル126はパッキン124を介して表示モジュール122上に重ねられる。パッキン124は、表示パネル126と表示モジュール122の間に介挿され、表示モジュール122の表示面の周囲を封止する。これにより、表示パネル126と表示モジュール122の表示面との間への異物の進入を防止することができる。また、パッキン124は、表示パネル126を表示モジュール122の表示面から離間させて、表示面に表示パネル126が接触することによる表示のにじみなどを防止する。
【0017】
プリント基板モジュール130は、フロントキーモジュール170側の表面に複数のメタルドーム132などの接点スイッチが設けられるとともに、複数のLED134(Light Emitting Diode)などの各種部品が実装される。プリント基板モジュール130の詳細は後述する。
【0018】
フロントキーモジュール170は、プリント基板モジュール130上に載置される矩形のベースラバー172と、ベースラバー172上に貼り付けられる複数のキートップ174とを備える。また、フロントキーモジュール170は、ベースラバー172上に貼り付けられる多方向入力ユニット176と、ベースラバー172上に設けられるカバー178とを備える。ベースラバー172は、プリント基板モジュール130側の面のメタルドーム132に対応する位置に凹状の窪みが形成されており、これによって、ベースラバー172には厚肉部と薄肉部が形成される。厚肉部はプリント基板モジュール130に載置されて薄肉部を浮動支持する。薄肉部のメタルドーム132側の面には突起状の押し子が形成され、薄肉部上にはキートップ174が貼り付けられる。ユーザがキートップ174を押下すると、ベースラバー172の薄肉部が撓み、押し子がメタルドーム132の方向に移動してメタルドーム132を押下する。
【0019】
複数のキートップ174は、ベースラバー172の3辺に沿ってベースラバー172の薄肉部上に貼り付けられる。また、複数のキートップ174はそれぞれ、ベースラバー172の中央方向を臨む側面からベースラバー172の中央方向に突出するフランジ180が形成される。多方向入力ユニット176は、ドーナツ状に形成された基部182と、基部182の外周面から突出して形成されたフランジ184とを備えて構成され、ベースラバー172の略中央部上に貼り付けられる。多方向入力ユニット176は、回転・押し下げ・傾倒操作が可能な構成とされた回転操作型エンコーダを備えた入力ユニットである。
【0020】
カバー178は、矩形の板状に形成されるとともに、中央部に多方向入力ユニット176の基部182が貫通する貫通穴186が形成される。また、カバー178の表示側筐体110側の面の4隅にはネジ穴188が形成されており、ネジ穴188に、表示側筐体110の背面に形成されたネジ貫通穴118から挿入されるネジ119が螺合することによってカバー178が表示側筐体110に固定される。カバー178を表示側筐体110へ固定することによって、カバー178は、キートップ174のフランジ180と多方向入力ユニット176のフランジ184とに当接し、キートップ174と多方向入力ユニット176の離脱を防止する。
【0021】
操作側筐体190には、携帯電話機100の各種操作を行うためのキーモジュール192が収容される。また、操作側筐体190には、携帯電話機100の通信に関する信号処理、および表示パネルに文字や画像を表示させるための信号処理などの各種処理を行う部品が搭載された本体プリント基板モジュールが収容される。また、操作側筐体190の側面には、例えば通話音量の調整用の操作キー194が設けられる。
【0022】
続いて、プリント基板モジュール130の詳細を説明する。図4は、キーフレキの平面図である。図5は、ベーステープの平面図である。図6は、トップテープの平面図である。プリント基板モジュール130は、図4,図5,図6に示すキーフレキ140と、ベーステープ150と、トップテープ160とを備えて構成される。図4,図5,図6は、プリント基板モジュール130を組み立てる前の状態を示している。
【0023】
キーフレキ140は、PETシートなどで形成されるフレキシブルプリント基板であり、キーフレキ140上には、LED134などの各種部品が実装されるとともに、配線パターンが形成される。フレキシブルプリント基板は、プリント基板の一種である。キーフレキ140は略長方形に形成されるとともに、一方の長辺の両端の角に切り欠き142が形成される。また、他方の長辺には、ネジ119を貫通させるための切り欠き144が形成される。また、互いに対向する短辺にはそれぞれ切り欠き146が形成され、短辺の一方の切り欠き146には、キーフレキケーブル148が設けられる。キーフレキケーブル148は、隔壁111の端面と表示側筐体110の側面との間に形成される間隙113を介して隔壁111の裏面に折り返され、隔壁111の裏面に設けられた他のプリント基板に実装されたコネクタに接続される。
【0024】
ベーステープ150は、PETシートなどで形成され、キーフレキ140のフロントキーモジュール170側の面を覆ってキーフレキ140に貼り付けられる。ベーステープ150には、LEDなどの各種部品の形状に対応する位置、およびトップテープ160に貼り付けられたメタルドーム132に対応する位置に部品穴152が形成される。ベーステープ150の外形は、基本的にはキーフレキ140の外形に対応させて形成される。ベーステープ150は、ベーステープ150の外周端面がキーフレキ140の外周端面より僅かに内側に位置するサイズに形成される。
【0025】
トップテープ160は、PETシートなどの絶縁材料で形成される。また、トップテープ160は、ベーステープ150のフロントキーモジュール170側の面を覆ってベーステープ150に貼り付けられる表面接着部163を有する。言い換えれば、表面接着部163は、キーフレキ140のメタルドーム132が配置された面を覆う。表面接着部163には、LEDなどの各種部品の形状に対応する位置に部品穴162が形成されるとともに、表面接着部163のベーステープ150側の面には、導電性材料でドーム状に形成されたメタルドーム132の頂部が貼り付けられる。
【0026】
また、トップテープ160は、キーフレキ140の長辺に対応する辺において、表面接着部163から延伸し、キーフレキ140の長辺の端面で折り返される折り返し部166を有する。また、トップテープ160は、折り返し部166から延伸してキーフレキ140の部品配置面の裏面に貼り付けられる裏面接着部168を有する。すなわち、トップテープ160の外形は、基本的には、キーフレキ140の外形に対応させて形成されるが、キーフレキ140の長辺に対応する辺においては、折り返し部166および裏面接着部168が形成される。これにより、キーフレキ140とトップテープ160とを重ね合わせたら、折り返し部166および裏面接着部168は、キーフレキ140の端面より外側へ張り出すようになる。
【0027】
図7は、プリント基板モジュールのドームスイッチ部分の断面図である。図7に示すように、キーフレキ140上には、ベーステープ150が貼り付けられ、ベーステープ150上には、メタルドーム132の頂部があらかじめ貼り付けられた表面接着部163が貼り付けられる。また、キーフレキ140の部品配置面には、メタルドーム132の縁部132aに対応する位置に第1の接点149aが形成され、メタルドーム132の頂部132bに対向する位置に第2の接点149bが形成される。ベーステープ150は、メタルドーム132に対応する位置に部品穴152が形成されており、メタルドーム132以外の部分でキーフレキ140に貼り付けられる。表面接着部163は、キーフレキ140側の面にメタルドーム132の頂部132bが貼り付けられており、メタルドーム132の縁部132aが第1の接点149aに当接するように、ベーステープ150上に貼り付けられる。
【0028】
このように、通常の状態では、メタルドーム132の縁部132aと第1の接点149aは当接し、メタルドーム132の頂部132bと第2の接点149bは離れている。したがって、第1の接点149aと第2の接点149bは絶縁状態になる。一方、ユーザによってキートップ174が押下されると、ベースラバー172の薄肉部に形成された押し子が表面接着部163を介してメタルドーム132の頂部132bを押し下げ、メタルドーム132は頂部132bがつぶれるように変形する。これにより、メタルドーム132の頂部132bは第2の接点149bに接触し、第1の接点149aと第2の接点149bは電気的に導通する。ユーザがキートップ174の押下を止めると、メタルドーム132は頂部132bがつぶれる前の形に復元し、再び第1の接点149aと第2の接点149bは絶縁状態になる。
【0029】
(プリント基板モジュールの接点スイッチの他の実施形態)
なお、プリント基板モジュールの接点スイッチはメタルドーム132には限られない。図8は、プリント基板モジュールの接点スイッチの他の実施形態を示す図である。図8に示すように、プリント基板モジュール130は、キーフレキ140と、キーフレキ140の部品配置面に配置される片持ちの板バネ133と、キーフレキ140および板バネ133を覆う絶縁材料の表面接着部163とを備える。板バネ133は、キーフレキ140の第1の接点149aに固定される板状の固定部133aと、固定部133aの端部を起点としてキーフレキ140から離れる方向へ斜めに延伸する板状の可動部133bとを備える。可動部133bは、延伸方向の中央部で、キーフレキ140の方向に突出する接触部133cが形成されるように折り曲げられる。接触部133cは、キーフレキ140に形成された第2の接点149bに対応する位置に形成される。
【0030】
通常の状態では、固定部133aと第1の接点149aは当接し、接触部133cと第2の接点149bは離れている。したがって、第1の接点149aと第2の接点149bは絶縁状態になる。一方、ユーザによってキートップ174が押下されると、ベースラバー172の押し子が表面接着部163を介して接触部133cを押し下げる。その結果、接触部133cは第2の接点149bに接触し、第1の接点149aと第2の接点149bは電気的に導通する。ユーザがキートップ174の押下を止めると、板バネ133の復元力によって可動部133bが立ち上がり、接触部133cと第2の接点149bとが離れるので、再び第1の接点149aと第2の接点149bは絶縁状態になる。
【0031】
図9は、プリント基板モジュールを表面側から見た斜視図である。図10は、プリント基板モジュールの表面側の端部の一部を拡大した拡大図である。図11は、プリント基板モジュールを背面側から見た斜視図である。図12は、プリント基板モジュールの背面側の端部の一部を拡大した拡大図である。なお、図10は、図9において矢印10で指し示した部分の拡大図であり、図12は、図11において矢印12で指し示した部分の拡大図である。
【0032】
図9〜図12に示すように、本実施形態のプリント基板モジュール130は、折り返し部166がキーフレキ140の長辺の端面で折り返され、裏面接着部168が、キーフレキ140の部品配置面の裏面に貼り付けられる。これにより、トップテープ160は、表面接着部163と裏面接着部168とによって、キーフレキ140とベーステープ150とを挟み込むようになっている。なお、裏面接着部168の折り返し寸法は、裏面接着部168がキーフレキ140の裏面から剥離しないような寸法を適宜選択することができるが、例えば3.0mm以上とすることができる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、トップテープ160に折り返し部166および裏面接着部168を設けることにより、プリント基板モジュール130の防塵性を向上させ、かつ、小型化を実現することができる。すなわち、トップテープ160に折り返し部166および裏面接着部168を設けることにより、キーフレキ140の端部におけるトップテープ160の貼り付け面積を向上させることができる。また、トップテープ160に折り返し部166および裏面接着部168を設けることにより、キーフレキ140の端部における接着強度を高めることができる。したがって、本実施形態によれば、キーフレキ140の端部に配置されたメタルドーム132を繰り返し押下操作したとしても、キーフレキ140の端部でトップテープ160が剥離するのを防止することができる。その結果、プリント基板モジュール130の防塵性を向上させることができる。加えて、本実施形態によれば、キーフレキ140の端部にメタルドーム132を配置する場合に、従来のように、メタルドーム132とキーフレキ140の端面との間に所定の距離(例えば、1.6mm〜1.8mm)を設けなくてもよい。したがって、プリント基板モジュールの小型化を実現することができる。よって、本実施形態によれば、プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を実現することができる。
【0034】
なお、裏面接着部168を、少なくともキーフレキ140のメタルドーム132が配置された位置の裏面に貼り付けるようにすることができる。これによれば、メタルドーム132がキートップ174を介してユーザに押下操作されるたびに、キーフレキ140の部品配置面の裏面が裏面接着部168を押圧するので、キーフレキ140と裏面接着部168との間の密着性が保たれて裏面接着部168が剥がれ難くなる。
【実施例2】
【0035】
(プリント基板モジュールの第2の実施例)
図13は、プリント基板モジュールの第2の実施例を示す図である。図13は、プリント基板モジュールを背面側から見た平面図である。キーフレキ140およびベーステープ150については、図4,図5で示したキーフレキ140およびベーステープ150と同様であるので説明を省略する。また、トップテープ160は、裏面接着部168の形状が図6で示したトップテープ160と異なるだけであり、その他の構成については図6と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0036】
図13に示すように、トップテープ160は、キーフレキ140の長辺に対応する辺において、折り返し部166が形成され、裏面接着部168は、キーフレキ140の部品配置面の裏面に貼り付けられる。ここで、裏面接着部168は、キーフレキ140の部品配置面の裏面の一部だけではなく、キーフレキ140の部品配置面の裏面を全面的に覆うように裏面に貼りつけられる。言い換えれば、トップテープ160は、キーフレキ140の互いに対向する2辺の端面にそれぞれ折り返し部166が形成され、各折り返し部166から延伸する裏面接着部168の端面169同士は、キーフレキ140の部品配置面の裏面で対向することになる。より具体的には、裏面接着部168の端面169同士は、キーフレキ140の部品配置面の裏面における長辺同士の中間ライン近傍で対向する。
【0037】
このように、裏面接着部168を、キーフレキ140の部品配置面の裏面の一部だけではなく、キーフレキ140の部品配置面の裏面を全面的に覆うように貼り付けることにより、裏面接着部168をキーフレキ140からより剥がれ難くすることができる。また、裏面接着部168の端面169同士を、キーフレキ140の部品配置面の裏面における長辺同士の中央ライン近傍で対向させることにより、裏面接着部168とキーフレキ140の部品配置面の裏面との間に段差が生じるのを防止することができる。
【実施例3】
【0038】
(プリント基板モジュールの第3の実施例)
図14は、プリント基板モジュールの第3の実施例を示す図である。図14は、プリント基板モジュールを背面側から見た平面図である。キーフレキ140およびベーステープ150については、図4,図5で示したキーフレキ140およびベーステープ150と同様であるので説明を省略する。また、トップテープ160は、裏面接着部168の形状が図6で示したトップテープ160と異なるだけであり、その他の構成については図6と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0039】
図14に示すように、トップテープ160は、キーフレキ140の長辺に対応する辺の切り欠き144を除く部分において折り返し部166が形成され、裏面接着部168は、キーフレキ140の部品配置面の裏面に貼り付けられる。この場合も、各折り返し部166から延伸する裏面接着部168の端面169同士は、キーフレキ140の部品配置面の裏面における長辺同士の中間ライン近傍で対向する。
【0040】
これによれば、裏面接着部168をキーフレキ140から剥がれ難くすることができるとともに、裏面接着部168を折り返す際の作業を容易にすることができる。
【実施例4】
【0041】
(プリント基板モジュールの第4の実施例)
図15,図16は、プリント基板モジュールの第4の実施例を示す図である。図15は、プリント基板モジュールの折り返し部を折り返していない状態の平面図である。図16は、プリント基板モジュールの折り返し部を折り返した状態の平面図である。キーフレキ140およびベーステープ150については、図4,図5で示したキーフレキ140およびベーステープ150と同様であるので説明を省略する。また、トップテープ160は、折り返し部166の形状が図14で示したトップテープ160と異なるだけであり、その他の構成については図14と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0042】
図15,図16に示すように、トップテープ160は、キーフレキ140の長辺の切り欠き144を除く端面に対応する位置に折り返し部166が形成される。各折り返し部166は、キーフレキ140の長辺の方向に沿った両端部に半円状の切り欠き165が形成されている。
【0043】
このように、折り返し部166に切り欠き165を形成することにより、裏面接着部168を折り返す際の作業が容易となる。また、切り欠き165は半円状に限らず、例えばV字状などの切り欠きとすることもできる。
【0044】
なお、上述の実施形態は、フレキシブルプリント基板であるキーフレキ140を備えたプリント基板モジュール130について説明したが、プリント基板モジュール130の構成要素は、フレキシブルプリント基板には限られない。プリント基板モジュール130の構成要素は、以下に説明するように、リジットプリント基板とすることもできる。
【実施例5】
【0045】
(プリント基板モジュールの第5の実施例)
図17は、プリント基板モジュールの第5の実施例を示す図である。図17に示すように、携帯電話機200は、表示側筐体210と操作側筐体230とを備える。表示側筐体210と操作側筐体230は、ヒンジ構造212を介して互いに開閉可能に連結されている。携帯電話機200は、折りたたみ式の携帯電話機である。図17は、表示側筐体210および操作側筐体230が互いに開いた状態を図示している。
【0046】
表示側筐体210には、表示部214と、スピーカ216とが収容される。表示部214は、図1〜図3で説明した表示部120と同様であるので、説明を省略する。操作側筐体230には、プリント基板モジュール240とキーモジュール270とが収容される。
【0047】
プリント基板モジュール240は、キーモジュール270側の表面に複数のメタルドーム242などの接点スイッチが設けられる。キーモジュール270は、プリント基板モジュール240上に載置される矩形のベースラバー272と、ベースラバー272上に貼り付けられた複数のキートップ274とを備える。ベースラバー272は、プリント基板モジュール240側の面のメタルドーム242に対応する位置に凹状の窪みが形成されており、これによって、ベースラバー272には厚肉部と薄肉部が形成される。厚肉部はプリント基板モジュール240に載置されて薄肉部を浮動支持する。薄肉部のメタルドーム242側の面には突起状の押し子が形成され、薄肉部上にはキートップ274が貼り付けられる。ユーザがキートップ274を押下すると、ベースラバー272の薄肉部が撓み、押し子がメタルドーム242の方向に移動してメタルドーム242を押下する。
【0048】
プリント基板モジュール240は、メタルドーム242などの接点スイッチや各種部品が実装されるリジットプリント基板244と、リジットプリント基板244の部品実装面上を覆うベーステープ246とを備える。また、プリント基板モジュール240は、ベーステープ246上を覆うトップテープ248を備える。プリント基板モジュール240は、上述の実施形態のプリント基板モジュール130のキーフレキ140がリジットプリント基板244に置き換わったこと以外は、基本的にプリント基板モジュール130と同様の構成である。
【0049】
すなわち、ベーステープ246は、PETシートなどで形成され、リジットプリント基板244のキーモジュール270側の面を覆ってリジットプリント基板244に貼り付けられる。ベーステープ246には、メタルドーム242などの各種部品の形状に対応する位置に部品穴が形成される。ベーステープ246の外形は、基本的には、リジットプリント基板244の外形に対応させて形成される。ベーステープ246は、ベーステープ246の外周端面がリジットプリント基板244の外周端面より僅かに内側に位置するようなサイズに形成される。
【0050】
トップテープ248は、PETシートなどの絶縁材料で形成される。また、トップテープ248は、ベーステープ246のキーモジュール270側の面を覆ってベーステープ246に貼り付けられる表面接着部249を有する。言い換えれば、表面接着部249は、リジットプリント基板244のメタルドーム242が配置された面を覆う。表面接着部249のベーステープ246側の面には、導電性材料でドーム状に形成されたメタルドーム242の頂部が貼り付けられる。
【0051】
また、トップテープ248は、リジットプリント基板244の長辺に対応する辺において、表面接着部249から延伸し、リジットプリント基板244の長辺の端面で折り返される折り返し部250を有する。また、トップテープ248は、折り返し部250から延伸してリジットプリント基板244の部品配置面の裏面に貼り付けられる裏面接着部を有する。すなわち、トップテープ248の外形は、基本的には、リジットプリント基板244の外形に対応させて形成されるが、リジットプリント基板244の長辺に対応する辺においては、折り返し部250および裏面接着部が形成される。これにより、リジットプリント基板244とトップテープ248とを重ね合わせたら、折り返し部250および裏面接着部は、リジットプリント基板244の端面より外側へ張り出すようになる。
【0052】
そして、トップテープ248の裏面接着部は、図9〜図12で示したのと同様に、リジットプリント基板244の部品配置面の裏面に貼り付けられる。これにより、トップテープ248は、表面接着部249と裏面接着部とによって、リジットプリント基板244とベーステープ246とを挟み込むようになっている。なお、裏面接着部の折り返し寸法は、裏面接着部が裏面から剥離しないような寸法を適宜選択することができるが、例えば3.0mm以上とすることができる。
【0053】
以上、本実施形態によれば、トップテープに折り返し部および裏面接着部を設けることにより、プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を実現することができる。すなわち、トップテープに折り返し部および裏面接着部を設けることにより、プリント基板の端部におけるトップテープの貼り付け面積を向上させることができる。また、トップテープに折り返し部および裏面接着部を設けることにより、キーフレキの端部における接着強度を高めることができる。したがって、本実施形態によれば、プリント基板の端部に配置された接点スイッチを繰り返し押下操作したとしても、プリント基板の端部でトップテープが剥離するのを防止することができる。その結果、プリント基板モジュールの防塵性を向上させることができる。加えて、本実施形態によれば、プリント基板の端部にメタルドームを配置する場合に、従来のように、メタルドームとプリント基板の端面との間に所定の距離(例えば、1.6mm〜1.8mm)が確保されるようなサイズでプリント基板を形成しなくてもよい。したがって、プリント基板モジュールの小型化を実現することができる。よって、本実施形態によれば、プリント基板モジュールの防塵性を向上させ、かつ、小型化を実現することができる。
【符号の説明】
【0054】
100,200 携帯電話機
130,240 プリント基板モジュール
132,242 メタルドーム
133 板バネ
140 キーフレキ
150,246 ベーステープ
160,248 トップテープ
163,249 表面接着部
166,250 折り返し部
168 裏面接着部
169 端面
170 フロントキーモジュール
172,272 ベースラバー
174,274 キートップ
192,270 キーモジュール
244 リジットプリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板と、前記プリント基板上に配置された接点スイッチと、前記接点スイッチおよび前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面に貼り付けられた第1の面状部、前記第1の面状部から延伸して前記プリント基板の端面で折り返された折り返し部、および前記折り返し部から延伸して前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面の裏面に貼り付けられた第2の面状部を有する保護シートとを備えたプリント基板モジュールと、
前記接点スイッチに対向して前記保護シート上に設けられたキートップと、前記キートップと前記接点スイッチとの間に設けられ、前記キートップの前記接点スイッチの方向への移動に連動して前記接点スイッチの方向へ移動して前記接点スイッチを押下する突起状の押し子とを備えたキーモジュールと、
前記プリント基板モジュールおよび前記キーモジュールを収容する筐体と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記保護シートは、前記第2の面状部が少なくとも前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された位置の裏面に貼り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記保護シートは、前記プリント基板の互いに対向する2辺の端面にそれぞれ折り返し部が形成され、各折り返し部から延伸する第2の面状部の端面同士が前記プリント基板の裏面の前記対向する2辺の中間ライン近傍で対向する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記プリント基板は、フレキシブルプリント基板またはリジットプリント基板であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
プリント基板と、
前記プリント基板上に配置された接点スイッチと、
前記接点スイッチおよび前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面に貼り付けられた第1の面状部、前記第1の面状部から延伸して前記プリント基板の端面で折り返された折り返し部、および前記折り返し部から延伸して前記プリント基板の前記接点スイッチが配置された面の裏面に貼り付けられた第2の面状部を有する保護シートと、
を備えたことを特徴とするプリント基板モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−104282(P2012−104282A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250065(P2010−250065)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(592019877)富士通周辺機株式会社 (149)
【Fターム(参考)】