説明

電子機器および接点部材

【課題】 接点(端子)を固定するとともに、端子によって占有される筐体内の占有スペースを削減できる電子機器および接点部材を提供する。
【解決手段】 電子機器10は、第1筐体11と、第1筐体11の壁部37に設けられた貫通孔61に外部29から挿通されて頭部49が外部29に露出するとともに、軸部48が第1筐体11の内部28に突出するピン46と、第1筐体11の内部28において軸部48を固定する嵌合部材51とを備えている。ピン46の軸部48を嵌合部材51で固定することにより、ピン46および嵌合部材51の固定を確実に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の壁部に外部端子が設けられ、この外部端子が筐体内の回路基板に接続された電子機器および接点部材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器のなかには、外部端子からの接点(端子)がばね状の部材で構成され、このばね状の端子が基板および第1筐体間に配置され、第1筐体および基板がビスで第2筐体の内部に取り付けられたものが知られている。
第2筐体にビスが締め付けられることにより第1筐体が基板側に近づけられ、第1筐体および基板でばね状の端子が圧縮した状態に保持される。
【0003】
この電子機器によれば、ばね状の端子が圧縮された状態に保持されることにより、第1筐体および基板間の間隔が必要以上に広がった場合でも、間隔の広がりをばね状の端子で吸収でき、ばね状の端子および基板の電気的導通状態を良好に保つことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−273375号公報(要約、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電子機器は、端子および基板の電気的導通状態を良好に保つために、第2筐体の内部にばね状の端子やビスを配設する必要がある。
このため、第2筐体の内部においてばね状の端子やビスが占有するスペースが大きくなる。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、接点(端子)を固定するとともに、端子によって占有される筐体内の占有スペースを削減できる電子機器および接点部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、筐体と、前記筐体の壁部に設けられた貫通孔に外部から挿通されて頭部が外部に露出するとともに、軸部が前記筐体の内部に突出するピンと、前記筐体の内部において前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える。
【0008】
ピンに軸部および頭部を有し、ピンの軸部を嵌合部材で固定することにより、ピンおよび嵌合部材の固定を確実に行うことができる。
さらに、筐体の外部にピンの頭部を露出することにより、頭部を占有する占有スペースを筐体の内部に確保する必要がない。
これにより、ピンの軸部や嵌合部材のみの占有スペースを筐体の内部に確保すればよく、筐体内の占有スペースを削減できる。
【0009】
また、本発明の電子機器は、前記筐体に収容された回路基板と、前記嵌合部材に設けられ、前記回路基板の接点に接触する接点部とを備える。
【0010】
嵌合部材に接点部を設け、この接点部を回路基板の接点に接触するようにした。
ここで、筐体の内部においてピンの軸部が嵌合部材に固定されている。よって、嵌合部材の接点部を回路基板の接点に接触することにより、回路基板の接点を嵌合部材を介してピンの軸部に固定した状態に保つことができる。
【0011】
加えて、嵌合部材に接点部を設けることにより、ピンの軸部を固定する嵌合部材を接点部材として兼用できる。
これにより、筐体内の基板にピンの軸部を接続するための接点部材を個別に設ける必要がなく、筐体内の省スペース化を一層良好に図ることができる。
【0012】
さらに、本発明の電子機器は、前記接点部が前記筐体の厚み方向に突出するとともに、前記筐体に前記接点部を挟む一対の保持リブを備える。
【0013】
筐体に接点部を挟む一対の保持リブを備えることにより、一対の保持リブで基板側の接点部の倒れや捻れを防止し、接点部を基板と確実に接続できる。
さらに、嵌合部材をピアノ線のように細く変形しやすい部材で形成しても嵌合部材および基板の接続を確実に得ることができるので一層の省スペース化が図れる。
【0014】
また、本発明の電子機器は、前記頭部と、前記壁部の外面との間に介装された環状の両面テープを備える。
【0015】
頭部および壁部の外面間に環状の両面テープを介装することにより、両面テープでピンが筐体から抜け出すことを確実に防止できる。
また、頭部および壁部の外面間に環状の両面テープを介装することにより、両面テープを介して頭部および壁部の外面を確実に密着させることができる。
これにより、壁部に形成した貫通孔を確実に止水状態に保つことができ、貫通孔からの浸水を防ぐことができる。
【0016】
さらに、本発明の電子機器は、前記嵌合部材が、前記軸部を径方向に沿って弾性的に挟持する挟持ばね部と、前記壁部の内面に設けられ、前記嵌合部材を案内する案内リブとを備える。
【0017】
嵌合部材に挟持ばね部を備えることにより挟持ばね部で軸部を径方向に沿って弾性的に挟持するようにした。
これにより、筐体の外部から貫通孔にピンの軸部を差し込むことにより挟持ばね部を弾性変形させて挟持ばね部に軸部を接触させた状態に保持できるので組立ての容易が図れる。
【0018】
また、本発明の電子機器は、前記軸部における前記挟持ばね部に対応する位置に形成された溝を備える。
【0019】
軸部に溝を備えた。よって、筐体の外部から貫通孔にピンの軸部を差し込むことにより、溝に挟持ばね部を嵌合させることができる。
これにより、挟持ばね部に軸部を確実に接触させた状態に保持できるので組立ての一層の容易が図れる。
【0020】
さらに、本発明の接点部材は、軸部と、前記軸部よりも大きな頭部とを有するピンと、前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える。
【0021】
ピンに軸部および頭部を有し、頭部を軸部よりも大きな形状とした。そして、ピンの軸部を嵌合部材で固定することにより、ピンおよび嵌合部材の固定を確実に行うことができる。
【0022】
また、本発明の接点部材は、電子機器の筐体の外側から挿通されて頭部が外部に露出するとともに、軸部が前記筐体の内部に突出するピンと、前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える。
【0023】
筐体の外部にピンの頭部を露出することにより、頭部を占有する占有スペースを筐体の内部に確保する必要がない。
これにより、ピンの軸部や嵌合部材のみの占有スペースを筐体の内部に確保すればよく、筐体内の占有スペースを削減できる。
【0024】
さらに、本発明の接点部材は、前記嵌合部材が回路基板の接点に接触する接点部を備え、前記接点部が前記回路基板に向かって突出する。
【0025】
嵌合部材に接点部を設け、この接点部を回路基板の接点に接触するようにした。
ここで、筐体の内部においてピンの軸部が嵌合部材に固定されている。よって、嵌合部材の接点部を回路基板の接点に接触することにより、回路基板の接点を嵌合部材を介してピンの軸部に固定した状態に保つことができる。
【0026】
加えて、嵌合部材に接点部を設けることにより、ピンの軸部を固定する嵌合部材を接点部材として兼用できる。
これにより、筐体内の基板にピンの軸部を接続するための接点部材を個別に設ける必要がなく、筐体内の省スペース化を一層良好に図ることができる。
【0027】
また、本発明の接点部材は、前記嵌合部材が、前記軸部を径方向に沿って弾性的に挟持する挟持ばね部を備える。
【0028】
嵌合部材に挟持ばね部を備えることにより挟持ばね部で軸部を径方向に沿って弾性的に挟持するようにした。
このように、挟持ばね部を弾性変形させて挟持ばね部に軸部を接触させた状態に保持できるので組立ての容易が図れる。
【0029】
さらに、本発明の接点部材は、前記頭部における前記軸部の基部を周回する環状の両面テープを備える。
【0030】
頭部における軸部の基部に環状の両面テープを介装することにより、両面テープで軸部の基部を周回するようにした。
よって、軸部の周囲を環状の両面テープで確実に止水状態に保つことができ、軸部の周囲からの浸水を防ぐことができる。
【0031】
また、本発明の接点部材は、前記軸部における前記挟持ばね部に対応する位置に形成された溝を備える。
【0032】
軸部に溝を備えることにより溝に挟持ばね部を嵌合させることができる。
これにより、挟持ばね部に軸部を確実に接触させた状態に保持できるので組立ての一層の容易が図れる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の電子機器および接点部材によれば、ピンに軸部および頭部を有し、ピンの軸部を嵌合部材で固定することにより、ピンおよび嵌合部材の固定を確実に行うことができるという効果を有する。
さらに、筐体の外部にピンの頭部を露出することにより、ピンの軸部や嵌合部材のみの占有スペースを筐体の内部に確保すればよく、筐体内の占有スペースを削減できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る電子機器の使用状態(開状態)を示す斜視図
【図2】図1の第1筐体を示す分解斜視図
【図3】図2のA部拡大図
【図4】図3のB部拡大図
【図5】図4の第1筐体および接点部材を示す分解斜視図
【図6】図5のC部拡大図
【図7】図4のD−D線断面図
【図8】図4のE−E線断面図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器および接点部材について図面を参照して説明する。
【0036】
図1に示すように、本発明の実施形態である電子機器10は、第1筐体(筐体)11および第2筐体12がヒンジ部13を介して互いに相対移動可能に連結された携帯端末である。
この電子機器10は、第1筐体11に設けられた一対の接点部材15と、一対の接点部材15に接触可能な回路基板16(図2参照)と備えている。
【0037】
ヒンジ部13は、第1筐体11および第2筐体12を第1回転軸18を軸にして使用状態(開状態)と携帯状態(閉状態)との間で矢印A方向に回動自在に連結する部位である。
さらに、ヒンジ部13は、第2筐体12を第2回転軸19を軸にして矢印B方向に回動自在に連結する部位である。
すなわち、電子機器10は、第1回転軸18および第2回転軸19を有する2軸のスイベルタイプの携帯端末である。
【0038】
図2に示すように、第1筐体11は、第1ケース21および第1カバー22で略矩形体状の箱形に形成され、内部に回路基板16が収容されるとともに電装部品24が収容されている。
回路基板16は、接点部材15(具体的には、嵌合部材51の接点部52)に接触可能な一対の接点16Aを有する基板である。
この回路基板16は、電装部品24にプリント基板26を介して接続されている。
【0039】
図3、図4に示すように、第1筐体11は、第1筐体11の内部28に設けられて接点部材15(嵌合部材51の接点部52)を挟む一対の保持リブ32と、接点部材15(嵌合部材51の挟持ばね部55)を案内する案内リブ33とを備えている。
図2に示すように、第1ケース21の表面21Aにキーシート34を備え、キーシート34に操作部35を備えている。
【0040】
図4に示すように、一対の保持リブ32は、第1筐体11の壁部37の内面37Aから内部28に向けて第1筐体11の幅方向に突出するように所定間隔L(図6参照)をおいて設けられている。
さらに、一対の保持リブ32は、第1筐体11の底部38から上方に張り出されるように立設されるとともに、接点部材15(嵌合部材51の接点部52)に沿って配置されている。
よって、一対の保持リブ32間に嵌合部材51の接点部52が収容されることにより、一対の保持リブ32で嵌合部材51の接点部52が挟持されている。
【0041】
案内リブ33は、第1筐体11の壁部37の内面37Aから第1筐体11の内部28に向けて突出するように設けられている。
さらに、案内リブ33は、嵌合部材51の挟持ばね部55に沿って設けられることにより挟持ばね部55を立設させた状態に案内可能なリブである。
【0042】
図1に示すように、第2筐体12は、第2ケース41および第2カバー42で略矩形体状の箱形に形成されている。
第2ケース41の表面41Aに表示部43が設けられるとともにレシーバ44が設けられている。
レシーバ44は、振動板(図示せず)を有し、例えば通話中に受信した音声を発生する機器である。
【0043】
図5、図6に示すように、一対の接点部材15は、第1筐体11に設けられて外部充電を可能にする部材である。
この接点部材15は、第1筐体11の外側から挿通されたピン(端子)46と、ピン46を固定する嵌合部材51と、ピン46の軸部48を周回する環状の両面テープ59とを備えている。
【0044】
ピン46は、第1筐体11の壁部37に設けられた貫通孔61に外部29から挿通され外部端子の役割を果たす部材である。
このピン46は、貫通孔61に挿通可能な直線状の軸部48と、軸部48の基部48Aに設けられた頭部49とを有する。
【0045】
頭部49は、軸部48よりも半径方向に大きく張り出した状態で略矩形状に形成された端子である。
軸部48は、第1筐体11の幅方向に延出され、嵌合部材51の挟持ばね部55(後述する)に対応する位置に溝48Bが形成されている。
【0046】
ピン46によれば、第1筐体11の貫通孔61に外部29から軸部48が挿通される。
この状態において、図7に示すように、ピン46の頭部49が第1筐体11の外部29に露出されるとともに、軸部48が第1筐体11の内部28に突出されている。
図8に示すように、軸部48が第1筐体11の内部28に突出された状態で、軸部48の溝48Bに嵌合部材51の挟持ばね部55が嵌合されている。
【0047】
図4、図6に示すように、嵌合部材51は、ピアノ線を折り曲げることにより形成され、第1筐体11の内部28において軸部48を固定するとともに回路基板16の接点16A(図2参照)に接触することによりピン46を回路基板16に接触可能な部材である。
この嵌合部材51は、回路基板16の接点16Aに接触する接点部52と、軸部48を径方向に沿って弾性的に挟持する挟持ばね部55とを備え、接点部52および挟持ばね部55で側面視略L字形に形成されている。
【0048】
嵌合部材51の接点部52は、一対の保持リブ32間に収容されることにより、一対の保持リブ32で挟持されている。
よって、一対の保持リブ32で接点部52の倒れや捻れを防止し、接点部52を回路基板16の接点16Aと確実に接続できる。
さらに、嵌合部材51をピアノ線のように細く変形しやすい部材で形成しても嵌合部材51および回路基板16の接点接続を確実に得ることができるので一層の省スペース化が図れる。
【0049】
図6、図7に示すように、接点部52は、回路基板16に沿って設けられた水平ロッド53と、水平ロッド53の先端部53Aから水平ロッド53の上方に向けて折り曲げられた接点ロッド54とを有する。
水平ロッド53は、第1筐体11の底部38に沿って第1筐体11の幅方向に延出されることにより回路基板16に沿って平行に設けられている。
【0050】
接点ロッド54は、水平ロッド53の先端部53Aから水平ロッド53の上方に重なるように傾斜状に折り曲げられ、先端部が略く字状に折り曲げられることにより頂部54Aを有する。
すなわち、接点部52は、接点ロッド54が傾斜状に折り曲げられることにより、接点ロッド54が水平ロッド53に対して第1筐体11の厚み方向に突出するように形成されている。
このように、接点ロッド54を第1筐体11の厚み方向に突出させることにより、接点ロッド54の頂部54Aが回路基板16の接点16Aに接触される。
【0051】
挟持ばね部55は、水平ロッド53の基部53Bから鉛直に立ち上げられた鉛直ロッド56と、鉛直ロッド56の上端部から鉛直ロッド56に重なるように折り曲げられたばねロッド57とを有する。
鉛直ロッド56は、水平ロッド53の基部53Bから第1筐体11の壁部37の内面37Aに沿って鉛直に立ち上げられ、上端部近傍に係止部56Aを有する。
この係止部56Aは、軸部48の溝48Bに係止可能な部位である。
【0052】
ばねロッド57は、鉛直ロッド56の上端部から鉛直ロッド56に重なるように内面37Aに沿って折り曲げられている。
このばねロッド57は、鉛直ロッド56に対して離れる方向と近づく方向とに弾性変形可能なロッドであって、軸部48の溝48Bに係止可能な湾曲部57Aを有する。
【0053】
ばねロッド57の湾曲部57Aおよび鉛直ロッド56の係止部56Aで空間63が形成されている。
ばねロッド57の湾曲部57Aおよび鉛直ロッド56の係止部56Aは、軸部48に対して直交する方向(すなわち、第1筐体11の壁部37の内面37Aに沿った方向)に向いて配置されている。
【0054】
挟持ばね部55によれば、湾曲部57Aおよび係止部56Aの空間63に軸部48が挿通されることにより係止部56Aが湾曲部57Aから離れる方向に弾性変形する。
そして、軸部48の溝48Bが空間63に位置した状態で、挟持ばね部55のばね力で軸部48の溝48Bに係止部56Aおよび湾曲部57Aが係止する。
【0055】
すなわち、挟持ばね部55は、鉛直ロッド56の係止部56Aおよびばねロッド57の湾曲部57Aで軸部48の溝48Bを径方向に沿って弾性的に挟持可能な部位である。
これにより、第1筐体11の外部29から貫通孔61にピン46の軸部48を差し込むことにより、挟持ばね部55を弾性変形させて挟持ばね部55に軸部48を接触させた状態に保持できるので組立ての容易が図れる。
【0056】
ここで、挟持ばね部55は、図4に示すように、案内リブ33で内面37Aに沿って鉛直に立設された状態に保持されている。
よって、第1筐体11の外部29から貫通孔61にピン46の軸部48を差し込む際に、挟持ばね部55の湾曲部57Aを案内リブ33で所定位置に保持して好適に弾性変形させることができる。
これにより、挟持ばね部55を好適に弾性変形させて挟持ばね部55に軸部48を確実に接触させることができる。
【0057】
加えて、軸部48に溝48Bを備えることにより、第1筐体11の外部29から貫通孔61にピン46の軸部48を差し込むことにより、溝48Bに挟持ばね部55を嵌合させることができる。
これにより、挟持ばね部55に軸部48を確実に接触させた状態に保持できるので組立ての一層の容易が図れる。
【0058】
図7、図8に示すように、両面テープ59は、ピン46の頭部49における軸部48の基部48Aを周回可能に環状に形成されている(図6も参照)。
この両面テープ59は、第1筐体11の貫通孔61にピン46が挿通された状態において、ピン46の頭部49と、第1筐体11(壁部37)の外面37Bとの間に介装されている。
【0059】
この状態において、両面テープ59の一方の接着面59Aが頭部49の裏面49Aに接着され、両面テープ59の他方の接着面59Bが壁部37の外面37Bに接着されている。
これにより、ピン46が第1筐体11から抜け出すことを両面テープ59で確実に防止できる。
【0060】
また、壁部37の外面37Bおよび頭部49間に環状の両面テープ59を介装することにより、両面テープ59を介して頭部49および壁部37の外面37Bを確実に密着させることができる。
これにより、壁部37に形成した貫通孔61を確実に止水状態に保つことができ、貫通孔61からの浸水を防ぐことができる。
【0061】
以上説明したように、電子機器10によれば、挟持ばね部55を軸部48に対して直交する方向に配置し、挟持ばね部55で軸部48の溝48Bを挟持することにより、ピン46および嵌合部材51の固定を確実に行うことができる。
【0062】
この状態で、第1筐体11の外部29にピン46の頭部49が露出されている。第1筐体11の外部にピン46の頭部49を露出することにより、頭部49を占有する占有スペースを第1筐体11の内部28に確保する必要がない。
これにより、ピン46の軸部48や嵌合部材51のみの占有スペースを第1筐体11の内部28に確保すればよく、第1筐体11の内部28における占有スペースを削減できる。
【0063】
さらに、嵌合部材51に接点部52を設け、この接点部52の頂部54Aを回路基板16の接点16Aに接触するようにした。
よって、接点部52の頂部54Aを回路基板16の接点16Aに接触することにより、回路基板16の接点16Aを嵌合部材51を介してピン46の軸部48に固定した状態に保つことができる。
【0064】
加えて、嵌合部材51に接点部52を設けることにより、ピン46の軸部48を固定する嵌合部材51を接点部材として兼用できる。
これにより、第1筐体11の回路基板16にピン46の軸部48を接続するための接点部材を個別に設ける必要がなく、第1筐体11の内部28における省スペース化を一層良好に図ることができる。
【0065】
なお、本発明に係る電子機器および接点部材は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、実施形態では、電子機器10として2軸のスイベルタイプを例示したが、これに限らないで、二つ折りタイプや、2軸に加えて横オープンを可能にしたWオープンタイプ等に適用することも可能である。
【0066】
また、実施形態で使用した電子機器、第1筐体、接点部材、回路基板、保持リブ、案内リブ、ピン、軸部、溝、頭部、嵌合部材、接点部、挟持ばね部および両面テープ等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、筐体を形成する壁部の外面に外部端子が設けられ、この外部端子が筐体内の回路基板に接続された電子機器および接点部材への適用に好適である。
【符号の説明】
【0068】
10 電子機器
11 第1筐体(筐体)
12 第2筐体
13 ヒンジ部
15 接点部材
16 回路基板
16A 回路基板の接点
21 第1ケース
22 第1カバー
24 電装部品
26 プリント基板
28 内部
29 外部
32 保持リブ
33 案内リブ
37 壁部
46 ピン
48 軸部
48A 軸部の基部
48B 溝
49 頭部
51 嵌合部材
52 接点部
53 水平ロッド
54 接点ロッド
55 挟持ばね部
56 鉛直ロッド
57 ばねロッド
59 両面テープ
61 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の壁部に設けられた貫通孔に外部から挿通されて頭部が外部に露出するとともに、軸部が前記筐体の内部に突出するピンと、
前記筐体の内部において前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記筐体に収容された回路基板と、
前記嵌合部材に設けられ、前記回路基板の接点に接触する接点部とを備える電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記接点部が前記筐体の厚み方向に突出するとともに、前記筐体に前記接点部を挟む一対の保持リブを備える電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記頭部と、前記壁部の外面との間に介装された環状の両面テープを備える電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記嵌合部材が、前記軸部を径方向に沿って弾性的に挟持する挟持ばね部と、
前記壁部の内面に設けられ、前記嵌合部材を案内する案内リブとを備える電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
前記軸部における前記挟持ばね部に対応する位置に形成された溝を備える電子機器。
【請求項7】
軸部と、前記軸部よりも大きな頭部とを有するピンと、
前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える接点部材。
【請求項8】
電子機器の筐体の外側から挿通されて頭部が外部に露出するとともに、軸部が前記筐体の内部に突出するピンと、
前記軸部を固定する嵌合部材と、を備える接点部材。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の接点部材において、
前記嵌合部材が回路基板の接点に接触する接点部を備え、前記接点部が前記回路基板に向かって突出する接点部材。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9のうちのいずれか1項に記載の接点部材において、
前記嵌合部材が、前記軸部を径方向に沿って弾性的に挟持する挟持ばね部を備える接点部材。
【請求項11】
請求項7ないし請求項10のうちのいずれか1項に記載の接点部材において、
前記頭部における前記軸部の基部を周回する環状の両面テープを備える接点部材。
【請求項12】
請求項10に記載の接点部材において、
前記軸部における前記挟持ばね部に対応する位置に形成された溝を備える接点部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156646(P2012−156646A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12253(P2011−12253)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】