説明

電子機器および撮像装置

【課題】表示方向の如何にかかわらず表示輝度が適切な表示部を備える電子機器。
【解決手段】電子機器であって、本体ユニットと、本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、表示ユニットに設けられた表示部と、表示ユニットに設けられた、周囲の明るさを検出する照度検出部と、照度検出部の出力に基づいて表示部の輝度を調整する表示輝度調整部とを備える。上記電子機器において、照度検出部は、表示部と、表示ユニットを変位させる変位機構の間に設けられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置と、当該表示装置の表示内容に関連した対象物の照度または輝度を測定する測定装置とを備え、測定装置の測定結果に応じて表示装置の表示輝度を調整する電子機器がある(特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−199256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、表示装置の表示方向を本体に対して変更できる電子機器では、調整された表示装置の表示が常に見易くなるとは限らなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、本体ユニットと、本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、表示ユニットに設けられた表示部と、表示ユニットに設けられた、周囲の明るさを検出する照度検出部と、照度検出部の出力に基づいて表示部の輝度を調整する表示輝度調整部とを備える電子機器が提供される。
【0005】
また、本発明の第二態様として、本体ユニットと、本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、表示ユニットに設けられた表示部と、周囲の明るさを検出する照度検出部と、表示ユニットの変位状態を検出する変位検出部と、照度検出部の出力および変位検出部の出力に基づいて表示部の輝度を調整する表示輝度調整部とを備える電子機器が提供される。
【0006】
更に、本発明の第三態様として、上記電子機器のいずれかである撮像装置であって、被写体を測光する測光部を備え、表示輝度調整部は、測光部の出力を加味して表示部の輝度を調整する撮像装置が提供される。
【0007】
また更に、本発明の第四態様として、本体ユニットと、本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、表示ユニットに設けられた表示部と、表示ユニットに設けられた、周囲の明るさを検出する照度検出部とを備えた電子機器において、表示部の輝度を調整する輝度調整プログラムであって、電子機器のコンピュータに、照度検出部の出力に基づいて表示部の輝度を調整させる手順を実行させる輝度調整プログラムが提供される。
【0008】
また更に、本発明の第五態様として、本体ユニットと、本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、表示ユニットに設けられた表示部と、周囲の明るさを検出する照度検出部と、表示ユニットの変位状態を検出する変位検出部とを備えた電子機器において、表示部の輝度を調整する輝度調整プログラムであって、電子機器のコンピュータに、照度検出部の出力および変位検出部の出力に基づいて表示部の輝度を調整させる手順を実行させる輝度調整プログラムが提供される。
【0009】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これら特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】デジタルカメラ100の斜視図である。
【図2】内部回路200を模式的に示すブロック図である。
【図3】表示輝度調整部212の制御手順を示す流れ図である。
【図4】デジタルカメラ100の斜視図である。
【図5】デジタルカメラ100の位置関係を示す模式図である。
【図6】デジタルカメラ100の斜視図である。
【図7】デジタルカメラ100の位置関係を示す模式図である。
【図8】デジタルカメラ100の斜視図である。
【図9】デジタルカメラ100の位置関係を示す模式図である。
【図10】デジタルカメラ101の斜視図である。
【図11】デジタルカメラ101と光源の位置関係を示す模式図である。
【図12】デジタルカメラ102の斜視図である。
【図13】内部回路202を模式的に示すブロック図である。
【図14】表示輝度調整部216の制御手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、デジタルカメラ100を斜め後方から見下ろした様子を示す斜視図である。デジタルカメラ100は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換素子と電子回路とを備え、被写体像を画像データとして記録する撮像装置である。
【0013】
デジタルカメラ100は、カメラ本体110と、カメラ本体110に対して着脱できる交換レンズ120とを含む。カメラ本体110は、ユーザがデジタルカメラ100を操作する場合に操作する操作部と、ユーザに対して情報を表示する表示ユニット140とを有する。
【0014】
操作部は、カメラ本体110の表面に配されたレリーズボタン132、ダイヤル134、十字キー136、押しボタン138等を含む。表示ユニット140は、カメラ本体110に対して、二軸ヒンジ150を介して結合される。
【0015】
即ち、二軸ヒンジ150は、図中に一点鎖線X、Yにより示す水平なX軸および垂直なY軸の2軸について表示ユニット140を軸支して変位機構を形成する。これにより、表示ユニット140は、カメラ本体110に対して2軸で回動して任意の向きに変位できる。
【0016】
表示ユニット140は、表示パネル142および照度検出部144を有する。表示パネル142は、例えば、液晶表示パネルを用いて形成でき、表示ユニット140の大部分の面積を締める。
【0017】
図示の状態では、表示パネル142は、カメラ本体110の背面に現れている。しかしながら、二軸ヒンジ150において表示パネル142を反転させることにより、表示パネル142をカメラ本体110の背面と対向させて、表面から隠すこともできる。このような状態では、表示パネル142の表面が保護される。
【0018】
照度検出部144は、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオード等により形成でき、入射光の照度を検出する。なお、照度検出部144は、外部から受光できる位置であれば他の位置にも配置できる。しかしながら、表示パネル142と二軸ヒンジ150の間に配置することにより、表示ユニット140が変位した場合も、照度検出部144は表示パネル142の表示方向から受光した光の照度を検出できる。
【0019】
図2は、デジタルカメラ100の内部回路200を模式的に示すブロック図である。内部回路200は、CPU210と、CPU210に直接または間接に接続された要素により形成される。これにより、CPU210は、ロードされたプログラムを実行してデジタルカメラ100全体を包括的に制御する。
【0020】
CPU210には、プログラムメモリ220およびメインメモリ230が接続される。プログラムメモリ220は、不揮発性記録媒体および読出専用記録媒体の少なくとも一方を含み、CPU210が実行するファームウエア等を、電力の供給なしに保持する。メインメモリ230はRAMを含み、CPU210の作業領域として使用される。
【0021】
CPU210には、撮像部260も接続される。撮像部260は、撮像素子駆動部262、撮像素子264、アナログデジタル変換器266および画像処理部268を含む。撮像素子264は、撮像素子駆動部262に特定のタイミングで駆動され、被写体像を光電変換して画像信号を出力する。
【0022】
撮像素子264から出力された画像信号は、アナログデジタル変換器266により離散化され、画像処理部268において画像データに変換される。画像処理部268は、画像データを生成する過程で、画像のホワイトバランス、シャープネス、ガンマ、階調補正、圧縮等を調整する。
【0023】
画像処理部268において生成された画像データは、二次記憶媒体270に格納して保存される。二次記憶媒体270としては、フラッシュメモリカード等の不揮発性記憶素子を備えた媒体が使用される。二次記憶媒体270の少なくとも一部は、カメラ本体110から着脱して交換できる。
【0024】
更に、CPU210には、入力部280および表示駆動部290が接続される。入力部280は、レリーズボタン132、ダイヤル134、十字キー136、押しボタン138等の操作部130からの入力を受け付け、入力された指示、設定値等を保持する。CPU210は、入力部280を参照して動作条件を決定する。
【0025】
表示駆動部290は、表示ユニット140の表示パネル142に表示する画像を生成する。また、表示駆動部290は、表示パネル142の表示輝度、コントラスト、彩度等を変化させる。なお、表示輝度は、表示パネル142に画像、文字等が表示されている状態における表示パネル142の輝度を意味する。
【0026】
また更に、CPU210には、合焦センサ240、測光センサ250および照度検出部144が接続される。合焦センサ240は、交換レンズ120が形成した被写体像から合焦位置を検出し、撮像素子264上に被写体光束が結像するように、交換レンズ120を合焦させる。
【0027】
測光センサ250は、カメラ本体110に内蔵され、交換レンズ120を通じてカメラ本体110に入射した被写体光束の一部を受光して被写体輝度を検出する。照度検出部144は、検出した照度に応じた信号を出力する。CPU210は、表示パネル142の周囲の明るさを示す信号として、照度検出部144の出力を参照する。
【0028】
上記のような内部回路200を有するデジタルカメラ100において、CPU210は、入力部280に保持された設定と、測光センサ250の検出結果とを参照して、撮像素子264の感度、シャッタ速度、絞り開度、補助照明の有無等の撮影条件を決定する。また、CPU210は、決定した撮影条件に基づいた指示を、撮像に先立ってデジタルカメラ100の各部に発信する。
【0029】
更に、CPU210は表示輝度調整部212を含む。表示輝度調整部212は、照度検出部144の出力を参照しつつ表示駆動部290に指示を発信することにより、表示パネル142における表示輝度を調整する。
【0030】
即ち、ユーザから見て表示パネル142の周囲が明るい場合は、表示パネル142の表示輝度を高くしないと、表示パネル142の表示内容が観察し難い。一方、ユーザから見て表示パネル142の周囲が暗い場合は、表示パネル142の表示輝度が高すぎると、表示パネル142自体が眩しくて、表示パネル142の表示内容を観察し難い。そこで、表示輝度調整部212は、照度検出部144の出力を参照して表示パネル142の表示輝度を調整することにより、表示パネル142を観察し易い状態に保つ。
【0031】
図3は、表示輝度調整部212における制御手順を示す流れ図である。表示輝度調整部212は、表示パネル142が点灯されるまで待機し(ステップS101:NO)、表示パネル142が点灯されると(ステップS101:YES)、照度検出部144の出力を参照する(ステップS102)。
【0032】
ここで、表示輝度調整部212は、測光センサ250の出力を参照して、表示パネル142の表示輝度に反映させてもよい(ステップS103)。測光センサ250の出力結果を輝度調整にどのように反映させるかについては後述する。
【0033】
こうして、照度検出部144および測光センサ250の出力を参照した表示輝度調整部212は、周囲の明るさに応じた、表示パネル142の見易い表示輝度を決定して、そのような表示輝度で表示されるように、表示駆動部290に指示を発信する(ステップS104)。次に、表示輝度調整部212は、表示パネル142が消灯されたか否かを調べる(ステップS105)。
【0034】
表示パネル142による表示が継続している間(ステップS105:NO)、表示輝度調整部212は、上記のステップS102〜ステップS104による表示パネル142の表示輝度調整を継続する(ステップS105:NO)。また、ステップS105において、表示パネル142が消灯されたことが判った場合(ステップS105:YES)、表示輝度調整部212は制御を終了する。このような一連の手順を実行するプログラムは、デジタルカメラ100に当初より実装してもよいし、二次記録媒体または通信回線を通じてインストールしてもよい。
【0035】
図4は、デジタルカメラ100を斜め後方から見上げた様子を示す斜視図である。同図は、デジタルカメラ100において表示ユニット140を変位させた状態を示す。図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0036】
表示ユニット140は、二軸ヒンジ150のX軸の回りに僅かに回動している。これにより、表示パネル142は、カメラ本体110に対して、やや下方を向いている。表示ユニット140に設けられた照度検出部144も、表示パネル142と同じ方向を向いている。
【0037】
図5は、図4に示した状態で使用されるデジタルカメラ100と光源330との位置関係を示す模式図である。図示のように、ユーザ310の目の高さに対して、被写体320はやや下方に位置している。しかしながら、図4に示したように、表示ユニット140の上側を開いて表示パネル142をやや下方に向けているので、ユーザ310は、デジタルカメラ100を下方に向けつつも、かがむことなく表示パネル142を見ることができる。
【0038】
このとき、被写体320を照明する光源330は、ユーザ310および被写体320の双方にとって上方にある。また、被写体320を撮影するデジタルカメラ100から見て順光になるように、光源330はユーザ310およびデジタルカメラ100寄りの位置にある。
【0039】
このため、被写体320は、光源330に十分に照明され、高い被写体輝度を生じている。よって、カメラ本体の測光センサ250は、高い被写体輝度を検出している。一方、表示ユニット140は、光源330を背にしており、表示パネル142に光源330の光は当たっていない。よって、表示パネル142の表面は影になっている。
【0040】
このような場合、被写体320を測光する測光センサ250は高い被写体輝度を検出しているが、表示パネル142の周囲は明るくない。よって、表示輝度調整部212は、表示パネル142の表示輝度を低くする。これにより、ユーザ310は、表示パネル142において適度な明るさの画像を観察できる。このように、表示輝度調整部212は、表示パネル142と同じ面に配された照度検出部144により検出した照度に応じて表示パネル142の表示輝度を算出できる。
【0041】
図6は、デジタルカメラ100を斜め後方から見下ろした様子を示す斜視図である。図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0042】
表示ユニット140は、二軸ヒンジ150のX軸の回りに90°以上回動している。また、Y軸の回りに180°反転している。これにより、表示パネル142は、カメラ本体110に対して、上方を向いている。表示ユニット140に設けられた照度検出部144も、表示パネル142と同じ方向を向く。
【0043】
図7は、図6に示した状態で使用されるデジタルカメラ100と光源330の位置関係を示す模式図である。図示のように、ユーザ310の目の高さに対して、デジタルカメラ100の位置はやや下方にある。表示パネル142は、上方を向いているので、ユーザ310は、表示パネル142を上方から覗き込む。
【0044】
光源330は、被写体320に対しても、表示パネル142に対しても、上方から照明光を照射する。このため、被写体320および表示パネル142は、いずれも明るく照明される。よって、照度検出部144と測光センサ250の検出結果が一致する。
【0045】
表示輝度調整部212は、照度検出部144の検出結果を参照して、表示パネル142の表示輝度を高く決定する。これにより、ユーザ310は、明るい表示パネル142において見易い画像を観察できる。
【0046】
図8は、デジタルカメラ100を斜め前方からやや見下ろした様子を示す斜視図である。図1と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0047】
図示の状態において、表示ユニット140は、二軸ヒンジ150のX軸の回りに略180°回動して、カメラ本体110の直下に位置している。このため、表示パネル142および照度検出部144は、カメラ本体110に対して、交換レンズ120と同じ側を向いている。換言すれば、測光センサ250と、照度検出部144は、略同じ方向に入射する光を検出する。
【0048】
図9は、図8に示した状態で使用されるデジタルカメラ100と光源の位置関係を示す模式図である。図示のように、交換レンズ120および表示パネル142は、いずれもユーザ310の方を向いている。
【0049】
この状態でレリーズボタン132を押した場合、デジタルカメラ100は、ユーザ310自身を撮影する。即ち、この状態では、ユーザ310が被写体320でもある。また、図示の状態では、表示パネル142は、カメラ本体110の下側に位置するので、光源330から照射された光は、カメラ本体110に遮られる。よって、表示パネル142は、カメラ本体110の影の中に位置する。このため、交換レンズ120および照度検出部144が同じ方向を向いているにもかかわらず、両者の検出結果は大きく相違する。
【0050】
しかしながら、表示輝度調整部212は、照度検出部144の出力に応じて表示パネル142の表示輝度を決定するので、表示パネル142は、カメラ本体110の影の暗い環境に適した、ユーザ310にとって見易い表示輝度で画像を表示する。
【0051】
ところで、図8および図9に類似した状況として、表示ユニット140が自分撮りの位置にある場合であっても、デジタルカメラ100が縦位置撮影状態になっている場合がある。このような場合、表示パネル142は、カメラ本体110の側方に並ぶので、表示パネル142にカメラ本体110の影が落ちることはない。よって、照度検出部144は高い照度を検出するので、表示輝度調整部212はそれに応じた表示輝度を決定する。
【0052】
図10は、図9までに示したデジタルカメラ100の変形例であるデジタルカメラ101を斜め前から見下ろした様子を示す斜視図である。以下に説明する部分を除くと、デジタルカメラ101は、デジタルカメラ100と同じ構造を有する。よって、共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0053】
デジタルカメラ101は、表示パネル142と二軸ヒンジ150の間に配されている照度検出部144に加えて、もうひとつの照度検出部146を備える。追加された照度検出部146は、表示ユニット140において二軸ヒンジ150から遠い側の端部近傍に配される。照度検出部146自体は、既存の照度検出部144と同様に、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオード等を用いて形成される。
【0054】
図11は、図10に示したデジタルカメラ101と光源の位置関係を示す模式図である。図示の状態は、図9に示した状態と同様に、交換レンズ120および表示パネル142がいずれもユーザ310の方を向いている。ただし、カメラ本体110および表示ユニット140は全体に後傾して、表示パネル142の下端近傍に光源330の光が直接に当たっている。
【0055】
このため、二軸ヒンジ150近傍の照度検出部144は低い照度を検出し、追加された照度検出部146は高い照度を検出する。よって、表示輝度調整部212は、表示パネル142の図中上端付近を低い表示輝度で、図中下端付近を高い表示輝度で表示するように、表示パネル内に表示輝度の分布が形成されるように調整してもよい。これにより、照度分布のある環境でも、表示パネル142全体を見やすくすることができる。
【0056】
このように、複数の照度検出部144、146を設けることにより、表示パネル142の表示輝度をより細かく調整できる。複数の照度検出部144、146の一部は、デジタルカメラ100のカメラ本体110に設けてもよい。更に、デジタルカメラ100の測光センサ250を、複数の照度検出部144、146の一部として使用してもよい。
【0057】
図12は、他のデジタルカメラ102を斜め後方から見下ろした様子を示す斜視図である。デジタルカメラ102は、以下に説明する部分を除くと、図9までに示したデジタルカメラ100と同じ構造を有する。よって、共通の要素には、同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0058】
デジタルカメラ102は、照度検出部148が、表示ユニット140ではなく、カメラ本体110の背面上部に配されている点で、デジタルカメラ100と異なっている。照度検出部148自体は、デジタルカメラ100の照度検出部144と同様に、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオード等を用いて形成される。
【0059】
図13は、デジタルカメラ102の他の内部回路202を模式的に示すブロック図である。内部回路202も、以下に説明する部分を除くと、図2に示した内部回路200と同じ構造を有する。よって、共通の要素には、同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0060】
デジタルカメラ102の内部回路202において、CPU210は表示輝度調整部216および距離取得部214を含む。また、CPU210は、姿勢検出部112および変位検出部152に接続される。
【0061】
姿勢検出部112は、カメラ本体110に対して固定された加速センサ、ジャイロセンサ等により形成され、カメラ本体110が、重力方向に対してどのように傾斜しているかを検出する。変位検出部152は、二軸ヒンジ150のX軸およびY軸の回動量を検出する。これにより、変位検出部152は、表示ユニット140が、カメラ本体110に対してどのような位置に変位したかを検知する。
【0062】
よって、表示輝度調整部216は、姿勢検出部112の出力および変位検出部152の出力を併せて参照することにより、表示パネル142が重力方向に対してどのような方向を向いているかを検知する。また、表示輝度調整部216は、表示パネル142に対してカメラ本体110がどの位置にあるかを検知する。
【0063】
更に、表示輝度調整部216は、測光センサ250により検出された被写界照度を参照する。これにより、CPU210は、測光センサ250からカメラ本体110の前側の照度を、照度検出部148からカメラ本体110の後側の照度を獲得できる。
【0064】
距離取得部214は、合焦センサ240の検出結果と、交換レンズ120との通信結果から、被写体320とデジタルカメラ102との距離を算出する。算出された距離は、表示輝度調整部216に参照される。
【0065】
図14は、表示輝度調整部216の制御手順を示す流れ図である。表示輝度調整部216は、表示パネル142が表示されるまで待機し(ステップS201:NO)する。
【0066】
表示パネル142が点灯されると(ステップS201:YES)、表示輝度調整部216は、まず、照度検出部144の出力を参照し(ステップS202)、次いで、測光センサ250の出力を参照する(ステップS203)。これにより、表示輝度調整部216は、カメラ本体110の前側および後側の照度を検知する。
【0067】
次に、表示輝度調整部216は、姿勢検出部112の出力を参照し(ステップS204)、次いで、変位検出部152の出力を参照する(ステップS205)。これにより、表示輝度調整部216は、表示パネル142の向きを検知すると共に、表示パネル142に対してカメラ本体110がどのような位置関係にあるかを検知する。
【0068】
よって、表示輝度調整部216は、ステップS202およびステップS203で検出された照度が、表示パネル142に対してどのように影響するかを検知できる。また、表示パネル142における照度に対して、カメラ本体110がどのように影響を与えるかを検知できる。こうして、表示輝度調整部216は、表示パネル142の状態に適した表示輝度を算出する(ステップS206)。
【0069】
ここで、表示輝度調整部216は、変位検出部152の出力に基づいて、表示ユニット140の向きが、図9または図10に示すように、交換レンズ120の向きと同じであるか否かを調べる(ステップS207)。表示ユニット140の向きと交換レンズ120の向きが異なる場合(ステップS207:NO)、表示輝度調整部216は、検出照度に基づいて算出された表示輝度を、表示パネル142に設定する表示輝度として決定する(ステップS209)。
【0070】
表示ユニット140の向きと交換レンズ120の向きが同じ場合(ステップS207:YES)、表示輝度調整部216は、被写体320との距離を距離取得部214から参照する(ステップS208)。被写体320でもあるユーザ310がデジタルカメラ102から離れている場合、表示輝度調整部216は、表示パネル142に設定すべく検出照度に基づいて算出された表示輝度よりも高い表示輝度を決定する(ステップS209)。また、ユーザ310がデジタルカメラ102の近くにいる場合、表示輝度調整部216は、検出照度に基づいて算出された表示輝度と同じか、より低い表示輝度を決定する(ステップS209)。
【0071】
表示輝度調整部216は、こうして決定した表示輝度を表示駆動部290に取得させて、表示パネルの表示輝度を調整し(ステップS210)、表示パネル142は当該表示輝度により画像を表示する。更に、表示輝度調整部216は、表示パネル142が消灯したかどうかを調べ(ステップS211)、表示パネル142による表示が継続している間(ステップS211:NO)は、上記のステップS202〜ステップS210による表示パネル142の輝度調整を継続する。
【0072】
表示パネル142が消灯されたことが判った場合(ステップS211:YES)、表示輝度調整部216は調整を終了する。このような一連の手順は、デジタルカメラ100に当初より実装してもよいし、磁気媒体、光磁気媒体または通信回線を通じてインストールしてもよい。
【0073】
なお、表示輝度調整部216は、デジタルカメラ102が同じ場所にある期間内にステップS202からステップS205までの手順を繰り返することにより、デジタルカメラ102の周囲の照度分布を検出してもよい。これにより、表示輝度調整部216は、表示パネル142における照度分布を詳細に把握して、ステップS206において適切な表示輝度を算出できる。
【0074】
以上説明したように、表示輝度調整部216は、合焦センサ240、測光センサ250、姿勢検出部112、照度検出部144および変位検出部152の出力を参照して、表示パネル142の表示輝度を制御してもよい。これにより、ユーザ310は、適切な輝度に調整された表示パネル142を見ながらデジタルカメラ100、101、102で撮影することができる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0076】
100、101、102 デジタルカメラ、110 カメラ本体、112 姿勢検出部、120 交換レンズ、130 操作部、132 レリーズボタン、134 ダイヤル、136 十字キー、138 押しボタン、140 表示ユニット、142 表示パネル、144、146、148 照度検出部、150 二軸ヒンジ、152 変位検出部、200、202 内部回路、210 CPU、212、216 表示輝度調整部、214 距離取得部、220 プログラムメモリ、230 メインメモリ、240 合焦センサ、250 測光センサ、260 撮像部、262 撮像素子駆動部、264 撮像素子、266 アナログデジタル変換器、268 画像処理部、270 二次記憶媒体、280 入力部、290 表示駆動部、310 ユーザ、320 被写体、330 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、
前記表示ユニットに設けられた表示部と、
前記表示ユニットに設けられた、周囲の明るさを検出する照度検出部と、
前記照度検出部の出力に基づいて前記表示部の輝度を調整する表示輝度調整部と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記照度検出部は、前記表示部と、前記表示ユニットを変位させる変位機構の間に設けられる請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、
前記表示ユニットに設けられた表示部と、
周囲の明るさを検出する照度検出部と、
前記表示ユニットの変位状態を検出する変位検出部と、
前記照度検出部の出力および前記変位検出部の出力に基づいて前記表示部の輝度を調整する表示輝度調整部と
を備える電子機器。
【請求項4】
前記本体ユニットの姿勢を検出する姿勢検出部を備え、
前記表示輝度調整部は、前記姿勢検出部の出力を加味して前記表示部の輝度を調整する請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器は撮像装置であって、
被写体を測光する測光部を備え、
前記表示輝度調整部は、前記測光部の出力を加味して前記表示部の輝度を調整する撮像装置。
【請求項6】
被写体距離に関する情報を取得する距離取得部を備え、
前記表示輝度調整部は、前記距離取得部の出力を加味して前記表示部の輝度を調整する請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、
前記表示ユニットに設けられた表示部と、
前記表示ユニットに設けられた、周囲の明るさを検出する照度検出部と
を備えた電子機器において、前記表示部の輝度を調整する輝度調整プログラムであって、
前記電子機器のコンピュータに、前記照度検出部の出力に基づいて前記表示部の輝度を調整させる手順を実行させる輝度調整プログラム。
【請求項8】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して変位する表示ユニットと、
前記表示ユニットに設けられた表示部と、
周囲の明るさを検出する照度検出部と、
前記表示ユニットの変位状態を検出する変位検出部と
を備えた電子機器において、前記表示部の輝度を調整する輝度調整プログラムであって、
前記電子機器のコンピュータに、前記照度検出部の出力および前記変位検出部の出力に基づいて前記表示部の輝度を調整させる手順を実行させる輝度調整プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−53401(P2012−53401A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197816(P2010−197816)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】