説明

電子機器

【課題】 筐体と蓋部材との間の機械的ガタを吸収するとともに、ロック解除操作後、蓋部材が閉じ位置にあるときにはロック解除状態を保持する。
【解決手段】 装填蓋16は、ヒンジ部31を介して開閉自在に取り付けられている。ロック機構30は、蓋ロック部材41と、コイルバネ42と、操作部材20と一体に形成されたロック解除保持部材43と、筐体3に形成された係止突起46,47とからなる。閉じ位置且つロック状態のとき、蓋ロック部材41のロック爪52は、傾斜面52bが係止突起46に係止されて保持されている。操作部材20を下方へ移動してロック解除操作を行うと、ロック爪52と係止突起46の係止が解除されるとともに、ロック解除保持部材43の被係止爪43bが係止突起47に係止される。蓋16が開放位置へ移動すると、係止突起47による被係止爪43bの係止は解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体を開閉する蓋部材を閉じ位置にロックするとともに、操作部材のロック解除操作により蓋部材の開放位置への移動を許容する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子機器などの筐体に対して開閉自在に取り付けられた蓋部材を閉じ位置に保持するロック機構が設けられている。このロック機構は、筐体又は蓋部材に設けられた操作部材を操作することによってロックを解除し、蓋部材の開放位置への移動を許容する。このようなロック機構を設けた蓋部材の構造は、例えば特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されているカメラの背蓋のロック機構では、背蓋開閉ツマミに設けられた係止部が背蓋に設けられたロック爪を係止した後、背蓋開閉ツマミが斜めに移動する構成としており、これによって背蓋開閉状態に生じるカメラと背蓋との隙間を吸収し、機械的ガタを無くすようにしている。また、特許文献2に記載されているカメラでは、蓋部材のロック爪に係合する係合位置に付勢されたロック部材と、このロック部材とともにロック爪を挟み込む突起部によってロック爪を背蓋の閉じ方向に引き込み、カメラと背蓋との隙間を無くすようにしている。
【0004】
一方、特許文献3に記載されている蓋開閉装置では、操作部材を操作して蓋をロック解除状態にした後、この蓋が開放位置に移動するまではロック解除状態が保持されるようになっており、ロック解除後に外的負荷によって蓋を開くことができないような状態になっても、その外的負荷を取り除けば、再度ロック解除操作を行うことなしに、蓋が開かれるようになっている。
【特許文献1】特開平7−281261号公報
【特許文献2】特開平11−202392号公報
【特許文献3】特開平11−220271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1,2記載のロック機構の構造では、蓋部材と筐体との間の機械的ガタを吸収して蓋部材を隙間無く閉じ位置に保持することができるものの、特許文献1,2のような構成とすると、部品点数が多く、またこのようなロック機構を組み込むためのスペースを筐体側に大きく取る必要がある。よって、機器全体のローコスト化の妨げとなり、また限られた組み込みスペースしかない電子機器の筐体には、このような機構を組み込むことができない。
【0006】
また、上記特許文献3では、蓋部材をロック解除状態とすると、開放位置に移動するまでロック解除状態が保持されるようになっており、操作部材の無駄な操作を省き、良好な操作性を得ることができるが、やはり、部品点数が多く、筐体側にスペースを大きく取らなくてはならない。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、筐体と蓋部材との間の機械的ガタを吸収して隙間無く閉じ位置に保持することを可能とするとともに、ロック解除操作後、蓋部材が閉じ位置にあるときにはロック解除状態を保持する構造を持った電子機器をローコストに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、開口が形成された筐体と、一端に設けられたヒンジ部を介して前記筐体に取り付けられ、前記開口を閉塞する閉じ位置、及び開放する開放位置の間で回動可能とされた蓋部材と、この蓋部材を閉じ位置にロックするロック機構と、前記蓋部材に設けられ、前記ロック機構のロックを解除して前記蓋部材の開放位置への回動を許容するロック解除操作を行う操作部材とを備えた電子機器において、前記ロック機構は、前記開口の近傍で前記筐体に設けられた第1の係止突起と、前記第1の係止突起の突出方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、この傾斜面が前記係止突起に当接して係止されるロック位置、及び前記第1の係止突起から退避して係止が解除されるロック解除位置の間で移動自在に設けられ、前記操作部材と連動する蓋ロック部材と、この蓋ロック部材を前記ロック位置に付勢する付勢部材と、前記操作部材と一体に設けられ、前記蓋ロック部材をロック解除位置に保持するロック解除保持位置、及び前記蓋ロック部材の移動を許容するロック許容位置の間で移動自在に設けられたロック解除保持部材とからなり、前記操作部材のロック解除操作をしたとき、この操作部材の移動に連動した前記蓋ロック部材が付勢に抗してロック解除位置に移動するとともに前記ロック解除保持部材がロック許容位置からロック解除保持位置に移動して前記蓋部材がロック解除状態となり、このロック解除状態の前記蓋部材が開放位置に移動すると、前記ロック解除保持部材がロック解除保持位置からロック許容位置に移動して前記蓋ロック部材が前記ロック位置に復帰することを特徴とする。
【0009】
なお、前記筐体の前記ヒンジ部近傍には、前記蓋部材の回転方向に向かって突出する第2の係止突起が設けられており、前記ロック解除保持部材は、前記ロック解除保持位置にあるときに前記第2の係止突起の係止され、前記ロック許容位置にあるときに前記第2の係止突起による係止が解除されることが好ましい。また、前記第2の係止突起には、前記蓋部材の回転方向に対して傾斜する位置決め傾斜面が形成されており、前記蓋部材が閉じ位置且つ前記蓋ロック部材がロック位置にあるときに前記ロック解除保持部材の先端面が前記位置決め傾斜面と当接するように配設していることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子機器は、蓋部材のロック機構は、筐体の開口近傍で筐体に設けられた第1の係止突起と、第1の係止突起の突出方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、この傾斜面が第1の係止突起に当接して係止されるロック位置、及び第1の係止突起から退避して係止が解除されるロック解除位置の間で移動自在に設けられ、操作部材と連動する蓋ロック部材と、この蓋ロック部材をロック位置に付勢する付勢部材と、操作部材と一体に設けられ、蓋ロック部材をロック解除位置に保持するロック解除保持位置、及び蓋ロック部材の移動を許容するロック許容位置の間で移動自在に設けられたロック解除保持部材とからなり、操作部材のロック解除操作をしたとき、この操作部材の移動に連動した蓋ロック部材が付勢に抗してロック解除位置に移動するとともにロック解除保持部材がロック許容位置からロック解除保持位置に移動して蓋部材がロック解除状態となり、このロック解除状態の蓋部材が開放位置に移動すると、ロック解除保持部材がロック解除保持位置からロック許容位置に移動して蓋ロック部材がロック位置に復帰するという構成なので、筐体と蓋部材との間の機械的ガタを吸収して隙間無く閉じ位置に保持することを可能とするとともに、ロック解除操作後、蓋部材が閉じ位置にあるときにはロック解除状態を保持することが可能な電子機器をローコストに提供することができる。
【0011】
また、筐体の前記ヒンジ部近傍には、蓋部材の回転方向に向かって突出する第2の係止突起が設けられており、ロック解除保持部材は、ロック解除保持位置にあるときに第2の係止突起の係止され、ロック許容位置にあるときに第2の係止突起による係止が解除されるので、よりシンプルな構成とすることを可能とし、さらにローコスト化を図ることができる。
【0012】
また、第2の係止突起には、蓋部材の回転方向に対して傾斜する位置決め傾斜面が形成されており、蓋部材が閉じ位置且つ蓋ロック部材がロック位置にあるときにロック解除保持部材の先端面が位置決め傾斜面と当接するように配設しているので、機械的ガタをさらに無くすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を適用したデジタルカメラの外観斜視図を図1及び図2に示す。このデジタルカメラ2の筐体3は、正面から見て縦長の矩形状に形成されている。筐体3の前面には、撮像レンズ10を保持するレンズ鏡胴11、対物窓12が組み込まれている。筐体3の上面には、レリーズボタン13、モードダイヤル14が設けられている。
【0014】
筐体3の側面には、開口15が形成され、この開口15を開閉自在にする装填蓋16が設けられている。さらに装填蓋16には、ロック解除操作を行う操作部材20が設けられている。この装填蓋16を開放位置にすると、内部に形成されたスロット17,18が露呈する。スロット17,18には、種類の異なるメモリカード21,22がそれぞれ着脱自在に取り付けられる。スロット17,18の奥には、メモリカード21,22が接続されるコネクタ26,27が設けられている(図4参照)。メモリカード21,22としては、例えば不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリが使用されている。さらに筐体3の背面には、LCDパネル(図示せず)、接眼窓23などが設けられている。また、接眼窓23は上述の対物窓12とともに光学式ファインダを構成する。
【0015】
図3,4には、装填蓋16、及びこの装填蓋16を閉じ位置にロックするロック機構30周辺の構成を示す。装填蓋16には、その一端16aにヒンジ部31が設けられており、このヒンジ部31が、筐体3に形成された回転軸32(図4参照)に嵌合して、開口15を蓋部材16が閉塞する閉じ位置(図1に示す位置)、及び開放する開放位置(図2に示す位置)の間で回動可能とする。また、ヒンジ部31には、スリット31aが形成されており、このスリット31a内に組み込まれた捻りバネ33が装填蓋16を開放位置に付勢する。
【0016】
さらに、装填蓋16には、開口34が形成されており、この開口34から操作部材20が露呈する。開口34は、装填蓋16のヒンジ部31の軸方向と直交する方向(A方向)に延びるように形成されている。操作部材20は、この開口34に沿って移動し、装填蓋16の他端16b寄りの第1操作位置(図6(A)参照)、及び一端16a寄りの第2操作位置(図6(B)参照)の間で移動自在となっている。また、装填蓋16には、押え板36が取り付けられる。この押え板36は、装填蓋16とともに、操作部材20及びロック機構30の各種部材を挟み込んで保持する。
【0017】
ロック機構30は、図3及び図4に示すように、蓋ロック部材41と、付勢部材としてのコイルバネ42と、操作部材20と一体に形成されたロック解除保持部材43と、筐体3に形成された第1及び第2の係止突起46,47とからなる。第1の係止突起46は、開口15の近傍に2箇所形成されており、閉じ位置にある装填蓋16の他端16b付近に対応する位置からヒンジ部31に向かって突出する。
【0018】
蓋ロック部材41は、2つの円柱部51と、この円柱部51の先端にそれぞれ位置するロック爪52と、連結部53とからなる。連結部53は、2つの円柱部51を互いに平行に且つ一定間隔を置いて連結するように形成されている。円柱部51には、コイルバネ42の一端部42aが嵌め込まれる。また、コイルバネ42の他端部42bは、装填蓋16に設けられた突起部16cに取り付けられる。
【0019】
2つのロック爪52は、第1の係止突起46に対応する位置にそれぞれ設けられ、押え板36の端縁から切り欠かれたスリット36aに沿ってスライド自在に取り付けられるとともに、装填蓋16の他端16bに形成された切り欠き16dから露呈する。ロック爪52には、詳しくは図5に示すように、先端面52a、この先端面52aに向かって徐々に先細りするように延びる傾斜面52b,52c、傾斜面52bから先端面52aまでの間を繋ぐ平坦面52dが形成されている。
【0020】
傾斜面52bは、装填蓋16が閉じ位置にあるとき、第1の係止突起46の突出方向に対して傾斜するように形成されている。平坦面52dは、装填蓋16が閉じ位置にあるとき、第1の係止突起46と平行になるように形成されている。また、傾斜面52cは、傾斜面52bと反対側に位置し、装填蓋16を開放位置から閉じ位置に回動するとき、第1の係止突起46と当接するように形成されている。円柱部51に嵌めこまれたコイルバネ42は連結部53と当接して蓋ロック部材41をロック位置に付勢する。なお、蓋ロック部材41をロック位置に付勢する付勢部材はコイルバネに限らず、板バネなどでも良い。
【0021】
蓋ロック部材41は、傾斜面52bが第1の係止突起46と当接して係止され、装填蓋16が閉じ位置にロックされるロック位置、及び係止突起46から退避して係止が解除され、装填蓋16のロックを解除するロック解除位置の間で移動自在となっている。また、装填蓋16は、2つのロック爪52が第1の係止突起46によって係止されて閉じ位置に保持されるので、安定して保持され、且つ開閉動作をスムーズに行うことができる。
【0022】
第2の係止突起47は、ヒンジ部31の近傍で、装填蓋16の回転方向(B方向)に沿って突出し、ヒンジ部31と反対側の位置に方向Bに対して傾斜する位置決め傾斜面47aが形成されている。
【0023】
ロック解除保持部材43には、係止溝43a、被係止爪43bが形成されている。係止溝43aは、蓋ロック部材41の連結部53と当接する。これによって、蓋ロック部材41は、ロック解除保持部材43及び操作部材20と一体となって移動する。被係止爪43bは、押え板36に形成された切り欠き36bから突出し、先端面43cが第2の係止突起47の傾斜面47aと対面する位置にあり、この傾斜面47aを乗り越えて第2の係止突起47に係止される係止位置と、第2の係止突起47による係止が解除される係止解除位置との間で移動する。
【0024】
上記構成の作用について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6(A)は、装填蓋16が閉じ位置かつロック状態、図6(B)は装填蓋16が閉じ位置かつロック解除状態、図7(A)は、閉じ位置から開放位置への移動途中、図7(B)は、開放位置の状態を示す。
【0025】
先ず、閉じ位置に保持されている装填蓋16を開放位置へ回動するときのプロセスを説明する。閉じ位置にロックされている装填蓋16(図6(A)に示す状態)のロックを解除するには、操作部材20を第1操作位置から第2操作位置へ移動させる。これにより、蓋ロック部材41がコイルバネ42の付勢に抗してロック位置からロック解除位置に移動して、装填蓋16のロックが解除される。このとき、操作部材20と一体となって移動したロック解除保持部材43の被係止爪43bが、位置決め傾斜面47aを乗り越えて第2の係止突起47に係止される。これにより、ロック解除保持部材43と当接する蓋ロック部材41は、ロック解除位置に保持された状態となり、装填蓋16は、閉じ位置かつロック解除状態となる(図6(B)に示す状態)。
【0026】
ロック解除状態となった装填蓋16は、バネ33の付勢によって開放位置へ回動する。なお、図6(B)に示す状態のとき、外的負荷などにより装填蓋16が開放位置への移動ができないようになっても、ロック解除状態が保持されており、外的負荷を取り除けば開放位置への移動が許容される。開放位置への移動を開始した装填蓋16は、図7(A)に示すように、第2の係止突起47による被係止爪43bの係止が解除される。そして、装填蓋16が開放位置へ移動すると、コイルバネ42の付勢によって、蓋ロック部材41はロック位置へ復帰し、同時に操作部材20も第1操作位置に復帰する。このように、ロック解除操作後、装填蓋16が閉じ位置にあるときにはロック解除状態を保持し、開放位置への移動を開始すると、蓋ロック部材41の移動を許容するようになっているので、装填蓋16の開き操作において、良好な操作性を得ることができる。
【0027】
次に、開放位置に保持されている装填蓋16を閉じ位置へ回動するときのプロセスを説明する。使用者が装填蓋16を押圧して、開放位置(図7(B)に示す状態)になっている装填蓋16を閉じ位置へ回動させると、第1の係止突起46にロック爪52の傾斜面52cが当接する。装填蓋16をさらに押圧すると、第1の係止突起46を乗り越えてロック爪52が第1の係止突起46に係止され、装填蓋16が閉じ位置にロックされる。このとき、ロック爪52は、上述したように傾斜面52bが第1の係止突起46に当接しているとともにコイルバネ42によって付勢されているので、コイルバネ42の押え付ける力が装填蓋16側から筐体3側へ向かっていく。これによって、筐体3と装填蓋16との間の機械的ガタを吸収して、装填蓋16を隙間無く閉じ位置に保持することができる。さらに、ロック機構30を少ない部品で構成することができるので、装置全体のローコスト化を図ることができる。また、装填蓋16が閉じ位置にあるとき、上述したようにロック解除保持部材43の被係止爪43bが第2の係止突起47の位置決め傾斜面47aに当接しているので、ロック解除保持部材43が位置決めされ、機械的ガタをさらに無くすことができる。なお、使用者が装填蓋16を意図的に開けようとするときではなく、操作部材20が擦られたり、引っ掛かったりしたときなどに装填蓋16が開き方向への力を受けたときには、ロック爪52の平坦部52cが第1の係止突起46に当接するので、使用者が気付かないうちに装填蓋16が開いてしまうことを防ぐことができる。
【0028】
上記実施形態では、電子機器としてデジタルカメラを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、筐体に開口部が形成され、この開口部を開閉自在に取り付けられた蓋部材を有する電子機器であればどのようなものにでも適用することができる。また蓋部材の例として、メモリカードを装填可能にする装填蓋を上げているがこれに限るものではなく、例えば、電池や他のものを収納する収納室を開閉する収納蓋などでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの装填蓋を閉じ位置にしたときの外観斜視図である。
【図2】本発明を適用したデジタルカメラの装填蓋を開放位置にしたときの外観斜視図である。
【図3】装填蓋及びロック機構の構成を示す斜視図である。
【図4】装填蓋が閉じ位置にあるときの状態を示す要部断面図である。
【図5】装填蓋が閉じ位置にあるときのロック爪周辺の構成を示す要部断面図である。
【図6】装填蓋が閉じ位置にあり、ロックされた状態(A)及びロック解除された状態(B)を示す説明図である。
【図7】装填蓋が閉じ位置から開放位置に回動する途中(A)及び開放位置となった状態(B)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0030】
2 デジタルカメラ
3 筐体
16 装填蓋
20 操作部材
41 蓋ロック部材
43 ロック解除保持部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された筐体と、一端に設けられたヒンジ部を介して前記筐体に取り付けられ、前記開口を閉塞する閉じ位置、及び開放する開放位置の間で回動可能とされた蓋部材と、この蓋部材を閉じ位置にロックするロック機構と、前記蓋部材に設けられ、前記ロック機構のロックを解除して前記蓋部材の開放位置への回動を許容するロック解除操作を行う操作部材とを備えた電子機器において、
前記ロック機構は、前記開口の近傍で前記筐体に設けられた第1の係止突起と、前記第1の係止突起の突出方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、この傾斜面が前記第1の係止突起に当接して係止されるロック位置、及び前記第1の係止突起から退避して係止が解除されるロック解除位置の間で移動自在に設けられ、前記操作部材と連動する蓋ロック部材と、この蓋ロック部材を前記ロック位置に付勢する付勢部材と、前記操作部材と一体に設けられ、前記蓋ロック部材をロック解除位置に保持するロック解除保持位置、及び前記蓋ロック部材の移動を許容するロック許容位置の間で移動自在に設けられたロック解除保持部材とからなり、前記操作部材のロック解除操作をしたとき、この操作部材の移動に連動した前記蓋ロック部材が付勢に抗してロック解除位置に移動するとともに前記ロック解除保持部材がロック許容位置からロック解除保持位置に移動して前記蓋部材がロック解除状態となり、このロック解除状態の前記蓋部材が開放位置に移動すると、前記ロック解除保持部材がロック解除保持位置からロック許容位置に移動して前記蓋ロック部材が前記ロック位置に復帰することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記筐体の前記ヒンジ部近傍には、前記蓋部材の回転方向に向かって突出する第2の係止突起が設けられており、前記ロック解除保持部材は、前記ロック解除保持位置にあるときに前記第2の係止突起の係止され、前記ロック許容位置にあるときに前記第2の係止突起による係止が解除されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2の係止突起には、前記蓋部材の回転方向に対して傾斜する位置決め傾斜面が形成されており、前記蓋部材が閉じ位置且つ前記蓋ロック部材がロック位置にあるときに前記ロック解除保持部材の先端面が前記位置決め傾斜面と当接するように配設していることを特徴とする請求項2記載の電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−135257(P2006−135257A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325454(P2004−325454)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】