電子機器
【課題】音質を損ねることなく、装置の筐体の音の通過する部位から内部が見えにくいようにした電子機器を得ること。
【解決手段】スピーカ224のプロテクタ243と携帯電話機の筐体音孔224の間には、ユーザの目262に近い側の白色の上側メッシュ254と遠い側の黒色の下側メッシュ252が配置されている。筐体音孔224に外から入射する光261のうち上側メッシュ254によって反射された光261Hの強度が内部に一度入った光の反射光よりも遥かに強いので、スピーカ226の内部は事実上目262で確認できない。
【解決手段】スピーカ224のプロテクタ243と携帯電話機の筐体音孔224の間には、ユーザの目262に近い側の白色の上側メッシュ254と遠い側の黒色の下側メッシュ252が配置されている。筐体音孔224に外から入射する光261のうち上側メッシュ254によって反射された光261Hの強度が内部に一度入った光の反射光よりも遥かに強いので、スピーカ226の内部は事実上目262で確認できない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PHS、固定電話機、携帯型音楽再生装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ICレコーダ、ページャのようにスピーカ、ブザー、レシーバあるいはマイクロフォンといった音と電気の変換を行う変換手段を内蔵した電子機器に係わり、特に変換手段が変換を行うために使用する振動板の前面にメッシュ等の多数の開口を有するシート状部材を配置した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、携帯型音楽再生装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ICレコーダ、ページャのように電気信号を用いて音を再生することのできる電子機器の多くは、その機器の前面や裏面にスピーカが配置されている。スピーカの配置されている箇所には、防塵あるいは防水のために網目状のメッシュを貼ることが多い(たとえば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図10は、一般的な折りたたみ式の携帯電話機の折りたたんだ状態の背面を示したものである。この携帯電話機100の背面上部には、送受信用のアンテナ101と、第1のLED(Light Emitting Diode)ランプ102が配置されている。また、中央のやや上部には背面表示部103が配置されており、これに隣接する形で第2のLED104が配置されている。第2のLED104の下には、スピーカ105が内蔵されている。このスピーカ105には、スピーカ音孔106が合計5個配置されている。また、携帯電話機100の背面側のリア筐体カバー107には、音波を出力するための筐体音孔108〜110が開けられている。これらの筐体音孔108〜110には、メッシュ111が貼られている。
【0004】
図11は、図10におけるA−A方向でこの携帯電話機を切断した端面の状態を表わしたものである。ただし、この図では携帯電話機100が開いた状態で、図10における背面表示部103が配置されている側の筐体のみが切断されたものとして表わしている。リア筐体カバー107と接続されたフロント筐体カバー121の開口部には正面表示部を構成する液晶板122を保護するスクリーンシート123が貼り付けられている。液晶板122の背部(図で上側)には補強用の板金プレート124が固定されている。板金プレート124の液晶板122と反対側の面には回路基盤125が取り付けられている。回路基盤125にはスピーカ126のヨーク127側が固定されている。
【0005】
スピーカ126は、ヨーク(継鉄)127に取り付けられた円筒状の磁石129の周囲に巻回されたボイスコイル131が音声信号によってコーン紙等の振動板132を振動させて、音を発生させるようになっている。振動板132の上方にはスピーカ126の内部を保護するためのプロテクタ133が取り付けられており、これにはスピーカ音孔106が開けられている。プロテクタ133の周囲にはリング状にクッション134が取り付けられており、その上に1枚のメッシュ111が張られている。メッシュ111の更に上は、リア筐体カバー107が覆っている。リア筐体カバー107における図11で切断した箇所には、筐体音孔109が開けられている。
【特許文献1】特開平05−308693号公報(第0005段落、図1)
【特許文献2】実開昭59−003680(第4ページ第7行目〜第5ページ第9行目、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造の従来の携帯電話機100で、メッシュ111には各種の色が使用されている。メッシュ111は、スピーカ126に対する防塵および防水の役割を持っているが、同時に筐体内部を隠す役割も存在する。メッシュ111を構成する網目を小さくすると、筐体内部を隠す効果は向上するが、音響特性が劣化してくる。このため、従来から筐体内部を十分遮蔽できる程度までメッシュ111の網目を小さくすることは不可能であった。
【0007】
そこで、図10に示したスピーカ音孔106が配置されていない場所の直上部分に筐体音孔108〜110をずらして配置することで、スピーカ音孔106の開口箇所が外部から見えないようにする工夫が試みられている。しかしながら、このような工夫は音を効率的に外部に出力するために難しい。そこで、現実的には図10に示したように、筐体音孔108〜110の少なくとも一部からスピーカ音孔106がはっきり見えることになる場合が多く、外観上でのデザインにマイナスとなっていた。
【0008】
以上、音を外部に出力するスピーカについて説明したが、ブザー、マイクロフォンやレシーバについても振動板を使用して音と電気の間の変換を行う手段として同様の問題があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、音質を損ねることなく、装置の筐体の音の通過する部位から内部が見えにくいようにした電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明では、(イ)電気信号の入力によって振動して音を発生させる振動板を備えた電気・音変換手段と、(ロ)この電気・音変換手段を内部に収容し、振動板の振動によって発生する放射音を外部に出力するための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、(ハ)開口部と振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている電気・音変換手段遮蔽部とを電子機器に具備させる。
【0011】
すなわち本発明では、振動により音を発生させる振動板を備えたスピーカ等の電気・音変換手段を収容した筐体の開口部としての筐体音孔と振動板との間に、多数の開口を有する複数枚のシート状部材を間隔を置いて配置すると共に、これらのシート状部材のうちで筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっているようにしている。これにより、筐体の外から筐体の内部を見ようとしたとき、筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の明度が筐体音孔から見た他の場所よりも明らかに高くなるので、筐体内部を視認することが困難になる。しかも、シート状部材を間隔を置いて複数配置しているので、音波はこれらのシート状部材を次々と通過することになり、音質を損ねることがない。
【0012】
請求項2記載の発明では、(イ)外部からの音の入力によって振動する振動板とこの振動板の振動を電気信号に変換する信号変換手段とを備えた音・電気変換手段と、(ロ)この音・電気変換手段を内部に収容し、振動板を振動させるための音を外部から取り入れるための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、(ハ)開口部と振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている音・電気変換手段遮蔽部とを電子機器に具備させる。
【0013】
すなわち本発明では、外部からの音の入力によって振動する振動板を備えたマイクロフォン等の音・光変換手段を収容した筐体の開口部としての筐体音孔と振動板との間に、多数の開口を有する複数枚のシート状部材を間隔を置いて配置すると共に、これらのシート状部材のうちで筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっているようにしている。これにより、筐体の外から筐体の内部を見ようとしたとき、筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の明度が筐体音孔から見た他の場所よりも明らかに高くなるので、筐体内部を視認することが困難になる。しかも、シート状部材を間隔を置いて複数配置しているので、音波はこれらのシート状部材を次々と通過することになり、音質を損ねることがない。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように筐体の内部に配置された振動板と筐体外部との間で筐体音孔を介して音波を伝播させるとき、筐体音孔と振動板との間に複数枚のシート状部材を配置したので、それぞれのシート状部材に配置された多数の開口をあまり大きくしなくても音波が良好に伝播する。したがって、これらのシート状部材による防塵あるいは防水機能を高めることができる。
【0015】
また、本発明によればこれらのシート状部材における筐体音孔に最も近いものの開口部に対向する側の部材表面の反射率を、それ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくしたので、筐体内部が見えにくくなり、この結果として筐体音孔の面積を小さくしたり、筐体音孔の位置を理想的な位置から変更する必要がない。したがって、携帯電話機等の電子機器のデザイン性を損なうことなく、良好な音圧特性を確保することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の一実施例におけるスピーカを備えた電子機器としての携帯電話機の外観を表わしたものである。本実施例の携帯電話機200は、折りたたみ式の電話機であり、第1の筐体201と第2の筐体202をヒンジ機構203で連結した構造となっている。第1の筐体201は、図示しない基地局を介して図示しない固定式電話機あるいは他の携帯電話機やPHSと通信をするためのアンテナ204を付属しており、表側の面には文字や記号、図形等からなる必要な視覚情報を表示する液晶ディスプレイからなる正面表示部205を配置している。正面表示部205の上側には、通話時にユーザの耳を当てて音を聞くためのレシーバ206と、カメラ部207ならびに第1のLEDランプ208を配置している。カメラ部207は、図示しない撮像素子に光学レンズを用いて撮影対象物の像を結び、静止画あるいは動画を撮影するもので、携帯電話機の備える重要な機能の1つとされている。第1のLEDランプ208は第1の筐体201を閉じたときにもその点灯が確認できるように表側の面と裏側の面を跨いで発光するようになっており、本実施例では図示しない内蔵電池が充電中の時は赤く点灯し、完了すると消灯する他に、着信やメール受信時および通話中に任意の色で発光するようになっている。
【0018】
第2の筐体202は、その表側にキー操作部211を配置すると共に下端部近傍にマイクロフォン212を配置している。キー操作部211は相手先にダイヤルする際の入力操作や、この携帯電話機200に備えられている各種設定を行うための操作あるいは電子メール作成時の文字入力操作等の各種入力操作を行うための複数のキースイッチから構成されている。マイクロフォン212は、通話時にユーザの音声を電気信号に変換するために使用される。第2の筐体202の側部には、図示しないイヤホンジャックを使用していないときにゴミや水滴の侵入を防ぐために蓋をするイヤホンカバー214や、同じく図示しない外部接続端子を使用していないときにゴミや水滴の侵入を防ぐために蓋をする外部接続端子カバー215が配置されている。
【0019】
図2は、図1に示した携帯電話機を閉じた状態で第1の筐体の背面側を見たものである。第1の筐体201の背面側には、その中央位置よりも第1のLEDランプ208にやや近づいた位置に背面表示部221が配置されており、これに隣接する形で第2のLED222が配置されている。背面表示部221は、文字や記号、図形等からなる必要な視覚情報を表示する液晶ディスプレイからなっている。背面表示部221は、携帯電話機200を折り畳んだ状態で図1に示した正面表示部205が使えないときにも簡易な内容の情報を表示することができる。第2のLED222は、イルミネーション部と呼ばれることもあり、その内部に二色以上の異なる色で発光可能なLEDが配置されており、たとえば着信やメール受信時および通話中に任意の色で発光するようになっている。
【0020】
第2のLED222とヒンジ機構203の間の第1の筐体201の背面部分には、筐体音孔223〜225が配置されている。筐体音孔223〜225は第1の筐体201に内蔵されたスピーカ226から出力される音の振動を外部に出力するためのものである。スピーカ226は、着信時やメロディのダウンロード時に音(メロディ)を発生させ、着信をユーザに知らせたり、音による情報を通知するようになっている。また、ハンズフリー機能を使用する時には、通話相手の音声としての受話音を出力する。イヤホンジャックカバー214は、イヤホンを使用しない時、イヤホン端子部からのゴミや水滴の侵入を防ぐ為に取り付けられたカバーである。
【0021】
図3は、図2のB−B方向に第1の筐体を切断した端面を表わしたものであり、従来の携帯電話機の図11に対応している。第1の筐体201のリア筐体カバー231と接続されたフロント筐体カバー232の開口部には、正面表示部205(図1)を構成する液晶板233の表面を保護する透明なスクリーンシート234が取り付けられている。リア筐体カバー231とフロント筐体カバー232は、携帯電話機200の外形部分としてのボディを形作っている。リア筐体カバー231とフロント筐体カバー232は、図示しないネジ留めと嵌合爪とによって接合部を密着されている。液晶板233の背部(図で上側)には補強用の板金プレート235が固定されている。板金プレート235の液晶板233と反対側の面には回路基盤236が取り付けられている。回路基盤236には、携帯電話200におけるメロディ音の出力、発着呼、メール送受信等の各種機能を実現する部品として、DSP(Digital Signal Processor)、CSP(Chip Size Package)、増幅器、抵抗、コンデンサ等の回路部品が半田付けされている。この回路基盤236にはスピーカ226のヨーク(継鉄)237も固定されている。
【0022】
ヨーク237に取り付けられた円筒状の磁石239の周囲に巻回されたボイスコイル241には、音声に応じて正負の電流が流されるようになっている。これにより、ヨーク237とこれに取り付けられた磁石239の間に磁界が発生し、ボイスコイル241が上下に震動する。ボイスコイル241に接続されたコーン紙等の振動板242が、これに伴って振動することで、音が発生する。
【0023】
振動板242の上方にはこれを保護するためのプロテクタ243が取り付けられている。プロテクタ243には、振動板242の振動によって発生した音を放射するためのスピーカ音孔247が開けられている。本実施例では、スピーカ音孔247は全部で5個開けられている。また、ヨーク237とプロテクタ243の間を接続するケース248における振動板242と対向する位置(4箇所)であるスピーカ226の背面方向には背面音孔249が開けられている。背面音孔249は、背面側に空気の抜け道を設けることによって、振動板242に対する振動抑制を防止している。スピーカ音孔247と背面音孔249の穴の孔の数や大きさおよび位置は任意に定めることができる。
【0024】
プロテクタ243の周囲にはリング状に第1の厚さのクッション251が取り付けられており、その上に黒色の下側メッシュ252が張られている。また、クッション251の上には第2の厚さの両面テープ253が貼り付けられており、その上部には白色の上側メッシュ254が貼り付けられている。
【0025】
下側メッシュ252および上側メッシュ254は、砂や埃、水滴等の異物がスピーカ226の内部に侵入することによる異音発生を防ぐためのものである。クッション251は、下側メッシュ252とプロテクタ243との間に配置されている。クッション251は、両面テープ253をリア筐体カバー231と圧着させ、図10に示した5個のスピーカ音孔106に対応して設けられたスピーカ音孔247からの放射音の音漏れを防ぐ役割をしている。
【0026】
下側メッシュ252と上側メッシュ254は共にポリエステルの糸を網状に直角にクロスさせるように織ったもので、実施例では330番手程度の糸を使用している。これらの開口(オープニング)は約42μmであり、単位面積当たりに占める開口部の割合としての開口率は約30パーセントとなっている。また、両面テープ253の厚さは約0.1mmであり、したがって、下側メッシュ252と上側メッシュ254の間隔は約0.1mmとなっている。
【0027】
上側メッシュ254の更に上は、リア筐体カバー231が覆っている。両面テープ253の上側の接着面は、上側メッシュ254と共にリア筐体カバー231の下面と接着されている。リア筐体カバー231における図2で切断した箇所には、筐体音孔224が開けられている。
【0028】
図4は、本実施例の携帯電話機のリア筐体カバーの要部を表わしたものである。スピーカ226の前面には白色の上側メッシュ254が配置されており、その下には外観上みえないが下側メッシュ252(図3参照)が所定の間隔を置いて配置されている。また、リア筐体カバー231におけるスピーカ226の配置された領域の上の部分には筐体音孔223〜225が配置されている。
【0029】
このような配置では、リア筐体カバー231を正面から見ると、筐体音孔223〜225の一部(図では筐体音孔223、224)がスピーカ音孔247と位置的に重なり合う。しかしながら、本実施例では上側メッシュ254の下にスピーカ音孔247を識別することは困難である。この理由を次に説明する。
【0030】
図5は、本実施例で筐体音孔の箇所での外光の入射と反射の様子を表わしたものである。本実施例では、上側メッシュ254が光の反射率の高い白色になっており、その下に配置された下側メッシュ252は光の吸収率の高い黒色になっている。したがって、たとえば図2に示した筐体音孔224に入射した光261のうちで上側メッシュ254によって反射された光261Hの強度が強いのに対して、下側メッシュ252に到達した光は、大部分が吸収され、外部に向けてほとんど反射されない。また、これら上側メッシュ254および下側メッシュ252を透過した光はスピーカ226のプロテクタ243や、更に内部の振動板242まで到達するが、これらも黒色あるいは暗い色で着色されていれば、その多くが吸収される。このように上側メッシュ254の表面の反射率は下側メッシュ252の表面の射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている。
【0031】
また、プロテクタ243や振動板242から反射された光261P、261Sは、その多くが下側メッシュ252に到達して、そこで吸収されるか、上側メッシュ254に到達して再度、スピーカ226の内部へ向かって反射される。これらスピーカ226の内部へ向かった反射光は、再度、下側メッシュ252で吸収されたり、振動板242等の他の部材によって吸収されることが多い。このため、上側メッシュ254を通過してスピーカ226の内部に進んだ光がスピーカ226外に反射される光の量は大幅に減少する。
【0032】
この一方で、筐体音孔を見つめるユーザの目262には、上側メッシュ254によって反射された光261Hが他の反射光よりも遥かに強く入射する。ユーザは目262の虹彩を調整して、入射する光量を自動的に調整する。この結果、スピーカ226の内部から外部に反射することで目262に到達する比較的弱い光はほとんど認識されないことになる。したがって、ユーザは明るい上側メッシュ254を見ている状態で、プロテクタ243や振動板242あるいはこれらの外観を識別することが困難となる。
【0033】
一方、振動板242の振動による放射音は、スピーカ音孔247をまず通過する。そして、下側メッシュ252の網目が特に小さいものではないので、これを特に音響特性の劣化なく通過する。次に、上側メッシュ254の網目も特に小さいものではないので、同様にこれについても特に音響特性の劣化なく通過する。このように、スピーカ226の音の通過は制限されることなく、内部に対して光を効果的に遮蔽することができる。したがって、3個の筐体音孔223〜225と5個のスピーカ音孔247の配置と直径が統一されていない構造であっても、3個の筐体音孔223〜225の直径を小さくしたり、音孔位置を変更することなく、筐体音孔筐体音孔223〜225から5個の背面音孔249が見えにくい構造が実現する。このため、携帯電話機200のデザインに影響を与えることがない。
【0034】
以上説明したように実施例によれば、上側メッシュ254が白色なので、この反射光が強く明るい。したがって、スピーカ226の内部に入り、反射光として戻ってくる光が相対的に暗くなり、この結果として内部を透けにくくする効果がある。また、メッシュが2枚わずかな間隔を置いて張られ、下側に配置された下側メッシュ252が黒色なので、入射光を吸収することで上側メッシュ254の存在を際立たせ、前記した効果を増大させることになる。すなわち、下側メッシュ252も白色の場合には、上側メッシュ254が最も明るく、下側メッシュ252が入射光の制限を多少受けてやや明るいグレーとなるので、ユーザの目262が明るさの変化を認識しやすくなり、プロテクタ243に設けたスピーカ音孔247が目立ちやすくなる。本実施例ではこのような状況を発生させない。
【0035】
このため、従来行ったような筐体音孔223〜225の直径を小さくしたり、音孔位置を変更する必要がない。しかも、振動板242の振動による放射音は下側メッシュ252と上側メッシュ254の存在により、それぞれの網目を特段に小さくする必要がない。したがって、携帯電話機200のデザインに制約を与えることなく、良好な音圧特性を確保することが可能となる。
【0036】
<発明の第1の変形例>
【0037】
図6は本発明の第1の変形例における上側メッシュを表わしており、図7は下側メッシュを表わしている。図6に示した白色の上側メッシュ254Aと図7に示した黒色の下側メッシュ252Aは共に図3に示したリング状のクッション251とほぼ同一径の円形となっているが、それぞれ突起状の位置決め部301、302を円周の特定位置に備えている。そして、それぞれの位置決め部301、302の方向を一致させたとき、上側メッシュ254Aのメッシュのパターンは、下側メッシュ252Aをその円の中心で45度回転させたパターンとなっている。このため、上側メッシュ254Aと下側メッシュ252Aのパターンを45度回転させた状態を簡易に実現することができる。
【0038】
図8は、上側メッシュと下側メッシュを位置決めして上下に間隔を置いて配置した状態をこれらの面に対して垂直方向から見たものである。上側メッシュ254Aと下側メッシュ252Aは、45度食い違ったパターンとなっている。このため、上側メッシュ254Aを通った光線が下側メッシュ252Aで遮蔽される確率が先の実施例の場合よりも高くなる。したがって、スピーカ226(図3参照)の内部の遮光性が実施例の場合よりも向上する。
【0039】
<発明の第2の変形例>
【0040】
図9は本発明の第2の変形例における上側メッシュを表わしている。先の第1の変形例と異なり、第2の変形例の白色の上側メッシュ254Bは、図7に示した黒色の下側メッシュ252Aを白色に変えただけであり、パターンは下側メッシュ252Aと同一である。この第2の変形例では、下側メッシュ252Aをスピーカ226(図3参照)に近い側に配置する。そして、間隔を開けて上側メッシュ254Bをその上側に配置するとき、位置決め部301B、302Aの位置決め方向を一致させるものの、上側メッシュ254Bをメッシュの半ピッチだけ位置決め方向にずらして固定する。
【0041】
これにより、上側メッシュ254Bと下側メッシュ252Aの間隔が比較的狭い場合には、ユーザの目がスピーカ226(図3参照)の真正面から多少の角度だけ傾いていても、メッシュが重なり合わず、上側メッシュ254Bを通った光線が下側メッシュ252Aで遮蔽される確率が先の実施例の場合よりも高くなる。したがって、スピーカ226の内部の斜光性が実施例の場合よりも向上する。
【0042】
<発明のその他の変形可能性>
【0043】
以上説明した実施例および変形例では上側メッシュ254、254A、254Bを白色とし、下側メッシュ252、252Aを黒色としたが、これに限るものではない。たとえば、上側メッシュ254、254A、254Bの上側の面を白色に塗布し、下側の面を黒色に塗布してもよい。また、上側メッシュ254、254A、254Bの少なくとも上側の面に金属メッキをしてその反射率を上げてもよい。更に白色でなくても反射率の高い色および濃度であってもよい。たとえば白っぽいグレーとか、蛍光色としての鮮やかな黄色またはオレンジ色を一例として挙げることができる。下側メッシュ252、252Aについても黒色である必要はなく、反射率の低い色および濃度であってもよい。たとえば紺色や藍色を一例として挙げることができる。
【0044】
更に、本実施例および変形例では254、254A、254Bと下側メッシュ252、252Aの2層としたが、更なる厚さが許容される電子機器では、たとえばより薄い糸を用いることで3層以上のメッシュ構造も可能である。また、本発明の適用対象は携帯電話機に限られず、スピーカのような電気・音変換手段あるいはマイクロフォンのような音・電気変換手段を備えたあらゆる電子機器が対象となることはもちろんである。
【0045】
また、実施例ではポリエステルの糸を網状にクロスさせて下側メッシュ252および上側メッシュ254を作成したが、素材およびメッシュの形成方法、メッシュの開口率およびメッシュ同士の間隔は適宜変更してもよいことはもちろんである。たとえばメッシュはシート状の材料に多数の孔を打ち抜いたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例における携帯電話機を開いた状態の外観を表わした斜視図である。
【図2】本実施例の携帯電話機を閉じた状態で第1の筐体の背面方向から見た斜視図である。
【図3】図2のB−B方向に第1の筐体を切断した際の端面を表わした端面図である。
【図4】本実施例の携帯電話機のリア筐体カバーの要部を表わした平面図である。
【図5】本実施例で筐体音孔の箇所での外光の入射と反射の様子を表わした説明図である。
【図6】本発明の第1の変形例における上側メッシュを表わした平面図である。
【図7】第1の変形例における下側メッシュを表わした平面図である。
【図8】第1の変形例で上側メッシュと下側メッシュを位置決めして上下に間隔を置いて配置した状態をこれらの面に対して垂直方向から見た平面図である。
【図9】本発明の第2の変形例における上側メッシュを表わした平面図である。
【図10】一般的な折りたたみ式の携帯電話機の折りたたんだ状態の背面を示した平面図である。
【図11】図10におけるA−A方向でこの携帯電話機を切断した際の端面を表わした端面図である。
【符号の説明】
【0047】
200 携帯電話機(電子機器)
223〜225 筐体音孔
226 スピーカ
242 振動板(電気・音変換手段、音・電気変換手段)
243 プロテクタ
247 スピーカ音孔
252、252A 下側メッシュ
254、254A、254B 上側メッシュ
261 光
262 ユーザの目
301、302 位置決め部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PHS、固定電話機、携帯型音楽再生装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ICレコーダ、ページャのようにスピーカ、ブザー、レシーバあるいはマイクロフォンといった音と電気の変換を行う変換手段を内蔵した電子機器に係わり、特に変換手段が変換を行うために使用する振動板の前面にメッシュ等の多数の開口を有するシート状部材を配置した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、携帯型音楽再生装置、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ICレコーダ、ページャのように電気信号を用いて音を再生することのできる電子機器の多くは、その機器の前面や裏面にスピーカが配置されている。スピーカの配置されている箇所には、防塵あるいは防水のために網目状のメッシュを貼ることが多い(たとえば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
図10は、一般的な折りたたみ式の携帯電話機の折りたたんだ状態の背面を示したものである。この携帯電話機100の背面上部には、送受信用のアンテナ101と、第1のLED(Light Emitting Diode)ランプ102が配置されている。また、中央のやや上部には背面表示部103が配置されており、これに隣接する形で第2のLED104が配置されている。第2のLED104の下には、スピーカ105が内蔵されている。このスピーカ105には、スピーカ音孔106が合計5個配置されている。また、携帯電話機100の背面側のリア筐体カバー107には、音波を出力するための筐体音孔108〜110が開けられている。これらの筐体音孔108〜110には、メッシュ111が貼られている。
【0004】
図11は、図10におけるA−A方向でこの携帯電話機を切断した端面の状態を表わしたものである。ただし、この図では携帯電話機100が開いた状態で、図10における背面表示部103が配置されている側の筐体のみが切断されたものとして表わしている。リア筐体カバー107と接続されたフロント筐体カバー121の開口部には正面表示部を構成する液晶板122を保護するスクリーンシート123が貼り付けられている。液晶板122の背部(図で上側)には補強用の板金プレート124が固定されている。板金プレート124の液晶板122と反対側の面には回路基盤125が取り付けられている。回路基盤125にはスピーカ126のヨーク127側が固定されている。
【0005】
スピーカ126は、ヨーク(継鉄)127に取り付けられた円筒状の磁石129の周囲に巻回されたボイスコイル131が音声信号によってコーン紙等の振動板132を振動させて、音を発生させるようになっている。振動板132の上方にはスピーカ126の内部を保護するためのプロテクタ133が取り付けられており、これにはスピーカ音孔106が開けられている。プロテクタ133の周囲にはリング状にクッション134が取り付けられており、その上に1枚のメッシュ111が張られている。メッシュ111の更に上は、リア筐体カバー107が覆っている。リア筐体カバー107における図11で切断した箇所には、筐体音孔109が開けられている。
【特許文献1】特開平05−308693号公報(第0005段落、図1)
【特許文献2】実開昭59−003680(第4ページ第7行目〜第5ページ第9行目、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造の従来の携帯電話機100で、メッシュ111には各種の色が使用されている。メッシュ111は、スピーカ126に対する防塵および防水の役割を持っているが、同時に筐体内部を隠す役割も存在する。メッシュ111を構成する網目を小さくすると、筐体内部を隠す効果は向上するが、音響特性が劣化してくる。このため、従来から筐体内部を十分遮蔽できる程度までメッシュ111の網目を小さくすることは不可能であった。
【0007】
そこで、図10に示したスピーカ音孔106が配置されていない場所の直上部分に筐体音孔108〜110をずらして配置することで、スピーカ音孔106の開口箇所が外部から見えないようにする工夫が試みられている。しかしながら、このような工夫は音を効率的に外部に出力するために難しい。そこで、現実的には図10に示したように、筐体音孔108〜110の少なくとも一部からスピーカ音孔106がはっきり見えることになる場合が多く、外観上でのデザインにマイナスとなっていた。
【0008】
以上、音を外部に出力するスピーカについて説明したが、ブザー、マイクロフォンやレシーバについても振動板を使用して音と電気の間の変換を行う手段として同様の問題があった。
【0009】
そこで本発明の目的は、音質を損ねることなく、装置の筐体の音の通過する部位から内部が見えにくいようにした電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明では、(イ)電気信号の入力によって振動して音を発生させる振動板を備えた電気・音変換手段と、(ロ)この電気・音変換手段を内部に収容し、振動板の振動によって発生する放射音を外部に出力するための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、(ハ)開口部と振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている電気・音変換手段遮蔽部とを電子機器に具備させる。
【0011】
すなわち本発明では、振動により音を発生させる振動板を備えたスピーカ等の電気・音変換手段を収容した筐体の開口部としての筐体音孔と振動板との間に、多数の開口を有する複数枚のシート状部材を間隔を置いて配置すると共に、これらのシート状部材のうちで筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっているようにしている。これにより、筐体の外から筐体の内部を見ようとしたとき、筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の明度が筐体音孔から見た他の場所よりも明らかに高くなるので、筐体内部を視認することが困難になる。しかも、シート状部材を間隔を置いて複数配置しているので、音波はこれらのシート状部材を次々と通過することになり、音質を損ねることがない。
【0012】
請求項2記載の発明では、(イ)外部からの音の入力によって振動する振動板とこの振動板の振動を電気信号に変換する信号変換手段とを備えた音・電気変換手段と、(ロ)この音・電気変換手段を内部に収容し、振動板を振動させるための音を外部から取り入れるための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、(ハ)開口部と振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている音・電気変換手段遮蔽部とを電子機器に具備させる。
【0013】
すなわち本発明では、外部からの音の入力によって振動する振動板を備えたマイクロフォン等の音・光変換手段を収容した筐体の開口部としての筐体音孔と振動板との間に、多数の開口を有する複数枚のシート状部材を間隔を置いて配置すると共に、これらのシート状部材のうちで筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっているようにしている。これにより、筐体の外から筐体の内部を見ようとしたとき、筐体音孔に最も近いシート状部材の部材表面の明度が筐体音孔から見た他の場所よりも明らかに高くなるので、筐体内部を視認することが困難になる。しかも、シート状部材を間隔を置いて複数配置しているので、音波はこれらのシート状部材を次々と通過することになり、音質を損ねることがない。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように筐体の内部に配置された振動板と筐体外部との間で筐体音孔を介して音波を伝播させるとき、筐体音孔と振動板との間に複数枚のシート状部材を配置したので、それぞれのシート状部材に配置された多数の開口をあまり大きくしなくても音波が良好に伝播する。したがって、これらのシート状部材による防塵あるいは防水機能を高めることができる。
【0015】
また、本発明によればこれらのシート状部材における筐体音孔に最も近いものの開口部に対向する側の部材表面の反射率を、それ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくしたので、筐体内部が見えにくくなり、この結果として筐体音孔の面積を小さくしたり、筐体音孔の位置を理想的な位置から変更する必要がない。したがって、携帯電話機等の電子機器のデザイン性を損なうことなく、良好な音圧特性を確保することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の一実施例におけるスピーカを備えた電子機器としての携帯電話機の外観を表わしたものである。本実施例の携帯電話機200は、折りたたみ式の電話機であり、第1の筐体201と第2の筐体202をヒンジ機構203で連結した構造となっている。第1の筐体201は、図示しない基地局を介して図示しない固定式電話機あるいは他の携帯電話機やPHSと通信をするためのアンテナ204を付属しており、表側の面には文字や記号、図形等からなる必要な視覚情報を表示する液晶ディスプレイからなる正面表示部205を配置している。正面表示部205の上側には、通話時にユーザの耳を当てて音を聞くためのレシーバ206と、カメラ部207ならびに第1のLEDランプ208を配置している。カメラ部207は、図示しない撮像素子に光学レンズを用いて撮影対象物の像を結び、静止画あるいは動画を撮影するもので、携帯電話機の備える重要な機能の1つとされている。第1のLEDランプ208は第1の筐体201を閉じたときにもその点灯が確認できるように表側の面と裏側の面を跨いで発光するようになっており、本実施例では図示しない内蔵電池が充電中の時は赤く点灯し、完了すると消灯する他に、着信やメール受信時および通話中に任意の色で発光するようになっている。
【0018】
第2の筐体202は、その表側にキー操作部211を配置すると共に下端部近傍にマイクロフォン212を配置している。キー操作部211は相手先にダイヤルする際の入力操作や、この携帯電話機200に備えられている各種設定を行うための操作あるいは電子メール作成時の文字入力操作等の各種入力操作を行うための複数のキースイッチから構成されている。マイクロフォン212は、通話時にユーザの音声を電気信号に変換するために使用される。第2の筐体202の側部には、図示しないイヤホンジャックを使用していないときにゴミや水滴の侵入を防ぐために蓋をするイヤホンカバー214や、同じく図示しない外部接続端子を使用していないときにゴミや水滴の侵入を防ぐために蓋をする外部接続端子カバー215が配置されている。
【0019】
図2は、図1に示した携帯電話機を閉じた状態で第1の筐体の背面側を見たものである。第1の筐体201の背面側には、その中央位置よりも第1のLEDランプ208にやや近づいた位置に背面表示部221が配置されており、これに隣接する形で第2のLED222が配置されている。背面表示部221は、文字や記号、図形等からなる必要な視覚情報を表示する液晶ディスプレイからなっている。背面表示部221は、携帯電話機200を折り畳んだ状態で図1に示した正面表示部205が使えないときにも簡易な内容の情報を表示することができる。第2のLED222は、イルミネーション部と呼ばれることもあり、その内部に二色以上の異なる色で発光可能なLEDが配置されており、たとえば着信やメール受信時および通話中に任意の色で発光するようになっている。
【0020】
第2のLED222とヒンジ機構203の間の第1の筐体201の背面部分には、筐体音孔223〜225が配置されている。筐体音孔223〜225は第1の筐体201に内蔵されたスピーカ226から出力される音の振動を外部に出力するためのものである。スピーカ226は、着信時やメロディのダウンロード時に音(メロディ)を発生させ、着信をユーザに知らせたり、音による情報を通知するようになっている。また、ハンズフリー機能を使用する時には、通話相手の音声としての受話音を出力する。イヤホンジャックカバー214は、イヤホンを使用しない時、イヤホン端子部からのゴミや水滴の侵入を防ぐ為に取り付けられたカバーである。
【0021】
図3は、図2のB−B方向に第1の筐体を切断した端面を表わしたものであり、従来の携帯電話機の図11に対応している。第1の筐体201のリア筐体カバー231と接続されたフロント筐体カバー232の開口部には、正面表示部205(図1)を構成する液晶板233の表面を保護する透明なスクリーンシート234が取り付けられている。リア筐体カバー231とフロント筐体カバー232は、携帯電話機200の外形部分としてのボディを形作っている。リア筐体カバー231とフロント筐体カバー232は、図示しないネジ留めと嵌合爪とによって接合部を密着されている。液晶板233の背部(図で上側)には補強用の板金プレート235が固定されている。板金プレート235の液晶板233と反対側の面には回路基盤236が取り付けられている。回路基盤236には、携帯電話200におけるメロディ音の出力、発着呼、メール送受信等の各種機能を実現する部品として、DSP(Digital Signal Processor)、CSP(Chip Size Package)、増幅器、抵抗、コンデンサ等の回路部品が半田付けされている。この回路基盤236にはスピーカ226のヨーク(継鉄)237も固定されている。
【0022】
ヨーク237に取り付けられた円筒状の磁石239の周囲に巻回されたボイスコイル241には、音声に応じて正負の電流が流されるようになっている。これにより、ヨーク237とこれに取り付けられた磁石239の間に磁界が発生し、ボイスコイル241が上下に震動する。ボイスコイル241に接続されたコーン紙等の振動板242が、これに伴って振動することで、音が発生する。
【0023】
振動板242の上方にはこれを保護するためのプロテクタ243が取り付けられている。プロテクタ243には、振動板242の振動によって発生した音を放射するためのスピーカ音孔247が開けられている。本実施例では、スピーカ音孔247は全部で5個開けられている。また、ヨーク237とプロテクタ243の間を接続するケース248における振動板242と対向する位置(4箇所)であるスピーカ226の背面方向には背面音孔249が開けられている。背面音孔249は、背面側に空気の抜け道を設けることによって、振動板242に対する振動抑制を防止している。スピーカ音孔247と背面音孔249の穴の孔の数や大きさおよび位置は任意に定めることができる。
【0024】
プロテクタ243の周囲にはリング状に第1の厚さのクッション251が取り付けられており、その上に黒色の下側メッシュ252が張られている。また、クッション251の上には第2の厚さの両面テープ253が貼り付けられており、その上部には白色の上側メッシュ254が貼り付けられている。
【0025】
下側メッシュ252および上側メッシュ254は、砂や埃、水滴等の異物がスピーカ226の内部に侵入することによる異音発生を防ぐためのものである。クッション251は、下側メッシュ252とプロテクタ243との間に配置されている。クッション251は、両面テープ253をリア筐体カバー231と圧着させ、図10に示した5個のスピーカ音孔106に対応して設けられたスピーカ音孔247からの放射音の音漏れを防ぐ役割をしている。
【0026】
下側メッシュ252と上側メッシュ254は共にポリエステルの糸を網状に直角にクロスさせるように織ったもので、実施例では330番手程度の糸を使用している。これらの開口(オープニング)は約42μmであり、単位面積当たりに占める開口部の割合としての開口率は約30パーセントとなっている。また、両面テープ253の厚さは約0.1mmであり、したがって、下側メッシュ252と上側メッシュ254の間隔は約0.1mmとなっている。
【0027】
上側メッシュ254の更に上は、リア筐体カバー231が覆っている。両面テープ253の上側の接着面は、上側メッシュ254と共にリア筐体カバー231の下面と接着されている。リア筐体カバー231における図2で切断した箇所には、筐体音孔224が開けられている。
【0028】
図4は、本実施例の携帯電話機のリア筐体カバーの要部を表わしたものである。スピーカ226の前面には白色の上側メッシュ254が配置されており、その下には外観上みえないが下側メッシュ252(図3参照)が所定の間隔を置いて配置されている。また、リア筐体カバー231におけるスピーカ226の配置された領域の上の部分には筐体音孔223〜225が配置されている。
【0029】
このような配置では、リア筐体カバー231を正面から見ると、筐体音孔223〜225の一部(図では筐体音孔223、224)がスピーカ音孔247と位置的に重なり合う。しかしながら、本実施例では上側メッシュ254の下にスピーカ音孔247を識別することは困難である。この理由を次に説明する。
【0030】
図5は、本実施例で筐体音孔の箇所での外光の入射と反射の様子を表わしたものである。本実施例では、上側メッシュ254が光の反射率の高い白色になっており、その下に配置された下側メッシュ252は光の吸収率の高い黒色になっている。したがって、たとえば図2に示した筐体音孔224に入射した光261のうちで上側メッシュ254によって反射された光261Hの強度が強いのに対して、下側メッシュ252に到達した光は、大部分が吸収され、外部に向けてほとんど反射されない。また、これら上側メッシュ254および下側メッシュ252を透過した光はスピーカ226のプロテクタ243や、更に内部の振動板242まで到達するが、これらも黒色あるいは暗い色で着色されていれば、その多くが吸収される。このように上側メッシュ254の表面の反射率は下側メッシュ252の表面の射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている。
【0031】
また、プロテクタ243や振動板242から反射された光261P、261Sは、その多くが下側メッシュ252に到達して、そこで吸収されるか、上側メッシュ254に到達して再度、スピーカ226の内部へ向かって反射される。これらスピーカ226の内部へ向かった反射光は、再度、下側メッシュ252で吸収されたり、振動板242等の他の部材によって吸収されることが多い。このため、上側メッシュ254を通過してスピーカ226の内部に進んだ光がスピーカ226外に反射される光の量は大幅に減少する。
【0032】
この一方で、筐体音孔を見つめるユーザの目262には、上側メッシュ254によって反射された光261Hが他の反射光よりも遥かに強く入射する。ユーザは目262の虹彩を調整して、入射する光量を自動的に調整する。この結果、スピーカ226の内部から外部に反射することで目262に到達する比較的弱い光はほとんど認識されないことになる。したがって、ユーザは明るい上側メッシュ254を見ている状態で、プロテクタ243や振動板242あるいはこれらの外観を識別することが困難となる。
【0033】
一方、振動板242の振動による放射音は、スピーカ音孔247をまず通過する。そして、下側メッシュ252の網目が特に小さいものではないので、これを特に音響特性の劣化なく通過する。次に、上側メッシュ254の網目も特に小さいものではないので、同様にこれについても特に音響特性の劣化なく通過する。このように、スピーカ226の音の通過は制限されることなく、内部に対して光を効果的に遮蔽することができる。したがって、3個の筐体音孔223〜225と5個のスピーカ音孔247の配置と直径が統一されていない構造であっても、3個の筐体音孔223〜225の直径を小さくしたり、音孔位置を変更することなく、筐体音孔筐体音孔223〜225から5個の背面音孔249が見えにくい構造が実現する。このため、携帯電話機200のデザインに影響を与えることがない。
【0034】
以上説明したように実施例によれば、上側メッシュ254が白色なので、この反射光が強く明るい。したがって、スピーカ226の内部に入り、反射光として戻ってくる光が相対的に暗くなり、この結果として内部を透けにくくする効果がある。また、メッシュが2枚わずかな間隔を置いて張られ、下側に配置された下側メッシュ252が黒色なので、入射光を吸収することで上側メッシュ254の存在を際立たせ、前記した効果を増大させることになる。すなわち、下側メッシュ252も白色の場合には、上側メッシュ254が最も明るく、下側メッシュ252が入射光の制限を多少受けてやや明るいグレーとなるので、ユーザの目262が明るさの変化を認識しやすくなり、プロテクタ243に設けたスピーカ音孔247が目立ちやすくなる。本実施例ではこのような状況を発生させない。
【0035】
このため、従来行ったような筐体音孔223〜225の直径を小さくしたり、音孔位置を変更する必要がない。しかも、振動板242の振動による放射音は下側メッシュ252と上側メッシュ254の存在により、それぞれの網目を特段に小さくする必要がない。したがって、携帯電話機200のデザインに制約を与えることなく、良好な音圧特性を確保することが可能となる。
【0036】
<発明の第1の変形例>
【0037】
図6は本発明の第1の変形例における上側メッシュを表わしており、図7は下側メッシュを表わしている。図6に示した白色の上側メッシュ254Aと図7に示した黒色の下側メッシュ252Aは共に図3に示したリング状のクッション251とほぼ同一径の円形となっているが、それぞれ突起状の位置決め部301、302を円周の特定位置に備えている。そして、それぞれの位置決め部301、302の方向を一致させたとき、上側メッシュ254Aのメッシュのパターンは、下側メッシュ252Aをその円の中心で45度回転させたパターンとなっている。このため、上側メッシュ254Aと下側メッシュ252Aのパターンを45度回転させた状態を簡易に実現することができる。
【0038】
図8は、上側メッシュと下側メッシュを位置決めして上下に間隔を置いて配置した状態をこれらの面に対して垂直方向から見たものである。上側メッシュ254Aと下側メッシュ252Aは、45度食い違ったパターンとなっている。このため、上側メッシュ254Aを通った光線が下側メッシュ252Aで遮蔽される確率が先の実施例の場合よりも高くなる。したがって、スピーカ226(図3参照)の内部の遮光性が実施例の場合よりも向上する。
【0039】
<発明の第2の変形例>
【0040】
図9は本発明の第2の変形例における上側メッシュを表わしている。先の第1の変形例と異なり、第2の変形例の白色の上側メッシュ254Bは、図7に示した黒色の下側メッシュ252Aを白色に変えただけであり、パターンは下側メッシュ252Aと同一である。この第2の変形例では、下側メッシュ252Aをスピーカ226(図3参照)に近い側に配置する。そして、間隔を開けて上側メッシュ254Bをその上側に配置するとき、位置決め部301B、302Aの位置決め方向を一致させるものの、上側メッシュ254Bをメッシュの半ピッチだけ位置決め方向にずらして固定する。
【0041】
これにより、上側メッシュ254Bと下側メッシュ252Aの間隔が比較的狭い場合には、ユーザの目がスピーカ226(図3参照)の真正面から多少の角度だけ傾いていても、メッシュが重なり合わず、上側メッシュ254Bを通った光線が下側メッシュ252Aで遮蔽される確率が先の実施例の場合よりも高くなる。したがって、スピーカ226の内部の斜光性が実施例の場合よりも向上する。
【0042】
<発明のその他の変形可能性>
【0043】
以上説明した実施例および変形例では上側メッシュ254、254A、254Bを白色とし、下側メッシュ252、252Aを黒色としたが、これに限るものではない。たとえば、上側メッシュ254、254A、254Bの上側の面を白色に塗布し、下側の面を黒色に塗布してもよい。また、上側メッシュ254、254A、254Bの少なくとも上側の面に金属メッキをしてその反射率を上げてもよい。更に白色でなくても反射率の高い色および濃度であってもよい。たとえば白っぽいグレーとか、蛍光色としての鮮やかな黄色またはオレンジ色を一例として挙げることができる。下側メッシュ252、252Aについても黒色である必要はなく、反射率の低い色および濃度であってもよい。たとえば紺色や藍色を一例として挙げることができる。
【0044】
更に、本実施例および変形例では254、254A、254Bと下側メッシュ252、252Aの2層としたが、更なる厚さが許容される電子機器では、たとえばより薄い糸を用いることで3層以上のメッシュ構造も可能である。また、本発明の適用対象は携帯電話機に限られず、スピーカのような電気・音変換手段あるいはマイクロフォンのような音・電気変換手段を備えたあらゆる電子機器が対象となることはもちろんである。
【0045】
また、実施例ではポリエステルの糸を網状にクロスさせて下側メッシュ252および上側メッシュ254を作成したが、素材およびメッシュの形成方法、メッシュの開口率およびメッシュ同士の間隔は適宜変更してもよいことはもちろんである。たとえばメッシュはシート状の材料に多数の孔を打ち抜いたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例における携帯電話機を開いた状態の外観を表わした斜視図である。
【図2】本実施例の携帯電話機を閉じた状態で第1の筐体の背面方向から見た斜視図である。
【図3】図2のB−B方向に第1の筐体を切断した際の端面を表わした端面図である。
【図4】本実施例の携帯電話機のリア筐体カバーの要部を表わした平面図である。
【図5】本実施例で筐体音孔の箇所での外光の入射と反射の様子を表わした説明図である。
【図6】本発明の第1の変形例における上側メッシュを表わした平面図である。
【図7】第1の変形例における下側メッシュを表わした平面図である。
【図8】第1の変形例で上側メッシュと下側メッシュを位置決めして上下に間隔を置いて配置した状態をこれらの面に対して垂直方向から見た平面図である。
【図9】本発明の第2の変形例における上側メッシュを表わした平面図である。
【図10】一般的な折りたたみ式の携帯電話機の折りたたんだ状態の背面を示した平面図である。
【図11】図10におけるA−A方向でこの携帯電話機を切断した際の端面を表わした端面図である。
【符号の説明】
【0047】
200 携帯電話機(電子機器)
223〜225 筐体音孔
226 スピーカ
242 振動板(電気・音変換手段、音・電気変換手段)
243 プロテクタ
247 スピーカ音孔
252、252A 下側メッシュ
254、254A、254B 上側メッシュ
261 光
262 ユーザの目
301、302 位置決め部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号の入力によって振動して音を発生させる振動板を備えた電気・音変換手段と、
この電気・音変換手段を内部に収容し、前記振動板の振動によって発生する放射音を外部に出力するための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、
前記開口部と前記振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、前記筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも前記開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている電気・音変換手段遮蔽部
とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
外部からの音の入力によって振動する振動板とこの振動板の振動を電気信号に変換する信号変換手段とを備えた音・電気変換手段と、
この音・電気変換手段を内部に収容し、前記振動板を振動させるための音を外部から取り入れるための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、
前記開口部と前記振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、前記筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも前記開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている音・電気変換手段遮蔽部
とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記複数枚のシート状部材は2枚のシート状部材であり、前記筐体に最も近いシート状部材はその両面が白色に、他のシート状部材はそれらの両面が黒となっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記振動板の外側には、この振動板を保護する板状部材としてのプロテクタが配置されており、このプロテクタには音を前記筐体の外部と内部の間を通過させるための開口部としての変換手段用音孔が開口していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記シート状部材はメッシュ状のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
前記シート状部材のそれぞれは同一パターンのメッシュから構成されており、これらのメッシュの回転位置を所望の角度だけ異ならせて前記筐体内に位置決めするための回転角度用位置決め部を備えていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記シート状部材のそれぞれは同一パターンのメッシュから構成されており、これらのメッシュのパターンを所望の距離だけ一定方向に相対的にずらして前記筐体内に位置決めするためのずれ位置決め部を備えていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項1】
電気信号の入力によって振動して音を発生させる振動板を備えた電気・音変換手段と、
この電気・音変換手段を内部に収容し、前記振動板の振動によって発生する放射音を外部に出力するための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、
前記開口部と前記振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、前記筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも前記開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている電気・音変換手段遮蔽部
とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
外部からの音の入力によって振動する振動板とこの振動板の振動を電気信号に変換する信号変換手段とを備えた音・電気変換手段と、
この音・電気変換手段を内部に収容し、前記振動板を振動させるための音を外部から取り入れるための開口部としての筐体音孔を備えた筐体と、
前記開口部と前記振動板の間に互いに間隔を置いて配置されそれぞれが多数の開口を有する複数枚のシート状部材からなり、前記筐体音孔に最も近いシート状部材は、少なくとも前記開口部に対向する側の部材表面の反射率がそれ以外のシート状部材表面の反射率と比べて視覚的に明暗として区別される比率で大きくなっている音・電気変換手段遮蔽部
とを具備することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記複数枚のシート状部材は2枚のシート状部材であり、前記筐体に最も近いシート状部材はその両面が白色に、他のシート状部材はそれらの両面が黒となっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記振動板の外側には、この振動板を保護する板状部材としてのプロテクタが配置されており、このプロテクタには音を前記筐体の外部と内部の間を通過させるための開口部としての変換手段用音孔が開口していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記シート状部材はメッシュ状のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
前記シート状部材のそれぞれは同一パターンのメッシュから構成されており、これらのメッシュの回転位置を所望の角度だけ異ならせて前記筐体内に位置決めするための回転角度用位置決め部を備えていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記シート状部材のそれぞれは同一パターンのメッシュから構成されており、これらのメッシュのパターンを所望の距離だけ一定方向に相対的にずらして前記筐体内に位置決めするためのずれ位置決め部を備えていることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−22365(P2008−22365A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193153(P2006−193153)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]