説明

電子機器

【課題】 複数のフォルダやアイコンを一覧表示させる際、簡単な操作により、好みに応じた配列方向に表示できるようにする。
【解決手段】 携帯電話機100は、表示部14に待ち受け画面が表示されている時に、上下左右方向に押下可能な十字キー162の上下部分が押されると、表示画面141に複数のフォルダやアイコンを縦配列で一覧表示させ、十字キー162の左右部分が押されると、表示画面141に複数のフォルダやアイコンを横配列で一覧表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の表示制御に関するものであり、特に、携帯電話機,携帯情報端末等の電子機器の表示画面にフォルダやアイコンを一覧表示させることができる電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の電子機器は、様々な機能を有しており、それらの機能を使う際には、表示画面に各機能に対応するアイコンを一覧表示して、その中から選択できるようにしている。また、各種データを複数のフォルダに分けて保存し、それらのデータを使用する際には、各フォルダを一覧表示して、その中から選択できるようにしている。
【0003】
このようなフォルダやアイコンの一覧表示を行える電子機器の従来例として、例えば、特許文献1(特開2006−24091号公報)に記載されている。この特許文献1に記載された携帯電話機では、フォルダを一覧表示する際にフォルダの配列が予め決められており、各フォルダを縦方向に配列させて表示することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−24091号公報(段落[0041]、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フォルダやアイコンを一覧表示する場合、ユーザによっては、フォルダやアイコンを縦方向に配列して表示する方が見易いという人もいれば、横方向に配列して表示する方が見易いという人もいる。そのため、上記従来の電子機器のように、フォルダやアイコンを、常に、予め決められた配列で表示するようにすると、ユーザによっては、表示の仕方に不満を感じる人が出てくるという問題点があった。
【0006】
このような問題を解決するために、所定のキー操作、例えば、特定のキーを操作することにより、一覧表示させたフォルダやアイコンを、横方向に配列表示するか、縦方向に配列表示するかを選択する操作を行うことにより、一覧の表示方向を切り替えることも考えられる。しかしながら、一覧表示させるための操作に加えて、表示方向を切り替えるための操作を施すことは、キー操作が複数のステップになって操作が面倒である。
【0007】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電話機等に設けられた十字キー162の上下部分を押すか左右部分を押すかの操作だけで、複数のフォルダ、アイコンを表示画面141に縦配列で一覧表示させるか、横配列で一覧表示させるかを選択して表示させるようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、複数のフォルダやアイコンを一覧表示させる際、簡単な操作により、好みに応じた配列方向に表示できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、各種コンテンツを表す複数の画像を表示する表示手段(例えば下記実施例では、表示部14に相当する)と、上下左右の方向性について入力可能な入力手段(例えば下記実施例では、十字キー162に相当する)と、前記入力手段の入力により前記表示手段に前記複数の画像を一覧表示する際に、前記入力手段によって入力された方向性により前記複数の画像を縦配列あるいは横配列で一覧表示するように制御する制御手段(例えば下記実施例では、表示方向決定部111に相当する)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る電子機器において、前記制御手段は、前記入力手段から左右の方向性について入力されたとき、前記表示手段に前記複数の画像を横配列で一覧表示させ、前記入力手段から上下の方向性について入力されたとき、前記表示手段に前記複数の画像を縦配列で一覧表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の電子機器は、次のような効果を奏する。すなわち、例えば、待ち受け画面が表示されている時に上下左右の方向性について入力可能な入力手段である十字キーの左右部分が押されると、その方向性により表示手段に複数のフォルダやアイコンといった各種コンテンツを表す画像を横配列で一覧表示させ、十字キーの上下部分が押されると、その方向性により表示手段に複数の画像を縦配列で一覧表示させるように構成されているので、簡単な操作により、好みに応じた配列方向にフォルダやアイコンを表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る携帯電話機の操作面を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る携帯電話機が表示画面にフォルダ等を一覧表示した状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る携帯電話機が表示画面にフォルダ等を一覧表示するための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯電話機を例示するものであって、本発明をこの携帯電話機に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電子機器にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。携帯電話機100は、図1のブロック図に示すように、通信部1、アンテナ2、ベースバンド部3、第1スピーカ4、増幅回路5,7,9、マイクロホン6、第2スピーカ8、切替部10、制御部11、ROM12、RAM13、表示部14、バイブレータ15、入力部16、開閉検出部17などを備えて構成されている。
【0015】
通信部1は、アンテナ2と接続されており、アンテナ2を介して基地局からの電波を受信し、アンテナ2を介してベースバンド部3からの信号を基地局へ発信する。ベースバンド部3は、通信部1と接続されており、CDMA処理回路31と、音声コーデック32と、を有している。
【0016】
ここで、CDMA処理回路31は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック32は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0017】
第1スピーカ4は、増幅回路5で増幅されたベースバンド部3の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ4は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。マイクロホン6は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン6により出力された電気信号は、増幅回路7で増幅されてベースバンド部3に出力される。
【0018】
第2スピーカ8は、増幅回路9で増幅されたベースバンド部3の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ8は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ8は、着信報知の鳴動も行う。
【0019】
切替部10は、ベースバンド部3と接続されるとともに、増幅回路5,7,9を介してそれぞれ第1スピーカ4、マイクロホン6、第2スピーカ8と接続されている。そして、ベースバンド部3との接続を、第1スピーカ4用の増幅回路5とマイクロホン6用の増幅回路7側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ8用の増幅回路9とマイクロホン6用の増幅回路7側にするかを切り替える。
【0020】
制御部11は、マイクロプロセッサからなる制御手段であり、ROM12及びRAM130と接続されており、ROM12に記憶されたシステムプログラムに基づきは各部を制御する。制御部11は、通信部1、ベースバンド部3および切替部10とそれぞれ接続されており、制御部11の制御により上述した切替部10による切り替えが行われる。また、制御部11によりベースバンド部3の音声コーデック32が制御され、音声コーデック32により第1スピーカ4及び第2スピーカ8の音量やマイクロホン6の感度が変更される。
【0021】
また、RAM13には、制御部11の動作に必要な情報である携帯電話機100の各種機能の設定フラグや、ユーザが入力する電話帳等の登録情報を記憶する。
【0022】
表示部14は、液晶パネルや有機ELパネルなどから構成される表示手段であり、制御部11と接続されている。表示部14は、制御部11の制御により、メニュー一覧画面、電話帳情報、電子メールといった各種視覚情報を表示する。なお、表示部14は本発明の表示手段に相当する。バイブレータ15は、制御部11に接続されており、制御部11の制御に基づき着信時に振動を発生させる。
【0023】
入力部16は、制御部11に接続されており、電話番号等の入力を行うテンキー161、カーソル移動等に用いられる十字キー162、各種機能の設定を行う機能キー163の他に、発呼及び通話の開始等を操作する通話キー、通話の終了等を操作する終話キー、決定キー、クリアキー等を有している。なお、十字キー162は本発明の入力手段に相当する。
【0024】
開閉検出部17は、後述するようにスピーカ4や表示部14が配設された第1の筐体(上部筐体201)と、マイクロホン6や入力部16が配設された第2の筐体(下部筐体202)とを回動開閉自在に結合するヒンジ機構202の開閉状態を検出し、検出結果を制御部11に出力する。
【0025】
また、本実施例の制御部11は、表示方向決定部111を備えている。この表示方向決定部111は、表示部14の表示画面が待ち受け状態において入力部16の十字キー162の押下された方向に応じて、待ち受け画面から移行して表示されるメニュー一覧画面におけるフォルダやアイコンの配列を縦方向あるいは横方向に決定する。制御部11は、表示方向決定部111が決定した配列方向に基づいて、メニュー一覧におけるフォルダやアイコンを表示部14に表示するように制御する。なお、表示方向決定部111は本発明の制御手段に相当する。
【0026】
図2は、本発明の実施例に係る携帯電話機の外観を示す図である。携帯電話機10は、ヒンジ機構203により回動開閉自在に結合された上部筐体201と下部筐体202からなり、図2では、通話時あるいは設定操作時に2つの筐体が開いた状態を示す携帯電話機の外観を示している。
【0027】
図2に示すように、上部筐体201には、スピーカ4と表示部14とが設けられ、表示部14の表示画面141には、待ち受け画面が表示される。下部筐体202には、入力部16とマイクロホン6とが設けられている。入力部16を形成する操作キー群には、テンキー161、十字(4方向)キー162および機能キー163が含まれている。
十字キー162は、表示画面上のカーソルを上下左右に移動させたり、表示部14にフォルダやアイコンを一覧表示させたりするときに使用するもので、上下左右の方向を指示できるものであれば、文字通りの十字形であってもよいし、図2に示すように全体が円形になっていてもよい。
【0028】
図3は、本発明の実施例に係る携帯電話機が表示画面にフォルダ等を一覧表示した状態を示す図である。携帯電話機100においてフォルダやアイコンを一覧表示する場合、図2に示す待ち受け状態において、十字キー162を操作して行う。その際、十字キー162の上方向又は下方向を押すと、図3(a)または図3(b)に示すメニュー一覧画面が表示される。また、十字キー162の左方向又は右方向を押すと、図3(c)または図3(d)に示すメニュー一覧画面が表示される。
【0029】
図3(a)に示すように、メニュー一覧画面141aには、メール、Webといった各フォルダからなるメニュー一覧の他、その上方に受信電波の電界強度のレベルを示すアンテナバー、バッテリの残量を示すバッテリアイコンとともに、時刻情報(9時37分、火曜日)が表示されている。また、メニュー一覧画面141aの下方には、十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコンが表示されており、例えば、図2に示す十字キー162は、その左右キーがそれぞれ赤外線受信を指示するための赤外線受信キーとメニュー切り替えを指示するためのメニュー切替キーに割り当てられていることを示し、十字キー162のセンターキーがメニュー一覧の中から所望の項目を選択するための選択キーに割り当てられていることを示している。なお、各フォルダは縦方向に配列されて一覧表示されている。その際、フォルダの内容を示す文字列は横書きにする。
【0030】
また、図3(b)に示すように、メニュー一覧画面141bには、メール、電話帳といった各項目をアイコンで示したメニュー一覧の他、その上方に図3(a)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図3(a)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「選択」等」)が表示されている。なお、各アイコンは縦方向に配列されて一覧表示されている。また、表示すべきアイコンが多数あるときは、図3(b)に示すように、アイコンを、第1列の上から下に順に配列していき、第1列が一杯になったらその隣の第2列に続けて表示していくようにしてもよい。
【0031】
また、図3(c)に示すように、メニュー一覧画面141cには、メール、Webといった各フォルダからなるメニュー一覧の他、その上方に図3(a)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図3(a)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「選択」等」)が表示されている。なお、各フォルダは横方向に配列されて一覧表示されている。その際、フォルダの内容を示す文字列は縦書きにする。
【0032】
また、図3(d)に示すように、メニュー一覧画面141dには、メール、電話帳といった各項目をアイコンで示したメニュー一覧の他、その上方に図3(a)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図3(a)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「選択」等」)が表示されている。なお、各アイコンは横方向に配列されて一覧表示されている。また、表示すべきアイコンが多数あるときは、図3(d)に示すように、アイコンを、第1行の左から右(又は右から左)に順に配列していき、第1行が一杯になったらその下の第2行に続けて表示していくようにしてもよい。
【0033】
次に、本発明に係る携帯電話機の表示動作について説明する。図4は、本発明の実施例に係る携帯電話機が表示画面にフォルダ等を一覧表示するための処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11がROMに記憶されているシステムプログラムを実行することで実現される。
【0034】
まず、ユーザが折り畳まれた携帯電話機筐体(上部筐体と下部筐体)を開くと、開閉検出部17からの検出信号に応じて表示部14に図2に示すような待ち受け画面が表示される。そして、ステップS41において、待ち受け画面が表示されている状態で、制御部11は十字キー162が押されたか否かを判定し、十字キー162が押下された場合にはステップS42の処理に進み、十字キー162が押下されない場合には待ち受け状態を保つ。
【0035】
次に、ステップS42において、制御部11の表示方向決定部111は、十字キー162の上下方向が押されたか、あるいは、左右方向が押されたかを判定する。上下方向の十字キーが押下された場合にはステップS43の処理に進み、左右方向の十字キーが押下された場合にはステップS44の処理に進む。
【0036】
そして、ステップS43では、表示画面141にフォルダやアイコンを縦方向に配列して一覧表示し(図4(a)あるいは図(b))、処理を終了する。一方、ステップS44では、表示画面141にフォルダやアイコンを横方向に配列して一覧表示し(図4(c)あるいは図(d))、処理を終了する。
【0037】
以上説明したように本発明に係る携帯電話機によれば、待ち受け画面を表示している状態において十字キー162の上下部分を押すか左右部分を押すかの操作だけで、複数のフォルダ、アイコンを表示画面141に縦配列で一覧表示させるか、横配列で一覧表示させるかを選択して表示させることができる。
【0038】
なお、上記実施例では、携帯電話機としてヒンジ機構により2つの筐体が結合された形態の折り畳み型携帯電話機について説明したが、携帯電話機はこれに限ることなく、その他の形態の携帯電話機に適用することも可能である。例えば、スライド型の携帯電話機やストレート型の携帯電話機であっても本発明は同様に適用可能である。
【0039】
また、上記実施例では、本発明を携帯電話機に適用した場合で説明したが、本発明は、これに限定されず、上下方向と左右方向を指定できる十字キー相当の操作手段を備えたPDA(Personal Digital Assistant)やPND(Portable Navigation Device)などの他の通信装置であってもよく、また、携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機などの一般的に通信機能を有しない他の電子機器であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
100・・・・携帯電話機
1・・・・通信部
2・・・・アンテナ
3・・・・ベースバンド部
31・・・・CDMA処理回路
32・・・・音声コーデック
4・・・・第1スピーカ
5,7,9・・・・増幅回路
6・・・・マイクロホン
8・・・・第2スピーカ
10・・・・切替部
11・・・・制御部
111・・・・表示方向決定部
12・・・・ROM
13・・・・RAM
14・・・・表示部
141・・・・表示画面
15・・・・バイブレータ
16・・・・入力部
161・・・・テンキー
162・・・・十字キー
163・・・・機能キー
17・・・・開閉検出部
201・・・・上部筐体
202・・・・下部筐体
203・・・・ヒンジ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種コンテンツを表す複数の画像を表示する表示手段と、
上下左右の方向性について入力可能な入力手段と、
前記入力手段の入力により前記表示手段に前記複数の画像を一覧表示する際に、前記入力手段によって入力された方向性により前記複数の画像を縦配列あるいは横配列で一覧表示するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記入力手段から左右の方向性について入力されたとき、前記表示手段に前記複数の画像を横配列で一覧表示させ、前記入力手段から上下の方向性について入力されたとき、前記表示手段に前記複数の画像を縦配列で一覧表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−199693(P2010−199693A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39245(P2009−39245)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】