電子機器
【課題】タッチパネルによる項目選択時に、誤操作を抑制することができる電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部21と、選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネル23と、タッチパネル23により検出された押圧位置に基づいて、メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行するCPU30と、CPU30により実行された処理の履歴を記憶するメモリ31と、を備え、CPU30は、メモリ31により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、押圧位置と決定される選択項目との対応関係を変更する。
【解決手段】携帯電話機1は、複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部21と、選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネル23と、タッチパネル23により検出された押圧位置に基づいて、メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行するCPU30と、CPU30により実行された処理の履歴を記憶するメモリ31と、を備え、CPU30は、メモリ31により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、押圧位置と決定される選択項目との対応関係を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルにより項目を選択させる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の電子機器において、操作入力を受け付ける手段は、メカニカルなキーデバイスが多かったが、キーの数や位置が固定されてしまうという問題があった。そこで、近年では、タッチパネルを搭載し、用途に応じて柔軟に数や位置を変更可能な電子機器が登場している。
【0003】
例えば、特許文献1では、ユーザの好み等に応じてアイコンの表示形態と配置とを選択させ、タッチパネル上の操作部のカスタマイズをファームウェアの更新によって行うことが提案されている。
【特許文献1】特開2006−293678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のメカニカルなキーデバイスでは、凹凸があったり、クリック感やストローク感があったりするため、キーの押し間違いは少ない。一方、タッチパネルでは、平面でクリック感がないため、誤操作が発生しやすかった。さらに、携帯型の電子機器では、表示部が小さいために1つの選択項目に対する選択範囲が狭い。したがって、ユーザが指で操作する場合に、この選択範囲を正確にタッチすることが難しいため、誤操作が起こりやすかった。
【0005】
そこで本発明は、タッチパネルによる項目選択時に、誤操作を抑制することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部と、前記選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルにより検出された押圧位置に基づいて、前記メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行する実行部と、前記実行部により実行された処理の履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、前記押圧位置と前記実行部により決定される選択項目との対応関係を変更する制御部と、を備える。
【0007】
また、前記制御部は、前記組み合わせを所定以上の頻度で検出した場合に、前記対応関係を変更することが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記変更した対応関係に合わせて、前記表示部における選択項目の表示を変更することが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記記憶部により記憶された処理の履歴から算出される前記選択項目毎の選択頻度に基づいて、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大したことに伴って押圧位置の領域を縮小する選択項目を決定することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、前記誤って選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、を入れ替えることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、2つの選択項目がそれぞれ選択された時刻の間隔に基づいて、前記組み合わせを検出することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タッチパネルによる項目選択時に、誤操作を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1(電子機器)の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0016】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、キー入力部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。キー入力部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0017】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。さらに、表面部20には、表示部21に表示された画像を透過可能であり、押圧による操作入力を受け付けるタッチパネル23が、表示部21に重畳して配置される。
【0018】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、CPU30(実行部、制御部)と、メモリ31(記憶部)と、表示部21と、タッチパネル23と、を備える。なお、図2では、本実施形態の説明に係る機能ブロックのみを示しており、その他、通信制御や音声制御等、携帯電話機として当然に備える機能の図示を省略する。
【0020】
CPU30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、タッチパネル23、メモリ31等に対して所定の制御を行う。また、CPU30は、キー入力部11(図1)、タッチパネル23等から操作入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、CPU30は、処理実行の際には、メモリ31を制御し、各種プログラムおよびデータの読み出し、およびデータの書き込みを行う。
【0021】
メモリ31は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU30による演算処理に利用される。また、CPU30にて実行される各種制御プログラムの他、例えば、プログラムの処理中に参照・更新される、後述の操作履歴テーブル(図4)や、誤操作発生履歴テーブル(図5)等を記憶する。なお、メモリ31は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0022】
表示部21は、CPU30の制御に従って、所定の画像処理を行う。そして、処理後の画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで画面出力する。本実施形態では、表示部21は、互いに隣接した複数の選択項目からなるメニューを表示させる。
【0023】
タッチパネル23は、ユーザの指等により触れられた(押圧された)位置を検出するセンサである。CPU30は、タッチパネル23による検出結果を受け取り、その検出結果を各種操作入力として各種処理を実行する。なお、タッチパネル23は、既存の静電容量方式や抵抗膜方式等のセンサが利用可能である。
【0024】
以下、タッチパネル23への操作入力に伴うCPU30による処理内容の詳細を説明する。
【0025】
図3は、本実施形態に係る表示部21におけるメニュー表示と、このメニューを構成する複数の選択項目に対応したタッチパネル23における選択範囲と、を示す図である。
【0026】
表示部21には、9種類のアプリケーション(アプリA〜I)を起動するアイコンが並んだメニューが表示される。そして、このメニューのそれぞれのアイコンに対応したタッチパネル23における押圧位置の領域(選択範囲)が設定されている。
【0027】
図4は、本実施形態に係るメモリ31に格納された操作履歴テーブルを示す図である。操作履歴テーブルには、ユーザからの操作入力の内容が、操作時刻と対応付けて記憶される。図4の例では、例えば、時刻T1にタッチパネル23の操作によりアプリAが起動され、時刻T2にアプリAを終了するキャンセル操作がされている。続いて、時刻T3にタッチパネル23の操作によりアプリBが起動され、操作1、操作2と続いている。
【0028】
ここで、CPU30は、操作履歴テーブル(図4)を参照し、キャンセル操作(例えば、時刻T2)を挟んだ2つのアプリケーション起動(例えば、時刻T1およびT3)の時間間隔を算出する。この時間間隔(T3−T1)が所定の閾値Tm以下である場合には、時刻T1の操作が誤操作であり、時刻T3の操作が正操作であると判断する。なお、キャンセル操作に代えて、アプリAの起動を終了させる終了操作を挟んだ2つのアプリケーション起動の時間間隔と閾値Tmとを比較して同様の判断をしてもよい。
【0029】
図5は、本実施形態に係るメモリ31に格納された誤操作発生履歴テーブルを示す図である。誤操作発生履歴テーブルには、CPU30により検出された誤操作と正操作との組み合わせが、その発生回数と共に記憶される。例えば、図5の例では、誤操作がアプリAで正操作がアプリBの組み合わせ(アプリAの起動をキャンセルし、すぐにアプリBを起動した場合)の発生回数はC1となっている。
【0030】
なお、操作履歴テーブル(図4)および誤操作発生履歴テーブル(図5)は、共にメモリ31に格納されるとしたが、これには限られない。操作履歴テーブル(図4)は、携帯電話機1の起動後、特に現在までの所定時間内の操作履歴が記憶されていればよいので、揮発性の記憶装置に格納されてよい。一方、誤操作発生履歴テーブル(図5)は、過去からの累積の発生回数を記憶してユーザ操作を学習する必要があるため、不揮発性の記憶装置に格納される。
【0031】
図6は、本実施形態に係るタッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコンと、の対応関係を変更する様子を示した図である。
【0032】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大し、アプリAの選択範囲を縮小する。これにより、ユーザがアプリBの起動と間違えてアプリAを起動してしまうのを抑制することができ、操作性の向上が期待できる。
【0033】
図7は、本実施形態に係るCPU30の処理を示すフローチャートである。本処理は、ユーザの操作入力に応じて実行される。
【0034】
ステップS1では、CPU30は、ユーザによる操作入力がアプリケーションのキャンセル操作であるか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS2に移り、判定がNOの場合はステップS5に移る。
【0035】
ステップS2では、CPU30は、キャンセル操作の直前に行われたアプリケーション起動から、このキャンセル操作までの時間(例えば、図4のT2−T1)が、所定の閾値Tn以内であるか否かを判定する。この判定がYESの場合は、短時間のうちにアプリケーションがキャンセルされたことを示しているので、ステップS3に移る。一方、この判定がNOの場合は、アプリケーションの起動が意図したものであったことを示しているので、ステップS11に移る。
【0036】
ステップS3では、CPU30は、アプリケーション起動の直後にキャンセル操作がされたことを示すキャンセル操作フラグをONにする。
【0037】
ステップS4では、CPU30は、キャンセル操作の直前のアプリケーション起動(例えば、図4の時刻T1におけるアプリA起動)を誤操作の候補として記憶する。
【0038】
ステップS5では、CPU30は、ユーザによる操作入力がアプリケーションの起動操作であるか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS6に移り、判定がNOの場合は、誤操作の判断に関わらない入力であるため、ステップS11に移る。
【0039】
ステップS6では、CPU30は、ステップS3にてキャンセル操作フラグがONにされているかいなかを判定する。この判定がYESの場合は、キャンセル操作の直後にアプリケーションの起動操作がされたので、ステップS7に移る。一方、判定がNOの場合は、キャンセル操作の直後ではないので、ステップS11に移る。
【0040】
ステップS7では、CPU30は、ステップS4にて記憶した誤操作の候補(アプリA)から、ステップS5でのアプリケーション(例えば、図4のアプリB)起動までの時間(例えば、図4のT3−T1)が所定の閾値Tm以内であるか否かを判定する。この判定がYESの場合は、短時間のうちにキャンセル操作を挟んで異なるアプリケーションに切り替えたので、ステップS8に移る。一方、この判定がNOの場合は、誤操作に伴うアプリケーションの切り替えではないので、ステップS11に移る。
【0041】
ステップS8では、CPU30は、キャンセル操作を挟んだ2つのアプリケーション起動を誤操作に伴う切り替えであると判断し、キャンセル前のアプリケーション(アプリA)を誤操作、キャンセル後のアプリケーション(アプリB)を正操作として、誤操作発生履歴テーブル(図5)への登録、あるいは発生回数の更新を行う。
【0042】
ステップS9では、CPU30は、誤操作発生履歴テーブル(図5)に記憶した発生回数が規定数を超えているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、誤操作が頻繁に発生していると判断し、ステップS10に移る。一方、この判定がNOの場合は、頻度が低いと判断し、ステップS11に移る。
【0043】
ステップS10では、CPU30は、ステップS9にて頻繁に発生していると判断した誤操作を抑制するために、メニュー構成の変更を行う。すなわち、CPU30は、図6に示したように、タッチパネル23における誤操作(アプリA)の選択範囲を縮小し、正操作(アプリB)の選択範囲を拡大する。
【0044】
ステップS11では、CPU30は、ユーザの操作入力と時刻に基づいて、操作履歴テーブル(図4)を更新する。
【0045】
本実施形態によれば、正操作の選択範囲を拡大することにより、タッチパネルによる項目選択時の誤操作を軽減することができる。また、所定以上の頻度で誤操作が検出された場合にメニュー構成を変更するので、わずかの誤操作や誤検出によりメニュー構成が変更されて使い勝手が悪化することを抑制できる。さらに、アプリケーション起動の時間間隔を判断条件としたことにより、誤操作の検出精度が向上される。
【0046】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態におけるメニュー構成の変更(図7のステップS10)の処理が異なり、CPU30は、タッチパネル23における選択範囲の変更に合わせて、表示部21におけるアイコンの表示を変更する。
【0047】
図8は、本実施形態において、誤操作のアイコンと正操作のアイコンとが隣接している場合に、タッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0048】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大し、アプリAの選択範囲を縮小する。さらに、CPU30は、表示部21におけるメニュー表示で、アプリBのアイコンを大きく、アプリAのアイコンを小さくする。これにより、メニュー表示とタッチパネル23における選択範囲とを合致させる。
【0049】
図9は、本実施形態において、タッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0050】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C3(誤操作:アプリA、正操作:アプリI)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリAの選択範囲と、アプリIの選択範囲とを入れ替える。さらに、CPU30は、表示部21におけるメニュー表示で、アプリAのアイコンとアプリIのアイコンとの表示を入れ替える。これにより、メニュー表示とタッチパネル23における選択範囲とを合致させる。
【0051】
本実施形態によれば、タッチパネル23の選択範囲とメニュー表示とが合致するので、見た目と反応領域とが異なることにより混乱を招くことを抑止できる。また、互いに隣接しない選択項目間での押し間違いを軽減できる可能性がある。
【0052】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態におけるメニュー構成の変更(図7のステップS10)の処理が異なる。メモリ31には、操作履歴テーブル(図4)および誤操作発生履歴テーブル(図5)の他に、起動回数テーブルが記憶される。そして、CPU30は、アプリケーション起動の頻度に基づいて、タッチパネル23における選択範囲の調整を行う。
【0053】
図10は、本実施形態に係るメモリ31に格納された起動回数テーブルを示す図である。起動回数テーブルには、アプリケーションの種類(アプリA〜I)毎の起動回数が記憶される。なお、この起動回数は、利用開始からの積算回数であってもよいし、現在までの所定期間における回数であってもよい。
【0054】
図11は、本実施形態に係るタッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0055】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大する。このとき、CPU30は、起動回数テーブル(図10)を参照し、アプリBに隣接するアプリケーション(アプリAおよびアプリC)の起動回数を取得する。図10の例では、アプリAに比べてアプリCの起動回数が少ないため、アプリAの起動が難しくならないように、アプリCに対する選択範囲を縮小する。
【0056】
ここで、アプリAの起動回数は、アプリBおよびアプリCに比べて多くなっている。そこで、CPU30は、図11のように、アプリAの選択間違いを予防するため、アプリAの選択範囲を拡大してもよい。
【0057】
なお、本実施形態では、誤操作(アプリA)と正操作(アプリB)の組み合わせにおいて、例えば図11のように、選択範囲の境界が誤操作を抑制する方向(アプリA寄り)に調整されない場合がある。したがって、タッチパネル23における選択範囲に合わせて、表示部21におけるアプリケーションのアイコン表示も変更することが好ましい。これにより、誤操作を起こしやすいアプリケーション(アプリB)のアイコン表示および選択範囲が合わせて大きくなるので、選択操作が容易になる。
【0058】
本実施形態によれば、アプリケーション起動の頻度に基づいてタッチパネル23における選択範囲を調整したので、誤操作を抑制すると共に、操作性を維持することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0060】
例えば、CPU30は、誤操作と正操作の組み合わせを検出したことにより、さらに、以下のように、ユーザに対して正操作を促すことも可能である。
【0061】
図12は、誤操作から正操作へと導く様子を示す図である。アプリAを起動したが、すぐに(例えば、所定時間内に)キャンセル操作を行うと、CPU30は、アプリAを誤操作と判断する。
【0062】
ここで、CPU30は、誤操作発生履歴テーブル(図5)を参照し、「誤操作:アプリA、正操作:アプリB」の組み合わせに関する発生回数C1が多い場合、正操作のアプリBへ導くため、アプリBのアイコンをライトアップさせる。さらに、CPU30は、他のアイコンの選択を受け付けないようにしてもよい。そして、一定時間が経過すると、CPU30は、初期状態へと復帰させる。
【0063】
これにより、ユーザは、正しいアプリケーションを正確に選択することができる。また、CPU30により判断された誤操作でなかった場合にも、一定時間後には、任意の操作入力が可能となる。
【0064】
なお、上記の実施形態では、電子機器の一例として携帯電話機1を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置やPC(Personal Computer)等、様々な電子機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るメニュー表示と、タッチパネルにおける選択範囲と、を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る操作履歴テーブルを示す図である。
【図5】第1実施形態に係る誤操作発生履歴テーブルを示す図である。
【図6】第1実施形態に係るタッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコンと、の対応関係を変更する様子を示した図である。
【図7】第1実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態において、誤操作のアイコンと正操作のアイコンとが隣接している場合に、タッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図9】第2実施形態において、タッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図10】第3実施形態に係る起動回数テーブルを示す図である。
【図11】第3実施形態に係るタッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図12】誤操作から正操作へと導く様子を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機(電子機器)
21 表示部
23 タッチパネル
30 CPU(実行部、制御部)
31 メモリ(記憶部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルにより項目を選択させる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の電子機器において、操作入力を受け付ける手段は、メカニカルなキーデバイスが多かったが、キーの数や位置が固定されてしまうという問題があった。そこで、近年では、タッチパネルを搭載し、用途に応じて柔軟に数や位置を変更可能な電子機器が登場している。
【0003】
例えば、特許文献1では、ユーザの好み等に応じてアイコンの表示形態と配置とを選択させ、タッチパネル上の操作部のカスタマイズをファームウェアの更新によって行うことが提案されている。
【特許文献1】特開2006−293678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のメカニカルなキーデバイスでは、凹凸があったり、クリック感やストローク感があったりするため、キーの押し間違いは少ない。一方、タッチパネルでは、平面でクリック感がないため、誤操作が発生しやすかった。さらに、携帯型の電子機器では、表示部が小さいために1つの選択項目に対する選択範囲が狭い。したがって、ユーザが指で操作する場合に、この選択範囲を正確にタッチすることが難しいため、誤操作が起こりやすかった。
【0005】
そこで本発明は、タッチパネルによる項目選択時に、誤操作を抑制することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部と、前記選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルにより検出された押圧位置に基づいて、前記メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行する実行部と、前記実行部により実行された処理の履歴を記憶する記憶部と、前記記憶部により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、前記押圧位置と前記実行部により決定される選択項目との対応関係を変更する制御部と、を備える。
【0007】
また、前記制御部は、前記組み合わせを所定以上の頻度で検出した場合に、前記対応関係を変更することが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記変更した対応関係に合わせて、前記表示部における選択項目の表示を変更することが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記記憶部により記憶された処理の履歴から算出される前記選択項目毎の選択頻度に基づいて、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大したことに伴って押圧位置の領域を縮小する選択項目を決定することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、前記誤って選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、を入れ替えることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、2つの選択項目がそれぞれ選択された時刻の間隔に基づいて、前記組み合わせを検出することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タッチパネルによる項目選択時に、誤操作を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1(電子機器)の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0016】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、キー入力部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。キー入力部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0017】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。さらに、表面部20には、表示部21に表示された画像を透過可能であり、押圧による操作入力を受け付けるタッチパネル23が、表示部21に重畳して配置される。
【0018】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、CPU30(実行部、制御部)と、メモリ31(記憶部)と、表示部21と、タッチパネル23と、を備える。なお、図2では、本実施形態の説明に係る機能ブロックのみを示しており、その他、通信制御や音声制御等、携帯電話機として当然に備える機能の図示を省略する。
【0020】
CPU30は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、表示部21、タッチパネル23、メモリ31等に対して所定の制御を行う。また、CPU30は、キー入力部11(図1)、タッチパネル23等から操作入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、CPU30は、処理実行の際には、メモリ31を制御し、各種プログラムおよびデータの読み出し、およびデータの書き込みを行う。
【0021】
メモリ31は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU30による演算処理に利用される。また、CPU30にて実行される各種制御プログラムの他、例えば、プログラムの処理中に参照・更新される、後述の操作履歴テーブル(図4)や、誤操作発生履歴テーブル(図5)等を記憶する。なお、メモリ31は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0022】
表示部21は、CPU30の制御に従って、所定の画像処理を行う。そして、処理後の画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで画面出力する。本実施形態では、表示部21は、互いに隣接した複数の選択項目からなるメニューを表示させる。
【0023】
タッチパネル23は、ユーザの指等により触れられた(押圧された)位置を検出するセンサである。CPU30は、タッチパネル23による検出結果を受け取り、その検出結果を各種操作入力として各種処理を実行する。なお、タッチパネル23は、既存の静電容量方式や抵抗膜方式等のセンサが利用可能である。
【0024】
以下、タッチパネル23への操作入力に伴うCPU30による処理内容の詳細を説明する。
【0025】
図3は、本実施形態に係る表示部21におけるメニュー表示と、このメニューを構成する複数の選択項目に対応したタッチパネル23における選択範囲と、を示す図である。
【0026】
表示部21には、9種類のアプリケーション(アプリA〜I)を起動するアイコンが並んだメニューが表示される。そして、このメニューのそれぞれのアイコンに対応したタッチパネル23における押圧位置の領域(選択範囲)が設定されている。
【0027】
図4は、本実施形態に係るメモリ31に格納された操作履歴テーブルを示す図である。操作履歴テーブルには、ユーザからの操作入力の内容が、操作時刻と対応付けて記憶される。図4の例では、例えば、時刻T1にタッチパネル23の操作によりアプリAが起動され、時刻T2にアプリAを終了するキャンセル操作がされている。続いて、時刻T3にタッチパネル23の操作によりアプリBが起動され、操作1、操作2と続いている。
【0028】
ここで、CPU30は、操作履歴テーブル(図4)を参照し、キャンセル操作(例えば、時刻T2)を挟んだ2つのアプリケーション起動(例えば、時刻T1およびT3)の時間間隔を算出する。この時間間隔(T3−T1)が所定の閾値Tm以下である場合には、時刻T1の操作が誤操作であり、時刻T3の操作が正操作であると判断する。なお、キャンセル操作に代えて、アプリAの起動を終了させる終了操作を挟んだ2つのアプリケーション起動の時間間隔と閾値Tmとを比較して同様の判断をしてもよい。
【0029】
図5は、本実施形態に係るメモリ31に格納された誤操作発生履歴テーブルを示す図である。誤操作発生履歴テーブルには、CPU30により検出された誤操作と正操作との組み合わせが、その発生回数と共に記憶される。例えば、図5の例では、誤操作がアプリAで正操作がアプリBの組み合わせ(アプリAの起動をキャンセルし、すぐにアプリBを起動した場合)の発生回数はC1となっている。
【0030】
なお、操作履歴テーブル(図4)および誤操作発生履歴テーブル(図5)は、共にメモリ31に格納されるとしたが、これには限られない。操作履歴テーブル(図4)は、携帯電話機1の起動後、特に現在までの所定時間内の操作履歴が記憶されていればよいので、揮発性の記憶装置に格納されてよい。一方、誤操作発生履歴テーブル(図5)は、過去からの累積の発生回数を記憶してユーザ操作を学習する必要があるため、不揮発性の記憶装置に格納される。
【0031】
図6は、本実施形態に係るタッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコンと、の対応関係を変更する様子を示した図である。
【0032】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大し、アプリAの選択範囲を縮小する。これにより、ユーザがアプリBの起動と間違えてアプリAを起動してしまうのを抑制することができ、操作性の向上が期待できる。
【0033】
図7は、本実施形態に係るCPU30の処理を示すフローチャートである。本処理は、ユーザの操作入力に応じて実行される。
【0034】
ステップS1では、CPU30は、ユーザによる操作入力がアプリケーションのキャンセル操作であるか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS2に移り、判定がNOの場合はステップS5に移る。
【0035】
ステップS2では、CPU30は、キャンセル操作の直前に行われたアプリケーション起動から、このキャンセル操作までの時間(例えば、図4のT2−T1)が、所定の閾値Tn以内であるか否かを判定する。この判定がYESの場合は、短時間のうちにアプリケーションがキャンセルされたことを示しているので、ステップS3に移る。一方、この判定がNOの場合は、アプリケーションの起動が意図したものであったことを示しているので、ステップS11に移る。
【0036】
ステップS3では、CPU30は、アプリケーション起動の直後にキャンセル操作がされたことを示すキャンセル操作フラグをONにする。
【0037】
ステップS4では、CPU30は、キャンセル操作の直前のアプリケーション起動(例えば、図4の時刻T1におけるアプリA起動)を誤操作の候補として記憶する。
【0038】
ステップS5では、CPU30は、ユーザによる操作入力がアプリケーションの起動操作であるか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS6に移り、判定がNOの場合は、誤操作の判断に関わらない入力であるため、ステップS11に移る。
【0039】
ステップS6では、CPU30は、ステップS3にてキャンセル操作フラグがONにされているかいなかを判定する。この判定がYESの場合は、キャンセル操作の直後にアプリケーションの起動操作がされたので、ステップS7に移る。一方、判定がNOの場合は、キャンセル操作の直後ではないので、ステップS11に移る。
【0040】
ステップS7では、CPU30は、ステップS4にて記憶した誤操作の候補(アプリA)から、ステップS5でのアプリケーション(例えば、図4のアプリB)起動までの時間(例えば、図4のT3−T1)が所定の閾値Tm以内であるか否かを判定する。この判定がYESの場合は、短時間のうちにキャンセル操作を挟んで異なるアプリケーションに切り替えたので、ステップS8に移る。一方、この判定がNOの場合は、誤操作に伴うアプリケーションの切り替えではないので、ステップS11に移る。
【0041】
ステップS8では、CPU30は、キャンセル操作を挟んだ2つのアプリケーション起動を誤操作に伴う切り替えであると判断し、キャンセル前のアプリケーション(アプリA)を誤操作、キャンセル後のアプリケーション(アプリB)を正操作として、誤操作発生履歴テーブル(図5)への登録、あるいは発生回数の更新を行う。
【0042】
ステップS9では、CPU30は、誤操作発生履歴テーブル(図5)に記憶した発生回数が規定数を超えているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、誤操作が頻繁に発生していると判断し、ステップS10に移る。一方、この判定がNOの場合は、頻度が低いと判断し、ステップS11に移る。
【0043】
ステップS10では、CPU30は、ステップS9にて頻繁に発生していると判断した誤操作を抑制するために、メニュー構成の変更を行う。すなわち、CPU30は、図6に示したように、タッチパネル23における誤操作(アプリA)の選択範囲を縮小し、正操作(アプリB)の選択範囲を拡大する。
【0044】
ステップS11では、CPU30は、ユーザの操作入力と時刻に基づいて、操作履歴テーブル(図4)を更新する。
【0045】
本実施形態によれば、正操作の選択範囲を拡大することにより、タッチパネルによる項目選択時の誤操作を軽減することができる。また、所定以上の頻度で誤操作が検出された場合にメニュー構成を変更するので、わずかの誤操作や誤検出によりメニュー構成が変更されて使い勝手が悪化することを抑制できる。さらに、アプリケーション起動の時間間隔を判断条件としたことにより、誤操作の検出精度が向上される。
【0046】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態におけるメニュー構成の変更(図7のステップS10)の処理が異なり、CPU30は、タッチパネル23における選択範囲の変更に合わせて、表示部21におけるアイコンの表示を変更する。
【0047】
図8は、本実施形態において、誤操作のアイコンと正操作のアイコンとが隣接している場合に、タッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0048】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大し、アプリAの選択範囲を縮小する。さらに、CPU30は、表示部21におけるメニュー表示で、アプリBのアイコンを大きく、アプリAのアイコンを小さくする。これにより、メニュー表示とタッチパネル23における選択範囲とを合致させる。
【0049】
図9は、本実施形態において、タッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0050】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C3(誤操作:アプリA、正操作:アプリI)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリAの選択範囲と、アプリIの選択範囲とを入れ替える。さらに、CPU30は、表示部21におけるメニュー表示で、アプリAのアイコンとアプリIのアイコンとの表示を入れ替える。これにより、メニュー表示とタッチパネル23における選択範囲とを合致させる。
【0051】
本実施形態によれば、タッチパネル23の選択範囲とメニュー表示とが合致するので、見た目と反応領域とが異なることにより混乱を招くことを抑止できる。また、互いに隣接しない選択項目間での押し間違いを軽減できる可能性がある。
【0052】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態におけるメニュー構成の変更(図7のステップS10)の処理が異なる。メモリ31には、操作履歴テーブル(図4)および誤操作発生履歴テーブル(図5)の他に、起動回数テーブルが記憶される。そして、CPU30は、アプリケーション起動の頻度に基づいて、タッチパネル23における選択範囲の調整を行う。
【0053】
図10は、本実施形態に係るメモリ31に格納された起動回数テーブルを示す図である。起動回数テーブルには、アプリケーションの種類(アプリA〜I)毎の起動回数が記憶される。なお、この起動回数は、利用開始からの積算回数であってもよいし、現在までの所定期間における回数であってもよい。
【0054】
図11は、本実施形態に係るタッチパネル23における選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【0055】
誤操作発生履歴テーブル(図5)における発生回数C1(誤操作:アプリA、正操作:アプリB)が所定数を超えた場合、CPU30は、タッチパネル23におけるアプリBの選択範囲を拡大する。このとき、CPU30は、起動回数テーブル(図10)を参照し、アプリBに隣接するアプリケーション(アプリAおよびアプリC)の起動回数を取得する。図10の例では、アプリAに比べてアプリCの起動回数が少ないため、アプリAの起動が難しくならないように、アプリCに対する選択範囲を縮小する。
【0056】
ここで、アプリAの起動回数は、アプリBおよびアプリCに比べて多くなっている。そこで、CPU30は、図11のように、アプリAの選択間違いを予防するため、アプリAの選択範囲を拡大してもよい。
【0057】
なお、本実施形態では、誤操作(アプリA)と正操作(アプリB)の組み合わせにおいて、例えば図11のように、選択範囲の境界が誤操作を抑制する方向(アプリA寄り)に調整されない場合がある。したがって、タッチパネル23における選択範囲に合わせて、表示部21におけるアプリケーションのアイコン表示も変更することが好ましい。これにより、誤操作を起こしやすいアプリケーション(アプリB)のアイコン表示および選択範囲が合わせて大きくなるので、選択操作が容易になる。
【0058】
本実施形態によれば、アプリケーション起動の頻度に基づいてタッチパネル23における選択範囲を調整したので、誤操作を抑制すると共に、操作性を維持することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0060】
例えば、CPU30は、誤操作と正操作の組み合わせを検出したことにより、さらに、以下のように、ユーザに対して正操作を促すことも可能である。
【0061】
図12は、誤操作から正操作へと導く様子を示す図である。アプリAを起動したが、すぐに(例えば、所定時間内に)キャンセル操作を行うと、CPU30は、アプリAを誤操作と判断する。
【0062】
ここで、CPU30は、誤操作発生履歴テーブル(図5)を参照し、「誤操作:アプリA、正操作:アプリB」の組み合わせに関する発生回数C1が多い場合、正操作のアプリBへ導くため、アプリBのアイコンをライトアップさせる。さらに、CPU30は、他のアイコンの選択を受け付けないようにしてもよい。そして、一定時間が経過すると、CPU30は、初期状態へと復帰させる。
【0063】
これにより、ユーザは、正しいアプリケーションを正確に選択することができる。また、CPU30により判断された誤操作でなかった場合にも、一定時間後には、任意の操作入力が可能となる。
【0064】
なお、上記の実施形態では、電子機器の一例として携帯電話機1を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置やPC(Personal Computer)等、様々な電子機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るメニュー表示と、タッチパネルにおける選択範囲と、を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る操作履歴テーブルを示す図である。
【図5】第1実施形態に係る誤操作発生履歴テーブルを示す図である。
【図6】第1実施形態に係るタッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコンと、の対応関係を変更する様子を示した図である。
【図7】第1実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態において、誤操作のアイコンと正操作のアイコンとが隣接している場合に、タッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図9】第2実施形態において、タッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図10】第3実施形態に係る起動回数テーブルを示す図である。
【図11】第3実施形態に係るタッチパネルにおける選択範囲と、メニューのアイコン表示と、を変更する様子を示した図である。
【図12】誤操作から正操作へと導く様子を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機(電子機器)
21 表示部
23 タッチパネル
30 CPU(実行部、制御部)
31 メモリ(記憶部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部と、
前記選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルにより検出された押圧位置に基づいて、前記メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行する実行部と、
前記実行部により実行された処理の履歴を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、前記押圧位置と前記実行部により決定される選択項目との対応関係を変更する制御部と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記組み合わせを所定以上の頻度で検出した場合に、前記対応関係を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記変更した対応関係に合わせて、前記表示部における選択項目の表示を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記記憶部により記憶された処理の履歴から算出される前記選択項目毎の選択頻度に基づいて、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大したことに伴って押圧位置の領域を縮小する選択項目を決定することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、前記誤って選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、を入れ替えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、2つの選択項目がそれぞれ選択された時刻の間隔に基づいて、前記組み合わせを検出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項1】
複数の選択項目からなるメニューを表示させる表示部と、
前記選択項目に重畳する位置に配置され、当該選択項目に対応した押圧位置を検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルにより検出された押圧位置に基づいて、前記メニューの中から選択された選択項目を決定し、当該選択項目に応じた所定の処理を実行する実行部と、
前記実行部により実行された処理の履歴を記憶する記憶部と、
前記記憶部により記憶された処理の履歴から、誤って選択された選択項目と、その後に正しく選択された選択項目と、の組み合わせを検出すると、前記押圧位置と前記実行部により決定される選択項目との対応関係を変更する制御部と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記組み合わせを所定以上の頻度で検出した場合に、前記対応関係を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記変更した対応関係に合わせて、前記表示部における選択項目の表示を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記記憶部により記憶された処理の履歴から算出される前記選択項目毎の選択頻度に基づいて、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域を拡大したことに伴って押圧位置の領域を縮小する選択項目を決定することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記正しく選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、前記誤って選択された選択項目に対応する押圧位置の領域と、を入れ替えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、2つの選択項目がそれぞれ選択された時刻の間隔に基づいて、前記組み合わせを検出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−55225(P2010−55225A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217490(P2008−217490)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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