説明

電子機器

【課題】非稼働状態に移行した後に使用可能な機能をユーザに認識させることができるようにする。
【解決手段】実施形態の電子機器は、音声信号を出力する第1の外部機器が接続されるライン端子を有する電子機器であって、前記ライン端子に前記第1の外部機器が接続されていることを検出する第1の検出手段と、前記ライン端子から入力された前記音声信号を増幅して出力するアンプ機能を有するオーディオコーデックと、前記オーディオコーデックにより出力された音声信号に応じた音を出力するスピーカと、前記電子機器が非稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記オーディオコーデックに電源を供給する第1の電源供給手段と、前記第1の電子機器が稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に設定画面を表示する第1の表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外部機器を接続が可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピュータ等の電子機器は、各種の外部機器を接続して使用することができる。例えば、パーソナルコンピュータは、外部機器からデータを入力して記録したり、外部に出力したりすることができる。また、近年では、パーソナルコンピュータに設けられたUSB(Universal Serial Bus)端子を通じて、バッテリの充電をする外部機器(例えば、携帯電話機、オーディオプレーヤ、デジタルカメラ等)も多い。
【0003】
通常、パーソナルコンピュータは、稼動状態にある時(電源オン時)に、例えばUSB端子に外部機器が接続された場合には、外部機器が接続されたことを示す表示が可能である。また、パーソナルコンピュータに接続された外部機器においても、パーソナルコンピュータと接続されたことを示す表示が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−88617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来技術では、電子機器において外部機器が接続されたことを示す表示が可能であるため、この表示によって外部機器を使用可能であることをユーザが認識することができる。
【0006】
しかしながら、電子機器が稼働状態である時の状況をユーザに通知するための表示であるため、電子機器が非稼働状態に移行した後にも同様にして外部機器を接続して使用可能な機能があったとしても、表示ができない非稼働状態では、ユーザに対してこの機能が使用可能であることを認識させることができないという課題がある。
【0007】
発明の目的は、非稼働状態に移行した後に使用可能な機能をユーザに認識させることが可能な電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の電子機器は、音声信号を出力する第1の外部機器が接続されるライン端子を有する電子機器であって、前記ライン端子に前記第1の外部機器が接続されていることを検出する第1の検出手段と、前記ライン端子から入力された前記音声信号を増幅して出力するアンプ機能を有するオーディオコーデックと、前記オーディオコーデックにより出力された音声信号に応じた音を出力するスピーカと、前記電子機器が非稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記オーディオコーデックに電源を供給する第1の電源供給手段と、前記第1の電子機器が稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に設定画面を表示する第1の表示手段とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態における電子機器の構成を示す外観図。
【図2】本実施形態におけるパーソナルコンピュータのシステム構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるオーディオコーデックの周辺構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態におけるスリープユーティリティプログラムにより表示されるスリープユーティリティ画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のスリープユーティリティ処理について示すフローチャート。
【図6】本実施形態におけるスリープユーティリティ設定処理について示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。
図1は、本実施形態における電子機器の構成を示す外観図である。この電子機器は、例えば、ノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10は、非稼働状態の時に、ラインアウト付き外部機器(例えば、携帯型のオーディオプレーヤ25)から出力されたアナログ音声信号を入力して、筐体に実装されたスピーカ18から出力させる音声出力機能(以下、スリープアンドミュージック機能と称する)、及び非稼働状態の時に、USB(Universal Serial Bus)を介して外部のUSB機器に電源供給をする電源供給機能(以下、スリープアンドチャージ機能と称する)を有している。
【0011】
オーディオプレーヤ25からの出力を直接スピーカに接続した場合、オーディオプレーヤ25の出力がスピーカの能力に比べて小さいため、十分な音量の音声を出力することができない。本実施形態におけるスリープアンドミュージック機能は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合でも、オーディオプレーヤ25をパーソナルコンピュータ10に接続するために、プラグ27がラインイン端子19に接続された場合に、内蔵された音声信号増幅のためのオーディオコーデック50(アンプ機能)に電源を供給して、オーディオプレーヤ25からの音声信号を増幅してスピーカ18から出力させることができる。
【0012】
なお、パーソナルコンピュータ10の非稼働状態とは、例えば電源オフ状態(シャットダウン)(システムステートS5)の他、スタンバイ/スリープ/サスペンド(システムステートS3)、ハイバネーション(休止状態)(システムステートS4)と称される状態を含むものとする。すなわち、非稼働状態は、プロセッサ(CPU30)が動作していない状態である。なお、電源オン状態は、システムステートS0である。
【0013】
また、本実施形態におけるスリープアンドチャージ機能は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にある場合でも、USB機器がUSB端子20(USBポート)に接続された場合に、USB端子20を介してUSB機器に電源供給することができる。従って、パーソナルコンピュータ10を起動させなくても、バッテリ駆動が可能なUSB機器(例えば、オーディオプレーヤ、携帯電話機、デジタルカメラ、携帯型ナビゲーション装置等)をパーソナルコンピュータ10に接続して充電することができる。
【0014】
図1は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。パーソナルコンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0015】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を、ヒンジ機構21により回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体11は、バッテリが取り外し自在に挿入可能な薄い箱形の筐体を有している。
【0016】
コンピュータ本体11の上面には、キーボード13、パワーオン/オフするためのパワーボタンスイッチ14、汎用ハードウェアボタン15、タッチパッド16、スピーカ18などが配置されている。
【0017】
コンピュータ本体11の側面には、オーディオプレーヤ25から出力されたアナログ音声信号を入力するためのラインイン端子19(ジャック)、各種のUSB機器を接続するための複数のUSB端子20が設けられている。ラインイン端子19には、オーディオプレーヤ25のラインアウト端子と接続されたケーブル26を、プラグ27により接続することができる。
【0018】
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0019】
パーソナルコンピュータ10は、図2に示すように、CPU30、MCH31(ノースブリッジ)、メインメモリ32、表示コントローラ35、ICH40(サウスブリッジ)、ハードディスクドライブ(HDD)41、BIOS−ROM42、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45、電源回路46等を備えている。
【0020】
CPU30は、パーソナルコンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD41からメインメモリ32にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、各種ハードウェアを制御するドライバ、および各種アプリケーションプログラム等を実行する。アプリケーションプログラムには、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態の時に動作可能な機能(スリープアンドミュージック機能、スリープアンドチャージ機能)の設定をするためのスリープユーティリティプログラムが含まれる。スリープユーティリティプログラムは、パーソナルコンピュータ10が稼動状態にある場合、ラインイン端子19あるいはUSB端子49を介して外部機器が接続されると、自動的にスリープアンドミュージック機能とスリープアンドチャージ機能に関する各種設定をするためのスリープユーティリティ画面をポップアップ表示させる。これにより、ユーザに対して、パーソナルコンピュータ10が非稼動状態にある時にも使用可能な機能があることを認識させる。さらに、CPU30は、BIOS−ROM42に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0021】
MCH31は、CPU30のローカルバスとICH40との間を接続するブリッジデバイスである。MCH31には、メインメモリ32をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0022】
表示コントローラ35は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する。表示コントローラ35は、MCH31を介してCPU30から送信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)にフレーム群を描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。
【0023】
ICH40は、HDD41および光ディスクドライブ(図示せず)を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラ、USBコントローラ等を内蔵している。
【0024】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)45は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13、タッチパッド16、及び汎用ハードウェアボタン18を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0025】
EC/KBC45は、ユーザによるパワーボタンスイッチ14の操作に応じて電源回路46を制御し、パーソナルコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。パーソナルコンピュータ10のパワーオン/パワーオフの制御は、EC/KBC45と電源回路46との共同動作によって実行される。また、EC/KBC45は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態(電源オフ状態)の場合を含む何れのシステムステートにある場合でも電源回路46から電源供給されるモジュールであり、パーソナルコンピュータ10が非稼働時に使用される機能(スリープアンドミュージック機能、スリープアンドチャージ機能)を制御するためのコントローラとして使用される。
【0026】
EC/KBC45は、スリープユーティリティ処理によって設定された設定データ45aに基づいて、スリープアンドミュージック機能とスリープアンドチャージ機能を制御する。設定データ45aに含まれる設定内容については後述する。EC/KBC45は、スリープアンドミュージック機能を動作させる場合には、電源切り替えスイッチ53を制御して、オーディオコーデック50への電源供給をオンし、スリープアンドチャージ機能を動作させる場合には、電源切り替えスイッチ54を介して、USB端子20への電源供給をオンする。また、EC/KBC45は、ACアダプタ48が接続されていない場合、スリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能を動作させている間に、バッテリ47の残量が予め設定された設定値まで減少した場合に警報を出力するための制御を行う。
【0027】
なお、EC/KBC45の他に電源オフ状態において動作可能なコントローラが実装されていれば、このコントローラによってスリープアンドミュージック機能を制御するようにしても良い。
【0028】
電源回路46は、コンピュータ本体11に挿入されたバッテリ47、またはACアダプタ48を介して接続された外部電源から電源供給を受けて、各コンポーネントへの動作電源を生成して供給する。電源回路46には、電源マイコンが設けられている。電源マイコンは、各コンポーネントとバッテリに対する電源供給(充放電)や、バッテリ47の充電状態(バッテリ残量)、ACアダプタ48の接続の有無(外部からの電源供給の有無)を監視する。
【0029】
電源回路46は、EC/KBC45による、パーソナルコンピュータ10のシステムステートに応じた制御によって、各モジュールへの電源供給のオン/オフを制御する。本実施形態における電源回路46は、パーソナルコンピュータ10が非稼働時(システムステートS3,S4,S5)において、スリープアンドミュージック機能またはスリープアンドチャージ機能を動作させるために、それぞれの機能に関係する各モジュールに電源供給するための電源系が設けられている。
【0030】
オーディオコーデック50は、ICH40を通じて入力されるデジタルオーディオデータをアナログ音声信号に変換すると共に、OSやデバイスドライバ、音声再生プログラム等の制御による音量あるいは音質(音響効果)等の調整をしてスピーカ18に出力する。また、オーディオコーデック50は、パーソナルコンピュータ10が稼働状態にある場合には、同様にして、ラインイン端子19を介して入力されたオーディオプレーヤ25からのアナログ音声信号の音量調整等の信号処理をしてスピーカ18に出力する。また、オーディオコーデック50は、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態にあり、スリープアンドミュージック機能が動作される場合には、ラインイン端子19を介して入力されたアナログ音声信号をアンプ機能により増幅してスピーカ18に出力する。なお、オーディオコーデック50は、音声出力を停止させるミュートモジュールが設けられている。ミュートモジュールは、EC/KBC45からのミュート信号により制御される。また、オーディオコーデック50は、EC/KBC45からの通知(ビープコード)により警告音として利用可能な例えばビープ音をスピーカ18から出力させることができる。なお、オーディオコーデック50の詳細な構成については、図3を用いて説明する。
【0031】
スイッチ52(あるいはセンサ)は、ラインイン端子19に内蔵されている。スイッチ52は、ラインイン端子19にケーブル26を接続するためのプラグ27(接続部材)の挿入によってオン/オフが切り替えられ、オン/オフの状態に応じた検出信号(「LINSE」信号)をEC/KBC45に出力する。
【0032】
電源切り替えスイッチ53は、EC/KBC45からの電源制御信号(「AMPON」信号)に応じて、電源回路46からオーディオコーデック50への電源供給のオン/オフを切り替える。
【0033】
電源切り替えスイッチ54は、EC/KBC45からの電源制御信号(「USBON」信号)に応じて、電源回路46からUSB端子20への電源供給のオン/オフを切り替える。
【0034】
図3は、本実施形態におけるオーディオコーデック50の周辺構成を示すブロック図である。
図3に示すように、オーディオコーデック50は、ラインイン端子19と接続され、ラインイン端子19にプラグ27が挿入(接続)されることにより、オーディオプレーヤ25から出力された音声信号を入力する。オーディオコーデック50には、ポートA,Bが設けられている。ポートAは、オーディオコーデック50を構成するアナログ回路に音声信号を入力ためのポートである。ポートBは、オーディオコーデック50を構成するデジタル回路に音声信号を入力ためのポートである。なお、図3では、ステレオ音声信号(RL)を入力するための2本の信号線を示している。なお、ラインイン端子19と接続された信号線とは別の信号線を介して、音声信号を入力することもできる。
【0035】
ラインイン端子19から出力される「LINSE」信号は、EC/KBC45とオーディオコーデック50に入力される。電源切り替えスイッチ53は、オーディオコーデック50のアナログ回路への電源供給をオン/オフするためのスイッチ53Aと、オーディオコーデック50の共通回路部50Cへの電源供給をオン/オフするためのスイッチ53Bを含んでいる。EC/KBC45は、「AMPON」信号により、スイッチ53A,53Bの切り替えを制御する。
【0036】
図4は、本実施形態におけるスリープユーティリティプログラムにより表示されるスリープユーティリティ画面90の一例を示している。
スリープユーティリティ画面90には、スリープアンドミュージック機能の有効(Enable)/無効(Disable)、スリープアンドチャージ機能の有効/無効、バッテリ駆動時の機能の有効/無効をそれぞれ設定するための設定領域100,101,102が設けられている。設定領域100,101,102に設けられたチェックボックスにチェックを入れることにより、有効に設定することができる。また、設定領域102においては、現在のバッテリ残量が表示されると共に、バッテリ駆動時に動作させるスリープアンドミュージック機能とスリープアンドチャージ機能を無効にする下限値をユーザの指示により設定することができる。例えば、スライダ103の位置をユーザ操作によって移動させることにより、フル充電の容量に対して0〜100%の範囲で下限値を設定することができる。なお、ユーザにより設定された下限値に対して予め決められた容量分(例えば、+3%)を加算した容量を、バッテリ残量が下限値に近づいたことをユーザに通知するための警告の出力を判定する設定値とする。
【0037】
また、スリープユーティリティ画面90には、外部機器をパーソナルコンピュータ10に接続した時にスリープユーティリティ画面90をポップアップ表示しないように設定するためのチェックボックス104、設定の確定を指示するためのOKボタン105、設定内容をキャンセルするキャンセルボタン106等が設けられている。
【0038】
次に、本実施形態におけるパーソナルコンピュータ10のスリープユーティリティ処理について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU30は、稼働状態にある時(システムステートS0)に、ユーザの指示によりスリープユーティリティ処理の実行が要求されると(ステップA1、Yes)、スリープユーティリティプログラムによるスリープユーティリティ設定処理を実行する(ステップA10)。スリープユーティリティ設定処理は、キーボード13やタッチパッド16を用いてユーザによって入力された指示に応じて、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態において動作されるスリープアンドミュージック機能とスリープアンドチャージ機能に関する各種設定をするための処理である。
【0039】
一方、CPU30は、稼働状態にある時、ラインイン端子19へプラグ27が挿入されることで外部機器(例えば、オーディオプレーヤ25)が接続されたかを監視している。例えば、ラインイン端子19へプラグ27が挿入された場合、「LINSE」信号がEC/KBC45に入力される。この場合、EC/KBC45は、ICH40、MCH31を介して、ラインイン端子19に外部機器が接続されたことを通知する。また、CPU30は、USB端子20にUSB機器が接続されたかをUSB端子49を通じて監視している。
【0040】
まず、本実施形態におけるスリープユーティリティ設定処理について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU30は、スリープユーティリティ処理の実行要求に対して、図4に示すスリープユーティリティ画面を表示して、例えばユーザによるキーボード13やタッチパッド16の操作によって、各種設定内容についての指定を入力する(ステップB1)。
【0041】
すなわち、スリープアンドミュージック機能の有効/無効、スリープアンドチャージ機能の有効/無効、バッテリ駆動時の機能の有効/無効、スリープユーティリティ画面の表示の有無をそれぞれ設定することができる。スリープユーティリティ画面の表示の有無については、「今後、スリープユーティリティをポップアップしない」の項目のチェックボックス104にチェックを入れることにより、外部機器をパーソナルコンピュータ10に接続した時にスリープユーティリティ画面をポップアップ表示しないようにできる。デフォルトの設定では、スリープユーティリティ画面がポップアップ表示されるように設定されている。
【0042】
CPU30は、OKボタン105の指示により確定が指示されると(ステップB2、Yes)、設定内容を示す設定データを不揮発性メモリ、例えばBIOS−ROM42に記録する(ステップB3)。
【0043】
ここで、スリープユーティリティ画面の表示の無しの設定がされている場合(ステップB4、Yes)、CPU30は、現在のスリープユーティリティ画面の表示が、何れのイベント(条件)で表示されているかを判別する。すなわち、ラインイン端子19への外部機器のラインイン接続に応じてスリープユーティリティ画面を表示しているか、USB端子49への外部機器の接続に応じてスリープユーティリティ画面を表示しているかを判別する。何れのイベントでもなく表示されている場合(ステップB5,B7、No)、すなわちユーザの指示によりスリープユーティリティ処理の実行が要求されている場合には、CPU30は、ラインイン端子19への外部機器のラインイン接続と、USB端子49への外部機器の接続の何れに対しても、スリープユーティリティ画面を表示しない非表示設定を、例えばBIOS−ROM42に記録する(ステップB9)。
【0044】
その後、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態に移行された後に、EC/KBC45によるスリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能の制御において参照されるように、CPU30は、EC/KBC45に設定データ45aを記憶させる。なお、非稼働時にEC/KBC45が読み取ることができれば、他の不揮発性メモリに設定データを記録することもできる。
【0045】
ユーザの指示によりスリープユーティリティ処理が実行された場合に、スリープユーティリティ画面において非表示設定された場合には、その後、ラインイン端子19への外部機器のラインイン接続、USB機器のUSB端子49への接続の何れの場合もスリープユーティリティ画面が表示されないようになる。
【0046】
一方、CPU30は、稼働状態にある時、ラインイン端子19へプラグ27が挿入されることで外部機器(例えば、オーディオプレーヤ25)が接続されたことを検知されると(ステップA2、Yes)、設定データ45aにおいて、ラインイン端子19への接続に対してスリープユーティリティ画面を表示しない非表示設定がされているかを判別する(ステップA3)。
【0047】
ここで、非表示設定がされている場合(ステップA4、Yes)、CPU30は、ラインイン端子19への接続に対してスリープユーティリティ画面の表示を行わない。
【0048】
また、非表示設定がされている場合(ステップA4、No)、CPU30は、スリープアンドミュージック機能についての設定領域100の表示形態を変更して、スリープユーティリティ画面を表示する。例えば、設定領域100をハイライト表示するなどして、他の設定領域より認識されやすくする。これにより、ユーザは、ラインイン端子19に例えばオーディオプレーヤ25を接続することで、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態に移行された後に、スリープアンドミュージック機能を利用可能であることを認識することができる。なお、表示形態については、ハイライト表示以外にも任意の表示形態を用いることができる。
【0049】
CPU30は、スリープユーティリティ画面を表示することにより、前述したように、ユーザからの指定入力に応じたスリープユーティリティ設定処理を実行する(ステップA10、図6)。
【0050】
スリープユーティリティ設定処理において、スリープユーティリティ画面の表示無しの設定がされた場合(ステップB4、Yes)、CPU30は、ラインイン端子19への外部機器のラインイン接続に応じてスリープユーティリティ画面を表示しているため(ステップB5、Yes)、ラインイン端子19への外部機器のラインイン接続に対してスリープユーティリティ画面を表示しない非表示設定を、例えばBIOS−ROM42に記録する(ステップB6)。
【0051】
すなわち、パーソナルコンピュータ10にオーディオプレーヤ25をラインイン接続することで表示されたスリープユーティリティ画面において非表示設定をした場合には、その後、ラインイン接続してもスリープユーティリティ画面が表示されないようにできる。
【0052】
また、CPU30は、稼働状態にある時、USB端子49へUSB機器が接続されたことを検知すると(ステップA6、Yes)、設定データ45aにおいて、USB端子49への接続に対してスリープユーティリティ画面を表示しない非表示設定がされているかを判別する(ステップA7)。
【0053】
ここで、非表示設定がされている場合(ステップA8、Yes)、CPU30は、USB端子49へのUSB機器の接続に対してスリープユーティリティ画面の表示を行わない。
【0054】
また、非表示設定がされている場合(ステップA8、No)、CPU30は、スリープアンドチャージ機能についての設定領域101の表示形態を変更して、スリープユーティリティ画面を表示する。例えば、設定領域101をハイライト表示するなどして、他の設定領域より認識されやすくする。これにより、ユーザは、USB端子49にUSB機器を接続することで、パーソナルコンピュータ10が非稼働状態に移行された後に、スリープアンドチャージ機能を利用可能であることを認識することができる。
【0055】
CPU30は、スリープユーティリティ画面を表示することにより、前述したように、ユーザからの指定入力に応じたスリープユーティリティ設定処理を実行する(ステップA10、図6)。
【0056】
スリープユーティリティ設定処理において、スリープユーティリティ画面の表示無しの設定がされた場合(ステップB4、Yes)、CPU30は、USB端子49へのUSB機器(外部機器)の接続に応じてスリープユーティリティ画面を表示しているため(ステップB7、Yes)、USB端子49への外部機器の接続に対してスリープユーティリティ画面を表示しない非表示設定を、例えばBIOS−ROM42に記録する(ステップB8)。
【0057】
すなわち、パーソナルコンピュータ10にUSB機器を接続することで表示されたスリープユーティリティ画面において非表示設定した場合には、その後、USB機器をUSB端子49に接続してもスリープユーティリティ画面が表示されないようにできる。
【0058】
このようにして、パーソナルコンピュータ10が稼働状態にある時に、ラインイン端子19へのラインイン接続、あるいはUSB端子49へのUSB機器の接続があった場合に、スリープユーティリティ画面を表示させることで、ユーザに対して、非稼働状態に移行した後にもスリープアンドミュージック機能やスリープアンドチャージ機能を利用可能であることを認識させることができる。
【0059】
また、ラインイン端子19へのラインイン接続、あるいはUSB端子49へのUSB機器の接続のそれぞれに対して、個別にスリープユーティリティ画面の非表示を設定することができる。これにより、ユーザがスリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能について十分に認識した後は、外部機器の接続のたびにスリープユーティリティ画面が表示される煩わしさを回避することができる。
【0060】
また、個別に非表示を設定することで、例えばUSB機器を利用することでスリープアンドチャージ機能について認識されたためスリープユーティリティ画面の非表示が設定されても、スリープアンドミュージック機能を利用したことの無いユーザに対して、外部機器のラインイン接続によりスリープユーティリティ画面を表示して、スリープアンドミュージック機能の利用が可能であることを認識させることができる。
【0061】
なお、前述した説明では、ラインイン端子19へのラインイン接続、あるいはUSB端子49へのUSB機器の接続を条件としてスリープユーティリティ画面を表示させるとしているが、スリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能が有効に設定されている場合に、スリープユーティリティ画面を表示するようにしても良い。例えば、CPU30は、スリープアンドチャージ機能が有効に設定され、かつラインイン端子19へのラインイン接続があった場合に、スリープユーティリティ画面を表示させる。
【0062】
また、スリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能が有効に設定され、かつラインイン端子19へのラインイン接続あるいはUSB端子49へのUSB機器の接続がされている状態で電源オフが指示された場合、CPU30は、終了処理の途中でスリープユーティリティ画面を一時的にポップアップ表示させるようにしても良い。これにより、終了処理の後に非稼働状態となった時に、スリープアンドミュージック機能あるいはスリープアンドチャージ機能を利用可能であることを、ユーザに認識させることができる。
【0063】
また、実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜、組み合わせにより種々の実施形態を形成できる。例えば、前述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…パーソナルコンピュータ、11…コンピュータ本体、17…LCD、18…スピーカ、19…ラインイン端子、20…USB端子、30…CPU、32…メインメモリ、42…BIOS−ROM、45…EC/KBC、46…電源回路、50…オーディオコーデック、52…スイッチ、53,54…電源切り替えスイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号を出力する第1の外部機器が接続されるライン端子を有する電子機器であって、
前記ライン端子に前記第1の外部機器が接続されていることを検出する第1の検出手段と、
前記ライン端子から入力された前記音声信号を増幅して出力するアンプ機能を有するオーディオコーデックと、
前記オーディオコーデックにより出力された音声信号に応じた音を出力するスピーカと、
前記電子機器が非稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記オーディオコーデックに電源を供給する第1の電源供給手段と、
前記第1の電子機器が稼働状態にあり、かつ前記第1の検出手段により前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に設定画面を表示する第1の表示手段と
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
USB(Universal Serial Bus)端子と、
前記電子機器が非稼働状態にある時に、前記USB端子に第2の外部機器が接続されていることを検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段により前記第2の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記USB端子に接続された前記第2の外部機器に対して電源を供給する第2の電源供給手段と、
前記電子機器が稼働状態にあり、かつ前記第2の検出手段により前記第2の外部機器が接続されていることが検出されている時に前記設定画面を表示する第2の表示手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
ユーザからの指示に応じて、前記設定画面において前記設定画面を表示させない非表示設定をする設定手段をさらに具備し、
前記第1の表示手段は、前記第1の表示手段により表示された前記設定画面において非表示設定がされている場合には、前記設定画面を表示せず、
前記第2の表示手段は、前記第2の表示手段により表示された前記設定画面において非表示設定がされている場合には、前記設定画面を表示しないことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
ユーザからの前記設定画面の表示要求に応じて、前記設定画面を表示する第3の表示手段と、
前記第3の設定画面により表示された前記設定画面において前記非表示設定を解除する解除手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記設定画面において、前記オーディオコーデックへの電源供給の有効あるいは無効、前記USB端子を介した前記第2の外部機器への電源供給の有効あるいは無効を、ユーザからの指定に応じて設定する機能設定手段とをさらに具備し、
前記第1の電源供給手段及び前記第2の電源供給手段は、前記機能設定手段により電源供給の有効が設定されている場合に電源の供給をすることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の表示手段は、前記設定画面における前記オーディオコーデックへの電源供給の有効あるいは無効を設定するための第1の設定領域の表示形態を変更して前記設定画面を表示し、
前記第2の表示手段は、前記設定画面における前記第2の外部機器への電源供給の有効あるいは無効を設定するための第2の設定領域の表示形態を変更して前記設定画面を表示することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記稼働状態から前記非稼働状態への移行がユーザ操作により指示された場合に、前記機能設定手段により前記オーディオコーデックへの電源供給が有効に設定されていれば前記設定画面を表示する第4の表示手段と、
前記第2の外部機器が接続されていることが検出されている時に、前記稼働状態から前記非稼働状態への移行がユーザ操作により指示された場合に、前記機能設定手段により前記第2の外部機器への電源供給が有効に設定されていれば前記設定画面を表示する第5の表示手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項5記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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