説明

電子的スロット装置及びその操作方法

【解決手段】
1つ以上のプレイヤーステーションと、列に配置された絵柄を表示する少なくとも1つのスクリーンと、少なくとも1つの電子制御ユニットとを備え、このスクリーンが、1つ以上のプレイヤーステーションに対応する1つ以上のプレイ領域を有する、電子的スロット装置及びその操作方法が開示されている。すべてのプレイヤーステーションにおいて、スクリーンに、ゲームに使用されるすべての絵柄が表示されるように、電子制御ユニットはプログラミングされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的スロット装置及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スロット装置は100年の歴史があり、ゲームの原理はほとんど変わっていない。この装置で、図柄を有する3個の平行なリールが垂直方向に回転するようになっている。レバーを引くことにより、リールは機械的に回転し、任意の位置で停止する。プレイヤーは、図柄の組み合わせとともに、ただ1つのペイラインを見ることが出来る。適切な組み合わせとなると、賞金が得られる。後に、機械的なレバーの代わりに、電動モータが用いられるようになった。
【0003】
乱数発生器(RNG)を使用することによって、スロット装置に改良がもたらされた。RNGは、リールの回転と、各リールの停止位置と、ペイラインにおける図柄の組み合わせを決定する。ステップモータにより、リールは停止する。
【0004】
近年、ビデオに基づくスロットマシンが導入された。図柄若しくは絵柄を備えるリールが、垂直方向に動き、ビデオスクリーンに表示される。このようなビデオスロットは、ペイラインと獲得賞金に顕著な変化をもたらした。仮想の水平軸を有するリールの数は、3個から5個以上に増大した。また、スロット装置のビデオウィンドウの時間は拡大し、より多くのペイラインに賭けの対象を拡げた。即ち、図柄若しくは絵柄の組み合わせが、水平方向、対角線方向、ジグザグ方向などにも拡大された。
【0005】
別の改良点は、いわゆる「ボーナス」の導入であり、特定の図柄や絵柄が所定の組み合わせになった時に行われる。ボーナスになると、別のディスプレイに、「運命の輪」、ルーレットなどの追加のゲームが提供される。別のディスプレイは、スロットマシンの主ディスプレイの上部に設けられる。最近の改良点は、個々の装置を、複数の装置、若しくは1つ以上のカジノに連結し、プレイヤーにボーナスゲームに参加する機会を与え、ジャックポット(最高積立賞金)を得る機会も与える。
【0006】
各プレイヤーは、自分の機械を持つが、ボーナスゲーム若しくはジャックポットにおいては、複数のプレイヤーよりなるグループを参加させる。スロット装置における主ゲームとその結果は、通常、各ゲーム機における個々のRNGにより決定される。しかし、ボーナスゲームは、グループに属するすべてに機械に対し、ただ1個の発生器により決定される。ボーナスゲームは、主ゲームとは通常異なっている。例えば、インターナショナルゲームテクノロジー(IGT)により製造されたスロット装置「Ebay」は、互いに連結され、その上部に大規模ディスプレイを形成する。各スロット装置は、各自のディスプレイを持っている。グループの中のプレイヤーの1人がボーナスを獲得すると、大きな図柄のリールと、ボーナスゲームのペイラインが、大規模ディスプレイに表示される。この瞬間にのみ、ゲームはグループゲームになる。
【0007】
アトランチックシティコインアンドスロット社(Atlantic City Coin & Slot)による近年の製品においては、ボーナスを獲得した時にはいつでも、コインが、紙幣の特定の図柄を有する1つのリールを回転させる。リールは、乱数発生器により停止する。停止したリールの位置と獲得賞金が読み取られる。この場合、リールはただ1つであるので、図柄の組み合わせは示されない。IGTは、「運命の輪」と呼ばれる類似のスロット装置を提供する。
【0008】
この分野の製造会社のいくつかは、2個のモニターと、2人のプレイヤーが互いに接近してプレイすることの可能なベンチを備えるスロット装置を既に製造している。現在、使用されているゲーム機の70%以上は、スロット装置である。前述したように、もっとも多く使用されている電子的スロット装置は、1つのプレイヤーステーションを備え、印刷された絵や絵柄を含む1群の平行なリールを、機械的に若しくは電子的に変化させる。最近のスロット装置のいくつかには、ゲームに、任意の限定的なグループ分担を可能にさせる電子的な接続が設けられている。
【0009】
多くの人々が、グループでカジノを訪れるが、彼らは分散し、それぞれが、自分のゲームに没頭し、自分自身のボタンを押す。楽しみを互いに共有することはない。公知の電子的スロット装置では、誰かがボーナスを獲得した時にのみ、グループプレイが行われるが、そらが終わると、プレイヤーは自分のゲームに再び戻って行く。プレイヤー同士の間の、途切れない物理的な接触は失われる。スロットゲームは魅力的であるが、個別的である。友人のグループ、例えば、1つ以上のカップルは、ボーナスゲームだけでなく、ゲームの各段階において、一緒に楽しむことを望んでいる。
【0010】
グループでプレイすることを阻む要因は、装置の物理的な構築であり、ボーナスのために巨大な装置が必要なことである。このような装置は、複数のプレイヤーステーションの上部に配置され、プレイヤー同士が向き合って座った時に、見えるようになる。追加のグループボーナスを提供する公知のスロット装置は、大きなスペースを必要とするが、このようなスペースを得ることは難しく、経済的な観点からも有利でない。
【0011】
同時に同じゲームに参加し、列の絵柄を共有する、従来のマルチプレイヤーコミュニティスロット装置における物理的な障壁は、同時にプレイヤー若しくは観客により分かち合う、すべての絵柄を明瞭に観察しえないとともに、プレイグループの獲得結果を、すべてのプレイヤーが明瞭に観察しえないことである。このような装置は、プレイヤーが他のプレイヤーを見ることを妨げ、プレイヤー同士のコミュニケーションを限定するので、ゲーム自体の魅力が失われる。
【0012】
特許文献1には、少なくとも2人のプレイヤーが同時にゲームに参加する、マルチプレイヤーゲーム機が開示されている。このゲーム機は、周方向に長く、垂直軸回りに回転する複数のリールを備えている。しかし、タワー状の構造のため、各プレイヤーは、隣り合うプレイヤーとだけしか、ゲームの進行を共有することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許公開第2003/0148804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の第1の目的は、1人のプレイヤーだけでなく、グループのプレイヤーや、ゲームに参加していない人に対しても、より魅力的なゲームを提供しうる、電子的スロット装置、及びその操作方法を提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、重量のある計算機や、管轄区域による新たなライセンスを必要とせずに、ゲームの外観とプレイヤーステーションの数を容易に修正可能な、電子的スロット装置、及びその操作方法を提供することにある。
【0016】
本発明の第3の目的は、カジノのみならず、ゲームや娯楽が提供される公共の場所においても、容易に設置することができ、かつ操作しうる電子的スロット装置を提供することにある。
【0017】
本発明の第4の目的は、ゲーム中に、プレイヤー同士が互いにコミュニケーションを取ることができ、同じゲームをともに共有し、装置に表示される図柄の組み合わせを一緒に楽しむことが出来る電子的スロット装置、及びその操作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の上記目的は、請求項1に記載の電子的スロット装置、及び請求項10に記載の電子的スロット装置を操作する方法により達成される。本発明の、種々の特徴は、従属請求項により達成される。
【0019】
本発明による電子的スロット装置は、1つ以上のプレイヤーステーションと、列に配置された絵柄を表示する少なくとも1つのスクリーンと、1つ以上の電子的制御ユニットとを備え、少なくとも1つのスクリーンが、プレイヤーステーションに対応する1つ以上のプレイ領域を備えている。少なくとも1つの電子的制御ユニットは、すべてのプレイヤーステーションにおいて、同時に、少なくとも1つのスクリーンで、ゲームに使用されるすべての絵柄を表示するべく、プログラミングされている。
【0020】
本発明は、単独若しくはグループのプレイヤーの両方により、楽しめるスロット装置に、全く新たな次元を切り開いた。1つのプレイヤーステーションから別のプレイヤーステーションまで絵柄が移動する、1つのゲームを、同時に、1人以上のプレイヤーが楽しむことが出来る。各プレイヤーステーションを、グループゲームモードから、単独プレイヤーゲームモードに切り換えることも可能である。
【0021】
即ち、ゲームで使用されるすべての絵柄は、1つのプレイヤーステーションでは、1人のプレイヤーにより使用され、複数のプレイヤーステーションでは、グループのプレイヤーにより、使用されることが出来る。例えば、1人のプレイヤーにより使用される時に、本発明によるスロット装置では、プレイヤーが公知のスロット装置よりはるかに多くの、5倍以上の賭けを申し込むことが可能である。マルチプレイヤースロット装置として使用される時には、すべてのプレイヤーステーションの結果を期待しつつ、すべてのプレイヤーステーションで、すべての絵柄を観察しながら、プレイヤーはゲームに参加する可能性が得られる。このような新しいスロット装置は、離れた場所にいる観察者をも引きつけ、ゲームの進展に参加させる。
【0022】
本発明によるスロット装置においては、少なくとも1つのゲームコンピュータユニットは、ゲームを制御する第1プログラムを実行する。第1プログラムで受け取ったデータと指令に基づき、少なくとも1つのスクリーンにおける、絵柄の動きを少なくとも制御するための第2プログラムを実行するスクリーンコンピュータユニットが設けられている。
【0023】
本発明によるスロット装置においては、仮想的に参加するプレイヤーがどんなに多くても、それに関係なく、各単独プレイヤーは、ゲーム結果を制御する同じプログラムを有しているので、プログラミングしたり、異なる管轄区域でライセンスを得ることが、はるかに容易である。第2プログラムは、ゲームに影響を与えず、魅力性を増大させるためにのみ、絵柄の表示を制御する。
【0024】
ゲーム装置の製造面にも大きな利点があり、また異なる多くの実施態様に、柔軟に対応可能である。例えば、本発明によるスロット装置は、一定のプレイヤーステーションを有する単独のゲームユニットとしても使用することができ、また、互いに連結されるモジュラーユニットとしても製造可能である。
【0025】
本発明によるスロット装置は、表示される絵柄、モジュラーユニット若しくはプレイヤーステーションの数、表示される広告などについて、ゲームソフトウェアに新たなライセンスを得る必要性なしに、容易に修正出来る。
【0026】
プレイヤーステーションの数が一定である実施態様においては、ゲームコンピュータユニット及びスクリーンコンピュータユニットは、たった1つのコンピュータユニットであってもよく、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラム及びすべてのプレイヤーステーションのための、少なくとも1つのスクリーンを制御する第2プログラムの両方を制御する。この単独のコンピュータユニットは、RNGを備えている。
【0027】
あるいは、1つ以上のプレイヤーステーションに、1つ以上のゲームコンピュータユニットが設けられていて、各プレイヤーステーションの、同一の第1プログラムを実行する。各ゲームコンピュータは、自身のRNGを持っている、この場合、すべてのプレイヤーステーションのための、少なくとも1つのスクリーンを制御する第2プログラムを実行する第2コンピュータユニットは、ゲームコンピュータユニットと別体である。これは、互いに連結されたモジュラーユニットよりなるコンピュータユニットの場合である。即ち、各モジュラーユニットは、ゲームを制御する第1プログラムを実行するゲームコンピュータユニットを備え、すべてのモジュラーユニットは、単独のスクリーンコンピュータユニットに連結される。このスクリーンコンピュータユニットは、すべてのモジュラーユニットのための、少なくとも1つのスクリーンを制御する第2プログラムを実行する。
【0028】
1つ以上のプレイヤーステーションと、1つ以上のプレイ領域に作用するインターフェースが設けられている。このようなインターフェースは、各プレイヤーステーションにおいて、コイン、紙幣、チケット、スマートカードようなカードのための入力出力ユニットを備える、プレイヤーターミナルである。これにより、賭けたり、勝利を収集したり、データを記憶したりする。各プレイヤーターミナルは、スクリーンの1つ以上のプレイ領域と作用し、各領域は、絵柄とペイラインについて、異なる結果を得る。
【0029】
インターフェースは、「ジェスチャー認識」システムであってもよい。このシステムは、モーションセンサ若しくはカメラ、対象の動きやジェスチャーを認識するソフトウェア、及びサイン原語を解釈するコンピュータビジョンアルゴリズムを備えているとよい。言い換えると、ジェスチャー認識は、スロット装置のコンピュータに作用して、人の姿勢、足取り、他の振る舞いのようなヒューマンボディランゲージを理解させる方法である。
【0030】
本発明は、有効なスペースが限られている時に、幾多の実施態様が可能である。例えば、本発明の装置は、レストラン、バー、クラブなどで使用されるテーブルに組み込むことが可能である。この場合、ゲームに使用される絵柄は、ゲームのプレイヤーだけでなく、テーブルを見守るすべての人々に可視可能である。ゲームは、魅力性と透明性の点において満足すべきである。
【0031】
ある実施態様においては、本発明によるスロット装置は、壁に組み込むことが出来る。あるいは、ビデオウォールとしても構築可能である。即ち、少なくとも1つのスクリーンをビデオウォールの形状に作ってもよく、その中に組み込んだり、それにより支持されても良い。各プレイヤーステーションは、壁より離れたところに設けたり、その中に組み込んだりしてもよい。この実施態様においては、絵柄の列は、水平方向に変化し、長い帯、車輪などの印象を与え、1つのプレイヤーステーションから他のプレイヤーステーションへ回転したり、移動したりする。
【0032】
本発明の好適実施態様によれば。少なくとも1つのスクリーンは、すべてのプレイヤーステーションにおいて、ゲームに使用されるすべての絵柄を同時に表示するのに十分な、平らな形状と大きさを有している。
【0033】
プレイヤーステーションと平らなスクリーンとの間に部品を介在させずに、プレイヤーステーションは、平らな形状のスクリーンであってもよい。それにより、すべてのプレイヤーステーションにおいて、ゲームに使用されるすべての絵柄を、同時に可視的に制御し、すべてのプレイヤーが、すべての他のプレイヤーとすべてのプレイヤーステーションをみることが可能となっている。
【0034】
本発明の他の実施態様も可能である。例えば、互いに近接しているか、離隔しているキャビネットの形状にしたり、底面を円、円錐、多角形にした平行六面体の形状でもよい。
【0035】
本発明のすべての実施態様において、絵柄は、1つのモニター若しくは複数のモニターよりなる、大きなスクリーンに電子的に表示される。絵柄は、壁、窓等の垂直方向のスクリーン若しくはテーブル、床面などの水平方向のスクリーンに投影させてもよい。
【0036】
また本発明によれば、1つ以上のスクリーンと、列に配置された絵柄を表示する少なくとも1つのスクリーンと、少なくとも1つの電子的制御ユニットを備え、少なくとも1つのスクリーンが、1つ以上のプレイヤーステーションに対応する1つ以上のプレイ領域を備える、電子的スロット装置を操作する方法が提供される。本発明によれば、ゲームに使用されるすべてに絵柄は、少なくとも1つのスクリーンと同時に、すべてのプレイヤーステーションに表示される。
【0037】
特に、本発明の方法は、
a) ゲームコンピュータユニットにおいて、第1プログラムを実行して、ゲームを制御する段階、及び
b) スクリーンコンピュータユニットにおいて、第2プログラムを実行して第1プログラムから受け取ったデータ及び指令に基づき、少なくとも1つのスクリーンにおける、絵柄の動きを制御する段階を含んでいる。
【0038】
第1プログラムは、第2プログラムにデータを送って、絵柄、ペイラインのような、スクリーンに表示されるゲームの情報を提供する。ゲームの前のセッションの絵柄の各列は、スクリーンコンピュータユニットの第1一時メモリに記憶され、ゲームの新たなセッションの絵柄の各列は、スクリーンコンピュータユニットの第2一時メモリに記憶される。
【0039】
新たなゲームセッションの開始時に、第1の一時メモリに記憶され、少なくとも1つのスクリーンに表示される絵柄の列は、絵柄の認識が不可能な最高速度に達するまで、速度を増加させながら、1つのプレイヤーステーションから別のプレイヤーステーションまで、互いに独立して動く。
【0040】
新たなセッションゲームの結果に対応する絵柄の各列は、第1プログラムにより計算され、少なくとも1つのスクリーンに表示されることなく、第2の一時メモリに記憶される。新たなゲームセッションの終了時に、少なくとも1つのスクリーンに表示される絵柄列は、認識不可能である一方、第1の一時メモリのデータは、第2の一時メモリのデータにより、置き換えられる。新たなセッションゲームの結果に対応する各絵柄列は、各列が停止するまで、速度を減少させながら、1つのプレイヤーステーションから、別のプレイヤーステーションまで、他から独立して動く。
【0041】
幾つかの列を他の列よりも、加速したり、減速したりするために、ゲームを制御し、スクリーンに表示されるイメージの視覚的な効果を改良する。絵柄の列が停止すると、成功画面が現れる。成功画面は、一時的に非占有プレイヤーステーションに表示させてもよい。また、1つ以上の可動列を、1人以上のプレイヤーのためのボーナスゲームに現わせてもよい。
【0042】
ゲームの開始は、時間の推移とともに自動的に実行されるか、1人以上のプレイヤー若しくはオペレイターにより実行されてもよい。ゲームは、すべてのプレイヤーステーションで、同時に停止する。即ち、ゲームは自動的に始まり、1人以上のプレイヤーのための1つ以上のスロット装置において、時間の経過とともに、ゲームは、すべてのプレイヤーステーションにおいて、1人のプレイヤー若しくはオペレイターにより開始される。
【0043】
本発明によれば、コマーシャル、ビデオスポットムービー、若しくは他の娯楽宣伝用媒体のようなマルチメディアコンテンツを、少なくとも1つのスクリーンに表示するために、第3プログラムが提供される。ゲーム中、ゲームの開始前、若しくはゲーム終了後に、少なくとも1つのスクリーンに、マルチメディアコンテンツを背景として表示させてもよい。
【0044】
マルチメディアコンテンツは、ゲームの行われないプレイ領域において、少なくとも1つのスクリーンに表示させてもよい。例えば、絵柄が表示されているプレイ領域に隣接したスクリーンの遷移領域である。
【0045】
マルチメディアコンテンツを表示する第3プログラムは、スクリーンコンピュータユニット、若しくはゲームコンピュータユニットと異なる第3コンピュータユニットで実行させてもよい。
【0046】
本発明による電子的スロット装置は、主ゲームをプレイする装置として、若しくは既に備え付けられたスロット装置に取り付けられたボーナスゲームをプレイする装置として、又は、両方の組み合わせとしてもよい。
【0047】
本発明の他の利点及び特徴を、添付図面に基づく以下の説明より明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による電子的スロット装置の、正方形のテーブルを有する一実施態様の斜視図。
【図2】図1の電子的スロット装置の平面図。
【図3】本発明の別の実施態様であって、円形のテーブルを有する電子的スロット装置の斜視図。
【図4】図3の電子的スロット装置の平面図。
【図5A】本発明の別の実施態様であって、円形のテーブルを有する電子的スロット装置の斜視図。
【図5B】図5Aの電子的スロット装置の平面図。
【図6A】本発明の別の実施態様であって、円形のテーブルを有する電子的スロット装置の斜視図。
【図6B】図6Aの電子的スロット装置の平面図。
【図7A】本発明の別の実施態様であって、長方形のテーブルを有する電子的スロット装置の斜視図。
【図7B】図7Aの電子的スロット装置の平面図。
【図7C】本発明の別の実施態様であって、正方形のテーブルを組み合わせた電子的スロット装置。
【図7D】電子的スロット装置の平面図。
【図8】本発明の別の実施態様であって、曲線形のテーブルを有する電子的スロット装置の平面図。
【図9】本発明の別の実施態様であって、デスク形状の電子的スロット装置の平面図。
【図10】図9の電子的スロット装置を、横方向に2個並べた状態を示す平面図。
【図11】図9の電子的スロット装置を、対向して配置した状態を示す平面図。
【図12】図9と類似する電子的スロット装置であって、プレイヤーステーションを間隔を置いて設けた平面図。
【図13】波形に配置されたプレイヤーステーションを有する電子的スロット装置の平面図。
【図14】垂直壁面に設けられた電子的スロット装置の正面図。
【図15A】図14の電子的スロット装置の平面図。
【図15B】図14の電子的スロット装置の別の平面図
【図16】湾曲した壁を有する電子的スロット装置の斜視図。
【図17】キャビネットよりなる電子的スロット装置の正面図。
【図18】間隔を置いて設けたキャビネットよりなる電子的スロット装置。
【図19】曲がった電子的スロット装置の側面図。
【図20】直立する電子的スロット装置の側面図。
【図21】円柱状の電子的スロット装置の正面図。
【図22】図21の電子的スロット装置の平面図。
【図23A】三角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図23B】三角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図23C】三角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図24A】八角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図24B】八角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図24C】八角柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図25】曲線状の柱よりなる電子的スロット装置の斜視図。
【図26】ドラムよりなるスクリーンを備える電子的スロット装置の側面図。
【図27】図26の電子的スロット装置の正面図。
【図28】図26の電子的スロット装置の平面図。
【図29】床に設けられた電子的スロット装置の斜視図。
【図30】本発明による方法に使用される電子的スロット装置の操作を示すフローダイアグラム。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1及び図2は、正方形のテーブル10よりなる、本発明による電子的スロット装置を示し、コイン、若しくはスマートカードのようなカードを差し込むスロット11が設けられている。参加する全てのプレイヤーのために、ただ1個のスロット11が設けられていることもある。
【0050】
図2に示すように、テーブル10の正方形の形状により、正方形の各辺に、4人のプレイヤーs1,s2,s3,s4が、それぞれ参加出来るようになっている。対応プレイ領域p1〜p4は、各プレイステーションs1〜s4の前のスクリーンに設けられ、遷移領域12により仕切られている。この遷移領域12は、半透明で、1つのプレイヤーステーションより、別のプレイヤーステーションに移動する時に、連続的な流れを表示する絵柄を有している。
【0051】
遷移領域12には、ゲームの開始時、ゲームの停止時、若しくはゲーム中に、絵柄が、スクリーンに表示されずに動くような時に、例えば、コマーシャル、ビデオスポットムービー若しくは他の娯楽宣伝用媒体のようなマルチメディアコンテンツを表示するために使用される。
【0052】
乱数発生器(RNG)を備える電子制御ユニット19が、テーブル10に設けられ、ゲームを制御し、例えば、5つの列a1,a2,a3,a4,a5に配置された複数の絵柄を動かしたり、表示したりするようになっている。各列は、平行に、かつ1つのプレイヤーステーションは、他から独立して動くようになっている。
【0053】
絵柄の列は、従来のスロット装置のリール及びストライプと同一の機能を有するが、本発明では、ゲームに含まれるすべての絵柄は、テーブル10のスクリーンに表示される。この実施態様においては、プレイヤーステーションの数が固定されていることにより、制御ユニット19の、1つのコンピュータが、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラムと、スクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行する。
【0054】
すべての列a1〜a5を同一の方向に変化させるか、あるいは、隣接する列において、反対方向に変化させることも出来る。例えば、図2において、列a1,a3,a5を時計回りの方向に変化させ、列a2,a4を反時計回りに変化させたり、あるいは、それと逆に変化させることも出来る。
【0055】
押しボタン13が、テーブル10の縁部に設けられ、賭けを申し込んだり、各プレイヤーが、装置と接触し、ゲームを開始、中断若しくは下りたりするのに使用される。他のインターフェースとして、絵柄に接触するタッチパネル、スクリーンの所定の領域に触れるような方法、あるいは前述したような、ジェスチャー認識システムがある。
【0056】
スクリーンを保護するために、スクリーンの上に、ガラス、アクリルポリカーボネート若しくは他の透明の板を取り付けるのがよい。この保護プレートとスクリーンとの間の隙間に、透明なEL(エレクトロルミネセント)ペイラインが固定され、透明な導線と接続されている。ペイラインは、プレイヤーが選択したり、ゲーム結果を表示する場合のみに、可視化され、そうでない場合には、可視化されない。
【0057】
このスロット装置のペイラインは、公知のスロット装置と同様に機能し、公知の装置のような一般的な直線や、曲線や、屈折線で形成されている。
【0058】
ペイラインは、ゲームの開始前に、プレイヤーが1つ以上の押しボタンを押すことにより、予め決められるか、選択される。絵柄の組み合わせにより、賞金を得た時に、ペイラインを、可視化したり、点滅したり、点灯したりする。ペイラインは、透明な導線、透明なEL素子、若しくはミニLED又はLCDにより、透明体として形成される。
【0059】
絵柄は、電子ビデオディスプレイ(若しくはモニター)又はLCD、プラズマ、有機EL又は他のELのような、ともにタイル状に嵌め込まれた数個のディスプレイにより表示されるか、装置の縁部に投影した画像として表示される。ビデオディスプレイ若しくはビデオ投影の場合に、ペイラインはゲームの基本的な映像の一部であり、追加の透明なEL層は、必ずしも必要ではない。
【0060】
この場合、絵柄が投影されたり、電子的に表示されたりする、すべての他の実施態様と同様に、絵柄は一定の位置に表示されるのではなく、各列の絵柄を連続的に変化させるために、ゲーム中に、列の異なる位置に動かすことも出来る。
【0061】
図3と図4は、本発明による電子的スロット装置の別の実施態様を示し、中央の柱により支持された円形のテーブル20よりなっている。図4は、電子的スロット装置のゲーム構成を示す平面図である。
【0062】
円形テーブル20の縁部には、6個のプレイヤーステーションs1〜s6が設けられている。前の実施態様と同様に、各プレイヤ−ステーションの前のスクリーンにプレイ領域p1〜p6が設けられ、絵柄が、1つのプレイヤーステーションから別のステーションに動く時に、絵柄により、連続的な流れの外観を形成する遷移領域22が設けられている。この遷移領域22は、またマルチメディアコンテンツを表示する。
【0063】
乱数発生器(RNG)を備える電子制御ユニット29が、円形のテーブル20に組み込まれ、ゲームを制御し、かつ5つの列a1〜a5に配置された複数の絵柄を動かしたり、表示したりするようになっている。5つの列a1〜a5は、平行で、1つのプレイヤーステーションは、他のステーションより独立している。
【0064】
ゲームに使用されるすべての絵柄は、円形テーブル20のスクリーンに表示される。この場合、プレイヤーステーションの数が固定されているために、制御ユニット29は、ただ1つのコンピュータよりなり、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラムと、スクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行する。
【0065】
すべての列a1〜a5は同一の方向に変化するか、あるいは、1つ以上の列が隣接する列と反対方向に変化する。例えば、a1,a3,a5は、時計回りの方向に変化し、列a2,a4は、反対方向に変化するか、その逆であってもよい。
【0066】
図3に示すように、コインやスマートカード等のカードを入れるスロット21と、各プレイヤーが装置にアクセスする押しボタン23が設けられている。押しボタン23の代わりに、タッチパネル、ジェスチャー認識システム等の他のインターフェースを使用してもよい。
【0067】
保護のために、ガラス、アクリルカーボネート若しくは他の透明材料製の透明プレートがスクリーン上に取り付けられてもよい。スクリーンと保護プレートとの間の隙間に、透明なELペイラインが固定され、透明な導線に接続されている。プレイヤーにより選択されたり、ゲーム結果を表示したりする場合にのみ、ペイラインは可視化され、そうでない時には、可視化されない。
【0068】
スクリーンは、1つのモニター若しくは、LCD、有機EL若しくは他のEL等が埋め込まれた、複数のモニターよりなっている。あるいは、スクリーンは、映像を投影した、平らなテーブルトップでもよい。ビデオディスプレイ及びビデオ投影である場合、ペイラインは、ゲームの基本的な映像の一部であり、追加の透明なEL層は必要でない。
【0069】
図5Aと図5Bは、主要なゲームのための5つの列a1〜a5を有する円形のテーブルの形状の装置25の実施態様を示している。4つのプレイヤーステーションs1〜s4が設けられている。電子制御ユニット29'が、ゲームとスクリーンとを制御するようになっている。
【0070】
図6Aと図6Bは、図5Aと図5Bに類似する装置の実施態様を示し、主ゲームのための列a1〜a5の他に、「ボーナスゲーム」用の追加の列b1〜b5が設けられている。主ゲームとボーナスゲームの両方が、電子制御ユニット29"により制御される。
【0071】
上記のすべての実施態様においては、ゲームは、1人のプレイヤー若しくは複数のプレイヤーにより行われる。2人のプレイヤーは、ただ1つのプレイヤーステーションを選択し、2人以上のプレイヤーは、ゲームにより得られるすべての絵柄を見て、標準のシングルプレイヤースロット装置よりはるかに多くのペイラインに対し、賭けることを選択出来る。複数のプレイヤーが使用する時に、プレイヤーステーションとスクリーンとの間にどんな部品も介在することなく、水平方向に平坦なスクリーンにより、すべてのプレイヤーが互いに見ることが可能で、互いに連絡して楽しむことも可能である。
【0072】
図7Aと図7Bは、本発明による電子的スロット装置の実施態様を示している。テーブル10'は四角形の形状であり、図1と図2に示した四角形のテーブル10を3個、横に並べて結合して構成されている。この装置は、8個のプレイヤーステーションs1〜s8を有し、5個の列a1〜a5よりなっている。
【0073】
各テーブルモジュール10は、同じモジュールに属するプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラムを処理する自身のゲームコンピュータユニット19と、合成スクリーン上に、絵柄とペイラインの表示を制御する、共通スクリーンコンピュータユニット119を備えている。他の装置に連結されたモジュールの認識は、各モジュール10の自動的な特徴として設定されるか、スクリーンコンピュータユニット119により得られる。
【0074】
あるいは、モジュールの認識は、スロット装置の据え付け段階においてオペレータにより、手動で操作されるか、新たなモジュールを連結してもよい。いずれにせよ、前記の実施例と同様に、ゲームに使用されるすべての絵柄は、平らなスクリーンに表示され、すべてのプレイヤーステーションのあらゆる方向から見ることが出来る。
【0075】
モジュールのいろいろな配置は、設置場所の空間の機能に応じて、設計される。装置10"の配置の一例は、図7C,7Dに示されている。これらの図において、12個のプレイヤーステーションs1〜s12は、5つのテーブルモジュールを結合することにより、得られる。上記したように、各装置における、プレーヤーステーションの数と列の数は、テーブルの形状と大きさに応じている。
【0076】
図7A〜7Dに示す四角形のテーブルの角は、丸味を帯びていてもよい。角には、遷移領域があってもなくても良い。各列は、角に対応するように、曲げられている。
【0077】
図8は別の実施態様を示し、スロット装置110は、任意の曲線よりなる、平らなスクリーンを備えるテーブルを備えている。図8には、一部を示してあるが、図示のものが全体を示すこともある。
【0078】
図9は、本発明による電子的スロット装置の別の実施態様を示し、4個のプレイヤーステーションと3個の絵柄列a1〜a3を備えるデスク若しくはカウンターの形状である。3個の絵柄列a1〜a3は互いに独立して、平行に動く。乱数発生器を備える電子制御ユニット39が、テーブル10に設けられ、ゲームを制御し、列に配置された絵柄を動かしたり、表示したりする。プレイヤーステーションの数が固定されているために、制御ユニット39は、ただ1つのコンピュータよりなり、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラムとスクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行するようになっている。
【0079】
各プレイヤーとゲームとを相互に作用させるために、前述したように、図示はしていないが、押しボタン、コインやカード用のスロット、タッチパネルのような適当な手段を設けるとよい。
【0080】
この装置のペイラインは、公知のスロット装置と同様に作動する。即ち、例えば、ゲームの開始前に、プレイヤーが押しボタンを押すことにより、プレイヤーにより、ペイラインを予め決定したり、選択したりする。ペイラインは、ハウジング若しくはプレートの内面若しくは内部に設けられていることを特徴とする。絵柄の組み合わせが賞を獲得すると、ペイラインは、可視化されたり、点滅したり、点灯される。ペイラインは、透明な導線、透明なEL素子、ミニLED、LCDのような透明材料により構成されている。
【0081】
図9のスロット装置のスクリーンは、例えば、ビデオディスプレイ(LCD、プラズマ、有機EL、その他のEL)、装置の周縁部に投影されたスクリーン、埋め込まれたディスプレイであるとよい。ビデオディスプレイ若しくはビデオ投影の場合、ペイラインは、ゲームの基本画像の一部であり、追加の透明EL層は不要である。
【0082】
図9のデスクカウンタスロット装置は、モジュラーユニットで、図10と図11のような、異なる組み合わせを構成するようになっている。
【0083】
図10のデスク/カウンタスロット装置は、横に並べた2個のモジュラーユニット30a,30bを備えている。各モジュラーユニットは、それぞれ乱数発生器を有し、別体のスクリーンコンピュータユニット139が設けられている。モジュラーユニット30dの第1プレイヤーステーションs1から最後のプレイヤーステーションs4まで、絵柄が変化し、次に、第1プレイヤーステーションs5に移り、モジュラーユニット30dの最終プレイヤーステーションs8まで変化する。再び、第1プレイヤーステーションs1から最終プレイヤーステーションs4まで動く。このような動きと逆の動きであってもよい。
【0084】
図12は、デスク/カウンタスロット装置の別の実施態様を示し、スロット装置30eは、プレイヤーステーションs1〜s4が別体である点を除いて、図9のものとほぼ同じである。各列a1〜a3における絵柄の流れは、図9に既に示したように、第1プレイヤーステーションs1から最終プレイヤーステーションs4まで、再び第1プレイヤーステーションs1から最終プレイヤーステーションs4までであり、若しくはその反対であってもよい。
【0085】
この実施態様においては、ただ1つの電子コンピュータユニット39eが設けられ、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する第1プログラムと、スクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行するようになっている。あるいは、スロット装置が、モジュラー形式で製造されるならば、各プレイヤーステーションs1〜s4は、各自のゲームコンピュータユニットを備え、別々のスクリーンコンピュータユニットを、スクリーンを制御するために設けることとなる。
【0086】
図13は、本発明の別の実施態様におけるマルチプレイヤー電子的スロット装置40を示し、波形状に配置された9個のプレイヤーステーションs1〜s9を備える、デスクカウンタ形状である。すべてのプレイヤーステーションと関連するモニターは、ただ1つの電子制御ユニット49により制御され、また、モジュラー形式においては、各プレイヤーステーションのためのゲームコンピュータユニットと、スクリーンを制御する別体のコンピュータユニットが設けられている。
【0087】
図9〜図13のすべての装置は、水平の平らなスクリーンを備えているが、各プレイヤーステーションを、従来のような、上部を垂直若しくは斜面のキャビネットの形状としてもよい。
【0088】
図14は、本発明の別の実施態様を示しており、電子的スロット装置50が、壁に設けられているか、支持されている。図15Aは、部屋の好きな箇所に設置し、自身で独立して直立する「ビデオウォール」スロット装置を示し、図15Bは、ビデオ装置とともに、支持壁57に設けられる。ディスプレイは、壁面全体に亘って、若しくはその一部に設けられる。
【0089】
ビデオウォールスロット装置50は、公知のビデオウォールと同様に、1個の大型のディスプレイモニター若しくは埋め込まれた、複数のディスプレイモニターよりなっている。ディスプレイ若しくはモニターの代わりに、後側若しくは前側に投影させていてもよい。1つの乱数発生器を備える電子制御ユニット59が、ゲームを制御するとともに、ディスプレイ若しくはモニターを制御する。
【0090】
図14に示す実施態様において、ビデオウォールスロット装置50には、絵柄列a1〜a3により示された基本ゲーム(主ゲーム)及びその上部の、絵柄列b1,b2により示された追加ゲーム(ボーナスゲーム)をプレイすることが出来る。
【0091】
ビデオウォールの前には、プレイヤーターミナルt1〜t6が設けられ、各ターミナルにより、1人若しくは2人のプレイヤーがゲームを行うようになっている。各プレイヤーターミナルt1〜t6は、コイン、紙幣、券、カード等のための1対の入力/出力ユニットを有している。各ターミナルは、カップ及びグラスを保管する棚を備えている。つまり、2つの隣接するプレイヤーステーションが、同一のプレイヤーターミナルに設けられる。
【0092】
プレイヤーターミナルt1〜t6は、対応するプレイ領域を選択するようになっている。例えば、図14のターミナルt1におけるプレイヤーは、プレイ領域p1'とp1"の両方でプレイし、ターミナルt2におけるカップルの各プレイヤーは、対面するプレイ領域p2'とp2"でそれぞれプレイし、ターミナルt6におけるプレイヤーは、プレイ領域p6'でのみプレイすることが出来る。
【0093】
ゲームは、ビデオスポット、フィルム、他のビデオ、広告のようなマルチメディアコンテンツにより提供される。ビデオウォールスロット装置は、遠くからも見え、周囲の風景に特徴を与えている。この目的のために、ゲームコンピュータユニット59と別体のコンピュータユニット159が設けられ、ゲームに含まれないスクリーンの部分における、マルチメディアコンテンツの表示を制御するようになっている。あるいは、スクリーンの全領域に、背景イメージ若しくは背景ビデオとして、マルチメディアコンテンツを表示してもよい。
【0094】
前述したように、モニター、絵柄及びビデオ表示で、イメージを電子的に表示する代わりに、ビデオウォール50の後側(図15A)若しくは前側(図15B)に設けた1個以上の映写機により、イメージを投影してもよい。
【0095】
図16は、本発明による装置の別の実施態様を示し、湾曲した壁の両側にプレイヤーステーションが設けられている。あるいは、壁の内側にのみ、プレイヤーステーションを設け、壁の外側には、娯楽用として、可動絵柄若しくはビオスポットを表示してもよい。この場合、絵柄及びビデオプレゼンテーションを、前側と後側に投影することが可能である。
【0096】
図17〜図20は、本発明によるスロット装置の他の実施態様を示している。図17におけるスロット装置60は、横方向に接近させて並べた4個のキャビネットよりなり、乱数発生器を備える、1つのコンピュータユニットにより制御される。各キャビネットは、それぞれ対応するプレイヤーステーションs1〜s4を備えている。
【0097】
ゲームのすべての絵柄は、あらゆる方向から見え、同一若しくは異なる方向に、同一若しくは異なる速度で、動く列a1〜a3に配置されている。すべての絵柄の組み合わせは、各列に固定され、各列の同一の位置に保持されている。
【0098】
ゲームが開始すると、列は水平方向に動き、ペイラインにおいて停止する。別の操作モードによれば、絵柄は列に固定されていない。ゲームが開始すると、列は水平方向に動き、加速されると、認識出来なくなるからである。列が各プレイヤーステーションのペイラインで停止する時に、列における絵柄の仮想的な順序を、ゲーム中に変更出来、異ならせることも可能である。
【0099】
図18における、本発明の別の実施態様におけるスロット装置60'は、図17の実施態様と類似しているが、同一のスロット装置におけるプレイヤーステーションs1〜s4が互いに離隔して設けられている。
【0100】
図17と図18における実施態様において、ただ1つのコンピュータユニット69が、ゲームを制御する第1プログラムと、スクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行する。モジュラー形式においては、各プレイヤーステーションは、ゲームを制御する第1プログラムのための、自身のゲームコンピュータユニットと、スクリーンを制御する第2プログラムを実行する、別体のコンピュータユニットを備えている。
【0101】
図17及び図18に示した実施態様のキャビネットは、図19のように曲げられていたり、図20のように、直立していてもよい。本発明の好適実施例において、平らな、水平方向若しくは垂直方向スクリーンは共通しており、1人及び複数のプレイヤーによるゲームを魅力的なものとしている。
【0102】
図21と図22に示した、本発明の別の実施態様において、スロット装置70は、円筒体である。スロット装置70は、スクリーンに表示されたり、投影された列a1〜a3を備えている。図22は、8個のプレイヤーステーションs1〜s8を示しているが、その数は、各柱の機能と大きさにより変更してもよい。ゲームを制御する第1プログラムと、スクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行する、ただ1つのコンピュータユニット79が設けられている。絵柄の組み合わせは、各プレイヤーステーションにおけるペイラインから読み取られる。円柱状のスロット装置のペイラインは、公知のスロット装置と同様に動作する。
【0103】
ゲームの開始前に、ペイラインは、プレイヤーにより、押しボタン等を操作することにより、予め決められるか、選択される。ペイラインは、内面、ハウジングとスクリーンとの間、若しくは透明な保護ハウジングに設けられている。円筒形の装置のペイラインは、公知の装置と同様に、直線、湾曲形、若しくは屈折線の形状である。
【0104】
絵柄の組み合わせが賞金を勝ち得た時に、ペイラインは、可視化されたり、点滅したり、点灯する。ペイラインは、透明な導体、透明なEL素子、ミニLED、ミニLCDよりなるとよい。ペイラインが、ゲームの基本的な画像の一部である場合には、追加の透明なEL層は設けなくてもよい。
【0105】
図21及び図22には、円筒形のコラムスロット装置を示しているが、他の形状であってもよい。図23A、図23B、図23Cに示すように、装置72,74,76は、三角形の断面であるか、図24A、図24B、図24Cに示すように、装置78,80,82は、八角形の断面とされている。図25のように、円形ではなく、他の曲線よりなる装置84であってもよい。
【0106】
本発明による電子的スロット装置の他の実施態様が、図26〜図28に示されている。図26においては、装置90は、2個のプレイヤーステーションs1,s2の上部にドラム形状のスクリーン91が設けられている。公知のスロット装置のように、
絵柄の列が、ドラムの表面に表示され、プレイヤーステーションs1からプレイヤーステーションs2に、絵柄の列が動く。
【0107】
図29は、本発明の別の実施態様を示し、平らなスクリーンを有するスロット装置100が床面に組み込まれている。プレイヤーターミナルt1〜t10は、図14のビデオウォールと同様に、絵柄の列内に設けられ、各プレイヤーが、1人以上のプレイ領域で同時に操作するようになっている。
【0108】
図30は、ゲームプログラム(200〜250)とスクリーンプログラム(300〜350)の操作を示すフローチャートである。200で、ゲームプログラムが、新たなセッションゲームの開始を待機している時に、スクリーンプログラムは、300で第1の一時メモリ(TM1)に記憶された前のセッションゲームの組み合わせを表示する。プレイヤーが賭けを宣言するまで、決定ブロック210とブロック200との間を回ることにより、ゲームプログラムはこの状態に維持される。
【0109】
賭けを宣言すると、220で新たなゲームが開始し、スクリーンプログラムが、310でスクリーンに示された絵柄の加速を開始する。即ち、それらは、第1一時メモリに記憶されたものである。最高速度で、絵柄が認識出来なくなるまで、1つのプレイヤーステーションから別のステーションに、互いに独立して、絵柄は動く。
【0110】
ゲームプログラムが、230で現在のゲームの、勝利組み合わせを計算すると、240でスクリーンに表示せずに、それをスクリーンプログラムに送る。320でスクリーンプログラムは、第2一時メモリTM2に、新たな勝利組み合わせを記憶する。
【0111】
絵柄が尚、認識されない間に、330でスクリーンプログラムが、TM1に記憶された、前の成功プログラムを、TM2に記憶された新たな成功組み合わせと置き換える。340で、TM1に記憶された新たな成功組み合わせは、減速され、次に250でゲームプログラムが現在のゲームを中止した時に停止する。
【0112】
本発明の範囲を逸脱しない限り、上記の実施態様を変更してもよい。例えば、列、絵柄、プレイヤーステーション及びプレイヤーターミナルの数及び主ゲーム及びボーナスゲームの数及び種類は、図示したものと異なっていてもよい。1つのプレイヤーステーションと隣接する別のステーションの間の、各列に続く通路は、図の実施態様に示したほぼ直線で平行なものとは異なっていても良い。
【符号の説明】
【0113】
10,20 テーブル
11,21 スロット
12 遷移領域
13,23 押しボタン
19,29,39 制御ユニット
a1〜a5 列
p1〜p4 プレイ領域
s1〜s4 プレイヤーステーション
t1〜t6 プレイヤーターミナル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプレーヤーステーションと、列に配置された絵柄を表示する少なくとも1つのスクリーンと、少なくとも1つの電子的制御ユニットを備え、前記少なくとも1つのスクリーンが、前記1つ以上のプレイヤーステーションに対応する1つ以上のプレイ領域を有する電子的スロット装置において、
前記少なくとも1つの電子的制御ユニットが、前記少なくとも1つのスクリーン上に、同時に、かつ、全てのプレイヤーステーションに、ゲームに有効なすべての絵柄を表示するべく、プログラミングされていることを特徴とする電子的スロット装置。
【請求項2】
少なくとも1つのゲームコンピュータユニットが、ゲームを制御する第1プログラムを実行し、スクリーンコンピュータユニットが、第2プログラムを実行し、この第2プログラムが、前記第1プログラムで受け取ったデータと命令に基づき、前記少なくとも1つのスクリーンにおける、絵柄の動きを制御するようになっている、請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項3】
前記ゲームコンピュータユニットと前記スクリーンコンピュータユニットが、ただ1つのコンピュータユニットよりなり、この1つのコンピュータユニットが、すべてのプレイヤーステーションのゲームを制御する前記第1プログラムと、すべてのプレイヤーステーションのための、少なくとも1つのスクリーンを制御する第2プログラムの両方を実行する、請求項2に記載の電子的スロット装置。
【請求項4】
1つ以上のゲームコンピュータユニットが、対応する1つ以上のプレイヤーステーションに設けられ、各プレイヤーステーションにおける、前記第1プログラムを実行し、すべてのプレイヤーステーションのための、少なくとも1つのスクリーンを制御する前記第2プログラムを実行する前記スクリーンコンピュータユニットが、前記ゲームコンピュータユニットとは、別体のコンピュータユニットよりなる、請求項2に記載の電子的スロット装置。
【請求項5】
互いに連結されたモジュラー素子よりなり、各モジュラー素子が、ゲームを制御する前記第1プログラムを制御するゲームコンピュータユニットを備え、すべてのモジュラーユニットが、すべてのモジュラーユニットのための少なくとも1つのスクリーンを制御する第2プログラムを実行する、1つのスクリーンコンピュータユニットに連結されている請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項6】
1つ以上のプレイヤーステーション若しくは1つ以上のプレイ領域と触れ合う、インターフェースを備える、請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項7】
少なくとも1つのスクリーンが、すべての前記プレイヤーステーションに使用される、すべての絵柄を同時に表示するに十分な、平らな形状と大きさを有する、請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項8】
前記1つ以上のプレイヤーステーションが、平らなスクリーンを備え、このプレイヤーステーションと前記スクリーンとの間に、スロット装置の部分を介在させずに、すべての前記プレイヤーステーションで、ゲームに使用されるすべての絵柄に対し、同時に、プレイヤーが可視的に制御するようになっている、請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項9】
前記1つ以上のプレイヤーステーションが、平らなスクリーンを備え、このプレイヤーステーションと前記スクリーンとの間に、スロット装置のどの部分を介在させることなく、他のすべてのプレイヤー及びすべての前記プレイヤーステーションに対し、ゲームに使用されるすべての絵柄に対し、同時に、すべてのプレイヤーに可視的が制御するようになっている、請求項1に記載の電子的スロット装置。
【請求項10】
1つ以上のプレイヤーステーションと、列に配置された絵柄を表示する、少なくとも1つのスクリーンと、少なくとも1つの電子制御ユニットとを有し、前記少なくとも1つのスクリーンが、前記1つ以上のプレイヤーステーションに対応する1つ以上のプレイ領域を有する、電子的スロット装置を操作する方法において、
ゲームに使用されるすべての絵柄が、すべての前記プレイヤーステーションにおいて、前記少なくとも1つのスクリーンに同時に表示されることを特徴とする方法。
【請求項11】
a) ゲームコンピュータユニットにおいて、第1プログラムを実行して、ゲームを制御する段階と、
b) スクリーンコンピュータユニットにおいて、第2プログラムを実行して、前記第1プログラムで受け取ったデータ及び指令に基づいて、前記少なくとも1つのスクリーンにおける絵柄の動きを少なくとも制御する段階とを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ゲームの前のセッションの絵柄に書く列が、前記スクリーンコンピュータの第1の一時メモリに記憶され、ゲームの新たなセッションの絵柄の各列が、前記スクリーンコンピュータユニットの第2の一時メモリに記憶される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
絵柄を認識出来ない最大速度に達するまで、新たなゲームの開始において、前記一時記憶メモリに記憶され、前記少なくとも1つのスクリーンに現在表示されている絵柄の列が、1つのプレイヤーステーションから、別のプレイヤーステーションまで、速度を増加しながら、互いに独立して動く、請求項11若しくは12に記載の方法。
【請求項14】
新たなゲームセッションの間に、新たなセッションゲームの結果に対応する絵柄の各列が、前記第1プログラムにより計算され、前記少なくとも1つのスクリーンに表示されずに、前記第2一時メモリに記憶される、請求項11若しくは12に記載の方法。
【請求項15】
新たなゲームセッションの終了時には、前記一時メモリのデータが前記第2の一時メモリのデータにより置き換えられる一方、前記少なくとも1つのスクリーンに表示される列の絵柄は認識出来ないままであり、次いで、1つのプレイヤーステーションから別のプレイヤーステーションへ、前記新たなセッションゲームの結果に対応する絵柄の各列が、他の列とは独立して、各列が停止するまで速度を減少させながら動かされる、請求項11若しくは12に記載の方法。
【請求項16】
前記列が、前記少なくとも1つのスクリーンに電子的に表示される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記列が、前記少なくとも1つのスクリーンに投影される、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
ゲームに含まれるすべての絵柄が、前記少なくとも1つのスクリーンに表示される、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
コマーシャル、ビデオスポットムービー、その他の娯楽宣伝媒体のようなマルチメディアコンテンツを、前記少なくとも1つのスクリーンに、表示する第3プログラムを有している、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
ゲームの進行中に、前記マルチメディアコンテンツが、背景として、少なくとも1つのスクリーンに表示される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記マルチメディアコンテンツが、ゲームの開始前、若しくはゲームの終了後に、前記少なくとも1つのスクリーンに表示される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記マルチメディアコンテンツが、ゲームに含まれていないゲーム領域において、前記少なくとも1つのスクリーンに表示される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
マルチメディアコンテンツを表示する第3のプログラムが、前記スクリーンコンピュータユニット若しくは前記ゲームコンピュータユニットとは異なる第3のコンピュータユニットにおいて、実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
各プレイヤーステーションが、全体ゲームから、単独のプレイヤーゲームに変更されうる請求項10に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのスクリーンが、平らな形状を有し、かつ、すべての前記プレイヤーステーションでゲームに使用されるすべての絵柄を同時に表示するのに十分なサイズを有している、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2013−505741(P2013−505741A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525082(P2012−525082)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005036
【国際公開番号】WO2011/020591
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512041160)
【Fターム(参考)】