説明

電子部品の実装装置及び実装方法

【課題】この発明はキヤリアテープが搬送経路に詰まることなく確実に搬送されているか否かを判定することができる実装装置を提供することにある。
【解決手段】キヤリアテープ1が巻装された供給リール7と、供給リールから繰り出されるキヤリアテープに電子部品を実装する実装ツール18と、実装ツールで電子部品が実装されたキヤリアテープを所定長さずつ間欠的に送る駆動ローラ31と、駆動ローラによって送られたキヤリアテープを巻き取る巻き取りリール23と、キヤリアテープの送りローラによる送り状態と巻き取りリールによる巻き取り状態を比較し、送り状態と巻き取り状態の比較に基いてキヤリアテープの送り状態の異常を判定する制御装置42を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は供給リールから繰り出されて巻き取りリールに巻き取られるキヤリアテープに電子部品を実装する実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、TAB(Tape Automated Bonding)やCOF(Chip On Film)などではテープ状部品である、フィルム状のキヤリアテープに形成された端子部に半導体チップなどの電子部品を実装するようにしている。
【0003】
一般に、上記キヤリアテープに電子部品を実装するための実装装置は、キヤリアテープが巻回された供給リールを有する。キヤリアテープには、デバイスホール及びこのデバイスホールに一端部を突出させて設けられたリードが形成されている。そのため、このキヤリアテープはリードを保護するスペーサテープと重ねて上記供給リールに巻回されている。
【0004】
上記供給リールから繰り出されたキヤリアテープは搬送レールに導かれ、送り手段によって所定長さずつ、間欠的に搬送される。このとき、スペーサテープはキヤリアテープとともに繰り出されてスペーサテープ巻き取りリールに巻き取られる。
【0005】
搬送レールの中途部には実装ステージ及びこの実装ステージに対向する実装ツールを有する実装手段が設けられ、この実装手段で上記キヤリアテープに電子部品が実装される。そして、上記実装手段で電子部品が実装されたキヤリアテープは、巻き取りリールに巻き取られるようになっている。それと同時に、上記巻き取りリールには電子部品がキヤリアテープに実装された電子部品を保護するためにスペーサテープ供給リールから繰り出されたスペーサテープが一緒に巻き取られるようになっている。
【0006】
上記キヤリアテープは上記巻き取りリールに巻き取られる前に弛まされ、巻き取りリールによる巻取りによってキヤリアテープに余計な張力が加わらないようにしている。上記巻き取りリールによるキヤリアテープの巻き取りは、巻き取りリールに巻き取られる前の弛み量をセンサによって検出し、その弛み量が所定以上になったときに上記巻き取りリールを駆動してキヤリアテープを所定長さだけ巻き取るようにしている。
特許文献1にはこのような構成の実装装置が示されている。
【特許文献1】特開平9−323850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、キヤリアテープは、上述したように実装手段によって電子部品が実装されたならば、送り手段によって所定長さずつ間欠的に搬送されるようになっている。そして、巻き取りリールによって巻き取られる前の弛み量が所定以上になったならば、上記巻き取りリールによって巻き取るということが行なわれる。
【0008】
しかしながら、送り手段によって所定長さずつ送られたキヤリアテープは、たとえばキヤリアテープの搬送をガイドする搬送レールに引っ掛かって円滑に送られず、この搬送レールや搬送経路の他の部分などに詰まってしまうということがある。
【0009】
そして、キヤリアテープが円滑に搬送されることのない状態で、送り手段によって送り続けられると、キヤリアテープやキヤリアテープに実装された電子部品が損傷し、不良品の発生原因となる。
【0010】
この発明は、キヤリアテープの送り長さと巻き取り長さを比較し、その比較に基いてキヤリアテープが円滑に搬送されているか否かを判定することができるようにした電子部品の実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、キヤリアテープに電子部品を実装する実装装置であって、
上記キヤリアテープが巻装された供給リールと、
上記供給リールから繰り出される上記キヤリアテープに上記電子部品を実装する実装手段と、
この実装手段で電子部品が実装されたキヤリアテープを所定長さずつ間欠的に送る送り手段と、
この送り手段によって送られたキヤリアテープを巻き取る巻き取りリールと、
上記キヤリアテープの上記送り手段による送り状態と上記巻き取りリールによる巻き取り状態を比較し、上記送り状態と上記巻き取り状態の比較に基いて上記キヤリアテープの送り状態の異常を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0012】
上記キヤリアテープは上記実装手段と上記巻き取りリールとの間で巻き取られる前に弛まされていて、
上記巻き取りリールは上記キヤリアテープの弛み量を検出するセンサからの検出信号によって上記キヤリアテープを巻き取るようになっていて、
上記判定手段は、上記送り手段によって上記キヤリアテープが所定長さ送られたときに、上記センサが上記送り手段による送り長さに応じた上記キヤリアテープの弛み量を検出するか否かに応じて上記キヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定することが好ましい。
【0013】
上記キヤリアテープは上記実装手段と上記供給リールとの間で巻き取られる前に弛まされていて、
上記供給リールは上記キヤリアテープの弛み量を検出するセンサからの検出信号によって上記キヤリアテープを繰り出すようになっていて、
上記判定手段は、上記送り手段によって上記キヤリアテープが所定長さ送られたときに、上記センサが上記送り手段による送り長さに応じた上記キヤリアテープの弛み量を検出するか否かに応じて上記キヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定することが好ましい。
【0014】
上記送り手段は、上記実装手段よりも上記キヤリアテープの搬送方向の下流側に配置されて上記キヤリアテープを挟持搬送する一対の駆動ローラ及びこの駆動ローラを回転駆動するローラ駆動源を有し、
上記ローラ駆動源による上記駆動ローラの駆動に基いて上記キヤリアテープの送り状態が判定されることが好ましい。
【0015】
この発明は、キヤリアテープに電子部品を実装する実装方法であって、
上記キヤリアテープを所定長さずつ搬送する工程と、
搬送された上記キヤリアテープに上記電子部品を実装する工程と、
所定長さずつ搬送される上記キヤリアテープを弛ませてその弛み量が所定以上となったときに上記キヤリアテープを巻き取る工程と、
上記キヤリアテープの送り状態と巻き取り状態を比較し、この比較に基いて上記キヤリアテープの送り状態の異常を判定する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法にある。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、キヤリアテープの送り状態と巻き取り状態を検出し、その検出に基いてキヤリアテープの送り状態を判定するようにした。
【0017】
そのため、キヤリアテープが搬送の途中で詰まり、所定長さずつ送っているにも係らず、送り量に応じた長さで巻き取られなければ、直ちにキヤリアテープの送り状態が異常であると判定できるから、送り状態に異常が生じたときに、キヤリアテープやキヤリアテープに実装された電子部品を損傷させるのを未然に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1はキヤリアテープ1に電子部品を実装するための実装装置を示す。この実装装置は装置本体2を有し、この装置本体2の一端部にはローダ部3、他端部にはアンローダ部4、中央部には実装部5が設けられている。
【0019】
上記ローダ部3は、上記キヤリアテープ1が巻回された供給リール7を有する。キヤリアテープ1には、図2に示すようにデバイスホール8a及びデバイスホール8aに一端部を突出させて設けられたリード8bを有する端子部8が所定間隔で形成されている。そして、キヤリアテープ1は端子部8のリード8bを保護するスペーサテープ9aと重ねて上記供給リール7に巻回されている。
【0020】
上記キヤリアテープ1の幅方向両端部には長手方向に対して所定のピッチGで矩孔状のパーフォレーション11が形成されていて、上記デバイスホール8aはパーフォレーション11のピッチGの2倍の間隔で形成されている。そして、上記端子部8に対して図2に鎖線で示す電子部品16が後述するように位置決めされて実装される。つまり、端子部8は上記電子部品16の実装位置となっている。
【0021】
上記供給リール7から繰り出されたキヤリアテープ1は搬送レール13に導かれ、この搬送レール13から後述する巻き取りリール23に巻き取られる。搬送レール13は上記ローダ部3から上記アンローダ部4にわたって設けられている。
【0022】
上記キヤリアテープ1は上記供給リール7と搬送レール13の一端との間でたるみが生じるよう上記供給リール7から繰り出されている。このキヤリアテープ1のたるみ量は第1の下部センサ15aと第1の上部センサ15bとで検知されて制御される。
【0023】
つまり、キヤリアテープ1のたるみ量が大きくなり、そのたるみを第1の下部センサ15aが検知すると、上記供給リール7によるキヤリアテープ1の繰り出しが停止される。キヤリアテープ1のたるみが小さくなり、そのことが第1の上部センサ15bによって検知されなくなると、上記供給リール7によってキヤリアテープ1が繰り出される。それによって、キヤリアテープ1のたるみ量が所定の範囲、つまり一対のセンサ15a,15bの範囲になるよう制御される。
なお、上記供給リール7からキヤリアテープ1とともに繰り出されたスペーサテープ9aはスペーサテープ巻き取りリール21に巻き取られる。
【0024】
上記実装部5ではキヤリアテープ1に図3に示すように半導体チップなどの上記電子部品16が実装される。実装部5には実装手段5Aを構成する実装ステージ17、実装ツール18及び開閉駆動される上下一対のクランパ18aを有する。実装ステージ17はステージ駆動機構19によってX、Y及びθ方向に駆動され、実装ツール18はツール駆動機構20によってX、Y、θ及びZ方向に駆動される。
【0025】
上記実装ステージ17上に上記電子部品16が供給されると、この実装ステージ17がキヤリアテープ1の端子部8の下方に後述するように位置決めされる。ついで、クランパ18aによって端子部8の周辺部がクランプされてから、上記実装ツール18が下降方向に駆動される。それによって、図3に示すように上記端子部8のリード8bが折曲されて上記電子部品16のバンプ16aに接続される。
【0026】
上記搬送レール13の上記アンローダ部4側の端部であって、上記キヤリアテープ1の幅方向両端部には一対の駆動ローラ31が配置されている。一対の駆動ローラ31はキヤリアテープ1の幅方向両端部を挟持する上側駆動ローラ31aと下側駆動ローラ31bとからなる。そして、上側駆動ローラ31aと下側駆動ローラ31bはローラ駆動源32によって回転駆動され、それによって上記キヤリアテープ1がローダ部3側からアンローダ部4側に搬送される。
【0027】
上記搬送レール13の上記ローダ部3側の端部であって、上記キヤリアテープ1の幅方向両端部にはそれぞれバックテンションローラ34が配置されている。一対のバックテンションローラ34は上側テンションローラ34aと下側テンションローラ34bとからなり、これらテンションローラ34a,34bは上記キヤリアテープ1の幅方向両端部を挟持している。
【0028】
一対の上記上側テンションローラ34aは一端が回転軸36によって支持された回動ロッド37の他端に所定の回転抵抗で回転するよう設けられている。上記回動ロッド37はばね38によって下降方向に付勢され、シリンダ39によって上記ばね38の付勢力に抗して上昇方向に駆動されるようになっている。
【0029】
それによって、上記バックテンションローラ34は上記駆動ローラ31によって搬送されるキヤリアテープ1に所定のテンションを付与するようになっている。上記回動ロッド37を上昇方向に回動させて上側テンションローラ34aをキヤリアテープ1の上面から離反させれば、上記バックテンションローラ34によってキヤリアテープ1に付与されたテンションが除去される。
なお、キヤリアテープ1はバックテンションローラ34によって供給リール7側に送ることもできるようになっている。
【0030】
上記駆動ローラ31の近くであって、駆動ローラ31よりもキヤリアテープ1の搬送方向上流側にはキヤリアテープ1のパーフォレーション11を検出するパーフォレーションセンサ41が配置されている。このパーフォレーションセンサ41は投光器41aと受光器41bを有し、投光器41aと受光器41bはキヤリアテープ1のパーフォレーション11が形成された幅方向の一端部の上方と下方に対向して配置されている。
【0031】
キヤリアテープ1が駆動ローラ31によって搬送されてキヤリアテープ1のパーフォレーション11が上記パーフォレーションセンサ41に対向する部位を通過すると、そのパーフォレーションセンサ41の受光器41bが投光器41aからの光を受光する。
【0032】
パーフォレーションセンサ41の受光信号は図4に示す制御装置42に出力される。それによって、制御装置42は駆動ローラ31の駆動を制御してキヤリアテープ1をパーフォレーション11のピッチGの2倍の距離でピッチ送りするようになっている。
【0033】
上記実装ツール18の近くには撮像カメラ43が配置されている。この撮像カメラ43は、キヤリアテープ1がパーフォレーションセンサ41からの検出信号に基いてピッチ送りされて位置決めされると、キヤリアテープ1の端子部8の近くに、この端子部8に対して予め設定された位置関係で設けられた認識パターンP(図2に示す)を撮像する。
【0034】
上記撮像カメラ43からの撮像信号は上記制御装置42に入力されて画像処理される。そして、その画像処理に基いて上記実装ステージ17と実装ツール18はX、Y及びθ方向に駆動されて上記端子部8に対して位置決めされるようになっている。
【0035】
つまり、キヤリアテープ1は、パーフォレーションセンサ41が検出するパーフォレーション11のピッチGに基いてその端子部8が所定の精度で位置決めされる。ついで、撮像カメラ43からの撮像信号に基いて上記実装ステージ17と実装ツール18がX、Y方向に駆動され、上記端子部8に対して上記実装ステージ17と実装ツール18がさらに高い精度で位置決めされる。
【0036】
電子部品16が実装されて駆動ローラ31によってピッチ送りされたキヤリアテープ1は、スペーサテープ供給リール22から供給される上記スペーサテープ9bと重ねられて上記巻き取りリール23に巻き取られる。それによって、キヤリアテープ1に実装された電子部品16は上記スペーサテープ9bによって保護されるようになっている。
【0037】
電子部品16が実装されて駆動ローラ31によってピッチ送りされたキヤリアテープ1は、アンローダ部4側において巻き取りリール23に巻き取られる前にたるみ量が第2の下部センサ24aと第2の上部センサ24bとによって検知される。
【0038】
そして、キヤリアテープ1のたるみ量が所定以上になったことが第2の下部センサ24aによって検知されると、その検知信号で巻き取りリール23が駆動されてキヤリアテープ1とスペーサテープ9bとの巻き取りが開始される。巻き取りが開始されてアンローダ部4側におけるキヤリアテープ1のたるみ量が減少し、第2の上部センサ24bがキヤリアテープ1を検知しなくなると、その巻き取りが停止される。
【0039】
図1に破線で示すように、上記供給リール7は第1の駆動モータ26によって回転駆動され、上記スペーサテープ巻き取りリール21は第2の駆動モータ27によって回転駆動される。
【0040】
上記巻き取りリール23は第3の駆動モータ28によって回転駆動され、上記スペーサテープ供給リール22は第4の駆動モータ29によって回転駆動されるようになっている。
【0041】
図4に示すように、上記第1の下部センサ15a、第1の上部センサ15b、第2の下部センサ24a及び第2の上部センサ24bの検出信号は上記制御装置42に出力される。制御装置42は、各センサからの検出信号に基いて第1乃至第4の駆動モータ26〜29の駆動を制御し、上述したようにキヤリアテープ1を供給リール7から繰り出したり、巻き取りリール23に巻き取らせる。
【0042】
さらに、制御装置42はステージ駆動機構19、ツール駆動機構20、駆動ローラ31を駆動するローラ駆動源32の駆動を、上記パーフォレーションセンサ41と上記撮像カメラ43からの撮像信号に基いて制御する。
【0043】
上記ローラ駆動源32には一対の駆動ローラ31a,31bによるキヤリアテープ1の送り状態を検出するエンコーダ32aが設けられている。このエンコーダ32aの検出信号は上記制御装置42に設けられた判定部44に入力され、この判定部44では一対の駆動ローラ31a,31bによるキヤリアテープ1の送り状態と、上記巻き取りリール23による巻き取り状態、この実施の形態では巻き取り状態に対応する上記第2の下部センサ24aが検出するキヤリアテープ1のたるみ量が比較される。
【0044】
つまり、第2の下部センサ24aがキヤリアテープ1のたるみ量を検出すれば、その検出信号によって第3の駆動モータ28が駆動されて巻き取りリール23が駆動されてキヤリアテープ1が巻き取られるから、第2の下部センサ24aによる弛み量の検出は巻き取りリール23による巻き取り状態に対応することになる。
【0045】
具体的には、キヤリアテープ1が駆動ローラ31によってピッチGで複数回ピッチ送りされ、キヤリアテープ1の弛み量が理論上は上記第2の下部センサ24aによって検知される状態となってその弛みが検出されると、その検出信号に基いて巻き取りリール23が第3の駆動モータ28によって駆動される。
【0046】
それによって、キヤリアテープ1は送り状態に応じて弛み、そのたるみに応じた量で巻き取りリール23によって巻き取られたことになるから、上記判定部44はキヤリアテープ1の搬送状態が正常であると判定し、キヤリアテープ1への電子部品16の実装作業が継続される。
【0047】
しかしながら、キヤリアテープ1が搬送レール13に引っ掛かるなどすると、キヤリアテープ1を駆動ローラ31によってピッチGで複数回ピッチ送りしても、キヤリアテープ1はその搬送経路などに詰まるため、送り長さに応じた弛み量とならない。
【0048】
その場合、判定部44には、第2の下部センサ24aからのキヤリアテープ1の弛みを検出した検出信号が入力されないから、判定部44はキヤリアテープ1の送り状態が異常であると判定して実装装置による電子部品16の実装作業が停止されるとともに、そのことを図示せぬ警報機などによって作業者に告知するようになっている。
【0049】
つまり、判定部44による上述した判定は、キヤリアテープ1を駆動ローラ31によってピッチGで複数回ピッチ送りする毎に行なわれる。そして、そのときにキヤリアテープ1が送り量に応じて所定のたるみ量で弛んでいるか否かが検出されることで、キヤリアテープ1の送り状態が判定部44によって判定される。そして、判定部44の判定に基いて、実装装置は実装作業が継続されたり、中断される。
【0050】
そのため、キヤリアテープ1が搬送レール13などの搬送経路に詰まった状態で、キヤリアテープ1を送りつづけて実装作業が継続されるのを確実に防止することができるから、キヤリアテープ1や電子部品16を損傷させるという不良品の発生を未然に防止することが可能となる。
【0051】
上記一実施の形態では、キヤリアテープ1が駆動ローラ31によって所定長さ搬送されたとき、ローラ駆動源32に設けられたエンコーダ32aからの検出信号と、キヤリアテープ1が搬送長さに対応して弛んでいるか否かを検出する第2の下部センサ24aからの検出信号を判定部44で比較して、キヤリアテープ1が正常に送られているか否かを判定するようにした。
【0052】
それに代わって、上記判定部44には、第2の下部センサ24aからの検出信号でなく、第2の下部センサ24aが所定の弛み量を検出したときに、その検出信号によって巻き取りリール23が第3の駆動モータ28によって回転駆動されたか否かを、たとえば上記駆動モータ28にエンコーダを設けることで検出し、その検出信号を判定部44に出力してキヤリアテープ1の巻き取り状態を判定してもよい。
【0053】
また、キヤリアテープの送りは駆動ローラで行なうようにしたが、駆動ローラ代わって上記キヤリアテープを挟持して搬送するチャック送り機構を用いるようにしてもよく、キヤリアテープを所定長さずつ間欠的に送る送り手段は限定されるものでない。
【0054】
さらに、上記一実施の形態ではキヤリアテープの送り手段と巻き取りリールとの間での弛み量をセンサによって検出し、その検出によってキヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定するようにしたが、キヤリアテープの実装手段と供給リールとの間における弛み量をセンサによって検出し、その検出に基いてキヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施の形態を示す実装装置の概略的構成図。
【図2】キヤリアテープの一部分を示す平面図。
【図3】実装手段によってキヤリアテープに電子部品を実装するときの説明図。
【図4】制御系統を示すブロック図。
【符号の説明】
【0056】
1…キヤリアテープ、7…供給リール、16…電子部品、17…実装ステージ(実装手段)、18…実装ツール(実装手段)、23…巻き取りリール、24a…第2の下部センサ、28…第3の駆動モータ、31…駆動ローラ、42…制御装置、44…判定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キヤリアテープに電子部品を実装する実装装置であって、
上記キヤリアテープが巻装された供給リールと、
上記供給リールから繰り出される上記キヤリアテープに上記電子部品を実装する実装手段と、
この実装手段で電子部品が実装されたキヤリアテープを所定長さずつ間欠的に送る送り手段と、
この送り手段によって送られたキヤリアテープを巻き取る巻き取りリールと、
上記キヤリアテープの上記送り手段による送り状態と上記巻き取りリールによる巻き取り状態を比較し、上記送り状態と上記巻き取り状態の比較に基いて上記キヤリアテープの送り状態の異常を判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項2】
上記キヤリアテープは上記実装手段と上記巻き取りリールとの間で巻き取られる前に弛まされていて、
上記巻き取りリールは上記キヤリアテープの弛み量を検出するセンサからの検出信号によって上記キヤリアテープを巻き取るようになっていて、
上記判定手段は、上記送り手段によって上記キヤリアテープが所定長さ送られたときに、上記センサが上記送り手段による送り長さに応じた上記キヤリアテープの弛み量を検出するか否かに応じて上記キヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項3】
上記キヤリアテープは上記実装手段と上記供給リールとの間で巻き取られる前に弛まされていて、
上記供給リールは上記キヤリアテープの弛み量を検出するセンサからの検出信号によって上記キヤリアテープを繰り出すようになっていて、
上記判定手段は、上記送り手段によって上記キヤリアテープが所定長さ送られたときに、上記センサが上記送り手段による送り長さに応じた上記キヤリアテープの弛み量を検出するか否かに応じて上記キヤリアテープの送り状態が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項4】
上記送り手段は、上記実装手段よりも上記キヤリアテープの搬送方向の下流側に配置されて上記キヤリアテープを挟持搬送する一対の駆動ローラ及びこの駆動ローラを回転駆動するローラ駆動源を有し、
上記ローラ駆動源による上記駆動ローラの駆動に基いて上記キヤリアテープの送り状態が判定されることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項5】
キヤリアテープに電子部品を実装する実装方法であって、
上記キヤリアテープを所定長さずつ搬送する工程と、
搬送された上記キヤリアテープに上記電子部品を実装する工程と、
所定長さずつ搬送される上記キヤリアテープを弛ませてその弛み量が所定以上となったときに上記キヤリアテープを巻き取る工程と、
上記キヤリアテープの送り状態と巻き取り状態を比較し、この比較に基いて上記キヤリアテープの送り状態の異常を判定する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−188067(P2009−188067A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24584(P2008−24584)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】