電子部品ユニット及び電子部品ユニットの製造方法
【課題】ケース内の電子部品の位置ずれを抑制することができる電子部品ユニット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コンデンサユニット1は、コンデンサ部10と、コンデンサ部10を収納する外装ケース30と、を備え、リードフレーム15a,15bの先端が外装ケース30の外側に露出した状態で外装ケース30内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットである。外装ケース30は、外装カバー40と外装カップ60とを有し、外装カバー40は、外装ケース30の内側で外装カップ60側に延びる突起47を有している。リードフレーム15bの先端は、外装カバー40と外装カップ60との間から外装ケース30の外側に引き出されており、リードフレーム15bは、外装カップ60の内壁側面65と突起47とで挟み込まれている。
【解決手段】コンデンサユニット1は、コンデンサ部10と、コンデンサ部10を収納する外装ケース30と、を備え、リードフレーム15a,15bの先端が外装ケース30の外側に露出した状態で外装ケース30内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットである。外装ケース30は、外装カバー40と外装カップ60とを有し、外装カバー40は、外装ケース30の内側で外装カップ60側に延びる突起47を有している。リードフレーム15bの先端は、外装カバー40と外装カップ60との間から外装ケース30の外側に引き出されており、リードフレーム15bは、外装カップ60の内壁側面65と突起47とで挟み込まれている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品がケースに収納され当該ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニット及びその電子部品ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の電子部品ユニットが知られている。この電子部品ユニットは、ケース内にコンデンサ等の電子部品が収容され当該ケース内が樹脂モールドされてなるものである。この電子部品ユニットの製造においては、上に開口したケース内に電子部品が収納され、電子部品の電極から延びる金属端子がケース外に引き出された状態で、モールド樹脂材がケース内に注入され固化される。更に、ケース外に引き出された金属端子を折り曲げて電子部品ユニットが完成される。このように、ケース内で電子部品を樹脂モールドすることにより、耐圧性に優れ中高圧用途に適した電子部品ユニットを得ることが提案されている。
【特許文献1】実開平2−79020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この電子部品の製造工程においては、電子部品素子をケース内に収容してからモールド樹脂材が固化するまでの間、電子部品素子のケース内の位置が不安定であり、位置ずれが発生する場合がある。このように電子部品素子の位置がずれることにより、電子部品ユニットの要求される特性が得られない場合もあり得る。また、ケース内における電子部品素子の位置がずれた場合、実装基板に対しても電子部品ユニットの位置がずれてしまう。
【0004】
そこで、本発明は、ケース内の電子部品の位置ずれを抑制することができる電子部品ユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子部品ユニットは、部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、電子部品を収納するケースと、を備え、金属端子の先端がケースの外側に露出した状態でケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットであって、ケースは、第1のパーツと第2のパーツとを有し、第1のパーツは、ケース内で第2のパーツ側に延びる突起を有し、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されており、金属端子は、ケース内で第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれていることを特徴とする。
【0006】
この電子部品ユニットでは、電子部品の金属端子が、ケースの第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれ、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されている。従って、この電子部品ユニットの製造過程においては、ケースを形成しケース内に電子部品を配置する際に、第1パーツと第2パーツとを組み合わせ、電子部品の金属端子を第1のパーツの突起と第2のパーツの内壁面との間に挟み込んだ状態とすることができる。このとき、金属端子は突起と内壁面とで挟み込まれることで固定されるので、その結果、この金属端子を含む電子部品全体がケースに対して固定される。このように、モールド樹脂の注入の前に、電子部品をケース内で当該ケースに対して固定することができるので、電子部品のケース内における位置ずれを抑制することができる。
【0007】
また、具体的には、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、突起は、第2のパーツの開口面よりも底面側まで挿入されている構成としてもよい。
【0008】
また、部品本体は、表面に設けられ金属端子とは異なる極の表面電極を有しており、突起は、表面電極と金属端子との間に位置していることとしてもよい。この種の電子部品ユニットでは、ケース内に引き回される金属端子と、部品本体表面に設けられた異極の表面電極との間には、モールド樹脂が存在しているが、この樹脂の絶縁破壊が問題になる場合がある。これに対し、電子部品ユニットの上記構成によれば、ケースの一部でもある突起が、表面電極と金属端子との間に位置している。ケースの一部をなす突起は、モールド樹脂よりも絶縁信頼性が高いと考えられるので、このような突起が金属端子と異極の表面電極との間に存在することにより、上記絶縁破壊を抑制することができる。
【0009】
また、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、金属端子は、第2のパーツの底面及び内壁側面に沿って形成されていることとしてもよい。この構成により、金属端子は、ケース内で部品本体から離れた位置で引き回されることになるので、金属端子と部品本体との間の絶縁破壊を抑制することができる。
【0010】
また、具体的には、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、第1のパーツは筒状をなし、第1及び第2のパーツの開口同士が合わされることによりケースが形成されることとしてもよい。この構成によれば、第1及び第2のパーツが合わされてケースが形成された状態において、このケースに開口が存在することになる。従って、この開口をケース内部にモールド樹脂を注入するための注入口として利用することができ、モールド樹脂の注入の工程を容易化することができる。
【0011】
また、ケース内を樹脂モールドするモールド樹脂の注型面は、湾曲していることとしてもよい。この注型面が電子部品ユニットの表面とされ複数の金属端子がケース外に引き出される場合において、注型面が湾曲することにより、電子部品ユニット表面における金属端子同士の間の沿面距離を長くすることができ、金属端子間の絶縁破壊を抑制することができる。
【0012】
また、電子部品ユニットの製造方法は、部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、電子部品を収納するケースと、を備え、金属端子の先端がケースの外側に露出した状態でケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットを製造する電子部品ユニットの製造方法であって、ケースは第1のパーツと第2のパーツとを有し、第1のパーツはケース内で第2のパーツ側に延びる突起を有しており、第2のパーツの内側に電子部品の部品本体を収納する第1工程と、第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで電子部品の金属端子が挟み込まれ、当該金属端子の先端が第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されるように、第1のパーツを第2のパーツに組み合わせてケースを形成させる第2工程と、金属端子がケースの外側に引き出された端子引き出し部分の隙間を塞ぐ第3工程と、ケース内にモールド樹脂を注入し硬化させてケース内を樹脂モールドする第4工程と、ケースの外側に引き出された金属端子を所定の形状に折り曲げる第5工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この製造方法では、第2工程で、電子部品の金属端子が、ケースの第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれ、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されている。従って、この第2工程においては、ケースを形成しケース内に電子部品を配置する際に、第1パーツと第2パーツとを組み合わせ、電子部品の金属端子を第1のパーツの突起と第2のパーツの内壁面との間に挟み込んだ状態とすることができる。このとき、金属端子は突起と内壁面とで挟み込まれることで固定されるので、その結果、この金属端子を含む電子部品全体がケースに対して固定され、その後、第4工程では、電子部品が固定された状態でモールド樹脂を注入することができる。このように、電子部品をケース内で当該ケースに対して固定した状態で、樹脂モールドすることができるので、電子部品のケース内における位置ずれを抑制することができる。
【0014】
また、第3工程では、端子引き出し部分において、金属端子と第1及び第2のパーツとが、熱圧着、超音波圧着、又は接着剤によって接合されることにより隙間が塞がれることとしてもよい。金属端子と第1及び第2のパーツとが、上記の熱圧着、超音波圧着、又は接着剤の何れかの手段によって確実に接合されるので、第4工程で注入されるモールド樹脂の端子引き出し部分からの漏洩を抑制することができる。
【0015】
また、第1のパーツ及び第2のパーツには、それぞれ、端子引き出し部分において金属端子の引き出し方向に外壁面から突出して設けられ第3工程において金属端子に接合される端子接合部を有しており、第5工程では、金属端子の端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てて当該金属端子を折り曲げることとしてもよい。
【0016】
第3工程において金属端子が接合される端子接合部は、第1のパーツ及び第2のパーツの外壁面から金属端子の引き出し方向に突出しているので、端子引き出し部分においては金属端子と第1及び第2のパーツとの接合面積が大きくなり、端子引き出し部分をより確実に塞ぐことができる。そして、引き出された金属端子を折り曲げる第5工程にあっては、上記の端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てるので、金型による端子接合部の破損が避けられ、その結果、完成した電子部品ユニットの外観不良等を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品ユニット及びその製造方法によれば、ケース内の電子部品の位置ずれを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る電子部品ユニットの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、本発明に係る電子部品ユニットの第1実施形態として、面実装型のコンデンサユニット1を示している。コンデンサユニット1は、注型タイプの樹脂モールド中高圧コンデンサユニットであり、コンデンサ部(電子部品)10と、コンデンサ部10を収納する外装ケース30とを備えている。このコンデンサユニット1は、コンデンサ部10がそのリードフレーム(金属端子)15a,15bを外装ケース30外側に露出させた状態で外装ケース30に収納され、当該外装ケース30内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットである。以下、コンデンサユニット1の詳細について説明する。
【0020】
外装ケース30は、上下に分離される外装カップ(第2のパーツ)60と、外装カバー(第1のパーツ)40と、の2つのパーツから構成されている。この外装カバー40及び外装カップ60は、ともにLCP(液晶ポリマー)等のプラスチック材からなる。外装カップ60は、上に開口する円形の有底のカップ形状をなし、外装カバー40は外装カップ60とほぼ同径の円筒形状をなしている。そして、外装カップ60の上端の当接面60aと外装カバー40の下部の当接面40aとが突き合わされて、外装カバー40の下の開口と外装カップ60の上向きの開口とが嵌め合わされることで、外装カバー40と外装カップ60との外側壁が面一に連続する。外装カバー40の当接面40aからは、図4にも示されるように、嵌め合わせの際に外装カップ60の内壁側面65に沿う嵌合ガイド部43が突出している。以上のように上下2つのパーツが組み合わされてなる外装ケース30は、全体として、上に開口31をもつカップ形状をなす。
【0021】
コンデンサ部10は、円板形状のコンデンサ本体(部品本体)13と、コンデンサ本体13に電気的に接続された2本のリードフレーム(金属端子)15a,15bとを備えている。コンデンサ本体13は、円板形状のセラミック成型体からなるセラミック素子17を有している。そして、このセラミック素子17の対向する上下両方の円形端面には、それぞれ、ほぼ全面近くに広がるように、Cu又はAgからなる表面電極19a,19bが、形成されている。このように、対向する表面電極19a,19bと、当該表面電極19a,19b間に挟まれた誘電体のセラミック素子17とによって、コンデンサが構成されている。コンデンサ本体13は、上下の円形端面を外装カップ60の底面63にほぼ平行とした姿勢で、上端の表面電極19aが外装カップ60の当接面60aよりも低い位置にあるように、外装カップ60のほぼ中央の位置に収納されている。
【0022】
リードフレーム15a,15bは、Cuからなる下材に、Snメッキ、Sn−Ag合金メッキ、またはSn−Ni合金メッキが施され、板状に形成されたものである。リードフレーム15aの一端はコンデンサ本体13の上面にある表面電極19aに半田付けによって固定されている。そして、リードフレーム15aの他端は、外装カップ60の当接面60aと外装カバー40の当接面40aとの間を通過して外装ケース30外に水平に引き出された後、外装ケース30の外側において所定の形状に屈曲されている。同様に、リードフレーム15bの一端はコンデンサ本体13の下面にある表面電極19bに半田付けによって固定されている。そして、リードフレーム15bの他端は、外装カップ60の当接面60aと外装カバー40の当接面40aとの間を通過して外装ケース30外に水平に引き出された後、外装ケース30の外側において所定の形状に屈曲されている。
【0023】
なお、リードフレーム15a,15bが通過する位置においては、外装カップ60の上端の2箇所に、それぞれ、径方向外側に外壁面から突出した鍔部(端子接合部)62a,62bが設けられている。そして、この鍔部62a,62b上には、それぞれ、径方向に延びるガイド溝61a,61bが形成されている。同様に、この鍔部62a,62bにそれぞれ対面するように、外装カバー40の下部(図4参照)の2箇所にも鍔部(端子接合部)42a,42bが設けられている。そして、この鍔部42a,42b上にも、それぞれ、径方向に延びるガイド溝41a,41bが形成されている。
【0024】
上記のようなガイド溝によって、外装ケース30側壁には、リードフレーム15a,15bの厚み分の貫通スリットが形成されることになり、リードフレーム15a,15bを、それぞれ外装ケース30を貫通させて引き出すことができる。このようにリードフレーム15a,15bが引き出される部分を、以下の説明においては、それぞれ、端子引き出し部33a,33bと言う。なお、2つのリードフレーム15a,15bを外装ケース30外で出来る限り遠ざけて表面リークを避けるため、端子引き出し部33a,33bは互いに外装ケース30の反対側に設けられている。
【0025】
次に、リードフレーム15bの外装ケース30内における引き回しについて、更に説明する。リードフレーム15bは、コンデンサ本体13の下面から外装カップ60の底面63に近づくように延び、更に先端側では底面63及び内壁側面65に沿って延在し外装カップ60の上端に到達している。更にその先端側で、リードフレーム15bは、外装ケース30の外側に向かって屈曲し、ガイド溝61aとガイド溝41aとで形成される貫通スリットを通過して外装ケース30外に引き出されている。このように、リードフレーム15bは、底面63及び内壁側面65に沿って、コンデンサ本体13から出来る限り離れた位置を引き回されている。
【0026】
このような構成により、リードフレーム15bとは異極である表面電極19aと当該リードフレーム15bとの距離が離れることになり、その結果、リードフレーム15bと表面電極19aとの間の放電による絶縁破壊の可能性が低減される。なお、リードフレーム15aは、コンデンサ本体13の上面から端子引き出し部33aまで比較的短い距離だけ引き回されている。従って、リードフレーム15aについては、異極の表面電極19b等の近傍を通過させる必要がなく、リードフレーム15aに関する絶縁破壊の懸念は比較的小さい。
【0027】
また、ここで、図4にも示されるように、外装カバー40には、ガイド溝41bの内側で当接面40aから下方に突出する突起47が形成されている。この突起47は、図3に示すように、当接面40aから外装カップ60側に向かって下方に延びており、外装カップ60の当接面60aよりも底面63側まで、内壁側面65に沿って挿入されている。外装カップ60の上端付近においては、リードフレーム15bは、この突起47によって内壁側面65に押し付けられており、内壁側面65と突起47の外側面との間に挟み込まれている。突起47は、矩形板状をなし、表面電極19aの位置よりも更に底面63に近い位置まで内壁側面65と平行に延びており、突起47の幅はリードフレーム15bの幅よりも大きい。なお、ここでは、突起47が、嵌合ガイド部43に連続して一体に形成されているが、突起47が嵌合ガイド部43に連続で一体に形成される構成は必須ではない。また、嵌合ガイド部43のような嵌合ガイド部は、外装カップ60側に形成されるようにしてもよい。
【0028】
このような突起47の構成によって、図3に示すように、表面電極19aから見てリードフレーム15bの最も近い位置16と当該表面電極19aとの間には、突起47が存在している。すなわち、表面電極19aから見て、リードフレーム15bの最も近い位置16は、突起47によって隠され、見通せなくなっている。
【0029】
以上のようにコンデンサ部10が外装ケース30内に配置された状態で、外装ケース30内がモールド樹脂80によって樹脂モールドされている。前述のように、外装カバー40を円筒形状とすることで、外装ケース30は全体として上に開口31をもつカップ形状をなすので、開口31を通じて容易に液状のモールド樹脂を外装ケース30内に注入し充填させることができる。注入する液状のモールド樹脂としては、絶縁塗料である耐熱性エポキシ樹脂等が用いられる。ここでは、開口31から注入された液状のモールド樹脂の表面張力により、液面は凹状に湾曲した形状となり、その後モールド樹脂を熱硬化させると、凹状に湾曲した注型面81が形成される。そして、この注型面81は、そのまま完成後のコンデンサユニット1の表面となる。このようにモールド樹脂80の注型面81が湾曲することにより、リードフレーム15aとリードフレーム15bとの間のコンデンサユニット1表面における沿面距離が長くなり、表面リークの可能性を低減することができる。
【0030】
また、モールド樹脂が注入される前には、コンデンサ部10のうち外装ケース30内の部分の表面に下塗り塗料が塗布されるので、コンデンサ部10及びリードフレーム15a,15bの周囲には、塗料層11が形成されている。なお、図2では、モールド樹脂80及び塗料層11の図示は省略されている。
【0031】
続いて、このコンデンサユニット1の製造方法について、図5〜図12を参照し説明する。
【0032】
(コンデンサ部の組み立て)
まず、図5に示すように、リードフレーム用の金属板を所定の形状に折り曲げることで、リードフレーム15a,15bを作製する。次に、図6に示すように、円板形状のコンデンサ本体13を準備し、リードフレーム15aの一端を、コンデンサ本体13の表面電極19aに半田付けし、同様に、リードフレーム15bの一端を、コンデンサ本体13の表面電極19bに半田付けする。以上により、コンデンサ本体13とリードフレーム15a,15bとが一体となったコンデンサ部10が完成する。次に、図7に示すように、コンデンサ部10のうち、外装ケース30内に納められる部分に下塗り塗料を塗布し、塗料層11を形成させる。
【0033】
なお、金属製の板状をなすリードフレーム15a,15bは、コンデンサ本体13の重量等に対して十分に大きい剛性を有しており、以下の各工程でコンデンサ部10に作用する外力(例えば、外装ケース30内にモールド樹脂を注入する際にコンデンサ部10に作用する力)程度では、リードフレーム15a,15bの撓み等の変形は発生しないものと見なすことができる。
【0034】
(第1工程)
次に、図8に示すように、外装カップ60を準備し、コンデンサ部10を外装カップ60内に収納する。このとき、リードフレーム15a,15bは、それぞれガイド溝61a,61bの上に配置され、リードフレーム15a,15bの先端側は外装カップ60から水平に外側にはみ出した状態となる。また、このとき、コンデンサ部10の表面電極19aは、外装カップ60上端の当接面60aと同じ高さの位置、若しくは当接面60aよりも低い位置にある。
【0035】
(第2工程)
次に、図9及び図10に示すように、外装カップ60の上に外装カバー40を嵌め合わせ、外装ケース30を形成させる。このとき、リードフレーム15a,15bの先端側は、それぞれ、端子引き出し部33a,33bにおいて、外装カップ60と外装カバー40との隙間から外装ケース30の外に突出する。また、外装ケース30内においては、外装カバー40の突起47によって、リードフレーム15bが外装カップ60の内壁側面65に押し付けられ、リードフレーム15bは、内壁側面65と突起47とで挟み込まれる。
【0036】
(第3工程)
次に、端子引き出し部33aにおいて、リードフレーム15aと鍔部62a,42aとを熱圧着させると共に、同様に、端子引き出し部33bにおいて、リードフレーム15bと鍔部62b,42bとを熱圧着させる。この処理により、端子引き出し部33a,33bにおけるリードフレーム15a,15bと外装ケース30との隙間を塞ぐことができ、外装カップ60と外装カバー40とを固着することができる。ここでは、鍔部42a,42b,62a,62bは、リードフレーム15a,15bが引き出される方向に沿ってケース30外壁面から延びているので、端子引き出し部33a,33bにおいて、リードフレーム15a,15bとケース30との接合面積を大きく確保することができ、より確実な接合状態が得られる。なお、リードフレーム15a,15bと鍔部との接合は、確実な接合を行う観点から、熱圧着に限られず、超音波圧着法を用いて行ってもよく、接着剤による接着により行ってもよい。
【0037】
(第4工程)
次に、図11に示すように、外装ケース30の開口31を通じて、液状のモールド樹脂を外装ケース30内に注入する。このとき、上記第3工程において、リードフレーム15a,15bと外装ケース30との隙間が塞がれているので、液状のモールド樹脂が端子引き出し部33a,33bから漏洩することが防止される。そして、注入された液状のモールド樹脂を熱硬化させることにより、外装ケース30内をモールド封止するモールド樹脂80が形成され、コンデンサ本体13は外装ケース30内でモールド封止される。このとき、表面張力によって湾曲した状態で硬化したモールド樹脂80の上面は、凹状に湾曲した注型面81をなす。
【0038】
(第5工程)
次に、図12に示すように、外装ケース30外側に引き出されたリードフレーム15a,15bの上面に金型A11を押し当てると共に、リードフレーム15a,15bの下面に金型A13を押し当てることで、リードフレーム15a,15bを折り曲げる。このとき、金型A11は、鍔部42a,42bには接触しないように配置され、鍔部42a,42bよりも先端側の位置でリードフレーム15a,15bに押し当てられる。従って、リードフレーム15a,15bの折り曲げ加工の際に、鍔部42a,42bに作用する応力が緩和され、鍔部42a,42bのひび及び割れや、金型A11,A13による鍔部42a,42bの潰壊を防止することができ、コンデンサユニット1の外観不良を防止することができる。また、このような鍔部42a,42bの破損防止の効果を効率よく奏するためには、鍔部42a,42bを短くすることが好ましく、または、鍔部42a,42bを無くしてもよい。その後、更にリードフレーム15a,15bを所定形状に折り曲げ、所定の長さに切り揃える等の加工を経て、コンデンサユニット1が完成する。
【0039】
続いて、上述のコンデンサユニット1による作用効果、及び上述の製造方法による作用効果について説明する。
【0040】
図3に示すように、コンデンサユニット1では、外装ケース30を外装カバー40及び外装カップ60といった2分割のパーツで構成している。そして、コンデンサ部10を外装ケース30内に格納した状態では、外装カバー40に設けられた突起47によって、リードフレーム15bを外装カップ60の内壁側面65に押し付け、突起47と内壁側面65とでリードフレーム15bを挟み込んで確実に固定することができる。そして、リードフレーム15bが固定されることで、コンデンサ部10全体が外装ケース30内で当該外装ケース30に対して固定される。
【0041】
従って、第1工程においてコンデンサ部10(特に、コンデンサ本体13)を外装ケース30内の所望の位置に確実に位置決め固定した上で、第2工程で液状のモールド樹脂を注入し硬化させることができる。従って、完成後のコンデンサユニット1においても、コンデンサ部10が所望の位置に確実に配置されることになり、外装ケース30内における部品の位置ずれを抑制することができる。
【0042】
また、この種のコンデンサユニットでは、各部間の絶縁破壊が問題となる場合がある。特に、このコンデンサユニット1の場合、コンデンサ本体13の下面から延びるリードフレーム15bは、コンデンサ本体13の下面から端子引き出し部33bまで長い経路で引き回す必要がある。従って、リードフレーム15bと異極の表面電極19aとの距離が近接してしまうことを完全に避けることはできない。また、モールド樹脂80は、硬化時に生じる欠陥部等に起因して絶縁信頼性が低下する場合もある。従って、リードフレーム15bと表面電極19aとの間の放電による絶縁破壊が発生する虞がある。
【0043】
これに対し、コンデンサユニット1では、前述のように、上記の突起47が、表面電極19aの位置よりも更に底面63に近い位置まで延びている(図3参照)。従って、表面電極19aから見てリードフレーム15bの最も近い位置16と当該表面電極19aとの間には、突起47が存在することになる。このように、モールド樹脂80よりも絶縁信頼性が高いと考えられる突起47が位置16と当該表面電極19aとの間に存在するので、突起47とリードフレーム15bとの間の絶縁信頼性が向上し、絶縁破壊の可能性を低減することができる。
【0044】
また、他の注型タイプの樹脂モールド中高圧コンデンサユニットとしては、図13のようにカップ状の外装ケース203の開口231からコンデンサ部210のリードフレーム215a,215bを引き出し、その開口231から液状のモールド樹脂を注入するタイプのコンデンサユニット201も考えられる。しかしこの場合、モールド樹脂の注型面281から引き出されるリードフレーム215a,215bの周囲には、表面張力によって、樹脂の盛り上がり部216a,216bが形成されてしまう。このように、注型面281に盛り上がり部216a,216bのような不規則形状が存在すると、例えば、コンデンサユニット201のヒートショック試験の際に、盛り上がり部216a,216bに熱応力が集中し、モールド樹脂280にクラックが発生する虞がある。
【0045】
これに対して、コンデンサユニット1(図3)によれば、カップ形状の外装ケース30を上下2分割することで、外装カップ60と外装カバー40との間を通して、リードフレーム15a,15bを外装ケース30の側壁から引き出すことができる。このように、リードフレーム15a,15bを注型面81から引き出す必要がなく、注型面81には不規則形状が発生しないので、モールド樹脂80にクラックが発生する可能性が低い。
【0046】
〔第2実施形態〕
図14に示すように、コンデンサユニット101の外装ケース103は、上下に分離される外装カップ(第1のパーツ)160と、外装カバー(第2のパーツ)140と、の2つのパーツから構成されている。外装カップ160は、上に開口する円形の有底のカップ形状をなし、外装カバー140は外装カップ160とほぼ同径の円筒形状をなしている。
【0047】
外装カップ160は、その底面163から上方に延び外装カバー140に挿入される突起167を備えている。この突起167によって、リードフレーム15aは、外装カバー140の内壁側面145に押し付けられており、内壁側面145と突起167の外側面との間に挟み込まれている。また、表面電極19bから見てリードフレーム15aの最も近い位置116と当該表面電極19bとの間には、突起167が存在している。すなわち、表面電極19bから見て、リードフレーム15aの最も近い位置116は、突起167によって隠され、見通せなくなっている。
【0048】
このように、外装カップ160に突起167を設けたコンデンサユニット101によっても、前述のコンデンサユニット1と同等の作用効果を得ることができる。なお、このコンデンサユニット101において、前述のコンデンサユニット1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0049】
本発明は、上述の第1,2実施形態に限定されるものではない。例えば、第1,2実施形態では、外装カバー40,140及び外装カップ60、160として平面視で円形をなす形状のものを採用しているが、外装カバー及び外装カップは、平面視で多角形(例えば四角形)の形状としてもよく、又は他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る電子部品ユニットの第1実施形態としてコンデンサユニットを示す斜視図である。
【図2】図1のコンデンサユニットの分解斜視図である。
【図3】図1のコンデンサユニットの断面図である。
【図4】図1のコンデンサユニットの外装カバーを下方から見た形状を示す斜視図である。
【図5】図1のコンデンサユニットの製造方法の一工程を示す正面図である。
【図6】(a)は、図5の後続の工程を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。
【図7】図6の後続の工程を示す断面図である。
【図8】(a)は、図7の後続の工程を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。
【図9】図8の後続の工程を示す断面図である。
【図10】図9の後続の工程を示す断面図である。
【図11】図10の後続の工程を示す断面図である。
【図12】図11の後続の工程を示す断面図である。
【図13】図12のコンデンサユニットと比較される他のコンデンサユニットを示す断面図である。
【図14】本発明に係る電子部品ユニットの第2実施形態のコンデンサユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…コンデンサユニット、10…コンデンサ部(電子部品)、13…コンデンサ本体(部品本体)、15b…リードフレーム(金属端子)、19a…表面電極、30…外装ケース、33a,33b…端子引き出し部、40…外装カバー(第1のパーツ)、42a,42b…鍔部(端子接合部)、47…突起、60…外装カップ(第2のパーツ)、62a,62b…鍔部(端子接合部)、63…底面、65…内壁側面、80…モールド樹脂、81…注型面、101…コンデンサユニット、103…外装ケース、140…外装カバー(第2のパーツ)、160…外装カップ(第1のパーツ)、167…突起、A11…金型。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品がケースに収納され当該ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニット及びその電子部品ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の電子部品ユニットが知られている。この電子部品ユニットは、ケース内にコンデンサ等の電子部品が収容され当該ケース内が樹脂モールドされてなるものである。この電子部品ユニットの製造においては、上に開口したケース内に電子部品が収納され、電子部品の電極から延びる金属端子がケース外に引き出された状態で、モールド樹脂材がケース内に注入され固化される。更に、ケース外に引き出された金属端子を折り曲げて電子部品ユニットが完成される。このように、ケース内で電子部品を樹脂モールドすることにより、耐圧性に優れ中高圧用途に適した電子部品ユニットを得ることが提案されている。
【特許文献1】実開平2−79020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この電子部品の製造工程においては、電子部品素子をケース内に収容してからモールド樹脂材が固化するまでの間、電子部品素子のケース内の位置が不安定であり、位置ずれが発生する場合がある。このように電子部品素子の位置がずれることにより、電子部品ユニットの要求される特性が得られない場合もあり得る。また、ケース内における電子部品素子の位置がずれた場合、実装基板に対しても電子部品ユニットの位置がずれてしまう。
【0004】
そこで、本発明は、ケース内の電子部品の位置ずれを抑制することができる電子部品ユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子部品ユニットは、部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、電子部品を収納するケースと、を備え、金属端子の先端がケースの外側に露出した状態でケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットであって、ケースは、第1のパーツと第2のパーツとを有し、第1のパーツは、ケース内で第2のパーツ側に延びる突起を有し、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されており、金属端子は、ケース内で第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれていることを特徴とする。
【0006】
この電子部品ユニットでは、電子部品の金属端子が、ケースの第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれ、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されている。従って、この電子部品ユニットの製造過程においては、ケースを形成しケース内に電子部品を配置する際に、第1パーツと第2パーツとを組み合わせ、電子部品の金属端子を第1のパーツの突起と第2のパーツの内壁面との間に挟み込んだ状態とすることができる。このとき、金属端子は突起と内壁面とで挟み込まれることで固定されるので、その結果、この金属端子を含む電子部品全体がケースに対して固定される。このように、モールド樹脂の注入の前に、電子部品をケース内で当該ケースに対して固定することができるので、電子部品のケース内における位置ずれを抑制することができる。
【0007】
また、具体的には、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、突起は、第2のパーツの開口面よりも底面側まで挿入されている構成としてもよい。
【0008】
また、部品本体は、表面に設けられ金属端子とは異なる極の表面電極を有しており、突起は、表面電極と金属端子との間に位置していることとしてもよい。この種の電子部品ユニットでは、ケース内に引き回される金属端子と、部品本体表面に設けられた異極の表面電極との間には、モールド樹脂が存在しているが、この樹脂の絶縁破壊が問題になる場合がある。これに対し、電子部品ユニットの上記構成によれば、ケースの一部でもある突起が、表面電極と金属端子との間に位置している。ケースの一部をなす突起は、モールド樹脂よりも絶縁信頼性が高いと考えられるので、このような突起が金属端子と異極の表面電極との間に存在することにより、上記絶縁破壊を抑制することができる。
【0009】
また、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、金属端子は、第2のパーツの底面及び内壁側面に沿って形成されていることとしてもよい。この構成により、金属端子は、ケース内で部品本体から離れた位置で引き回されることになるので、金属端子と部品本体との間の絶縁破壊を抑制することができる。
【0010】
また、具体的には、第2のパーツは有底のカップ形状をなし、第1のパーツは筒状をなし、第1及び第2のパーツの開口同士が合わされることによりケースが形成されることとしてもよい。この構成によれば、第1及び第2のパーツが合わされてケースが形成された状態において、このケースに開口が存在することになる。従って、この開口をケース内部にモールド樹脂を注入するための注入口として利用することができ、モールド樹脂の注入の工程を容易化することができる。
【0011】
また、ケース内を樹脂モールドするモールド樹脂の注型面は、湾曲していることとしてもよい。この注型面が電子部品ユニットの表面とされ複数の金属端子がケース外に引き出される場合において、注型面が湾曲することにより、電子部品ユニット表面における金属端子同士の間の沿面距離を長くすることができ、金属端子間の絶縁破壊を抑制することができる。
【0012】
また、電子部品ユニットの製造方法は、部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、電子部品を収納するケースと、を備え、金属端子の先端がケースの外側に露出した状態でケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットを製造する電子部品ユニットの製造方法であって、ケースは第1のパーツと第2のパーツとを有し、第1のパーツはケース内で第2のパーツ側に延びる突起を有しており、第2のパーツの内側に電子部品の部品本体を収納する第1工程と、第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで電子部品の金属端子が挟み込まれ、当該金属端子の先端が第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されるように、第1のパーツを第2のパーツに組み合わせてケースを形成させる第2工程と、金属端子がケースの外側に引き出された端子引き出し部分の隙間を塞ぐ第3工程と、ケース内にモールド樹脂を注入し硬化させてケース内を樹脂モールドする第4工程と、ケースの外側に引き出された金属端子を所定の形状に折り曲げる第5工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
この製造方法では、第2工程で、電子部品の金属端子が、ケースの第2のパーツの内壁面と第1のパーツの突起とで挟み込まれ、金属端子の先端は、第1のパーツと第2のパーツとの間からケースの外側に引き出されている。従って、この第2工程においては、ケースを形成しケース内に電子部品を配置する際に、第1パーツと第2パーツとを組み合わせ、電子部品の金属端子を第1のパーツの突起と第2のパーツの内壁面との間に挟み込んだ状態とすることができる。このとき、金属端子は突起と内壁面とで挟み込まれることで固定されるので、その結果、この金属端子を含む電子部品全体がケースに対して固定され、その後、第4工程では、電子部品が固定された状態でモールド樹脂を注入することができる。このように、電子部品をケース内で当該ケースに対して固定した状態で、樹脂モールドすることができるので、電子部品のケース内における位置ずれを抑制することができる。
【0014】
また、第3工程では、端子引き出し部分において、金属端子と第1及び第2のパーツとが、熱圧着、超音波圧着、又は接着剤によって接合されることにより隙間が塞がれることとしてもよい。金属端子と第1及び第2のパーツとが、上記の熱圧着、超音波圧着、又は接着剤の何れかの手段によって確実に接合されるので、第4工程で注入されるモールド樹脂の端子引き出し部分からの漏洩を抑制することができる。
【0015】
また、第1のパーツ及び第2のパーツには、それぞれ、端子引き出し部分において金属端子の引き出し方向に外壁面から突出して設けられ第3工程において金属端子に接合される端子接合部を有しており、第5工程では、金属端子の端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てて当該金属端子を折り曲げることとしてもよい。
【0016】
第3工程において金属端子が接合される端子接合部は、第1のパーツ及び第2のパーツの外壁面から金属端子の引き出し方向に突出しているので、端子引き出し部分においては金属端子と第1及び第2のパーツとの接合面積が大きくなり、端子引き出し部分をより確実に塞ぐことができる。そして、引き出された金属端子を折り曲げる第5工程にあっては、上記の端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てるので、金型による端子接合部の破損が避けられ、その結果、完成した電子部品ユニットの外観不良等を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子部品ユニット及びその製造方法によれば、ケース内の電子部品の位置ずれを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る電子部品ユニットの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、本発明に係る電子部品ユニットの第1実施形態として、面実装型のコンデンサユニット1を示している。コンデンサユニット1は、注型タイプの樹脂モールド中高圧コンデンサユニットであり、コンデンサ部(電子部品)10と、コンデンサ部10を収納する外装ケース30とを備えている。このコンデンサユニット1は、コンデンサ部10がそのリードフレーム(金属端子)15a,15bを外装ケース30外側に露出させた状態で外装ケース30に収納され、当該外装ケース30内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットである。以下、コンデンサユニット1の詳細について説明する。
【0020】
外装ケース30は、上下に分離される外装カップ(第2のパーツ)60と、外装カバー(第1のパーツ)40と、の2つのパーツから構成されている。この外装カバー40及び外装カップ60は、ともにLCP(液晶ポリマー)等のプラスチック材からなる。外装カップ60は、上に開口する円形の有底のカップ形状をなし、外装カバー40は外装カップ60とほぼ同径の円筒形状をなしている。そして、外装カップ60の上端の当接面60aと外装カバー40の下部の当接面40aとが突き合わされて、外装カバー40の下の開口と外装カップ60の上向きの開口とが嵌め合わされることで、外装カバー40と外装カップ60との外側壁が面一に連続する。外装カバー40の当接面40aからは、図4にも示されるように、嵌め合わせの際に外装カップ60の内壁側面65に沿う嵌合ガイド部43が突出している。以上のように上下2つのパーツが組み合わされてなる外装ケース30は、全体として、上に開口31をもつカップ形状をなす。
【0021】
コンデンサ部10は、円板形状のコンデンサ本体(部品本体)13と、コンデンサ本体13に電気的に接続された2本のリードフレーム(金属端子)15a,15bとを備えている。コンデンサ本体13は、円板形状のセラミック成型体からなるセラミック素子17を有している。そして、このセラミック素子17の対向する上下両方の円形端面には、それぞれ、ほぼ全面近くに広がるように、Cu又はAgからなる表面電極19a,19bが、形成されている。このように、対向する表面電極19a,19bと、当該表面電極19a,19b間に挟まれた誘電体のセラミック素子17とによって、コンデンサが構成されている。コンデンサ本体13は、上下の円形端面を外装カップ60の底面63にほぼ平行とした姿勢で、上端の表面電極19aが外装カップ60の当接面60aよりも低い位置にあるように、外装カップ60のほぼ中央の位置に収納されている。
【0022】
リードフレーム15a,15bは、Cuからなる下材に、Snメッキ、Sn−Ag合金メッキ、またはSn−Ni合金メッキが施され、板状に形成されたものである。リードフレーム15aの一端はコンデンサ本体13の上面にある表面電極19aに半田付けによって固定されている。そして、リードフレーム15aの他端は、外装カップ60の当接面60aと外装カバー40の当接面40aとの間を通過して外装ケース30外に水平に引き出された後、外装ケース30の外側において所定の形状に屈曲されている。同様に、リードフレーム15bの一端はコンデンサ本体13の下面にある表面電極19bに半田付けによって固定されている。そして、リードフレーム15bの他端は、外装カップ60の当接面60aと外装カバー40の当接面40aとの間を通過して外装ケース30外に水平に引き出された後、外装ケース30の外側において所定の形状に屈曲されている。
【0023】
なお、リードフレーム15a,15bが通過する位置においては、外装カップ60の上端の2箇所に、それぞれ、径方向外側に外壁面から突出した鍔部(端子接合部)62a,62bが設けられている。そして、この鍔部62a,62b上には、それぞれ、径方向に延びるガイド溝61a,61bが形成されている。同様に、この鍔部62a,62bにそれぞれ対面するように、外装カバー40の下部(図4参照)の2箇所にも鍔部(端子接合部)42a,42bが設けられている。そして、この鍔部42a,42b上にも、それぞれ、径方向に延びるガイド溝41a,41bが形成されている。
【0024】
上記のようなガイド溝によって、外装ケース30側壁には、リードフレーム15a,15bの厚み分の貫通スリットが形成されることになり、リードフレーム15a,15bを、それぞれ外装ケース30を貫通させて引き出すことができる。このようにリードフレーム15a,15bが引き出される部分を、以下の説明においては、それぞれ、端子引き出し部33a,33bと言う。なお、2つのリードフレーム15a,15bを外装ケース30外で出来る限り遠ざけて表面リークを避けるため、端子引き出し部33a,33bは互いに外装ケース30の反対側に設けられている。
【0025】
次に、リードフレーム15bの外装ケース30内における引き回しについて、更に説明する。リードフレーム15bは、コンデンサ本体13の下面から外装カップ60の底面63に近づくように延び、更に先端側では底面63及び内壁側面65に沿って延在し外装カップ60の上端に到達している。更にその先端側で、リードフレーム15bは、外装ケース30の外側に向かって屈曲し、ガイド溝61aとガイド溝41aとで形成される貫通スリットを通過して外装ケース30外に引き出されている。このように、リードフレーム15bは、底面63及び内壁側面65に沿って、コンデンサ本体13から出来る限り離れた位置を引き回されている。
【0026】
このような構成により、リードフレーム15bとは異極である表面電極19aと当該リードフレーム15bとの距離が離れることになり、その結果、リードフレーム15bと表面電極19aとの間の放電による絶縁破壊の可能性が低減される。なお、リードフレーム15aは、コンデンサ本体13の上面から端子引き出し部33aまで比較的短い距離だけ引き回されている。従って、リードフレーム15aについては、異極の表面電極19b等の近傍を通過させる必要がなく、リードフレーム15aに関する絶縁破壊の懸念は比較的小さい。
【0027】
また、ここで、図4にも示されるように、外装カバー40には、ガイド溝41bの内側で当接面40aから下方に突出する突起47が形成されている。この突起47は、図3に示すように、当接面40aから外装カップ60側に向かって下方に延びており、外装カップ60の当接面60aよりも底面63側まで、内壁側面65に沿って挿入されている。外装カップ60の上端付近においては、リードフレーム15bは、この突起47によって内壁側面65に押し付けられており、内壁側面65と突起47の外側面との間に挟み込まれている。突起47は、矩形板状をなし、表面電極19aの位置よりも更に底面63に近い位置まで内壁側面65と平行に延びており、突起47の幅はリードフレーム15bの幅よりも大きい。なお、ここでは、突起47が、嵌合ガイド部43に連続して一体に形成されているが、突起47が嵌合ガイド部43に連続で一体に形成される構成は必須ではない。また、嵌合ガイド部43のような嵌合ガイド部は、外装カップ60側に形成されるようにしてもよい。
【0028】
このような突起47の構成によって、図3に示すように、表面電極19aから見てリードフレーム15bの最も近い位置16と当該表面電極19aとの間には、突起47が存在している。すなわち、表面電極19aから見て、リードフレーム15bの最も近い位置16は、突起47によって隠され、見通せなくなっている。
【0029】
以上のようにコンデンサ部10が外装ケース30内に配置された状態で、外装ケース30内がモールド樹脂80によって樹脂モールドされている。前述のように、外装カバー40を円筒形状とすることで、外装ケース30は全体として上に開口31をもつカップ形状をなすので、開口31を通じて容易に液状のモールド樹脂を外装ケース30内に注入し充填させることができる。注入する液状のモールド樹脂としては、絶縁塗料である耐熱性エポキシ樹脂等が用いられる。ここでは、開口31から注入された液状のモールド樹脂の表面張力により、液面は凹状に湾曲した形状となり、その後モールド樹脂を熱硬化させると、凹状に湾曲した注型面81が形成される。そして、この注型面81は、そのまま完成後のコンデンサユニット1の表面となる。このようにモールド樹脂80の注型面81が湾曲することにより、リードフレーム15aとリードフレーム15bとの間のコンデンサユニット1表面における沿面距離が長くなり、表面リークの可能性を低減することができる。
【0030】
また、モールド樹脂が注入される前には、コンデンサ部10のうち外装ケース30内の部分の表面に下塗り塗料が塗布されるので、コンデンサ部10及びリードフレーム15a,15bの周囲には、塗料層11が形成されている。なお、図2では、モールド樹脂80及び塗料層11の図示は省略されている。
【0031】
続いて、このコンデンサユニット1の製造方法について、図5〜図12を参照し説明する。
【0032】
(コンデンサ部の組み立て)
まず、図5に示すように、リードフレーム用の金属板を所定の形状に折り曲げることで、リードフレーム15a,15bを作製する。次に、図6に示すように、円板形状のコンデンサ本体13を準備し、リードフレーム15aの一端を、コンデンサ本体13の表面電極19aに半田付けし、同様に、リードフレーム15bの一端を、コンデンサ本体13の表面電極19bに半田付けする。以上により、コンデンサ本体13とリードフレーム15a,15bとが一体となったコンデンサ部10が完成する。次に、図7に示すように、コンデンサ部10のうち、外装ケース30内に納められる部分に下塗り塗料を塗布し、塗料層11を形成させる。
【0033】
なお、金属製の板状をなすリードフレーム15a,15bは、コンデンサ本体13の重量等に対して十分に大きい剛性を有しており、以下の各工程でコンデンサ部10に作用する外力(例えば、外装ケース30内にモールド樹脂を注入する際にコンデンサ部10に作用する力)程度では、リードフレーム15a,15bの撓み等の変形は発生しないものと見なすことができる。
【0034】
(第1工程)
次に、図8に示すように、外装カップ60を準備し、コンデンサ部10を外装カップ60内に収納する。このとき、リードフレーム15a,15bは、それぞれガイド溝61a,61bの上に配置され、リードフレーム15a,15bの先端側は外装カップ60から水平に外側にはみ出した状態となる。また、このとき、コンデンサ部10の表面電極19aは、外装カップ60上端の当接面60aと同じ高さの位置、若しくは当接面60aよりも低い位置にある。
【0035】
(第2工程)
次に、図9及び図10に示すように、外装カップ60の上に外装カバー40を嵌め合わせ、外装ケース30を形成させる。このとき、リードフレーム15a,15bの先端側は、それぞれ、端子引き出し部33a,33bにおいて、外装カップ60と外装カバー40との隙間から外装ケース30の外に突出する。また、外装ケース30内においては、外装カバー40の突起47によって、リードフレーム15bが外装カップ60の内壁側面65に押し付けられ、リードフレーム15bは、内壁側面65と突起47とで挟み込まれる。
【0036】
(第3工程)
次に、端子引き出し部33aにおいて、リードフレーム15aと鍔部62a,42aとを熱圧着させると共に、同様に、端子引き出し部33bにおいて、リードフレーム15bと鍔部62b,42bとを熱圧着させる。この処理により、端子引き出し部33a,33bにおけるリードフレーム15a,15bと外装ケース30との隙間を塞ぐことができ、外装カップ60と外装カバー40とを固着することができる。ここでは、鍔部42a,42b,62a,62bは、リードフレーム15a,15bが引き出される方向に沿ってケース30外壁面から延びているので、端子引き出し部33a,33bにおいて、リードフレーム15a,15bとケース30との接合面積を大きく確保することができ、より確実な接合状態が得られる。なお、リードフレーム15a,15bと鍔部との接合は、確実な接合を行う観点から、熱圧着に限られず、超音波圧着法を用いて行ってもよく、接着剤による接着により行ってもよい。
【0037】
(第4工程)
次に、図11に示すように、外装ケース30の開口31を通じて、液状のモールド樹脂を外装ケース30内に注入する。このとき、上記第3工程において、リードフレーム15a,15bと外装ケース30との隙間が塞がれているので、液状のモールド樹脂が端子引き出し部33a,33bから漏洩することが防止される。そして、注入された液状のモールド樹脂を熱硬化させることにより、外装ケース30内をモールド封止するモールド樹脂80が形成され、コンデンサ本体13は外装ケース30内でモールド封止される。このとき、表面張力によって湾曲した状態で硬化したモールド樹脂80の上面は、凹状に湾曲した注型面81をなす。
【0038】
(第5工程)
次に、図12に示すように、外装ケース30外側に引き出されたリードフレーム15a,15bの上面に金型A11を押し当てると共に、リードフレーム15a,15bの下面に金型A13を押し当てることで、リードフレーム15a,15bを折り曲げる。このとき、金型A11は、鍔部42a,42bには接触しないように配置され、鍔部42a,42bよりも先端側の位置でリードフレーム15a,15bに押し当てられる。従って、リードフレーム15a,15bの折り曲げ加工の際に、鍔部42a,42bに作用する応力が緩和され、鍔部42a,42bのひび及び割れや、金型A11,A13による鍔部42a,42bの潰壊を防止することができ、コンデンサユニット1の外観不良を防止することができる。また、このような鍔部42a,42bの破損防止の効果を効率よく奏するためには、鍔部42a,42bを短くすることが好ましく、または、鍔部42a,42bを無くしてもよい。その後、更にリードフレーム15a,15bを所定形状に折り曲げ、所定の長さに切り揃える等の加工を経て、コンデンサユニット1が完成する。
【0039】
続いて、上述のコンデンサユニット1による作用効果、及び上述の製造方法による作用効果について説明する。
【0040】
図3に示すように、コンデンサユニット1では、外装ケース30を外装カバー40及び外装カップ60といった2分割のパーツで構成している。そして、コンデンサ部10を外装ケース30内に格納した状態では、外装カバー40に設けられた突起47によって、リードフレーム15bを外装カップ60の内壁側面65に押し付け、突起47と内壁側面65とでリードフレーム15bを挟み込んで確実に固定することができる。そして、リードフレーム15bが固定されることで、コンデンサ部10全体が外装ケース30内で当該外装ケース30に対して固定される。
【0041】
従って、第1工程においてコンデンサ部10(特に、コンデンサ本体13)を外装ケース30内の所望の位置に確実に位置決め固定した上で、第2工程で液状のモールド樹脂を注入し硬化させることができる。従って、完成後のコンデンサユニット1においても、コンデンサ部10が所望の位置に確実に配置されることになり、外装ケース30内における部品の位置ずれを抑制することができる。
【0042】
また、この種のコンデンサユニットでは、各部間の絶縁破壊が問題となる場合がある。特に、このコンデンサユニット1の場合、コンデンサ本体13の下面から延びるリードフレーム15bは、コンデンサ本体13の下面から端子引き出し部33bまで長い経路で引き回す必要がある。従って、リードフレーム15bと異極の表面電極19aとの距離が近接してしまうことを完全に避けることはできない。また、モールド樹脂80は、硬化時に生じる欠陥部等に起因して絶縁信頼性が低下する場合もある。従って、リードフレーム15bと表面電極19aとの間の放電による絶縁破壊が発生する虞がある。
【0043】
これに対し、コンデンサユニット1では、前述のように、上記の突起47が、表面電極19aの位置よりも更に底面63に近い位置まで延びている(図3参照)。従って、表面電極19aから見てリードフレーム15bの最も近い位置16と当該表面電極19aとの間には、突起47が存在することになる。このように、モールド樹脂80よりも絶縁信頼性が高いと考えられる突起47が位置16と当該表面電極19aとの間に存在するので、突起47とリードフレーム15bとの間の絶縁信頼性が向上し、絶縁破壊の可能性を低減することができる。
【0044】
また、他の注型タイプの樹脂モールド中高圧コンデンサユニットとしては、図13のようにカップ状の外装ケース203の開口231からコンデンサ部210のリードフレーム215a,215bを引き出し、その開口231から液状のモールド樹脂を注入するタイプのコンデンサユニット201も考えられる。しかしこの場合、モールド樹脂の注型面281から引き出されるリードフレーム215a,215bの周囲には、表面張力によって、樹脂の盛り上がり部216a,216bが形成されてしまう。このように、注型面281に盛り上がり部216a,216bのような不規則形状が存在すると、例えば、コンデンサユニット201のヒートショック試験の際に、盛り上がり部216a,216bに熱応力が集中し、モールド樹脂280にクラックが発生する虞がある。
【0045】
これに対して、コンデンサユニット1(図3)によれば、カップ形状の外装ケース30を上下2分割することで、外装カップ60と外装カバー40との間を通して、リードフレーム15a,15bを外装ケース30の側壁から引き出すことができる。このように、リードフレーム15a,15bを注型面81から引き出す必要がなく、注型面81には不規則形状が発生しないので、モールド樹脂80にクラックが発生する可能性が低い。
【0046】
〔第2実施形態〕
図14に示すように、コンデンサユニット101の外装ケース103は、上下に分離される外装カップ(第1のパーツ)160と、外装カバー(第2のパーツ)140と、の2つのパーツから構成されている。外装カップ160は、上に開口する円形の有底のカップ形状をなし、外装カバー140は外装カップ160とほぼ同径の円筒形状をなしている。
【0047】
外装カップ160は、その底面163から上方に延び外装カバー140に挿入される突起167を備えている。この突起167によって、リードフレーム15aは、外装カバー140の内壁側面145に押し付けられており、内壁側面145と突起167の外側面との間に挟み込まれている。また、表面電極19bから見てリードフレーム15aの最も近い位置116と当該表面電極19bとの間には、突起167が存在している。すなわち、表面電極19bから見て、リードフレーム15aの最も近い位置116は、突起167によって隠され、見通せなくなっている。
【0048】
このように、外装カップ160に突起167を設けたコンデンサユニット101によっても、前述のコンデンサユニット1と同等の作用効果を得ることができる。なお、このコンデンサユニット101において、前述のコンデンサユニット1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0049】
本発明は、上述の第1,2実施形態に限定されるものではない。例えば、第1,2実施形態では、外装カバー40,140及び外装カップ60、160として平面視で円形をなす形状のものを採用しているが、外装カバー及び外装カップは、平面視で多角形(例えば四角形)の形状としてもよく、又は他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る電子部品ユニットの第1実施形態としてコンデンサユニットを示す斜視図である。
【図2】図1のコンデンサユニットの分解斜視図である。
【図3】図1のコンデンサユニットの断面図である。
【図4】図1のコンデンサユニットの外装カバーを下方から見た形状を示す斜視図である。
【図5】図1のコンデンサユニットの製造方法の一工程を示す正面図である。
【図6】(a)は、図5の後続の工程を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。
【図7】図6の後続の工程を示す断面図である。
【図8】(a)は、図7の後続の工程を示す正面図であり、(b)は、その平面図である。
【図9】図8の後続の工程を示す断面図である。
【図10】図9の後続の工程を示す断面図である。
【図11】図10の後続の工程を示す断面図である。
【図12】図11の後続の工程を示す断面図である。
【図13】図12のコンデンサユニットと比較される他のコンデンサユニットを示す断面図である。
【図14】本発明に係る電子部品ユニットの第2実施形態のコンデンサユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…コンデンサユニット、10…コンデンサ部(電子部品)、13…コンデンサ本体(部品本体)、15b…リードフレーム(金属端子)、19a…表面電極、30…外装ケース、33a,33b…端子引き出し部、40…外装カバー(第1のパーツ)、42a,42b…鍔部(端子接合部)、47…突起、60…外装カップ(第2のパーツ)、62a,62b…鍔部(端子接合部)、63…底面、65…内壁側面、80…モールド樹脂、81…注型面、101…コンデンサユニット、103…外装ケース、140…外装カバー(第2のパーツ)、160…外装カップ(第1のパーツ)、167…突起、A11…金型。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、前記電子部品を収納するケースと、を備え、前記金属端子の先端が前記ケースの外側に露出した状態で前記ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットであって、
前記ケースは、第1のパーツと第2のパーツとを有し、
前記第1のパーツは、前記ケース内で前記第2のパーツ側に延びる突起を有し、
前記金属端子の先端は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間から前記ケースの外側に引き出されており、
前記金属端子は、前記ケース内で前記第2のパーツの内壁面と前記第1のパーツの前記突起とで挟み込まれていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項2】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、
前記突起は、前記第2のパーツの開口面よりも底面側まで挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品ユニット。
【請求項3】
前記部品本体は、表面に設けられ前記金属端子とは異なる極の表面電極を有しており、
前記突起は、
前記表面電極と前記金属端子との間に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品ユニット。
【請求項4】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、
前記金属端子は、
前記第2のパーツの底面及び内壁側面に沿って形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項5】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、前記第1のパーツは筒状をなし、前記第1及び第2のパーツの開口同士が合わされることにより前記ケースが形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項6】
前記ケース内を樹脂モールドするモールド樹脂の注型面は、湾曲していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項7】
部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、前記電子部品を収納するケースと、を備え、前記金属端子の先端が前記ケースの外側に露出した状態で前記ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットを製造する電子部品ユニットの製造方法であって、
前記ケースは第1のパーツと第2のパーツとを有し、前記第1のパーツは前記ケース内で前記第2のパーツ側に延びる突起を有しており、
前記第2のパーツの内側に前記電子部品の前記部品本体を収納する第1工程と、
前記第2のパーツの内壁面と前記第1のパーツの前記突起とで前記電子部品の前記金属端子が挟み込まれ、当該金属端子の先端が前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間から前記ケースの外側に引き出されるように、前記第1のパーツを前記第2のパーツに組み合わせて前記ケースを形成させる第2工程と、
前記金属端子が前記ケースの外側に引き出された端子引き出し部分の隙間を塞ぐ第3工程と、
前記ケース内にモールド樹脂を注入し硬化させて前記ケース内を樹脂モールドする第4工程と、
前記ケースの外側に引き出された前記金属端子を所定の形状に折り曲げる第5工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記第3工程では、
前記端子引き出し部分において、前記金属端子と前記第1及び第2のパーツとが、熱圧着、超音波圧着、又は接着剤によって接合されることにより前記隙間が塞がれることを特徴とする請求項7に記載の電子部品ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記第1のパーツ及び前記第2のパーツには、それぞれ、前記端子引き出し部分において前記金属端子の引き出し方向に外壁面から突出して設けられ前記第3工程において前記金属端子に接合される端子接合部を有しており、
前記第5工程では、
前記金属端子の前記端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てて当該金属端子を折り曲げることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子部品ユニットの製造方法。
【請求項1】
部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、前記電子部品を収納するケースと、を備え、前記金属端子の先端が前記ケースの外側に露出した状態で前記ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットであって、
前記ケースは、第1のパーツと第2のパーツとを有し、
前記第1のパーツは、前記ケース内で前記第2のパーツ側に延びる突起を有し、
前記金属端子の先端は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間から前記ケースの外側に引き出されており、
前記金属端子は、前記ケース内で前記第2のパーツの内壁面と前記第1のパーツの前記突起とで挟み込まれていることを特徴とする電子部品ユニット。
【請求項2】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、
前記突起は、前記第2のパーツの開口面よりも底面側まで挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品ユニット。
【請求項3】
前記部品本体は、表面に設けられ前記金属端子とは異なる極の表面電極を有しており、
前記突起は、
前記表面電極と前記金属端子との間に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品ユニット。
【請求項4】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、
前記金属端子は、
前記第2のパーツの底面及び内壁側面に沿って形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項5】
前記第2のパーツは有底のカップ形状をなし、前記第1のパーツは筒状をなし、前記第1及び第2のパーツの開口同士が合わされることにより前記ケースが形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項6】
前記ケース内を樹脂モールドするモールド樹脂の注型面は、湾曲していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子部品ユニット。
【請求項7】
部品本体と当該部品本体に固定された金属端子とを有する電子部品と、前記電子部品を収納するケースと、を備え、前記金属端子の先端が前記ケースの外側に露出した状態で前記ケース内が樹脂モールドされてなる電子部品ユニットを製造する電子部品ユニットの製造方法であって、
前記ケースは第1のパーツと第2のパーツとを有し、前記第1のパーツは前記ケース内で前記第2のパーツ側に延びる突起を有しており、
前記第2のパーツの内側に前記電子部品の前記部品本体を収納する第1工程と、
前記第2のパーツの内壁面と前記第1のパーツの前記突起とで前記電子部品の前記金属端子が挟み込まれ、当該金属端子の先端が前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間から前記ケースの外側に引き出されるように、前記第1のパーツを前記第2のパーツに組み合わせて前記ケースを形成させる第2工程と、
前記金属端子が前記ケースの外側に引き出された端子引き出し部分の隙間を塞ぐ第3工程と、
前記ケース内にモールド樹脂を注入し硬化させて前記ケース内を樹脂モールドする第4工程と、
前記ケースの外側に引き出された前記金属端子を所定の形状に折り曲げる第5工程と、
を備えたことを特徴とする電子部品ユニットの製造方法。
【請求項8】
前記第3工程では、
前記端子引き出し部分において、前記金属端子と前記第1及び第2のパーツとが、熱圧着、超音波圧着、又は接着剤によって接合されることにより前記隙間が塞がれることを特徴とする請求項7に記載の電子部品ユニットの製造方法。
【請求項9】
前記第1のパーツ及び前記第2のパーツには、それぞれ、前記端子引き出し部分において前記金属端子の引き出し方向に外壁面から突出して設けられ前記第3工程において前記金属端子に接合される端子接合部を有しており、
前記第5工程では、
前記金属端子の前記端子接合部よりも先端側の位置に金型を押し当てて当該金属端子を折り曲げることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子部品ユニットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−80639(P2010−80639A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246535(P2008−246535)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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