説明

電子部品製造における銀めっき

変色抵抗性があり、半田性が良好な80原子%銀を超える銀メッキを調製する電子機器製造におけるPWBなどのような金属表面上に銀メッキするための組成物と方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
印刷配線基板(PWB)の生産においては、第1の(複数過程)段階で「裸基板(ベアボード)」が調製され、第2の(複数過程)段階で多種の部品が基板上に搭載される。本発明は裸基板の製造の最終過程に関するものであり、該過程において裸基板は、第2の生産段階に移行する前に保護層で被覆される。
【0002】
背景
現在、上記で言及した第2段階における裸基板への装着のため2種類の部品、すなわち、例えばレジスタ、トランジスタ等の脚のある部品、および、より最近では表面実装デバイスが存在する。脚のある部品は、脚のそれぞれを基板の孔に通し、次に脚の周囲の孔をはんだで確実に満たすことにより基板に装着される。表面実装デバイスは、平坦な接触領域にはんだ付けすることにより、または粘着剤を使用する接着により基板の表面に装着される。
【0003】
上記で言及した第1段階において、絶縁層、伝導回路パターンならびに伝導パッドおよび/または貫通孔からなる基板が生産される。基板は、絶縁層の間に位置する複数の伝導回路パターンを有する複数層の回路である場合があり、または1個の絶縁層および1個の伝導回路パターンからなる場合もある。
【0004】
貫通孔は、導電性を有するよう内部全体をめっきされる場合があり、次の部品装着段階で表面実装部品が装着される領域を構成するパッドも導電性を有する。
【0005】
回路パターンおよびパッドおよび貫通孔の伝導性領域は、伝導性材料または異なる伝導性材料の混合物から形成される場合がある。しかしながら一般的に、該領域は銅から形成される。時間の経過とともに銅は酸化し第2の部品装着段階に移行する前に劣悪なはんだ付け性の酸化銅層を形成する傾向があるため、保護層がパッドおよび/または貫通孔領域上に被覆され、そこでは、はんだ付け性を維持しはんだ付け性が劣悪な酸化銅の表面層が形成されるのを防止することが望ましい。裸基板を調製する複数の方法があるが、裸基板を作るのに最も広く利用されている方法の1つは、「裸銅上のはんだマスク」(SMOBC)技法として知られている。該基板は一般的に、一方または両方の側に伝導性材料を有するエポキシ樹脂で接着された繊維ガラス層の被覆金属を含む。一般的に基板は、回路パターンおよび絶縁層を含む代替的な伝導性の層を有する多重層の基板である。伝導性材料は一般的に金属箔であり、最も通常には銅箔である。SMOBC技法において、該基板が取得され、型板または自動穿孔機を使用して基板に孔が空けられる。次に、基板全体すなわち上側の箔表面および貫通孔表面の両方に銅層を析出する無電解銅めっき法を使用して、穴が「スルーメッキ」される。
【0006】
次に基板材料は、感光材(フォト・レジスト)で被覆され、事前選択された領域に光を当てられ化学的に現像されると、光を当てられていない領域が除去され、スルーめっき孔およびパッドである伝導性領域が現れる。一般的に次の過程において、光を当てられた領域の金属箔の厚さは、追加の銅電気めっきの過程により補強される。エッチ・レジストの保護層は、通常錫または錫鉛合金であり、光を当てられ厚くなった銅領域上に塗布される。
【0007】
次にフォトレジストが除去され、除去のため銅に光を当て、光を当てられた銅表面は、銅エッチング組成物を使用してエッチングにより除去され、最終的に要求される回路パターンに銅を残す。次の過程で、錫または錫鉛合金レジストは剥離される。
【0008】
部品は銅回路トレースに装着されないため、一般的に、トレースではなく貫通孔およびパッド領域上に部品を装着するためのはんだを被覆するだけで足りる。従って、例えばスクリーン印刷法または写真画像技法とそれに続く現像および選択的に硬化を使用して、ソルダー・マスクが基板に適用され、はんだ被覆が要求されない領域を保護する。次に孔およびパッドにおける光が当てられた銅が洗浄され、はんだ被覆のために調製され、次いで例えば、はんだ浴中への浸漬により保護用はんだ被覆が塗布され、続いてホットエア・水準化処理(HAL)が行われ、ソルダー・マスクで被覆されていない銅の領域上に保護用はんだ被覆を形成する。はんだはソルダー・マスクを濡らさず、その結果ソルダー・マスクで保護領域の上部に被覆は形成されない。この段階において、基板は、少なくとも1つの絶縁層および少なくとも1つの伝導性の層を含む。一または複数の伝導性の層が回路トレースを構成する。基板は、はんだ層により変色から保護される一または複数のパッドおよび/または貫通孔も含む。単一の伝導性の層が、回路トレースもしくはパッドの一方または両方を含む場合がある。パッドは、多重層基板の外層である伝導性の層の一部である。基板上の回路トレースは、ソルダー・マスクで覆われる。
【0009】
該基板は、部分の装着のための第2段階に移行する準備が整っている。この第2の段階において、一般的に部品の装着は、はんだを使用して達成される。すなわち、最初にはんだペースト(はんだおよび融剤からなる)の層が、一般的に印刷により基板上に塗布され、部品が印刷基板上に配置される。次に基板が炉で加熱されると、はんだペースト中にはんだの融解物を発生させ、これが部品と基板間の接点を形成する。この方法は、リフローはんだ付けとして知られる。代替的にウェーブはんだ付け法が使用され、該方法においては基板が融解はんだ浴を通過する。いずれの場合も、保護用はんだ被覆上に追加のはんだが使用される。
【0010】
脚のある部品および表面実装デバイスの両方の装着による一層の複雑さならびに多くの密集した部品を実装するための特別な要求の結果、部品がそれに対しPWB上で装着される伝導性金属のための表面保護被覆に対する要求が増大した。裸基板製造者が行う仕上げ処理は、パッドに平坦でない表面を残さないことが不可欠であり、それは、これが電気的不全のリスクを増大させるためである。保護用被覆が次のはんだ付け過程で干渉して裸基板と部品の間の良好な伝導性接合の形成を妨げることが無いこともまた不可欠である。保護用被覆を除去するのに特別の工程の付加は、望ましくないであろう。
【0011】
上記で説明したとおり、導電性の金属表面は一般的に銅から形成されており、部品装着の前に銅表面上にはんだ付け不可能な銅酸化物が形成されるのを防止するため、保護表面は、第1の段階の最後に施工しなければならない。一般的にいって第1段階および第2の部品装着段階は完全に別々の場所で行われるため、このことは特に重要である。この結果、伝導性パッドおよび/または貫通孔の形成と部品装着段階との間に相当の時間遅延が存在する可能性があり、この間に酸化が起こる可能性がある。従って、部品が裸基板に装着されるときに伝導性材料のはんだ付け性を維持し、はんだ付けされた接合の形成を可能とする保護被覆が要求される。
【0012】
現在使用されている最も一般的な保護被覆は、一般的に「HASL」(ホットエア・平準化処理)法を使用して塗工される錫/鉛はんだであり、その実施例は上記で詳細に説明した。はんだを均等に塗布することは困難であり、またHASL法の使用により発生する厚さ分布では現在使用されている非常に小型で密集した部品を高い信頼性でもって装着することは困難であるため、HASL法は限定的である。
【0013】
はんだ層のHASL被覆のためのいくつかの置換処理が現在導入されつつある。被覆は、部品との信頼性の高い電気接触の形成を可能にしなければならない。被覆は、複数のはんだ付け工程に耐え得ることも必要である。例えば上記で説明したとおり、現在、裸基板への装着のための脚があり表面実装でもある部品が存在し、これらは一般的に少なくとも2つのはんだ付け作業で装着される。従って保護被覆は、第2の作業ではんだ付けされる領域が第1の作業後も保護されるよう、少なくとも2つのはんだ付け作業に耐えることも可能でなくてはならない。
【0014】
提案されているHASL法で使用される錫/鉛合金の代替物は、有機保護、浸漬による錫または錫/鉛めっきおよびニッケル/金めっきを含む。ニッケル/金の方法においては銅表面の無電解めっきが行われ、そこではニッケルの下塗り層が銅に塗布され、その後に金の層が続く。この方法は、多くの処理過程が存在するうえ金の使用の結果費用のかかる方法になるため、不都合である。
【0015】
はんだ付け前の保管および組立て中の銅パッドの有機保護も、フラックス・ラッカーを使用して実行されてきた。その使用は一般的に、片面の基板(すなわち1つの面のみに伝導性パッドを有する基板)に限定される。被覆は一般的に、浸液、スプレーまたはローラー被覆により塗布される。残念ながら基板表面に安定した被覆を提供することは困難であり、この結果、被覆の多孔性およびその安定しない被覆の厚さにより、限定された推定寿命が生じる。フラックス・ラッカーが比較的短い保管寿命を有することも判明している。さらに問題は、部品装着段階において、部品を装着するためリフローはんだ付けを使用しなければならない場合、部品が粘着剤により基板の下側の定位置に取付けられることである。フラックス・ラッカーが厚い場合、粘着剤は、印刷基板に直接部品を接着しないが、代わりに粘着剤とラッカーの被覆の間に接合を形成する。この接合の強度は、フラックス処理およびはんだ付け過程において低下し、はんだ溶液との接触中に部品を失わせる可能性がある。現在使用されているもう1つの選択肢は、イミダゾールまたはトリアゾールの使用を基礎とする不動態化/保護処理であり、該処理においては、銅錯体化合物が銅表面に形成される。このようにしてこれらの被覆は、表面に化学的に結合して銅と酸素の間の反応を妨害する。しかしながら、この方法は次のはんだ付け過程に耐えるには不適切な傾向があり、その結果第1のはんだ付け過程で達する高温が層を破壊する傾向があり、この層は追加の部品を実装するのに必要な次のはんだ付け作業に耐えることができないため、この方法は不都合である。該方法の1つの実施例は、EP−A−0428383に示されており、そこでは、2の位置に少なくとも3個の炭素原子のアルキル基を有するベンゾイミダゾール化合物および有機酸を含む水溶液に銅または銅合金の表面を浸漬させることからなる、銅または銅合金の表面処理のための方法が説明されている。銀を含む組成物を用いて被覆を提供する方法も知られている。無電解銀めっき法のための錯体形成システムには、アンモニアを主材料とするもの、チオ硫酸塩を主材料とするもの、およびシアン化物を主材料とするものがある。銀溶液を含むアンモニアが不安定であり、爆発性のアジドが形成される傾向があるため、アンモニアのシステムは不都合である。チオ硫酸塩のシステムは電子部品産業での使用に不都合であり、それは、形成された銀被覆中の硫黄化合物により劣悪なはんだ付け性が生じ、その結果次の部品装着過程において裸基板と部品の間に劣悪な電気接触が形成される可能性があるためである。シアン化物を主材料とするシステムは、めっき溶液の毒性のため不都合である。
【0016】
米国特許第5,318,621号において、回路基板上の銅を覆うニッケル被覆上に銀または金を析出させるための速度促進剤としてアミノ酸を含む無電解めっき溶液が開示されている。銅が銀または金の被覆の形成を許容せずに急速に溶解するため、チオ硫酸塩/硫酸塩を主材料とする金または銀いずれの無電解めっき浴も直接銅の上にめっきを形成しないと記載されている。参考書「金属仕上げの手引および指導」(1993年版)の序文において、硝酸銀、アンモニアおよび、ホルムアルデヒドなどの還元剤からなる銀めっき溶液について言及されている。
【0017】
米国特許第4,863,766号も、シアン化物を主材料とするめっき溶液を用いる無電解銀めっきを開示している。金属仕上げ(1983年)の第81巻(i)の27〜30頁において、ラッセヴ(Russev)は、硝酸銀および窒素錯体形成剤を含むめっき溶液からの銅粉末の浸漬銀めっきについて説明した。「金属仕上げ」(1960年)の8月号、53頁において、ゲールド(Geld)は、真鍮または銅の基体の最初の光沢浸せきとそれに続く銀めっき過程について説明し、そこでは銀の厚い被覆が硝酸銀およびヨウ化カリウムの溶液からめっきされる。該方法は、伝導性を増加させるための電気接点のメッキである。
【0018】
JP−A−04−110474においては、基材は銀でめっきされ、乾燥され、次に変色を防ぐためメルカプタン化合物で処理される。
【0019】
DE−C−4316679においては、表面がパラジウム塩および酸化剤を含む浴に接触させる第1の段階、ならびにパラジウム塩、錯体形成剤およびギ酸またはギ酸誘導体を含む浴に接触させる第2の段階を含む2段階の方法により、銅などの基材がパラジウムで被覆される。後者の浴は、溶液自体のための安定剤も含み、該安定剤は、分解または「陰極沈澱」に対して溶液を安定させる。銅基板を過硫酸塩を含む非光沢エッチング浴を用いて事前にエッチングすることが提案されている。しかしながら、該前処理過程は、比較的多孔な被覆を生じる傾向がある。該発明者はそこで、その第1の段階で非常に薄い被覆が形成される2段階の方法を用いて、被覆の多孔性を最小化している。この参照例は、イオン移動のため腐食保護として銀を使用しないよう警告を与えている。
【0020】
例えばジェイ・ウィリー・アンド・サンズ(J.Wiley&Sons)が刊行したエフ・エー・レーベンハイム(F.A.Lowenheim)著の「現代電気めっき(Modern Electroplating)(1963年)において、銀がほとんどの基材上で置換によりめっきされるが、浸漬めっきされた銀の接着性が劣悪であることが報告されている。エフ・エー・レーベンハイム(F.A.Lowenheim)は、基材を銀で電気めっきする場合、次の電気めっきされた銀層の良好な付着を確実にするため、最初に高シアン化物のストライキ浴から処理品上に銀の薄いフィルムを析出させることが必要であると提案している。
【0021】
米国特許第6,395,329号は、4から7の好ましいpH範囲で機能する、銅に銀をめっきする浸漬めっき法を開示している。米国特許第6,200,451号も、浸漬銀めっき法を開示している。
【0022】
発明の要約
従って簡単には、本発明は、銀イオンの供給源および水を含む組成物に金属表面を接触させてそれにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物を指向するものであって、ここで前記組成物は約25mS/cm以下の室温伝導度を有するようなイオン含有量である。
【0023】
他の態様において、本発明は、銀イオンの供給源、アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物および水を含む組成物に金属表面を接触させ、該組成物は1と約3の間のpH(ペーハー)を有し、それにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物を指向する。
【0024】
本発明は、銀イオンの供給源、銀の析出速度を遅くする銀析出のアミノ酸阻害剤および水を含む組成物に金属表面を接触させて、それにより金属表面の金属が銀イオンの還元剤として機能するめっき条件下で、置換めっきにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物も含む。
【0025】
さらに別の態様において、本発明は、銀イオンの供給源、アラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択されるアミノ酸および水を含む組成物に金属表面を接触させ、それにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物を指向する。
【0026】
本発明は、銀イオンの供給源、ヒダントイン誘導体、水を含む組成物に金属表面を接触させ、それにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物も指向する。
【0027】
他の態様には、銀イオンの供給源、エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤および水を含む組成物に金属表面を接触させ、それにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物がある。
【0028】
本発明はさらに、銀イオンの供給源、アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源および水を含む組成物に金属表面を接触させ、それにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきする方法および組成物を指向する。
【0029】
他の態様において、本発明は、a)銀イオンの供給源を含む銀めっき組成物を銅表面に塗布し、次いでb)銀めっき組成物が電気相互接続の窪みへ浸入するのを機械的に助けることからなる、電気相互接続の窪みを有する印刷回路基板の銅表面を銀めっきする方法である。
【0030】
本発明は、少なくとも約80原子%の銀を含む銅相互接続上の表面被覆を有する、銅相互接続をその中に有する印刷配線板も指向する。
【0031】
本発明の他の対象および態様は、部分的に明らかであり、部分的に以下本書中で指摘する。
【0032】
図の簡単な説明
図1および2は、被覆時間に対する被覆厚さの図である。
図3および4は、銀被覆の2000倍の顕微鏡写真である。
図5〜8は、銀被覆の変色試験写真である。
図9および10は、オージェ光電子のプロフィールである。
図11は、はんだぬれ性データの図である。
図12および13は、表面絶縁抵抗およびエレクトロマイグレーション抵抗の箱ひげ図である。
【0033】
図14〜23は、銀被覆の写真である。
図24および25は、はんだぬれ性データの図である。
図26は、銀めっき溶液を描いており、図27は、経時的な該溶液の銀含有量の図である。
図28は、乾燥焼き試験後のPWBの写真である。
図29および30は、銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
図31は、オージェ・データのグラフである。
図32は、XPSデータのグラフである。
図33および34は、接触抵抗データの図である。
図35は、銀析出物の顕微鏡写真を示す。
【0034】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、より大きい電気陽性の金属の被覆を形成するよう、比較的小さい電気陽性の基材が、より大きい電気陽性の金属のイオンおよびここで説明するその他の添加剤を含む水性のめっき組成物との接触により、比較的大きい電気陽性の被覆金属でめっきされる置換金属めっきの方法を指向する。より大きい電気陽性の金属のイオンが、基板金属を酸化させる。置換めっきの方法は無電解の方法と異なるが、それは、それぞれ保護される表面の酸化金属および析出するイオンの相対的な電極電位のため単純な置換反応により被覆が金属の表面に生じるからである。
【0035】
本発明が適用されるPWB基板の絶縁層および伝導層は、上記で説明したとおりである。それらの層は、それぞれ従来のPWBの絶縁層および伝導回路パターンを含む場合がある。めっきのためのパッドおよび/または貫通孔は、部品装着のための次のはんだ付け過程における部品の装着のためはんだ付け性を維持しなくてはならないPWBの領域である。
【0036】
光沢エッチ過程は選択的に行われ、該過程は、パッドおよび/または貫通孔を光沢エッチ組成物に接触させることを含む。該組成物は業界において既に知られており、該組成物は、パッドおよび/または貫通孔がそこから形成される伝導金属上に光沢があり滑らかな洗浄された表面を生じる。対照的に、過硫酸塩を主材料とする組成物など非光沢エッチ組成物は、微少な粗面化の清浄化表面を提供する。光沢エッチ過程の使用は、高密度で無孔性の金属被覆の形成を可能にし、該被覆は特に、次のはんだ付け過程に適している。
【0037】
適切な光沢エッチ組成物は一般的に水性であり、例えば過酸化水素、硫酸、硝酸、燐酸または塩酸の中の1つまたはそれらの中の複数の混合物を主材料とする場合がある。光沢エッチ組成物は一般的に、光沢エッチ組成物中の銅の溶解を修正する傾向を有する少なくとも1つの成分を含む。特に好ましい光沢エッチ組成物は、1つを使用することを選択する場合でパッドおよび/または貫通孔の金属表面が銅または銅合金を含むとき、例えば過酸化水素の分解を遅くする安定剤を伴う過酸化水素/硫酸である。従って、光沢のある洗浄された表面を提供するエッチ組成物を使用することができる。光沢エッチ過程において、光沢エッチ組成物との接触は、パッドおよび/または貫通孔の伝導材料上に光沢のある表面が生じるのを可能とする十分な時間および適切な温度での浸漬、噴霧またはその他の被覆技法によることができる。一般的に、光沢エッチ組成物との接触の温度は環境温度であり、接触時間は5秒から10分、好ましくは少なくとも30秒、またはさらに少なくとも2分であり、かつ好ましくは5分以内である。一般的にエッチング過程の後、脱イオン水による一般的に乾燥のないすすぎからなる後すすぎ過程が存在し、その後裸基板は直接めっき過程に進む。代替的に、酸のすすぎ過程を水のすすぎの前に含めることができる。
【0038】
本発明のめっき方法は、本来の無電解めっきの方法とは対照的に、浸漬置換の方法である。置換めっきとしても知られる浸漬めっきにおいて、表面上の金属は、浸漬溶液中で金属イオンにより置換される。推進力は、溶液中の金属イオンの低位の酸化電位である。浸漬めっきにおいて、表面上の母材は還元剤として機能する。銅に対する銀浸漬めっきの反応は、以下のとおりである。

【0039】
従って浸漬めっきは、追加の還元剤が要求されないという点で無電解めっきと異なる。別の相違点は、浸漬めっきにおいては、一旦表面が析出される金属に覆われるとめっきが中止することである。この点で浸漬めっきは自己限定的であり、それは、めっきする金属がめっきされる金属により酸化可能な金属表面部分の全部を占めるならば、それ以上の反応、従ってそれ以上の析出は行われないためである。対照的に無電解めっきは自働触媒的であり、溶液中に十分な還元剤がある限り継続する。
【0040】
本発明の好ましいめっき組成物において、金属の表面上の金属原子は、溶液中の金属めっきイオンにより酸化され、その結果めっきされる金属の層は、パッドおよび/または貫通孔上に析出する。めっき組成物は、伝導材料よりも大きい電気陽性の金属の金属イオンを含む。本発明のこの実施形態において、析出される金属は銀である。
【0041】
本発明のめっき組成物は、銀イオンの供給源、変色抑制剤および析出調節剤である。追加の選択的な成分は、結晶成長抑制剤、表面活性剤および酸を含む。
【0042】
銀イオンの供給源として水溶性銀塩を使用することができる。好ましくは、硝酸銀が使用される。イオンは、約0.01から約2g/l(金属イオンに基づく)、好ましくは約0.1から約1.5g/l、最も好ましくは約0.3から約0.8g/lの濃度でめっき組成物中に存在する。
【0043】
現在好ましい変色抑制剤はベンズイミダゾール、特に、アルキル基が22個までの炭素原子、好ましくは10個以内の炭素原子を有し、かつアルキルまたはベンジル基が選択的に置換されたアルキルアリール・ベンゾイミダゾール、例えば2−(p−クロロベンジル)ベンゾイミダゾールである。その他の変色抑制剤は、米国特許第6,395,329号に以下のとおり列挙されている:
(a)好ましくは少なくとも6個の炭素原子、最も好ましくは少なくとも10個の炭素原子、一般的には30個以内の炭素原子を有する脂肪酸アミンであり、それらは、第1、第2、第3、ジアミン、アミン塩、アミド、エトキシ化アミン、エトキシ化ジアミン、第四級アンモニウム塩、第四級二アンモニウム塩、エトキシ化第四級アンモニウム塩、エトキシ化アミドおよびアミン・オキシドである場合がある。第1、第2および第3のアミン型腐食抑制剤の例は、商標 アーミン(ARMEEN)(商標)である。次のアミン型腐食抑制剤の例は、それぞれDUOMEENJ、ARMACJ/DUOMAC、ARMIDJ、ETHOMEENJ、ETHODUONEENJ、ARQUADJ、DUOQUADJ、ETHOQUADJ、ETHOMIDJ、AROMOXJであり、全てアクゾ・ケミー(Akzo Chemie)が供給している。
【0044】
(b)プリンおよび置換プリン。
(c)チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)が供給するサルコジ(SARKOSY)の範囲の製品などのサルコシンのN−アシル誘導体。
(d)チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)が供給するReocor 190などの有機ポリカルボン酸。
(e)置換基が例えばヒドロキシC1−4のアルキル・アミノまたはカルボニルを含む基である置換されたイミダゾリン。例は、特に分類(c)のN−アシル化サルコシンと組み合わせた、チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)が生産するアミン0を含む。
【0045】
(f)アルキル基が22個までの炭素原子、好ましくは11個以内の炭素原子を有し、かつアルキルまたはベンジル基が選択的に置換される、例えばウンデシル・イミダゾールのようなアルキルまたはアルキル・ベンジル・イミダゾール。
(g)ウイトコ(Witco)が供給するEKCOL PS−413などのリン酸エステル。
(h)チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)が供給するレオメット(REOMET)42などの選択的に置換されたトリアゾール誘導体。例は、1から22、好ましくは1から10のアルキル基上の炭素番号を有するベンゾ・トリアゾール、トリル・トリアゾールおよびアルキル置換トリアゾール誘導体である。
(i)5(3(トリフルオロメチル・フェニル))テトラゾールなどの置換テトラゾールも、好ましい例示である。
【0046】
変色抑制剤は、好ましくは水溶性であり、それで溶液は水性となる。しかしながら、水と混合できない変色抑制剤は、溶液中に表面活性剤/共溶媒を含めることが必要となる場合があるが、使用することができる。
【0047】
本発明は、銀の析出を調整するため組成物に析出調節剤を組み込む。本発明に従って析出を調製することにより、およそ約80原子%超の銀、さらに約90原子%超の銀、そしてさらに約95原子%超の銀である被覆を得られることが判明している。これは、およそ70原子%の銀および30原子%の有機添加剤であったこれまでの被覆と比較される。特定の理論に束縛されることなく、被覆はより多孔性が小さく、かつ溶液から被覆への有機化合物の飛沫同伴は、析出過程がより激しくないため最小化されると考えられる。析出の調節された性質は、より規則的な方法で析出が進行することを可能にし、理論上、それぞれの析出された銀原子は、その最大平衡の析出位置を合理的に得る機会を有する。調節成分は、(イオンまたはファンデルワールスの)弱い力により周期的に銅に対し脱着および吸着を行うと推測される。これは銀析出に干渉し、それにより銀析出を調節する。
【0048】
成分HEDTA(N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸)は、本発明の濃度および操作可能なpHで調節剤として機能することが判明している。本発明のパラメータの下でHEDTAは、銀イオンのキレート化剤として機能せず、また単に溶液中で銀を維持するのを助ける酸としても機能しないことが判明している。本発明は、浸漬組成物を約3以下のpH(ペーハー)に維持することを必要とする。当初のpH(ペーハー)は約2であり、これは被覆の間中に1と2の間のpH(ペーハー)に低下するが、それは、HEDTAが、銀による置換と同時に基板から溶液中に入る大量の銅イオンをキレート化するにつれ、水素イオンが放出されるためである。このpH(ペーハー)において、HEDTAが出現し弱い力により周期的に銅基板に対し脱着および吸着を行い、これが銀析出に干渉しそれにより銀析出を調節する。HEDTAは、約1から約35g/l、好ましくは約5から約25g/l、最も好ましくは約8から約15g/lの濃度でめっき組成物中に存在する。EDTAおよびDTPAなど他のアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物は、銀のキレート化剤としてそれらの伝統的な意味では機能しないが銅をキレート化し銀析出を調節するため機能するという点で、異なるpH(ペーハー)において同様の機能を有すると期待される。HEDTAの供給源またはその他の調節剤として、組成物のイオン含有量のそれ以上の増加を防ぐため、HEDTAのナトリウム塩でなく例えば純粋なHEDTA、または調節剤のアルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。
【0049】
本発明の代替的な方法は、調節剤として、銀析出の抑制剤および阻害剤として機能することが認められる一定のアミノ酸を用いる。1つの実施形態において、これらは、アラニンのキラル異性体およびラセミ混合物から選択される化合物である。1つの好ましい実施例はDL−アラニンであり、これは、約4と約5の間のより高いpHで望ましい抑制および阻害により機能することが認められる。DL−アラニンは、抑制剤/阻害剤として銀析出を調節する。これは、より高い銀含有量で改善された析出をもたらす。1つの好ましい方法は、約0.5と約1の間のg/Lの濃度で硝酸銀、約20と約40の間のg/Lの濃度でDL−アラニン、銅のキレート化剤としてかつ結晶成長抑制のため約5と約10の間のg/Lの濃度で5,5−ジメチルヒダントインなどのヒダントイン誘導体、ならびに表面活性剤および安定剤として約0.1と約3の間のg/Lの濃度でプルロニックP103を用いる。1つの好ましい実施形態において、プルロニックP103は、0.5g/Lの濃度で用いられる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、めっき組成物は、結晶成長抑制剤(または光沢剤)も含む。結晶成長抑制剤の適切な実施例は、例えばイソプロパノールおよびポリエチレン・グリコール、例えばPEG 1450(ユニオン・カーバイドからのカーボワックス(Carbowax))など、1個から6個の炭素原子を有するような低級アルコールを含む。結晶成長抑制剤は、0.02から200g/lの量で組成物に組み込むことができる。より好ましくは、結晶成長抑制剤が含まれる場合、結晶成長抑制剤は、0.05から100g/l、最も好ましくは0.1から10g/lの濃度で含まれる。非水性の溶媒は、組成物の重量により50%以下、好ましくは重量により30%以下、またはさらにめっき組成物の重量により10%もしくは5%以下の量で存在する必要がある。1つの現在好ましい結晶成長抑制剤は、3,5ジニトロヒドロキシ安息香酸(3.5ジニトロ・サリチル酸)である。この結晶成長抑制剤は、少なくとも約80ppm(ピーピーエム)の濃度でめっき組成物中に存在する。1つの好ましい実施形態において、該結晶成長抑制剤は、約100と約200の間のppm(ピーピーエム)の濃度で存在する。この結晶成長抑制剤が銀析出の抑制剤および阻害剤としてさらに重要な機能を果たすことが判明している。特に、本発明が典型的に機能するpH(ペーハー)は、非常に急速な銀析出に相当し、これはある状況下では、望ましくない黒く多孔質の銀析出をもたらし得る。このジニトロ化合物は、この析出を抑制および阻害し、その結果析出がより規則的に進行し均一で光沢のある銀析出をもたらすことが判明している。以下の実施例8〜15は、約150ppm(ピーピーエム)のこの結晶成長抑制剤を用いた。システムにおける過度に多量の結晶成長抑制剤は、該結晶成長抑制剤がベンゾイミダゾールとの反応において沈澱するリスクをもたらし得る。別の適切な結晶成長抑制剤は、ポリエチレングリコールである。
【0051】
組成物は、表面張力を減少させるため、表面活性剤、好ましくは非イオン性表面活性剤を選択的に含む。1つの現在好ましい非イオン性界面活性剤は、エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体である。1つの該化合物は、約30のPO単位および約40のEO単位を有し、その結果、PO:EO(ポリオキシプロピレン対ポリオキシエチレン)の単位比は約3:4+/−10%である。PO:EOの重量比は、約1:1である。この化合物は、プルロニックP65という商業上の呼称の下でBASFコーポレーションから供給されている。別の該化合物は、約50のPO単位および約30のEO単位を有し、その結果、PO:EOの単位比は約5:3+/−10%である。PO:EOの重量比は、約7:3である。この化合物は、プルロニックP103という商業上の呼称の下でBASFコーポレーションから供給されている。表面活性剤は、約0.1から約5g/l、好ましくは約0.2から約2g/l、最も好ましくは約0.5から約1.5g/lの濃度でめっき組成物中に存在する。表面活性剤が含まれる場合、好ましくは、めっき溶液中に約0.02から約100g/lの濃度で存在するような量で、表面活性剤は組成物中に注入される。好ましくは、表面活性剤は、0.1から25g/lの濃度で、最も好ましくは1から15g/lの濃度で組み込まれる。他の好ましい表面活性剤は、シンペロニック(Synperonic)NP9、シンペロニック(Synperonic)A14およびエチラン(Ethylan)HB4(商標)などのアルキル・フェノール・エトキシレート、アルコール・エトキシレートおよびフェノール・エトキシレートである。
【0052】
組成物の別の選択的な成分は、組成物の使用中の順応性を向上させるため、酸、好ましくは硝酸HNOである。酸は、例えば約0.5から約1g/lの濃度でめっき組成物中に存在する場合がある。酸の目的は、方法の開始時に約2のpH(ペーハー)を与え、方法の開始を補助することである。代替的な実施形態は、方法の開始を補助するため少量(約0.2または0.3g/Lまで)の硝酸銅Cu(NO)2−2.5HOを用いる。さらに別の代替物は、硝酸および硝酸銅の混合物を用いる。一旦方法が開始すると、銀による置換と同時に基板からシステムに入る銅イオンは、HEDTAによりキレート化される。HEDTAは、H+を放出し、このことは、2以下から2と1の間へpH(ペーハー)を一層低下させる。例えば、10g/LのHEDTAの容量である2.47g/lの銅において、pH(ペーハー)は1.1に低下する。硝酸は現在好ましいが、混和性の酸を含めることができる。混和性の酸は、組成物に要求される量において銀イオンおよび/または錯化剤の溶液からの沈殿をもたらさないものである。例えば塩化水素は、不溶性の銀塩化物の沈殿を形成するため、銀めっき組成物に適していない。適切な実施例は、クエン酸、硝酸または酢酸を含む。
【0053】
特に噴霧塗布(例えばダウが供給するA100)のための消泡剤、染料など、他の非活性、非干渉の成分を含めることができる。
【0054】
組成物中の残部は、水である。干渉するイオンが除去された脱イオン水またはその他の純水が、本発明の方法で使用されるめっき組成物に使用される。
【0055】
実用的な実施例12および16で示すとおり、本発明は、先行技術の方法が達成した約70から75原子%を超える‐‐80原子%超、さらに90原子%超、またさらに95原子%超‐‐析出物中の銀含有量を実質的に達成する。表面および銅‐銀界面からの干渉を防ぐため、組成上の銀含有量は、好ましくは、表面と銅‐銀界面の開始部分との間の容量平均としてXPSにより評価される。従って本発明の析出は、有機成分含有量がかなり低くなる。過去において、銀析出物のはんだ付け性を維持するため比較的高い有機成分含有量が要求されると考えられてきたが、高い銀含有量(90原子%超、および約95原子%超)ならびに本発明の析出の低い有機成分含有量(10原子%未満、および約5原子%未満)であっても、はんだ付け性は維持されることが現在判明している。従って本発明は、90原子%超の銀、およびさらに約95原子%超の銀である析出を確実に作る。
【0056】
1つの態様において、本発明の高純度の銀析出は、析出溶液中に低イオン含有量(伝導度により測定される)を確実に維持することにより達成される。1つの実施形態において基板をめっきするためにまだ使用されていない概ね室温の新鮮な組成物の伝導度の測定として決定されるイオン含有量は、例えば、YSI3200伝導度測定器およびK=1.0/cmのセル定数を有するYSI3253プローブで測定された場合、好ましくは約25mS/cm以下である。1つの好ましい実施形態において、該イオン含有量は約10mS/cm以下である。別の実施形態は、約5mS/cm以下の伝導度を有する。これを達成するための1つの要素は、添加剤の供給源としてナトリウムまたはその他のアルカリ土類金属塩の使用を避けるか、少なくとも最小限にすることである。別の要素は、全体的な有機添加剤含有量(蓄積調節剤、抑制剤/阻害剤、表面活性剤および変色阻害剤)を中から低の水準に維持することである。
【0057】
本発明の方法で使用するためのめっき組成物を形成するため、好ましくは、溶液は、選択的にその他の選択的な成分とともに脱イオン水、上記で定める錯体形成剤および緩衝剤を含めて最初に調合され、より大きい電気陽性の金属の塩がプレミックスとして形成されているその他の成分に水溶液として加えられる。これは溶液を調合する最も好都合な方法であると認められ、それは、めっき組成物中に直接金属塩を溶解させる試みは比較的時間のかかることであり、かつ金属が銀である場合、写真反応に対しより脆弱である傾向があり、この結果黒ずんだ沈殿物として溶液からの銀イオンの沈殿をもたらすためである。
【0058】
金属表面のめっき溶液との接触は一般的に、10から90℃、好ましくは15から75℃、より好ましくは30から60℃の温度で行われる。例えば、めっき溶液との接触の温度は、15から75℃、最も通常には40から60℃である。
【0059】
接触はいかなる方法でも行い得るが、通常は浸液または水平浸漬被覆である。該接触は、実質的に継続的な被覆方法の一部である場合がある。めっき溶液の金属表面との接触時間は、金属上にめっきされた金属表面を形成するのに十分である。一般的に接触時間は、10秒から10分である。10秒未満の接触時間は、銀被覆に不十分な被覆率をもたらすことが一般的に認められ、また接触時間は10分超とし得るが、10分超の接触時間から追加の利益は認められなかった。
【0060】
本発明の範囲内の1つの代替的被覆方法において、PWB基板は、ローラーまたはその他の輸送メカニズムにより水平に移動し、被覆溶液は、基板の両面に噴霧される。基板上への溶液の噴霧後基板に接触する一または複数のはけも存在する。はけは、マイクロビアおよびその他の電気相互接続の窪みなど小さい造作の完全な湿潤を補助する。十分な湿潤は、はけの機械的動作によって達成されるため、表面活性剤は、選択的に除去または減らすことができ、表面活性剤が原因の発泡は除去または減らすことができる。湿潤を機械的に補助するスポンジまたはワイパーなどの代替的装置を使用することができる。従ってこの実施形態は、銀イオンの供給源を含む銀めっき溶液を塗布し、次いで例えば銀めっきを電気相互接続の窪みへはけ塗りするため表面をはけに接触させることにより、電気相互接続の窪みへ銀めっき組成物を侵入させるのを機械的に補助する。
【0061】
裸基板の溶液との接触後、基板は、脱イオン水ですすぎ、乾かす。乾燥はいかなる方法によっても行うことができるが、通常温風を使用し、例えば処理された金属を乾燥炉内で通過させることもできる。
【0062】
本発明の方法を使用して得られた被覆は、従来のHASL法で得られるよりも相当程度均一かつ平坦な表面をもたらす。さらに、本発明の方法は、ニッケル/金の方法の使用よりも安価かつ簡単である。
【0063】
次の部品装着段階において、部品は、裸基板のめっきされたパッドおよび/または貫通孔上にはんだ付けされる。パッドおよび/または貫通孔の金属(一般的に銅)と通常銀であるめっきする金属ならびにはんだは、混じり合う傾向を有する場合がある。部品に形成された接合は、良好な導電性および良好な接着強度を有する。
【0064】
部品装着後、本発明のめっきされた層上に部品が装着された完成基板は、ニッケル/金過程を使用して形成された基板にあるような接合安定性の問題がない。本発明は、生産された裸基板の変色防止および防湿性の付与において相当の利点を提供すると認められており、その結果、追加の保護が裸基板製造段階と部品装着段階との間に提供される。はんだ付け性は、向上すると認められる。
本発明は、以下の実施例でさらに説明される。
【実施例1】
【0065】
積層された銅パネル(3cm×5cm)は、製造者の推奨する手順に従い、洗浄、エッチングおよび事前浸液により調製された。パネルは、以下の成分を有するめっき組成物を用いて、本発明の方法に従いめっきされた:
【0066】

操作pH(ペーハー)は、約2で開始した。
【0067】
追加のパネルは、商業的に入手可能なめっき組成物を用いて、本発明でない方法により銀でめっきされた。操作pH(ペーハー)は、1未満で開始した。
【0068】
生産ラインからの多様な流体力学の条件を達成するため、めっきは、以下の3つの撹拌条件で行われた:停滞、緩やかな撹拌および通常の撹拌(それぞれ0、1.6および3.2cm/sの推定線速度)。サンプルは、広範囲の銀厚さを生じるよう、異なる時間の長さでめっきされた。積層された銅のパネル(3cm×5cm)は、決定された銀厚さ、被覆の均等性および耐変色性にめっきされた。銀被覆の厚さは、オックスフォード・インスツルメンツのCMI900X線蛍光システムを使用することにより測定され、図1(本発明の方法)および図2(本発明でない方法)にその結果を示す。図1および図2は、めっき時間および撹拌条件の関数として銀被覆の厚さを示している。用いられためっき条件の下で、本発明でない方法(図2)は、本発明の方法(図1)の方法より約50%早い。両方の方法について、厚さは、めっき継続時間内で所定の撹拌条件の下で時間とともに直線的に増加する。これらのデータは、銀の厚さおよび析出率は、撹拌とともに増加することも示している。
【0069】
撹拌依存性は、反応が陰極反応、例えば銀イオンの減少により制御されているという結論と一致する。
【実施例2】
【0070】
実施例1のパネルは、走査型電子顕微鏡(SEM)に基づき検査され、顕微鏡写真が撮影された。図3(3A、3B、3C)は、図1の以下の3つのデータ点を表すパネルの2000倍の倍率で撮影された本発明でない銀被覆を示している。
図3A:3 μinの厚さ;3分;停滞
図3B:13 μinの厚さ;1.5分;撹拌
図3C:21 μinの厚さ;2分;撹拌
【0071】
図4(4A、4B、4C)は、図2の以下の3つのデータ点を表すパネルの2000倍の倍率で撮影された本発明の銀被覆を示している。
【0072】
図4A:4 μinの厚さ;6分;停滞
図4B:6 μinの厚さ;2分;緩やかな撹拌
図4C:8 μinの厚さ;2分;撹拌
これらの図は、厚さが増大し条件が両方の方法について他の点で変化しても、被覆構造が変化しないことを示している。本発明の方法(図4)からの銀は、より細かい粒状組織を有していると思われ、このことは、X線回析により確認された。
【実施例3】
【0073】
耐変色性は、24時間の85℃および85%のRH(相対湿度)の条件への曝露後、視認により評価された。図5は、以下の方法条件を表す試験パネル上の本発明の銀被覆を示している:
【0074】
図5A:4 μinの厚さ;6分;停滞
図5B:5 μinの厚さ;2分;緩やかな撹拌
図5C:12 μinの厚さ;3分;撹拌
【0075】
図6は、以下の条件を表す本発明でない銀被覆を示している:
【0076】
図6A:3 μinの厚さ;3分;停滞
図6B:6 μinの厚さ;3分;緩やかな撹拌
図6C:21 μinの厚さ;3分;撹拌
【0077】
これらの写真は、比較上の方法により塗布された3および6[mu]inの厚さで銀被覆が激しく変色している一方、本発明の方法で塗布された4、5および12[mu]inの全ての厚さについて銀被覆がわずかに変色しているに過ぎないことを示している。
【実施例4】
【0078】
耐変色性は、ウエスタン・エレクトリック腐食試験(1982年6月第1刷、第1310節、製造標準第17000)を変更することにより、多孔性を示すことを特に意図した硫化水素試験により評価された。この作業において、1mlの硫化アンモニウム(試薬品質の20重量%の硫化アンモニウム)が、2リットルの清潔な乾燥器中の100mlの脱イオン水に加えられ、溶液は、均一な混合物を得るよう穏やかに撹拌された。サンプルは、ホルダー上に配置され、次に乾燥器内で24℃(+/−4℃)で硫化アンモニウム溶液の上の清潔かつ乾燥した磁器の支持器上に置かれた。乾燥器は2分間蓋をされた。試験後、サンプルは、視認および顕微鏡による検査のため乾燥器から取り出された。
【0079】
図7は、以下の方法条件に基づき析出された本発明の銀被覆を表す硫化水素試験後の試験パネルを示している:
図7A:4 μinの厚さ;6分;停滞
図7B:5 μinの厚さ;3分;緩やかな撹拌
図7C:12 μinの厚さ;3分;撹拌
【0080】
図8は、以下の条件を表す本発明でない比較上の銀被覆を示している:
図8A:3 μinの厚さ;3分;停滞
図8B:6 μinの厚さ;1.5分;撹拌
図8C:21 μinの厚さ;3分;撹拌
【0081】
これらは、銀の厚さが増大するにつれて変色の程度が減少し、本発明の銀被覆が、同程度の厚さの比較上の方法からの銀被覆より優れていることを示している。引っかき傷のある領域は、両方の方法について変色をより被りやすい。
【実施例5】
【0082】
表面分析について、オージェ電子測定がフィジカル・エレクトロニクス・モデル600走査型オージェ顕微鏡により行われ、該顕微鏡は、LaB6フィラメントおよび単一パスの円筒鏡面型分析器(CMA)を備えていた。使用されたビーム・エネルギーは3KeVであり、ビーム・サイズは、実験に使用された最大の対物口径で約5μmであった。サンプリングの深さは、400eVの電子エネルギーで金属の基板について約40Aであった。システムは、サンプル洗浄および深さプロファイル分析のための差動的にポンピングされたイオン銃も備えていた。スパッタリング率は、約5.4nm/分であり、シリコン上のSiO膜を使用して検量された。
【0083】
図9は、比較上の方法により析出された銀についてのオージェ電子表面分析を示している。上の図は、湿度試験後に撮影され、3.4μinに析出された銀のものである。2つ目の図は、硫化水素試験後に撮影され、13μinに析出された銀のものである。両方の場合において、表面は、炭素、酸素および銅ならびに非常に少量の銀に覆われている。図10は、湿度試験後の3.4μinサンプルのオージェ深さプロファイルを示している。表面上に、63原子%の銅、34%の酸素および2〜3%の銀が存在する。銅および酸素の相対量は、銅が表面上にCuOとして存在することを示唆している。プロファイルは、銅と銀の間の相互拡散も示している。銀中の銅の低い溶解性により、銅の拡散は、銀粒子の塊を通じてではなく、銀中の粒子境界および/または孔を通じて起こると考えられる。PWBが銅基板および/または銀析出物の両方に対し腐食性である雰囲気に暴露されると、雰囲気は、銀被覆中の孔および粒子境界などの欠陥を通じて侵入し内側の銅を侵す。従って耐変色性は、銀の厚さだけでなく、銀析出物の孔隙率および構造にも依存する。
【実施例6】
【0084】
はんだ付け性は、はんだぬれ性試験により評価された。実施例1におけるような銀でめっきされた切取り試片は、はんだぬれ性試験の前に24時間の85℃/85%のRHで環境的に老化された。いくつかの切取り試片は、試験前に5つまでのリフロー・サイクルで処理された。リフローは、鉛フリー温度プロファイルすなわちTpeak=262℃によるBTU・TRS結合IR/強制対流リフローを使用して空気中で行われた。はんだぬれ性試験は、SLS65C(主材料アルコール、2.2%固体、無洗浄)フラックスおよび錫鉛(63%錫)はんだにより、ロボティック(Robotic)・プロセス・システム自動はんだぬれ性試験器を使用して、IPC/EIA・J−STD−003A、第4.3.1号[共同工業規格:2003年2月、IPC/EIA・J−STD−003A、印刷基板のはんだ付け性試験]に従い行われた。
【0085】
様々の運転条件から生産された2.8から12.3 μinの厚さの範囲内の本発明に従って析出された9個の銀被覆のはんだぬれ性試験の結果は、表1に要約されている。結果は、「ゼロ浮力までの時間」(T)、「試験の開始から2秒後の湿潤力」(F)、「試験の開始から5秒後の湿潤力」(F)、「最大湿潤力」(Fmax)および「最大湿潤力の3分の2までの時間」(T2/3max)のパラメータを含む。
【0086】
【表1】

【0087】
24時間85℃/85%のRHで調節された後、9個全ての被覆は、厚さおよびめっき条件とは無関係に、変色のないままであり、非常に良好なはんだ付け性、すなわちT<1秒、およびF>200 μN/mmを示している。はんだ付け性は、調査された範囲を通じて、厚さおよびめっき状態とは比較的無関係である。湿潤は、薄い被覆については瞬時(T=0)に発生し、厚い被覆については約0.5秒かかった。
【0088】
表1の「5X」の結果は、5回のリフロー処理の後、通常の撹拌で1分間めっきされた1個のサンプルを除き、他の8個のサンプルは、なおT<1の良好なはんだ付け性を示すことを示している。複数の鉛フリー・リフロー熱変位の効果を、図11に例示する。一般的に、リフローの数が増加すると、Tは徐々に増加し、湿潤力(F、FおよびFmax)はわずかに低下する。2.8および3.8 μinの銀のサンプルが示す良好なはんだ付け性は、低い厚さでもはんだ付け性が維持されることを示している。
【実施例7】
【0089】
表面絶縁抵抗(SIR)およびエレクトロマイグレーション試験は、IPC−25−B櫛パターン(0.0125インチ間隔)を使用して、実施例1におけるような本発明に従って銀でめっきされた切取り試片に対して行われた。厚い銀仕上げのエレクトロマイグレーションの可能性を強調するため、6、12および20 μinの3つの厚さ(櫛の大きな山部分上で測定された)が試験された。12回の測定(3個の櫛のそれぞれについて4回)が、試験されたそれぞれの材料について行われた。切取り試片は、SIR試験のため96時間バイアスなしに85℃/85%のRHに曝露された。SIR試験の終了時、10ボルトのバイアスがエレクトロマイグレーション試験のため500時間加えられた。抵抗は、100ボルトのバイアス下で測定された。
【0090】
図12は、85_℃/85%のRHへの96時間の曝露後測定された表面絶縁抵抗の箱ひげ図を示している。試験された3つの銀の厚さ(6、12および20 μin)について、個々の抵抗は、銀の厚さとは無関係に4×10から2×1010オーム(4〜20Gオーム)の範囲にあり、被覆のない銅の抵抗と同等である。これらの結果は、本発明に従った被覆は、イオン的に清浄であることを示している。
【0091】
図13は、10ボルトのバイアス下で85℃/85%のRHへの500時間の曝露後のエレクトロマイグレーション抵抗の箱ひげ図を示している。3つの銀の厚さについて測定された抵抗は、約10Gオーム(1010オーム)であり、図12で示す試験の最初に測定された値より大きい。図14(14A、14B、14C)で示すとおり、エレクトロマイグレーション(またはひげ)の証拠は、サンプルの検査では見い出されなかった。
【実施例8】
【0092】
配置銅パッドおよび管(<4ミル(0.1mm))を有する様々な基板が、撹拌を伴う本発明の銀浸漬方法、および150ppmの3,5ジニトロヒドロキシ安息香酸を加えた実施例1におけるのと同一の組成物のめっき溶液における3分間の浸漬によりめっきされた。
【0093】
顕微鏡写真(図15〜23)は、パッドおよび管の均一な銀被覆率を示している。
【実施例9】
【0094】
はんだ付け性は、はんだぬれ性試験により評価された。実施例8の組成物を有する実施例1におけるのと同様に銀でめっきされた切取り試片(17マイクロインチ)が、はんだぬれ性試験の前に24時間85℃/85%のRHで環境的に老化された。いくつかの切取り試片は、試験前に6つまでのリフロー・サイクルで処理された。リフローは、鉛フリー温度プロファイルすなわちTpeak=262℃によるBTU・TRS結合IR/強制対流リフローを使用して空気中で行われた。はんだぬれ性試験は、SLS65C(主材料アルコール、2.2%固体、無洗浄)フラックスおよび錫鉛(63%錫)はんだ(T=232℃)ならびにSAC(Sn−Ag−Cu)305はんだ(T=260℃)により、ロボティック(Robotic)・プロセス・システム自動はんだぬれ性試験器を使用して、IPC/EIA・J−STD−003A、第4.3.1号[共同工業規格:2003年2月、IPC/EIA・J−STD−003A、印刷基板のはんだ付け性試験]に従い行われた。
【0095】
錫鉛はんだに対する複数の鉛フリー・リフロー熱変位の効果を、図24に例示する。SACはんだに対する複数の鉛フリー・リフロー熱変位の効果を、図25に例証する。はんだ付け性は、瞬時の湿潤および高い湿潤力があり、両方のはんだにおいて非常に良好であった。銀は、調節に対し耐性があり、はんだ付け性の変化をほとんど示していない。サンプルが示した良好なはんだ付け性は、はんだ付け性が維持されることを示している。
【実施例10】
【0096】
本発明の組成物の安定性を決定するため、2つの浴が100mlの容積のフラスコで調製された。1つは、銅が加えられておらず(すなわち新鮮なもの)、2つ目は、銅が0.75g/L加えられている(すなわち模擬的に老化されたもの)。浴は、7日間(142時間)50Cで熱せられた。銀含有量は、ICP(誘導結合プラズマ)分光計により測定された。加熱期間後に撮影された図26の写真(左写真‐新鮮なもの;右写真‐老化されたもの)は、沈殿も分離もないため、溶液が安定したままであったことを示している。図27の銀組成物の図は、銀含有量が、7日間を通じて銀の損失がなく、両方の浴において安定したままであったことを明らかにしている。従って本発明の銀浴は、50Cの実用温度において安定したままである。
【実施例11】
【0097】
乾式焼成による変色および退色に対する本発明の銀析出物の耐性を決定するため、試験が行われた。本発明の組成物でめっきされたPWB切取り試片が、2時間160Cで炉焼きされた。図28の写真は、乾燥焼き後PWBの外観に変化がなかったことを示している。
【実施例12】
【0098】
組成物は、18回の金属・回転を通じて、すなわち0.5g/Lの銀含有量の浴を18回補充した後に、浴の効能を決定するため分析された。PWB切取り試片は18回の金属回転(9g/L)を通じて継続的にめっきされ、析出物はSEM(走査型電子顕微鏡法)およびXPS(X線光電子分光法)により検査され、孔隙率は硫化水素分析により評価された。図29(29A、29B、29C)のSEM顕微鏡写真は、継続的な補充を通じて、銀析出物は、きめが粗くなるように見えるが、高い完全性を維持していることを示している。図30(30A、30B、30C)の光学顕微鏡写真は、継続的な補充を通じて、硫化水素試験による孔隙率に著しい増加がないことを示している。XPS分析は、0.6MTO後に、被覆は、93.6原子%が銀、3.2原子%が炭素、3.2原子%が酸素であったことを明らかにした。18MTO後に、被覆は、91.8原子%が銀、2.3原子%が炭素、5.9原子%が酸素であった。それにより浴は、0.2ミクロンの銀の厚さ、PWBの15%の銅被覆率で、かつ溶液のドラッグ・アウトがないという想定(但し、生産においてドラッグ・アウトを防ぐことはできない)で、リットルあたり28.7m2のPWBを処理する能力があることが示された。
【実施例13】
【0099】
商業的に利用可能な方法および組成物と比較して、本発明に従って析出された銀中の炭素含有量を決定するため、X線光電子分光法(XPS)が用いられた。3分間に6.5マイクロインチの厚い析出物を生産するため、49℃でかつ無撹拌で、375ppmの銀を有する組成物を用いて析出された銀を有する本発明によるサンプル1は、93原子%の銀、5.9原子%の炭素および1.1原子%の酸素を有する被覆を示した。14.5マイクロインチの厚い析出物を生産するため、54℃でかつ撹拌により、650ppmの銀を有する組成物を用いて析出された銀を有する本発明によるサンプル2は、>97.5原子%の銀、<1.5原子%の炭素および<1原子%の酸素(検出限度以下の酸素および炭素)を有する被覆を示した。商業的に入手可能な組成物により析出された銀を有する比較上のサンプルは、73原子%の銀、22.5原子%の炭素、4.6原子%の酸素を示した。これは、本発明の方法および組成物が90原子%超の銀を含む改善された組成物銀析出をもたらしたことを示している。サンプル1および2の裏付となるオージェ・データを図31に示す。サンプル1および2の裏付となるXPSデータを図32に示す。
【実施例14】
【0100】
本発明に従って析出された銀被覆の接触抵抗は、ASTMB667−92に従った試験により決定された。85℃/85%のRHで24時間状態調整された7.4マイクロインチの厚さの被覆を有するめっき済みサンプルおよび3.8マイクロインチの厚さの被覆を有するサンプルが試験された。接触抵抗は、CETR・UMT−2多標本試験器を使用して測定された。接触は、銀でめっきされた銅球(直径=4mm)に対して行われた。力は、20から100グラムであった。図33は、100+/−1gの力によるめっき済みサンプルの25回の試験からの測定の接触抵抗を示している。図34は、接触抵抗に対する調節の効果を示すため、振動数の累積分布を示している。これらの結果は、銀析出の接触抵抗が非常に低く(100gの力でRavg<5mオーム)、85C/85%のRHでの24時間の状態調整後も低いままであることを示している。
【実施例15】
【0101】
本発明の銀被覆を受けるPWBの容量イオン清浄度を決定するため、溶媒抽出伝導度試験が行われた。試験されたサンプルは、被覆のない銅PWB、本発明の溶液を使用して垂直に被覆されたPWB、および本発明の浴を使用して水平に被覆されたPWBである。試験プロトコルは、アルファ600−SMDオメガ・メーター、75%のイソプロピルアルコールおよび25%の水の溶液、38℃の溶液浸漬温度、ならびに4分間の安定化時間を用いた。結果は以下のとおりであった:

【0102】
これらの結果は、銀析出が、溶媒抽出伝導度試験により、塩化ナトリウム当量の1マイクログラム/cm2(6.45マイクログラム/in2)の清浄度要件を満たしていることを示している。水平に処理されたPWBのより高い伝導度は、要求される最終のすすぎに帰することができる。
【実施例16】
【0103】
積層された銅パネル(3cm×5cm)が、製造者の推奨する手順に従い、洗浄、エッチングおよび事前浸液により調製された。パネルは、調節剤としてDL−アラニンおよび銅イオンのキレート化剤として5,5−ジメチルヒダントインを使用して、溶液中でめっきされた。硝酸銀(0.5〜1g/L)、DL−アラニン(20〜40g/L)、5,5−ジメチルヒダントイン(5〜10g/L)、プルロニックP103(0.5g/L)および水残量からなる溶液が調製された。pHは、約5であった。3分間のめっき時間により、約13と20の間のマイクロインチの厚さの外観が白い銀マット被覆が生じた。実施例16で析出された被覆のうちの2つが、組成についてXPS分析により分析された。
【0104】

【0105】
銀析出物のうちの1つの顕微鏡写真が撮影され、これを図35A〜Dに示す。硫化水素中の腐食試験、85℃/85%のRHでの変色評価、はんだぬれ性試験およびSIR試験を含む先の実施例の様々の試験が行われた。この組成物を使用して析出された被覆は、非常に良好な接着、耐変色性、はんだ付け性およびレクトロマイグレーション抵抗を示す均一な析出物である。該被覆は、低い孔隙率、良好な接触抵抗、良好な摩耗抵抗および良好なワイヤ・ボンディングを示した。
【実施例17】
【0106】
4つの析出浴の伝導度は、YSI3200伝導度用器具およびK=1.0/cmの電解槽定数を有するYSI3253プローブにより決定された。実施例8(サンプルI)および16(サンプル2)の本発明の浴、実施例1(サンプル3)の本発明でない浴、ならびに米国特許第6,395,329号に記載された発明内の商業的に入手可能な浴(サンプル4):

【0107】
本発明は、上記の実施態様に限定されず、様々に変更することができる。好ましい実施態様の上記の説明は、当業者に本発明、その原理およびその実際の適用を熟知させ、その結果当業者が、特定用途の要件に最適となるような形で、本発明の数多くの形態に発明を適合および適用できるようにすることのみを意図している。
【0108】
この明細書全体(以下の請求項を含む)における「を含む(comprise/comprises)」または「を包含している(comprising)」の用語の使用に関して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、それらの用語が排他的というよりむしろ包含的に解釈されるべきであるという原則および明確な了解のもとにそれらの用語が使用されており、それらの用語のそれぞれがこの明細書全体を解釈するにあたりそのように解釈されるべきであると意図されていることを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】被覆時間に対する被覆厚さの図である。
【図2】被覆時間に対する被覆厚さの別の図である。
【図3A】銀被覆の2000倍の顕微鏡写真である。
【図3B】銀被覆の2000倍の顕微鏡写真である。
【図3C】銀被覆の2000倍の顕微鏡写真である。
【図4A】銀被覆の2000倍の別の顕微鏡写真である。
【図4B】銀被覆の2000倍の別の顕微鏡写真である。
【図4C】銀被覆の2000倍の別の顕微鏡写真である。
【図5A】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図5B】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図5C】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図6A】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図6B】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図6C】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図7A】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図7B】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図7C】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図8A】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図8B】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図8C】銀被覆の変色試験写真の一つである。
【図9】オージェ測定のプロフィールである。
【図10】オージェ測定の別のプロフィールである。
【図11】はんだぬれ性データの図である。
【図12】表面絶縁抵抗の箱ひげ図である。
【図13】エレクトロマイグレーション抵抗の箱ひげ図である。
【図14A】銀被覆の写真の一つである。
【図14B】銀被覆の写真の一つである。
【図14C】銀被覆の写真の一つである。
【図15】銀被覆の写真の一つである。
【図16】銀被覆の写真の一つである。
【図17】銀被覆の写真の一つである。
【図18】銀被覆の写真の一つである。
【図19】銀被覆の写真の一つである。
【図20】銀被覆の写真の一つである。
【図21】銀被覆の写真の一つである。
【図22】銀被覆の写真の一つである。
【図23】銀被覆の写真の一つである。
【図24】はんだぬれ性データの図である。
【図25】はんだぬれ性データの図である。
【図26】銀めっき溶液を描いている図である。
【図27】経時的な該溶液の銀含有量の図である。
【図28】乾燥焼き試験後のPWBの写真である。
【図29A】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図29B】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図29C】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図30A】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図30B】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図30C】銀析出物のSEM顕微鏡写真である。
【図31】オージェ・データのグラフである。
【図32】XPSデータのグラフである。
【図33】接触抵抗データの図である。
【図34】接触抵抗データの図である。
【図35A】銀析出物の顕微鏡写真を示す。
【図35B】銀析出物の顕微鏡写真を示す。
【図35C】銀析出物の顕微鏡写真を示す。
【図35D】銀析出物の顕微鏡写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀イオンの供給源および水を含む組成物に金属表面を接触させ金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる金属表面を銀めっきするための方法であって、該組成物のイオン含有量が約25mS/cm以下の室温伝導度を有するものとなるようなイオン含有量である金属表面を銀めっきする方法。
【請求項2】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含み、前記組成物が1と約3の間のpHを有する請求項1の方法。
【請求項7】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含み、前記組成物が1と約3の間のpHを有する請求項1の方法。
【請求項8】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項8の方法。
【請求項10】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項8の方法。
【請求項11】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含み、前記組成物が約4と5の間のpHを有する請求項1の方法。
【請求項12】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項11の方法。
【請求項13】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項11の方法。
【請求項14】
前記組成物がさらにヒダントイン誘導体を含む請求項1の方法。
【請求項15】
前記組成物がさらに5,5−ジメチルヒダントインを含む請求項1の方法。
【請求項16】
前記組成物がさらにエチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤を含む請求項1の方法。
【請求項17】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約3:4のPO:EOの単位比を有する請求項16の方法。
【請求項18】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が3:4+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項16の方法。
【請求項19】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約5:3のPO:EOの単位比を有する請求項16の方法。
【請求項20】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が5:3+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項16の方法。
【請求項21】
金属表面を銀めっきするためのめっき組成物であって、前記組成物が、銀イオンの供給源および水を含み、組成物が約25mS/cm以下の室温伝導度を有することとなるようなイオン含有量を有する前記組成物。
【請求項22】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含む請求項21の組成物。
【請求項23】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含む請求項21の組成物。
【請求項24】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含み、前記組成物が1と約3の間のpH(ペーハー)を有する請求項21の組成物。
【請求項25】
前記組成物がさらに銀析出のアミノ酸阻害剤を含む請求項21の組成物。
【請求項26】
前記アミノ酸阻害剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項25の組成物。
【請求項27】
前記アミノ酸阻害剤がDL−アラニンである請求項25の組成物。
【請求項28】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含み、前記組成物が約4と5の間のペーハーを有する請求項25の組成物。
【請求項29】
前記組成物がさらにヒダントイン誘導体を含む請求項21の組成物。
【請求項30】
前記組成物がさらに5,5−ジメチルヒダントインを含む請求項21の組成物。
【請求項31】
前記組成物がさらにエチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤を含む請求項21の組成物。
【請求項32】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約3:4のPO:EOの単位比を有する請求項31の組成物。
【請求項33】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が3:4+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項31の組成物。
【請求項34】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約5:3のPO:EOの単位比を有する請求項31の組成物。
【請求項35】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が5:3+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項31の組成物。
【請求項36】
前記組成物のが室温伝導度イオン含有量が約10mS/cm以下の室温伝導度を有する程度であるようなイオン含有量を有する請求項1の方法。
【請求項37】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含む請求項36の方法。
【請求項38】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含む請求項36の方法。
【請求項39】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含む請求項36の方法。
【請求項40】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源からのN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含む請求項36の方法。
【請求項41】
前記組成物がさらにアルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物を含み、前記組成物が1と約3の間のpHを有する請求項36の方法。
【請求項42】
前記組成物がさらにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸を含み、前記組成物が1と約3の間のpHを有する請求項36の方法。
【請求項43】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含む請求項36の方法。
【請求項44】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項43の方法。
【請求項45】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項43の方法。
【請求項46】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含み、前記組成物が約4と5の間のpHを有する請求項43の方法。
【請求項47】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項46の方法。
【請求項48】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項46の方法。
【請求項49】
前記組成物がさらにヒダントイン誘導体を含む請求項36の方法。
【請求項50】
前記組成物がさらに5,5−ジメチルヒダントインを含む請求項36の方法。
【請求項51】
前記組成物がさらにエチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤を含む請求項36の方法。
【請求項52】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約3:4のPO:EOの単位比を有する請求項51の方法。
【請求項53】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が3:4+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項51の方法。
【請求項54】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約5:3のPO:EOの単位比を有する請求項51の方法。
【請求項55】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が5:3+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項51の方法。
【請求項56】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約80原子%の銀(容量平均)を含む請求項1の方法。
【請求項57】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約90原子%の銀(容量平均)を含む請求項1の方法。
【請求項58】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させ金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる、金属表面を銀めっきするための方法:a)銀イオンの供給源;b)アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物;およびc)水;ここで前記組成物は1と約3の間のpHを有し、金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項59】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸である請求項58の方法。
【請求項60】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源である請求項58の方法。
【請求項61】
以下の成分からなる、金属表面を銀めっきするための組成物:
a)銀イオンの供給源;
b)アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物;および
c)水、
ここで前記組成物は、1と約3の間のpH(ペーハー)を有する。
【請求項62】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸である請求項61の組成物。
【請求項63】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源である請求項61の方法。
【請求項64】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させ金属表面の金属が銀イオンの還元剤として機能するめっき条件下で、置換めっきにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成することからなる、金属表面を銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)銀の析出速度を遅くするため約4と約5の間のpHで機能する銀析出のアミノ酸阻害剤;および
c)水;
金属表面の金属が銀イオンの還元剤として機能するめっき条件下で、置換めっきにより金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項65】
前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項64の方法。
【請求項66】
前記アミノ酸阻害剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項64の方法。
【請求項67】
前記アミノ酸阻害剤がDL−アラニンである請求項64の方法。
【請求項68】
前記アミノ酸阻害剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択され、前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項64の方法。
【請求項69】
前記アミノ酸阻害剤がDL−アラニンであり、前記組成物が約4と約5の間のpH(ペーハー)を有する請求項64の方法。
【請求項70】
以下の成分からなる、金属表面を銀めっきするための組成物:
a)銀イオンの供給源;
b)銀の析出速度を遅くするため約4と約5の間のpHで機能する銀析出のアミノ酸阻害剤;および
c)水。
【請求項71】
前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項70の組成物。
【請求項72】
前記アミノ酸阻害剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項70の組成物。
【請求項73】
前記アミノ酸阻害剤がDL−アラニンである請求項70の組成物。
【請求項74】
前記アミノ酸阻害剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択され、前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項70の組成物。
【請求項75】
前記アミノ酸阻害剤がDL−アラニンであり、前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項70の組成物。
【請求項76】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)アラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択されるアミノ酸;および
c)水;金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項77】
前記組成物が約4と約5の間のpHを有する請求項76の方法。
【請求項78】
前記アミノ酸がDL−アラニンである請求項76の方法。
【請求項79】
前記アミノ酸がDL−アラニンであり、前記組成物が約4と約5の間のpH(ペーハー)を有する請求項76の方法。
【請求項80】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)ヒダントイン誘導体;および
c)水;金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項81】
前記ヒダントイン誘導体が5,5−ジメチルヒダントインである請求項80の方法。
【請求項82】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含む請求項80の方法。
【請求項83】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項82の方法。
【請求項84】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項82の方法。
【請求項85】
前記組成物がさらにアミノ酸添加剤を含み、前記組成物が約4と5の間のpHを有する請求項80の方法。
【請求項86】
前記アミノ酸添加剤がアラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択される請求項85の方法。
【請求項87】
前記アミノ酸添加剤がDL−アラニンである請求項86の方法。
【請求項88】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための組成物:
a)銀イオンの供給源;
b)ヒダントイン誘導体;および
c)水。
【請求項89】
前記ヒダントイン誘導体が5,5−ジメチルヒダントインである請求項88の組成物。
【請求項90】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤;および
c)水;
ここで、金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項91】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約3:4のPO:EOの単位比を有する請求項90の方法。
【請求項92】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が3:4+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項90の方法。
【請求項93】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が約5:3のPO:EOの単位比を有する請求項90の方法。
【請求項94】
前記エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体が5:3+/−10%のPO:EOの単位比を有する請求項90の方法。
【請求項95】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源;および
c)水;
ここで、前記組成物は金属表面上に銀を主材料とする被覆を形成するためのものである。
【請求項96】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸である請求項95の方法。
【請求項97】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約80原子%の銀(容量平均)である請求項95の方法。
【請求項98】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約90原子%の銀(容量平均)である請求項95の方法。
【請求項99】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約90原子%の銀(容量平均)である請求項96の方法。
【請求項100】
前記銀を主材料とする被覆が少なくとも約95原子%の銀(容量平均)である請求項96の方法。
【請求項101】
以下の成分からなる組成物に金属表面を接触させることからなる、金属表面を銀めっきするための組成物:
a)銀イオンの供給源;
b)アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物のアルカリ土類/アルカリ金属を含まない供給源;および
c)水。
【請求項102】
前記アルキレン・ポリアミン・ポリ酢酸化合物がN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸である請求項101の組成物。
【請求項103】
a)銀イオンの供給源を含む銀めっき組成物を銅表面に塗布し、次いでb)銀めっき組成物を電気相互接続の窪みへ機械的に助長することからなる、電気相互接続の窪みを有する印刷配線基板の銅表面に銀めっきするための方法。
【請求項104】
前記銀めっき組成物を電気相互接続の窪みへ機械的に助長することが、前記銀めっき組成物を電気相互接続の窪みへはけ塗りするため銅表面をはけに接触させることからなる、請求項103の方法。
【請求項105】
以下の成分からなる組成物に銅表面を接触させることからなる、印刷配線基板の銅表面に銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)HEDTA;
c)エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤;
d)変色抑制剤;および
e)水;
ここで前記組成物は、1と約3の間のpHおよび約25mS/cm未満の室温伝導度を有し、金属表面上に少なくとも約90原子%の銀(容量平均)を含む銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項106】
印刷配線基板の銅表面に銀めっきするための組成物であって、組成物が以下の成分からなるもの:
a)銀イオンの供給源;
b)HEDTA;
c)エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤;
d)変色抑制剤;および
e)水;
ここで前記組成物は、1と約3の間のpHおよび約25mS/cm未満の室温伝導度を有する。
【請求項107】
以下の成分からなる組成物に銅表面を接触させることからなる、印刷配線基板の銅表面に銀めっきするための方法:
a)銀イオンの供給源;
b)アラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択されるアミノ酸添加剤;
c)エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体添加剤;
d)ヒダントイン誘導体;および
e)水;
ここで前記組成物は、約4と約5の間のpHおよび約25mS/cm未満の室温伝導度を有し、金属表面上に少なくとも約90原子%の銀(容量平均)を含む銀を主材料とする被覆を形成する。
【請求項108】
印刷配線基板の銅表面に銀めっきするための組成物であって、組成物が以下の成分からなるもの:
a)銀イオンの供給源;
b)アラニンのキラル異性体およびラセミ混合物からなる群から選択されるアミノ酸添加剤;
c)エチレン・オキサイド/プロピレン・オキサイド・ブロック共重合体;
d)ヒダントイン誘導体;および
e)水;
ここで前記組成物は、約4と約5の間のpHおよび約25mS/cm未満の室温伝導度を有する。
【請求項109】
少なくとも約80原子%の銀(容量平均)を含む銅相互接続上の表面被覆を有する、銅相互接続をその中に有する印刷配線板。
【請求項110】
前記表面被覆が少なくとも約90原子%の銀(容量平均)を含む請求項109の印刷配線板。
【請求項111】
前記表面被覆が少なくとも約95原子%の銀(容量平均)を含む請求項109の印刷配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【公表番号】特表2008−508425(P2008−508425A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523536(P2007−523536)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/005702
【国際公開番号】WO2006/022835
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(501407311)エントン インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】