説明

電子部品

【課題】厚み寸法(高さ寸法)の薄型化が図れる電子部品を提供する。
【解決手段】摺接パターン137を形成した摺接パターン形成部131と、摺接パターン137から引き出した端子パターン139を形成した端子パターン形成部133とを有するフレキシブル回路基板130、摺接パターン形成部131を取り付ける基台本体部31と、基台本体部31から離れる方向に屈曲する取付部35とを有する基台30、摺動子80を取り付けた回転体50、接続パターン201を形成してなる出力引出用回路基板200、積層した端子パターン形成部133及び出力引出用回路基板200を取付部35と協働して挟持する押え板250、を具備する。取付部35に設けた弾発部材収納部39内に収納した弾発バネ160によって積層した端子パターン形成部133及び出力引出用回路基板200を弾発して端子パターン139と接続パターン201間を弾接接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式電子部品やスライド式電子部品等の電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来回転式電子部品の中には、例えば特許文献1の図1〜図4に示すように、摺接パターン(15)を設けたフレキシブル回路基板(10)の面に対向して回転体(60)を設置し、回転体(60)に取り付けた摺動子(85)を前記摺接パターン(15)に摺接させることで摺接パターン(15)の出力を変化させ、一方前記フレキシブル回路基板(10)の前記摺接パターン(15)から引き出した端子パターン(17)を設けた端子パターン部(13)を後方に折り曲げて折り曲げた位置で第2フレキシブル回路基板(140)を積層して前記端子パターン(17)と第2フレキシブル回路基板(140)に設けた端子パターン(141)とを接触させ、これらフレキシブル回路基板(10)及び第2フレキシブル回路基板(140)をそれらの上下に設置した基台(30)の圧接接続部(35)及び取付台(120)によって挟持し、さらに取付台(120)に収納した弾発手段(130)によって前記第2フレキシブル回路基板(140)の端子パターン(141)をその下面側から弾発してこの端子パターン(141)と前記端子パターン(17)とを圧接接続してなる構成のものがある。
【0003】
この種の回転式電子部品は、例えば携帯用のデジタルカメラやデジタルビデオ等のズームスイッチ等として用いられる。このためこの種の回転式電子部品は、電子機器の外装ケース近傍に設置されることが多いが、電子機器の小型化・薄型化に対して、外装ケースの内部空間をなるべく大きく取るために、前記外装ケース近傍に設置される回転式電子部品の高さ(厚み)の更なる薄型化が要望されていた。
【0004】
このため上記特許文献1に示す回転式電子部品に示す基台(30)の摺接パターン(15)を設置する電子部品取付部(31)の高さを低くするなどの工夫が行われているが、さらなる厚み寸法(高さ寸法)の小型化が求められていた。
【特許文献1】特開2007−173092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、厚み寸法(高さ寸法)の薄型化が図れる電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の発明は、表面に摺接パターンを形成してなる摺接パターン形成部と、摺接パターンから引き出した端子パターンを形成してなる端子パターン形成部とを有してなるフレキシブル回路基板と、前記フレキシブル回路基板の摺接パターン形成部を取り付ける基台本体部と、基台本体部から離れる方向に向かって屈曲するとともに前記フレキシブル回路基板の端子パターン形成部を取り付ける取付部とを有する基台と、前記基台の基台本体部に取り付けた摺接パターン形成部に対向して設置され、前記摺接パターンの電気的出力を変化させる摺動子を取り付けた移動体と、前記フレキシブル回路基板の端子パターン形成部に積層して設置され、積層されることで前記端子パターンに当接して電気的に接続される接続パターンを形成してなる出力引出用回路基板と、前記積層した端子パターン形成部及び出力引出用回路基板を前記基台の取付部と協働して挟持する押え部材と、を具備する電子部品において、前記基台の取付部に弾発部材収納部を設け、この弾発部材収納部内に収納した弾発部材によって前記積層したフレキシブル回路基板の端子パターン形成部と出力引出用回路基板とを押え部材側に向けて弾発することで端子パターンと接続パターン間を弾接接続することを特徴とする電子部品にある。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、基台の取付部に設けた弾発部材収納部内に弾発部材を収納したので、積層した端子パターン形成部と出力引出用回路基板の下面側に取り付ける押え部材の厚みを薄くすることができ、従来に比べて積層した端子パターン形成部と出力引出用回路基板よりも下側の部分の厚み寸法(高さ寸法)を小さく(薄型化)することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態にかかる電子部品(以下「回転式電子部品」という)1の概略側断面図、図2は回転式電子部品1の一部分解斜視図、図3は回転式電子部品1から出力引出用回路基板200と押え部材250とを除いた電子部品本体5の斜視図(図2とは反対向きの上方から見た斜視図)、図4は電子部品本体5の斜視図(図2と同一向きの下方から見た斜視図)、図5〜図7はそれぞれ別の角度から見た電子部品本体5の分解斜視図である。以下各構成部品について説明する。なお以下の説明において、「上」とは押え部材250から電子部品本体5の基台30を向く方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0009】
これらの図に示すように回転式電子部品1は、電子部品本体5と、電子部品本体5の下面側に設置される出力引出用回路基板200と、出力引出用回路基板200の下面側に設置される押え部材(以下「押え板」という)250とを具備して構成されている。また電子部品本体5は、ケース10と、基台30と、ケース10に円弧状に回転(揺動)するように収納されると共に上部に操作つまみ100を一体に取り付けてなる移動体(以下「回転体」という)50と、回転体50の回転によって電気的出力を変化する電気的機能部(下記する摺動子80及び摺接パターン137からなる)と、回転体50(回転体本体部51)のケース10側を向く面に収納される自動復帰機構用の弾発手段(以下「コイルバネ」という)90と、前記基台30の回転体50側を向く面に取り付けられるフレキシブル回路基板130と、基台30の下面に設けた弾発部材収納部39に収納される弾発部材(以下「弾発バネ」という)160とを具備して構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0010】
ケース10は合成樹脂(この実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂材料でも良い)を略矩形状(略直方体形状)に成形して構成されており、その上面11はその長手方向(左右方向)に向かって上方向に凸となる円弧状の湾曲面となっている。ケース10の回転体50側を向く面には、回転体50(回転体本体部51)を収納する空間からなる収納部13が設けられ、また上面11には長手方向に向かって切り欠いてなる開口部15が設けられている。収納部13内部の下面と上面はそれぞれ回転体ガイド面15,17となっている。回転体ガイド面15,17は何れも上方向に凸となるようにそれらの長手方向に向かって円弧状に湾曲する湾曲面である。収納部13内部の左右両側中央からは平板状のコイル係止部19,19が突出している。コイル係止部19,19は何れも上方向に凸となるように円弧状に湾曲している。またケース10の回転体50側を向く面の両端部近傍には小突起状の取付部25が設けられている。なお上記したケース10各部の上方向に凸となるように湾曲する円弧の中心軸は何れもケース10より下方に位置する同一軸にある。
【0011】
基台30は合成樹脂(この実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂材料でも良い)を略矩形状に形成してなる基台本体部31と、基台本体部31を略L字状に屈曲することで回転体50から離れる方向(後方)に伸びる取付部35とを一体成形して構成されている。基台本体部31は下記するフレキシブル回路基板130の摺接パターン形成部131の周囲と背面とを囲むように形成されている。言い換えればフレキシブル回路基板130はその摺接パターン形成部131の部分がその表面に設けた摺接パターン137を露出した状態で基台30に一体になるようにインサート成形されている。また基台本体部31の左右両端近傍には、前記ケース10の一対の取付部25をそれぞれ挿入する寸法形状の貫通孔からなる係合部37が設けられている。一方取付部35は平板状であってその下面の略中央には略矩形状の凹部からなる弾発部材収納部39が設けられ、またその下面の4隅近傍には下方向に向かって突出する小突起からなる取付係合部41が設けられている。
【0012】
図8は回転体50を下面側から見た斜視図である。図8及び前記各図に示すように回転体50は合成樹脂(この実施形態ではPOM樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂材を用いても良い)を成形することで形成されており、全体として略矩形状の回転体本体部51の上部にこれと一体に操作つまみ100を設けて構成されている。回転体本体部51は略四角柱を長手方向に円弧状に湾曲させた形状であり、ケース10側を向く面に長手方向に向けて前記円弧に合わせて円弧状に湾曲する略矩形状のコイル収納部54を設けている。回転体本体部51はケース10に設けた収納部13に収納され、その上下面がケース10の回転体ガイド面17,15にぴったり当接し、回転体本体51が回転体ガイド面17,15に沿って円弧状に左右に回動(揺動)する外形形状に形成されている。つまり回転体本体部51はケース10に円弧状に回転するように収納される形状に形成されている。コイル収納部54の左右両端には前記ケース10のコイル係止部19をコイル収納部54内に挿入するためのスリット状の切り欠きからなる挿通部55が設けられている。一方回転体50の基台30側を向く面の中央には平面状の摺動子設置部65が設けられ、この摺動子設置部65の面には摺動子80を取り付けるための小突起69が設けられている。さらに操作つまみ100は、平板状でその長手方向に向かって上方向に凸となる円弧状の湾曲面形状のつまみ基部101と、つまみ基部101の上面中央から上方向に向かって突出する突起状のつまみ部103と、つまみ基部101の下面中央から突出して前記回転体本体部51の上面中央に一体に連結される柱部105とを具備して構成されている。
【0013】
摺動子80は弾性金属板製の矩形状の基部81の1辺から2本の摺動冊子83を突出し、その根元部分を基部81の一方の面側(フレキシブル回路基板130側)に約180°折り返してそれらの先端に摺接接点85を設けて構成されている。基部81には小孔87が設けられている。
【0014】
コイルバネ90は、圧縮方向に弾発力を有する圧縮コイルバネであり、その両端には消音用の弾性体(この実施形態では合成ゴム)からなるバネ受91が取り付けられる。
【0015】
フレキシブル回路基板130は略矩形状の合成樹脂フイルム(この実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いているが、他の各種合成樹脂フイルムを用いてもよい)の一方側を摺接パターン形成部131、他方側を端子パターン形成部133として構成されている。摺接パターン形成部131は前記基台30の基台本体部31の外周より内側に入るように基台本体部31の外形形状より少し小さい外形寸法に形成されており、その露出している表面には円弧状の一対の摺接パターン137が設けられている。摺接パターン137はスイッチパターンであっても良いし、抵抗体パターンであっても良く、さらにはそれら以外の機能を有するパターンであっても良い。一方端子パターン形成部133には端子パターン139が設けられ、摺接パターン137と端子パターン139間は回路パターン141によって接続されている。端子パターン形成部133の端子パターン139を囲む位置(前記基台30の各取付係合部41に対向する位置)には、取付係合部41をぴったり挿入する貫通孔からなる挿入取付部135が設けられている。
【0016】
弾発バネ160は弾性金属板製であり、略矩形状のバネ基部161の長手方向の1辺から複数本(4本)の弾発片163を突出して下方向に約180°折り曲げ、それぞれの先端に下方向に突出する弾発部165を設け、一方バネ基部161の4隅に前後方向に延びて先端が鋭角に尖っている係止片167を設けて構成されている。この弾発バネ160は前記基台30に設けた弾発部材収納部39にほぼぴったり収納される外形形状に形成されている。
【0017】
出力引出用回路基板200は、可撓性を有する合成樹脂フイルム(例えばPETフイルム)上に3つの接続パターン201を設け、各接続パターン201に接続した回路パターン203をこの出力引出用回路基板200の引出部205に引き出して構成されている。出力引出用回路基板200の接続パターン201の周囲を囲む複数個所(4個所)には、前記基台30の各取付係合部41を挿入する寸法形状の係合部207が設けられている。
【0018】
押え板250はこの実施形態では薄板状の合成樹脂板(例えばABS樹脂板)を用いて構成しているが、金属板などの他の各種材質からなる硬質板を用いて構成しても良い。また押え板250の前記出力引出用回路基板200に設けた各係合部207に対向する位置には係合部207と同一寸法形状の係合取付部251が設けられている。
【0019】
次に回転式電子部品1の組立方法を説明する。まず予め回転体50の摺動子設置部65に摺動子80の基部81を当接し、その際回転体50の小孔87に小突起69を挿入してその先端を熱かしめして固定する。一方回転体50のコイル収納部54に両端にバネ受91を取り付けたコイルバネ90を収納しておく。
【0020】
そして前記摺動子80とコイルバネ90を取り付けた回転体50の回転体本体部51を、ケース10の収納部13内に収納し、次にその後方から基台30のフレキシブル回路基板130を取り付けた側の面を被せ、その際ケース10の取付部25を基台30の係合部37に挿入し、基台30の背面側から突出する取付部25の先端を熱かしめする。このときケース10の開口部15内に回転体50の柱部105が位置する。さらに基台30の弾発部材収納部39内に弾発バネ160を収納する。その際弾発バネ160の各係止片167の鋭角な先端を弾発部材収納部39の内側面に強く係止させ、下向きの弾発部材収納部39から弾発バネ160が脱落しないように保持する。これによって電子部品本体5が構成される。
【0021】
次にフレキシブル回路基板130の基台30から突出している端子パターン形成部133を基台30の後方に折り曲げて取付部35の下面に当接する。このときフレキシブル回路基板130の各挿入取付部135に基台30の各取付係合部41を挿入する。次に前記端子パターン形成部133の下面側に出力引出用回路基板200と押え板250とを配置し、その際出力引出用回路基板200の各係合部207と押え板250の各係合取付部251に前記基台30の各取付係合部41を挿入し、押え板250の下面から突出する各取付係合部41の先端を熱かしめする。これによって図1に示す回転式電子部品1が完成する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0022】
このときフレキシブル回路基板130の各端子パターン139は出力引出用回路基板200の各接続パターン201にそれぞれ当接し、且つフレキシブル回路基板130の各端子パターン139を設けた部分の背面は弾発バネ160の弾発部165によって弾発されているので、端子パターン139と接続パターン201間は強く圧接され、両者間の接続は確実になっている。
【0023】
以上のように構成された回転式電子部品1において、操作つまみ100を左右に回転(揺動)すると、回転体50が回転中心軸(前述のように回転中心軸はケース10の中央から真下に向かって所定距離下降した位置にある)を中心に回転(揺動)し、これによって摺動子80が摺接パターン137上を摺動してその出力が変化し、端子パターン139と接続パターン201の接続を介してその出力が出力引出用回路基板200の回路パターン203に取り出される。上記のように操作つまみ100を中立位置から回転させた際、これと一体に回転した回転体本体部51の一方の挿通部55にケース10の一方のコイル係止部19が入り込み、コイル収納部54内のコイルバネ90の一方のバネ受91を押圧してコイルバネ90をコイル収納部54内で圧縮し、中立位置への自動復帰力が生じる。従って操作つまみ100の回転を解除すれば、操作つまみ100は元の中立位置に自動復帰し、電気的出力も元の中立位置の出力となる。
【0024】
ところで上記回転式電子部品1は、図1に示すように、電子機器の外装ケース300の近傍に設置されることが多いが、その場合、外装ケース300に設けた開口部301に操作つまみ100のつまみ部103を露出する。そしてこの回転式電子部品1の場合、基台30の取付部35に設けた弾発部材収納部39内に弾発バネ160を収納したので、積層した端子パターン形成部133と出力引出用回路基板200の下面側に取り付ける押え部材250の厚みを薄くすることができる。したがって従来に比べて積層した端子パターン形成部133と出力引出用回路基板200よりも下側の部分の厚み寸法(高さ寸法)を小さく(薄型化)することができる。つまり回転式電子部品1全体の厚みの薄型化を図ることができ、具体的には図1に示す外装ケース300内に収納する他の各種部品収納用の中央の空間303を大きくすることが可能になる。
【0025】
以上説明したように回転式電子部品1は、表面に摺接パターン137を形成してなる摺接パターン形成部131と、摺接パターン137から引き出した端子パターン139を形成してなる端子パターン形成部133とを有してなるフレキシブル回路基板130と、フレキシブル回路基板130の摺接パターン形成部131を取り付ける基台本体部31と、基台本体部31から離れる方向に向かって屈曲するとともにフレキシブル回路基板130の端子パターン形成部133を取り付ける取付部35とを有する基台30と、基台30の基台本体部31に取り付けた摺接パターン形成部131に対向して設置され、摺接パターン137の電気的出力を変化させる摺動子80を取り付けた回転体50と、フレキシブル回路基板130の端子パターン形成部133に積層して設置され、積層されることで端子パターン139に当接して電気的に接続される接続パターン201を形成してなる出力引出用回路基板200と、積層した端子パターン形成部133及び出力引出用回路基板200を基台30の取付部35と協働して挟持する押え板250と、を具備し、基台30の取付部35に弾発部材収納部39を設け、この弾発部材収納部39内に収納した弾発バネ160によって積層した端子パターン形成部139と出力引出用回路基板200とを押え板250側に向けて弾発することで端子パターン139と接続パターン201間を弾接接続する構成となっている。
【0026】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では移動体として回転体50を用いたが、例えば回転体50を左右に直線状に(水平に)移動するように構成すれば、スライド式電子部品を構成することもできる。なお移動体の移動方向は、上記円弧方向や直線方向の他に、他の曲線方向であっても良い。
【0027】
また上記実施形態では押え部材として押え板250を用いたが、押え部材は平板状以外の各種形状・構造であっても良い。また上記実施形態では基台30に設けた取付係合部41を押え板250に設けた係合取付部251に挿入してその先端を熱かしめすることで押え板250を取り付けたが、例えば金属板で構成した押え板250の外周から舌片状のアームを取り出してこのアームを上方に折り曲げて基台30の取付部35の上面側に折り曲げてこれら各部材を一体に固定したり、別途用意した固定部材を用いてこれら各部材を一体に固定するなど、他の各種固定方法を用いてもよい。また上記実施形態では基台30の取付部35側にフレキシブル回路基板130の端子パターン形成部133を配置し、押え板250側に出力引出用回路基板200を配置して積層したが、逆に取付部35側に出力引出用回路基板200を配置し、押え板250側に端子パターン形成部133を配置して積層してもよい(この場合、端子パターン139と接続パターン201を設ける面はそれぞれ上記実施形態の場合と反対側の面となる)。また上記実施形態では弾発部材として弾発バネ160を用いたが、弾発部材は例えばゴム状弾性体等の他の各種部材によって構成しても良い。要は基台30の弾発部材収納部39内に収納されて積層した端子パターン形成部133と出力引出用回路基板200とを押え板(押え部材)250側に向けて弾発するものであればどのような構成のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】回転式電子部品1の概略側断面図である。
【図2】回転式電子部品1の一部分解斜視図である。
【図3】電子部品本体5の斜視図である。
【図4】電子部品本体5の斜視図である。
【図5】電子部品本体5の分解斜視図である。
【図6】電子部品本体5の分解斜視図である。
【図7】電子部品本体5の分解斜視図である。
【図8】回転体50を下面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 回転式電子部品(電子部品)
5 電子部品本体
10 ケース
30 基台
31 基台本体部
35 取付部
39 弾発部材収納部
50 回転体(移動体)
80 摺動子(電気的機能部)
90 コイルバネ(弾発手段)
100 操作つまみ
130 フレキシブル回路基板
131 摺接パターン形成部
133 端子パターン形成部
137 摺接パターン(電気的機能部)
139 端子パターン
160 弾発バネ(弾発部材)
200 出力引出用回路基板
201 接続パターン
250 押え板(押え部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に摺接パターンを形成してなる摺接パターン形成部と、摺接パターンから引き出した端子パターンを形成してなる端子パターン形成部とを有してなるフレキシブル回路基板と、
前記フレキシブル回路基板の摺接パターン形成部を取り付ける基台本体部と、基台本体部から離れる方向に向かって屈曲するとともに前記フレキシブル回路基板の端子パターン形成部を取り付ける取付部とを有する基台と、
前記基台の基台本体部に取り付けた摺接パターン形成部に対向して設置され、前記摺接パターンの電気的出力を変化させる摺動子を取り付けた移動体と、
前記フレキシブル回路基板の端子パターン形成部に積層して設置され、積層されることで前記端子パターンに当接して電気的に接続される接続パターンを形成してなる出力引出用回路基板と、
前記積層した端子パターン形成部及び出力引出用回路基板を前記基台の取付部と協働して挟持する押え部材と、を具備する電子部品において、
前記基台の取付部に弾発部材収納部を設け、この弾発部材収納部内に収納した弾発部材によって前記積層したフレキシブル回路基板の端子パターン形成部と出力引出用回路基板とを押え部材側に向けて弾発することで端子パターンと接続パターン間を弾接接続することを特徴とする電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−9938(P2010−9938A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167783(P2008−167783)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】