説明

電子部品

【課題】直流重畳特性をより向上させることができる電子部品を提供する。
【解決手段】積層体は、複数の絶縁体層16が積層されてなる。コイルLは、絶縁体層16上に設けられているコイル導体層18により構成されている。複数のコイル導体層18は、互いに接続されることにより、螺旋状のコイルLを構成し、かつ、z軸方向から平面視したときに、一つの環状の軌道を形成しているコイル導体層であって、線幅W1と該線幅W1よりも太い線幅W2とに一定周期Tで変化する形状をなしている。複数のコイル導体層18の外縁は、軌道の内周及び外周において一致した状態で重なり合っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、より特定的には、コイルを内蔵している積層体を備えている電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の開磁路型積層コイル部品(以下、単に積層コイル部品と呼ぶ)が知られている。図6は、特許文献1に記載の積層コイル部品500の断面構造図である。
【0003】
積層コイル部品500は、積層体502、外部電極504a,504b及びコイルLを備えている。積層体502は、磁性体層が積層されて構成されている。外部電極504a,504bは、積層体502の互いに対向する側面に設けられている。コイルLは、積層体502に内蔵され、かつ、外部電極504a,504bに接続されている。更に、積層コイル部品500では、磁気飽和の発生を抑制するために、積層体502には、コイルLを横切るように非磁性体層506が設けられている。以上のような積層コイル部品500では、コイルLが発生した磁束は、非磁性体層506を通過するようになる。そのため、積層体502内において磁束密度が高くなりすぎて磁気飽和が発生することが抑制される。これにより、積層コイル部品500は、優れた直流重畳特性を有している。
【0004】
ところで、電子部品では、更なる直流重畳特性の向上の要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−259774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、直流重畳特性をより向上させることができる電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る電子部品は、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、前記絶縁体層上に設けられているコイル導体層により構成されているコイルと、を備え、前記コイル導体層は、積層方向から平面視したときに、線幅が周期的に変化する形状をなす線状導体層であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、直流重畳特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。
【図2】図1の電子部品の積層体の分解図である。
【図3】図2の絶縁体層が積層されたときの透視図である。
【図4】図4(a)は、図3のB−Bにおける断面構造図であり、図4(b)は、図3のC−Cにおける断面構造図である。
【図5】シミュレーション結果を示したグラフである。
【図6】特許文献1に記載の積層コイル部品の断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について説明する。
【0011】
(電子部品の構成)
本発明の一実施形態に係る電子部品の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、一実施形態に係る電子部品10の積層体12の分解図である。図2では、コイル導体層18が形成された絶縁体層16のみを記載してある。図3は、図2の絶縁体層16が積層されたときの透視図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10に長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。
【0012】
電子部品10は、図1及び図2に示すように、積層体12、外部電極14(14a,14b)、及び、コイルL(図1には図示せず)を備えている。積層体12は、直方体状をなしており、コイルLを内蔵している。外部電極14aは、x軸方向の負方向側に位置する積層体12の側面に設けられている。外部電極14bは、x軸方向の正方向側に位置する積層体12の側面に設けられている。すなわち、外部電極14a,14bは、積層体12の互いに対向する側面に設けられている。
【0013】
積層体12は、図2に示すように、絶縁体層16(16a〜16i)がz軸方向の正方向側からこの順に積層されていることにより構成されている。また、実際には、絶縁体層16aよりもz軸方向の正方向側及び絶縁体層16iのz軸方向の負方向側にはそれぞれ、複数層の絶縁体層が外層として設けられている。ただし、外層に相当する絶縁体層には、コイル導体やビアホール導体などは形成されていないので図示を省略する。絶縁体層16は、磁性体材料(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト)からなり、長方形状をなしている。また、絶縁体層16の一部は、非磁性体材料からなっていてもよい。絶縁体層16は、コイルLが設けられている内層を構成している。
【0014】
コイルLは、図2に示すように、積層体12に内蔵されているコイル導体層18(18a〜18i)及びビアホール導体b1〜b8が接続されることにより構成されている。コイルLは、z軸方向と平行なコイル軸を有する螺旋状のコイルである。
【0015】
コイル導体層18a〜18iはそれぞれ、図2に示すように、絶縁体層16a〜16iのz軸方向の正方向側の主面上に設けられている。コイル導体層18はそれぞれ、図3に示すように、互いに重なり合うことにより長方形状の環状の軌道Rを形成しており、7/8ターンのターン数を有している線状導体である。ただし、コイル導体層18iは、1/2ターンのターン数を有している。コイル導体層18a〜18hは、長方形状の軌道の1/8ターン分(すなわち、一辺の半分)が切り欠かれた形状をなしている。以下では、コイル導体層18において、z軸方向の正方向側から平面視したときに、時計回り方向(以下、矢印A方向と称す)の上流側の端部を上流端とし、矢印A方向の下流側の端部を下流端とする。なお、コイル導体層18のターン数は、7/8ターンに限らない。よって、コイル導体層18のターン数は、例えば、1/2ターンであってもよいし、3/4ターンであってもよい。
【0016】
また、コイル導体層18aは、図2に示すように、絶縁体層16aのx軸方向の負方向側の短辺に引き出されることにより、外部電極14aに接続されている。コイル導体層18iは、絶縁体層16iのx軸方向の正方向側の短辺に引き出されることにより、外部電極14bに接続されている。
【0017】
ビアホール導体b1〜b8は、図2に示すように、絶縁体層16a〜16hをz軸方向に貫通するように設けられており、z軸方向に隣り合っているコイル導体層18同士を接続している。具体的には、ビアホール導体b1は、絶縁体層16aをz軸方向に貫通し、コイル導体層18aの下流端及びコイル導体層18bの上流端に接続されている。ビアホール導体b2は、絶縁体層16bをz軸方向に貫通し、コイル導体層18bの下流端及びコイル導体層18cの上流端に接続されている。ビアホール導体b3は、絶縁体層16cをz軸方向に貫通し、コイル導体層18cの下流端及びコイル導体層18dの上流端に接続されている。ビアホール導体b4は、絶縁体層16dをz軸方向に貫通し、コイル導体層18dの下流端及びコイル導体層18eの上流端に接続されている。ビアホール導体b5は、絶縁体層16eをz軸方向に貫通し、コイル導体層18eの下流端及びコイル導体層18fの上流端に接続されている。ビアホール導体b6は、絶縁体層16fをz軸方向に貫通し、コイル導体層18fの下流端及びコイル導体層18gの上流端に接続されている。ビアホール導体b7は、絶縁体層16gをz軸方向に貫通し、コイル導体層18gの下流端及びコイル導体層18hの上流端に接続されている。ビアホール導体b8は、絶縁体層16hをz軸方向に貫通し、コイル導体層18hの下流端及びコイル導体層18iの上流端に接続されている。
【0018】
以上のように構成された電子部品10では、絶縁体層16a〜16iがz軸方向の正方向側からこの順に積層されることにより、コイル導体層18a〜18iがビアホール導体b1〜b8により接続され、螺旋状のコイルLが形成されている。このとき、図3に示すように、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18iは、互いに重なり合って長方形状の環状の軌道Rを形成している。
【0019】
ここで、電子部品10は、直流重畳特性をより向上させるための構造を有している。より詳細には、コイル導体層18は、図2及び図3に示すように、z軸方向から平面視したときに、線幅が周期的に変化する形状をなしている。本実施形態では、コイル導体層18は、図2に示すように、線幅W1と線幅W1よりも太い線幅W2とに一定周期Tで変化する形状をなしている。コイル導体層18がこのような周期的構造を有するために、コイル導体層18の外縁は、図2に示すように、コイル導体層18の線幅方向の外側に突出する半円C1と内側に突出する半円C2とが交互に並ぶ波形状をなしている。更に、コイル導体層18の外縁は、図3に示すように、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっている。すなわち、内周R1と外周R2の波形状は、線幅方向の外側に突出する半円C1と内側に突出する半円C2とが交互に並んだ形状をなしずれを有していない。
【0020】
また、コイル導体層18が7/8ターンのターン数を有しているので、ビアホール導体b1〜b8は、図3に示すように、軌道Rの各角及び各辺の中点に設けられている。そして、前記一定周期Tは、図3に示すように、z軸方向から平面視したときに、軌道R上において、最も近接しているビアホール導体間の距離Pよりも短い。軌道R上において最も近接しているビアホール導体間の距離Pとは、具体的には、軌道Rの短辺上に位置しているビアホール導体(ビアホール導体b3,b4、ビアホール導体b4,b5、ビアホール導体b7,b8、ビアホール導体b1,b8)間の距離である。
【0021】
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図2を参照しながら説明する。
【0022】
まず、絶縁体層16となるべきセラミックグリーンシート及び外層に相当する絶縁体層となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
【0023】
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材及び分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層16となるべきセラミックグリーンシート及び外層に相当する絶縁体層となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
【0024】
次に、絶縁体層16a〜16hとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体b1〜b8を形成する。具体的には、絶縁体層16a〜16hとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。更に、ビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性材料からなるペーストを印刷塗布などの方法により充填して、ビアホール導体b1〜b8を形成する。
【0025】
次に、絶縁体層16a〜16iとなるべきセラミックグリーンシート上に、導電性材料からなるペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体層18a〜18iを形成する。該導電性材料からなるペーストは、例えば、Agに、ワニス及び溶剤が加えられたものである。なお、コイル導体層18a〜18iを形成する工程とビアホールに対して導電性材料からなるペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
【0026】
次に、絶縁体層16a〜16iとなるべきセラミックグリーンシート及び外層に相当する絶縁体層となるべきセラミックグリーンシートを積層して未焼成のマザー積層体を得る。具体的には、絶縁体層16a〜16iとなるべきセラミックグリーンシートを1枚ずつ積層及び仮圧着する。圧着条件は、1.0t/cm2〜1.2t/cm2の圧力及び3秒間から30秒間程度の時間である。この後、未焼成のマザー積層体に対して、静水圧プレスにて本圧着を施す。
【0027】
次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法の積層体12にカットする。これにより未焼成の積層体12が得られる。この未焼成の積層体12には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、870℃〜900℃で2.5時間の条件で行う。
【0028】
以上の工程により、焼成された積層体12が得られる。積層体12には、バレル加工が施されて、面取りが行われる。その後、Agを主成分とする導電性材料からなる電極ペーストを、積層体12の表面に塗布する。そして、塗布した電極ペーストを約800℃の温度で60分間の条件で焼き付ける。これにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。
【0029】
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10が完成する。
【0030】
(効果)
電子部品10によれば、以下に説明するように、直流重畳特性の向上を図ることができる。図4(a)は、図3のB−Bにおける断面構造図であり、図4(b)は、図3のC−Cにおける断面構造図である。B−Bは、コイル導体層18が線幅W2を有する位置であり、C−Cは、コイル導体層18が線幅W1を有する位置である。
【0031】
コイルLに電流が流れると、各コイル導体層18を周回するように磁束が発生する。ここで、図4(a)においてコイル導体層18a,18bの周囲に発生している磁束を磁束φ1,φ2とし、図4(b)においてコイル導体層18a,18bの周囲に発生している磁束を磁束φ3,φ4とする。このとき、磁束φ3,φ4の磁束の長さ(磁路長)は、磁束φ1,φ2の磁路長よりも短い。一方、図4(a)におけるコイル導体層18a,18bに流れる電流値と図4(b)におけるコイル導体層18a,18bに流れる電流値は等しいので、図4(a)における磁束φ1,φ2の本数と図4(b)における磁束φ3,φ4の本数とは等しい。そのため、コイル導体層18において線幅W1である部分の磁束密度は、コイル導体層18において線幅W2である部分の磁束密度よりも大きくなる。すなわち、電子部品10では、コイルLにおいて、磁束密度の高い部分が発生する。これにより、コイルLにおいてより大きなインダクタンス値を得ることが可能となる。その結果、電子部品10において、直流重畳特性の向上を図ることができる。
【0032】
本願発明者は、電子部品10において直流重畳特性の向上を図ることができることを明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。具体的には、図1及び図2に示す構造を有する電子部品10を第1のモデルとして作製した。また、電子部品10においてのコイル導体層18の外縁が波状ではなく直線になっている比較例の電子部品を第2のモデルとして作製した。図5は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はインダクタンス値を示し、横軸は電流値を示している。以下に、シミュレーション条件を列挙する。
【0033】
チップサイズ:25mm×20mm×10mm
ターン数:7.5ターン
線幅:230μm
コイル導体層厚:30μm
コイル導体層ピッチ:45μm
半円C1,C2の半径:50μm
一定周期T:100μm
線幅W1:230μm
線幅W2:330μm
第2のモデルの線幅:230μm
【0034】
図5によれば、第1のモデルの方が第2のモデルよりもインダクタンス値が大きいことが分かる。更に、電流値が大きくなった場合には、第1のモデルのインダクタンス値及び第2のモデルのインダクタンス値は、ともに略同じ大きさだけ減少していることが分かる。第1のモデルのインダクタンス値のほうが第2のモデルのインダクタンス値よりも大きいので、第1のモデルでのインダクタンス値の減少率は、第2のインダクタンス値の減少率よりも小さい。すなわち、第1のモデルの方が優れた直流重畳特性を有していることが分かる。
【0035】
また、電子部品10によれば、以下に説明するように、より大きなインダクタンス値を得ることができる。図4(a)において、磁束φ5は、コイル導体層18a〜18iにおいて線幅W2の部分の周囲全体を周回する磁束であり、図4(b)において、磁束φ6は、コイル導体層18a〜18iにおいて線幅W1の部分の周囲全体を周回する磁束である。
【0036】
コイル導体層18の外縁は、図3に示すように、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっている。そのため、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合っているコイル導体層18の外縁の凹凸が一致している。このとき、図4(a)及び図4(b)に示すように、コイル導体層18a〜18iの全体を周回する磁束φ5,φ6が発生する。そして、磁束φ5,φ6は、コイル導体層18a〜18iに沿って周回するので、磁束φ6の磁路長は、磁束φ5の磁路長よりも短い。故に、電子部品10では、コイル導体層18a〜18iにおいて線幅W1の部分の方がコイル導体層18a〜18iにおいて線幅W2の部分の方よりも、磁束密度が大きくなる。すなわち、電子部品10では、磁束密度が高い部分が発生し、大きなインダクタンス値を得ることができる。
【0037】
なお、コイル導体層18の外縁は、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっていないと、以下に説明するように、より大きなインダクタンス値を得ることが困難である。より詳細には、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっていないと、コイル導体層18において線幅W1の部分とコイル導体層18において線幅W2の部分とがz軸方向において重なってしまう。この場合、コイル導体層18において線幅W1の部分近傍を通過する磁束(例えば、磁束φ6)は、コイル導体層18において線幅W2の部分によって遮られてしまう。すなわち、コイル導体層18a〜18iの全体を周回する磁束は、例えば、磁束φ5のように長い磁路長を有してしまう。すなわち、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっていないと、磁束密度が高い部分が発生しにくくなり、大きなインダクタンス値を得ることが困難になる。以上より、電子部品10では、コイル導体層18の外縁が、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致した状態で重なっているので、より大きなインダクタンス値を得ることが可能である。ただし、コイル導体層18の外縁が、軌道Rの内周R1及び外周R2において一致していないことを妨げるものではない。
【0038】
なお、コイル導体層18の外縁は、半円が繋がった形状に限らない。したがって、コイル導体層18の外縁は、サインカーブ、コサインカーブ、又は、矩形が繋がった形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、電子部品に有用であり、直流重畳特性をより向上させることができる点において優れている。
【符号の説明】
【0040】
L コイル
R 軌道
W1,W2 線幅
b1〜b8 ビアホール導体
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
16a〜16i 絶縁体層
18a〜18i コイル導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、
前記絶縁体層上に設けられているコイル導体層により構成されているコイルと、
を備え、
前記コイル導体層は、積層方向から平面視したときに、線幅が周期的に変化する形状をなす線状導体層であること、
を特徴とする電子部品。
【請求項2】
複数の前記コイル導体層は、互いに接続されることにより、螺旋状の前記コイルを構成し、かつ、積層方向から平面視したときに、一つの環状の軌道を形成していると共に、第1の線幅と該第1の線幅よりも太い第2の線幅とに周期的に変化する形状をなしており、
前記複数のコイル導体層の外縁は、積層方向から平面視したときに、前記軌道の内周及び外周において一致した状態で重なり合っていること、
を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記複数のコイル導体層の線幅は、前記第1の線幅と前記第2の線幅とに一定周期で変化していること、
を特徴とする請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記コイルは、
積層方向に隣り合っている前記複数のコイル導体層を接続する複数のビアホール導体を、
更に含み、
前記一定周期は、積層方向から平面視したときに、前記軌道上において、最も近接している2つの前記ビアホール導体間の距離よりも短いこと、
を特徴とする請求項3に記載の電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−14709(P2011−14709A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157374(P2009−157374)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】