電気ケトル
【課題】ケトル本体を傾けて注湯する給湯時に、片手で容易に操作を行うことができ、さらに、迅速に給湯が始まる電気ケトルを得る。
【解決手段】注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20と、前記弁機構20を操作する給湯操作部14を備え、給湯操作部14をハンドル10に設けるとともに、上面視、注口9と給湯操作部14との間に、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20を、注口側に寄せて設ける。
【解決手段】注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20と、前記弁機構20を操作する給湯操作部14を備え、給湯操作部14をハンドル10に設けるとともに、上面視、注口9と給湯操作部14との間に、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20を、注口側に寄せて設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気ケトルは、「欲しい時に、欲しい分だけ」というキャッチフレーズのもとに、現在販売されているものであり、電源プレートと、その電源プレートから電力の供給を受けて、ケトル本体に注がれた水を加熱する加熱機構を備えている。加熱により得られる湯は、ケトル本体を電源プレートから持ち上げ、ケトル本体を傾けることで注口から取り出すことができる。
【0003】
加熱完了の検知に関しては、例えば、湯から発生する蒸気を検知部に導き、その蒸気を検知することで、加熱を停止する構成とされている。従って、実際に蒸気が発生している沸騰状態を、簡易な構成で、正確かつ確実に検知して、「欲しい時に、欲しい分だけ」湯を供給できる。この種の電気ケトルは、今日、一般に広く販売されているものではあるが、具体的な出願例は、未だ公開例は少なく、その先行技術を文献で示すことはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人による従来構成の電気ケトルの縦断面図を図13に示した。
この電気ケトル100は、本体ボディ103内の水を加熱する加熱機構101、当該加熱機構101を始動する始動スイッチ(加熱操作スイッチ115)を備えるとともに、加熱完了を検知して加熱機構101による加熱を停止する停止機構118を備えている。
さらに、電気ケトル100は、上部側に開口を有する本体ボディ103と、本体ボディ103の当該開口を閉止する蓋体108とを備えて構成され、蓋体108が開口を閉止する閉止姿勢と、開口が開いた開放姿勢との間で、蓋体108が本体ボディ103に設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成されている。
また、蓋体108には注口109及び蒸気口112を、本体ボディ103にはハンドル110を備えている。
さらに、従来、弁体113の開閉を行う給湯操作ボタン114(給湯操作部の一例)は、電気ケトル100の上部ほぼ中央に設けられ、加熱操作スイッチ115は、ハンドル110の上側に設けられていた。
この構造では、ハンドルを握った状態で加熱開始操作を行うことは可能であるが、給湯時に、ハンドルを保持したまま給湯操作ボタンを、片手で操作することができない。そこで、従来、給湯操作ボタンは開閉何れかの状態に択一的に操作できる開閉操作型とされており、給湯操作ボタンを開状態した後ケトル本体を傾けたり、ケトル本体を傾けた状態で、もう片方の手で給湯操作ボタンを開状態とする必要があり、操作性に改良の余地があった。
また、弁が全開状態又は全閉状態に維持されるのみであるため、給湯量を調整することができず、さらに、本体ボディの傾けに伴って急速に給湯するという点で改良の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、ケトル本体を傾けて注湯する給湯時に、片手で容易に操作を行うことができ、迅速に給湯が始まる電気ケトルを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルの本願第1の特徴構成は、
前記注口を介する湯水の本体ボディからの流出を阻止可能な弁機構と、前記弁機構を操作する給湯操作部を備え、
前記給湯操作部を前記ハンドルに設けるとともに、上面視、前記注口と前記給湯操作部との間に、前記弁機構を前記注口側に寄せて設けたことにある。
【0007】
電気ケトルでは、その前後方向として注口を前側、ハンドルを後ろ側として定義することができる。そして、本願に係る電気ケトルでは、この前後方向の注口側に弁機構を設けるとともに、ハンドルに給湯操作部を設ける。結果、ハンドル側から給湯操作を行いながら注口に寄せて設けられた弁機構を開閉操作することができ、使い勝手が良い。また、給湯操作時の残水量を極力、低減することができる。そして、この構成では、弁体を注口側に寄せるため、迅速に給湯を開始できる。
【0008】
上記構成において、前記弁機構が、蓋本体に設けられる弁座と、当該弁座に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体と、前記弁体を閉状態側に付勢する弁体付勢機構とを備えて構成され、
前記弁体が、前記蓋本体に設けられる案内孔内を移動する中心移動軸と、前記中心移動軸と同心に設けられる環状弁部を備えて構成され、
前記案内孔に沿った前記中心移動軸の移動に従って、弁機構が開閉されることが好ましい。この構成が本願第2の特徴構成である。
【0009】
この構成では、弁機構を弁体、弁座、弁体付勢機構で構成するが、弁体付勢機構を閉状態側に弁体を付勢する構成とすることで、案内孔に沿って、中心移動軸が移動操作された状態で開弁される構成とすることができる。さらに、弁体に中心移動軸を設け、この中心移動軸と同心の環状弁部とを備えることで、図13に示す従来構成のように、移動軸と弁部との中心が異ならせてある構造より、弁体の移動における姿勢を安定させることができ、スムーズな移動(開閉弁操作)を実現できる。
【0010】
さらに、前記中心移動軸と同心に設けられ、前記中心移動軸の移動方向に伸びる外径側円筒部を備えるとともに、
前記環状弁部が、前記外径側円筒部から外径側に延出される構成で、
前記外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けることが好ましい。この構成が本願第3の特徴構成である。
【0011】
中心移動軸及び環状弁部を設けるに、さらに、外径側円筒部と補強リブ部を設けることで、弁体自体を剛性が高く、中心移動軸と環状弁部との位置関係が確実に守られる構造を得ることができる。また、外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けることで、外径側円筒部に対して、環状弁部を外径側に、補強リブ部を内径側に設けてひずみ等の発生し難い剛性の高いものとできる。また、補強リブ部を一種の被案内部とすることも可能となる。
【0012】
さらに、前記中心移動軸と前記環状弁部とを、前記中心移動軸の一端側で連結する連結部を備え、前記中心移動軸の外径側周部に、軸方向に延びる凸部を設けるとともに、前記案内孔の内径面に、軸方向に延びる凹部を設け、前記凸部が前記凹部に嵌込して、案内される構成を採用することが好ましい。この構成が本願第4の特徴構成である。
【0013】
このように、前記凸部が前記凹部に嵌込して案内される構成を採用することで、弁体の蓋本体に対する回り止めを実現できる。
【0014】
また、前記弁体付勢機構が、前記蓋本体側に設けられる固定支持部材と、前記固定支持部材に一端側を支持された状態で、前記中心移動軸を閉状態側に付勢する弾性部材とを備えて構成される構造も好ましい。この構成が本願第5の特徴構成である。
固定支持部材を蓋本体側から支持して、弾性部材の付勢座を構成することで、安定した弁体の付勢構造を実現できる。この点からも、弁体の付勢移動を安定したものとできる。ここで、弾性部材としては、コイルスプリング等を採用することができるが、本願においては、案内孔を摺動する中心移動軸を採用する構造とするため、下記する実施形態に示すように、中心移動軸内にコイルスプリングの収納溝を設け、固定支持部材側からコイルスプリングで中心移動軸を閉状態側に付勢する構造とすると、コンパクトな構成で、弁機構の開閉操作を安定したものとできる。
【0015】
さらに、これまで説明してきた構成において、
前記給湯操作部が、前記弁機構の閉状態を維持する待機位置と前記弁機構が開状態とされる操作位置との間で、移動自在に構成されるとともに、前記給湯操作部を前記待機位置に付勢する給湯操作部付勢機構を備え、
前記給湯操作部が前記給湯操作部付勢機構の付勢力に抗して操作位置側へ操作された被操作状態で、前記弁機構が開弁される構成で、
前記待機位置からの前記給湯操作部の操作量に従って、前記弁機構の開度が変化する構成を採用することが好ましい。この構成が本願第6の特徴構成である。
この構成では、待機位置で操作待ちしている給湯操作部を待機位置と操作位置との間で操作することで、弁機構の開閉操作を適切に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本願に係る電気ケトル1の外観視図であり、図2は、その使用状態を示す図であり、図3〜図12は、その内部構造を示す図である。
【0017】
電気ケトル1は、電源プレート2とケトル本体3から構成されている。
電源プレート2は、外形円形のプレートとして構成されており、その上面の中心側に給電機構4を備えている。その下面は電源ケーブル5の収納部となっている。使用時には、電源プレート2の下面から電源ケーブル5を引き出し、コンセント(図外)に接続することで、給電機構4を介して、ケトル本体3に給電可能となる。
給電機構4は、電源プレート2の中心側位置に、その上面より突出して形成されており、この給電機構4の外観形状は概略円柱状となっている。給電機構4は、中心穴4aと、その中心穴4aと同心に設けられる環状穴4bとを備え、これら穴4a,4bに設けられる電極部(給電用)と、給電機構4の円柱状外周部位の周方向一部に設けられる検知用電極4cとを備えている。この検知用電極4cは、電源プレート2とケトル本体3とが給電姿勢にあることを検知する。
電源プレート2上にケトル本体3が載置された給電状態(給電姿勢)においては、図3に示すように、給電機構4がケトル本体3内に嵌り込み、ケトル本体3に設けられる受電機構17を介して給電が可能となる。
【0018】
ケトル本体3は、上側開放の概略容器形状に構成される本体ボディ7と、その開口を覆う蓋体8とを主な部材として構成されている。この蓋体8は、ケトル本体3の上部、本体横断方向の一端に設けられた揺動軸8a周りに揺動自在に構成されており、蓋体8を上側に揺動させて蓋を開放した状態(開放姿勢)で、本体ボディ7内に注水することが可能となる。一方、蓋体8が本体ボディ7の開口を閉止した状態(閉止姿勢)で、湯の加熱が可能となっている。
本例では、図3に示すように、本体ボディ7内に樹脂製の本体ボディ7とは別体のステンレス製の内容器70を別に備えている。蓋体8は、図3、図9、図10に示すように、概略円柱状に構成され、非常に複雑な構成の蓋本体80と、この蓋本体80に上方から被さる蓋カバー81と、蓋本体80の下側に結合され、閉状態で内容器70を密閉する容器用パッキン82を備えた下板83を備えて構成されている。上記蓋カバー81には蒸気口12が、上記下板83には、湯水の流通孔83a及び蒸気の流通孔83bが夫々設けられている。
後に詳細に説明するが、本願の電気ケトル1では、注口9に対する弁機構20と、給湯操作ボタン14との間に、給湯操作ボタン14の位置に従って、本体ボディ前後方向に移動自在な移動部材25が設けられている。
【0019】
図1〜図3に示すように、ケトル本体3には、その上部側に注口9を、この注口9の本体ボディ前後方向反対側にハンドル10を備えている。さらに、注口9とハンドル10との間に、注口9側から、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11を備えるとともに、蒸気口12を備えている。
【0020】
注口9の内部側には給湯制御用の弁体50が設けられており、この弁体50が、給湯操作ボタン14の操作状況に応じて、上下方向に移動制御されることで、ケトル本体3を傾けても、給湯操作ボタン14が押し込み姿勢に無い限り、注口9から湯がでることがないように構成されている。図3に示す給湯操作ボタン14の突出姿勢(待機位置)では、湯が出ることはない。一方、図5に示す、給湯操作ボタン14の引退姿勢(操作位置)では、給湯が可能である。
【0021】
ケトル本体3の下部、ハンドル10の下側には加熱操作スイッチ15(始動スイッチの一例)が備えられ、この加熱操作スイッチ15を下側に押下げ操作することで、加熱機構16による加熱を開始することができる。図3に示すように、加熱操作スイッチ15が上側位置を取る待機姿勢で、加熱開始操作を待機する。一方、加熱操作スイッチ15が下側位置を取る加熱維持姿勢で、加熱を継続する。
加熱機構16は、受電機構17から電気の供給を受ける電気ヒータから構成されており、電気ヒータは、ケトル本体の下部に円周状を成して配置されている。
【0022】
図3、図4に示すように受電機構17は、ケトル本体3の中心側位置に、その底面から引退して形成されており、この受電機構17も、その外観形状は概略円柱状となっている。受電機構17は、中心ガイドピン17aと、その中心ガイドピン17aと同心に設けられる内径側環状電極17bと、さらに外径側に設けられる外径側環状電極17cとを備えている。これら3つの電極は、受電用の一対の電極と受電姿勢検知用の電極である。
先にも説明したように、電源プレート2上にケトル本体3が載置された給電状態(給電姿勢)においては、給電機構4がケトル本体3内に嵌り込み、互いの電極が電気的に接続されて受電が可能となる。
【0023】
図3、図4に示すように、前記受電機構17と前記加熱操作スイッチ15とは、電気ケトル1において広く使用されている連動ユニット18で連結されている。この連動ユニット18の構成を説明すると、ケトル本体3側に受電機構17を備えるとともに、この受電機構17と一体に外周方向に延びる固定腕部18bを備えたユニット本体18aと、その腕部18bの上部側に設けられ、ユニット本体18aに対して上下方向に揺動自在な揺動腕部18cとを備えて構成されている。
【0024】
前記固定腕部18bの外周側端には、ケトル本体上部から導かれる蒸気検知具19(具体的には蒸気感応板からなり、蒸気に感応して変形する)が備えられている。前記揺動腕部18cの先端は、先に説明した加熱操作スイッチ15が連結されている。
ケトル本体3に設けられる受電機構17が、電源プレート2に設けられる給電機構4から電気の供給を受けられる状態で、且つ、蒸気検知具19が蒸気を検知していない状態で、加熱操作スイッチ15は、実線で示すその待機姿勢に保たれる。加熱操作スイッチ15が押し下げ操作されると、前記揺動腕部18cは下方に揺動され加熱維持姿勢に維持されるとともに、加熱機構16への給電を行う。従って、水の加熱が開始される。
加熱によりケトル本体3内の水が沸騰すると、その湯から発生する蒸気がケトル本体側部に設けられる蒸気路40を介して蒸気検知具19に到達し、この蒸気検知具19の蒸気検知に伴って、下方に揺動姿勢保持されていた前記揺動腕部18cの姿勢保持が解除され、上方に揺動復帰されるとともに、加熱機構16への給電が停止される。同時に、加熱操作スイッチ15は、加熱維持姿勢から待機姿勢に復帰する。
【0025】
従って、連動ユニット18は、受電機構17と連動して、生成される湯から発生する蒸気を検知して、加熱機構16による加熱を停止する停止機構として働く。
【0026】
以上が本願に係る電気ケトル1の構成であるが、以下、この電気ケトル1に採用している特徴構成について説明する。
〔給湯操作〕
図5に示すように、本願に係る電気ケトル1には、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20が設けられており、この弁機構20の給湯操作ボタン14を、蒸気口12に対して上下方向下側の位置で、注口9に対して、蒸気口12を挟む反対側の位置に設けている。そして、上面視、注口9と給湯操作部である給湯操作ボタン14との間に、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20を、内容器70の中央より注口9側に寄せて設けている。
【0027】
そして、弁機構20が、蓋本体80に設けられる弁座22と、当該弁座22に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体50と、この弁体50を閉状態側に付勢する弁体付勢機構23を備えて構成されている。この弁体付勢機構23は図からも判明するように弾性部材であるスプリング23aと、下板83の上部に位置され、蓋本体80に固定連結された固定支持部材84に下方より支持される座23bである。
弁体50は、蓋本体80に設けられる案内孔85内を移動する中心移動軸51と、中心移動軸51と同心に設けられる環状弁部52を備えて構成され、案内孔85に沿った中心移動軸51の移動に従って、弁機構20が開閉される。
弁体50は、前記中心移動軸51と同心に設けられ、当該中心移動軸51の移動方向に伸びる外径側円筒部53を備えるとともに、前記環状弁部52が外径側円筒部53から外径側に延出されて構成されており、外径側円筒部53から内径側に延出される補強リブ部54が周方向に6箇所設けられている。この例では、この補強リブ54は、中心移動軸51の移動方向に延びる板状に構成されている。
さらに、前記中心移動軸51と前記環状弁部52とを、中心移動軸51の一端側で連結する連結部55を備え、中心移動軸51の外径側周部に、軸方向に延びる凸部56を設けるとともに、案内孔85の内径面に、軸方向に延びる凹部86を設け、前記凸部56が前記凹部86に嵌込して案内される。
【0028】
前記給湯操作ボタン14が、弁機構20の閉状態を維持する待機位置(図3に示す位置)と弁機構20が開状態とされる操作位置(図5に示す位置)との間で、移動自在に構成されるとともに、給湯操作ボタン14を待機位置に付勢する開閉操作部付勢機構24を備えている。そして、給湯操作ボタン14が開閉操作部付勢機構24の付勢力に抗して、図5に示す操作位置側へ操作された被操作状態で、弁機構20が開弁される。
【0029】
本願に係る電気ケトル1では、前記待機位置からの前記給湯操作ボタン14の操作量に従って、弁機構20の開度が変化する構成が採用されている。
図3、図5に示すように、弁機構20と、給湯操作ボタン14との間に、給湯操作ボタン14の位置に従って、本体ボディ前後方向に移動自在な移動部材25を設け弁体50に上下方向に移動自在な中心移動軸51を設けるとともに、前記移動部材25の弁体側に、中心移動軸51に当接して、弁体50を弁開方向に移動操作可能な操作部25aを設けている。
そして、図からも判明するように、中心移動軸51が操作部25aに当接する当接状態で、操作部25aとして、弁開度が所定開度に維持される開度維持部26と、弁開度が増加又は減少する開度変更部27とを備えている。具体的には、図5に示すように、この開度維持部26は、蓋体8が閉じられた姿勢で、ほぼ水平方向に延びる水平当接面として構成され、開度変更部27は、給湯操作ボタン14の押し込み操作に従って、中心移動軸51を押下げる方向に働く傾斜当接面となっている。
【0030】
〔蓋開閉〕
以下、図6から図10に基づいて、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11まわりの構成に関して説明する。
図6は、移動部材25と蓋体開閉操作部11の位置関係を示す図であり、図7は、蓋体開閉操作部11が押入操作されて、蓋体8を揺動開操作可能な状態を示す図であり、図8は、給湯操作ボタン14が押し込まれ、移動部材25が注口9側へ移動した状態で、蓋体開閉操作部11の押入操作ができない状態を説明する図面である。さらに、図9、図10は、それぞれ蓋体開閉操作部11まわりの構成を示す分解斜視図である。
【0031】
蓋体8の開閉は、図7に示すように、蓋体開閉操作部11が押入操作されることで、本体ボディ7との係合部材90の係合が外れることで可能となる。即ち、蓋体開閉操作部11の前側(注口側)が押入操作されることで、その揺動軸11a周りに揺動し、係合部材90の係合作用部91が後方に移動することで、係合が外れる。
但し、図8に示すように、給湯操作ボタン14が押し込まれ、移動部材25が注口9側へ移動した状態では、蓋体開閉操作部11の揺動が移動部材25の先端で阻止され、実質的な押入操作を行うことができないように構成してもよい。
【0032】
これら図からも判明するように、係合作用部91は、揺動軸11aより前側で、かつ、揺動軸11aより下側に配置されている。従って、電気ケトル1の上部がスッキリとした構成となるとともに、蓋体8の開閉を良好に行える。
さらに、係合部材90に対しては、この係合部材90を係合側に付勢する係合部材付勢機構92が設けられているが、図9等からも判明するように、前記係合作用部91は、上面視、注口9の位置を挟む形態で一対設けられており、それらの後方に同軸(同一直線上)に、前記係合部材付勢機構92を成す一対のスプリング92aが設けられている。結果、係合部材90が前後方向に均等に付勢できる。同時に、前記蓋体開閉操作部11の係合部材90に対する作用部位11bも、前記係合作用部91に対応して一対設けられるとともに、上面視、同一直線上に重なる位置とされている。結果、係合部材90のスムーズな動作が可能である。
この係合部材90は、上面視では、概略、井桁状に構成されており、移動に伴ってゆがみ等が発生しにくい構成が採用されている。
【0033】
〔残水量の低減〕
本願に係る電気ケトル1では、弁機構20を極力、注口9側に寄せることで、給湯開始の迅速化及び残水量の低減が図られているが、蓋本体の形状構成に関しても工夫が成されている。即ち、図5、図6に示すように、弁機構20のハンドル10側の下面には、弁機構20に近づくに従って内容器70側、即ち、電気ケトル1において下側となる傾斜面28が備えられている。このような傾斜面28を設けることでも、水切れを良好なものとし、残水量を減らすことができる。
【0034】
〔注口下部の集水〕
以下、図5、図11、図12に基づいて、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11まわりの構成に関して説明する。
湯沸し前に使用者が水を内容器70に入れた際、内容器の70のフランジ付近(容器用パッキン82の外側)に水が残ったままとなることがある。湯沸し後、これに気づかず、ケトル本体3を給湯のため傾けてしまうと、蓋体8と本体ボディ7との隙間から、湯が漏れることがある。さらに、容器パッキン82が劣化すると、給湯時に、同じ箇所から湯が漏れる可能性がある。
【0035】
そこで、本願に係る電気ケトル1では、注口9の下部の本体ボディ7の形状に関しても一定の工夫がされている。この部位は、注口9の下部に位置し、本体ボディ7の外郭よりは内側に位置する部位である。先にも示したように、本願に係る電気ケトル1は、内容器70を備えた構成を採用しており、その上面外径部にフランジが備えられている。さらに、このフランジを、本体ボディ7に設けられた支持部7aより支持する構造が採用されている。従って、この構造では、前記支持部7aの上側に容器用パッキン82に対して外部となる空間72が存在する。本願においては、この空間72に残留した水が問題なのであるが、この水を注口9の下部に集める構成を採用している。
【0036】
そこで、本願に係る電気ケトル1では、本体ボディ7の注口9の下部域に、図11に示す傾斜凹部73を形成している。この傾斜凹部73の上面視形状は、注口9センタに近接する程、傾斜凹部の先端が注口側(先端側)に出るように構成されている。図11に示す例では、上面視形状が円弧状に張り出した例であり、図12に示す例は、注口9の幅方向のセンタにおいて、注口9の下部で最も張り出した受け口形状とする例である。この傾斜凹部の73の両側に、先に説明した係合作用部91が係合する被係合部74が一対設けられている。
このように、傾斜凹部73を注口9下部の本体ボディ7部位に設けることで、本体ボディ7を傾けた状態で、フランジ上の湯を、注口下部(幅方向のセンタ)に集めて、外部へ放出することができる。このような傾斜凹部としては、円弧状、受け口状に構成する他、上面視幅方向センタ振り分けの直線状辺を備えた構成としても良い。
【0037】
〔別実施形態〕
(イ) これまで説明してきた実施形態では、沸騰状態を検知して加熱完了状態を検知するものとしたが、湯水の温度を直に検知したり、予測検知したりして、加熱完了を検知し、停止機構を働かせるものとしてもよい。
(ロ) 上記の実施形態においては、弁体に補強リブを設けた構成を示したが、材料選択、他の部位の寸法選択等により、弁体の剛性が充分確保できるのであれば、この補強リブを設ける必要は必ずしもない。また、案内孔に設けられる凹部、中心移動軸に設けられる
凸部に関しても、回り止めが確保できれば同様である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように、ケトル本体を傾けて注湯する給湯時に、片手で容易に操作を行うことができ、さらに、弁機構を注口側に寄せたので、迅速に給湯が始まる電気ケトルを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】電気ケトルの外観を示す図
【図2】使用状態にある電気ケトルを示す図
【図3】給湯操作ボタンが押圧されていない状態での電気ケトルの縦断面図
【図4】電気ケトルの下部縦断面図
【図5】給湯操作ボタンが押圧された状態での電気ケトルの上部縦断面図
【図6】係合部材周りの構成を示す縦断面図
【図7】係合部材による係合が解除された状態を示す図
【図8】移動部材が進入し、係合部材による係合解除ができない状態を示す図
【図9】上方から見た係合部材周りの構成を示す分解斜視図
【図10】下方から見た係合部材周りの構成を示す分解斜視図
【図11】傾斜凹部周りの構造を示す斜視図
【図12】別実施形態の傾斜凹部周りの構造を示す斜視図
【図13】従来構成の電気ケトルの縦断面図
【符号の説明】
【0040】
1 電気ケトル
7 本体ボディ
8 蓋体
9 注口
10 ハンドル
11 蓋体開閉操作部
14 給湯操作ボタン(給湯操作部)
15 加熱操作スイッチ(始動スイッチ)
16 加熱機構
20 弁機構
22 弁座
23 弁体付勢機構
24 給湯操作部付勢機構
25 移動体
50 弁体
51 中心移動軸
85 案内孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気ケトルは、「欲しい時に、欲しい分だけ」というキャッチフレーズのもとに、現在販売されているものであり、電源プレートと、その電源プレートから電力の供給を受けて、ケトル本体に注がれた水を加熱する加熱機構を備えている。加熱により得られる湯は、ケトル本体を電源プレートから持ち上げ、ケトル本体を傾けることで注口から取り出すことができる。
【0003】
加熱完了の検知に関しては、例えば、湯から発生する蒸気を検知部に導き、その蒸気を検知することで、加熱を停止する構成とされている。従って、実際に蒸気が発生している沸騰状態を、簡易な構成で、正確かつ確実に検知して、「欲しい時に、欲しい分だけ」湯を供給できる。この種の電気ケトルは、今日、一般に広く販売されているものではあるが、具体的な出願例は、未だ公開例は少なく、その先行技術を文献で示すことはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人による従来構成の電気ケトルの縦断面図を図13に示した。
この電気ケトル100は、本体ボディ103内の水を加熱する加熱機構101、当該加熱機構101を始動する始動スイッチ(加熱操作スイッチ115)を備えるとともに、加熱完了を検知して加熱機構101による加熱を停止する停止機構118を備えている。
さらに、電気ケトル100は、上部側に開口を有する本体ボディ103と、本体ボディ103の当該開口を閉止する蓋体108とを備えて構成され、蓋体108が開口を閉止する閉止姿勢と、開口が開いた開放姿勢との間で、蓋体108が本体ボディ103に設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成されている。
また、蓋体108には注口109及び蒸気口112を、本体ボディ103にはハンドル110を備えている。
さらに、従来、弁体113の開閉を行う給湯操作ボタン114(給湯操作部の一例)は、電気ケトル100の上部ほぼ中央に設けられ、加熱操作スイッチ115は、ハンドル110の上側に設けられていた。
この構造では、ハンドルを握った状態で加熱開始操作を行うことは可能であるが、給湯時に、ハンドルを保持したまま給湯操作ボタンを、片手で操作することができない。そこで、従来、給湯操作ボタンは開閉何れかの状態に択一的に操作できる開閉操作型とされており、給湯操作ボタンを開状態した後ケトル本体を傾けたり、ケトル本体を傾けた状態で、もう片方の手で給湯操作ボタンを開状態とする必要があり、操作性に改良の余地があった。
また、弁が全開状態又は全閉状態に維持されるのみであるため、給湯量を調整することができず、さらに、本体ボディの傾けに伴って急速に給湯するという点で改良の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、ケトル本体を傾けて注湯する給湯時に、片手で容易に操作を行うことができ、迅速に給湯が始まる電気ケトルを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルの本願第1の特徴構成は、
前記注口を介する湯水の本体ボディからの流出を阻止可能な弁機構と、前記弁機構を操作する給湯操作部を備え、
前記給湯操作部を前記ハンドルに設けるとともに、上面視、前記注口と前記給湯操作部との間に、前記弁機構を前記注口側に寄せて設けたことにある。
【0007】
電気ケトルでは、その前後方向として注口を前側、ハンドルを後ろ側として定義することができる。そして、本願に係る電気ケトルでは、この前後方向の注口側に弁機構を設けるとともに、ハンドルに給湯操作部を設ける。結果、ハンドル側から給湯操作を行いながら注口に寄せて設けられた弁機構を開閉操作することができ、使い勝手が良い。また、給湯操作時の残水量を極力、低減することができる。そして、この構成では、弁体を注口側に寄せるため、迅速に給湯を開始できる。
【0008】
上記構成において、前記弁機構が、蓋本体に設けられる弁座と、当該弁座に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体と、前記弁体を閉状態側に付勢する弁体付勢機構とを備えて構成され、
前記弁体が、前記蓋本体に設けられる案内孔内を移動する中心移動軸と、前記中心移動軸と同心に設けられる環状弁部を備えて構成され、
前記案内孔に沿った前記中心移動軸の移動に従って、弁機構が開閉されることが好ましい。この構成が本願第2の特徴構成である。
【0009】
この構成では、弁機構を弁体、弁座、弁体付勢機構で構成するが、弁体付勢機構を閉状態側に弁体を付勢する構成とすることで、案内孔に沿って、中心移動軸が移動操作された状態で開弁される構成とすることができる。さらに、弁体に中心移動軸を設け、この中心移動軸と同心の環状弁部とを備えることで、図13に示す従来構成のように、移動軸と弁部との中心が異ならせてある構造より、弁体の移動における姿勢を安定させることができ、スムーズな移動(開閉弁操作)を実現できる。
【0010】
さらに、前記中心移動軸と同心に設けられ、前記中心移動軸の移動方向に伸びる外径側円筒部を備えるとともに、
前記環状弁部が、前記外径側円筒部から外径側に延出される構成で、
前記外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けることが好ましい。この構成が本願第3の特徴構成である。
【0011】
中心移動軸及び環状弁部を設けるに、さらに、外径側円筒部と補強リブ部を設けることで、弁体自体を剛性が高く、中心移動軸と環状弁部との位置関係が確実に守られる構造を得ることができる。また、外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けることで、外径側円筒部に対して、環状弁部を外径側に、補強リブ部を内径側に設けてひずみ等の発生し難い剛性の高いものとできる。また、補強リブ部を一種の被案内部とすることも可能となる。
【0012】
さらに、前記中心移動軸と前記環状弁部とを、前記中心移動軸の一端側で連結する連結部を備え、前記中心移動軸の外径側周部に、軸方向に延びる凸部を設けるとともに、前記案内孔の内径面に、軸方向に延びる凹部を設け、前記凸部が前記凹部に嵌込して、案内される構成を採用することが好ましい。この構成が本願第4の特徴構成である。
【0013】
このように、前記凸部が前記凹部に嵌込して案内される構成を採用することで、弁体の蓋本体に対する回り止めを実現できる。
【0014】
また、前記弁体付勢機構が、前記蓋本体側に設けられる固定支持部材と、前記固定支持部材に一端側を支持された状態で、前記中心移動軸を閉状態側に付勢する弾性部材とを備えて構成される構造も好ましい。この構成が本願第5の特徴構成である。
固定支持部材を蓋本体側から支持して、弾性部材の付勢座を構成することで、安定した弁体の付勢構造を実現できる。この点からも、弁体の付勢移動を安定したものとできる。ここで、弾性部材としては、コイルスプリング等を採用することができるが、本願においては、案内孔を摺動する中心移動軸を採用する構造とするため、下記する実施形態に示すように、中心移動軸内にコイルスプリングの収納溝を設け、固定支持部材側からコイルスプリングで中心移動軸を閉状態側に付勢する構造とすると、コンパクトな構成で、弁機構の開閉操作を安定したものとできる。
【0015】
さらに、これまで説明してきた構成において、
前記給湯操作部が、前記弁機構の閉状態を維持する待機位置と前記弁機構が開状態とされる操作位置との間で、移動自在に構成されるとともに、前記給湯操作部を前記待機位置に付勢する給湯操作部付勢機構を備え、
前記給湯操作部が前記給湯操作部付勢機構の付勢力に抗して操作位置側へ操作された被操作状態で、前記弁機構が開弁される構成で、
前記待機位置からの前記給湯操作部の操作量に従って、前記弁機構の開度が変化する構成を採用することが好ましい。この構成が本願第6の特徴構成である。
この構成では、待機位置で操作待ちしている給湯操作部を待機位置と操作位置との間で操作することで、弁機構の開閉操作を適切に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本願に係る電気ケトル1の外観視図であり、図2は、その使用状態を示す図であり、図3〜図12は、その内部構造を示す図である。
【0017】
電気ケトル1は、電源プレート2とケトル本体3から構成されている。
電源プレート2は、外形円形のプレートとして構成されており、その上面の中心側に給電機構4を備えている。その下面は電源ケーブル5の収納部となっている。使用時には、電源プレート2の下面から電源ケーブル5を引き出し、コンセント(図外)に接続することで、給電機構4を介して、ケトル本体3に給電可能となる。
給電機構4は、電源プレート2の中心側位置に、その上面より突出して形成されており、この給電機構4の外観形状は概略円柱状となっている。給電機構4は、中心穴4aと、その中心穴4aと同心に設けられる環状穴4bとを備え、これら穴4a,4bに設けられる電極部(給電用)と、給電機構4の円柱状外周部位の周方向一部に設けられる検知用電極4cとを備えている。この検知用電極4cは、電源プレート2とケトル本体3とが給電姿勢にあることを検知する。
電源プレート2上にケトル本体3が載置された給電状態(給電姿勢)においては、図3に示すように、給電機構4がケトル本体3内に嵌り込み、ケトル本体3に設けられる受電機構17を介して給電が可能となる。
【0018】
ケトル本体3は、上側開放の概略容器形状に構成される本体ボディ7と、その開口を覆う蓋体8とを主な部材として構成されている。この蓋体8は、ケトル本体3の上部、本体横断方向の一端に設けられた揺動軸8a周りに揺動自在に構成されており、蓋体8を上側に揺動させて蓋を開放した状態(開放姿勢)で、本体ボディ7内に注水することが可能となる。一方、蓋体8が本体ボディ7の開口を閉止した状態(閉止姿勢)で、湯の加熱が可能となっている。
本例では、図3に示すように、本体ボディ7内に樹脂製の本体ボディ7とは別体のステンレス製の内容器70を別に備えている。蓋体8は、図3、図9、図10に示すように、概略円柱状に構成され、非常に複雑な構成の蓋本体80と、この蓋本体80に上方から被さる蓋カバー81と、蓋本体80の下側に結合され、閉状態で内容器70を密閉する容器用パッキン82を備えた下板83を備えて構成されている。上記蓋カバー81には蒸気口12が、上記下板83には、湯水の流通孔83a及び蒸気の流通孔83bが夫々設けられている。
後に詳細に説明するが、本願の電気ケトル1では、注口9に対する弁機構20と、給湯操作ボタン14との間に、給湯操作ボタン14の位置に従って、本体ボディ前後方向に移動自在な移動部材25が設けられている。
【0019】
図1〜図3に示すように、ケトル本体3には、その上部側に注口9を、この注口9の本体ボディ前後方向反対側にハンドル10を備えている。さらに、注口9とハンドル10との間に、注口9側から、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11を備えるとともに、蒸気口12を備えている。
【0020】
注口9の内部側には給湯制御用の弁体50が設けられており、この弁体50が、給湯操作ボタン14の操作状況に応じて、上下方向に移動制御されることで、ケトル本体3を傾けても、給湯操作ボタン14が押し込み姿勢に無い限り、注口9から湯がでることがないように構成されている。図3に示す給湯操作ボタン14の突出姿勢(待機位置)では、湯が出ることはない。一方、図5に示す、給湯操作ボタン14の引退姿勢(操作位置)では、給湯が可能である。
【0021】
ケトル本体3の下部、ハンドル10の下側には加熱操作スイッチ15(始動スイッチの一例)が備えられ、この加熱操作スイッチ15を下側に押下げ操作することで、加熱機構16による加熱を開始することができる。図3に示すように、加熱操作スイッチ15が上側位置を取る待機姿勢で、加熱開始操作を待機する。一方、加熱操作スイッチ15が下側位置を取る加熱維持姿勢で、加熱を継続する。
加熱機構16は、受電機構17から電気の供給を受ける電気ヒータから構成されており、電気ヒータは、ケトル本体の下部に円周状を成して配置されている。
【0022】
図3、図4に示すように受電機構17は、ケトル本体3の中心側位置に、その底面から引退して形成されており、この受電機構17も、その外観形状は概略円柱状となっている。受電機構17は、中心ガイドピン17aと、その中心ガイドピン17aと同心に設けられる内径側環状電極17bと、さらに外径側に設けられる外径側環状電極17cとを備えている。これら3つの電極は、受電用の一対の電極と受電姿勢検知用の電極である。
先にも説明したように、電源プレート2上にケトル本体3が載置された給電状態(給電姿勢)においては、給電機構4がケトル本体3内に嵌り込み、互いの電極が電気的に接続されて受電が可能となる。
【0023】
図3、図4に示すように、前記受電機構17と前記加熱操作スイッチ15とは、電気ケトル1において広く使用されている連動ユニット18で連結されている。この連動ユニット18の構成を説明すると、ケトル本体3側に受電機構17を備えるとともに、この受電機構17と一体に外周方向に延びる固定腕部18bを備えたユニット本体18aと、その腕部18bの上部側に設けられ、ユニット本体18aに対して上下方向に揺動自在な揺動腕部18cとを備えて構成されている。
【0024】
前記固定腕部18bの外周側端には、ケトル本体上部から導かれる蒸気検知具19(具体的には蒸気感応板からなり、蒸気に感応して変形する)が備えられている。前記揺動腕部18cの先端は、先に説明した加熱操作スイッチ15が連結されている。
ケトル本体3に設けられる受電機構17が、電源プレート2に設けられる給電機構4から電気の供給を受けられる状態で、且つ、蒸気検知具19が蒸気を検知していない状態で、加熱操作スイッチ15は、実線で示すその待機姿勢に保たれる。加熱操作スイッチ15が押し下げ操作されると、前記揺動腕部18cは下方に揺動され加熱維持姿勢に維持されるとともに、加熱機構16への給電を行う。従って、水の加熱が開始される。
加熱によりケトル本体3内の水が沸騰すると、その湯から発生する蒸気がケトル本体側部に設けられる蒸気路40を介して蒸気検知具19に到達し、この蒸気検知具19の蒸気検知に伴って、下方に揺動姿勢保持されていた前記揺動腕部18cの姿勢保持が解除され、上方に揺動復帰されるとともに、加熱機構16への給電が停止される。同時に、加熱操作スイッチ15は、加熱維持姿勢から待機姿勢に復帰する。
【0025】
従って、連動ユニット18は、受電機構17と連動して、生成される湯から発生する蒸気を検知して、加熱機構16による加熱を停止する停止機構として働く。
【0026】
以上が本願に係る電気ケトル1の構成であるが、以下、この電気ケトル1に採用している特徴構成について説明する。
〔給湯操作〕
図5に示すように、本願に係る電気ケトル1には、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20が設けられており、この弁機構20の給湯操作ボタン14を、蒸気口12に対して上下方向下側の位置で、注口9に対して、蒸気口12を挟む反対側の位置に設けている。そして、上面視、注口9と給湯操作部である給湯操作ボタン14との間に、注口9を介する湯水の本体ボディ7からの流出を阻止可能な弁機構20を、内容器70の中央より注口9側に寄せて設けている。
【0027】
そして、弁機構20が、蓋本体80に設けられる弁座22と、当該弁座22に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体50と、この弁体50を閉状態側に付勢する弁体付勢機構23を備えて構成されている。この弁体付勢機構23は図からも判明するように弾性部材であるスプリング23aと、下板83の上部に位置され、蓋本体80に固定連結された固定支持部材84に下方より支持される座23bである。
弁体50は、蓋本体80に設けられる案内孔85内を移動する中心移動軸51と、中心移動軸51と同心に設けられる環状弁部52を備えて構成され、案内孔85に沿った中心移動軸51の移動に従って、弁機構20が開閉される。
弁体50は、前記中心移動軸51と同心に設けられ、当該中心移動軸51の移動方向に伸びる外径側円筒部53を備えるとともに、前記環状弁部52が外径側円筒部53から外径側に延出されて構成されており、外径側円筒部53から内径側に延出される補強リブ部54が周方向に6箇所設けられている。この例では、この補強リブ54は、中心移動軸51の移動方向に延びる板状に構成されている。
さらに、前記中心移動軸51と前記環状弁部52とを、中心移動軸51の一端側で連結する連結部55を備え、中心移動軸51の外径側周部に、軸方向に延びる凸部56を設けるとともに、案内孔85の内径面に、軸方向に延びる凹部86を設け、前記凸部56が前記凹部86に嵌込して案内される。
【0028】
前記給湯操作ボタン14が、弁機構20の閉状態を維持する待機位置(図3に示す位置)と弁機構20が開状態とされる操作位置(図5に示す位置)との間で、移動自在に構成されるとともに、給湯操作ボタン14を待機位置に付勢する開閉操作部付勢機構24を備えている。そして、給湯操作ボタン14が開閉操作部付勢機構24の付勢力に抗して、図5に示す操作位置側へ操作された被操作状態で、弁機構20が開弁される。
【0029】
本願に係る電気ケトル1では、前記待機位置からの前記給湯操作ボタン14の操作量に従って、弁機構20の開度が変化する構成が採用されている。
図3、図5に示すように、弁機構20と、給湯操作ボタン14との間に、給湯操作ボタン14の位置に従って、本体ボディ前後方向に移動自在な移動部材25を設け弁体50に上下方向に移動自在な中心移動軸51を設けるとともに、前記移動部材25の弁体側に、中心移動軸51に当接して、弁体50を弁開方向に移動操作可能な操作部25aを設けている。
そして、図からも判明するように、中心移動軸51が操作部25aに当接する当接状態で、操作部25aとして、弁開度が所定開度に維持される開度維持部26と、弁開度が増加又は減少する開度変更部27とを備えている。具体的には、図5に示すように、この開度維持部26は、蓋体8が閉じられた姿勢で、ほぼ水平方向に延びる水平当接面として構成され、開度変更部27は、給湯操作ボタン14の押し込み操作に従って、中心移動軸51を押下げる方向に働く傾斜当接面となっている。
【0030】
〔蓋開閉〕
以下、図6から図10に基づいて、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11まわりの構成に関して説明する。
図6は、移動部材25と蓋体開閉操作部11の位置関係を示す図であり、図7は、蓋体開閉操作部11が押入操作されて、蓋体8を揺動開操作可能な状態を示す図であり、図8は、給湯操作ボタン14が押し込まれ、移動部材25が注口9側へ移動した状態で、蓋体開閉操作部11の押入操作ができない状態を説明する図面である。さらに、図9、図10は、それぞれ蓋体開閉操作部11まわりの構成を示す分解斜視図である。
【0031】
蓋体8の開閉は、図7に示すように、蓋体開閉操作部11が押入操作されることで、本体ボディ7との係合部材90の係合が外れることで可能となる。即ち、蓋体開閉操作部11の前側(注口側)が押入操作されることで、その揺動軸11a周りに揺動し、係合部材90の係合作用部91が後方に移動することで、係合が外れる。
但し、図8に示すように、給湯操作ボタン14が押し込まれ、移動部材25が注口9側へ移動した状態では、蓋体開閉操作部11の揺動が移動部材25の先端で阻止され、実質的な押入操作を行うことができないように構成してもよい。
【0032】
これら図からも判明するように、係合作用部91は、揺動軸11aより前側で、かつ、揺動軸11aより下側に配置されている。従って、電気ケトル1の上部がスッキリとした構成となるとともに、蓋体8の開閉を良好に行える。
さらに、係合部材90に対しては、この係合部材90を係合側に付勢する係合部材付勢機構92が設けられているが、図9等からも判明するように、前記係合作用部91は、上面視、注口9の位置を挟む形態で一対設けられており、それらの後方に同軸(同一直線上)に、前記係合部材付勢機構92を成す一対のスプリング92aが設けられている。結果、係合部材90が前後方向に均等に付勢できる。同時に、前記蓋体開閉操作部11の係合部材90に対する作用部位11bも、前記係合作用部91に対応して一対設けられるとともに、上面視、同一直線上に重なる位置とされている。結果、係合部材90のスムーズな動作が可能である。
この係合部材90は、上面視では、概略、井桁状に構成されており、移動に伴ってゆがみ等が発生しにくい構成が採用されている。
【0033】
〔残水量の低減〕
本願に係る電気ケトル1では、弁機構20を極力、注口9側に寄せることで、給湯開始の迅速化及び残水量の低減が図られているが、蓋本体の形状構成に関しても工夫が成されている。即ち、図5、図6に示すように、弁機構20のハンドル10側の下面には、弁機構20に近づくに従って内容器70側、即ち、電気ケトル1において下側となる傾斜面28が備えられている。このような傾斜面28を設けることでも、水切れを良好なものとし、残水量を減らすことができる。
【0034】
〔注口下部の集水〕
以下、図5、図11、図12に基づいて、蓋体8の開閉のための蓋体開閉操作部11まわりの構成に関して説明する。
湯沸し前に使用者が水を内容器70に入れた際、内容器の70のフランジ付近(容器用パッキン82の外側)に水が残ったままとなることがある。湯沸し後、これに気づかず、ケトル本体3を給湯のため傾けてしまうと、蓋体8と本体ボディ7との隙間から、湯が漏れることがある。さらに、容器パッキン82が劣化すると、給湯時に、同じ箇所から湯が漏れる可能性がある。
【0035】
そこで、本願に係る電気ケトル1では、注口9の下部の本体ボディ7の形状に関しても一定の工夫がされている。この部位は、注口9の下部に位置し、本体ボディ7の外郭よりは内側に位置する部位である。先にも示したように、本願に係る電気ケトル1は、内容器70を備えた構成を採用しており、その上面外径部にフランジが備えられている。さらに、このフランジを、本体ボディ7に設けられた支持部7aより支持する構造が採用されている。従って、この構造では、前記支持部7aの上側に容器用パッキン82に対して外部となる空間72が存在する。本願においては、この空間72に残留した水が問題なのであるが、この水を注口9の下部に集める構成を採用している。
【0036】
そこで、本願に係る電気ケトル1では、本体ボディ7の注口9の下部域に、図11に示す傾斜凹部73を形成している。この傾斜凹部73の上面視形状は、注口9センタに近接する程、傾斜凹部の先端が注口側(先端側)に出るように構成されている。図11に示す例では、上面視形状が円弧状に張り出した例であり、図12に示す例は、注口9の幅方向のセンタにおいて、注口9の下部で最も張り出した受け口形状とする例である。この傾斜凹部の73の両側に、先に説明した係合作用部91が係合する被係合部74が一対設けられている。
このように、傾斜凹部73を注口9下部の本体ボディ7部位に設けることで、本体ボディ7を傾けた状態で、フランジ上の湯を、注口下部(幅方向のセンタ)に集めて、外部へ放出することができる。このような傾斜凹部としては、円弧状、受け口状に構成する他、上面視幅方向センタ振り分けの直線状辺を備えた構成としても良い。
【0037】
〔別実施形態〕
(イ) これまで説明してきた実施形態では、沸騰状態を検知して加熱完了状態を検知するものとしたが、湯水の温度を直に検知したり、予測検知したりして、加熱完了を検知し、停止機構を働かせるものとしてもよい。
(ロ) 上記の実施形態においては、弁体に補強リブを設けた構成を示したが、材料選択、他の部位の寸法選択等により、弁体の剛性が充分確保できるのであれば、この補強リブを設ける必要は必ずしもない。また、案内孔に設けられる凹部、中心移動軸に設けられる
凸部に関しても、回り止めが確保できれば同様である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように、ケトル本体を傾けて注湯する給湯時に、片手で容易に操作を行うことができ、さらに、弁機構を注口側に寄せたので、迅速に給湯が始まる電気ケトルを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】電気ケトルの外観を示す図
【図2】使用状態にある電気ケトルを示す図
【図3】給湯操作ボタンが押圧されていない状態での電気ケトルの縦断面図
【図4】電気ケトルの下部縦断面図
【図5】給湯操作ボタンが押圧された状態での電気ケトルの上部縦断面図
【図6】係合部材周りの構成を示す縦断面図
【図7】係合部材による係合が解除された状態を示す図
【図8】移動部材が進入し、係合部材による係合解除ができない状態を示す図
【図9】上方から見た係合部材周りの構成を示す分解斜視図
【図10】下方から見た係合部材周りの構成を示す分解斜視図
【図11】傾斜凹部周りの構造を示す斜視図
【図12】別実施形態の傾斜凹部周りの構造を示す斜視図
【図13】従来構成の電気ケトルの縦断面図
【符号の説明】
【0040】
1 電気ケトル
7 本体ボディ
8 蓋体
9 注口
10 ハンドル
11 蓋体開閉操作部
14 給湯操作ボタン(給湯操作部)
15 加熱操作スイッチ(始動スイッチ)
16 加熱機構
20 弁機構
22 弁座
23 弁体付勢機構
24 給湯操作部付勢機構
25 移動体
50 弁体
51 中心移動軸
85 案内孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルであって、
前記注口を介する湯水の本体ボディからの流出を阻止可能な弁機構と、前記弁機構を操作する給湯操作部を備え、
前記給湯操作部を前記ハンドルに設けるとともに、上面視、前記注口と前記給湯操作部との間に、前記弁機構を前記注口側に寄せて設けた電気ケトル。
【請求項2】
前記弁機構が、蓋本体に設けられる弁座と、当該弁座に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体と、前記弁体を閉状態側に付勢する弁体付勢機構とを備えて構成され、
前記弁体が、前記蓋本体に設けられる案内孔内を移動する中心移動軸と、前記中心移動軸と同心に設けられる環状弁部を備えて構成され、
前記案内孔に沿った前記中心移動軸の移動に従って弁機構が開閉される請求項1記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記中心移動軸と同心に設けられ、前記中心移動軸の移動方向に伸びる外径側円筒部を備えるとともに、
前記環状弁部が、前記外径側円筒部から外径側に延出される構成で、
前記外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けた請求項2記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記中心移動軸と前記環状弁部とを、前記中心移動軸の一端側で連結する連結部を備え、前記中心移動軸の外径側周部に、軸方向に延びる凸部を設けるとともに、前記案内孔の内径面に、軸方向に延びる凹部を設け、前記凸部が前記凹部に嵌込して案内される請求項2又は3記載の電気ケトル。
【請求項5】
前記弁体付勢機構が、前記蓋本体側に設けられる固定支持部材と、前記固定支持部材に一端側を支持された状態で、前記中心移動軸を閉状態側に付勢する弾性部材とを備えて構成されている請求項2〜4のいずれか一項記載の電気ケトル。
【請求項6】
前記給湯操作部が、前記弁機構の閉状態を維持する待機位置と前記弁機構が開状態とされる操作位置との間で、移動自在に構成されるとともに、前記給湯操作部を前記待機位置に付勢する給湯操作部付勢機構を備え、
前記給湯操作部が前記給湯操作部付勢機構の付勢力に抗して操作位置側へ操作された被操作状態で、前記弁機構が開弁される構成で、
前記待機位置からの前記給湯操作部の操作量に従って、前記弁機構の開度が変化する請求項1から5のいずれか一項記載の電気ケトル。
【請求項1】
本体内の水を加熱する加熱機構、当該加熱機構を始動する始動スイッチを備えるとともに、加熱完了を検知して前記加熱機構による加熱を停止する停止機構を備え、上部側に開口を有する本体ボディと、前記本体ボディの開口を閉止する蓋体とから構成され、
前記蓋体が開口を閉止する閉止姿勢と、前記開口が開いた開放姿勢との間で、前記蓋体が前記本体ボディに設けられる揺動軸周りに揺動可能に構成され、
前記蓋体に注口及び蒸気口を、前記本体ボディにハンドルを備えた電気ケトルであって、
前記注口を介する湯水の本体ボディからの流出を阻止可能な弁機構と、前記弁機構を操作する給湯操作部を備え、
前記給湯操作部を前記ハンドルに設けるとともに、上面視、前記注口と前記給湯操作部との間に、前記弁機構を前記注口側に寄せて設けた電気ケトル。
【請求項2】
前記弁機構が、蓋本体に設けられる弁座と、当該弁座に当接した状態で湯水の流出を阻止する弁体と、前記弁体を閉状態側に付勢する弁体付勢機構とを備えて構成され、
前記弁体が、前記蓋本体に設けられる案内孔内を移動する中心移動軸と、前記中心移動軸と同心に設けられる環状弁部を備えて構成され、
前記案内孔に沿った前記中心移動軸の移動に従って弁機構が開閉される請求項1記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記中心移動軸と同心に設けられ、前記中心移動軸の移動方向に伸びる外径側円筒部を備えるとともに、
前記環状弁部が、前記外径側円筒部から外径側に延出される構成で、
前記外径側円筒部から内径側に延出される補強リブ部を設けた請求項2記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記中心移動軸と前記環状弁部とを、前記中心移動軸の一端側で連結する連結部を備え、前記中心移動軸の外径側周部に、軸方向に延びる凸部を設けるとともに、前記案内孔の内径面に、軸方向に延びる凹部を設け、前記凸部が前記凹部に嵌込して案内される請求項2又は3記載の電気ケトル。
【請求項5】
前記弁体付勢機構が、前記蓋本体側に設けられる固定支持部材と、前記固定支持部材に一端側を支持された状態で、前記中心移動軸を閉状態側に付勢する弾性部材とを備えて構成されている請求項2〜4のいずれか一項記載の電気ケトル。
【請求項6】
前記給湯操作部が、前記弁機構の閉状態を維持する待機位置と前記弁機構が開状態とされる操作位置との間で、移動自在に構成されるとともに、前記給湯操作部を前記待機位置に付勢する給湯操作部付勢機構を備え、
前記給湯操作部が前記給湯操作部付勢機構の付勢力に抗して操作位置側へ操作された被操作状態で、前記弁機構が開弁される構成で、
前記待機位置からの前記給湯操作部の操作量に従って、前記弁機構の開度が変化する請求項1から5のいずれか一項記載の電気ケトル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−69017(P2010−69017A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239894(P2008−239894)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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