説明

電気コネクタ組立体

【課題】ケーブルコネクタのケーブルが不用意な力を受けても、レセプタクルコネクタから抜出されない電気コネクタ組立体を提供する。
【解決手段】ケーブルコネクタ10とレセプタクルコネクタ50の一方が、後方の位置で側壁面にロック突部21を有し、他方がロック突部に対応する位置にロック溝部57を有し、両コネクタが正規の嵌合終了の姿勢で嵌合方向に近接したときにはロック突部21とロック溝57とが干渉し、ケーブルコネクタ10の前端が上向き傾斜して近接したときにロック突部の溝内への進入を許容し、ロック突部21がロック溝部57溝奥部位置まで進入した後に上向き傾斜が解除されてケーブルコネクタ10が正規の嵌合終了の姿勢となった後は、ケーブルコネクタ10がこの姿勢を保って嵌合方向とは反対の抜出方向に移動されようとしたとき、ロック突部21がロック溝部57の突出部59に当接してケーブルコネクタの抜出を阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有する電気コネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
このような電気コネクタ組立体としては、例えば、特許文献1に開示されているコネクタが知られている。この特許文献1の電気コネクタ組立体では、嵌合面が側壁面とこれに直角な端壁面とで形成されており、ケーブルコネクタが後方の端壁面をケーブルの延出側としている。
【0003】
特許文献1では、レセプタクルコネクタは内側に向く側壁面に嵌合突部を有しケーブルコネクタの嵌合時に、該ケーブルコネクタの嵌合凹部に上記嵌合突部が係止してコネクタの抜けを図るロック手段を形成している。該ロック手段は、ケーブルの延出側となる後部の位置で、上記側壁面に設けられている。さらに、この側壁面には前部に斜面からなるカム面が両コネクタに設けられていて、コネクタ嵌合後、ケーブルを後方に引くと、その力が上記両コネクタのカム面で上方向、すなわち、コネクタ抜出方向の力の成分を生ずるようになっていて、この力によって上記ロック手段でのロック力に抗して、コネクタの抜出を容易としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−033150
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような特許文献1のコネクタにあっては、ケーブルコネクタのケーブルを後方に引く力が、意図的に加えられる場合は勿論のこと、不用意に加えられたときでも、上記カム面での抜出方向の力の発生により、ロック手段が解除されてコネクタが抜出されてしまう、すなわち意図せぬ外れを生じてしまう、ということを意味する。
【0006】
ケーブルコネクタにあってはケーブルに不用意な力、しかも、抜出方向成分をもつ力が加えられてしまうことがしばしばある。かかる不用意な力がケーブルに作用すると、特許文献1のコネクタでは、単純なケーブル延出方向の力であっても、上記カム面の働きによって上方向の成分の力が発生しコネクタを抜出してしまう。また、ケーブルに作用する不用意な力に、もともと上向き成分を伴っていると、上記抜出の傾向はさらに強くなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、ケーブルコネクタのケーブルに不用意な力が作用しても、そして、その力が上向き方向の成分を伴っても、ケーブルコネクタを意図的に抜出させない限り、外れない電気コネクタ組立体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気コネクタ組立体は、ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し、嵌合面が側壁面とこれに直角な端壁面とで形成されており、ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている。
【0009】
かかる電気コネクタ組立体において、本発明は、ケーブルコネクタとレセプタクルコネ
クタの一方が、前後方向で後方の端壁面に寄った位置で側壁面に突部前縁と突部後縁が形成されたロック突部を有し、他方が前後方向で該ロック突部に対応する位置で側壁面に溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を有し、該ロック溝部はコネクタ嵌合方向での入口側に溝入口部が形成され、溝部前縁もしくは溝部後縁に溝内方へ突出する突出部が設けられていて、コネクタの嵌合終了時の姿勢で、前後方向における該ロック溝部の溝部前縁の最後方位置と溝部後縁の最前方位置との距離が前後方向におけるロック突部の突部前縁の最前方位置と突部後縁の最後方位置との距離よりも小さく設定されており、ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタが正規の嵌合終了における姿勢で嵌合方向に移動して近接したときには上記ロック突部とロック溝とが干渉し、ケーブルコネクタの前端が後端よりもレセプタクルコネクタに対して離間するように上向き傾斜して近接したときに該ロック突部の溝内への進入を許容し、該ロック突部がロック溝部溝奥部位置まで進入した後に上記上向き傾斜が解除されてケーブルコネクタが正規の嵌合終了の姿勢となった後は、該ケーブルコネクタがこの姿勢を保って嵌合方向とは反対の抜出方向に移動されあるいは後端側がもち上がるようにして抜出方向に移動されようとしたとき、上記ロック突部が上記ロック溝部の突出部に当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようになっていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の本発明の電気コネクタ組立体によると、コネクタの嵌合時には、ケーブルコネクタは、反ケーブル延出側である前端が上向き傾斜姿勢とされて、ロック突部がレセプタクルコネクタのロック溝内へ進入し、しかる後、該ケーブルコネクタの前端が降下して正規の嵌合終了の姿勢をとる。このようにして嵌合された後、ケーブルコネクタは、この嵌合終了時の姿勢のまま抜出方向にもち上げられても、あるいは、ケーブル延出側である後端がもち上げられるようにしてケーブルが後方に引かれても、ロック突部がロック溝の突出部に当接してこのケーブルコネクタの抜出が阻止される。不用意に作用する力は、多くの場合、ケーブルに作用するのでケーブルコネクタの後端が上向きとなる。したがって、本発明は、この不用意な力によるコネクタの外に対し、きわめて効果的である。又、意図的にケーブルコネクタを抜出するときは、該ケーブルコネクタの前端を上向き姿勢としてからもち上げれば、コネクタ嵌合時と逆の要領で容易に抜出できる。コネクタ嵌合後に上記ケーブルコネクタの前端を上向き姿勢とすることは、不用意な力が作用したときとは逆の姿勢とすることであるので、意図的に抜出するときにしかなされない。
【0011】
本発明においては、ロック突部がケーブルコネクタに設けられ、ロック溝部がレセプタクルコネクタに形成されているとすることも、あるいは、ロック突部がレセプタクルコネクタに設けられ、ロック溝部がケーブルコネクタに形成されているようにすることもできる。
【0012】
本発明において、ケーブルコネクタの前端が上向き傾斜姿勢の状態で、該ケーブルコネクタのロック突部がレセプタクルコネクタのロック溝部への進入を容易にするには、ロック突部の突部前縁と突部後縁の少なくとも一方はコネクタ嵌合方向の先方に向け後端側へ傾いて形成されていることとするのがよい。このような形態とすると、ケーブルコネクタの前端が上向き傾斜とする角度だけ、上記傾斜せる突部前縁と突部後縁の少なくとも一方は嵌合方向に近づくので、ロック溝部の溝入口部へ進入可能となる。その際、上記突部前縁と突部後縁とが平行であるならば、共に嵌合方向に近づくので、溝入口部への進入がさらに容易となる。
【0013】
本発明において、ロック突部は、コネクタの正規の嵌合終了の姿勢にて、ロック溝の突出部との近接対向部が斜部を有していることが好ましい。このような傾部を有することにより、ロック突部はロック溝の突出部に、より近い位置で、正規の嵌合終了位置の姿勢となる。したがって嵌合時にこの嵌合終了位置の姿勢に容易に移動し、そして不用意なもち上げ時には、すぐに突出部に当接して、ケーブルコネクタの抜け防止に、すぐに対応でき
る。
【0014】
本発明において、ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタは、コネクタの正規の嵌合終了時に、前端側で互いに係止し合う係止部と被係止部をそれぞれ有していることが好ましい。こうすることにより、あまりないことではあるが、ケーブルコネクタが前端側で不用意にもち上げられようとする力を受けても、上記係止部と被係止部との係止により、ケーブルコネクタは前端が上向き姿勢となることはなく、抜けが防止される。
【0015】
本発明において、レセプタクルコネクタは、底壁部に、上向き傾斜時のケーブルコネクタの後部の進入を許容する切欠部が後方に開放して形成されていることが好ましい。このように、レセプタクルコネクタの底壁部に切欠部が形成されていると、ケーブルコネクタの後部が上記切欠部における空間に入り込むようにして前部が上向き姿勢をとることを容易とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように、ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの一方がその側壁面にロック突部、そして他方がその側壁面の対応位置にロック溝部を有し、ケーブルコネクタの前端が後端よりもレセプタクルコネクタに対して離間するように上向き傾斜して近接したときに該ロック突部の溝内への進入を許容し、該ロック突部がロック溝部溝奥部位置まで進入した後に上記上向き傾斜が解除されてケーブルコネクタが正規の嵌合終了の姿勢となった後は、該ケーブルコネクタがこの姿勢を保って嵌合方向とは反対の抜出方向に移動されあるいは後端側がもち上がるように抜出方向に移動されようとしたときに、上記ロック突部が上記ロック溝部の突出部に当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようにしたので、ケーブルコネクタの後端から延出しているケーブルを不用意に引いても、そしてその引く力がたとえ上向き成分を伴っていても、ロック突部がロック溝部の突出部に当接して、ケーブルコネクタはレセプタクルコネクタから外れることはない。ケーブルを引く不用意な力は、多くの場合、上記の上向き成分を伴っており、このような力に対して、本発明は確実に対処可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態のケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合前の斜視図である。
【図2】図1におけるII-II線でのケーブルコネクタ及びこれに対応する位置でのレセプタクルコネクタの断面図であり、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中そして(C)は嵌合終了時を示す。
【図3】図1におけるIII−III線でのケーブルコネクタ及びこれに対応する位置でのレセプタクルコネクタの断面図であり、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中そして(C)は嵌合終了時を示す。
【図4】図1におけるIV−IV線でのケーブルコネクタ及びこれに対応する位置でのレセプタクルコネクタの断面図であり、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中そして(C)は嵌合終了時を示す。
【図5】本発明の他の実施形態を示す断面図であり、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中そして(C)は嵌合終了時を示す。
【図6】本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態を示す断面図で、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中そして(C)は嵌合終了時を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1において、符号10はケーブルコネクタであり、該ケーブルコネクタ10は相手コ
ネクタとしてのレセプタクルコネクタ50に嵌合し、互いに電気的に接続される。
【0020】
ケーブルコネクタ10は、外形が略直方体をなす電気絶縁材のハウジング11を有し、ケーブルCが結線された端子を上記ハウジング11内で保持している。本実施形態では、ハウジング11の内部には二つの端子が保持されていて、ハウジング11の後方の端壁面12に形成された二つの開口部13から、各端子に結線されたケーブルCがそれぞれ後方へ延出している。
【0021】
図2(A)に見られるように、本実施形態では、端子30は圧着端子である。しかし、本発明において、端子は圧着端子に限らず、圧接結線、半田結線等の他の方法で結線される端子であってもよい。上記端子30は、金属板を成形そして屈曲させて作られていて、帯状の平板部31と、該平板部31の両側縁から対をなして延びる保持片32、圧着片33、係止片34そして接触片35を順に有している。かかる端子30に結線されるケーブルCは先端部にて外皮C1が除去されていて、芯線C2が露呈している。上記端子20の保持片32はケーブルCの外皮C1を緊締するように曲げられてケーブルCを保持し、圧着片33は芯線C2を緊締するように曲げられて該芯線C2と圧着結線されている。係止片34は、芯線C2よりも前方(図2にて右方)にあり、後述のハウジングの対応せる係止端に対し、後方に向け係止してケーブル付端子の抜けを防止している。一対の接触片35は延出方向(図2にて下方向)中間位置にて、くびれた喉状部35Aを有し、一対の接触片35の間に下方から進入するレセプタクルコネクタ50の板状の端子を挟圧して該端子との接触を図るようになっている。
【0022】
ハウジング11は、図2(A)に見られるように、上記ケーブルCが結線された端子30をケーブル長手方向に挿入するため上記開口部13から前方へ延びる端子孔14が形成されており、該端子孔14は前方の端壁面15に貫通開口していると共に、ハウジング11の前部にて底壁16でも下方に開口していて上記前方の端壁面15寄り部分に端子進入スリット17を形成し、その後方に係止孔18を形成している。上記端子進入スリット17は、上記相手コネクタたるレセプタクルコネクタ50の板状の端子の進入のためにその板厚より若干大きい幅(図2(A)にて紙面に直角方向のスリット幅)を形成している。また、この端子進入スリット17の後方で該端子進入スリット17に隣接する係止孔18は、該端子進入スリット17よりも、紙面に直角方向で、大きい幅に形成されていて、上記端子30の一対の係止片34が上方から進入可能となっている。該係止孔18の後端をなすハウジング11の底壁16の端縁は係止端16Aを形成し、上記係止片34の後退を阻止する。該係止片34は、端子30を端子孔14への挿入時、該係止片34と底壁16との間の相対的弾性変位により前進して係止孔18の位置にまで達して上記係止端16Aとの係止可能状態となる。
【0023】
上記ハウジング11は、前端に上壁の延長部として、該前端を摘んでもち上げるための持上げ片19を有している。
【0024】
上記ハウジング11は、上記後方そして前方の端壁面12,15と共に側壁面20が周面をなし、相手コネクタたるレセプタクルコネクタ50と嵌合する嵌合面を形成している。上記側壁面20には、その後部位置にロック突部21がそして前部下縁位置に係止部22がそれぞれ設けられている。
【0025】
上記ロック突部21は、図1そして図3(A)に見られるように、突部前縁21A、突部後縁21Bとを有し、両者21A,21Bは、コネクタ嵌合方向、すなわち図1にて下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しており、本実施形態では互いに平行となっている。突部前縁21Aの上方には斜部21Cが形成されている。また、ロック突部21の下縁は、相手コネクタとの嵌合を容易とするテーパ部21Dが形成されている(図1参照)。
【0026】
一方、係止部22は、ハウジング11の下縁から下方に突出した状態で前後方向に延びている。この係止部22には、その上縁そして下縁に相手コネクタとの嵌合の際の相手方たる後述の被係止部との係止そして解除を容易とするテーパ部22A,22Bが形成されている。この係止部22はハウジング11の側壁部20の面に対し直角方向で弾性変位可能となっている。
【0027】
上記ケーブルコネクタ10を受け入れるレセプタクルコネクタ50のハウジング51は、その受入れのための空間として周壁と底壁で形成される凹部52を形成している(図1参照)。ハウジング51の周壁は、一対の平行な側壁53、前端壁54そして後端壁55を有している。そして、周壁の下部と連結されている底壁56は、その後部に、後方へ開放された切欠部56Aが形成されている。
【0028】
上記側壁53は、凹部52の内方に向く側壁面53Aの後部位置にロック溝部57そして、前部位置には係止溝部58が形成されている。
【0029】
ロック溝部57は、溝部前縁57Aと溝部後縁57Bとの間で上下方向に貫通して形成されている。上記溝部前縁57Aの上部には、後方へ向け溝内に突出する突出部59が設けられている。該突出部59は、ロック溝57の入口側すなわち上縁部に、テーパ部59Aを有している。該突出部59は、このテーパ部59Aよりも下の部分が下方に延びる垂直部59Bをなしているが、この形は特に重要ではなく、本実施形態では、上記テーパ部59Aを有する突出部59となっていればよい。上記溝部前縁57Aは突出部59の下方に位置する部分が下方に向く垂直前縁をなしているが、この垂直前縁もその形は自由であり、上記突出部59の下方に既述のロック突部21を収容する空間を形成していればよい。上記ロック溝部57の溝部後縁57Bは、ロック溝57の入口から下方に向け前方へ傾く案内傾斜部57B−1とその下方に位置する垂直部57B−2とを有している。上記傾斜部57B−1は、上下方向で、上記突出部59よりも下方位置にまで及んでいる。
【0030】
次に、上述したロック突部21とロック溝部57における前後方向での寸法関係について説明する。
【0031】
ロック突部21は、ケーブルコネクタ10が、図3(A)に示されるような嵌合終了時の姿勢、すなわちケーブルコネクタ10の上面、下面そしてケーブルがいずれも水平方向に延びていて前端がもち上がっていない姿勢のときに、突部前縁21Aの最前方位置と突部後縁21Bの最後方位置との距離Aが該ロック突部21の前後方向幅として最大値をとる。これに対して、レセプタクルコネクタ50のロック溝57は、前後方向における溝幅としては、突出部59の後端位置と垂直部57B−2の位置との間の前後方向での距離Bが最小値である。本発明では、上記距離B<距離Aとなっている。すなわち、図3(A)の姿勢で上記ケーブルコネクタ10をそのまま降下させても、ロック突部21はロック溝部57の奥部までは進入できないことを意味しており、コネクタの嵌合ができない。しかしながら、図3(A)にも見られるように、ロック突部21の突部前縁21Aと突部後縁21Bはいずれも嵌合方向先方に向け後端側へ傾いていて、しかも両者は平行なので、この傾いている角度の分だけを、前端側にもち上げられる上向き傾斜させた姿勢とすれば、そのときの突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離A’そして上記距離Bとの関係は、距離A’<距離B<距離Aという関係となることができる。さらに、本発明では、この距離A’は、レセプタクルコネクタ50における距離Bに対して、距離A’<距離Bの関係にあるので、したがって、上記ケーブルコネクタ10の前端側がもち上がっている上向傾斜の姿勢では、上記ロック突部21はロック溝57の奥部まで進入可能となる。さらに、該ロック溝57は突出部59よりも下方部分が上記ロック突部21を収容するに足りる空間を形成しているので、上記ロック突部21は、水平状態のケーブルコネクタ10の姿勢
に戻ることが可能となる。このことは、この水平状態の姿勢において、ロック突部21は、ケーブルコネクタが嵌合方向とは逆方向に抜出されようとしても、距離B<距離Aの関係で、上記突出部59と干渉して、抜出できないことを意味する。
【0032】
上記レセプタクルコネクタ50は、前方位置に形成された係止溝部58内に、前後方向に延びる突条部として被係止部60が設けられている(図4をも参照)。上記係止溝部58は、ケーブルコネクタ10の係止部22が進入可能とする前後方向での溝幅を有しており、上記被係止部60も該係止部22の前後方向寸法に対応する長さとなっている。上記被係止部60は、係止部22と同様に、上縁そして下縁に、該係止部22との係止そして解除を容易とするために、図4に見られるように、テーパ部60Aとテーパ部60Bがそれぞれ形成されている。
【0033】
レセプタクルコネクタ50には、図1そして図2(A)に見られるように、その前端壁54の内面側に二つの端子61が設けられている。該端子61は、コネクタの前後方向と嵌合方向の両者を含む面に拡がる板状をなす金属板で作られており、ハウジング51の成形時に一体的に、該ハウジング51の底壁56と前端壁54とで支持されているが、ハウジング51へ圧入されて支持されていても良い。該端子61はケーブルコネクタ10の端子20に設けられた一対の接触片35間への進入を容易とするように、上縁がテーパ部61Aとなっている。
【0034】
さらに、上記レセプタクルコネクタ50の底壁56には、既述のとおり、切欠部56Aが後方に解放されるように形成されている。本実施形態では、この切欠部56Aは、前後方向では、上記ロック溝57の溝部前縁57Aよりも後方に形成され、幅方向、すなわち両側の側壁53の対向方向では、上記ケーブルコネクタ10の同方向幅にわたる範囲に形成されている。したがって、ケーブルコネクタ10は、嵌合過程で、この切欠部56Aにケーブルコネクタ10の後部(ケーブル延出側部分)が入るようにして、コネクタの前端側がもち上がる上向き姿勢をとることが容易となる。
【0035】
次に、図2ないし図4を参照しつつ本実施形態のケーブルコネクタ10とレセプタクルコネクタ50の嵌合接続の要領を説明する。ここで、図2は図1におけるケーブルの軸線の位置であるII−II位置でのケーブルコネクタ10の断面とこの位置に対応する位置でのレセプタクルコネクタ50の断面を示している。図3はロック溝57の範囲内の位置であるIII−III位置でのレセプタクルコネクタ50とこれに対応する位置でのケーブルコネクタ10の断面を示している。さらに、図4は、レセプタクルコネクタ50の両端子61を通るIV−IV位置での断面と、これに対応する位置でのケーブルコネクタの断面を示している。図2ないし図4のいずれにおいても、(A)はコネクタ嵌合前、(B)は嵌合途中、(C)は嵌合終了時を示している。
【0036】
(1)先ず、端子30にケーブルCが結線されたケーブルコネクタ10を、図2(A)、図3(A)、図4(A)に見られるように、正規の嵌合終了時の姿勢、すなわち、ケーブルコネクタ10が水平姿勢でケーブルCが後方へ水平に延出している状態で、相手コネクタたるレセプタクルコネクタ50の上方位置へもたらす。
【0037】
(2)しかる後、ケーブルコネクタ10をそのままの姿勢で降下せしめる。この姿勢でのケーブルコネクタ10のロック突部21における前後方向での距離Aは、図3(A)に見られるごとく、同方向でのレセプタクルコネクタ50のロック溝57の幅(距離B)よりも大きいために、上記姿勢のままでは、ロック突部21はこのロック溝57の奥部までは進入できない。したがって、該ロック突部21はロック溝57の溝部前縁57Aと溝部後縁57Bの少なくとも一方に当接する(図3(B)における二点鎖線の姿勢)。
【0038】
ケーブルコネクタ10は、(1)でレセプタクルコネクタコネクタ50の上方位置にもたらされるとき、図3(A)の水平姿勢をとらずに、上向き姿勢をとってそのまま降下して図3(B)の実線の姿勢となるように降下してもよい。
【0039】
(3)次に、ケーブルコネクタ10の前端側をもち上げるように、該ケーブルコネクタ10を上向き姿勢とする。この上向き姿勢では、ロック突部21の前後方向における突部前縁21Aと突部後縁21Bとの間の距離A’は距離Aよりも小さくなっていて、該ロック突部21はその突部後縁21Bが上記溝部後縁57Bの傾斜部57B−1に案内されてロック溝57内への進入が進行し、ロック溝57の奥部まで到達する(図3(B)における実線の位置及び姿勢)。このとき、ロック突部21の突部前縁21Aに形成されている斜部21Cの下端は、図3(B)における実線で示されているように、上下方向で、突出部59の下縁よりも下方に位置している。
【0040】
(4)しかる後、ケーブルコネクタ10を嵌合終了の姿勢、しなわち、図3(A)における姿勢と同じとなるように、ケーブルコネクタ10の前端側を降下させる。該ケーブルコネクタ10は、ロック突部21側を中心として突部後縁21Bの最後方位置がロック溝57の溝部後縁57Bの垂直部57B−2に当接しながら時計方向に回転し、上記上向き姿勢が解除されて、水平となって嵌合終了の姿勢をとる(図3(C)参照)。上記回転の際、斜部21Cは、突出部59の下縁に近接した状態で、溝部前縁57Aに近づき、上下方向では突出部59と干渉する位置、すなわち、ロック位置にきている。
【0041】
(5)一方、ケーブル10がその前端側が降下するように回転する際、ケーブルコネクタ10の係止部22はレセプタクルコネクタ50の被係止部60を乗り越えて該被係止部60の下側に位置し、被係止部60に対して係止される。又、ケーブルコネクタ10の端子30の一対の接触片35間にレセプタクルコネクタ50の端子61が進入し、両者は電気的に接続される。
【0042】
(6)このように嵌合が終了してレセプタクルコネクタ50に対して接続されたケーブルコネクタ10は、嵌合後に不用意な後方への力がケーブルCに受けても、しかもその不用意な力が上向き成分を伴っていても、ロック突部21がロック溝57の突出部59と当接するのでケーブルコネクタ10は嵌合終了時の水平姿勢を保って、あるいは前端側が下方に向く下向き姿勢をとるだけであり、ケーブルコネクタ10は抜出されてしまうことはない。本実施形態では、コネクタの前端側にて、ケーブルコネクタ10の係止部22とレセプタクルコネクタ50の被係止部60が係止し合っているので、ケーブルコネクタ10に前端側をもち上げようとする多少の力が作用しても、前端側が上向き姿勢をとることがなく、したがってロック突部21と突出部59との干渉とも相俟って、ケーブルコネクタ10の抜出が確実に阻止される。
【0043】
(7)ケーブルコネクタ10を意図的に抜出するときには、ケーブルコネクタ10の前端に設けられた持上げ片19に比較的大きな力を上方向に向け作用させる。この力は、ケーブルコネクタ10の係止部22とレセプタクルコネクタ50の被係止部60との間の係止力に抗して、この係止を解除し、ケーブルコネクタ10を前端側がもち上がる上向き姿勢にもたらす。この姿勢は、図3(B)における実線の姿勢と同じであり、ロック突部21は突出部59と干渉することがなくロック溝57の外部へ上昇でき、ケーブルコネクタ10の抜出が可能となる。
【0044】
本発明では、図1ないし図4に示した形態以外にも変更が可能である。例えば、図1ないし図4では、ロック溝57の溝部後縁57Bの上部たる案内傾斜部57B−1が該溝部後縁57Bの上下方向中央位置を若干越えた範囲までで、その下方に垂直部57B−2が形成されていたが、図5の形態では上記案内傾斜部57B−1がほぼ下端まで延びている。したがって、ロック突部21は、その突部後縁21Bが上記案内傾斜部57B−1に接面した傾斜状態で、すなわちケーブルコネクタ10の前端が上向き状態で、スライドするようにロック溝57内へ進入する。その際、ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと、上記案内傾斜部57B−1に直角な方向で測った該案内傾斜57B−1から突出部59までの最小の距離B’と、前後方向で測った上記案内傾斜部57Bから突出部59までの最小の距離Bとの関係が、距離B<距離A<距離B’となっていて、上記上向き状態のケーブルコネクタ10のロック突部21の進入を可能とし、進入後突部後縁21Bの最後方位置がロック溝57の溝部後縁57Bの案内傾斜57B−1に当接しながら、この上向き姿勢が解除されることで水平姿勢となったケーブルコネクタ10はその姿勢でもち上げられてもロック突部21が上記突出部59と干渉して、その姿勢ではケーブルコネクタ10は抜出できない。
【0045】
さらに図1ないし図4で、ケーブルコネクタ10の側壁面20に設けられていた係止部22そしてレセプタクルコネクタ50の側壁面53Aに設けられていた被係止部60を、前端壁に設けることが可能である。図5の例では、ケーブルコネクタ10の係止部22’は持上げ部19の前端から下方に延びる腕体22’Aの先端に設けられた爪部として形成されている。一方、レセプタクルコネクタ50の被係止部60’は前端壁の外面に、コネクタ幅方向(図5にて紙面に対して直角方向)に延びる突条部として形成されている。
【0046】
したがって、図5の形態では、上記係止部22’は、図5(A)の嵌合前、図5(B)の嵌合途中の状態を経て、図5(C)の嵌合終了の状態で、被係止部60’と係止する。この図5の形態は、上記係止部22’と被係止部60’以外は、図1ないし図4に示された形態と同じである。
【0047】
図1ないし図5の形態では、ロック突部がケーブルコネクタに、そしてロック溝がレセプタクルコネクタに設けられていたが、図6の形態では、これとは反対に、ケーブルコネクタ10にロック溝57が、そしてレセプタクルコネクタ50にロック突部21が設けられている。図6では、ケーブルコネクタ10であっても、ロック溝57に関しては図1との対応の把握を容易とすべく同じく50番台の符号を、そしてレセプタクルコネクタコネクタ50であってもロック突部21に関して20番台の符号を用いている。
【0048】
図6におけるケーブルコネクタ10のロック溝57は、図1のレセプタクルコネクタコネクタ50のロック溝57を上下反転した形をなしており、図6におけるレセプタクルコネクタ50のロック突部は図1のケーブルコネクタ10のロック突部21を上下反転した形をなしている。したがって、図6に示されるロック突部21とロック溝57の位置及び姿勢は、この図6を上下反転して紙面の裏側から見ると、図3(C)の位置及び姿勢と同じになる。したがって、図6(A)における嵌合の様子は、レセプタクルコネクタ50が下方からケーブルコネクタ10へ嵌合されると考えると、相対的に図3(A)ないし図3(C)と同じであり、したがって、同符号で示される各部位の位置関係も同じとなる。
【0049】
次に、図7に示される形態にあっては、ロック突部21’がケーブルコネクタ10に設けられそしてロック溝57’がレセプタクルコネクタ50に形成されている点では、図1ないし図5の形態と同じであるが、ロック突部21’の突部後縁21’Bの形態が相違し、ロック溝部57’の突出部59’が溝部後縁57’Bに設けられている点で相違している。
【0050】
ロック突部21’は、図3(B)における突部前縁21Aと斜部21Cと同様な突部前縁21’Aと斜部21’Cとを有している。これに対し、突部後縁21’Bは、ケーブル延出方向(嵌合終了時の姿勢における前後方向)に対し直角方向に延びる上部垂直部21’B−1と、その下方位置に下方に向け後方に延びる下部傾斜部21’B−2とを有している。
【0051】
一方、ロック溝57’は前縁突出部59’Aと後縁突出部59’Bとがそれぞれ溝内方へ突出するように設けられている。上記前縁突出部59’Aは、図3の溝部前縁における突出部59よりも突出量は小さい。また、上記溝部後縁57’Bの案内傾斜部57’B
−1と垂直部57’B−2との間には段部が形成されていて、後縁突出部59’Bは案内傾斜部57’B−1が垂直部57’B−2よりも溝内方に突出する部分で形成されている。この後縁突出部59’Bの突出量、すなわち段部の大きさは、上記前縁突出部59’Aの突出量よりも大きい。
【0052】
図7において、ロック突部21’の水平姿勢時の前後方向距離Aそして上向傾斜時の前後方向距離A’、そしてロック溝57’の前後方向の最小溝幅の距離Bの関係は、図3(A)における距離A、距離A’そして距離Bとそれぞれ同様に、距離A>距離B>距離A’となっている。
【0053】
また、図7において、コネクタ前端側における、ケーブルコネクタ10の係止部22’そしてレセプタクルコネクタ50の被係止部60’は、図3における係止部22そして被係止部60と同じである。
【0054】
このような形態のケーブルコネクタ10は、図7の実線で示される前端が上向き姿勢でレセプタクルコネクタ50の上方位置から降下して、二点鎖線の位置にもたらされ、しかる後、前端の上向姿勢が解除されて水平姿勢となって嵌合終了の姿勢となる。この嵌合の過程において、前端が上向き姿勢のケーブルコネクタ10のロック突部21’の距離A’はレセプタクルコネクタ50のロック溝57’の溝幅たる距離B’よりも小さいので、上記上向き姿勢のままロック突部21’はロック溝57’の案内傾斜部57’B−1で案内されながらロック溝57’内へ進入する。ロック突部21’の下部傾斜部21’B−2が、ロック溝57’の後縁突出部59’Bの位置まで達すると、該後縁突出部59’Bに対して下部傾斜部21’B−2が該後縁突出部59’Bの下方に向けて滑動しながらケーブルコネクタ10はその前端が時計方向に回転して水平姿勢となって嵌合終了の姿勢に至る。この嵌合終了時には、上記下部傾斜部21’B−2が後縁突出部59’Bと上方向で干渉して、上記嵌合終了の姿勢あるいはケーブルCがもち上げられる前端の下向き姿勢での抜けが防止されると共に、前端側での係合部22’が被係止部60’と係止しており、この係止を解除する意図的な力が作用しない限り、多少の不用意な力が前端をもち上げようとするように作用してもこの係止は解除できず、コネクタの抜出は防止される。
【0055】
本発明は、ケーブルコネクタ10とレセプタクルコネクタ50との嵌合過程を円滑に行うために、さらに変更が可能である。図8に示された形態は図3に示された形態と基本的に同じであるが、嵌合過程を円滑に行うために、ロック突部とロック溝の突出部との対向部分を連続した曲線とした点に特徴がある。
【0056】
図8(A)において、ケーブルコネクタ10のロック突部21は、斜部21Cが突部前縁21Aの上端と突部後縁21Bの上端とを連続して結ぶ凸曲線で形成されている。また、突部前縁21Aと突部後縁21Bは、コネクタ嵌合方向、すなわち図8にて下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しており、上記ロック突部21は、ロック突部21の前後方向(ケーブル延出方向)での突部前縁21Aと突部後縁21Bとの距離Aと、上記案内突部57B−1に直角な方向で測った該案内傾斜部57B−1から突出部59までの最小の距離Bと、前後方向で測った上記案内傾斜部57Bから突出部59までの最小の距離Bとの関係が距離B<距離A<距離B’となっていて、上記上向き状態のケーブルコネクタ10のロック突部21の進入を可能とし、その下縁の前縁そして後縁に斜めに切り取られた前縁斜部21Dと後縁斜部21Eがそれぞれ形成されている。該前縁斜面21Dと後縁斜部21Eは、レセプタクルコネクタ50のロック溝部57への導入を容易とする。ロック突部21の進入後、突部後縁21Bの最後方位置がロック溝57の溝部後縁57Bの垂直部57B−2に当接しながら回転し、上向き姿勢が解除される。
【0057】
一方、レセプタクルコネクタ50のロック溝部57に形成された突出部59は、その下縁59Aが上記ケーブルコネクタ10の斜部21Cに適合する凹曲線で形成されている。したがって、ケーブルコネクタ10がレセプタクルコネクタ50に対して正規状態で嵌合した後に、上方に引かれた場合、上記ロック突部21の斜部21Cと突出部59の下縁59Aがそれらの面にて当接することとなり、互いの負荷が軽減して損傷しなくなるばかりか、ガタツキもなく位置が安定する。
【0058】
本実施形態では、上記凸曲線そして凹曲線は、これに近似する一つの直線によって置き換え形成することも可能である。
【0059】
本実施形態では、さらに、レセプタクルコネクタ50に設けられた被係止部60に係止するケーブルコネクタ10の係止部22が上記被係止部60に向け回転する際に、該係止部22の下縁後端22Cを案内するために案内部62が上記レセプタクルコネクタ50に設けられている。該案内部62は、高さ方向で、レセプタクルコネクタ50のハウジング51の上縁から下縁まで凸曲線をなす面で形成されている。
【0060】
このような図8の形態では、ケーブルコネクタ10は図8(A)の位置から降下して、ロック突部21が前縁斜面21Dと後縁斜面21Eにてロック溝57内へ導入され、しかる後、図8(B)に示されているように、係止部22の下縁後端が上記案内部62で案内されて傾斜状態から水平状態へ回転して該係止部22が上記被係止部60と係止し、図8(C)のごとくロック状態となる。
【0061】
このとき、ロック突部21は下方に向けコネクタの後端側へ傾斜しているため、突部前縁21Aの最前方位置がロック溝57の溝部前縁57Aの垂直前縁に近接する。
【0062】
したがって、ロック突部21と突出部59との干渉がより深まることになり、ケーブルコネクタ10の抜出を確実に阻止できるばかりか、突部後縁21Bの最後方位置がロック溝57の溝部後縁57Bの垂直部57B−2に当接して、突部前縁21Aの最前方位置がロック溝57の溝部前縁57Aの垂直前縁に近接しているため、前後方向でガタツキもなくなる。
【0063】
本発明は、図示された形態に限定されず、種々変更が可能である。例えば、ロック突部はコネクタ嵌合方向で複数に分割されていてもよい。その場合、複数のロック突部の突部前縁同士、そして突部後縁同士が実質的に連絡される位置関係をもつようにする。
【0064】
さらに、ロック溝部は、図示の形態のごとく側壁の一面側に凹部として形成されるのではなく、側壁の壁厚方向に貫通して形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 ケーブルコネクタ 59 突出部
11 ハウジング 60 被係止部
21 ロック突部 21’ ロック突部
21A 突部前縁 21’A 突部前縁
21B 突部後縁 21’B 突部後縁
21C 斜部 21’C 斜部
22 係止部 22’ 係止部
50 レセプタクルコネクタ 57’ ロック溝部
56A 切欠部 57’A 溝部前縁
57 ロック溝部 57’B 溝部後縁
57A 溝部前縁 60’ 被係止部
57B 溝部後縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの周面に形成された嵌合面で互いに嵌合接続されるケーブルコネクタとレセプタクルコネクタとを有し、嵌合面が側壁面とこれに直角な端壁面とで形成されており、ケーブルコネクタが後方に位置する端壁面をケーブルの延出側としている電気コネクタ組立体において、
ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタの一方が、前後方向で後方の端壁面に寄った位置で側壁面に突部前縁と突部後縁が形成されたロック突部を有し、他方が前後方向で該ロック突部に対応する位置で側壁面に溝部前縁と溝部後縁が形成されたロック溝部を有し、該ロック溝部はコネクタ嵌合方向での入口側に溝入口部が形成され、該溝部前縁もしくは溝部後縁に溝内方へ突出する突出部が設けられていて、コネクタの嵌合終了時の姿勢にて、前後方向における該ロック溝部の溝部前縁の最後方位置と溝部後縁の最前方位置との距離が前後方向におけるロック突部の突部前縁の最前方位置と突部後縁の最後方位置との距離よりも小さく設定されており、ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタが正規の嵌合終了における姿勢で嵌合方向に移動して近接したときには上記ロック突部とロック溝とが干渉し、ケーブルコネクタの前端が後端よりもレセプタクルコネクタに対して離間するように上向き傾斜して近接したときに該ロック突部の溝内への進入を許容し、該ロック突部がロック溝部溝奥部位置まで進入した後に上記上向き傾斜が解除されてケーブルコネクタが正規の嵌合終了の姿勢となった後は、該ケーブルコネクタがこの姿勢を保って嵌合方向とは反対の抜出方向に移動されあるいは後端側がもち上がるようにして抜出方向に移動されようとしたとき、上記ロック突部が上記ロック溝部の突出部に当接して該ケーブルコネクタの抜出を阻止するようになっていることを特徴とする電気コネクタ組立体。
【請求項2】
ロック突部がケーブルコネクタに設けられ、ロック溝部がレセプタクルコネクタに形成されていることとする請求項1に記載の電気コネクタ組立体。
【請求項3】
ロック突部がレセプタクルコネクタに設けられ、ロック溝部がケーブルコネクタに形成されていることとする請求項1に記載の電気コネクタ組立体。
【請求項4】
ロック突部の突部前縁と突部後縁の少なくとも一方はコネクタ嵌合方向の先方に向け後端側へ傾いて形成されていることとする請求項1ないし請求項3のうちの一つに記載の電気コネクタ組立体。
【請求項5】
ロック突部の傾斜せる突部前縁と突部後縁とが平行であることとする請求項4に記載の電気コネクタ組立体。
【請求項6】
ロック突部は、コネクタの正規の嵌合終了の姿勢にて、ロック溝の突出部との近接対向部が斜部を有していることとする請求項1ないし請求項5のうちの一つに記載の電気コネクタ組立体。
【請求項7】
斜部は、突部前縁の上端と突部後縁の上端とを結ぶ連続した凸曲線あるいは直線で形成され、ロック部の突出部がこれと適合する曲線あるいは直線を有していることとする請求項6に記載の電気コネクタ組立体。
【請求項8】
ケーブルコネクタとレセプタクルコネクタは、コネクタの正規の嵌合終了時に、前端側で互いに係止し合う係止部と被係止部をそれぞれ有していることとする請求項1に記載の電気コネクタ組立体。
【請求項9】
レセプタクルコネクタは、底壁部に、上向き傾斜時のケーブルコネクタの後部の進入を許容する切欠部が後方に開放して形成されていることとする請求項1、請求項2、請求項3そして請求項8のうちの一つに記載の電気コネクタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−267604(P2010−267604A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11225(P2010−11225)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(390005049)ヒロセ電機株式会社 (383)
【Fターム(参考)】