説明

電気コネクタ

【課題】簡易な構成によって、異なる外形を有する、いわゆるハイブリッド(異種線)ケーブルにおける半田接合作業の効率化を図りつつ、導電コンタクトとの間の電気的な容量バランスを向上させることを可能とする。
【解決手段】大小異なる外径を有するケーブルSCのうち大径の太線ケーブルSC1を、隣接する一対の導電コンタクト12,13同士の間部分に配置して当該太線ケーブルSC1を一対の導電コンタクト12,13の双方に接触するように配置したことにより、太線ケーブルSC1を安定的に保持して半田材の接合作業を容易かつ正確なものとするとともに、特に薄厚で低容量の導電コンタクト12,13との間の電気的な容量バランスを良好に維持するように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる外径を有する複数本の異径ケーブルが接続されるように構成された電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、種々の電気機器において、多極状に配列された複数本のケーブルを電気コネクタを介して回路基板に接続することが行われている。その電気コネクタに設けられた絶縁ハウジングには、当該絶縁ハウジングの長手方向に沿って多極状をなすようにして導電コンタクトが配置されており、それらの各導電コンタクトに対して各ケーブルの端末部分が接触された状態で半田材により接合されている。このように電気コネクタに接続されるケーブルとして、異なる大小の外径を有する異径ケーブル、例えば大径の太線ケーブルと小径の細線ケーブルとが混在する、いわゆるハイブリッド(異種線)ケーブルが用いられる場合がある。それらの大径の太線ケーブル及び小径の細線ケーブルも、上述したように導電コンタクトに半田接合されて使用される。
【0003】
一方、近年では電気コネクタの小型化が進められており、それに伴って導電コンタクトの板厚も、より薄い厚みを有するものが採用されつつある。そのような薄厚の導電コンタクトに対しては、ケーブルの半田付け作業においてケーブルの位置決めが難しくなることなどから作業効率が低下する傾向となるが、特に、上述したハイブリッド(異種線)ケーブルが採用される場合には、大径の太線ケーブルの接合作業に手間が掛かってしまう。さらに、その太線ケーブルと、薄厚で低容量の導電コンタクトとの間の電気的な容量バランスが良好でなくなる場合があるとともに、ケーブルを載置する絶縁ハウジングの表面からの高さが、大径の太線ケーブルと小径の細線ケーブルとの間でバラツキを生じることとなるために、複数本のケーブル全体にわたって細長状の半田材を配置することが難しくなって、いわゆる一括半田接合が困難になることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−289719号公報
【特許文献2】特開2000−331731号公報
【特許文献3】再表2008/001453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成によって、ハイブリッド(異種線)ケーブルの半田接合作業を容易化するとともに、導電コンタクトとの間の電気的な容量バランスを良好化することができるようにした電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明にかかる電気コネクタでは、絶縁ハウジングに多極状をなすようにして導電コンタクトが配列されているとともに、それらの導電コンタクトに対して、異なる大小の外径を有する太線ケーブル及び細線ケーブルが接続されるように構成された電気コネクタにおいて、前記小径の細線ケーブルが、前記導電コンタクトの表面上に直接載置された状態で接続されるとともに、前記大径の太線ケーブルは、前記多極配列の方向において互いに隣接する一対の導電コンタクト同士の間部分に配置され、当該太線ケーブルの外周表面の一部が前記一対の導電コンタクトの双方に接触するように配置された構成が採用されている。
【0007】
このような構成を有する電気コネクタによれば、一本の太線ケーブルが、一対の導電コンタクト同士の間部分において電気的に接触した状態で安定的に保持されることとなり、太線ケーブルの接合作業が容易かつ正確に行われるとともに、特に薄厚で低容量の導電コンタクトとの間の電気的な容量バランスが向上されるようになっている。
【0008】
また、本発明においては、前記太線ケーブルの外周表面の一部が、前記絶縁ハウジングに凹設されたケーブル載置溝の内部に収容されるように構成されたものであって、前記ケーブル載置溝は、当該ケーブル載置溝の内部に収容された前記太線ケーブルの高さ位置を、前記導電コンタクト上に載置された細線ケーブルの高さ位置と略同一にする溝深さに形成されていることが望ましい。
【0009】
このような構成を有する電気コネクタによれば、絶縁ハウジングに設けられたケーブル載置溝によって大径の太線ケーブルが安定的に位置決めされた状態に維持されるとともに、大径の太線ケーブル及び小径の細線ケーブルの双方を含むケーブルの全体にわたって長尺状の半田材が安定的に接触した状態に載置されることとなり、当該半田材による一括半田接合が容易かつ確実に行われる。
【0010】
さらに、本発明においては、前記大径のケーブルが、前記多極配列方向における両端部分の少なくとも一方に配置されていることが望ましい。
【0011】
このような構成を有する電気コネクタによれば、左右に振れやすい両端部分のケーブルが、大径のケーブルが有している比較的大きな剛性によって安定的に維持され、断線等の損傷が回避される。
【0012】
さらにまた、本発明においては、前記太線ケーブルが、前記多極配列の方向における両端部以外の部位に配置されていることが望ましい。
【0013】
このような構成を有する電気コネクタによれば、ケーブル全体の引っ張り強さが、多極配列方向において比較的均一に向上されることとなり、強度の向上が図られる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように本発明にかかる電気コネクタは、大小異なる外径を有するケーブルのうち大径の太線ケーブルを、隣接する一対の導電コンタクト同士の間部分に配置して当該太線ケーブルを一対の導電コンタクトの双方に接触するように配置したことにより、太線ケーブルを安定的に保持して半田材の接合作業を容易かつ正確なものとするとともに、導電コンタクトとの電気的な容量バランスを良好に維持するように構成したものであるから、簡易な構成によって、異なる外形を有する、いわゆるハイブリッド(異種線)ケーブルにおける半田接合作業の効率化を図りつつ電気的な容量バランスを向上させることが出来、電気コネクタの信頼性を安価かつ大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態にかかるハイブリッド同軸ケーブル用の電気コネクタにおいて、ハイブリッドケーブル(異種線)を結線する前の状態を表した外観斜視説明図である。
【図2】図1に示されたハイブリッド同軸ケーブル用の電気コネクタにおいて、ハイブリッドケーブル(異種線)が結線された状態を表した外観斜視説明図である。
【図3】図1に示されたハイブリッド同軸ケーブル用の電気コネクタの平面説明図である。
【図4】図3中における IV−IV 線に沿った断面を拡大して表した横断面説明図である。
【図5】図2に示されたハイブリッド同軸ケーブル用の電気コネクタとハイブリッドケーブル(異種線)との結線状態を表した平面説明図である。
【図6】図5中における VI−VI 線に沿った断面を拡大して表した縦断面説明図である。
【図7】図5中における VII−VII 線に沿った断面を拡大して表した横断面説明図である。
【図8】図5中における VIII−VIII 線に沿った断面を拡大して表した横断面説明図である。
【図9】図5中における IX−IX 線に沿った断面を拡大して表した横断面説明図である。
【図10】ヒーターチップを接触させてケーブルを一括半田接合する結線作業の途中状態を表した図6相当の横断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、複数本のハイブリッド(異種線)同軸ケーブルを印刷配線基板側に接続する電気コネクタに本発明を適用した実施形態の説明を図面に基づいて詳細に行う。
【0017】
図1〜図10に示された本発明の一実施形態にかかる電気コネクタは、ハイブリッド(異種線)同軸ケーブルSCの端末部が連結されるプラグコネクタ1からなるものであって、図示を省略した印刷配線基板上に実装されたリセプタクルコネクタに対して上方側から下方に向かって差し込むように嵌合される垂直嵌合型の構成になされたものである。以下、リセプタクルコネクタにプラグコネクタ1を差し込む方向を「下方向」とし、その反対側の抜き出す方向を「上方向」とする。
【0018】
その本発明にかかるプラグコネクタ1は、細長状に形成された所定の絶縁部材からなる絶縁ハウジング11を有している。以下において、当該絶縁ハウジング11の長手方向を「コネクタ長手方向」と呼び、そのコネクタ長手方向、及び上述した上下方向の双方に直交する方向を「前後方向」と呼ぶこととする。
【0019】
上述した絶縁ハウジング11には、互いに異なる形状を有する複数体の導電コンタクト12,13が、コネクタ長手方向に沿って適宜のピッチ間隔で交互に多極状をなすように配列されている。そして、上述したように印刷配線基板上に実装されたリセプタクルコネクタ(図示を省略)に対して、プラグコネクタ1が差し込まれて両コネクタ同士の嵌合操作が完了したときに、当該プラグコネクタ1に設けられた導電コンタクト12,13の接点部が、リセプタクルコネクタ側の導電コンタクトの接点部に圧接状態で接触して電気的な接続が行われるように構成されている。
【0020】
また、絶縁ハウジング11の外表面には、後述するハイブリッド同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCの接続部分に対して、金属製の薄板状部材からなる導電性シェル14が装着されている。その導電性シェル14は、絶縁ハウジング11の一端縁部分においてコネクタ長手方向に沿って長尺状に延在しており、グランド回路の一部を形成する配置関係になされている。
【0021】
一方、本実施形態において使用されているハイブリッド同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCは、異なる大小の外径を有する異種線の混合ケーブルからなるものであり、大径の太線同軸ケーブルSC1と、小径の細線同軸ケーブルSC2とが、複数本にわたって並列されている。そのうちの小径の細線同軸ケーブルSC2は、コネクタ長手方向の中央寄りに多数本にわたって配置されているとともに、それらの細線同軸ケーブルSC2,SC2,・・・の配列方向における両側外方部分に、それぞれ2本ずつを一組とした大径の太線同軸ケーブルSC1,SC1が各々配置されている。
【0022】
これら大径の太線同軸ケーブルSC1及び小径の細線同軸ケーブルSC2の各々における端末部分は、プラグコネクタ1に対して前後方向の一端側縁部分に連結されている。以下、このハイブリッド同軸ケーブルSCの端末部分が連結されている長尺状側の端縁部を「後端縁部」と呼び、それと反対側の前方側の長尺状端縁部を「前端縁部」と呼ぶこととする。
【0023】
このハイブリッド同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCを構成している複数本の太線同軸ケーブルSC1及び細線同軸ケーブルSC2は、上述したプラグコネクタ1における導電コンタクト12,13の位置に対応するように配置されており、コネクタ長手方向に沿って多極状をなすように並列されている。それらの太線同軸ケーブルSC1及び細線同軸ケーブルSC2の各端末部分には、被覆材が皮剥きされることによって、ケーブル中心導体(信号線)SC1a,SC2a及びケーブル外部導体(シールド線)SC1b,SC2bが露出されている。そして、当該ハイブリッド同軸ケーブルSCの中心軸心に沿うように配置されたケーブル中心導体(信号線)SC1a,SC2aが、プラグコネクタ1の導電コンタクト12,13のそれぞれに対して一括半田接続され、リセプタクルコネクタ側の導電コンタクト(図示省略)のそれぞれに接続されることによって信号伝送回路が形成される構成になされている。
【0024】
ここで、上述したハイブリッド同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCを構成している細線同軸ケーブルSC2のケーブル中心導体(信号線)SC2aは、特に図6に示されているように、前述した導電コンタクト12,13の表面上に直接載置されており、その直接的に載置された状態で半田材により接合されている。これに対して、太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体(信号線)SC1aは、多極配列の方向に互いに隣接する一対の導電コンタクト12,13同士の間部分において絶縁ハウジング11上に配置されている。
【0025】
この太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体(信号線)SC1aは、絶縁ハウジング11に設けられたケーブル載置溝11aの内部に収容されている。すなわち、上述した絶縁ハウジング11の表面であってコネクタ長手方向の両端部分の各々には、2体のケーブル載置溝11a,11aがそれぞれ凹設されている。それらの各ケーブル載置溝11aは、互いに隣接する一対の導電コンタクト12,13同士の間部分に横断面略台形状の空間を形成するように設けられており、それらの各ケーブル載置溝11aの内部に、大径の太線同軸ケーブルSC1を構成しているケーブル中心導体(信号線)SC1aが落とし込まれるようにして収容されている。
【0026】
そのケーブル載置溝11aの内部に収容されたケーブル中心導体SC1aは、当該ケーブル中心導体SC1aの下半側部分が、前記ケーブル載置溝11aの両側面を構成している傾斜壁面に当接することで支持されている。また、そのケーブル載置溝11aから上方に露出している当該ケーブル中心導体SC1aの上半側部分における外周表面の一部、より具体的には直径方向における両側部分が、上述した隣接する一対の導電コンタクト12,13の双方に接触する配置関係になされている。
【0027】
このようにして大径の太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体(信号線)SC1aは、絶縁ハウジング11に設けられたケーブル載置溝11aの内部に収容された構成になされているが、そのケーブル載置溝11aの溝深さ分だけ、絶縁ハウジング11の表面からの高さ位置が低減された状態になされている。そして、本実施形態においては、ケーブル載置溝11aの溝深さが適宜に設定されていることによって、太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体SC1aにおける頂部の高さ位置が、上述した導電コンタクト12,13の表面上に載置された細線同軸ケーブルSC2のケーブル中心導体SC2aにおける頂部の高さ位置と略同一となるように低減された状態に調整されている。これによって、ハイブリッド同軸ケーブルSCの全体にわたってケーブル上端面の高さ位置が略均一になされており、長尺状をなす半田材が、当該ハイブリッド同軸ケーブルSCのケーブル全体に接触した状態に載置されることによって、いわゆる一括半田接合が可能となっている。
【0028】
一方、そのハイブリッド同軸ケーブルSCのケーブル中心導体(信号線)SC1a,SC2aに対して外周側を取り囲むように配置されたケーブル外部導体(シールド線)SC1b,SC2bは、上下一対にわたって配置された長尺板状の金属部材からなるグランドバーSCc,SCdの間に上下に挟持された状態に配置されており、一括半田接合によって接続されて保持されている。これらのグランドバーSCc,SCdは、プラグコネクタ1にハイブリッド同軸ケーブルSCを取り付ける前の段階において事前に接合されており(図1参照)、プラグコネクタ1に取り付けた後に、上述した導電性シェル14に接触して電気的な回路接続が行われる配置関係になされている。
【0029】
このような構成を有する本実施形態によれば、一本の太線同軸ケーブルSC1を構成しているケーブル中心導体(信号線)SC1aが、一対の導電コンタクト12,13同士の間部分において電気的に接触した状態で安定的に保持されることとなり、当該太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体SC1aに対する接合作業が容易かつ正確に行われるとともに、導電コンタクト12,13の双方と接触されていることによって、薄厚化されて低容量になされている導電コンタクト12,13との間の電気的な容量バランスが良好化されることとなる。
【0030】
特に、本実施形態においては、絶縁ハウジング11に凹設されたケーブル載置溝11aに太線同軸ケーブルSCのケーブル中心導体(信号線)SC1aが収容・保持されていることから、当該太線同軸ケーブルSC1が安定的に位置決めされた状態に維持される。
【0031】
また、太線同軸ケーブルSC1のケーブル中心導体SC1aの高さ位置が、導電コンタクト12上に載置された細線同軸ケーブルSC2のケーブル中心導体SC2aの高さ位置と略同一となるようにケーブル載置溝11aの溝深さが調整されていることから、太線同軸ケーブルSC1及び細線同軸ケーブルSC2の全体にわたって長尺状の半田材を安定的に接触させた状態に載置することが可能となる。そして、例えば図10に示されているようなヒーターチップHTを、上述したハイブリッド同軸ケーブル(信号伝送媒体)SCのケーブル全体に掛け渡すように配置し、そのヒーターチップHTからの加熱作用によって長尺状の半田材を溶融させることとすれば、いわゆる一括半田接合が容易かつ確実に行われる。この場合、特殊形状(階段状)のヒーターチップを使用する必要がなく一般的な先端平面形状のヒーターチップの使用が可能である。なお、長尺状の半田材を使用することなくケーブル中心導体SC1a,SC2aに半田材を溶融させた形態のハイブリッド同軸ケーブルSCを使用して一括半田接続を行うことも可能である。
【0032】
さらに、本実施形態においては、大径の太線同軸ケーブルSC1が、多極配列方向における両端部分に配置されていることから、当該太線同軸ケーブルSC1が有している比較的大きな剛性によって、左右に振れやすい両端部分のケーブルの安定性が向上され、断線等の損傷が回避される。なお、このときの太線同軸ケーブルSC1は、多極配列方向における両端部分の少なくとも一方に配置しておけば良く、例えば、多極配列方向の片側端部に太線同軸ケーブルSC1を配置した場合であっても、ほぼ同様な作用・効果を得ることができる。
【0033】
さらにまた、上述したように大径の太線同軸ケーブルSC1を多極配列方向における両端部分に配置することに加えて、多極配列方向における中央寄りの両端部分以外の部位にも配置する構成としておけば、ケーブル全体の引っ張り強さが多極配列方向において比較的均一に向上されることとなり、強度の向上が図られる。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0035】
例えば、上述した実施形態では、大径の太線ケーブルを長手方向の両側部分に2本ずつ配置しているが、その太線ケーブルの位置や本数は、適宜に選択することが可能であり、また異なる外径のケーブルが3種類以上にわたって配置される場合にも、本発明は同様に適用することができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、ケーブル中心導体に対応してケーブル載置溝を形成しているが、ケーブル外部導体が導電コンタクトに接触する構成を有する場合には、ケーブル外部導体に対応してケーブル載置溝を形成することも可能である。
【0037】
さらに、本発明は、上述した実施形態のようなハイブリッド同軸ケーブル用の電気コネクタに限定されることはなく、ハイブリッド同軸ケーブルと絶縁ケーブルとが複数混合したタイプの電気コネクタや、フレキシブル配線基板等が連結される電気コネクタ、或いは同軸構造以外の構造からなるケーブルを使用する電気コネクタ等についても同様に適用することが可能である。
【0038】
さらにまた、上述した実施形態では、互いに異なる形状をなす導電コンタクトを交互に配置した構成が採用されているが、同一の形状をなす導電コンタクトを多極状に配列した電気コネクタに対しても本発明は同様に適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明は、各種電気機器に使用される多種多様な電気コネクタに対して広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 プラグコネクタ
11 絶縁ハウジング
11a ケーブル載置溝
12,13 導電コンタクト
14 導電性シェル
SC ハイブリッド同軸ケーブル
SC1 大径の太線同軸ケーブル
SC2 小径の細線同軸ケーブル
SC1a,SC2a ケーブル中心導体(信号線)
SC1b,SC2b ケーブル外部導体(シールド線)
SCc,SCd グランドバー
HT ヒーターチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ハウジングに多極状をなすようにして導電コンタクトが配列されているとともに、それらの導電コンタクトに対して、異なる大小の外径を有する太線ケーブル及び細線ケーブルが接続されるように構成された電気コネクタにおいて、
前記小径の細線ケーブルが、前記導電コンタクトの表面上に直接載置された状態で接続されるとともに、
前記大径の太線ケーブルは、前記多極配列の方向において互いに隣接する一対の導電コンタクト同士の間部分に配置され、当該太線ケーブルの外周表面の一部が前記一対の導電コンタクトの双方に接触するように配置されていることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
前記太線ケーブルの外周表面の一部が、前記絶縁ハウジングに凹設されたケーブル載置溝の内部に収容されるように構成されたものであって、
前記ケーブル載置溝が、当該ケーブル載置溝の内部に収容された前記太線ケーブルの高さ位置を、前記導電コンタクト上に載置された細線ケーブルの高さ位置と略同一にする溝深さに形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記太線ケーブルが、前記多極配列の方向における両端部分の少なくとも一方に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記太線ケーブルが、前記多極配列の方向における両端部以外の部位に配置されていることを特徴とする請求項3記載の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221865(P2012−221865A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88824(P2011−88824)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】