説明

電気伝導度測定用測定セルの校正用の溶液及びその使用

【課題】現存する伝導度が低い校正溶液の欠点を排除し、特に低い伝導度領域において高い精度、長い耐用期間及び低い汚染リスクを有する安定な溶液を提供する。
【解決手段】伝導度測定用測定セルの校正用の溶液であって、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を含み、該添加剤がエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ジヒドロキシ末端を有するポリエーテル、トリヒドロキシ末端を有するポリエーテル及び/又はジヒドロキシ末端を有するポリエステル、トリヒドロキシ末端を有するポリエステルからなる群から選択されることを特徴とする溶液を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気伝導度測定用測定セルの校正用の溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液の電解質伝導度の測定及び制御は、研究所において、環境において、かつ工場において重要な要因である。発電所でも、製薬工業及び半導体工業でも極めて重要な純度の超純水の伝導度を制御することは特に重要である。測定機器の制御のために、利用可能性と精度に問題がない精度の高い電気抵抗が用いられる。伝導度測定セルの試験のために、伝導度が正確に定義された校正溶液が用いられる。かかる溶液は、中程度又はそれより高い伝導度範囲については問題なく入手できるか又は製造さえも可能である。しかしながら、低い伝導度に関する校正溶液は滅多に使用されない。それというのも、その精度にしばしば改める点があるためである。更にかかる溶液の取り扱いは困難であり、その耐用期間はしばしば非常に短い。
【0003】
超純水の要求は、特に製薬工業で使用するために指示される。このように例えば、ジャーナル"Pharmeuropa"、つまり欧州薬局方委員会の情報媒体によれば、精製水については25℃で伝導度<5.1μS/cmが必要であり、そして注射用蒸留水については25℃で伝導度<1.3μS/cmが必要である。
【0004】
T.Light他(Anal. Chem. (1993) 65, 1)は、45〜50%のスクロースと酢酸又は塩化カリウムを含有する伝導度標準溶液を記載している。
【0005】
米国薬局方のうち米国薬局方(USP)23、24及び25において、注射用蒸留水については25℃で伝導度<1.3μS/cmが指示されている。
【0006】
米国の“モノグラフ”は、伝導度測定セルのセル定数の±2%の精度を要求している。この指示は校正溶液に必要とされる精度と同意義である。
【0007】
測定方法論と校正溶液の製造もしくは取り扱いを記載した種々の規格が存在する。
【0008】
“米国材料試験協会”(ASTM)の規格D5391−93とD1125−95は種々の校正溶液を記載している。最も低い伝導度は25℃で146.9μS/cmである。この溶液は0.001MのKCl水溶液からなる。
【0009】
“国際電気標準会議”(IEC)の規格IEC746の3部は、同様に25℃で146.9μS/cmを有する0.001MのKCl溶液を記載している。
【0010】
国際水準に対する“国際標準化機構”の規格ISO7888もしくは地域的水準に対する欧州規格EN27888は、同様に25℃で74μS/cmと147μS/cmを有するKCl水溶液を挙げている。コンマの後の桁は示されていない。これらの規格の要求に相当する溶液を製造するために、水を沸騰させるか又は窒素を導通させることによって水中に溶解された二酸化炭素を除去せねばならない。これらの解決策を使用する場合には、空気との接触を全て阻止すべきである。
【0011】
147〜12880μS/cmの範囲の中程度の伝導度を有する相応の標準溶液は0.5〜1%の精度で種々の会社から販売されている。
【0012】
米国の測定学研究所である“米国標準技術研究所”(NIST)は低い伝導値を有する校正溶液を販売している。しかしながら、25℃で5μS/cm、15μS/cm及び26μS/cmを有する溶液は非常に高価であり、いつでも入手できるわけではない。また25℃で10μS/cm及び100μS/cmの低い伝導度を有する標準溶液を販売している会社が幾つか存在する。その工業は、GingerellaとJacaninの文献(Cal Lab、2000年7月、8月、29〜36頁)が示すように前記の溶液には満足していない。このように、前記の文献では、種々の会社からの25℃で10μS/cmを有する伝導度溶液の精度を調査しており、その際、誤差は1〜30%であった。
【0013】
低い伝導度を有する校正溶液の不十分な耐用期間はもっともである。それというのも、これらの溶液はどれも0.0001M未満の塩含量を有する極めて希釈された溶液であるからである。空気中の二酸化炭素による汚染でも25℃で約1μS/cmの測定誤差が生ずる。容器の汚染又は校正容器の汚染も測定セルの汚染でさえも更なる誤差の源となる。
【0014】
25℃で5μS/cm及び15μS/cmを有するNISTの溶液は30%のプロパノールが添加されたKCl水溶液を基礎としている。部分的にのみ水性の溶液であれば、相応の純粋な水溶液と比較してその塩含量を多少高めることができる。それにかかわらず、これらのNISTの溶液は耐用期間が1年未満である。またUSPによる指示の要求によれば、それらの精度は不十分でありかつ低すぎるものである。
【0015】
まとめると、今日の校正溶液は低い伝導度範囲において以下の不十分な精度並びに短い耐用期間及び塩濃度が低すぎることによる高い汚染リスクといった制限を有する。
【非特許文献1】Anal. Chem. (1993) 65, 1
【非特許文献2】Cal Lab、2000年7月、8月、29〜36頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って本発明の課題は、現存する伝導度が低い校正溶液の欠点を排除し、特に低い伝導度領域において高い精度、長い耐用期間及び低い汚染リスクを有する安定な溶液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題は、伝導度測定用測定セルの校正用の溶液であって、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を含み、該添加剤がエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ジヒドロキシ末端を有するポリエーテル、トリヒドロキシ末端を有するポリエーテル及び/又はジヒドロキシ末端を有するポリエステル、トリヒドロキシ末端を有するポリエステルからなる群から選択されることを特徴とする溶液を提供することによって解決される。驚くべきことに、本発明により使用される添加剤によって高い精度及び長い耐用期間を有する校正溶液を得られることが確認された。
【0018】
溶液の電解質伝導度は、個々のイオンの数と移動度によって規定される。従って校正溶液は、通常、イオンとして溶解されて存在する塩、例えばKClを含有する。本発明の新規の校正溶液の場合に、個々のイオンのイオン移動度は、水素結合の形成をもたらす添加剤の添加によって下げられる。これにより、低い塩濃度を有する先行技術の校正溶液に対して、驚くべきことに、十分に高い塩濃度にもかかわらず低い伝導度が可能であるため、汚染の影響が少ない。本発明の範囲においては、イオン移動度の低下によって、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する添加剤を含有しない溶液と比較して、溶液の伝導度を少なくとも5分の1にする、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する添加剤を含有する校正溶液が好ましい。
【0019】
水溶液では、全てのイオンは水の殻によって取り囲まれている。従って、これらのイオンは水和イオンと呼称される。イオンの移動に際して、これらの水の殻は常に飛沫同伴する。例えば小さいリチウムイオンは大きな水の殻を有するので、より大きくても水の殻はより小さいカリウムイオンに比べて移動が遅い。
【0020】
本発明の校正溶液の場合に、イオン移動度は、一部又は全ての水の殻が別の分子に置き換わることによって低められている。
【0021】
これは、本発明によれば、強い水素結合を形成する添加剤によって達成される。特に有利には、水素結合を形成し、少なくとも1kJ/モルで、最大50kJ/モルの結合エネルギーで水素結合する基を有する添加剤が使用される。
【0022】
水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する添加剤は、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、カルボキシ、カルボニル、C〜C−アルコキシカルボニル、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)アミノ、シアノ、カルボキシアミド、カルボキシ−(C〜C−アルキル)アミノ、カルボキシ−(ジ(C〜C−アルキル)アミノ、スルホ、スルフィド(C〜C−アルキル)、スルホキシド(C〜C−アルキル)、スルホノ(C〜C−アルキル)、チオ、ニトリル、エステル、ニトロ、ジスルホ、ジスルフィド、チオエーテル、ジアゾアミノ、トリアゼノ、テトラザノ、アジド、ジアゾ、ジアジリン3−カルボキシ、ピリダジノ、ヒドラジノ、ヒドラゾ、アミノオキシ、アニリノ、p−トルイジノ、p−アニシジノ、p−フェネチジノ、ベンジジノ、o−トリジノ、N−メチルアニリノ、エチレンジオキシ、カルボニトリル、シアノ、ベンゾスルホンアミド、スルファニルアミド、4−スルファモイルアニリノ、アミジノ、カルボキサミド、アセトアミド、グアニジノ、セミカルバジド、セミカルバゾノ、ウレイド、アシル、ジアシル、オキサモイル、マロナモイル、スクシナモイル、フタラモイル、カルバモイル、フェニルカルバモイル、カルバゾイル、アロファノイル、ヒダントイル、アセトアセチル、アミノ酸、核酸及び/又はタンパク質からなる群から選択される基を有してよい。
【0023】
本発明の範囲において、水素結合を形成する基としてはOH基が特に好ましい。それというのも、この基は容易に入手でき、費用的に有利であり、一般に非毒性であり、かつ水と強く相互作用するからである。
【0024】
本発明の範囲で好適な添加剤は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン及び/又はトリエタノールアミンである。またより大きな分子、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ジヒドロキシ末端を有するポリエーテル、トリヒドロキシ末端を有するポリエーテル及び/又はジヒドロキシ末端を有するポリエステル、トリヒドロキシ末端を有するポリエステルも好適である。それというのもこれらは水と強く相互作用するからである。
【0025】
トリエタノールアミン、グリセリン、ポリエチレングリコール及び/又はエチレングリコールといった添加剤を使用することが特に好適であると判明した。それというのも、これらの添加剤は、0.001Mという先行技術と比較して10倍高い塩化カリウム濃度にもかかわらず、25℃で1.8〜18.9μS/cmの範囲の顕著に低い伝導度を示すからである。本発明の範囲では、トリエタノールアミンといった添加剤が特に好ましい。それというのも、その添加剤を用いると、25℃及び塩濃度0.001Mで僅か1.8μS/cmの極めて低い伝導度を達成できるからである。更に添加剤としてはグリセリンが好ましい。特に、塩の他に60〜95容量%のグリセリンと5〜40容量%の水を含有する校正溶液が好ましい。
【0026】
0.5〜146μS/cmの範囲が低い伝導度として定義され、147〜12880μS/cmの範囲が中程度の伝導度として定義され、かつ>12880μS/cmの範囲が高い伝導度として定義される。先行技術と比較した本発明による校正溶液の特定の利点は、該溶液が、例えば10−3Mといった比較的高い塩含量にもかかわらず、非常に低い伝導度を実現することにあるが、その一方で、従来技術においては、低い伝導度を示すとはいえ、同時に0.0001M未満の非常に希釈された塩含量が付随するか又は0.001Mの塩含量では≧146.9μS/cmの伝導度を示す校正溶液が記載されている。
【0027】
本発明によれば、<150μS/cm、特に<80μS/cm、特に<20μS/cm、なおより有利には<10μS/cm、最も有利には<2μS/cmの伝導度を有する校正溶液が好ましい。
【0028】
添加剤の含量は、それぞれ校正溶液に対して、有利には少なくとも10容量%で、最大で99容量%であり、特に少なくとも50容量%で、最大で95容量%であり、特に有利には少なくとも80容量%で、最大で90容量%であり、かつ最も有利には約90容量%である。それというのも、前記の含量の場合に本発明によれば、特に低い伝導度を検出できるからである。
【0029】
本発明の範囲では、溶剤として水を含有する校正溶液、従って水性校正溶液が特に好ましい。この場合に、水の含量は、それぞれ校正溶液に対して、有利には少なくとも5容量%で、最大で95容量%の濃度であり、特に有利には少なくとも7容量%で、最大で50容量%の濃度であり、特に有利には少なくとも10容量%で、最大で20容量%の濃度であり、最も有利には約10容量%の濃度である。一実施態様では、水は存在する唯一の溶剤であることが好ましい。
【0030】
本発明の更なる実施態様では、校正溶液は溶剤として水及び少なくとも1種の他の溶剤を含有し、その際、その溶剤は、アルコール、ケトン、エステル、アミド及び/又は窒素化合物からなる群から選択される。
【0031】
少なくとも1種の他の溶剤の含量は、それぞれ水と少なくとも1種の他の溶剤を含有する溶剤混合物に対して、少なくとも10容量%で、最大で65容量%であり、特に有利には少なくとも20容量%で、最大で40容量%であり、特に有利には30容量%である。
【0032】
好適なアルコールは、本発明によれば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール及び/又はシクロヘキサノールであり、好適なケトンは、アセトン、ブタノン及び/又はシクロヘキサノンであり、好適なエステルは酢酸エステル及び/又はグリコールエステルであり、好適なアミドはジメチルホルムアミドであり、好適な窒素化合物はピリジン、N−メチルピロリジン、ニトロベンゼン及び/又はアセトニトリルである。本発明の範囲では溶剤としてアルコールを使用することが特に好ましい。それというのも、アルコールは容易に入手でき、費用的に有利であり、一般に非毒性であるからである。水の他に少なくとも1種の他の溶剤を含有する溶液を使用する場合の利点は、塩含量を純粋な水溶液と比較して更に高めることができることにある。
【0033】
本発明の有利な実施態様では、校正溶液が少なくとも1種の塩を含有することが意図される。この塩は、塩がそのイオンとして溶解された後に、溶液中での電流輸送のために必要とされる。塩の添加によって、該溶液は更に汚染を受けづらくなり、それによってより長い耐用期間を有する。このように、本発明による校正溶液を満たしたボトルを、その溶液の伝導度がCOの混入によって大きく変更されることなく1時間も開放したまま放置できることが確認された。従って、塩含量も校正溶液の伝導度の安定性に影響を有する。本発明の範囲では、250mlのガラスボトル中に貯蔵された5μS/cmの校正溶液の長期安定性はその伝導度に関して、27ヶ月を超える時間において、25℃で0.03μS/cmだけしか、従って非常に些細にしか変化しないことが確認された。このことは、一般に1年未満の耐用期間を有する先行技術の校正溶液に対して大きな利点である。
【0034】
本発明の範囲では、カチオンとしてアルカリイオン及び/又はアルカリ土類イオン、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン及び/又はセシウムイオン及び/又はマグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン及び/又はベリリウムイオンを含むが、NHも含む塩が特に好ましい。有利なアニオンは、クロライド、カーボネート、ビカーボネート、ホスフェートなどである。特に塩化カリウムといった塩が好ましい。更に塩として酢酸リチウムを使用することが特に好ましい。
【0035】
更に、塩の含量は、少なくとも0.0005M(モル/l)、特に有利には少なくとも0.0008M(モル/l)、特に有利には少なくとも0.001M(モル/l)が好ましい。
【0036】
本発明の実施態様では、校正溶液の伝導度は、前記の塩濃度の場合に、有利には25℃で<150μS/cm、特に有利には<80μS/cm、特に有利には<20μS/cm、なおより有利には<10μS/cm、最も有利には<2μS/cmである。特に、塩含量≧0.0005Mを、例えばKClで有し、かつその伝導度が同時に<70μS/cm、特に<50μS/cmである溶液が好ましい。
【0037】
更に、本発明は、伝導度測定用測定セルの校正用の溶液を製造するための方法であって、以下の工程:
(a)水性の校正溶液を準備する工程、
(b)(a)の水性の校正溶液に、前記のような水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を添加する工程
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0038】
更に本発明は、伝導度測定用測定セルの校正のための、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を含有する溶液の使用を提供する。
【0039】
更に本発明は、伝導度測定用測定セルの校正用の溶液の製造のための、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤の使用を提供する。
【0040】
以下の実施例は本発明による伝導度測定用の校正溶液の前述の利点を明瞭に説明するものである。
【実施例】
【0041】
実施例1
基礎として、幾つかの規格で記載されているような25℃で147μS/cmの伝導性を有する0.001MのKCl水溶液を用いた。
【0042】
10%の水と90%のエチレングリコール中の0.001MのKCl:
伝導度:25℃で18.0μS/cm
20%の水と80%のグリセリン中の0.001MのKCl:
伝導度:25℃で3.4μS/cm
20%の水と80%のポリエチレングリコール中の0.001MのKCl:
伝導度:25℃で16.3μS/cm
10%の水と90%のトリエタノールアミン中の0.001MのKCl:
伝導度:25℃で1.8μS/cm
10%の水と90%のグリセリン中の0.0013MのKCl:
伝導度:25℃で1.3μS/cm
前記実施例は、好適な物質を添加するとイオン移動度が大きく低下することを示している。それによって、例えば10−3Mといった比較的高い塩含量を有するにもかかわらず、非常に低い伝導度を有する校正溶液が実現できる。
【0043】
実施例2
塩含量が比較的高ければ、汚染の影響は相応して低くなる。この校正溶液で満たした250mlボトルは、その伝導度がCOの混入によって大きく変更されることなく1時間も開放したままで放置できる。
【0044】
実施例3
以下の実施例は、250mlのガラスボトル中に貯蔵された5μS/cmの校正溶液の長期安定性を示している。該校正溶液は、80%のグリセリン、20%の水及び0.0014MのKClを含有していた。伝導度を25℃で定期的に測定した。
【0045】
日付 伝導度
2000年9月 25℃で4.97μS/cm
2001年4月 25℃で4.98μS/cm
2001年12月 25℃で4.99μS/cm
2002年6月 25℃で4.99μS/cm
2002年12月 25℃で5.00μS/cm
前記の値の幾つかは物理技術連邦機構(ブラウンシュヴァイク在)によって確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導度測定用測定セルの校正用の溶液であって、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ジヒドロキシ末端を有するポリエーテル、トリヒドロキシ末端を有するポリエーテル及び/又はジヒドロキシ末端を有するポリエステル、トリヒドロキシ末端を有するポリエステルからなる群から選択される、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする溶液。
【請求項2】
水素結合を形成する基が、少なくとも1kJ/モルで、最大50kJ/モルの結合エネルギーで水素結合することを特徴とする、請求項1記載の溶液。
【請求項3】
水素結合を形成する基がOH基であることを特徴とする、請求項1又は2記載の溶液。
【請求項4】
添加剤がトリエタノールアミン、グリセリン、ポリエチレングリコール及び/又はエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項5】
添加剤がトリエタノールアミン及び/又はグリセリンであることを特徴とする、請求項4記載の溶液。
【請求項6】
伝導度<150μS/cmを有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項7】
添加剤の含量が、校正溶液に対して、少なくとも10容量%で、最大で99容量%であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項8】
溶剤として水を含有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項9】
溶剤として水及び少なくとも1種の他の溶剤を含有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項10】
少なくとも1種の他の溶剤が、アルコール、ケトン、エステル、アミド及び/又は窒素化合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9記載の溶液。
【請求項11】
少なくとも1種の塩を含有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の溶液。
【請求項12】
塩の含量が少なくとも0.0005Mであることを特徴とする、請求項11記載の溶液。
【請求項13】
塩の含量が少なくとも0.0005Mであり、かつ同時に溶液の伝導度が<70μS/cmであることを特徴とする、請求項11又は12記載の溶液。
【請求項14】
伝導度測定用測定セルの校正のための、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ジヒドロキシ末端を有するポリエーテル、トリヒドロキシ末端を有するポリエーテル及び/又はジヒドロキシ末端を有するポリエステル、トリヒドロキシ末端を有するポリエステルからなる群から選択される、水素結合を形成する少なくとも2つの基を有する少なくとも1種の添加剤を含有する溶液の使用。

【公開番号】特開2006−145538(P2006−145538A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334693(P2005−334693)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(501060851)ハミルトン ボナドゥーツ アクチエンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】