電気光学窓に関する改良
本発明は、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の材料でできた電気光学窓(1200)であって、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上にカーボンナノチューブを与えることによって、減少されたRF透過特性を有するように処理された電気光学窓(1200)である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線波長帯の放射線を通す電気光学窓(electro-optic window)及び電気光学窓の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使用中の電気光学装置を保護するために、赤外線透過性の窓が電気光学装置の光路に位置された多くのアプリケーションがある。このような窓が軍用乗物に使用されると、窓が、特に2ないし18GHzの波長帯の放射線であると解されるマイクロ波帯で、入射RF透過性のかなりの部分を通すのであれば、レーダへの好ましくない戻りを与え得る。従って、窓が、赤外線及び好ましくは可視スペクトル帯を透過させるが、マイクロ波を透過させないように、窓に厳密な設計基準を定める。「窓」という用語は、光学倍率(optical power)を有し又は有することなく、可視光線波長帯と赤外線波長帯との少なくとも一方の放射線を透過させることが可能な要素を意味するようにして広く使用され、一般的に、レンズ、屈折性の要素及び回折性の要素を含む。「透過」という用語は、窓が、赤外線波長帯と可視光線波長帯との少なくとも一方の中間の値で、少なくとも90%を透過させることを意味するようにして使用される。
【0003】
低いRF透過性の赤外線窓を提供するために、窓の表面に金属メッシュ、即ちグリッドを与えることが知られている。しかし、金属メッシュは、可視光線及びIR透過特性に好ましくない影響を与え、さらに、いくつかの他の欠点を有する。金属は、好ましくない影響を引き起こし得る窓の材料と反応し得、窓が、水又は砂の摩損に晒され、金属メッシュの厚さが、窓の摩損を速めるように、水滴又は砂の小さな粒を片寄らせ得る。
【0004】
いくつかのアプリケーションでは、低いRF透過性を示す硫化亜鉛の窓が、電気光学センサに使用されている。最近の窓の設計は、マイクロ波放射線を反射するように、硫化亜鉛の窓の表面の近くに微細な金属グリッドを組み込んでいる。バルクの硫化亜鉛の窓は、化学蒸着により形成されて、グリッドが、スパッタリング/化学蒸着により形成され、かくして形成された大きな面積が問題である。この手法に関して、多くの問題がある。このような設計は、費用対効果に優れず、金属グリッドの均一性を確実にすることが難しく、遮蔽金属グリッドへの周囲環境損傷のリスクが高い。ZnSで表面を覆うことによる反射グリッドの封じ込め(encapsulation)によって、周囲環境の破壊の問題を回避し得るが、この手法は、表面トポグラフィにおけるさらに大きな困難性及び引き起こされる欠陥を受け、また、さらに次の製造マシンも必要となる。
【0005】
米国特許第6,265,466号は、カーボンナノチューブが、電磁遮蔽アプリケーションにバルクで使用されるポリマに遮蔽特性を与えるのに有用であることができることを示している。この文献では、ナノチューブがポリマのホストに配置(align)されたとき、ナノチューブの小さな体積片でかなりのマイクロ波の遮蔽が果され得ることが示されている。また、この文献では、遮蔽のメカニズムは、マイクロ波の吸収により果されることが示されている。高いIR透過性に関して言及されていないが、開示されたバルクのポリマの特性は、高いIR吸収性を示し、従って、電気光学窓へのアプリケーションに対して本質的に適していないことを示している。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明の目的は、上述の欠点のいくつかを克服する、又は少なくとも実質的に減少させることである。さらに、本発明の目的は、赤外線と可視光線との両方に対して高い透過性、即ち透明性を有するが、マイクロ波放射線のかなりの量を透過させない電気光学センサのための窓を提供することである。本発明のさらなる目的は、従来の窓よりも周囲環境損傷に対する感受性を減少させた電気光学センサのための窓を提供することである。本発明のさらなる他の目的は、カーボンナノチューブを組み込んだ電気光学窓を形成するための方法を提供することである。本発明のさらなる他の目的は、機体(又は他の囲い構造体)と窓枠との間に、及びこの窓自体を覆うようにして、良い電気的な連続性を与える窓を提供することである。
【0007】
広い意味では、本発明は、電気光学窓にカーボンナノチューブの電磁特性を使用する概念と、窓の構造体にカーボンナノチューブを組み込むための方法とである。
【0008】
従って、一態様では、本発明は、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の材料でできた電気光学窓であって、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブを与えることによって、減少されたRF透過特性を有する電気光学窓を提供する。
【0009】
我々は、カーボンナノチューブが、比較的不活性であり、窓の材料と好ましくない反応をしないことを見出した。また、カーボンナノチューブの使用は、電気光学窓が優れたIR及び可視スペクトル透過特性を有し、かつ適切な低いレベルのRF透過性を与えるようにして形成されることを可能にする。ナノチューブは、コーティング又は層の形態で、若しくはバルク材料自体内に分散されて、窓内又は窓上に分布されることができる。窓の一方の側に層として与えられたところでは、必要な層の厚さは、従来使用された金属の厚さよりもかなり薄くすることができ、それ故、水滴又は砂の小さな粒による片寄りを減少させ、かくして水又は砂の摩損を減少させる効果を奏する。
【0010】
一構成では、複数のカーボンナノチューブは、窓の1つの表面の上に層として設けられている。この層は、マットの形態で与えられることができる。このマットは、IR及び可視光の透過性を増加させ、一方、必要な低いRF透過特性を維持するように、貫通される、又は複数の孔のアレイが設けられることができる。このマットは、レーザによりマットに形成された複数の孔のパターンを有することができる。
【0011】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブは、IRと可視光線との少なくとも一方に対して透過性の材料の表面に与えられたフィルムに組み込まれており、このフィルムは、複数のカーボンナノチューブを組み込んだ適切なキャリア材料を含む。
【0012】
他の実施の形態では、複数のカーボンナノチューブは、窓の形成中、赤外線に対して透過性の材料に組み込まれている。かくして、例えば、複数のカーボンナノチューブが、赤外線に対して透過性の材料の形成中、若しくは焼結又は押圧処理中に取り込まれることができる。
【0013】
赤外線に対して透過性の窓の材料は、好ましくは、セレン化亜鉛、ZnS(8ないし10μm)、ZnS(Cleartran)、CdTe、硫化ガラス、セレン化ガラス、MgF2、CaF2、BaF2、KCl、AgCl、KBr、CsBr、Csl、KRS5、SiO2、ケイ酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、Al2O3、スピネル、Si、Ge、GaAs半導体、アルミン酸カルシウムガラス、発達ガラス(germinate glass)、フッ化ガラス、MgF2、CaF2、MgOホットプレスセラミック、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2溶解成長フッ化物、ダイヤモンド並びに処理されたホウケイ酸塩(Vocor)とを含むグループから選択された結晶材料又はガラス材料を含むことができる。
【0014】
窓の材料は、例えばレードームを使用したような適切なポリマであることができる。このようなポリマは、ポリアミド、エポキシ樹脂、繊維強化エポキシ樹脂、クロロトリフルオロエチレン、アクリルスチレンアクリロニトリル、アクリルスチレンアクロンニトリルポリカーボネート混合物、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエン並びに非プラスチックのポリビニル塩化物を含む。
【0015】
他の態様では、本発明は、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブの分布を与えることを具備する電気光学窓を形成する方法を提供する。
【0016】
一例では、本方法は、複数のカーボンナノチューブでできたマットを与えて、窓の表面にこのマットを結合させる工程を含むことができる。マットは、かなり分散された複数のカーボンナノチューブのゾルを準備して、「ナノペーパ」(”nanopaper”)として参照されるナノチューブのマットを与えるように、ゾルを乾燥させることによって形成されることができる。マットの赤外線透過特性を高めるために、このマットには複数の孔のアレイが設けられることができる。一例では、複数の孔のアレイは、高められた電気伝導性を与えるように、孔のない表面の境界で、窓の中心のIR透過領域全体に亘って設けられることができる。一構成では、複数の孔は、レーザドリルにより形成される。
【0017】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブの分布は、複数のカーボンナノチューブの分散を含む乾燥可能又は硬化可能な液体キャリアを窓の表面に与えることによって与えられることができる。この液体キャリアは、好ましくはマスクを通して噴霧することを含む様々な方法で、窓の表面に与えられることができる。キャリアは、樹脂又はポリマであることができるが、形成された窓が、赤外線及び可視光線に対してなおもほぼ透過性であるように、赤外線と可視光線との少なくとも一方をほとんど吸収しないように、比較的薄い層を形成している。
【0018】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブの分散を含む液体キャリアは、スピンオン処理を使用して、窓の表面に与えられる。
【0019】
他の例では、粒子の窓の前駆体材料が与えられ、複合材料を形成するために、窓の前駆体材料内に複数のカーボンナノチューブが分散される。前駆体材料の粒子は、好ましくは、単一分散(mono-disperse)である。好ましい方法では、粒子の窓の材料は、複数のカーボンナノチューブが分散されるコロイドの形態で与えられる。コロイドは、乾燥され、必要であれば、窓を形成するために、高められた圧力及び温度を受ける。いくつかの場合には、熱間静水圧プレス法のような激しい処理が必要とされる。
【0020】
他の構成では、ナノチューブは、樹脂又はポリマ材料に分散されて、それから、窓の材料の表面に与えられる。
【0021】
窓の材料内の複数のカーボンナノチューブの分散を高めるために、これらカーボンナノチューブは、初めに、適切な窓の材料で予め覆われていることができる。
【0022】
本発明の上記及びさらなる特徴部分が、添付の特許請求の範囲に規定され、様々な好ましい実施の形態並びに添付図面に示された特定の例を参照することによって、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、溶媒中のナノチューブの良い分散と不十分な分散との写真による比較である。
【図2】図2は、乾燥したコロイド状の硫化亜鉛の電子顕微鏡像である。
【図3(a)】図3(a)は、ZnS複合体の低倍率の電子顕微鏡像である。
【図3(b)】図3(b)は、図3(a)に示されるZnS複合体の高倍率の電子顕微鏡像であり、ナノチューブを示している。
【図3(c)】図3(c)は、図3(a)に示されるZnS/CNT複合体のさらなる高倍率の電子顕微鏡像であり、ZnSで覆われたナノチューブを示している。
【図3(d)】
【図4】図4は、ナノチューブ/ZnSペレットの写真画像である。
【図5】図5は、カーボンナノチューブを組み込んだZnSゲルの写真画像である。
【図6(a)】図6(a)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(b)】図6(b)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(c)】図6(c)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(d)】図6(d)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(e)】図6(e)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図7(a)】図7(a)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(b)】図7(b)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(c)】図7(c)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(d)】図7(d)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図8(a)】図8(a)は、エポキシ樹脂内のカーボンナノチューブの分散の透過電子顕微鏡像である。
【図8(b)】図8(b)は、エポキシ樹脂内のカーボンナノチューブの分散の透過電子顕微鏡像である。
【図9(a)】図9(a)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(b)】図9(b)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(c)】図9(c)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(d)】図9(d)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図10】図10は、硫化亜鉛基板の上にプリントされたナノチューブメッシュの電子顕微鏡像である。
【図11】図11は、ドリルフレームの上のナノチューブ/接着複合体のマウントの電子顕微鏡像である。
【図12】図12は、電子光学窓のレイアップの概略図である。
【図13(a)】図13(a)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【図13(b)】図13(b)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【図13(c)】図13(c)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
カーボンナノチューブは、商業的に入手可能であり、CNI、Carbolex並びにNano-Labを含む多くの供給業者から購入されることができる。カーボンナノチューブは、シングルウォールナノチューブ(SWNT)とマルチウォールナノチューブ(MWNT)との2つの一般的な形態で得られることができる。MWNTは、同軸を有するいくつかのSWNTを含む。SWNTは、1nmのオーダの直径を有し、一方、MWNTは、これより大きく、10ないし20nmの直径を有する。SWNTとMWNTとの両方が、同様に良い電気活性を示すが、前者が本発明に好ましい。なぜならば、ナノチューブ材料の所定の重さに対して電気的な性能が良いからである。包接された(wrapped)ナノチューブを与えるために、ロニック(lonic)ポリマ(Ye-Zi You et al, Nanotechnology 17 (2006) 2350-2354)、ポリアリーレンエチレン(Poly(aryleneethylene)s)(Chen et al, J. Amer. Chem. Soc., Vol 124, pp9034-9035, (2002))並びにブロックコポリマ(Shvartzman-Rozen et al, J. Amer. Chem. Soc., Vol 126, pp14850-14857)が、ナノチューブの表面に吸収されることができる。包接されたナノチューブは、SWNT及びMWNTの形態で商業的に入手可能である。包接されたナノチューブは、Zyvex Corporation, 1321 North Plano Road, Richardson, Texas, USA TX75081-2426並びに他の多くの供給元から購入されることができる。
【0025】
全てのカーボンナノチューブは、ナノチューブの緊密に結合したクラスタを形成するように、製造中、強く凝縮される。電気光学窓のアプリケーションに対するナノチューブの電磁特性を完全に活用するために、夫々のナノチューブを分離して、安定化させることが必要である。ナノチューブを分離させるための処理は、従来は「剥離」(“exfoliation”)と称されており、この「剥離」という用語が、以下でこれと同様に使用される。
【0026】
剥離は、カーボンナノチューブの懸濁液を与えるために、機械攪拌と超音波との少なくとも一方で結合された溶媒を使用して果されることができる。良い剥離は、有機溶媒系で果される。最も安定かつ濃縮された懸濁液は、ジクロロベンゼンを使用して得られるが、剥離を果すための他の有機溶媒、即ち、トルエン並びに短鎖、長鎖及び枝分かれのような様々なアルカンのような非極性溶媒、エタノール、メタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドのような極性脂肪族溶媒、ニトロベンゼン及びベンゾニトリルを含む極性芳香族溶媒、クロロホルム、クロロアルカン、ポリクロロアルカン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びブロモアルカンを含むハロゲン化溶媒、ブチルアミン、アニリン及びN−メチルピロリドンのような塩基性溶媒、並びに酢酸及びプロピオン酸のような酸性溶媒を含む有機溶媒を使用することが可能である。ジクロロベンゼンを使用して、1mg/10ml程度の濃度でさえも、数十秒間安定に留まる分散が得られる。このような分散は、目に見える茶色又は黒色の懸濁液である。顕微鏡による解析は、このような懸濁液中に凝縮物が存在することを明らかにし、良い剥離が果されることを示している。界面活性系に見られる代表的な不十分な懸濁液104と、ジクロロベンゼンに見られる良い懸濁液102との比較が、図1に示されている。MWNTは、SWNTよりもこのような懸濁液で良く分散する。SWNTは、MWNTよりも可撓性があるので、SWNTは、より緊密に結合したクラスタからより深く絡まり、MWNTよりも剥離するのが難しいと考えられている。
【0027】
ポリマで包接されたナノチューブの場合には、分散を改良するために、延ばされた超音波アプリケーションが必要である。超音波アプリケーションの後でさえも、再凝縮を避けるために、得られた包接されたナノチューブの懸濁液を直ちに使用することが必要である。水溶性と非水溶性との両方の包接されたナノチューブの懸濁液が、電気光学窓の形成に使用されることができる。
【0028】
ナノチューブが与えられたバルクの硫化亜鉛(ZnS)の窓を形成するために、第1の工程は、ZnS内へのナノチューブの均一な分散である。この工程に関する問題は、商業的に入手可能なZnSに大きな粒子サイズの範囲が見られることである。均一性が不足すると、商業的に入手可能なZnS粉末から始めたとき、ZnS内のナノチューブの均一でない分散のみが準備されてしまう可能性がある。代わって、本発明者は、ZnS内のカーボンナノチューブの均一な分散が、コロイド状のZnSから準備されることができることを見出した。硫化ナトリウムと窒化亜鉛との反応が、数日に渡って安定な水性分散のような高い純度のコロイド状の硫化亜鉛を発生させ、また、ほぼ均一なサイズ(即ち、均散である)のサブミクロンサイズの粒子を与える。
Na2S + Zn(NO3)2 → ZnS + 2NaNO3
図2に示される電子顕微鏡像に見られるように、この水性分散を乾燥させることによって、粉末200が生じる。サブミクロン球体粒子202は、凝縮体204内に明確に見られることができる。生成物の高い純度が、X線回折及びエネルギ分散X線解析を使用して確認された。この手法の効果は、微粒子の材料に関する高い表面エネルギが、以下に説明される電気光学窓の形成の後半段階で必要な焼結及び熱間静水圧プレス法の処理を促進することである。
【0029】
ポリマで包接されたナノチューブは、数日間安定に留まる灰色の分散を与えるように、コロイド状のZnS内で容易に分散する。界面活性剤と超音波との助けでさえも、コロイド状のZnS内の包接されていないナノチューブの長期間安定な分散を発生させることは不可能であると考えられている。
【0030】
例1
硫化亜鉛が、カーボンナノチューブの存在中で発生された。かくして、Zyvex(10ml)からの分散として得られたシングルウォールナノチューブの水性分散が、与えられた超音波が印加された超音波バスに浸されたフラスコの硫化ナトリウム水酸化バリウム(脱イオン水100mlに2.44g)の機械的に攪拌された溶液に加えられた。ナノチューブは浮遊したままである。窒化亜鉛ヘキサドレート(hexahydrate)(脱イオン水100mlに3.02g)の水性分散は、フラスコに含まれる攪拌された混合物にゆっくりと加えられ、なおも超音波が印加された。亜鉛塩を加えることによって、フラスコ内の混合物が濁るようになった。混合物は、24時間超音波なしで攪拌された。繰り返し遠心分離し、上澄みの流体を別の容器に移して、新鮮な脱イオン水に再び分散されることによって、コロイド生成物が集められた。4つの連続したサイクルの後、生成物が、ナノチューブ及び硫化亜鉛の水溶性のコロイドの分散を与えるように、脱イオン水に再び分散された。
【0031】
TEMは、ナノチューブが硫化亜鉛のコーティングを有することを明らかにした。ナノチューブは、部分的な遠心分離によりバルクの硫化亜鉛から分離されることができた。
【0032】
同様の方法が、カーボンナノチューブの存在中で果されたとき、純度の高いコロイド状の硫化亜鉛が生成された。
【0033】
ZnSのコロイドと、ナノチューブが混合された(nanotube-loaded)ZnSコロイド生成材料とを入念に乾燥させることにより、ペレットに圧縮された材料が与えられた。図4は、代表的には直径10mmのナノチューブが混合されたペレット400を示しており、ナノチューブの混合は、5wt%である。比較的大きな試料が、必要に応じて形成されることができる。
【0034】
例2
圧縮に適した材料が、80℃で、空気中でクリーンにされたコロイド(ペトリ皿に収容されている)を乾燥させることによって準備されることができた。得られた固体は、乳鉢と乳棒とを使用して徐々に粉末にされた。そして、粉末が、ステンレス鋼のダイ(直径1cm及び3cm)を使用して圧縮され、約10トン/cm2の圧力を加えることができた。代表的な圧力の範囲は、5ないし15トン/cm2である。
【0035】
コロイドから水分をゆっくりと蒸発させることによって、ゲルが準備された。これは、PTFE潤滑剤で予めスプレーされたPTFEブレーカに含まれた濃い混合することができない液体(ブロモベンゼン又はジメチルフタレート)の表面にコロイドの分散(きれいなZnS又はカーボンナノチューブ/ZnS)のコロイドの分散を位置させることによって果される。水分は、2又は3日間に渡って室温(〜20℃)でゆっくりと蒸発される。このようにして、濃い有機液体に浮遊したゲルのディスクが形成された。きれいなZnSに対して、ディスクは透明である。CNT/ZnSに対して、ディスクは黒色である。
【0036】
硫化亜鉛から有用な窓を形成するために、ヒッピング(hipping)が与えられなければならない。ヒッピング処理は、硫化亜鉛を光学的に透明な形態に変換する高温かつ高圧処理である。代表的には、この処理は、0.1GPaのオーダの圧力かつ1000℃の温度で、ガス環境中で果される。必要とされる正確な条件は、ヒッピングが果されるチャンバの形態に依存して変わる。ナノチューブが混合されたZnSの圧縮されたペレットのヒッピングは、ナノチューブが混合されたZnSの窓を与える。
【0037】
ヒッピングが与えられる間に、焼結が必要とされ得る。焼結は、圧縮された無機材料が、連続的な粒子の融解が生じる温度に加熱される処理であり、単一本体のモノリシック構造体を導く。この処理は、セラミクスを形成するために広く使用される。
【0038】
ナノチューブが混合された硫化亜鉛のペレット(最初に説明されたコロイドルートで準備された)は、純粋な硫化亜鉛に対して使用されるのと同様の条件の下で焼結されることができる。焼結処理の間、材料は、色が薄くなる。このように色が薄くなるのは、焼結された試料が壊れ、表面ではなくバルクであることを示すときに見られるバルクの現象である。色の変化は、カーボンの損失に関連しているのではなく、熱処理に伴い密度が高められた本体の散乱特性にほとんど変化を与えないと考えられる。硫化亜鉛の試料にインプリントされたナノチューブのグリッドを有する硫化亜鉛は、焼結後に色がほとんど変わらない(即ち、カーボンのグリッドは変化せず、下にある硫化亜鉛が色の変化を受けない)ので、さらに、焼結の間、カーボンはほとんど又は全く失われないと考えられる。そして、焼結されたナノチューブが混合されたZnSの連続したヒッピングは、ナノチューブが混合されたZnSの電気光学窓を形成する。
【0039】
ナノチューブが混合されたZnSの窓は、純粋なZnSの窓と比較すると、改良されたマイクロ波遮蔽を示す。さらに、遮蔽は、窓の外面の金属グリッドによってではなく、ZnS内に組み込まれたナノチューブにより与えられるので、窓も、従来の窓と比較して周囲環境損傷に対して改良された抵抗性を示す。
【0040】
従って、所望の電磁特性を有する窓を得るために、ナノチューブを混合するレベルが適切に選択されなければならない。ナノチューブの混合が増加するのに従って、マイクロ波透過性は、(吸収というよりも主に高められた反射により)減少する。しかし、可視光線透過率及び赤外線透過率も減少する。これら相反する要請が、所望のアプリケーションに対して正確な特性を得るために、バランスを保たなければならない。窓内のナノチューブの分散の効果が増加するのに従って、マイクロ波、赤外線及び可視光線透過性も減少することに注意する。かくして、ナノチューブの良い分散が強く望まれ、ナノチューブの少ない混合(1.5wt%又は2.5wt%のオーダ)であることを可能にし、一方、効果的な遮蔽を維持することが好ましい。
【0041】
電気光学窓の構成の代わりの方法が、本発明のさらなる実施の形態に従って考えられる。
【0042】
ナノチューブ自体の上にZnSの薄層を成長させることも可能である。ZnSで覆われたナノチューブに関する2つの効果がある。第1に、ナノチューブによって、幾分、固有の損失メカニズムによって、マイクロ波放射線の減衰が生じる。この損失の大きさは、ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って増加する。かくして、窓の構造内の近くの電気的に独立したナノチューブと関連する大きな固有の損失メカニズムを最終的に活用することが可能である。これは、アプリケーションが吸収よりもむしろ反射を必要とするならば、赤外線窓からのレーダの戻りを軽減させる効果を奏する。第2に、溶液ルートを介して硫化亜鉛の複数の分子層を有する堆積されたナノチューブを覆うことによって、連続した成長を可能にする。
【0043】
反応条件と界面活性剤の選択との範囲を使用して、例1で得られるようなカーボンナノチューブの上に硫化亜鉛の薄層を堆積させるために、溶液とコロイド化学とを使用することが可能である。図3aは、カーボンナノチューブの良い分散を示す硫化亜鉛/CNT複合体の透過電子顕微鏡像を示している。高倍率(図3b)では、分離したそれぞれのナノチューブが見られることができる。さらなる高倍率(図3c)では、独立した単一のナノチューブが、明確に見られることができる。ナノチューブをコーティングした硫化亜鉛の存在は、電子回折により確認された。
【0044】
ZnSで覆われたナノチューブの上のZnSのエピタキシャル成長の可能性は、さらに、カーボンナノチューブを組み込んだ窓のための構成方法を可能にする。特に、ZnSで覆われたナノチューブが、バルクのZnSに堆積されることができ、そして、ZnSの層又はポリマ又はガラス材料のような他の適切な材料の保護層が、カーボンナノチューブの上に直接成長されることができる。この層は、窓が使用されると、ナノチューブの層に対する周囲環境損傷のリスクを軽減させる。このような窓では、ナノチューブは、バルクのZnS内に分散されないが、かくして、ZnS内のナノチューブの分散工程を不要にすることによって、製造処理を簡単にすることができる。
【0045】
バルクのZnS内のナノチューブを分散させる工程は、代わって、押圧する工程の前に、ZnSの粒子又は結晶の上に直接ナノチューブを成長させることによって果されることができる。これは、コロイド状のZnSにナノチューブの懸濁液を混合する必要性を避け、一方、電気光学窓内にナノチューブの均一な分散を確実にする。さらに、ZnS粒子の上に直接ナノチューブを成長させることは、ナノチューブのクラスタ化の問題をさけ、かくして、剥離の必要性を取り除く。ナノチューブの成長を開始させるために、ZnS粒子に中間の核をなす層を使用する必要がある。しかし、このような核をなす層は、ナノチューブの成長に決まって使用される。
【0046】
図13は、成長技術を使用して形成されたカーボンナノチューブを組み込んだ電気光学窓を概略的に示している。図13(a)は、化学蒸着技術のような既知の技術を使用して形成されることができるZnS基板1314と、ナノチューブ層1312との2つの構成要素でできた窓1310を示している。ナノチューブ層1312は、アーク放電、プラズマ化学蒸着又はRFアシスト化学蒸着技術により(商業的に入手可能なナノチューブを使用する必要なく)この基板の上に直接成長されることができる。このような成長技術は、当業者に知られており、例えば、Boskovic, Stolojan, Khan, Haq, and Silva, Nature Materials, Vol 1 (2002) p165-に記載されている。ナノチューブ層1312は、SWNT、MWNT又はSWNTとMWNTとの混合物を含むことができる。ナノチューブの成長の前に、ZnS基板の上に小さな核をなす層(図示されない)を堆積させる必要がある。しかし、この層は、ナノメートルの不連続なアイランドのみを有し、それ故、窓1310の電磁特性を邪魔しない。核をなす層は、適切な化学蒸着技術を使用して与えられた非常に薄い金属コーティングであるか、又は基板の上に非常に微小な粒子を分散させることによって与えられることができる。
【0047】
ZnSで覆われたナノチューブを参照して上述されたように、窓1310は、ナノチューブ層1312のすぐ上部に適切に成長されたさらなるZnS層1322で覆われることができる。このような窓1320が、図13(b)に示される。図13(c)は、層構造を形成することを意図したこの概念の窓1330を示している。窓1330は、ナノチューブ材料1334の層に挿入されたZnSの層1332を有する。この層構造は、ナノチューブのかなり厚い分布が、窓1330に組み込まれることを可能にする。
【0048】
ZnSと、ZnSとナノチューブが混合されたZnSコロイドに適切な乾燥条件を与えることによりナノチューブが混合されたZnSを形成することも可能である。図5は、本発明の一実施の形態に係わるナノチューブが混合されたZnSゲル500を示している。ゲル500は、透明である。さらなるナノチューブのないZnSゲルは、透明であることが明らかである。
【0049】
ナノチューブ/ZnS構造体の準備のためのさらなる方法は、バルクのZnSにナノチューブパターンを噴霧堆積させることである。ナノチューブの有用なアレイの堆積は、高温又は高圧処理の前に果されることができる。本発明の実施の形態に係わるペイントに基づいたナノチューブが、ポリマで包接されたSWNTから準備されることができる。
【0050】
シングルウォールナノチューブは、超音波を使用して分離され、これら構造体内に多くの芳香(ベンゼノイド)族を含むポリマの吸収により安定化される。ポリマの選択によって、水溶性ナノチューブが準備されることができる。ポリマの存在は、ナノチューブを部分的に絶縁性にし、かくして、ナノチューブネットワークの電気伝導性を減少させる。
【0051】
一例では、π包接ポリマ(pi wrapped polymer)で覆われた包接されたシングルウォールナノチューブが、噴霧のための適切なペイントを形成させるように、ジクロロメタン(1mgのナノチューブ/1ml溶媒)のような揮発性溶媒で分散される。π包接ポリマは、構造内に多くの非局在化されたπ電子結合を含む。ポリマとナノチューブとの相互作用は、ナノチューブの非局在化電子系でポリマのπ系の相互作用から生じると考えられている。
【0052】
適切なテンプレートを使用して、所定のパターンの範囲が、ガラスと硫化亜鉛基板との両方の上にエアブラシで堆積された。いくつかの例が、図6(a)ないし図6(e)に示されている。図6(a)ないし図6(c)は、ガラスの上に堆積されたカーボンナノチューブのパターンを示している。図6(d)は、押圧されたZnSの上に堆積されたカーボンナノチューブを示している。また、図6(e)は、透明なZnSの上に堆積されたカーボンナノチューブを示している。果され得る空間分解能は、テンプレートの品質及びエアブラシのスプレーのパターンの粗さにより制限される。ペイントの形態は、例えば少量の揮発性溶媒を使用することによって、インクジェットプリンタのような高い空間分解能の堆積装置で使用するために修正されることができることが理解される。
【0053】
ナノチューブは、電気光学窓のためのコーティングを形成するためのポリアミド酸で分散されることができる。高い剪断分散ツール(Ultra-Turrax dispersion tool LT25, IKA)が、ポリアミド酸と購入された(as-bought)カーボンナノチューブとの混合物に与えられ、結果として生じる粘性を有する生成物が、シリコンウェハの上に与えられる(spin)。連続した加熱処理が、ポリアミド酸をポリイミドに変換する。処理するには粘性が高すぎる生成物を導く高い混合で、2.5wt%に達するナノチューブの混合が果され得る。図7(a)ないし図7(d)は、混合物に対して分散ツールの延ばされたアプリケーションで、最終的なナノチューブ/ポリマフィルムの均一性をどのように改良するかを示している。ナノチューブクラスタを処理した36時間後でさえも、凝縮物が、完全に壊されることがないことが明らかである。それにもかかわらず、これら試料は、混合のレベルと分散との機能として、電磁特性の調査を十分に果す。
【0054】
また、ナノチューブは、複合体内のナノチューブのマイクロ波、可視光線及び赤外線の特性を研究する目的で、エポキシ樹脂に分散されることができる。ナノチューブは、アミンの官能基を含む有機材料に対する類似点(しかし大きくない)を有する。2連の(bipartite)エポキシ樹脂は、エポキシ化合物とアミン硬化物を含む。樹脂試料のナノチューブの優れた分散は、本発明のさらなる実施の形態に係る新規な混合方法を使用することにより得られる。
【0055】
例3
ナノチューブを樹脂に組み入れるために、2つの方法が、使用される。第1の方法では、ナノチューブは、熱分散ツールを使用して、2連の樹脂の硬化剤の成分で分散された。ナノチューブの高い混合のために、クロロホルム又はトリクロロエチレンのような溶媒を加えることが必要であるので、N−メチルピロリドンが、溶媒として使用され、薄いフィルムが、シリコン又はガラスのような平坦な表面上に、エポキシ混合をスピニングすることによって準備された。分散ツールが効率的に動作するように、十分な液体が、流体性を維持するために加えられた。ナノチューブの少ない混合(<1wt%)では、溶媒の体積が、硬化剤の体積の約4分の1である。高い混合〜5wt%では、溶媒と等しい体積を使用することが必要である。さらに、溶媒が蒸発する(分散処理中、混合物が温まる)のを防ぐために、氷水のバスを使用して、硬化/ナノチューブの混合物を冷却する必要がある。分散時間は、代表的には30分である。分散の品質の改良は、長い混合時間でも観測されなかった。ナノチューブが十分に分散されると、エポキシ族が加えられて、良い混合を確実にするために、分散ツールが約1分間使用された。モノリスの製造のために、混合物が、PTFEスプレーで覆われたシリコンラバーでできた適切なモールドに注がれた。溶媒の大きな体積に生じたいくつかの収縮が果される。わずかな収縮が、少ない混合の試料で観測された。硬化されると、ナノチューブ/エポキシ構造体が、必要なサイズ(例えば導波路に適したサイズ)に形成された。
【0056】
第2に、カーボンナノチューブは、エポキシとモルタルの硬化剤とを最初に混合することによって、樹脂に分散される。そして、乳棒の助けで、ナノチューブが、激しい手動攪拌により混合される。これは、分離されたナノチューブの優れた分散を生じ、シングルウォールナノチューブ及びダブルウォールナノチューブの両方に対して十分に作用する。
【0057】
果される優れた剥離が、図8(a)に示される透過電子顕微鏡像並びに図8(b)に示される拡大された透過電子顕微鏡像に見られることができる。
【0058】
ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って、ナノチューブ/樹脂の混合物の可視光線透過率は減少する。同様に、ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って、赤外線透過率も減少する。ナノチューブのアライメント(alignment)は、剪断力がナノチューブ/パラフィンオイルの混合物に与えられたとき、形成される。このようなアライメントが、例えばマイクロ波の偏光器を使用することができると考えられる。
【0059】
スプレー及びペイントを使用して可能であるよりも高い解像度のパターニングを果すために、ナノチューブのメッシュが、ナノチューブのマット(ここではナノペーパと称される)を形成して、ナノペーパに適切なパターンを形成することによって与えられた。
【0060】
有機溶媒中のナノチューブの分散のための上述の処理は、かなり分散され、安定で、大きな体積のナノチューブのゾルの準備を果すために、修正される。高品質、高い電気伝導性の欠陥のないナノペーパ、制御可能な寸法が得られれば、カーボンナノチューブの優れた剥離は、必須である。
【0061】
例4
前記ペーパは、機械的な攪拌及び超音波アプリケーションによって、適切なキャリア流体(1,2−ジクロロベンゼンが良いことが明らかとなっている)にナノチューブを分散させることによって形成された。そして、懸濁液が、微孔ミリポア(Millopore)フィルタ(PVED(ポリビニリデンフッ化物)の90mmの直径0.65μmの孔のサイズ)を通ってフィルタにかけられ、ナノチューブがパッドを形成した。入念な乾燥によって、乾燥ペーパ形成された。乾燥方法は、大きな連続シートの形成に必須である。全ての液体がフィルタを通して吸引されると、真空(吸引)が、このペーパが乾燥するまで、さらに3時間与えられた。ナノペーパの露出面が、両面粘着テープの一方の側に入念に位置された(テープの他方の側は、まだ保護カバーを有する)。両面粘着テープに接着されたナノペーパに関して、ミリポアメンブレンが取り除かれた。保護カバーは、粘着テープの他方の側面から取り除かれて、ナノチューブのペーパ/粘着テープの複合体が、レーザ処理によってフレームに位置された。
【0062】
本発明の一実施の形態に係る上述の方法を使用して、規定された厚さの環状のナノペーパを繰り返し準備することが可能である。優れた品質のナノペーパが、本方法を使用して、直径90mmの環状のシートで形成されることができる。
【0063】
ナノペーパの機械処理が可能であるが、好ましくない。なぜならば、孔の寸法と位置との良い制御が難しく、非常に入念に扱わなければ、結果として生じる粗いグリッドが裂け易いからである。レーザドリルは、ナノペーパの機械処理の満足のいく手法である。光学セットアップ及びレーザのパワーレベルを調整することによって、かくして、ナノグリッドの光学品質が制御されることができる。図9は、80μmの厚さのナノペーパに、ナノグリッドの可視光線透過性がどのように調整されることができるかを示している。
【0064】
本方法の変形例は、電気光学窓を形成するためのガラスと硫化亜鉛基板との両方に移動されることができるナノグリッドのアップリケの形成を可能にする。この窓は、基板にナノグリッドのアップリケを取り付けることによって形成される。レーザ孔ドリル技術が、大きな面積のナノペーパに与えられる。窓に必要とされる微細なグリッドを形成するために、大きな面積のアレイを広げるためには、適切な光学配置並びに適切なパワーレベルを必要とする。独立したナノグリッドが優れた光学品質で準備されることができるが、利便的な処理のためにはデリケートすぎて、容易に損傷され得る。エポキシ樹脂を含むナノペーパを取り入れることによって、ナノグリッドの堅さを改良する。
【0065】
上述の方法の代わりの方法は、両面接着フィルムを使用する方法である。この方法は、ナノペーパに強く接着し、ガラスに強く接着し、レーザドリルを受ける必要性を満たす(多くの候補のフィルムは、レーザが接着層に浸透することができないので、適切でない)。適切な接着フィルムの両面接着シートが、Hobby Craft Limited, Notley Road, Braintree, Essex, UK及び他の多くの供給元から入手可能である。
【0066】
大きな領域のナノペーパが、選択された接着フィルムの一方の側に押圧される。そして、複合体が、レーザドリルされる露出領域をフレームに装着される(図11)。
【0067】
0.5J/パルスの最大/最小ピークのパワーを有するエクシマレーザ(308nm)が使用されるが、本発明の目的のために、比較的低いパワーが、カーボンにじわじわと入る("nibble”)ために使用された。矩形ビームが、寸法23mmのうち8mmだけ使用され、ビームが、レーザスポットの矩形のフットプリントを与えるように、マイクロレンズのアレイを通過した。
【0068】
マイクロレンズのアレイを使用して、レーザ光スポットのアレイが、レンズのアレイの焦点距離で、試料に放射された。代表的には、2つのアレイで5つが、2.5mmのピッチ距離で放射される。ペーパは、照射点でカーボンを除去するために、0.5秒(即ち50ショット/孔)間、100Hzでパルス化されたレーザ光を照射された。工程の処理及び繰り返しが、単位面積当たりの孔の数を増加させるために使用された。この処理では、フットプリントは、複数の孔の第2のアレイが第1のセットの間にドリルされることができるように、所定の距離だけ(y方向に)シフトされる。工程及び繰り返し処理が、必要な孔の数がy方向に与えられるまで、受けられる。そして、フットプリントが、x方向に与えられることができ、この処理が繰り返される。このようにして(ラスタ操作と同様に)貫通されたペーパが、規定された所定のピッチで複数の孔の必要な密度を有するように形成される。
【0069】
図11に示されるペーパに対して、平均的な孔のサイズは、約235μmであり、(ナノペーパに残る)平均的なライン幅は、約85μmである。本方法の一変形例では、ペーパは、レーザドリルの前に、このペーパを硬化させるために、エポキシ、シアノアクリレート樹脂を含浸されることができる。
【0070】
図12は、本発明の一実施の形態に係る電気光学窓1200のレイアップ(lay-up)を概略的に示している。上述のように形成されたナノグリッドのアップリケ1202が、直径75mm、厚さ7mmの環状のホウケイ塩酸ガラスのディスク1204に与えられる。わずかに大きなナノチューブのアップリケ1202の両端部は、ディスク1204の周端部に折り重ねられ、ナノチューブの窓が、金属のハウジング1206に装着される。窓は、窓とハウジングとの間の電気的な連続性を確実にするために、電気導電性のシロキサン1208を使用して、所定の位置に接着される。ナノグリッドのアップリケ1202は、窓1200に高められたマイクロ波遮蔽を与える。
【0071】
レーザドリルに代わる方法は、基板にナノグリッドを直接インプリントすることである。赤外線窓に反射要素として現在使用されているのと同様の複数の孔の金属メッシュが、ZnS基板と金属メッシュとの間にナノペーパで硫化亜鉛の窓の上面に押圧される。サンドイッチ構造に圧力が加えられて、金属グリッドが除去された後、正確なナノチューブのコピーが、硫化亜鉛の上にプリントされる(図10)。かくして、ナノチューブのコピーが、高められたマイクロ波遮蔽で結果として生じる窓を与える。
【0072】
ナノペーパを使用して形成された窓は、透過性ペイントと組み合わせられることができる。このようなペイントは、ナノペーパが窓に堆積され、形作られる前、又は後に与えられることができる。代わって、ナノペーパは、窓に取着される前にペイントで浸されても良い。
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線波長帯の放射線を通す電気光学窓(electro-optic window)及び電気光学窓の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使用中の電気光学装置を保護するために、赤外線透過性の窓が電気光学装置の光路に位置された多くのアプリケーションがある。このような窓が軍用乗物に使用されると、窓が、特に2ないし18GHzの波長帯の放射線であると解されるマイクロ波帯で、入射RF透過性のかなりの部分を通すのであれば、レーダへの好ましくない戻りを与え得る。従って、窓が、赤外線及び好ましくは可視スペクトル帯を透過させるが、マイクロ波を透過させないように、窓に厳密な設計基準を定める。「窓」という用語は、光学倍率(optical power)を有し又は有することなく、可視光線波長帯と赤外線波長帯との少なくとも一方の放射線を透過させることが可能な要素を意味するようにして広く使用され、一般的に、レンズ、屈折性の要素及び回折性の要素を含む。「透過」という用語は、窓が、赤外線波長帯と可視光線波長帯との少なくとも一方の中間の値で、少なくとも90%を透過させることを意味するようにして使用される。
【0003】
低いRF透過性の赤外線窓を提供するために、窓の表面に金属メッシュ、即ちグリッドを与えることが知られている。しかし、金属メッシュは、可視光線及びIR透過特性に好ましくない影響を与え、さらに、いくつかの他の欠点を有する。金属は、好ましくない影響を引き起こし得る窓の材料と反応し得、窓が、水又は砂の摩損に晒され、金属メッシュの厚さが、窓の摩損を速めるように、水滴又は砂の小さな粒を片寄らせ得る。
【0004】
いくつかのアプリケーションでは、低いRF透過性を示す硫化亜鉛の窓が、電気光学センサに使用されている。最近の窓の設計は、マイクロ波放射線を反射するように、硫化亜鉛の窓の表面の近くに微細な金属グリッドを組み込んでいる。バルクの硫化亜鉛の窓は、化学蒸着により形成されて、グリッドが、スパッタリング/化学蒸着により形成され、かくして形成された大きな面積が問題である。この手法に関して、多くの問題がある。このような設計は、費用対効果に優れず、金属グリッドの均一性を確実にすることが難しく、遮蔽金属グリッドへの周囲環境損傷のリスクが高い。ZnSで表面を覆うことによる反射グリッドの封じ込め(encapsulation)によって、周囲環境の破壊の問題を回避し得るが、この手法は、表面トポグラフィにおけるさらに大きな困難性及び引き起こされる欠陥を受け、また、さらに次の製造マシンも必要となる。
【0005】
米国特許第6,265,466号は、カーボンナノチューブが、電磁遮蔽アプリケーションにバルクで使用されるポリマに遮蔽特性を与えるのに有用であることができることを示している。この文献では、ナノチューブがポリマのホストに配置(align)されたとき、ナノチューブの小さな体積片でかなりのマイクロ波の遮蔽が果され得ることが示されている。また、この文献では、遮蔽のメカニズムは、マイクロ波の吸収により果されることが示されている。高いIR透過性に関して言及されていないが、開示されたバルクのポリマの特性は、高いIR吸収性を示し、従って、電気光学窓へのアプリケーションに対して本質的に適していないことを示している。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明の目的は、上述の欠点のいくつかを克服する、又は少なくとも実質的に減少させることである。さらに、本発明の目的は、赤外線と可視光線との両方に対して高い透過性、即ち透明性を有するが、マイクロ波放射線のかなりの量を透過させない電気光学センサのための窓を提供することである。本発明のさらなる目的は、従来の窓よりも周囲環境損傷に対する感受性を減少させた電気光学センサのための窓を提供することである。本発明のさらなる他の目的は、カーボンナノチューブを組み込んだ電気光学窓を形成するための方法を提供することである。本発明のさらなる他の目的は、機体(又は他の囲い構造体)と窓枠との間に、及びこの窓自体を覆うようにして、良い電気的な連続性を与える窓を提供することである。
【0007】
広い意味では、本発明は、電気光学窓にカーボンナノチューブの電磁特性を使用する概念と、窓の構造体にカーボンナノチューブを組み込むための方法とである。
【0008】
従って、一態様では、本発明は、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の材料でできた電気光学窓であって、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブを与えることによって、減少されたRF透過特性を有する電気光学窓を提供する。
【0009】
我々は、カーボンナノチューブが、比較的不活性であり、窓の材料と好ましくない反応をしないことを見出した。また、カーボンナノチューブの使用は、電気光学窓が優れたIR及び可視スペクトル透過特性を有し、かつ適切な低いレベルのRF透過性を与えるようにして形成されることを可能にする。ナノチューブは、コーティング又は層の形態で、若しくはバルク材料自体内に分散されて、窓内又は窓上に分布されることができる。窓の一方の側に層として与えられたところでは、必要な層の厚さは、従来使用された金属の厚さよりもかなり薄くすることができ、それ故、水滴又は砂の小さな粒による片寄りを減少させ、かくして水又は砂の摩損を減少させる効果を奏する。
【0010】
一構成では、複数のカーボンナノチューブは、窓の1つの表面の上に層として設けられている。この層は、マットの形態で与えられることができる。このマットは、IR及び可視光の透過性を増加させ、一方、必要な低いRF透過特性を維持するように、貫通される、又は複数の孔のアレイが設けられることができる。このマットは、レーザによりマットに形成された複数の孔のパターンを有することができる。
【0011】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブは、IRと可視光線との少なくとも一方に対して透過性の材料の表面に与えられたフィルムに組み込まれており、このフィルムは、複数のカーボンナノチューブを組み込んだ適切なキャリア材料を含む。
【0012】
他の実施の形態では、複数のカーボンナノチューブは、窓の形成中、赤外線に対して透過性の材料に組み込まれている。かくして、例えば、複数のカーボンナノチューブが、赤外線に対して透過性の材料の形成中、若しくは焼結又は押圧処理中に取り込まれることができる。
【0013】
赤外線に対して透過性の窓の材料は、好ましくは、セレン化亜鉛、ZnS(8ないし10μm)、ZnS(Cleartran)、CdTe、硫化ガラス、セレン化ガラス、MgF2、CaF2、BaF2、KCl、AgCl、KBr、CsBr、Csl、KRS5、SiO2、ケイ酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、Al2O3、スピネル、Si、Ge、GaAs半導体、アルミン酸カルシウムガラス、発達ガラス(germinate glass)、フッ化ガラス、MgF2、CaF2、MgOホットプレスセラミック、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2溶解成長フッ化物、ダイヤモンド並びに処理されたホウケイ酸塩(Vocor)とを含むグループから選択された結晶材料又はガラス材料を含むことができる。
【0014】
窓の材料は、例えばレードームを使用したような適切なポリマであることができる。このようなポリマは、ポリアミド、エポキシ樹脂、繊維強化エポキシ樹脂、クロロトリフルオロエチレン、アクリルスチレンアクリロニトリル、アクリルスチレンアクロンニトリルポリカーボネート混合物、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエン並びに非プラスチックのポリビニル塩化物を含む。
【0015】
他の態様では、本発明は、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブの分布を与えることを具備する電気光学窓を形成する方法を提供する。
【0016】
一例では、本方法は、複数のカーボンナノチューブでできたマットを与えて、窓の表面にこのマットを結合させる工程を含むことができる。マットは、かなり分散された複数のカーボンナノチューブのゾルを準備して、「ナノペーパ」(”nanopaper”)として参照されるナノチューブのマットを与えるように、ゾルを乾燥させることによって形成されることができる。マットの赤外線透過特性を高めるために、このマットには複数の孔のアレイが設けられることができる。一例では、複数の孔のアレイは、高められた電気伝導性を与えるように、孔のない表面の境界で、窓の中心のIR透過領域全体に亘って設けられることができる。一構成では、複数の孔は、レーザドリルにより形成される。
【0017】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブの分布は、複数のカーボンナノチューブの分散を含む乾燥可能又は硬化可能な液体キャリアを窓の表面に与えることによって与えられることができる。この液体キャリアは、好ましくはマスクを通して噴霧することを含む様々な方法で、窓の表面に与えられることができる。キャリアは、樹脂又はポリマであることができるが、形成された窓が、赤外線及び可視光線に対してなおもほぼ透過性であるように、赤外線と可視光線との少なくとも一方をほとんど吸収しないように、比較的薄い層を形成している。
【0018】
他の構成では、複数のカーボンナノチューブの分散を含む液体キャリアは、スピンオン処理を使用して、窓の表面に与えられる。
【0019】
他の例では、粒子の窓の前駆体材料が与えられ、複合材料を形成するために、窓の前駆体材料内に複数のカーボンナノチューブが分散される。前駆体材料の粒子は、好ましくは、単一分散(mono-disperse)である。好ましい方法では、粒子の窓の材料は、複数のカーボンナノチューブが分散されるコロイドの形態で与えられる。コロイドは、乾燥され、必要であれば、窓を形成するために、高められた圧力及び温度を受ける。いくつかの場合には、熱間静水圧プレス法のような激しい処理が必要とされる。
【0020】
他の構成では、ナノチューブは、樹脂又はポリマ材料に分散されて、それから、窓の材料の表面に与えられる。
【0021】
窓の材料内の複数のカーボンナノチューブの分散を高めるために、これらカーボンナノチューブは、初めに、適切な窓の材料で予め覆われていることができる。
【0022】
本発明の上記及びさらなる特徴部分が、添付の特許請求の範囲に規定され、様々な好ましい実施の形態並びに添付図面に示された特定の例を参照することによって、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、溶媒中のナノチューブの良い分散と不十分な分散との写真による比較である。
【図2】図2は、乾燥したコロイド状の硫化亜鉛の電子顕微鏡像である。
【図3(a)】図3(a)は、ZnS複合体の低倍率の電子顕微鏡像である。
【図3(b)】図3(b)は、図3(a)に示されるZnS複合体の高倍率の電子顕微鏡像であり、ナノチューブを示している。
【図3(c)】図3(c)は、図3(a)に示されるZnS/CNT複合体のさらなる高倍率の電子顕微鏡像であり、ZnSで覆われたナノチューブを示している。
【図3(d)】
【図4】図4は、ナノチューブ/ZnSペレットの写真画像である。
【図5】図5は、カーボンナノチューブを組み込んだZnSゲルの写真画像である。
【図6(a)】図6(a)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(b)】図6(b)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(c)】図6(c)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(d)】図6(d)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図6(e)】図6(e)は、カーボンナノチューブのペイントを噴霧された基板の写真画像である。
【図7(a)】図7(a)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(b)】図7(b)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(c)】図7(c)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図7(d)】図7(d)は、ポリマ内のナノチューブの分散の写真画像である。
【図8(a)】図8(a)は、エポキシ樹脂内のカーボンナノチューブの分散の透過電子顕微鏡像である。
【図8(b)】図8(b)は、エポキシ樹脂内のカーボンナノチューブの分散の透過電子顕微鏡像である。
【図9(a)】図9(a)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(b)】図9(b)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(c)】図9(c)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図9(d)】図9(d)は、本発明の実施の形態に係わるナノグリッドの電子顕微鏡像であり、孔を増加させたことによるグリッドの透過性の改良を示している。
【図10】図10は、硫化亜鉛基板の上にプリントされたナノチューブメッシュの電子顕微鏡像である。
【図11】図11は、ドリルフレームの上のナノチューブ/接着複合体のマウントの電子顕微鏡像である。
【図12】図12は、電子光学窓のレイアップの概略図である。
【図13(a)】図13(a)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【図13(b)】図13(b)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【図13(c)】図13(c)は、本発明のさらなる実施の形態に係わる電子光学窓の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
カーボンナノチューブは、商業的に入手可能であり、CNI、Carbolex並びにNano-Labを含む多くの供給業者から購入されることができる。カーボンナノチューブは、シングルウォールナノチューブ(SWNT)とマルチウォールナノチューブ(MWNT)との2つの一般的な形態で得られることができる。MWNTは、同軸を有するいくつかのSWNTを含む。SWNTは、1nmのオーダの直径を有し、一方、MWNTは、これより大きく、10ないし20nmの直径を有する。SWNTとMWNTとの両方が、同様に良い電気活性を示すが、前者が本発明に好ましい。なぜならば、ナノチューブ材料の所定の重さに対して電気的な性能が良いからである。包接された(wrapped)ナノチューブを与えるために、ロニック(lonic)ポリマ(Ye-Zi You et al, Nanotechnology 17 (2006) 2350-2354)、ポリアリーレンエチレン(Poly(aryleneethylene)s)(Chen et al, J. Amer. Chem. Soc., Vol 124, pp9034-9035, (2002))並びにブロックコポリマ(Shvartzman-Rozen et al, J. Amer. Chem. Soc., Vol 126, pp14850-14857)が、ナノチューブの表面に吸収されることができる。包接されたナノチューブは、SWNT及びMWNTの形態で商業的に入手可能である。包接されたナノチューブは、Zyvex Corporation, 1321 North Plano Road, Richardson, Texas, USA TX75081-2426並びに他の多くの供給元から購入されることができる。
【0025】
全てのカーボンナノチューブは、ナノチューブの緊密に結合したクラスタを形成するように、製造中、強く凝縮される。電気光学窓のアプリケーションに対するナノチューブの電磁特性を完全に活用するために、夫々のナノチューブを分離して、安定化させることが必要である。ナノチューブを分離させるための処理は、従来は「剥離」(“exfoliation”)と称されており、この「剥離」という用語が、以下でこれと同様に使用される。
【0026】
剥離は、カーボンナノチューブの懸濁液を与えるために、機械攪拌と超音波との少なくとも一方で結合された溶媒を使用して果されることができる。良い剥離は、有機溶媒系で果される。最も安定かつ濃縮された懸濁液は、ジクロロベンゼンを使用して得られるが、剥離を果すための他の有機溶媒、即ち、トルエン並びに短鎖、長鎖及び枝分かれのような様々なアルカンのような非極性溶媒、エタノール、メタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドのような極性脂肪族溶媒、ニトロベンゼン及びベンゾニトリルを含む極性芳香族溶媒、クロロホルム、クロロアルカン、ポリクロロアルカン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びブロモアルカンを含むハロゲン化溶媒、ブチルアミン、アニリン及びN−メチルピロリドンのような塩基性溶媒、並びに酢酸及びプロピオン酸のような酸性溶媒を含む有機溶媒を使用することが可能である。ジクロロベンゼンを使用して、1mg/10ml程度の濃度でさえも、数十秒間安定に留まる分散が得られる。このような分散は、目に見える茶色又は黒色の懸濁液である。顕微鏡による解析は、このような懸濁液中に凝縮物が存在することを明らかにし、良い剥離が果されることを示している。界面活性系に見られる代表的な不十分な懸濁液104と、ジクロロベンゼンに見られる良い懸濁液102との比較が、図1に示されている。MWNTは、SWNTよりもこのような懸濁液で良く分散する。SWNTは、MWNTよりも可撓性があるので、SWNTは、より緊密に結合したクラスタからより深く絡まり、MWNTよりも剥離するのが難しいと考えられている。
【0027】
ポリマで包接されたナノチューブの場合には、分散を改良するために、延ばされた超音波アプリケーションが必要である。超音波アプリケーションの後でさえも、再凝縮を避けるために、得られた包接されたナノチューブの懸濁液を直ちに使用することが必要である。水溶性と非水溶性との両方の包接されたナノチューブの懸濁液が、電気光学窓の形成に使用されることができる。
【0028】
ナノチューブが与えられたバルクの硫化亜鉛(ZnS)の窓を形成するために、第1の工程は、ZnS内へのナノチューブの均一な分散である。この工程に関する問題は、商業的に入手可能なZnSに大きな粒子サイズの範囲が見られることである。均一性が不足すると、商業的に入手可能なZnS粉末から始めたとき、ZnS内のナノチューブの均一でない分散のみが準備されてしまう可能性がある。代わって、本発明者は、ZnS内のカーボンナノチューブの均一な分散が、コロイド状のZnSから準備されることができることを見出した。硫化ナトリウムと窒化亜鉛との反応が、数日に渡って安定な水性分散のような高い純度のコロイド状の硫化亜鉛を発生させ、また、ほぼ均一なサイズ(即ち、均散である)のサブミクロンサイズの粒子を与える。
Na2S + Zn(NO3)2 → ZnS + 2NaNO3
図2に示される電子顕微鏡像に見られるように、この水性分散を乾燥させることによって、粉末200が生じる。サブミクロン球体粒子202は、凝縮体204内に明確に見られることができる。生成物の高い純度が、X線回折及びエネルギ分散X線解析を使用して確認された。この手法の効果は、微粒子の材料に関する高い表面エネルギが、以下に説明される電気光学窓の形成の後半段階で必要な焼結及び熱間静水圧プレス法の処理を促進することである。
【0029】
ポリマで包接されたナノチューブは、数日間安定に留まる灰色の分散を与えるように、コロイド状のZnS内で容易に分散する。界面活性剤と超音波との助けでさえも、コロイド状のZnS内の包接されていないナノチューブの長期間安定な分散を発生させることは不可能であると考えられている。
【0030】
例1
硫化亜鉛が、カーボンナノチューブの存在中で発生された。かくして、Zyvex(10ml)からの分散として得られたシングルウォールナノチューブの水性分散が、与えられた超音波が印加された超音波バスに浸されたフラスコの硫化ナトリウム水酸化バリウム(脱イオン水100mlに2.44g)の機械的に攪拌された溶液に加えられた。ナノチューブは浮遊したままである。窒化亜鉛ヘキサドレート(hexahydrate)(脱イオン水100mlに3.02g)の水性分散は、フラスコに含まれる攪拌された混合物にゆっくりと加えられ、なおも超音波が印加された。亜鉛塩を加えることによって、フラスコ内の混合物が濁るようになった。混合物は、24時間超音波なしで攪拌された。繰り返し遠心分離し、上澄みの流体を別の容器に移して、新鮮な脱イオン水に再び分散されることによって、コロイド生成物が集められた。4つの連続したサイクルの後、生成物が、ナノチューブ及び硫化亜鉛の水溶性のコロイドの分散を与えるように、脱イオン水に再び分散された。
【0031】
TEMは、ナノチューブが硫化亜鉛のコーティングを有することを明らかにした。ナノチューブは、部分的な遠心分離によりバルクの硫化亜鉛から分離されることができた。
【0032】
同様の方法が、カーボンナノチューブの存在中で果されたとき、純度の高いコロイド状の硫化亜鉛が生成された。
【0033】
ZnSのコロイドと、ナノチューブが混合された(nanotube-loaded)ZnSコロイド生成材料とを入念に乾燥させることにより、ペレットに圧縮された材料が与えられた。図4は、代表的には直径10mmのナノチューブが混合されたペレット400を示しており、ナノチューブの混合は、5wt%である。比較的大きな試料が、必要に応じて形成されることができる。
【0034】
例2
圧縮に適した材料が、80℃で、空気中でクリーンにされたコロイド(ペトリ皿に収容されている)を乾燥させることによって準備されることができた。得られた固体は、乳鉢と乳棒とを使用して徐々に粉末にされた。そして、粉末が、ステンレス鋼のダイ(直径1cm及び3cm)を使用して圧縮され、約10トン/cm2の圧力を加えることができた。代表的な圧力の範囲は、5ないし15トン/cm2である。
【0035】
コロイドから水分をゆっくりと蒸発させることによって、ゲルが準備された。これは、PTFE潤滑剤で予めスプレーされたPTFEブレーカに含まれた濃い混合することができない液体(ブロモベンゼン又はジメチルフタレート)の表面にコロイドの分散(きれいなZnS又はカーボンナノチューブ/ZnS)のコロイドの分散を位置させることによって果される。水分は、2又は3日間に渡って室温(〜20℃)でゆっくりと蒸発される。このようにして、濃い有機液体に浮遊したゲルのディスクが形成された。きれいなZnSに対して、ディスクは透明である。CNT/ZnSに対して、ディスクは黒色である。
【0036】
硫化亜鉛から有用な窓を形成するために、ヒッピング(hipping)が与えられなければならない。ヒッピング処理は、硫化亜鉛を光学的に透明な形態に変換する高温かつ高圧処理である。代表的には、この処理は、0.1GPaのオーダの圧力かつ1000℃の温度で、ガス環境中で果される。必要とされる正確な条件は、ヒッピングが果されるチャンバの形態に依存して変わる。ナノチューブが混合されたZnSの圧縮されたペレットのヒッピングは、ナノチューブが混合されたZnSの窓を与える。
【0037】
ヒッピングが与えられる間に、焼結が必要とされ得る。焼結は、圧縮された無機材料が、連続的な粒子の融解が生じる温度に加熱される処理であり、単一本体のモノリシック構造体を導く。この処理は、セラミクスを形成するために広く使用される。
【0038】
ナノチューブが混合された硫化亜鉛のペレット(最初に説明されたコロイドルートで準備された)は、純粋な硫化亜鉛に対して使用されるのと同様の条件の下で焼結されることができる。焼結処理の間、材料は、色が薄くなる。このように色が薄くなるのは、焼結された試料が壊れ、表面ではなくバルクであることを示すときに見られるバルクの現象である。色の変化は、カーボンの損失に関連しているのではなく、熱処理に伴い密度が高められた本体の散乱特性にほとんど変化を与えないと考えられる。硫化亜鉛の試料にインプリントされたナノチューブのグリッドを有する硫化亜鉛は、焼結後に色がほとんど変わらない(即ち、カーボンのグリッドは変化せず、下にある硫化亜鉛が色の変化を受けない)ので、さらに、焼結の間、カーボンはほとんど又は全く失われないと考えられる。そして、焼結されたナノチューブが混合されたZnSの連続したヒッピングは、ナノチューブが混合されたZnSの電気光学窓を形成する。
【0039】
ナノチューブが混合されたZnSの窓は、純粋なZnSの窓と比較すると、改良されたマイクロ波遮蔽を示す。さらに、遮蔽は、窓の外面の金属グリッドによってではなく、ZnS内に組み込まれたナノチューブにより与えられるので、窓も、従来の窓と比較して周囲環境損傷に対して改良された抵抗性を示す。
【0040】
従って、所望の電磁特性を有する窓を得るために、ナノチューブを混合するレベルが適切に選択されなければならない。ナノチューブの混合が増加するのに従って、マイクロ波透過性は、(吸収というよりも主に高められた反射により)減少する。しかし、可視光線透過率及び赤外線透過率も減少する。これら相反する要請が、所望のアプリケーションに対して正確な特性を得るために、バランスを保たなければならない。窓内のナノチューブの分散の効果が増加するのに従って、マイクロ波、赤外線及び可視光線透過性も減少することに注意する。かくして、ナノチューブの良い分散が強く望まれ、ナノチューブの少ない混合(1.5wt%又は2.5wt%のオーダ)であることを可能にし、一方、効果的な遮蔽を維持することが好ましい。
【0041】
電気光学窓の構成の代わりの方法が、本発明のさらなる実施の形態に従って考えられる。
【0042】
ナノチューブ自体の上にZnSの薄層を成長させることも可能である。ZnSで覆われたナノチューブに関する2つの効果がある。第1に、ナノチューブによって、幾分、固有の損失メカニズムによって、マイクロ波放射線の減衰が生じる。この損失の大きさは、ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って増加する。かくして、窓の構造内の近くの電気的に独立したナノチューブと関連する大きな固有の損失メカニズムを最終的に活用することが可能である。これは、アプリケーションが吸収よりもむしろ反射を必要とするならば、赤外線窓からのレーダの戻りを軽減させる効果を奏する。第2に、溶液ルートを介して硫化亜鉛の複数の分子層を有する堆積されたナノチューブを覆うことによって、連続した成長を可能にする。
【0043】
反応条件と界面活性剤の選択との範囲を使用して、例1で得られるようなカーボンナノチューブの上に硫化亜鉛の薄層を堆積させるために、溶液とコロイド化学とを使用することが可能である。図3aは、カーボンナノチューブの良い分散を示す硫化亜鉛/CNT複合体の透過電子顕微鏡像を示している。高倍率(図3b)では、分離したそれぞれのナノチューブが見られることができる。さらなる高倍率(図3c)では、独立した単一のナノチューブが、明確に見られることができる。ナノチューブをコーティングした硫化亜鉛の存在は、電子回折により確認された。
【0044】
ZnSで覆われたナノチューブの上のZnSのエピタキシャル成長の可能性は、さらに、カーボンナノチューブを組み込んだ窓のための構成方法を可能にする。特に、ZnSで覆われたナノチューブが、バルクのZnSに堆積されることができ、そして、ZnSの層又はポリマ又はガラス材料のような他の適切な材料の保護層が、カーボンナノチューブの上に直接成長されることができる。この層は、窓が使用されると、ナノチューブの層に対する周囲環境損傷のリスクを軽減させる。このような窓では、ナノチューブは、バルクのZnS内に分散されないが、かくして、ZnS内のナノチューブの分散工程を不要にすることによって、製造処理を簡単にすることができる。
【0045】
バルクのZnS内のナノチューブを分散させる工程は、代わって、押圧する工程の前に、ZnSの粒子又は結晶の上に直接ナノチューブを成長させることによって果されることができる。これは、コロイド状のZnSにナノチューブの懸濁液を混合する必要性を避け、一方、電気光学窓内にナノチューブの均一な分散を確実にする。さらに、ZnS粒子の上に直接ナノチューブを成長させることは、ナノチューブのクラスタ化の問題をさけ、かくして、剥離の必要性を取り除く。ナノチューブの成長を開始させるために、ZnS粒子に中間の核をなす層を使用する必要がある。しかし、このような核をなす層は、ナノチューブの成長に決まって使用される。
【0046】
図13は、成長技術を使用して形成されたカーボンナノチューブを組み込んだ電気光学窓を概略的に示している。図13(a)は、化学蒸着技術のような既知の技術を使用して形成されることができるZnS基板1314と、ナノチューブ層1312との2つの構成要素でできた窓1310を示している。ナノチューブ層1312は、アーク放電、プラズマ化学蒸着又はRFアシスト化学蒸着技術により(商業的に入手可能なナノチューブを使用する必要なく)この基板の上に直接成長されることができる。このような成長技術は、当業者に知られており、例えば、Boskovic, Stolojan, Khan, Haq, and Silva, Nature Materials, Vol 1 (2002) p165-に記載されている。ナノチューブ層1312は、SWNT、MWNT又はSWNTとMWNTとの混合物を含むことができる。ナノチューブの成長の前に、ZnS基板の上に小さな核をなす層(図示されない)を堆積させる必要がある。しかし、この層は、ナノメートルの不連続なアイランドのみを有し、それ故、窓1310の電磁特性を邪魔しない。核をなす層は、適切な化学蒸着技術を使用して与えられた非常に薄い金属コーティングであるか、又は基板の上に非常に微小な粒子を分散させることによって与えられることができる。
【0047】
ZnSで覆われたナノチューブを参照して上述されたように、窓1310は、ナノチューブ層1312のすぐ上部に適切に成長されたさらなるZnS層1322で覆われることができる。このような窓1320が、図13(b)に示される。図13(c)は、層構造を形成することを意図したこの概念の窓1330を示している。窓1330は、ナノチューブ材料1334の層に挿入されたZnSの層1332を有する。この層構造は、ナノチューブのかなり厚い分布が、窓1330に組み込まれることを可能にする。
【0048】
ZnSと、ZnSとナノチューブが混合されたZnSコロイドに適切な乾燥条件を与えることによりナノチューブが混合されたZnSを形成することも可能である。図5は、本発明の一実施の形態に係わるナノチューブが混合されたZnSゲル500を示している。ゲル500は、透明である。さらなるナノチューブのないZnSゲルは、透明であることが明らかである。
【0049】
ナノチューブ/ZnS構造体の準備のためのさらなる方法は、バルクのZnSにナノチューブパターンを噴霧堆積させることである。ナノチューブの有用なアレイの堆積は、高温又は高圧処理の前に果されることができる。本発明の実施の形態に係わるペイントに基づいたナノチューブが、ポリマで包接されたSWNTから準備されることができる。
【0050】
シングルウォールナノチューブは、超音波を使用して分離され、これら構造体内に多くの芳香(ベンゼノイド)族を含むポリマの吸収により安定化される。ポリマの選択によって、水溶性ナノチューブが準備されることができる。ポリマの存在は、ナノチューブを部分的に絶縁性にし、かくして、ナノチューブネットワークの電気伝導性を減少させる。
【0051】
一例では、π包接ポリマ(pi wrapped polymer)で覆われた包接されたシングルウォールナノチューブが、噴霧のための適切なペイントを形成させるように、ジクロロメタン(1mgのナノチューブ/1ml溶媒)のような揮発性溶媒で分散される。π包接ポリマは、構造内に多くの非局在化されたπ電子結合を含む。ポリマとナノチューブとの相互作用は、ナノチューブの非局在化電子系でポリマのπ系の相互作用から生じると考えられている。
【0052】
適切なテンプレートを使用して、所定のパターンの範囲が、ガラスと硫化亜鉛基板との両方の上にエアブラシで堆積された。いくつかの例が、図6(a)ないし図6(e)に示されている。図6(a)ないし図6(c)は、ガラスの上に堆積されたカーボンナノチューブのパターンを示している。図6(d)は、押圧されたZnSの上に堆積されたカーボンナノチューブを示している。また、図6(e)は、透明なZnSの上に堆積されたカーボンナノチューブを示している。果され得る空間分解能は、テンプレートの品質及びエアブラシのスプレーのパターンの粗さにより制限される。ペイントの形態は、例えば少量の揮発性溶媒を使用することによって、インクジェットプリンタのような高い空間分解能の堆積装置で使用するために修正されることができることが理解される。
【0053】
ナノチューブは、電気光学窓のためのコーティングを形成するためのポリアミド酸で分散されることができる。高い剪断分散ツール(Ultra-Turrax dispersion tool LT25, IKA)が、ポリアミド酸と購入された(as-bought)カーボンナノチューブとの混合物に与えられ、結果として生じる粘性を有する生成物が、シリコンウェハの上に与えられる(spin)。連続した加熱処理が、ポリアミド酸をポリイミドに変換する。処理するには粘性が高すぎる生成物を導く高い混合で、2.5wt%に達するナノチューブの混合が果され得る。図7(a)ないし図7(d)は、混合物に対して分散ツールの延ばされたアプリケーションで、最終的なナノチューブ/ポリマフィルムの均一性をどのように改良するかを示している。ナノチューブクラスタを処理した36時間後でさえも、凝縮物が、完全に壊されることがないことが明らかである。それにもかかわらず、これら試料は、混合のレベルと分散との機能として、電磁特性の調査を十分に果す。
【0054】
また、ナノチューブは、複合体内のナノチューブのマイクロ波、可視光線及び赤外線の特性を研究する目的で、エポキシ樹脂に分散されることができる。ナノチューブは、アミンの官能基を含む有機材料に対する類似点(しかし大きくない)を有する。2連の(bipartite)エポキシ樹脂は、エポキシ化合物とアミン硬化物を含む。樹脂試料のナノチューブの優れた分散は、本発明のさらなる実施の形態に係る新規な混合方法を使用することにより得られる。
【0055】
例3
ナノチューブを樹脂に組み入れるために、2つの方法が、使用される。第1の方法では、ナノチューブは、熱分散ツールを使用して、2連の樹脂の硬化剤の成分で分散された。ナノチューブの高い混合のために、クロロホルム又はトリクロロエチレンのような溶媒を加えることが必要であるので、N−メチルピロリドンが、溶媒として使用され、薄いフィルムが、シリコン又はガラスのような平坦な表面上に、エポキシ混合をスピニングすることによって準備された。分散ツールが効率的に動作するように、十分な液体が、流体性を維持するために加えられた。ナノチューブの少ない混合(<1wt%)では、溶媒の体積が、硬化剤の体積の約4分の1である。高い混合〜5wt%では、溶媒と等しい体積を使用することが必要である。さらに、溶媒が蒸発する(分散処理中、混合物が温まる)のを防ぐために、氷水のバスを使用して、硬化/ナノチューブの混合物を冷却する必要がある。分散時間は、代表的には30分である。分散の品質の改良は、長い混合時間でも観測されなかった。ナノチューブが十分に分散されると、エポキシ族が加えられて、良い混合を確実にするために、分散ツールが約1分間使用された。モノリスの製造のために、混合物が、PTFEスプレーで覆われたシリコンラバーでできた適切なモールドに注がれた。溶媒の大きな体積に生じたいくつかの収縮が果される。わずかな収縮が、少ない混合の試料で観測された。硬化されると、ナノチューブ/エポキシ構造体が、必要なサイズ(例えば導波路に適したサイズ)に形成された。
【0056】
第2に、カーボンナノチューブは、エポキシとモルタルの硬化剤とを最初に混合することによって、樹脂に分散される。そして、乳棒の助けで、ナノチューブが、激しい手動攪拌により混合される。これは、分離されたナノチューブの優れた分散を生じ、シングルウォールナノチューブ及びダブルウォールナノチューブの両方に対して十分に作用する。
【0057】
果される優れた剥離が、図8(a)に示される透過電子顕微鏡像並びに図8(b)に示される拡大された透過電子顕微鏡像に見られることができる。
【0058】
ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って、ナノチューブ/樹脂の混合物の可視光線透過率は減少する。同様に、ナノチューブの分散の質が改良されるのに従って、赤外線透過率も減少する。ナノチューブのアライメント(alignment)は、剪断力がナノチューブ/パラフィンオイルの混合物に与えられたとき、形成される。このようなアライメントが、例えばマイクロ波の偏光器を使用することができると考えられる。
【0059】
スプレー及びペイントを使用して可能であるよりも高い解像度のパターニングを果すために、ナノチューブのメッシュが、ナノチューブのマット(ここではナノペーパと称される)を形成して、ナノペーパに適切なパターンを形成することによって与えられた。
【0060】
有機溶媒中のナノチューブの分散のための上述の処理は、かなり分散され、安定で、大きな体積のナノチューブのゾルの準備を果すために、修正される。高品質、高い電気伝導性の欠陥のないナノペーパ、制御可能な寸法が得られれば、カーボンナノチューブの優れた剥離は、必須である。
【0061】
例4
前記ペーパは、機械的な攪拌及び超音波アプリケーションによって、適切なキャリア流体(1,2−ジクロロベンゼンが良いことが明らかとなっている)にナノチューブを分散させることによって形成された。そして、懸濁液が、微孔ミリポア(Millopore)フィルタ(PVED(ポリビニリデンフッ化物)の90mmの直径0.65μmの孔のサイズ)を通ってフィルタにかけられ、ナノチューブがパッドを形成した。入念な乾燥によって、乾燥ペーパ形成された。乾燥方法は、大きな連続シートの形成に必須である。全ての液体がフィルタを通して吸引されると、真空(吸引)が、このペーパが乾燥するまで、さらに3時間与えられた。ナノペーパの露出面が、両面粘着テープの一方の側に入念に位置された(テープの他方の側は、まだ保護カバーを有する)。両面粘着テープに接着されたナノペーパに関して、ミリポアメンブレンが取り除かれた。保護カバーは、粘着テープの他方の側面から取り除かれて、ナノチューブのペーパ/粘着テープの複合体が、レーザ処理によってフレームに位置された。
【0062】
本発明の一実施の形態に係る上述の方法を使用して、規定された厚さの環状のナノペーパを繰り返し準備することが可能である。優れた品質のナノペーパが、本方法を使用して、直径90mmの環状のシートで形成されることができる。
【0063】
ナノペーパの機械処理が可能であるが、好ましくない。なぜならば、孔の寸法と位置との良い制御が難しく、非常に入念に扱わなければ、結果として生じる粗いグリッドが裂け易いからである。レーザドリルは、ナノペーパの機械処理の満足のいく手法である。光学セットアップ及びレーザのパワーレベルを調整することによって、かくして、ナノグリッドの光学品質が制御されることができる。図9は、80μmの厚さのナノペーパに、ナノグリッドの可視光線透過性がどのように調整されることができるかを示している。
【0064】
本方法の変形例は、電気光学窓を形成するためのガラスと硫化亜鉛基板との両方に移動されることができるナノグリッドのアップリケの形成を可能にする。この窓は、基板にナノグリッドのアップリケを取り付けることによって形成される。レーザ孔ドリル技術が、大きな面積のナノペーパに与えられる。窓に必要とされる微細なグリッドを形成するために、大きな面積のアレイを広げるためには、適切な光学配置並びに適切なパワーレベルを必要とする。独立したナノグリッドが優れた光学品質で準備されることができるが、利便的な処理のためにはデリケートすぎて、容易に損傷され得る。エポキシ樹脂を含むナノペーパを取り入れることによって、ナノグリッドの堅さを改良する。
【0065】
上述の方法の代わりの方法は、両面接着フィルムを使用する方法である。この方法は、ナノペーパに強く接着し、ガラスに強く接着し、レーザドリルを受ける必要性を満たす(多くの候補のフィルムは、レーザが接着層に浸透することができないので、適切でない)。適切な接着フィルムの両面接着シートが、Hobby Craft Limited, Notley Road, Braintree, Essex, UK及び他の多くの供給元から入手可能である。
【0066】
大きな領域のナノペーパが、選択された接着フィルムの一方の側に押圧される。そして、複合体が、レーザドリルされる露出領域をフレームに装着される(図11)。
【0067】
0.5J/パルスの最大/最小ピークのパワーを有するエクシマレーザ(308nm)が使用されるが、本発明の目的のために、比較的低いパワーが、カーボンにじわじわと入る("nibble”)ために使用された。矩形ビームが、寸法23mmのうち8mmだけ使用され、ビームが、レーザスポットの矩形のフットプリントを与えるように、マイクロレンズのアレイを通過した。
【0068】
マイクロレンズのアレイを使用して、レーザ光スポットのアレイが、レンズのアレイの焦点距離で、試料に放射された。代表的には、2つのアレイで5つが、2.5mmのピッチ距離で放射される。ペーパは、照射点でカーボンを除去するために、0.5秒(即ち50ショット/孔)間、100Hzでパルス化されたレーザ光を照射された。工程の処理及び繰り返しが、単位面積当たりの孔の数を増加させるために使用された。この処理では、フットプリントは、複数の孔の第2のアレイが第1のセットの間にドリルされることができるように、所定の距離だけ(y方向に)シフトされる。工程及び繰り返し処理が、必要な孔の数がy方向に与えられるまで、受けられる。そして、フットプリントが、x方向に与えられることができ、この処理が繰り返される。このようにして(ラスタ操作と同様に)貫通されたペーパが、規定された所定のピッチで複数の孔の必要な密度を有するように形成される。
【0069】
図11に示されるペーパに対して、平均的な孔のサイズは、約235μmであり、(ナノペーパに残る)平均的なライン幅は、約85μmである。本方法の一変形例では、ペーパは、レーザドリルの前に、このペーパを硬化させるために、エポキシ、シアノアクリレート樹脂を含浸されることができる。
【0070】
図12は、本発明の一実施の形態に係る電気光学窓1200のレイアップ(lay-up)を概略的に示している。上述のように形成されたナノグリッドのアップリケ1202が、直径75mm、厚さ7mmの環状のホウケイ塩酸ガラスのディスク1204に与えられる。わずかに大きなナノチューブのアップリケ1202の両端部は、ディスク1204の周端部に折り重ねられ、ナノチューブの窓が、金属のハウジング1206に装着される。窓は、窓とハウジングとの間の電気的な連続性を確実にするために、電気導電性のシロキサン1208を使用して、所定の位置に接着される。ナノグリッドのアップリケ1202は、窓1200に高められたマイクロ波遮蔽を与える。
【0071】
レーザドリルに代わる方法は、基板にナノグリッドを直接インプリントすることである。赤外線窓に反射要素として現在使用されているのと同様の複数の孔の金属メッシュが、ZnS基板と金属メッシュとの間にナノペーパで硫化亜鉛の窓の上面に押圧される。サンドイッチ構造に圧力が加えられて、金属グリッドが除去された後、正確なナノチューブのコピーが、硫化亜鉛の上にプリントされる(図10)。かくして、ナノチューブのコピーが、高められたマイクロ波遮蔽で結果として生じる窓を与える。
【0072】
ナノペーパを使用して形成された窓は、透過性ペイントと組み合わせられることができる。このようなペイントは、ナノペーパが窓に堆積され、形作られる前、又は後に与えられることができる。代わって、ナノペーパは、窓に取着される前にペイントで浸されても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の材料でできた電気光学窓であって、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブを与えることによって、減少されたRF透過特性を有するように処理された電気光学窓。
【請求項2】
前記複数のカーボンナノチューブは、窓の1つの表面の上に層として設けられている請求項1の電気光学窓。
【請求項3】
前記複数のカーボンナノチューブの前記層は、マット構造を有する請求項2の電気光学窓。
【請求項4】
前記層は、複数の孔のアレイを有する請求項1又は2の電気光学窓。
【請求項5】
前記複数の孔は、レーザドリルにより形成されている請求項4の電気光学窓。
【請求項6】
前記複数のカーボンナノチューブは、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料の表面に与えられたフィルムに組み込まれており、
このフィルムは、前記複数のカーボンナノチューブを組み込んだポリマ材料を含む請求項1の電気光学窓。
【請求項7】
前記複数のカーボンナノチューブは、窓の形成中、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料に組み込まれている請求項1の電気光学窓。
【請求項8】
紫外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料は、結晶材料を含む請求項1ないし7のいずれか1の電気光学窓。
【請求項9】
紫外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の前記材料は、ガラス材料を含む請求項1ないし8のいずれか1の電気光学窓。
【請求項10】
窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブの分布を与えることを具備する電気光学窓の形成方法。
【請求項11】
複数のカーボンナノチューブでできたマットを与えて、前記窓の表面にこのマットを結合させる工程を含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記マットのIP透過特性を高めるために、このマットには複数の孔のアレイが設けられる請求項11の方法。
【請求項13】
前記複数の孔は、レーザドリルにより形成される請求項12の方法。
【請求項14】
前記分布は、複数のカーボンナノチューブの分散を含む乾燥可能な又は硬化可能な液体キャリアを与えることにより与えられる請求項10の方法。
【請求項15】
前記液体キャリアは、好ましくはマスクを通して噴霧することにより与えられる請求項14の方法。
【請求項16】
前記液体キャリアは、スピンオン処理を使用して前記窓に与えられる請求項14の方法。
【請求項17】
粒子の形態で窓の前駆体材料を与え、複合材料を形成するために、前記窓の前駆体材料内に複数のカーボンナノチューブを分散させることを含む請求項10の方法。
【請求項18】
前記窓の前駆体材料の粒子は、ほぼ単一分散である請求項17の方法。
【請求項19】
コロイドの形態で前記粒子の窓の材料を与えて、前記コロイド内の複数カーボンナノチューブを分散させて、それから、このコロイドを乾燥させる工程を含む請求項18の方法。
【請求項20】
前記窓を形成するために、前記乾燥されたコロイドに高められた圧力及び温度を与えることを含む請求項19の方法。
【請求項21】
樹脂又はポリマに前記複数のナノチューブを分散させて、それから、前記ポリマを窓の材料の前記表面に与える工程を含む請求項10の方法。
【請求項22】
前記複数のカーボンナノチューブは、初めに、前記窓の材料で覆われている請求項17の方法。
【請求項23】
化学蒸着により、複数のナノチューブを電気光学窓の上に堆積させる工程を含む請求項10の方法。
【請求項1】
赤外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の材料でできた電気光学窓であって、窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブを与えることによって、減少されたRF透過特性を有するように処理された電気光学窓。
【請求項2】
前記複数のカーボンナノチューブは、窓の1つの表面の上に層として設けられている請求項1の電気光学窓。
【請求項3】
前記複数のカーボンナノチューブの前記層は、マット構造を有する請求項2の電気光学窓。
【請求項4】
前記層は、複数の孔のアレイを有する請求項1又は2の電気光学窓。
【請求項5】
前記複数の孔は、レーザドリルにより形成されている請求項4の電気光学窓。
【請求項6】
前記複数のカーボンナノチューブは、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料の表面に与えられたフィルムに組み込まれており、
このフィルムは、前記複数のカーボンナノチューブを組み込んだポリマ材料を含む請求項1の電気光学窓。
【請求項7】
前記複数のカーボンナノチューブは、窓の形成中、赤外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料に組み込まれている請求項1の電気光学窓。
【請求項8】
紫外線と可視光線との少なくとも一方に対して透過性の前記材料は、結晶材料を含む請求項1ないし7のいずれか1の電気光学窓。
【請求項9】
紫外線と可視光線との少なくとも一方に対してほぼ透過性の前記材料は、ガラス材料を含む請求項1ないし8のいずれか1の電気光学窓。
【請求項10】
窓内又は窓の少なくとも1つの表面の上に複数のカーボンナノチューブの分布を与えることを具備する電気光学窓の形成方法。
【請求項11】
複数のカーボンナノチューブでできたマットを与えて、前記窓の表面にこのマットを結合させる工程を含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記マットのIP透過特性を高めるために、このマットには複数の孔のアレイが設けられる請求項11の方法。
【請求項13】
前記複数の孔は、レーザドリルにより形成される請求項12の方法。
【請求項14】
前記分布は、複数のカーボンナノチューブの分散を含む乾燥可能な又は硬化可能な液体キャリアを与えることにより与えられる請求項10の方法。
【請求項15】
前記液体キャリアは、好ましくはマスクを通して噴霧することにより与えられる請求項14の方法。
【請求項16】
前記液体キャリアは、スピンオン処理を使用して前記窓に与えられる請求項14の方法。
【請求項17】
粒子の形態で窓の前駆体材料を与え、複合材料を形成するために、前記窓の前駆体材料内に複数のカーボンナノチューブを分散させることを含む請求項10の方法。
【請求項18】
前記窓の前駆体材料の粒子は、ほぼ単一分散である請求項17の方法。
【請求項19】
コロイドの形態で前記粒子の窓の材料を与えて、前記コロイド内の複数カーボンナノチューブを分散させて、それから、このコロイドを乾燥させる工程を含む請求項18の方法。
【請求項20】
前記窓を形成するために、前記乾燥されたコロイドに高められた圧力及び温度を与えることを含む請求項19の方法。
【請求項21】
樹脂又はポリマに前記複数のナノチューブを分散させて、それから、前記ポリマを窓の材料の前記表面に与える工程を含む請求項10の方法。
【請求項22】
前記複数のカーボンナノチューブは、初めに、前記窓の材料で覆われている請求項17の方法。
【請求項23】
化学蒸着により、複数のナノチューブを電気光学窓の上に堆積させる工程を含む請求項10の方法。
【図1】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図7(c)】
【図7(d)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図13(c)】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図3(c)】
【図3(d)】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図6(c)】
【図6(d)】
【図6(e)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図7(c)】
【図7(d)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図13(c)】
【公表番号】特表2010−514149(P2010−514149A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540875(P2009−540875)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050746
【国際公開番号】WO2008/072010
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(390038014)ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− (74)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050746
【国際公開番号】WO2008/072010
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(390038014)ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− (74)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
【Fターム(参考)】
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