電気光学装置の製造方法及び製造装置
【課題】2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1と第2の基板とを貼り合わせた後に、表示領域内に異物があると判定された場合、2枚の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに異物が2枚の基板の両方に重ならないようになるまで、2枚の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ貼り合わせ面に平行に、移動させる工程を有する。さらに、それぞれの貼り合わせ面を近づけて、接着剤層の層厚を薄くする方向に、2枚の基板の一方を所定量だけ押し込む押込工程と、押込により薄くされた層厚を維持しながら、2枚の基板が貼り合わされたときの位置まで、2枚の基板の一方を移動する移動工程を有する。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1と第2の基板とを貼り合わせた後に、表示領域内に異物があると判定された場合、2枚の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに異物が2枚の基板の両方に重ならないようになるまで、2枚の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ貼り合わせ面に平行に、移動させる工程を有する。さらに、それぞれの貼り合わせ面を近づけて、接着剤層の層厚を薄くする方向に、2枚の基板の一方を所定量だけ押し込む押込工程と、押込により薄くされた層厚を維持しながら、2枚の基板が貼り合わされたときの位置まで、2枚の基板の一方を移動する移動工程を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置の製造方法及び製造装置に関し、基板間の異物を除去することができる電気光学装置の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶装置などの電気光学装置が、表示装置等に広く利用されている。液晶装置等の電気光学装置は、表示装置として広く利用されている。
【0003】
液晶装置が所謂液晶パネルとして表示装置等の電子機器に利用されるために、液晶パネルは、液晶を挟持する2枚の基板にカバーガラスなどの基板が接着剤により貼り合わされ、あるいはそのカバーガラスにさらに別の基板が接着剤により貼り合わされるように構成される場合がある。
【0004】
液晶パネルが表示装置に利用されるとき、光が液晶パネルの液晶装置の表示領域を透過する。その光は、例えば、カバーガラスも透過するが、そのカバーガラスと他の基板との接着層に異物等があると、表示画像上に、その異物等の影が表れてしまう。異物等が表示品質に影響の無い大きさであればよいが、異物等が表示画像上に見えるような場合は、液晶パネルは、不良品と判定される。不良品と判定された液晶装置は、廃棄されるか、カバーガラスを剥がして2枚のそれぞれの表面をクリーニング後に、2枚の基板の貼り合わせが再度行われる。
【0005】
従って、2枚の基板を接着剤により貼り合わせる場合、接着剤層の中に、気泡が発生したり、異物が混入しないように製造されなければならない。
【0006】
そこで、接着剤層中に気泡等が発生することを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2005-234309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、その提案にかかる技術では、気泡等による影の発生の防止はできるようになるが、異物による影の発生の問題は解決されない。
そこで、本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後に、前記表示領域内に異物があると判定された場合、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
【0009】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記層厚が、前記貼り合わせ面に直交する方向における、前記異物の大きさよりも小さくなるように前記押込が行われることが望ましい。
このような構成によれば、確実に異物を除去することができる。
【0010】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記第1の基板と前記第2の基板のうち前記異物が付着していない基板における、前記異物の近傍の表面が押込まれることが望ましい。
このような構成によれば、確実に接着剤層の層厚を薄くして異物を確実に除去することができる。
【0011】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記所定量は、前記異物の前記大きさに反比例した量であることが望ましい。
このような構成によれば、確実に異物を除去することができる。
【0012】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼り合わせる貼り合せ工程と、貼り合わされた前記第1の基板と前記第2の基板の前記表示領域に光を透過させて透過光により、前記第1の基板と前記第2の基板の間であってかつ前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に前記表示領域内に異物があるか否かを検査する検査工程と、該検査する工程において、前記表示領域内に前記異物があると判定された場合、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
【0013】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記検査工程では、前記表示領域を透過した透過光を、所定のスクリーン上に拡大表示された画像に基づいて、前記表示領域内に異物があるか否かを検査することが望ましい。
このような構成によれば、拡大表示により、異物の有無を確実に検出することができる。
【0014】
また、本発明の電気光学装置の製造装置は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板が接着剤により貼り合わされた前記電気光学装置を、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記表示領域内の異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動手段と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込手段と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動手段とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる液晶装置の構成を説明する。以下の実施の形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0016】
本実施の形態の電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1はTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)アレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。図2は、図1のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を使用した電気光学装置を例にとる。
【0017】
図1及び図2において、本実施の形態に係る液晶装置1では、それぞれ略矩形の基板であるTFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、ガラス、石英、樹脂等からなり、透光性を有する。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材31により接着されており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶が封入されて液晶層50を形成している。シール材31が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜32が、対向基板20側に設けられている。
【0018】
シール材31が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路41が、TFTアレイ基板10の一辺である外部接続辺10bに沿って設けられている。また、TFTアレイ基板10には、外部接続辺10bに沿って配列された端子である複数の外部回路接続端子42が形成されている。また、走査線駆動回路43は、データ線駆動回路41及び外部回路接続端子42が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、かつ額縁遮光膜31に覆われるように設けられている。また、TFTアレイ基板10の残る一辺、すなわちデータ線駆動回路41及び外部回路接続端子42が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に対向する辺に沿って設けられ、額縁遮光膜32に覆われるように設けられた複数の配線44によって、二つの走査線駆動回路43は互いに接続されている。
【0019】
また、対向基板20の4つのコーナー部には、TFTアレイ基板10との電気的接続を行う上下導通端子として機能する上下導通材45が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらの上下導通材45に対応する領域において上下導通端子が設けられている。上下導通材45と上下導通端子を介して、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な接続が行われる。
【0020】
図2に示すように、TFTアレイ基板10と対向基板20とは別の基板である、カバーガラス51が対向基板20に接着剤により貼り合わされている。ここでは、接着剤は、熱硬化型接着剤であり、室温状態では6から8時間程度は流動性を有する。なお、後述する異物除去工程において、流動性を有する材料であれば、接着剤は、熱硬化型でない他の接着剤でもよい。
【0021】
液晶パネルとして使用される場合は、一般に、TFTアレイ基板10と対向基板20に、それぞれ図示しない偏光板等がさらに接着剤により貼り合わされる。本実施の形態に係る方法は、そのような偏光板等との貼り合わせにおいて発生する異物混入の場合にも適用できるものである。すなわち、本実施の形態に係る方法は、電気光学装置を構成する2枚の基板を接着剤により貼り合わせた場合の全てにおいて適用できる。しかし、以下では説明を簡単にするために、電気光学装置を構成する対向基板20とカバーガラス51との貼り合わせの場合について説明する。
【0022】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜22が形成されている。
【0023】
ここでは、図1に示すように、TFTアレイ基板10の外部回路接続端子42が形成された表面を含む平面上において、外部接続辺10bと平行な軸をX軸、X軸に直交する軸をY軸と称する。
【0024】
上述した液晶装置1には、図示しないフレキシブル配線基板(以下、FPC(Flexible Printed Circuit)と称する。)が外部回路接続端子42を介して接続されることによって、液晶パネルが構成される。外部回路接続端子42を介して供給される画像信号に基づいて、液晶装置1の画像表示領域10aに画像が表示される。
【0025】
以上のような構成に係る液晶装置1において、貼り合わされた対向基板20とカバーガラス51間に異物が混入した場合と、その異物の除去を行う方法について説明する。
【0026】
まず、図3と図4を用いて、表示領域10aに異物61が混入した場合を説明する。図3は、液晶装置1の平面図である。図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。その液晶装置1の液晶装置1の表示領域10aに異物61が混入すると、その影が表示画像上に現れてしまうので、そのような液晶装置1は不良品とされなければならない。そのために、製造工程において、カバーガラス51を基板20に接着剤により貼り合わされた後に、カバーガラス51と対向基板20の間の接着剤層62中に異物61がないかの検査が行われる。接着剤層62の層厚は、例えば、10μmから20μmである。ここでは、異物61の大きさの一つである粒径は、例えば、5μmから10μmである。
【0027】
その検査は、液晶装置1に光、例えば白色光を照射し、表示領域10aを透過して、スクリーン上に拡大表示された画像を検査者による目視によって、異物61の影の有無をチェックすることによって行われる。拡大表示により、異物の有無を確実に検出することができる。なお、検査は、スクリーン上に拡大表示された画像をCCD等の撮像素子により撮像して画像処理により異物61の影の有無をチェックするようにしてもよい。検査においては、異物61の存在する表示領域10a上の位置が、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)に、インクなどによってマーキングされる。あるいは、異物61の存在する表示領域10a上の位置を、コンピュータシステムの記憶装置に位置情報として記憶装置に記憶させるようにしてもよい。その場合は、位置情報は、異物除去工程における移動及び押込の工程(後述する)において、異物除去工程を行う者あるいは異物除去工程を実行する装置において利用される。異物除去工程を装置において実行する場合の装置構成については後述する。
【0028】
次に、マーキングの施された液晶装置1は、接着剤層62内の異物61を除去する工程に搬送される。以下の例は、図5に示すように、異物61は、対向基板20の一辺20aに近い位置にある。図5から図8は、異物除去の過程を説明するための図である。図5は、異物除去の過程を説明するための平面図である。図6から図8は、異物除去の過程を説明するための断面図である。
【0029】
異物除去工程は、接着剤が硬化する前の流動性を有する状態で行われる。まず、図5に示すように、カバーガラス51と対向基板20の互いに対向するそれぞれの面同士が平行な状態を維持した状態で、カバーガラス51を対向基板20に対して矢印A1で示す方向に移動する。移動方向は、表示領域10a内における異物61の位置に基づいて、移動量が少なくなるような方向に決定される。
【0030】
移動量は、図5に示すような液晶装置1のカバーガラス51の表面を平面視したときに、異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになる量である。図5では、異物61は対向基板20側に付着しているので、異物61がカバーガラス51の外周縁の外側に位置するようになるまで、カバーガラス51は対向基板20の貼り合わせ面に平行に移動される。より詳細に言えば、図5に示す場合、対向基板20の一辺20aから異物61までの距離をL1、異物61を球体としてその粒径L2とすれば、図5に示すように、異物61までの距離が近い一辺20aと同じ側にあるカバーガラス51の一辺51bが、一辺20aから離れる方向(図5では矢印A1の方向)に、カバーガラス51を、距離L1と粒径L2の和以上の距離である距離L3だけ移動する。図6は、その距離L3だけカバーガラス51が移動した状態の断面図である。このカバーガラス51の移動は、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)の付けられた2つのマークの位置を、例えば、目視により確認しながら作業者によって行われる。
【0031】
次に、カバーガラス51の表面を、対向基板20に向けて所定量だけ押し込みながら、一辺20aに近づく方向に、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの位置に戻すように、カバーガラス51を距離L3だけ移動する。図7は、カバーガラス51の表面の部分51aを、ロッド等(図示せず)により押し込んだ状態を示す図である。図7に示すように、カバーガラスが対向基板20側に押されることによって、図7に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面が近づき、接着剤層62の層厚d2は図6の状態のときの層厚d1よりも薄くなる。層厚d1を10μmとすれば、層厚d2は、5μmである。接着剤は硬化しておらず流動性を有しているので、カバーガラス51が押されることによって、対向基板20の外周側に接着剤は押し出される。なお、図7では、その押し出された接着剤の状態は図示していない。
【0032】
カバーガラス51が元の位置に戻るように移動する過程において、異物61は、カバーガラス51の端部に当たって、その後矢印A2の方向に押され、最終的には、異物61は、カバーガラス51の縁部によって対向基板20の外周より外側に押し出される。このカバーガラス51の押込及び移動は、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)の付けられた2つのマークの位置を、目視により確認しながら作業者によって行われる。
【0033】
以上のように、押込工程において、接着剤層62の層厚が、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの層厚d1よりも薄くなるように、具体的には、2枚の基板の表面に直交する方向における異物61の大きさよりも層厚d2が小さくなるように、2枚の基板の一方が他方に対して押し込まれる。そして、その層厚d2を維持しながら、2枚の基板が貼り合わされたときの位置まで相対的に移動されることによって、接着剤層62内の異物61の除去が確実に行われる。
【0034】
特に、カバーガラス51の表面において、異物61に近い部分51aを押し込むために押圧力Fで押圧することによって、異物61を確実にカバーガラス51の縁部に当てて除去できる厚さに、層厚d2をすることができる。
【0035】
上述した例は、異物61が対向基板20側に付着して、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動したときに、カバーガラス51の移動に伴って移動しない場合である。しかし、異物61がカバーガラス51側に付着して、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動したときに、カバーガラス51の移動に伴って移動する場合がある。目視により異物61の付着状態が確認できない場合は、検査工程において、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動させて、拡大表示された状態で、どちらの基板に異物61が付着するかを確認するようにしてもよい。
【0036】
図9から図11は、カバーガラス51側に異物が付着した場合に、異物除去の過程を説明するための図である。図9は、異物除去の過程を説明するための平面図である。図10から図11は、異物除去の過程を説明するための断面図である。
【0037】
図9の場合も、まず、図9に示すように、カバーガラス51と対向基板20の互いに対向するそれぞれの面同士が平行な状態を維持した状態で、カバーガラス51を対向基板20に対して矢印A3で示す方向に移動する。移動量は、図9に示すような液晶装置1のカバーガラス51の表面を平面視したときに、異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになる量である。図9では、異物61はカバーガラス51側に付着しているので、異物61が対向基板20の外周縁の外側に位置するようになるまで、カバーガラス51は対向基板20の貼り合わせ面に平行に移動される。より詳細に言えば、カバーガラス51の一辺51bから異物61までの距離をL4、異物61の大きさ、ここでは異物61を球体としてその粒径がL5とすれば、図9に示すように、一辺51bが一辺20aから離れる方向に、カバーガラス51を、距離L4と粒径L5の和以上の距離である距離L6だけ移動する。図10は、その距離L6だけカバーガラス51が移動した状態の断面図である。
【0038】
次に、カバーガラス51の表面を、所定量だけ、対向基板20に向けて押し込みながら、一辺20aに近づく方向に、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの位置に戻すように、カバーガラス51を、距離L6だけ移動する。図11は、カバーガラス51の表面の部分51aを、ロッド等(図示せず)により押し込んだ状態を示す図である。図11に示すように、カバーガラス51が対向基板20側に押し込まれることによって、図7の場合と同様に、接着剤層62の層厚d2は図10の状態のときの層厚d1よりも薄くなる。接着剤は硬化しておらず流動性を有しているので、カバーガラス51が所定量だけ押し込まれることによって、対向基板20の外周側に接着剤は押し出される。なお、図11でも、その押し出された接着剤の状態は図示していない。
【0039】
カバーガラス51が矢印A4の方向に戻る移動過程において、異物61は、対向基板20の縁部に当たって、最終的には、異物61は、対向基板20の縁部によって対向基板20の外周より外側に押し出される。
【0040】
従って、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に動かしたときに、異物61がカバーガラス51側に付着するのか、対向基板20側に付着するかによって、図5のようにカバーガラス51を移動させるのか、図9のようにカバーガラス51を移動させるのかが決定される。
【0041】
上述した所定量である押込量は、異物61の大きさ、例えば異物61が球体形状であれば、粒径L2、L5に応じて異なる。図12は、その押込量と大きさ(ここでは粒径)との関係を示すグラフである。
【0042】
図12に示すように、異物61の粒径が大きくなるに従って、押込量は少なくなるような関係がある。押込量は、異物61の大きさに反比例する。これは、粒径が大きい場合は、少しの押込量だけで、基板の縁部に異物61が当たるため、接着剤層62の中から異物61を押し出すことができるが、粒径が小さい場合は、少しの押込量だけでは、基板の縁部に異物61が当たらないため、接着剤層62の中から異物61を押し出すことができなくなるので、より大きな押込量でなければならないからである。
【0043】
また、上述した例では、カバーガラス51を対向基板20に対して移動させるときに、矩形の対向基板20の一辺20aに対して直交する方向に、カバーガラス51を移動していたが、一辺20aに対して平行な方向に移動するようにしてもよい。さらに、カバーガラス51を、一辺20aに対して所定の角度θの方向に移動するように移動するようにしてもよい。
【0044】
図13は、カバーガラス51を対向基板20の一辺20aに対して平行な方向に移動する場合を説明するための平面図である。
図13に示すように、液晶装置1のカバーガラス51の平面を平面視したときに、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。図13の場合は、対向基板20側に異物61が付着している場合である。なお、カバーガラス51側に異物61が付着している場合は、図13において異物61を点線で示すように、異物61が対向基板20の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。
【0045】
図14は、カバーガラス51を対向基板20の一辺20aに対して所定の角度θの方向に移動する場合を説明するための平面図である。
この場合も、図14に示すように、液晶装置1のカバーガラス51の平面を平面視したときに、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。図14の場合は、対向基板20側に異物61が付着している場合である。なお、カバーガラス51側に異物61が付着している場合は、図14において異物61を点線で示すように、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。
以上のように異物除去の工程は、2枚の基板同士を接着剤で貼り合わせた後に、接着剤が硬化する前に、検査工程が行われ、それに続いて異物除去工程が行われる。
【0046】
図15は、2枚の基板の貼り合わせから、検査を経て、異物の除去を行う工程を説明するための説明図である。図15に示す工程は、電気光学装置の製造工程を構成する。まず、それぞれが電気光学装置を構成する2枚の基板である対向基板20とカバーガラス51とを貼り合わせる工程S1が実施される。次に、接着剤が硬化する前の流動性を有する状態のときに、工程S2とS3とが実施される。
【0047】
工程S2が、工程S1の後に実施される。工程S2は、検査工程である。検査工程は、貼り合わされた対向基板20とカバーガラス51の表示領域10aに光を透過させてその透過光によりスクリーン上に拡大表示させて、対向基板20とカバーガラス51の間であってかつ対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に、表示領域10a内に異物61があるか否かを検査する工程である。
【0048】
検査工程S2において、表示領域10a内に異物61があると判定された場合、液晶パネルは不良品としてNGとなり、次に、異物除去工程S3が実施される。
【0049】
異物除去工程S3において、図5から図14を用いて説明したように、異物61の除去が行われ、さらに、異物除去工程S3の後に、検査工程S2が再度実施される。検査工程S2において、表示領域10a内に異物61が無いと判定されると、液晶パネルは良品としてYESとなり、次の製造工程に液晶装置1に搬送される。しかし、検査工程S2において、表示領域10a内に異物61があると再度判定されると、異物除去工程S3が再度実施される。
【0050】
このようにして、異物が除去されるまで、検査工程S2と異物除去工程S3は繰り返される。なお、一定の基準を設けて、繰り返し回数を制限するようにしてもよい。
以上のように、異物除去工程S3は、第1の移動工程、押込工程及び第2の移動工程とを含む。
【0051】
第1の移動工程は、例えば、図5、図6、図9、図10、図13あるいは図14に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになるまで、対向基板20とカバーガラス51のうちの一方を他方に対して相対的に、貼り合わせ面に平行に移動させる工程である。
【0052】
押込工程は、図7あるいは図11に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を近づけることによって接着剤による形成された接着剤層62の層厚を薄くする方向に、対向基板20又はカバーガラス51を所定量だけ押し込む工程である。
【0053】
第2の移動工程は、図8に示すように、押込により薄くされた接着剤層62の層厚を維持しながら、それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに貼り合わせ工程において貼り合わされたときの位置(図3及び図4に示す位置)まで、対向基板20又はカバーガラス51を移動する工程である。
【0054】
次に、異物除去工程を自動的に行う電気光学装置の製造装置について説明する。
図16は、上述した検査及び移動の工程を実行する装置の構成を説明するための構成図である。図16に示すように、液晶装置1の検査及び異物の除去を行う製造装置100は、液晶装置1を搭載するためのステージ101と、ステージ101上に液晶装置1を固定するための吸引装置102と、撮像装置103と、押圧ロッド104とを含む。
【0055】
さらに、製造装置100は、撮像装置103に接続された画像処理装置105と、押圧ロッド104に接続され押圧ロッドを駆動する押圧ロッド駆動装置106と、液晶装置1の貼り合わされた2基板の一方の移動を行うための基板移動装置107と、制御装置108とを含む。
【0056】
液晶装置1は、例えば図3から図14において説明したようなカバーガラス51と対向基板20の2枚の基板が貼り合わされた後に、ステージ101上に搭載される。液晶装置1がステージ101上に搭載された後に、製造装置100によって、上述した検査と異物除去の工程が液晶装置1に対して実行される。
【0057】
ステージ101の表面には、吸引装置102に接続された吸引管102aの複数の開口部(図示せず)が形成されている。吸引装置102が吸引を行うと、ステージ101の表面上の複数の開口部に液晶装置1の基板表面が吸着して、液晶装置1は、ステージ101上に固定することができる。
【0058】
なお、ここでは、吸引装置102を用いて液晶装置1をステージ101上に固定しているが、ステージ101上に形成された液晶装置1の外形形状に合った凹部に液晶装置1を嵌め込むようにして固定したり、可動式の固定部材によって液晶装置1を把持して固定するようにしてもよい。
【0059】
さらになお、ここでは、対向基板20を固定して、カバーガラス51を移動させるように構成された例が示されているが、カバーガラス51を固定して、対向基板20を移動可能とするようにしてもよい。
【0060】
撮像装置103は、ステージ101上の液晶装置1のカバーガラス51も表面を正面視するように撮像する。撮像装置103からの映像信号は、画像処理装置105に入力される。画像処理装置105は、映像信号に基づいて、液晶装置1のカバーガラス51等の位置情報を算出する。
【0061】
押圧ロッド104は、液晶装置1の基板表面の押圧部51aを押圧し押し込むための装置であり、押圧ロッド駆動装置106によって、液晶装置1のカバーガラス51の表面上の押す位置、及び押込量が制御される。
【0062】
基板移動装置107は、液晶装置1の移動すべき基板、ここではカバーガラス51の移動を制御する装置である。その移動すべき基板は、図示しない把持装置によって把持され、その基板の移動方向と移動量が、基板移動装置107によって制御される。
【0063】
吸引装置102と、画像処理装置105と、押圧ロッド駆動装置106と、基板移動装置107とは、制御装置108に接続される。制御装置108は、CPU、記憶装置等の含むコンピュータ等であり、製造装置100の全体の制御を行う。
【0064】
次に、制御装置108の動作を説明する。図17は、制御装置108の動作の例を示すフローチャートである。なお、以下では、図5から図8、あるいは図13に示したような、異物が対向基板20側に付着した場合について説明する。
【0065】
まず、制御装置108は、液晶装置1をステージ101上に固定するために、吸引装置102を起動して動作させる(ステップS11)。
次に、異物除去工程の前工程である検査工程S1において、異物が検出され、その異物の位置情報と、その異物の粒径の情報は、制御装置108の記憶装置(図示せず)に記憶されている。従って、制御装置108は、異物の位置情報を記憶装置から読み出す(ステップS12)。
制御装置108は、読み出した異物の位置情報に基づいて、カバーガラス51の移動方向を決定し、カバーガラス51の移動量を算出する(ステップS13)。
【0066】
制御装置108は、決定した移動方向と算出した移動量だけカバーガラス51を移動するように、基板移動装置107に移動制御信号を出力する(ステップS14)。その結果、把持装置によって把持されたカバーガラス51は、その移動方向にその移動量だけ移動する。その移動した結果は、撮像装置103からの映像信号が、画像処理装置105を介して制御装置108に入力されるので、制御装置108は、カバーガラス51の移動を確認することができる。
【0067】
次に、制御装置108は、異物の位置情報と粒径情報とに基づいて、カバーガラス51の表面の押圧位置51aを決定し、押圧力Fで押圧するときの押込量を算出する(ステップS15)。押込量は、例えば、上述した図12に示すように異物61の粒径から算出される。
【0068】
続いて、制御装置108は、決定した押圧位置において、算出した押込量だけカバーガラス51を押し込むために、カバーガラス51を押圧するように、押圧ロッド駆動装置106に押圧制御信号を出力する(ステップS16)。その結果、カバーガラス51の異物61の近傍表面が、異物61を押し出すように押圧される。押圧する位置を、撮像装置103からの映像信号によって、制御装置108は確認することができる。
【0069】
そして、押込量を維持したままで、カバーガラス51を元の位置に戻すように、基板移動装置107に移動制御信号を出力する(ステップS17)。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、接着剤により貼り合わせた2枚の基板間に異物が混入した場合に、その異物を簡単に除去できる電気光学装置の製造方法及びその装置を実現することができる。特に、従来のように、異物が発見された場合に、基板の剥離とクリーニングを行ってから、再度2枚の基板の貼り合わせを行う場合には数分掛かっていたが、本実施の形態に係る方法によれば、数十秒で異物除去ができるので、製造効率も高い。
【0071】
なお、以上の説明は、異物の除去を行う対象が1つの液晶パネルであるが、複数の液晶装置が搭載されたマザー基板に対しても、本実施の形態の方法は適用可能である。
また、例えば、LCOS等の反射型の電気光学パネルに応用する場合には、反射型の電気光学パネルに光を照射し、表示領域10aから反射して、スクリーン上に拡大表示された画像を検査者による目視によって、異物61の影の有無をチェックすることによっても、本実施の形態の方法は適用可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係わる液晶装置の平面図。
【図2】図1のH−H’断面図。
【図3】液晶装置の平面図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】異物除去の過程を説明するための平面図。
【図6】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図7】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図8】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図9】異物除去の過程を説明するための平面図。
【図10】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図11】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図12】押込量と大きさ(ここでは粒径)との関係を示すグラフ。
【図13】一方の基板を他方基板の一辺に対して平行移動する場合の平面図。
【図14】一方の基板を他方基板の一辺に対して所定角度方向に移動する場合の平面図。
【図15】2枚の基板の貼り合わせ、検査、及び異物除去の工程を説明するための図。
【図16】検査及び移動の工程を実行する装置の構成を説明するための構成図。
【図17】制御装置の動作の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0073】
1 液晶装置、9a 画素電極、10 TFTアレイ基板、10a 画像表示領域、16、22 配向膜、20 対向基板、21 対向電極、23 遮光膜、31 シール材、41 データ線駆動回路、42 外部回路接続端子、43 走査線駆動回路、51 カバーガラス、50 液晶、61 異物、62 接着剤層、100 製造装置、101 ステージ、103 撮像装置、104 押圧ロッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置の製造方法及び製造装置に関し、基板間の異物を除去することができる電気光学装置の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶装置などの電気光学装置が、表示装置等に広く利用されている。液晶装置等の電気光学装置は、表示装置として広く利用されている。
【0003】
液晶装置が所謂液晶パネルとして表示装置等の電子機器に利用されるために、液晶パネルは、液晶を挟持する2枚の基板にカバーガラスなどの基板が接着剤により貼り合わされ、あるいはそのカバーガラスにさらに別の基板が接着剤により貼り合わされるように構成される場合がある。
【0004】
液晶パネルが表示装置に利用されるとき、光が液晶パネルの液晶装置の表示領域を透過する。その光は、例えば、カバーガラスも透過するが、そのカバーガラスと他の基板との接着層に異物等があると、表示画像上に、その異物等の影が表れてしまう。異物等が表示品質に影響の無い大きさであればよいが、異物等が表示画像上に見えるような場合は、液晶パネルは、不良品と判定される。不良品と判定された液晶装置は、廃棄されるか、カバーガラスを剥がして2枚のそれぞれの表面をクリーニング後に、2枚の基板の貼り合わせが再度行われる。
【0005】
従って、2枚の基板を接着剤により貼り合わせる場合、接着剤層の中に、気泡が発生したり、異物が混入しないように製造されなければならない。
【0006】
そこで、接着剤層中に気泡等が発生することを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2005-234309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、その提案にかかる技術では、気泡等による影の発生の防止はできるようになるが、異物による影の発生の問題は解決されない。
そこで、本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後に、前記表示領域内に異物があると判定された場合、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
【0009】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記層厚が、前記貼り合わせ面に直交する方向における、前記異物の大きさよりも小さくなるように前記押込が行われることが望ましい。
このような構成によれば、確実に異物を除去することができる。
【0010】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記第1の基板と前記第2の基板のうち前記異物が付着していない基板における、前記異物の近傍の表面が押込まれることが望ましい。
このような構成によれば、確実に接着剤層の層厚を薄くして異物を確実に除去することができる。
【0011】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記押込工程では、前記所定量は、前記異物の前記大きさに反比例した量であることが望ましい。
このような構成によれば、確実に異物を除去することができる。
【0012】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼り合わせる貼り合せ工程と、貼り合わされた前記第1の基板と前記第2の基板の前記表示領域に光を透過させて透過光により、前記第1の基板と前記第2の基板の間であってかつ前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に前記表示領域内に異物があるか否かを検査する検査工程と、該検査する工程において、前記表示領域内に前記異物があると判定された場合、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造方法を提供することができる。
【0013】
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記検査工程では、前記表示領域を透過した透過光を、所定のスクリーン上に拡大表示された画像に基づいて、前記表示領域内に異物があるか否かを検査することが望ましい。
このような構成によれば、拡大表示により、異物の有無を確実に検出することができる。
【0014】
また、本発明の電気光学装置の製造装置は、画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板が接着剤により貼り合わされた前記電気光学装置を、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記表示領域内の異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動手段と、前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込手段と、前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動手段とを有する。
このような構成によれば、2枚の基板を接着剤によって貼り合わせたときに混入した異物を簡単に除去することのできる電気光学装置の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる液晶装置の構成を説明する。以下の実施の形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0016】
本実施の形態の電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1はTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)アレイ基板を、その上に構成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図である。図2は、図1のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を使用した電気光学装置を例にとる。
【0017】
図1及び図2において、本実施の形態に係る液晶装置1では、それぞれ略矩形の基板であるTFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、ガラス、石英、樹脂等からなり、透光性を有する。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材31により接着されており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶が封入されて液晶層50を形成している。シール材31が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜32が、対向基板20側に設けられている。
【0018】
シール材31が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路41が、TFTアレイ基板10の一辺である外部接続辺10bに沿って設けられている。また、TFTアレイ基板10には、外部接続辺10bに沿って配列された端子である複数の外部回路接続端子42が形成されている。また、走査線駆動回路43は、データ線駆動回路41及び外部回路接続端子42が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、かつ額縁遮光膜31に覆われるように設けられている。また、TFTアレイ基板10の残る一辺、すなわちデータ線駆動回路41及び外部回路接続端子42が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に対向する辺に沿って設けられ、額縁遮光膜32に覆われるように設けられた複数の配線44によって、二つの走査線駆動回路43は互いに接続されている。
【0019】
また、対向基板20の4つのコーナー部には、TFTアレイ基板10との電気的接続を行う上下導通端子として機能する上下導通材45が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらの上下導通材45に対応する領域において上下導通端子が設けられている。上下導通材45と上下導通端子を介して、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な接続が行われる。
【0020】
図2に示すように、TFTアレイ基板10と対向基板20とは別の基板である、カバーガラス51が対向基板20に接着剤により貼り合わされている。ここでは、接着剤は、熱硬化型接着剤であり、室温状態では6から8時間程度は流動性を有する。なお、後述する異物除去工程において、流動性を有する材料であれば、接着剤は、熱硬化型でない他の接着剤でもよい。
【0021】
液晶パネルとして使用される場合は、一般に、TFTアレイ基板10と対向基板20に、それぞれ図示しない偏光板等がさらに接着剤により貼り合わされる。本実施の形態に係る方法は、そのような偏光板等との貼り合わせにおいて発生する異物混入の場合にも適用できるものである。すなわち、本実施の形態に係る方法は、電気光学装置を構成する2枚の基板を接着剤により貼り合わせた場合の全てにおいて適用できる。しかし、以下では説明を簡単にするために、電気光学装置を構成する対向基板20とカバーガラス51との貼り合わせの場合について説明する。
【0022】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜22が形成されている。
【0023】
ここでは、図1に示すように、TFTアレイ基板10の外部回路接続端子42が形成された表面を含む平面上において、外部接続辺10bと平行な軸をX軸、X軸に直交する軸をY軸と称する。
【0024】
上述した液晶装置1には、図示しないフレキシブル配線基板(以下、FPC(Flexible Printed Circuit)と称する。)が外部回路接続端子42を介して接続されることによって、液晶パネルが構成される。外部回路接続端子42を介して供給される画像信号に基づいて、液晶装置1の画像表示領域10aに画像が表示される。
【0025】
以上のような構成に係る液晶装置1において、貼り合わされた対向基板20とカバーガラス51間に異物が混入した場合と、その異物の除去を行う方法について説明する。
【0026】
まず、図3と図4を用いて、表示領域10aに異物61が混入した場合を説明する。図3は、液晶装置1の平面図である。図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。その液晶装置1の液晶装置1の表示領域10aに異物61が混入すると、その影が表示画像上に現れてしまうので、そのような液晶装置1は不良品とされなければならない。そのために、製造工程において、カバーガラス51を基板20に接着剤により貼り合わされた後に、カバーガラス51と対向基板20の間の接着剤層62中に異物61がないかの検査が行われる。接着剤層62の層厚は、例えば、10μmから20μmである。ここでは、異物61の大きさの一つである粒径は、例えば、5μmから10μmである。
【0027】
その検査は、液晶装置1に光、例えば白色光を照射し、表示領域10aを透過して、スクリーン上に拡大表示された画像を検査者による目視によって、異物61の影の有無をチェックすることによって行われる。拡大表示により、異物の有無を確実に検出することができる。なお、検査は、スクリーン上に拡大表示された画像をCCD等の撮像素子により撮像して画像処理により異物61の影の有無をチェックするようにしてもよい。検査においては、異物61の存在する表示領域10a上の位置が、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)に、インクなどによってマーキングされる。あるいは、異物61の存在する表示領域10a上の位置を、コンピュータシステムの記憶装置に位置情報として記憶装置に記憶させるようにしてもよい。その場合は、位置情報は、異物除去工程における移動及び押込の工程(後述する)において、異物除去工程を行う者あるいは異物除去工程を実行する装置において利用される。異物除去工程を装置において実行する場合の装置構成については後述する。
【0028】
次に、マーキングの施された液晶装置1は、接着剤層62内の異物61を除去する工程に搬送される。以下の例は、図5に示すように、異物61は、対向基板20の一辺20aに近い位置にある。図5から図8は、異物除去の過程を説明するための図である。図5は、異物除去の過程を説明するための平面図である。図6から図8は、異物除去の過程を説明するための断面図である。
【0029】
異物除去工程は、接着剤が硬化する前の流動性を有する状態で行われる。まず、図5に示すように、カバーガラス51と対向基板20の互いに対向するそれぞれの面同士が平行な状態を維持した状態で、カバーガラス51を対向基板20に対して矢印A1で示す方向に移動する。移動方向は、表示領域10a内における異物61の位置に基づいて、移動量が少なくなるような方向に決定される。
【0030】
移動量は、図5に示すような液晶装置1のカバーガラス51の表面を平面視したときに、異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになる量である。図5では、異物61は対向基板20側に付着しているので、異物61がカバーガラス51の外周縁の外側に位置するようになるまで、カバーガラス51は対向基板20の貼り合わせ面に平行に移動される。より詳細に言えば、図5に示す場合、対向基板20の一辺20aから異物61までの距離をL1、異物61を球体としてその粒径L2とすれば、図5に示すように、異物61までの距離が近い一辺20aと同じ側にあるカバーガラス51の一辺51bが、一辺20aから離れる方向(図5では矢印A1の方向)に、カバーガラス51を、距離L1と粒径L2の和以上の距離である距離L3だけ移動する。図6は、その距離L3だけカバーガラス51が移動した状態の断面図である。このカバーガラス51の移動は、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)の付けられた2つのマークの位置を、例えば、目視により確認しながら作業者によって行われる。
【0031】
次に、カバーガラス51の表面を、対向基板20に向けて所定量だけ押し込みながら、一辺20aに近づく方向に、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの位置に戻すように、カバーガラス51を距離L3だけ移動する。図7は、カバーガラス51の表面の部分51aを、ロッド等(図示せず)により押し込んだ状態を示す図である。図7に示すように、カバーガラスが対向基板20側に押されることによって、図7に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面が近づき、接着剤層62の層厚d2は図6の状態のときの層厚d1よりも薄くなる。層厚d1を10μmとすれば、層厚d2は、5μmである。接着剤は硬化しておらず流動性を有しているので、カバーガラス51が押されることによって、対向基板20の外周側に接着剤は押し出される。なお、図7では、その押し出された接着剤の状態は図示していない。
【0032】
カバーガラス51が元の位置に戻るように移動する過程において、異物61は、カバーガラス51の端部に当たって、その後矢印A2の方向に押され、最終的には、異物61は、カバーガラス51の縁部によって対向基板20の外周より外側に押し出される。このカバーガラス51の押込及び移動は、カバーガラス51の表面(上面)及びTFTアレイ基板10の表面(下面)の付けられた2つのマークの位置を、目視により確認しながら作業者によって行われる。
【0033】
以上のように、押込工程において、接着剤層62の層厚が、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの層厚d1よりも薄くなるように、具体的には、2枚の基板の表面に直交する方向における異物61の大きさよりも層厚d2が小さくなるように、2枚の基板の一方が他方に対して押し込まれる。そして、その層厚d2を維持しながら、2枚の基板が貼り合わされたときの位置まで相対的に移動されることによって、接着剤層62内の異物61の除去が確実に行われる。
【0034】
特に、カバーガラス51の表面において、異物61に近い部分51aを押し込むために押圧力Fで押圧することによって、異物61を確実にカバーガラス51の縁部に当てて除去できる厚さに、層厚d2をすることができる。
【0035】
上述した例は、異物61が対向基板20側に付着して、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動したときに、カバーガラス51の移動に伴って移動しない場合である。しかし、異物61がカバーガラス51側に付着して、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動したときに、カバーガラス51の移動に伴って移動する場合がある。目視により異物61の付着状態が確認できない場合は、検査工程において、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に移動させて、拡大表示された状態で、どちらの基板に異物61が付着するかを確認するようにしてもよい。
【0036】
図9から図11は、カバーガラス51側に異物が付着した場合に、異物除去の過程を説明するための図である。図9は、異物除去の過程を説明するための平面図である。図10から図11は、異物除去の過程を説明するための断面図である。
【0037】
図9の場合も、まず、図9に示すように、カバーガラス51と対向基板20の互いに対向するそれぞれの面同士が平行な状態を維持した状態で、カバーガラス51を対向基板20に対して矢印A3で示す方向に移動する。移動量は、図9に示すような液晶装置1のカバーガラス51の表面を平面視したときに、異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになる量である。図9では、異物61はカバーガラス51側に付着しているので、異物61が対向基板20の外周縁の外側に位置するようになるまで、カバーガラス51は対向基板20の貼り合わせ面に平行に移動される。より詳細に言えば、カバーガラス51の一辺51bから異物61までの距離をL4、異物61の大きさ、ここでは異物61を球体としてその粒径がL5とすれば、図9に示すように、一辺51bが一辺20aから離れる方向に、カバーガラス51を、距離L4と粒径L5の和以上の距離である距離L6だけ移動する。図10は、その距離L6だけカバーガラス51が移動した状態の断面図である。
【0038】
次に、カバーガラス51の表面を、所定量だけ、対向基板20に向けて押し込みながら、一辺20aに近づく方向に、対向基板20とカバーガラス51とが貼り合わされたときの位置に戻すように、カバーガラス51を、距離L6だけ移動する。図11は、カバーガラス51の表面の部分51aを、ロッド等(図示せず)により押し込んだ状態を示す図である。図11に示すように、カバーガラス51が対向基板20側に押し込まれることによって、図7の場合と同様に、接着剤層62の層厚d2は図10の状態のときの層厚d1よりも薄くなる。接着剤は硬化しておらず流動性を有しているので、カバーガラス51が所定量だけ押し込まれることによって、対向基板20の外周側に接着剤は押し出される。なお、図11でも、その押し出された接着剤の状態は図示していない。
【0039】
カバーガラス51が矢印A4の方向に戻る移動過程において、異物61は、対向基板20の縁部に当たって、最終的には、異物61は、対向基板20の縁部によって対向基板20の外周より外側に押し出される。
【0040】
従って、カバーガラス51を対向基板20に対して相対的に動かしたときに、異物61がカバーガラス51側に付着するのか、対向基板20側に付着するかによって、図5のようにカバーガラス51を移動させるのか、図9のようにカバーガラス51を移動させるのかが決定される。
【0041】
上述した所定量である押込量は、異物61の大きさ、例えば異物61が球体形状であれば、粒径L2、L5に応じて異なる。図12は、その押込量と大きさ(ここでは粒径)との関係を示すグラフである。
【0042】
図12に示すように、異物61の粒径が大きくなるに従って、押込量は少なくなるような関係がある。押込量は、異物61の大きさに反比例する。これは、粒径が大きい場合は、少しの押込量だけで、基板の縁部に異物61が当たるため、接着剤層62の中から異物61を押し出すことができるが、粒径が小さい場合は、少しの押込量だけでは、基板の縁部に異物61が当たらないため、接着剤層62の中から異物61を押し出すことができなくなるので、より大きな押込量でなければならないからである。
【0043】
また、上述した例では、カバーガラス51を対向基板20に対して移動させるときに、矩形の対向基板20の一辺20aに対して直交する方向に、カバーガラス51を移動していたが、一辺20aに対して平行な方向に移動するようにしてもよい。さらに、カバーガラス51を、一辺20aに対して所定の角度θの方向に移動するように移動するようにしてもよい。
【0044】
図13は、カバーガラス51を対向基板20の一辺20aに対して平行な方向に移動する場合を説明するための平面図である。
図13に示すように、液晶装置1のカバーガラス51の平面を平面視したときに、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。図13の場合は、対向基板20側に異物61が付着している場合である。なお、カバーガラス51側に異物61が付着している場合は、図13において異物61を点線で示すように、異物61が対向基板20の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。
【0045】
図14は、カバーガラス51を対向基板20の一辺20aに対して所定の角度θの方向に移動する場合を説明するための平面図である。
この場合も、図14に示すように、液晶装置1のカバーガラス51の平面を平面視したときに、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。図14の場合は、対向基板20側に異物61が付着している場合である。なお、カバーガラス51側に異物61が付着している場合は、図14において異物61を点線で示すように、異物61がカバーガラス51の外側にくるまで、カバーガラス51は対向基板20に対して移動する。
以上のように異物除去の工程は、2枚の基板同士を接着剤で貼り合わせた後に、接着剤が硬化する前に、検査工程が行われ、それに続いて異物除去工程が行われる。
【0046】
図15は、2枚の基板の貼り合わせから、検査を経て、異物の除去を行う工程を説明するための説明図である。図15に示す工程は、電気光学装置の製造工程を構成する。まず、それぞれが電気光学装置を構成する2枚の基板である対向基板20とカバーガラス51とを貼り合わせる工程S1が実施される。次に、接着剤が硬化する前の流動性を有する状態のときに、工程S2とS3とが実施される。
【0047】
工程S2が、工程S1の後に実施される。工程S2は、検査工程である。検査工程は、貼り合わされた対向基板20とカバーガラス51の表示領域10aに光を透過させてその透過光によりスクリーン上に拡大表示させて、対向基板20とカバーガラス51の間であってかつ対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に、表示領域10a内に異物61があるか否かを検査する工程である。
【0048】
検査工程S2において、表示領域10a内に異物61があると判定された場合、液晶パネルは不良品としてNGとなり、次に、異物除去工程S3が実施される。
【0049】
異物除去工程S3において、図5から図14を用いて説明したように、異物61の除去が行われ、さらに、異物除去工程S3の後に、検査工程S2が再度実施される。検査工程S2において、表示領域10a内に異物61が無いと判定されると、液晶パネルは良品としてYESとなり、次の製造工程に液晶装置1に搬送される。しかし、検査工程S2において、表示領域10a内に異物61があると再度判定されると、異物除去工程S3が再度実施される。
【0050】
このようにして、異物が除去されるまで、検査工程S2と異物除去工程S3は繰り返される。なお、一定の基準を設けて、繰り返し回数を制限するようにしてもよい。
以上のように、異物除去工程S3は、第1の移動工程、押込工程及び第2の移動工程とを含む。
【0051】
第1の移動工程は、例えば、図5、図6、図9、図10、図13あるいは図14に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに異物61が対向基板20とカバーガラス51の両方に重ならないようになるまで、対向基板20とカバーガラス51のうちの一方を他方に対して相対的に、貼り合わせ面に平行に移動させる工程である。
【0052】
押込工程は、図7あるいは図11に示すように、対向基板20とカバーガラス51のそれぞれの貼り合わせ面を近づけることによって接着剤による形成された接着剤層62の層厚を薄くする方向に、対向基板20又はカバーガラス51を所定量だけ押し込む工程である。
【0053】
第2の移動工程は、図8に示すように、押込により薄くされた接着剤層62の層厚を維持しながら、それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに貼り合わせ工程において貼り合わされたときの位置(図3及び図4に示す位置)まで、対向基板20又はカバーガラス51を移動する工程である。
【0054】
次に、異物除去工程を自動的に行う電気光学装置の製造装置について説明する。
図16は、上述した検査及び移動の工程を実行する装置の構成を説明するための構成図である。図16に示すように、液晶装置1の検査及び異物の除去を行う製造装置100は、液晶装置1を搭載するためのステージ101と、ステージ101上に液晶装置1を固定するための吸引装置102と、撮像装置103と、押圧ロッド104とを含む。
【0055】
さらに、製造装置100は、撮像装置103に接続された画像処理装置105と、押圧ロッド104に接続され押圧ロッドを駆動する押圧ロッド駆動装置106と、液晶装置1の貼り合わされた2基板の一方の移動を行うための基板移動装置107と、制御装置108とを含む。
【0056】
液晶装置1は、例えば図3から図14において説明したようなカバーガラス51と対向基板20の2枚の基板が貼り合わされた後に、ステージ101上に搭載される。液晶装置1がステージ101上に搭載された後に、製造装置100によって、上述した検査と異物除去の工程が液晶装置1に対して実行される。
【0057】
ステージ101の表面には、吸引装置102に接続された吸引管102aの複数の開口部(図示せず)が形成されている。吸引装置102が吸引を行うと、ステージ101の表面上の複数の開口部に液晶装置1の基板表面が吸着して、液晶装置1は、ステージ101上に固定することができる。
【0058】
なお、ここでは、吸引装置102を用いて液晶装置1をステージ101上に固定しているが、ステージ101上に形成された液晶装置1の外形形状に合った凹部に液晶装置1を嵌め込むようにして固定したり、可動式の固定部材によって液晶装置1を把持して固定するようにしてもよい。
【0059】
さらになお、ここでは、対向基板20を固定して、カバーガラス51を移動させるように構成された例が示されているが、カバーガラス51を固定して、対向基板20を移動可能とするようにしてもよい。
【0060】
撮像装置103は、ステージ101上の液晶装置1のカバーガラス51も表面を正面視するように撮像する。撮像装置103からの映像信号は、画像処理装置105に入力される。画像処理装置105は、映像信号に基づいて、液晶装置1のカバーガラス51等の位置情報を算出する。
【0061】
押圧ロッド104は、液晶装置1の基板表面の押圧部51aを押圧し押し込むための装置であり、押圧ロッド駆動装置106によって、液晶装置1のカバーガラス51の表面上の押す位置、及び押込量が制御される。
【0062】
基板移動装置107は、液晶装置1の移動すべき基板、ここではカバーガラス51の移動を制御する装置である。その移動すべき基板は、図示しない把持装置によって把持され、その基板の移動方向と移動量が、基板移動装置107によって制御される。
【0063】
吸引装置102と、画像処理装置105と、押圧ロッド駆動装置106と、基板移動装置107とは、制御装置108に接続される。制御装置108は、CPU、記憶装置等の含むコンピュータ等であり、製造装置100の全体の制御を行う。
【0064】
次に、制御装置108の動作を説明する。図17は、制御装置108の動作の例を示すフローチャートである。なお、以下では、図5から図8、あるいは図13に示したような、異物が対向基板20側に付着した場合について説明する。
【0065】
まず、制御装置108は、液晶装置1をステージ101上に固定するために、吸引装置102を起動して動作させる(ステップS11)。
次に、異物除去工程の前工程である検査工程S1において、異物が検出され、その異物の位置情報と、その異物の粒径の情報は、制御装置108の記憶装置(図示せず)に記憶されている。従って、制御装置108は、異物の位置情報を記憶装置から読み出す(ステップS12)。
制御装置108は、読み出した異物の位置情報に基づいて、カバーガラス51の移動方向を決定し、カバーガラス51の移動量を算出する(ステップS13)。
【0066】
制御装置108は、決定した移動方向と算出した移動量だけカバーガラス51を移動するように、基板移動装置107に移動制御信号を出力する(ステップS14)。その結果、把持装置によって把持されたカバーガラス51は、その移動方向にその移動量だけ移動する。その移動した結果は、撮像装置103からの映像信号が、画像処理装置105を介して制御装置108に入力されるので、制御装置108は、カバーガラス51の移動を確認することができる。
【0067】
次に、制御装置108は、異物の位置情報と粒径情報とに基づいて、カバーガラス51の表面の押圧位置51aを決定し、押圧力Fで押圧するときの押込量を算出する(ステップS15)。押込量は、例えば、上述した図12に示すように異物61の粒径から算出される。
【0068】
続いて、制御装置108は、決定した押圧位置において、算出した押込量だけカバーガラス51を押し込むために、カバーガラス51を押圧するように、押圧ロッド駆動装置106に押圧制御信号を出力する(ステップS16)。その結果、カバーガラス51の異物61の近傍表面が、異物61を押し出すように押圧される。押圧する位置を、撮像装置103からの映像信号によって、制御装置108は確認することができる。
【0069】
そして、押込量を維持したままで、カバーガラス51を元の位置に戻すように、基板移動装置107に移動制御信号を出力する(ステップS17)。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、接着剤により貼り合わせた2枚の基板間に異物が混入した場合に、その異物を簡単に除去できる電気光学装置の製造方法及びその装置を実現することができる。特に、従来のように、異物が発見された場合に、基板の剥離とクリーニングを行ってから、再度2枚の基板の貼り合わせを行う場合には数分掛かっていたが、本実施の形態に係る方法によれば、数十秒で異物除去ができるので、製造効率も高い。
【0071】
なお、以上の説明は、異物の除去を行う対象が1つの液晶パネルであるが、複数の液晶装置が搭載されたマザー基板に対しても、本実施の形態の方法は適用可能である。
また、例えば、LCOS等の反射型の電気光学パネルに応用する場合には、反射型の電気光学パネルに光を照射し、表示領域10aから反射して、スクリーン上に拡大表示された画像を検査者による目視によって、異物61の影の有無をチェックすることによっても、本実施の形態の方法は適用可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係わる液晶装置の平面図。
【図2】図1のH−H’断面図。
【図3】液晶装置の平面図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】異物除去の過程を説明するための平面図。
【図6】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図7】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図8】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図9】異物除去の過程を説明するための平面図。
【図10】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図11】異物除去の過程を説明するための断面図。
【図12】押込量と大きさ(ここでは粒径)との関係を示すグラフ。
【図13】一方の基板を他方基板の一辺に対して平行移動する場合の平面図。
【図14】一方の基板を他方基板の一辺に対して所定角度方向に移動する場合の平面図。
【図15】2枚の基板の貼り合わせ、検査、及び異物除去の工程を説明するための図。
【図16】検査及び移動の工程を実行する装置の構成を説明するための構成図。
【図17】制御装置の動作の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0073】
1 液晶装置、9a 画素電極、10 TFTアレイ基板、10a 画像表示領域、16、22 配向膜、20 対向基板、21 対向電極、23 遮光膜、31 シール材、41 データ線駆動回路、42 外部回路接続端子、43 走査線駆動回路、51 カバーガラス、50 液晶、61 異物、62 接着剤層、100 製造装置、101 ステージ、103 撮像装置、104 押圧ロッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後に、前記表示領域内に異物があると判定された場合、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記押込工程では、前記層厚が、前記貼り合わせ面に直交する方向における、前記異物の大きさよりも小さくなるように前記押込が行われることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記押込工程では、前記第1の基板と前記第2の基板のうち前記異物が付着していない基板における、前記異物の近傍の表面が押込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記押込工程では、前記所定量は、前記異物の前記大きさに反比例した量であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼り合わせる貼り合せ工程と、
貼り合わされた前記第1の基板と前記第2の基板の前記表示領域に光を透過させて透過光により、前記第1の基板と前記第2の基板の間であってかつ前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に前記表示領域内に異物があるか否かを検査する検査工程と、
該検査する工程において、前記表示領域内に前記異物があると判定された場合、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記検査工程では、前記表示領域を透過した透過光を、所定のスクリーン上に拡大表示された画像に基づいて、前記表示領域内に異物があるか否かを検査することを特徴とする請求項5記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板が接着剤により貼り合わされた前記電気光学装置を、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記表示領域内の異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動手段と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込手段と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動手段とを有することを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【請求項1】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを貼り合わせた後に、前記表示領域内に異物があると判定された場合、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記押込工程では、前記層厚が、前記貼り合わせ面に直交する方向における、前記異物の大きさよりも小さくなるように前記押込が行われることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記押込工程では、前記第1の基板と前記第2の基板のうち前記異物が付着していない基板における、前記異物の近傍の表面が押込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記押込工程では、前記所定量は、前記異物の前記大きさに反比例した量であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼り合わせる貼り合せ工程と、
貼り合わされた前記第1の基板と前記第2の基板の前記表示領域に光を透過させて透過光により、前記第1の基板と前記第2の基板の間であってかつ前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視した場合に前記表示領域内に異物があるか否かを検査する検査工程と、
該検査する工程において、前記表示領域内に前記異物があると判定された場合、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動工程と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込工程と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記検査工程では、前記表示領域を透過した透過光を、所定のスクリーン上に拡大表示された画像に基づいて、前記表示領域内に異物があるか否かを検査することを特徴とする請求項5記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
画像表示のための表示領域を有する電気光学装置を構成する第1の基板と第2の基板が接着剤により貼り合わされた前記電気光学装置を、前記第1の基板と前記第2の基板のそれぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記表示領域内の異物が前記第1の基板と前記第2の基板の両方に重ならないようになるまで、前記第1の基板と前記第2の基板の一方を他方に対して相対的に、かつ前記貼り合わせ面に平行に、移動させる第1の移動手段と、
前記それぞれの貼り合わせ面を近づけて、前記接着剤により形成された接着剤層の層厚を薄くする方向に、前記第1の基板又は前記第2の基板を所定量だけ押し込む押込手段と、
前記押込により薄くされた前記層厚を維持しながら、前記それぞれの貼り合わせ面を平面視したときに前記第1の基板と前記第2の基板が貼り合わされたときの位置まで、前記第1の基板又は前記第2の基板を移動する第2の移動手段とを有することを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−240691(P2007−240691A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60563(P2006−60563)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]