説明

電気化学システムおよびこのシステムの管理方法

【課題】 電圧の測定を瞬時に行い、1つまたは複数のユニットの問題を簡単かつ効率的に検出することを可能にする電気化学システムを提供する。
【解決方法】 本発明は、直列接続された電気化学ユニット(102)のスタックを含む電気化学システム(100)に関する。このシステムは、制御回路(104)により制御され、複数の差動増幅器(114)を有しており、その各々は2つの入力により電気化学ユニットの端子に接続されて、これにより、その電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を供給する。各々の表示電圧は、その表示電圧を制御回路に伝送する数値に変換するために配される制御ユニット(106)に送られる。システムは、さらに、各差動増幅器と制御ユニットとの間に、上記制御回路により制御されるバッファ手段(116)を備える。このバッファ手段は、それが接続されている電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を保存することが可能である。その電圧の保存は、すべてのバッファ手段により同時に実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学システムに関する。このシステムは、直列に接続された電気化学ユニットのスタックを含んでいる。システムは、制御回路により制御され、複数の差動増幅器を有しており、その各々は2つの入力により電気化学ユニットの端子に接続されて、これにより、その電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を供給する。各々の表示電圧は、その表示電圧を制御回路に伝送する数値に変換するために配される制御ユニットに送られる。
【背景技術】
【0002】
電気化学ユニットを直列に接続したアセンブリ(スタックと呼ばれることが多い)が知られている。このように構成されている電気化学ユニットは、例えば蓄電素子、あるいは燃料電池で構成してよい。燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する電気化学デバイスである。例えば、1つのタイプの燃料電池は、アノードとカソードを有し、それらの間に、高分子電解質膜と呼ばれることが多いプロトン交換膜が配されている。この種の膜は、燃料電池のアノードとカソードの間にプロトンのみを通過させる。アノードでは、二原子水素が反応を起こしてH+イオンを発生し、これが高分子電解質膜を通過する。この反応により発生する電子は、燃料電池の外部の回路によってカソードにつながり、こうして電流を発生させる。
【0003】
単セルの燃料電池は、一般的に、低い電圧(1ボルト前後)しか生成しないので、燃料電池は、多くの場合、直列に接続されて、より高い電圧を各セルの電圧の和で発生させることができる燃料電池スタックを形成する。燃料電池スタックの欠点の1つは、それらの接続を遮断しても、それらを停止させるには不十分であるということである。実際に、燃料電池により出力に供給される電流を急にゼロまで減少させた場合、スタックを構成する燃料電池は、それらが生成している電気化学的エネルギーを取り除くことが不可能になり、それらいくつかのセルの端子間電圧は、高分子膜およびそれに関連する触媒の劣化を加速させる点まで上昇する傾向がある。燃料と酸化剤の供給を中断することも、燃料電池スタックを停止させるのに十分ではない。この場合、スタック内に閉じ込められている燃料および酸化剤は、かなりの時間に渡って反応を維持するのに十分な量である。燃料として水素を、酸化剤として酸素を使用する燃料電池スタックの場合、スタックが停止するのに数時間かかることさえある。
【0004】
そこで、燃料電池スタックなどの電気化学ユニットを有するシステムであって、その電気化学ユニットシステムが定常動作しているとき、あるいは停止段階にあるときに、何らかの変動を検出するように、各セルにより生じる電圧を監視するための測定装置を備えるものを提供することが有利である。
【0005】
2つの形態をとる非同期測定装置が知られている。
【0006】
図1に示す第1の形態では、電気化学ユニットシステム1は、複数の差動増幅器4を有しており、その各々は、2つの入力により電気化学ユニット2の端子に接続されて、これにより、その電気化学ユニット2の端子間電位差を表す電圧を供給する。これらの差動増幅器4は、その出力においてマルチプレクサ5に接続され、このマルチプレクサの出力はアナログ‐デジタル・コンバータ6に接続されている。そして、マルチプレクサ5は、各差動増幅器4を順に選択するように作動し、これにより、接続された電気化学ユニット2の端子間に生じる電位差を表す電圧をアナログ‐デジタル・コンバータ6に送ることが可能である。そして、このコンバータが、その電圧をデジタル化して、プロセッサすなわちCPU3に送り、そこで、すべてのデジタル化された表示電圧が、次にそれらを解釈するため、順に再生される。
【0007】
図2に示す第2の形態では、電気化学ユニットシステム10は、第1のMUX1マルチプレクサおよび第2のMUX2マルチプレクサ13を備えており、各ユニット11の正端子が第1のマルチプレクサ13の入力に接続され、各ユニット11の負端子が第2のマルチプレクサの入力に接続されている。各マルチプレクサ13の出力は、差動増幅器12の入力に接続されている。電気化学ユニット11の端子間電位差を表す電圧は、その電気化学ユニット11に対応する電位を第1および第2のマルチプレクサ13によって選択することにより測定される。それらの電位は、その電位差を表す電圧を供給するため、差動増幅器12に送られる。そして、次の電気化学ユニット11の端子間電位差を表す電圧の測定値が、アナログ‐デジタル・コンバータ15に送られる。そして、後者により、その電圧はデジタル化されて、プロセッサすなわちCPU14に送られ、そこで、すべてのデジタル化された表示電圧は、次にそのデータを解釈するため、順に再生される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これら2つの形態の欠点は、それらが非同期式であるということである。実際に、これら2つの形態で用いる方法では、測定は順々に行われる。そのため、百個ほどの電気化学ユニットを含む電気化学ユニット・スタックの場合、スタックのすべての電気化学ユニットの表示電圧を得るため、その百個の電気化学ユニットの電圧を順に測定しなければならない。従って、第1の電気化学ユニットの電圧の測定が再び可能となるには、その前に、すべての電気化学ユニットについて表示電圧が測定される必要がある。このため、同じ電気化学ユニットの2つの表示電圧の測定の間の時間間隔が長くなり過ぎる。
【0009】
また、この方法は、2つの隣接する電気化学ユニットの2つの電圧の測定の間のタイムラグにつながる。このことは、2つの隣接する電気化学ユニットの表示電圧の測定が、タイムラグが生じたことで、それらの電気化学ユニットが同じ状態にあるときに行われていないことになって、すべての電気化学ユニットの状態を所定の時点で得ることができないことを意味している。このため、電気化学ユニットの1つにおける電圧変動が検出されず、これによって電気化学ユニットシステムの損傷を引き起こすというリスクがある。また、問題は検出される場合でも、ユニットの端子電圧は動作状況に応じて変化することがあるので、どの電気化学ユニットに問題があるのかを見分けることはできない。
【0010】
本発明の目的は、電気化学ユニットのスタックを有する電気化学システムにおいて、電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧の測定が、信頼性のある瞬時測定であり、また、1つまたは複数のユニットの問題を簡単かつ効率的に検出することを可能にする、電気化学システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明は、電気化学システムに関し、これは、各差動増幅器と制御ユニットとの間に、制御回路により制御されるバッファ手段を備え、このバッファ手段は、それが接続されている電気化学ユニットの端子間の電位差を表す電圧を保存することが可能であり、その電圧の保存は、すべてのバッファ手段によって同時に実行されることを特徴としている。
【0012】
本発明の1つの利点は、各ユニットの電圧を同時に測定することが可能であることであり、これによって、すべての電気化学ユニットの電圧が正確な時点で取得される。すべての電気化学ユニットの電圧のイメージが、いくつかの異なる時点で再生された後に、ユーザは、電気化学ユニット・スタックのそれらの表示イメージを比較することができる。そして、1つまたは複数の電気化学ユニットにおける電圧変動によって、ユーザは、問題を容易に検出することができ、さらに、問題のある電気化学ユニット(複数の場合もある)を容易に検出することができる。
【0013】
本発明の電気化学システムの有利な実施形態は、従属請求項の要旨をなす。
【0014】
第1の有利な実施形態では、各バッファ手段は、そのバッファ手段が接続されている増幅器と制御ユニットとの間に直列に配置された第1のスイッチング手段と第2のスイッチング手段とを有しており、さらに、各バッファ手段はコンデンサを有し、その入力は、第1と第2のスイッチング手段の間の接続点に接続されており、その出力は基準点に接続されている。
【0015】
第2の有利な実施形態では、第2のスイッチング手段は、すべて一緒にまとめられて、マルチプレクサの形態をなしており、その各入力は、バッファ手段の第1のスイッチング手段に接続されており、マルチプレクサの出力は、制御ユニットの入力に接続されている。
【0016】
第3の有利な実施形態では、電気化学ユニットのスタックは、別々のグループに細分されて、グループは、差動増幅器およびバッファ手段とそれぞれ関連付けられた複数の電気化学ユニットと、そのグループの各電気化学ユニットに関連付けられたバッファ手段の出力に接続された制御ユニットとを含み、また、各グループは、固有の基準電圧を有している。実際に、電気化学ユニットを複数の電気化学ユニットからなるグループに分割することによって、同じシリーズのユニット間の電位差が制限される。また、各グループが固有の基準電圧をもつため、同じシリーズのそれらいくつかのユニットと、そのシリーズに関連付けられている制御グループの基準電圧との間の電位差を、通常の半導体デバイスに適合する範囲内に維持することが可能である。
【0017】
別の有利な実施形態では、各グループの電圧基準は、そのグループに属する1つの電気化学ユニットの端子の1つを通して取得される。
【0018】
別の有利な実施形態では、同じグループに属するユニットの第2のスイッチング手段は、一緒にまとめられて、マルチプレクサの形態をなしており、その各入力は、バッファ手段の第1のスイッチング手段に接続されており、マルチプレクサの出力は、そのグループの制御ユニットの入力に接続されている。
【0019】
別の有利な実施形態では、各グループの制御ユニットは、通信手段を介して制御回路に接続されている。
【0020】
別の有利な実施形態では、各バッファ手段の第1のスイッチング手段は、制御信号により制御されるトランジスタの形態をとる。
【0021】
別の有利な実施形態では、各バッファ手段の第2のスイッチング手段は、制御信号により制御されるトランジスタの形態をとる。
【0022】
別の有利な実施形態では、各トランジスタの制御信号は、制御回路により送信される。
【0023】
別の有利な実施形態では、各トランジスタの制御信号は、制御ユニットにより送信される。
【0024】
別の有利な実施形態では、制御ユニットは、各電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧の値をデジタル化するように配された少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段を有している。
【0025】
別の有利な実施形態では、制御ユニットに含まれるアナログ‐デジタル変換手段の個数は、バッファ手段の個数に等しく、各バッファ手段がそれぞれアナログ‐デジタル変換手段に接続されている。
【0026】
別の有利な実施形態では、各グループの制御ユニットは、そのグループの各電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧の値をデジタル化するように配された少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段を有している。
【0027】
別の有利な実施形態では、各グループの制御ユニットに含まれるアナログ‐デジタル変換手段の個数は、そのグループのバッファ手段の個数に等しく、各バッファ手段がそれぞれアナログ‐デジタル変換手段に接続されている。
【0028】
また、このように、制御ユニットとそれぞれ関連付けられた複数のシリーズに電気化学ユニットを分割することは、より迅速なデータ処理を想定することができることを意味している。アナログ‐デジタル変換手段を並列に配置することが可能である。このことは、電気化学ユニットの各グループで、そのグループの各電気化学ユニットの端子間電位差を表す電圧が同時にデジタル化されることを意味している。これによって、このように時間が節約されるので、より高い測定頻度を想定することができ、監視が強化される。
【0029】
本発明は、さらに、上記の電気化学システムを管理する方法に関する。そのシステムは、各差動増幅器と制御ユニットとの間に、制御回路により制御されるバッファ手段をさらに備え、そのバッファ手段はコンデンサを有し、その入力において、第1のスイッチング手段により差動増幅器の出力に接続され、第2のスイッチング手段により制御ユニットに接続され、その出力において、該システムのアースに接続されている。該システムは、第1および第2のスイッチング手段が開いているモードであって、通常モードと呼ばれる第1の動作モードと、測定モードと呼ばれる第2の動作モードで動作し、この第2の動作モードでは、以下のステップが実行される。
‐ 各電気化学ユニットの第1のスイッチング手段を同時に閉じる。
‐ 各コンデンサに、そのコンデンサが接続されている電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を保存する。
‐ 各電気化学ユニットの第1のスイッチング手段を同時に開く。
‐ 各電気化学ユニットの端子間の電位差を表す電圧の値を、各バッファ手段の第2のスイッチング手段の操作によって制御ユニットに伝送することにより、処理する。
【0030】
有利な実施形態では、各電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧の値を処理するステップは、各コンデンサに保存された値を制御ユニットに転送するように、各バッファ手段の第2のスイッチング手段を順次閉じることである。
【0031】
別の有利な実施形態では、電気化学ユニットのスタックは、別々のグループに細分されて、グループは、差動増幅器およびバッファ手段とそれぞれ関連付けられた複数の電気化学ユニットと、そのバッファ手段の出力に接続された制御ユニットとを含み、また、各グループは固有の電圧基準を有しており、第2の動作モードのステップは各グループに対して順次実行される。
【0032】
別の有利な実施形態では、第2の動作モードのステップは、各グループに対して同時に実行される。
【0033】
本発明に係る電気化学システムの目的、利点、および特徴は、限定するものではない単なる例として提供され、添付の図面により示される、本発明の少なくとも1つの実施形態についての以下の詳細な説明において、より明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、従来技術の電気化学システムを概略的に示している。
【図2】図2は、従来技術の電気化学システムを概略的に示している。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態による電気化学システムを概略的に示している。
【図4】図4は、本発明に係るシステムのバッファ手段を概略的に示している。
【図5】図5は、本発明に係るシステムのバッファ手段を概略的に示している。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による電気化学システムの変形例を概略的に示している。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態による電気化学システムを概略的に示している。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態による電気化学システムの変形例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明において、当業者によく知られている燃料電池スタックの部分の説明は、簡単にする。
【0036】
図3は、燃料電池スタックに関連付けられた、本発明に係る電気化学システム100を概略的に示している。このスタックは、多数の電気化学ユニット102を含んでおり、その各々は、接続点として用いられる負極と正極とを有している。この例では、各ユニット102は、単セルの燃料電池102、あるいは複数の連続する燃料電池で形成されてよい。しかしながら、簡単にするため、以下の説明では、区別することなく電気化学ユニット102すなわちセル102について言及する(ただし実際には、1つの電気化学ユニット102を2つまたはそれ以上のセル102で形成することが可能である)。電気化学ユニット102は、直列接続されて、一般に燃料電池スタックと呼ばれているものを形成している。各セル102は電圧を供給し、その値はおよそ1.2ボルトに達し、これによって、例えば40個ほどのセルが直列接続されている場合、48ボルト前後の総電圧を提供する。このシステムの全体が、制御回路104によって制御される。
【0037】
第1の実施形態では、システムは、制御回路104と通信するように設けられた制御ユニット106を備えており、この制御ユニット106は、マイクロプロセッサの形態をとる。制御ユニット106は、電気化学システム100の電源回路により電力供給される。この制御ユニットは、通信手段または通信システム108を介して、制御回路104と通信する。この通信手段108により、中央の制御回路104は、制御ユニット106に命令を送信することが可能である。また、それによって、制御ユニット106は、電気化学セル102の状態についての情報を制御回路104に送信することが可能である。通信手段108は、ひとそろいの平行電線の形態をとるバス110とすることができる。使用されるバス110は、3つの異なる線を含むSPIプロトコルを用いることができ、あるいは、例えばI2Cプロトコルなど他のプロトコルを用いることができる。
【0038】
電気化学システム100は、さらに、測定回路112を有し、これらは、図3に示すように、それぞれ電気化学ユニット102に関連付けられた差動増幅器114により形成されている。これらの差動増幅器114は、このシステムの電源回路によって供給される電圧で作動する。差動増幅器114は、いくつかのユニット102の正極と負極にそれぞれ接続される2つの入力を備えている。差動増幅器114は、減算回路を形成するように配されて、これにより、電気化学ユニット102のカソードとアノードの間の電位差を測定することが可能である。この例では、各電気化学ユニット102が、それぞれ差動増幅器114を有している。
【0039】
本発明によれば、それぞれの差動増幅器114の出力は、バッファ手段116を介して制御ユニット106に接続されている。このバッファ手段116は、図4に示すように、コンデンサ118と、第1および第2のスイッチング手段120、122を有している。これらの第1および第2のスイッチング手段120、122は、第1のスイッチング手段120の出力が第2のスイッチング手段122の入力に接続されるようにして、直列接続されている。第1のスイッチング手段120の入力は、差動増幅器114の出力に接続されており、第2のスイッチング手段122の出力は、制御ユニット106の入力に接続されている。コンデンサ118の入力は、第1と第2のスイッチング手段120、122の間の接続点に接続されている。コンデンサ118の出力は、この電気化学システム100のアースに接続されている。従って、バッファ手段116は、T字型である。
【0040】
第1および第2のスイッチング手段120、122は、中央の制御回路104により、あるいは制御ユニット106により、制御信号を用いて制御可能である。これらの第1および第2のスイッチング手段120、122は、制御スイッチの形態をとる。有利には、この機能を果たすためにトランジスタが用いられる。これらのトランジスタは、図5に示すように、P型またはN型のバイポーラトランジスタまたはFETトランジスタとすることができる。
【0041】
このバッファ手段116の目的は、各ユニット102の電位差を表す電圧を同時に測定することを可能にすることで、所定の時点において電気化学システム100のすべての電気化学ユニット102の状態を取得することである。
【0042】
電気化学システム100は、2つの動作モードで作動する。第1の通常動作モードは、燃料電池スタックの多数の電気化学ユニット102により電圧を供給する動作モードである。この第1の動作モードでは、第1および第2のスイッチング手段120、122は開いており、従って、差動増幅器114と、バッファ手段116と、制御ユニット106との間に電気的接続は形成されていない。
【0043】
第2の“測定” 動作モードは、電気化学システム100の動作を監視することを可能にするため、電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧が測定される動作モードである。この動作モードにおいて、第1のステップは、各バッファ手段116の第1のスイッチング手段120を閉じることである。制御ユニット106、あるいは、好ましくは制御回路104により、この閉動作を制御する。この閉コマンドは、制御信号を用いて、すべてのバッファ手段116の第1のスイッチング手段120に同時に送信される。これにより、各バッファ手段116で、そのコンデンサ118と差動増幅器114との間の電気的接続が可能であり、このようにして、各々の電気化学ユニット102の端子間に生じる電位差を表す電圧をすべて同時に保存することが可能である。
【0044】
これらの測定値がバッファ手段116のコンデンサ118に保存されたら、第2のステップとして、開動作を指示する制御信号により、すべてのバッファ手段116の第1のスイッチング手段120が開かれ、これにより、コンデンサ118を孤立させて、結果的に測定値を保持する。制御ユニット106、あるいは、好ましくは制御回路104により、この開動作を指示する。
【0045】
第3のステップは、これらの電圧測定値を処理することであり、これによって、それらを制御回路104で使用することが可能な数値に変換する。このために、制御ユニット106が、アナログ‐デジタル変換を実行するように配されており、そのアナログ‐デジタル変換の実行のため、少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段(図示せず)を有している。このアナログ‐デジタル変換手段は、例えば、通常のアナログ‐デジタル・コンバータである。すべての第2のスイッチング手段122の出力は、制御ユニット106の共通の入力に接続されている。この構成によって、コンデンサ118に保存されている測定値の順次デジタル化が、つぎのように可能である。この順次デジタル化は、各バッファ手段116の第2のスイッチング手段122を次々と閉じることにより実行される。制御ユニット106、あるいは、好ましくは制御回路104により、この閉動作を制御する。保存された電圧は、こうして制御ユニット106に伝送され、そこで、このデータは受信され、デジタル化される。デジタル化されたら、このデータは、制御ユニット106内のメモリ(図示せず)に保存されるか、あるいは、通信手段108により制御回路104に直接送られる。そして、第1の電気化学ユニット102のバッファ手段116の第2のスイッチング手段122が開かれ、今度は、その次の電気化学ユニット102のバッファ手段116の第2のスイッチング手段122が閉じられて、これにより、それに関連するコンデンサ118に保存されている電圧のデジタル化が可能となる、といったように続いていく。
【0046】
本発明の主な目的は、それぞれの電気化学ユニット102の端子間電位差を表す電圧をすべて同時に取得することであって、これらの測定値をできる限り迅速に得ることではないので、この順次デジタル化は、欠点とはならない。
【0047】
図6に示す変形例では、すべてのバッファ手段116の第2のスイッチング手段122を、差動増幅器114の個数に等しい入力数をもつマルチプレクサ124で置き換えている。このマルチプレクサ124の各入力は、バッファ手段116の第1のスイッチング手段120の出力に接続されている。マルチプレクサ124は、制御ユニット106に接続されるコンデンサ118を次々と選択するように、制御ユニット106または制御回路104により操作される。
【0048】
制御回路104は、このようにして、すべての電気化学ユニット102の同時の状態を表す一連の電圧を得る。電気化学ユニット102の状態イメージのようなものが、このようにして取得される。この処理が定期的に実行されるので、問題を特定することは容易となる。実際に、電気化学ユニット102の状態を反映しているイメージを比較することにより、電気化学システム100の故障を容易に検出できる。さらには、電気化学ユニット102の状態を反映しているいくつかの異なるイメージを単に比較することにより、問題のある電気化学ユニット102(複数の場合もある)を極めて容易に検出できる。電気化学ユニットの動作は同時に変化することになっており、また、所定の時点における電気化学ユニット102の状態を反映するイメージを得ることが可能なので、それらのイメージの比較によって、1つの電気化学ユニット102がその他のものと異なる変化をしているかどうかが明らかとなる。
【0049】
有利には、電気化学ユニット102の個数に等しい数のアナログ‐デジタル変換手段を制御ユニット106に備えることで、測定‐デジタル化のサイクルを短縮することが可能である。この場合、第2のスイッチング手段122がすべて同時に閉じられて、電圧測定値をすべて同時にデジタル化することが可能である。この変形例は、多くの数の電気化学ユニット102を備える電気化学システム100の場合に有利である。
【0050】
図7に示す第2の実施形態では、電気化学ユニット102は、いくつかの電気化学ユニット102を含むグループまたはシリーズ126にまとめられて、グループ分けされている。各グループ112は、同じ数の電気化学ユニット102を含んでいることが好ましく、この例では、各グループ126は4つの電気化学ユニット102を含んでいる。各グループ126は、制御ユニット106を有しており、これは、すべてのグループ126を管理する制御回路104とスイッチング手段108を介して通信するようになっている。そのスイッチング手段108は、そのグループ126を絶縁させるための光カプラ130を含んでいる。この光カプラ130は、内部バス132によって制御ユニット106に接続されており、また、転送バス128によって制御回路104に接続されている。グループの各電気化学ユニット102は、差動増幅器114とバッファ手段116により、そのグループの制御ユニット106に接続されている。各グループ126は、電源バス134により電力供給される。この電源バス134は、電気化学システム100により供給される電圧に依存しない別個の電源回路で構成されている。これにより、グループ126は、燃料電池スタックの電源がオフであっても作動することが可能である。
【0051】
各グループ126は、自身専用のの電力供給回路136を備えており、これは、電源バス134からそのエネルギーを受け取るけれども、ガルバニックにそれから切り離されている。このことによって、各グループ126は、それぞれ固有の基準電圧をもつことができる。この例では、ガルバニック絶縁は、絶縁変圧器によって確保され、その一次側は電源バス134に接続され、二次側は電力供給回路136の一部をなしている。この例では、電力供給回路136は、グループ126の基準電圧に対して相対的な正電圧+2.5Vおよび負電圧−2.5Vを、グループ126の要素に供給する。電源バス134に誘導結合させる代わりに、もう1つの方法として、電力供給回路136を電源バス134に容量結合させることができることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0052】
このように、各グループ126は、固有の電圧基準をもつことにより、独立になっている。この目的のため、各グループ126のアースは、そのグループ126に属する電気化学ユニット102の1つの接続端子の1つに接続されている。このことによって、差動増幅器114の入力とそのアースとの間の電位差が数ボルトを超えることがないことは明らかであろう。
【0053】
基準として用いられる接続点は、グループ126をなす電気化学ユニット102の列の真ん中に取ることが好ましい。従って、グループ126が4つの電気化学ユニット102を含んでいる例では、基準電圧は、2番目と3番目の電気化学ユニット102の間で取得される。また、グループ126あたりの電気化学ユニット102の最大数が、差動増幅器114によりアースとその入力の1つとの間に許容される最大電位差によって決まることは明らかである。従って、セル電位とグループ126の基準電圧との間の最大許容電位差が8Vであり、各々の電気化学ユニット102が最大1.2Vを生成する場合、グループ126あたりの電気化学ユニット102の最大数は12個である(6×1.2V.=7.2V.;7.2V.<8V.)。
【0054】
その動作は、第1の実施形態の動作と同じであり、すなわち、燃料電池スタックの多数の電気化学ユニット102により電圧を供給する動作モードである第1の通常動作モードと、第1のスイッチング手段120をすべて同時に閉じることにより、燃料電池スタックの動作の監視のために分析される各々の電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧が測定される動作モードである第2の“測定” 動作モードとがある。測定およびデジタル化の動作は、第1の実施形態で説明した動作と同じである。第1および第2のスイッチング手段120、122の閉動作および開動作は、制御回路104により、あるいは好ましくは各グループ126の制御ユニット106により制御される。第1のスイッチング手段120を制御回路104により制御し、一方、各グループのバッファ手段116の第2のスイッチング手段122を、そのグループ126の制御ユニット106により制御することもできる。
【0055】
それらいくつかのグループ126の電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧の値は、順次、グループ126ごとに、デジタル化される。上記で説明した方法により、第1のグループ126の制御ユニット106が、そのグループ126の電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧値を、少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段によってデジタル化する。このデジタル化が完了すると、デジタル化された値は、内部バス132、光カプラ130、および転送バス128を介して、制御回路104に送られる。このデジタル化されたデータを含むメッセージは、さらに、データが取得されたグループに固有のマーカを含んでいる。これによって、以下のグループ126が、デジタル化の進行を検出することができる。このため、各グループ126は、そのデータのデジタル化を、前のグループ126のデジタル化が完了すると直ちに自動的に開始することができる、というようにして続いていく。
【0056】
この第2の実施形態の第1の変形例では、デジタル化が並列に実行される。このため、いくつかのグループ126の制御ユニット106は、自身に関連する電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧値のデジタル化を、同時に実行する。例えば、10個のグループ126を有するシステムであって、その各グループが1つの制御ユニット106と4つの電気化学ユニット102とを含んでいる場合を例にとる。この場合、それらすべての測定値のデジタル化は、順次デジタル化の場合よりも10倍速くなる。しかしながら、そのデータの送信は常に順次行われる。
【0057】
ところが、第2の変形例では、デジタル化がさらに迅速に実行される。このために、各制御ユニット106が備えるアナログ‐デジタル変換手段の個数を、そのグループ126の電気化学ユニット102の個数と等しくしている。その結果、電気化学ユニット102の端子における電位差を表す電圧の測定値が、すべて同時にデジタル化される。
【0058】
この第2の実施形態において、図8に示すように、各グループ126のバッファ手段116の第2のスイッチング手段122を、そのグループ112の差動増幅器114の個数に等しい入力数をもつマルチプレクサ138で置き換えることができる。このマルチプレクサ138の各入力は、バッファ手段116の第1のスイッチング手段120の出力に接続される。このマルチプレクサ138は、好ましくは、グループ126の制御ユニット106によって制御される。このようにして、第2のスイッチング手段122が電圧により開閉されるトランジスタの形態をとる場合よりも接続および電気路の数を減らすことにより、システム100が簡単化される。
【0059】
上記で提示した発明の様々な実施形態について、当業者には明らかである種々の変更および/または改良および/または組み合わせが、添付の請求項により規定される発明の範囲から逸脱することなく実施可能であることは、明らかであろう。例えば、本発明による測定システムを、多くの電気化学セルを含む蓄電池システムに適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された電気化学ユニット(102)のスタックを含む電気化学システムであって、該システム(100)は、制御回路(104)により制御され、また、複数の差動増幅器(114)を有し、その各々は2つの入力により電気化学ユニットの端子に接続されて、これにより、その電気化学ユニットの端子間の電位差を表す電圧を供給し、各々の表示電圧は、その表示電圧を前記制御回路に伝送する数値に変換するために配される制御ユニット(106)に送られるようになっており、更に該システムは、各差動増幅器と前記制御ユニットとの間に、前記制御回路により制御されるバッファ手段(116)をさらに備え、このバッファ手段は、それに接続されている電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を保存することが可能であり、その電圧の保存は、前記バッファ手段のすべてによって同時に実行されること特徴とする、電気化学システム。
【請求項2】
各バッファ手段(116)は、そのバッファ手段が接続されている前記増幅器(114)と前記制御ユニット(106)との間に直列接続された第1のスイッチング手段(120)と第2のスイッチング手段(122)とを有しており、
各バッファ手段は、コンデンサ(118)をさらに有し、その入力は、前記第1と第2のスイッチング手段の間の接続点に接続されており、その出力は基準点に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気化学システム。
【請求項3】
前記第2のスイッチング手段(122)は、すべて一緒にまとめられて、マルチプレクサ(124)の形態をなしており、その各入力は、バッファ手段(116)の前記第1のスイッチング手段(120)に接続されており、このマルチプレクサの出力は、前記制御ユニット(106)の入力に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の電気化学システム。
【請求項4】
前記電気化学ユニット(102)のスタックは、別々のグループ(126)に細分されて、グループは、差動増幅器(114)およびバッファ手段(116)とそれぞれ関連付けられた複数の電気化学ユニットと、そのグループの各電気化学ユニットに関連付けられたバッファ手段の出力に接続された制御ユニット(106)とを含み、
各グループは、固有の電圧基準を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気化学システム。
【請求項5】
各グループ(126)の電圧基準は、そのグループに属する電気化学ユニット(102)の端子の1つを通して取得されることを特徴とする、請求項4に記載の電気化学システム。
【請求項6】
同じグループ(126)に属する前記ユニットの前記第2のスイッチング手段(122)は、一緒にまとめられて、マルチプレクサ(124)の形態をなしており、その各入力は、バッファ手段(116)の前記第1のスイッチング手段(120)に接続されており、このマルチプレクサの出力は、そのグループの前記制御ユニット(106)の入力に接続されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の電気化学システム。
【請求項7】
各グループ(126)の前記制御ユニット(106)は、スイッチング手段(108)を介して前記制御回路(104)に接続されていることを特徴とする、請求項4ないし6のいずれかに記載の電気化学システム。
【請求項8】
各バッファ手段(116)の前記第1のスイッチング手段(120)は、制御信号により制御されるトランジスタの形態をとることを特徴とする、請求項2ないし7のいずれかに記載の電気化学システム。
【請求項9】
各バッファ手段(116)の前記第2のスイッチング手段(122)は、制御信号により制御されるトランジスタの形態をとることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の電気化学システム。
【請求項10】
各トランジスタへの前記制御信号は、前記制御回路(104)により送信されることを特徴とする、請求項8または9に記載の電気化学システム。
【請求項11】
各トランジスタへの前記制御信号は、前記制御ユニット(106)により送信されることを特徴とする、請求項8または9に記載の電気化学システム。
【請求項12】
前記制御ユニット(106)は、各電気化学ユニット(102)の端子間に生じる電位差を表す電圧の値をデジタル化するように配された少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段を有していることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の電気化学システム。
【請求項13】
前記制御ユニット(106)に含まれるアナログ‐デジタル変換手段の個数は、バッファ手段(116)の個数に等しく、各バッファ手段がそれぞれアナログ‐デジタル変換手段に接続されていることを特徴とする、請求項12に記載の電気化学システム。
【請求項14】
各グループ(126)の前記制御ユニット(106)は、そのグループの各電気化学ユニット(102)の端子間に生じる電位差を表す電圧の値をデジタル化するように配された少なくとも1つのアナログ‐デジタル変換手段を有していることを特徴とする、請求項2または4または5に記載の電気化学システム。
【請求項15】
各グループ(126)の前記制御ユニット(106)に含まれるアナログ‐デジタル変換手段の個数は、そのグループのバッファ手段(116)の個数に等しく、各バッファ手段がそれぞれアナログ‐デジタル変換手段に接続されていることを特徴とする、請求項14に記載の電気化学システム。
【請求項16】
直列に接続された電気化学ユニット(102)のスタックを含む電気化学システム(100)を管理する方法であって、該システム(100)は、制御回路(104)により制御され、また、複数の差動増幅器(114)を有し、その各々は2つの入力により電気化学ユニットの端子に接続されて、これにより、その電気化学ユニットの端子間の電位差を表す電圧を供給し、各々の表示電圧は、その表示電圧を前記制御回路に伝送する数値に変換するために配される制御ユニット(106)に送られるようになっており、
該システムは、各差動増幅器と前記制御ユニットとの間に、前記制御回路により制御されるバッファ手段(116)をさらに備えることを特徴とし、このバッファ手段はコンデンサ(118)を有し、その入力において、第1のスイッチング手段(120)により前記差動増幅器の出力に接続され、第2のスイッチング手段(122)により前記制御ユニットに接続され、その出力において、該システムのアースに接続されており、
該システムは、前記第1および第2のスイッチング手段が開いている第1の通常動作モードと、第2の測定動作モードで動作し、この第2の動作モードでは、
各電気化学ユニットの前記第1のスイッチング手段(120)を同時に閉じるステップと、
各コンデンサ(118)に、そのコンデンサが接続されている電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧を保存するステップと、
各電気化学ユニットの前記第1のスイッチング手段(120)を同時に開くステップと、
各電気化学ユニットの端子間の電位差を表す電圧の値を、各バッファ手段の前記第2のスイッチング手段(122)の操作によって前記制御ユニットに伝送することにより、処理するステップと、が実行されることを特徴とする電気化学システムの管理方法。
【請求項17】
各電気化学ユニットの端子間に生じる電位差を表す電圧の値を処理するステップは、各コンデンサに保存された値を前記制御ユニット(106)に転送するように、各バッファ手段(116)の前記第2のスイッチング手段(122)を順次閉じることであることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電気化学ユニット(102)のスタックは、別々のグループ(126)に細分されて、グループは、差動増幅器(114)およびバッファ手段(116)とそれぞれ関連付けられた複数の電気化学ユニットと、そのバッファ手段の出力に接続された制御ユニット(106)とを含み、また、各グループは固有の電圧基準を有しており、
前記第2の動作モードのステップは、各グループに対して順次実行されることを特徴とする、請求項16または17に記載の電気化学システムを管理する方法。
【請求項19】
前記第2の動作モードのステップは、各グループに対して同時に実行されることを特徴とする、請求項18に記載の電気化学システムを管理する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−115141(P2012−115141A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−257247(P2011−257247)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(510010894)ベレノス・クリーン・パワー・ホールディング・アーゲー (18)
【Fターム(参考)】