説明

電気接続箱

【課題】印刷配線板を接続箱本体内に収容する電気接続箱であっても、小型化を図ることができる電気接続箱を提供する。
【解決手段】電気接続箱1は接続箱本体2とコネクタ6を備えている。接続箱本体2は印刷配線板を収容している。コネクタ6は接続箱本体2から立設したハウジング26と第1端子ブロック27と第2端子ブロック28を備えている。第1及び第2端子ブロック27,28は端子29,31を複数備えている。端子29の一端部がハウジング26内に位置付けられ他端部が印刷配線板に取り付けられている。端子31の一端部31aがハウジング26内に位置付けられ他端部31bが印刷配線板に取り付けられている。端子31には屈曲部が設けられている。屈曲部は一端部31aから他端部31bに向かうにしたがって第1端子ブロック27の端子29に近づく方向に端子31を屈曲している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体としての自動車などに搭載される電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、一般に、ヘッドランプ及びテールランプなどのランプ類、スタータモータ及びエアコンディショナ用のモータ等のモータ類、などの多種多様な電子機器が搭載されている。
【0003】
前述した多種多様な電子機器に電力を供給するために、前記自動車は、ジャンクションブロックを適宜箇所に配置してきた。前記ジャンクションブロックは、多数のヒューズやリレー等の各種の電気回路ユニットを集約して構成されている。
【0004】
なお、ジャンクションブロックは、ヒューズ、リレー、ブスバーなどを有することもあることから、ヒューズブロック、リレーボックス、又は総称して電気接続箱とも呼ばれる。本明細書では、前述したヒューズブロック、リレーボックス、ジャンクションブロックを、総称して以下電気接続箱と呼ぶ。
【0005】
前述した電気接続箱は、リレーやヒューズなどが装着される接続箱本体と、前記接続箱本体に収容される配線盤と、前記接続箱本体に取り付けられる複数のコネクタと、を備えている。
【0006】
接続箱本体は、扁平な箱状に形成されている。配線盤は、配線ブロックと、印刷配線板とを備えている。配線ブロックは、導電性の複数のバスバと、複数のバスバ間に配置される絶縁板とを備えている。配線盤は、複数のコネクタとリレーやヒューズなどとを予め定められたパターンにしたがって接続する。
【0007】
複数のコネクタのうち一部のコネクタは、前述した印刷配線板と接続し、他のコネクタは、配線盤と接続している。これらのコネクタは、ワイヤハーネスのコネクタなどと嵌合する。
【0008】
前述した構成の電気接続箱は、接続箱本体に設けられたコネクタにワイヤハーネスのコネクタが嵌合するなどして、前述した自動車に搭載される。そして、電気接続箱は、ワイヤハーネスの電線と前述したリレーやヒューズとを予め定められたパターンにしたがって接続して、自動車に搭載される各種の電子機器に所望の信号や電力を供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した電気接続箱では、印刷配線板と接続する前述した一部のコネクタは、その複数の端子が印刷配線板の配線パターンと接続するために、互いに平行でかつ同一直線上に配置されることとなる。このため、コネクタの複数の端子と印刷配線板の配線パターンとを接続するために、印刷配線板の幅をコネクタの幅より小さくすることが困難であった。このように、接続箱本体に印刷配線板を収容する電気接続箱は、前述した一部のコネクタの形状によって印刷配線板の幅が一義的に定められてしまい、小型化することが困難であった。
【0010】
したがって、本発明の目的は、印刷配線板を接続箱本体内に収容する電気接続箱であっても、小型化を図ることができる電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電気接続箱は、印刷配線板を収容した接続箱本体と、前記接続箱本体に設けられ、かつ前記印刷配線板の配線パターンと機器との接続に用いられるとともに、前記配線パターンと接続した複数の端子の前記機器と接続する一端部が互いに平行に同一直線上に配置されたコネクタと、を備えた電気接続箱において、前記コネクタの複数の端子のうち一部の端子が直線状に形成されて、前記配線パターンと接続しているとともに、前記複数の端子のうち残りの端子には、前記機器と接続される一端部から前記配線パターンに接続される他端部に向かうにしたがって前記一部の端子に近づく方向に曲げられた屈曲部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の本発明の電気接続箱は、請求項1記載の電気接続箱において、前記接続箱本体の互いに裏側に位置する外側面には、ワイヤハーネスの端末が取り付けられるコネクタブロックが設けられ、前記接続箱本体の平面視において、前記一部の端子の一端部が前記コネクタブロック間に配置され、かつ前記残りの端子の一端部が一方のコネクタブロックに重なる位置に配置されていることを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載した本発明の電気接続箱によれば、印刷配線板と接続される複数の端子のうち一部の端子が直線状に形成され、かつ残りの端子に屈曲部が形成されているとともに、該屈曲部が印刷配線板に近づくのにしたがって前述した一部の端子に近づく方向に屈曲している。このため、機器と接続される一端部における複数の端子の幅より、印刷配線板と接続される他端部における複数の端子の幅が狭くなる。
【0014】
請求項2に記載した本発明の電気接続箱によれば、コネクタの一部の端子が接続箱本体の互いに裏側に位置する外側面に設けられたコネクタブロック間に配置され、残りの端子が一方のコネクタブロックに重なる位置に配置されている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、機器と接続される一端部における複数の端子の幅より、印刷配線板と接続される他端部における複数の端子の幅が狭くなるので、印刷配線板の幅をコネクタの端子の一端部における幅より狭くすることができる。したがって、コネクタの幅に影響されることなく、印刷配線板即ち接続箱本体の幅を小さくすることができ、接続箱本体即ち電気接続箱全体の小型化を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明は、コネクタの複数の端子のうちの残りの端子の一端部が一方のコネクタブロックに重なる位置に配置されることとなるので、接続箱本体即ち電気接続箱の小型化を確実に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかる電気接続箱を、図1ないし図4に基づいて説明する。
【0018】
本実施形態にかかる図1に示す電気接続箱1は、移動体としての自動車に搭載される。電気接続箱1は、図1に示すように、接続箱本体2と、配線ブロック3と、複数のコネクタブロック4と、ヒューズブロック5と、一つのコネクタ6とを備えている。
【0019】
接続箱本体2は、扁平な箱状に形成されている。接続箱本体2は、アッパケース7と、ロアケース8とを備えている。アッパケース7は、略平板な天井壁9と、該天井壁9の外縁から立設した複数の周壁10とを備えている。周壁10には、内側にコネクタブロック4とヒューズブロック5を通す切欠き11が形成されている。ロアケース8は、平板状に形成されている。接続箱本体2は、ロアケース8の外縁にアッパケース7の周壁10の天井壁9から離れた側の縁が重ねられて、これらのケース7,8同士が互いに取り付けられて組み立てられる。
【0020】
配線ブロック3は、配線盤12と、印刷配線板13とを備えている。配線盤12は、導電性の金属で構成された複数のバスバ14と、該バスバ14の所望箇所を被覆した絶縁板15とを備えている。バスバ14は、導電性の板金に打ち抜き加工などのプレス加工が施されて得られ、所定箇所で屈曲した帯状に形成されている。複数のバスバ14は、互いに間隔をあけて配置されているとともに、所定箇所で互いに電気的に接続している。バスバ14の先端は、ヒューズブロック5の後述するハウジング21内に位置しているとともに、印刷配線板13の配線パターンに接続している。
【0021】
絶縁板15は、絶縁性の合成樹脂で構成され、インサート成型によって、バスバ14と一体に成型されている。絶縁板15は、バスバ14同士が意図しない箇所で相互に電気的に接続すること即ち短絡することを防止するとともに、バスバ14を位置決めしている。
【0022】
また、絶縁板15には、電気部品としてのリレー16が装着される電気部品装着部が設けられている。電気部品装着部に装着されたリレー16は、前述したバスバ14と接続する。さらに、絶縁板15には、後述する第1端子ブロック27が嵌合するスリット17と、後述する第2端子ブロック28が嵌合するスリット18とが設けられている。スリット17,18は、勿論、絶縁板15を貫通している。スリット17,18は、後述する一対のコネクタブロック4間に配置されている。スリット17は、絶縁板15の外縁部に設けられている。スリット18は、前述したスリット17よりヒューズブロック5寄りに配置されている。
【0023】
印刷配線板13は、絶縁性の基板と、該基板の表面に形成された導電性の配線パターンとを備えている。配線パターンは、銅などの金属で構成されているとともに、箔状に形成されて基板上に設けられている。配線パターンは、予め定められたパターン(形状)に形成されている。
【0024】
印刷配線板13は、接続箱本体2内に収容される。印刷配線板13には、コネクタブロック4の後述する端子22と、ヒューズブロック5の後述する端子25と、配線盤13のバスバ14とが取り付けられている。これらの端子22,25及びバスバ14は、勿論、半田などを用いたろう付けによって、印刷配線板13の配線パターンに取り付けられている。
【0025】
配線盤12と印刷配線板13即ち配線ブロック3は、前述した接続箱本体2内に収容される。配線盤12と印刷配線板13即ち配線ブロック3は、接続箱本体2内に収容されると、前述した絶縁板15に装着されたリレー16やヒューズブロック5に装着されたヒューズなどの電気部品と、コネクタブロック4や後述するコネクタ6に嵌合したワイヤハーネス19の電線20とを予め定められたパターンにしたがって、互いに電気的に接続する。
【0026】
コネクタブロック4は、図示例では、少なくとも一対設けられている。これらのコネクタブロック4は、接続箱本体2のアッパケース7の複数の周壁10のうちの互いに裏側に位置する周壁10に設けられた切欠き11内に位置付けられる。即ち、コネクタブロック4は、接続箱本体2の互いに裏側に位置する一対の外側面に設けられている。
【0027】
コネクタブロック4は、絶縁性のハウジング21と、複数の端子22とを備えている。ハウジング21は、有底筒状に形成されている。端子22は、導電性の金属で構成され棒状に形成されている。端子22は、一端部が印刷配線板13の配線パターンに取り付けられ、他端部がハウジング21内に位置している。このような構成のコネクタブロック4には、自動車などに配索されるワイヤハーネス19(図1中に二点鎖線で示す)のコネクタ23が嵌合する。即ち、コネクタブロック4には、ワイヤハーネス19の端末が接続する。
【0028】
前述したワイヤハーネス19は、複数の電線20と、コネクタ23などを備えている。電線20は、導電性の芯線と、該芯線を被覆する被覆部とを備えた所謂被覆電線である。電線20は、自動車などに搭載される各種の電子機器と接続している。コネクタ23は、電線20の芯線の端末に接続された端子金具と、該端子金具を収容する絶縁性のコネクタハウジングとを備えている。即ち、コネクタ23は、電線20の端末に取り付けられている。
【0029】
ヒューズブロック5は、絶縁性のハウジング24と、複数の端子25とを備えている。ハウジング24は、有底筒状に形成されている。ハウジング24即ちヒューズブロック5は、接続箱本体2即ち電気接続箱1の平面視において、図4に示すように、前述した一対のコネクタブロック4間に配置されている。さらに、ハウジング24即ちヒューズブロック5は、接続箱本体2のアッパケース7の周壁10に設けられた切欠き11内に位置付けられる。
【0030】
端子25は、導電性の金属で構成され帯板状に形成されている。端子25は、一端部が印刷配線板13の配線パターンに取り付けられ、他端部がハウジング24内に位置している。ハウジング24即ちヒューズブロック5には、図示しない電気部品としてのヒューズが装着される。ハウジング24即ちヒューズブロック5に装着されたヒューズは、前述した端子25と接続する。
【0031】
コネクタ6は、ハウジング26と、第1端子ブロック27と、第2端子ブロック28とを備えている。ハウジング26は、筒状に形成されて、接続箱本体2のアッパケース7と一体に形成されている。ハウジング26は、接続箱本体2のアッパケース7から立設している。このように、ハウジング26即ちコネクタ6は、接続箱本体2に設けられている。
【0032】
第1端子ブロック27は、図2に示すように、複数の端子29と、絶縁体30とを備えている。端子29は、導電性の金属で構成されて、帯板状に形成されている。端子29は、直線状に形成されている。端子29は、互いに平行でかつ間隔をあけて配置されている。さらに、複数の端子29は、同一線上に配置されている。これら第1端子ブロック27の端子29は、特許請求の範囲に記載した複数の端子のうちの一部の端子をなしている。
【0033】
絶縁体30は、絶縁性の合成樹脂で構成されて、インサート成型によって複数の端子29と一体に成型されている。絶縁体30は、端子29同士が電気的に接続すること即ち短絡することを防止するとともに、端子29を位置決めしている。
【0034】
前述した第1端子ブロック27は、配線ブロック3の配線盤12の絶縁板15のスリット17内に挿入されて、絶縁体30がスリット17内に嵌合する。第1端子ブロック27は、配線盤12に取り付けられ、複数の端子29の一端部29aが前述したハウジング26内に位置付けられるとともに、複数の端子29の他端部29bが印刷配線板13の配線パターンと接続する。こうして、第1端子ブロック27は、配線盤12などに取り付けられる。そして、電気接続箱1の平面視において、第1端子ブロック27即ち前述した複数の端子29の一端部29aは、図4に示すように、前述した一対のコネクタブロック4間に配置される。
【0035】
第2端子ブロック28は、図3に示すように、複数の端子31と、絶縁体32とを備えている。端子31は、導電性の金属で構成されて、帯板状に形成されている。端子31は、互いに平行でかつ間隔をあけて配置されている。さらに、複数の端子31は、同一線上に配置されている。これら第2端子ブロック28の端子31は、特許請求の範囲に記載した複数の端子のうちの残りの端子をなしている。
【0036】
さらに、端子31は、それぞれ屈曲部33が形成されている。屈曲部33は、端子31の長手方向の中央部に設けられている。屈曲部33は、第1屈曲部34と、第2屈曲部35と、第3屈曲部36とを備えている。第1屈曲部34と、第2屈曲部35と、第3屈曲部36とは、端子31の後述する一端部31aから他端部31bに向かって順に配されている。
【0037】
第1屈曲部34は、第2端子ブロック28がスリット18内に嵌合して配線盤12に取り付けられた状態で、一端部31aから他端部31bに向かうにしたがってヒューズブロック5に向かう方向に端子31を屈曲している。第2屈曲部35は、第2端子ブロック28がスリット18内に嵌合して配線盤12に取り付けられた状態で、一端部31aから他端部31bに向かうにしたがって第1端子ブロック27に向かう方向に端子31を屈曲している。第3屈曲部36は、第2端子ブロック28がスリット18内に嵌合して配線盤12に取り付けられた状態で、一端部31aから他端部31bに向かうにしたがって印刷配線板13に向かう方向に端子31を屈曲している。
【0038】
絶縁体32は、絶縁性の合成樹脂で構成されて、インサート成型によって複数の端子31と一体に成型されている。絶縁体32は、端子31同士が電気的に接続すること即ち短絡することを防止するとともに、端子31を位置決めしている。
【0039】
前述した第2端子ブロック28は、配線ブロック3の配線盤12の絶縁板15のスリット18内に挿入されて、絶縁体32がスリット18内に嵌合する。第2端子ブロック28は、配線盤12に取り付けられ、複数の端子31の一端部31aが前述したハウジング26内に位置付けられるとともに、複数の端子31の他端部31bが印刷配線板13の配線パターンと接続する。こうして、第2端子ブロック28は、配線盤12などに取り付けられる。
【0040】
そして、第2端子ブロック28は、配線盤12に取り付けられると、該第2端子ブロック28の複数の端子31の一端部31aが前述した第1端子ブロック27の端子29の一端部29aと同一直線上に配置される。さらに、電気接続箱1の平面視において、配線盤12に取り付けられると、該第2端子ブロック28の複数の端子31の一端部31aが一方のコネクタブロック4に重なる位置に配置される。
【0041】
また、前述した第2端子ブロック28の屈曲部33は、前述したように端子31を屈曲しているので、前述した一端部31aから他端部31bに向かうにしたがって、第1端子ブロック27即ち該第1端子ブロック27の端子29に近づく方向に、第2端子ブロック28の端子31を曲げている。
【0042】
前述した構成のコネクタ6には、ワイヤハーネス19のコネクタ23が嵌合する即ちワイヤハーネス19の端末が取り付けられる。このように、コネクタ6即ち前述した端子29,31の一端部29a,31aは、ワイヤハーネス19の電線20を介して、機器としての前述した電子機器と接続する。さらに、コネクタ6は、印刷配線板13の配線パターンと機器としての電子機器との接続に用いられる。
【0043】
前述した構成の電気接続箱1は、以下のように組み立てられる。まず、印刷配線板13にヒューズブロック5の端子25を取り付けるとともに、コネクタブロック4を取り付ける。このとき、勿論、端子25とコネクタブロック4の端子22を、印刷配線板13の配線パターンに半田を用いたろう付けによって固定する。そして、リレー16を取り付けた配線盤12をコネクタブロック4などが取り付けられた印刷配線板13に重ねる。
【0044】
その後、前述したスリット17,18内に端子ブロック27,28を圧入して、該端子ブロック27,28を配線盤12に固定する。すると、勿論、端子ブロック27,28の端子29,31の他端部29b,31bが印刷配線板13の配線パターンと電気的に接続する。その後、ヒューズブロック5のハウジング24を端子25や印刷配線板13などに取り付ける。そして、これらの配線盤12と印刷配線板13などをケース7,8間に挟んで、これらのケース7,8同士を固定して、接続箱本体2内に収容する。こうして、前述した構成の電気接続箱1は、組み立てられる。
【0045】
そして、ヒューズブロック5にヒューズが装着され、コネクタブロック4とコネクタ6にワイヤハーネス19の端末が取り付けられて、前述した電気接続箱1は、自動車に搭載される。そして、電気接続箱1は、自動車に搭載される電子機器と、リレー16やヒューズなどとを予め定められたパターンにしたがって電気的に接続する。
【0046】
本実施形態によれば、印刷配線板13と接続される複数の端子29,31のうち第1端子ブロック27の端子29が直線状に形成され、かつ第2端子ブロック28の端子31に屈曲部33が形成されているとともに、該屈曲部33が印刷配線板13に近づくのにしたがって前述した第1端子ブロック27の端子29に近づく方向に、該第2端子ブロック28の端子31を屈曲している。このため、ワイヤハーネス19を介して機器としての電子機器と接続される一端部29a,31aにおける複数の端子29,31の幅H1より、印刷配線板13と接続される他端部29b,31bにおける複数の端子29,31の幅H2が狭くなる。
【0047】
このため、印刷配線板13の幅をコネクタ6の端子29,31の一端部29a,31aにおける幅H1より狭くすることができる。したがって、コネクタ6の幅に影響されることなく、印刷配線板13即ち接続箱本体2の幅を小さくすることができ、接続箱本体2即ち電気接続箱1全体の小型化を図ることができる。
【0048】
コネクタ6の第1端子ブロック27の端子29の一端部29aが接続箱本体2の互いに裏側に位置する外側面に設けられたコネクタブロック4間に配置され、残りの第2端子ブロック28の端子31の一端部31aが一方のコネクタブロック4に重なる位置に配置されている。このため、接続箱本体2即ち電気接続箱1の小型化を確実に図ることができる。
【0049】
次に、本発明の発明者らは、前述した実施形態の電気接続箱1の効果を確認した。前述した実施形態の電気接続箱1を本発明品とした。本発明品の一対のコネクタブロック4における幅D(図4に示す)が135mmとなり、本発明品のコネクタ6とヒューズブロック5とにおける幅L(図4に示す)が127mmとなった。
【0050】
これに対して、前述した背景技術で説明した従来の電気接続箱1を比較例とし、図5に示す。なお、図5において、前述した実施形態と同一部分及び対応する部分には、同一符号を付して説明を省略する。比較例の一対のコネクタブロック4間における幅D1が135mmとなり、比較例のコネクタ6とヒューズブロック5との間における幅L1が133mmとなった。
【0051】
このように、コネクタ6の複数の端子を前述した第1端子ブロック27の端子29と第2端子ブロック28の端子31とにわけて配置し、第1端子ブロック27の端子29の一端部29aをコネクタブロック4間に配置し、第2端子ブロック28の端子31に前述した屈曲部33を設けることで、接続箱本体2即ち電気接続箱1の小型化を図ることができることが明らかとなった。
【0052】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、即ち、第2端子ブロック28の端子31を屈曲する(折り曲げる)ことなく、曲げても良いし、端子29,31それぞれを少なくとも一本ずつ設ければ良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気接続箱の分解斜視図である。
【図2】図1に示された電気接続箱の第1端子ブロックの斜視図である。
【図3】図1に示された電気接続箱の第2端子ブロックの斜視図である。
【図4】図1に示された電気接続箱の要部の平面図である。
【図5】比較例としての従来の電気接続箱の要部の平面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 電気接続箱
2 接続箱本体
4 コネクタブロック
6 コネクタ
13 印刷配線板
19 ワイヤハーネス
29 端子(一部の端子)
31 端子(残りの端子)
29a,31a 一端部
29b,31b 他端部
33 屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷配線板を収容した接続箱本体と、
前記接続箱本体に設けられ、かつ前記印刷配線板の配線パターンと機器との接続に用いられるとともに、前記配線パターンと接続した複数の端子の前記機器と接続する一端部が互いに平行に同一直線上に配置されたコネクタと、を備えた電気接続箱において、
前記コネクタの複数の端子のうち一部の端子が直線状に形成されて、前記配線パターンと接続しているとともに、
前記複数の端子のうち残りの端子には、前記機器と接続される一端部から前記配線パターンに接続される他端部に向かうにしたがって前記一部の端子に近づく方向に曲げられた屈曲部が形成されていることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記接続箱本体の互いに裏側に位置する外側面には、ワイヤハーネスの端末が取り付けられるコネクタブロックが設けられ、
前記接続箱本体の平面視において、前記一部の端子の一端部が前記コネクタブロック間に配置され、かつ前記残りの端子の一端部が一方のコネクタブロックに重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−129880(P2007−129880A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322508(P2005−322508)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】