説明

電気柵システム

【課題】電気柵システムで使用する電気牧柵器の配線を容易にする装置を提供する。
【解決手段】電気柵システムのワイヤの張架に使用される支柱1は、アース棒(15a、15b、17a、17b)と、アース棒が固定されたベース板11とを有するアース部10を備える。バッテリー35と電気牧柵器(パワーボックス)37とを内側に有する柱部30を備える。ベース板11の上に、柱部30が着脱可能な状態で固定され、電気牧柵器37のアース端子38が、アース棒と電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気柵システムに使用される電気牧柵器に関し、特に電気柵システムに使用される支柱に内蔵するものに関する。
【背景技術】
【0002】
野生動物の侵入または家畜の脱走を防止するための電気柵システムでは、高電圧の電流をワイヤに流すための電気牧柵器が用いられる。特許文献1は、太陽電池によって得られた電気エネルギーに基づいて駆動する電気牧柵器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−47100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電気牧柵器、太陽電池などの発電機、バッテリーは、電気柵システムのワイヤを張架する支柱とは別体として設ける必要がある。これらは、通常屋外に設置されるため、それぞれの部材ごとに防水処置を施す必要がある。また、アース棒への配線、電気柵システムの支柱に張架されたワイヤへの配線など、電気牧柵器と離れた位置にある部材との間の電気的な配線が必要になる。
【0005】
したがって本発明の目的は、電気柵システムで使用する電気牧柵器の配線を容易にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気柵システムのワイヤの張架に使用される支柱は、アース棒と、アース棒が固定されたベース板とを有するアース部と、バッテリーと電気牧柵器とを内側に有する柱部とを備え、ベース板の上に、柱部が着脱可能な状態で固定され、電気牧柵器のアース端子が、アース棒と電気的に接続される。
【0007】
支柱にパワーボックス(電気牧柵器)などの電気部材を内蔵させるので、これらの部材の防水、盗難防止、いたずら防止などを用意に実現出来る。柱部に防水処置を施しておけば、内部に配置されるパワーボックスなどに別途防水処置などを施す必要が無いため、これらの部材の小型化、設計の簡素化に貢献出来る。小型化出来るため、通常、約150mm程度の直径の支柱の内部にこれらの電気部材を内蔵させることも可能になる。柱部においてバッテリーが配置される部分に断熱材を配置してバッテリーを被覆すれば、寒暖差によるバッテリーの劣化を防ぐことも可能になる。
【0008】
アース棒は腐食による劣化があり、将来的には、取り替える必要性が生じる。本件発明では、アース部と柱部とが着脱可能な状態で固定されているので、劣化したアース部(またはアース棒だけ)を新しい部材に取り替えることが出来る。このため、経年劣化時の交換が容易に行えるメリットがある。
【0009】
パワーボックス(電気牧柵器)などを内蔵させた柱部の下に、第1アース棒などが埋め込まれたアース部が配置されるため、ワイヤとの配線も、アース棒との配線も、パワーボックスと支柱とアース棒が別体で構成される形態に比べて容易に行えるメリットがある。
【0010】
好ましくは、アース棒は、支柱の杭として使用される。
【0011】
アース棒は90cm〜200cmと、柱部と同等かそれ以上に長く、且つベース板に固定されるため、支柱の杭として使用出来る。
【0012】
また、好ましくは、アース部は、導電性や耐腐食性の高さが異なる複数種類の金属製棒をアース棒として有する。
【0013】
腐食すると、アース棒は、杭の役割を果たさなくなる可能性がある。このため、導電性は高いが腐食しやすい部材(耐腐食性の低い部材)で構成されたアース棒は、杭としての役割を果たさなくなる可能性があるが、腐食しにくい部材(耐腐食性の高い部材)で構成されたアース棒が、杭としての役割を果たし、支柱が立った状態を維持することが出来る。
【0014】
また、好ましくは、柱部は、ネジを使ってベース部の上に着脱可能な状態で固定され、アース端子は、当該ネジを使ってアース部に固定され、電気的に接続される。
【0015】
ネジにより、柱部とアース部との着脱と、アース端子のアース部への電気的な接続が行われるため、これらを別々に行う形態に比べて工事が簡単に行えるメリットがある。
【0016】
また、好ましくは、柱部は、窓を有し、当該窓を介して、バッテリー、電気牧柵器の操作が可能になるように、窓の大きさや位置が決定される。
【0017】
窓41を介して、これらの電気部材の取り外しや、これらの電気部材のパラメータ調整及びオンオフ操作が出来るため、電気柵システムの設置後のメンテナンスが容易に出来る。
【0018】
また、好ましくは、柱部は、太陽電池パネルを有し、太陽電池パネルで得られた電気エネルギーに基づいて、バッテリーへの充電が行われる。
【0019】
また、好ましくは、柱部は、特定の周波数の振動を発生させる振動発生装置を有し、振動をアース棒に伝達させる。
【0020】
特定の周波数の振動を発生させる振動発生装置を設け、かかる振動をアース部に伝達させると、地中に埋められたアース棒を介して、当該周波数の振動を地中に伝播させることが可能になる。これにより、特定の周波数(たとえば300〜400Hz)の振動がアース棒から地中に伝播されるため、かかる周波数帯域を嫌うモグラなどが近寄りにくくなるメリットが得られる。
【0021】
また、好ましくは、柱部は、側面または上面に黄色に光る照明部を有することを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【0022】
照明部を柱部の側面または上面に設け、照明部を一定間隔ごと、もしくはランダムに点灯制御した場合、適当なタイミングで光を発することが可能になり、動物の忌避効果が得られる。特に、照明食を黄色にした場合には、カラスの忌避効果が得られる。
【0023】
本発明に係る電気柵システムのワイヤの張架に使用される支柱のアース部は、アース棒と、アース棒が固定されたベース板とを備え、ベース板の上に、バッテリーと電気牧柵器とを内側に有する柱部が着脱可能な状態で固定され、電気牧柵器のアース端子が、アース棒と電気的に接続される。
【発明の効果】
【0024】
以上のように本発明によれば、電気柵システムで使用する電気牧柵器の配線を容易にする装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態における支柱と支柱に架け渡されたワイヤの斜視図である。
【図2】アース部の斜視図である。
【図3】アース部と、下筒部と、上筒部の下部の斜視図である。
【図4】取り付け前における、アース部と、柱部の内部の構成を示す図である。
【図5】取り付け後における、アース部と、柱部の内部の構成を示す図である。
【図6】図5の形態に、オーディオ装置とスピーカーとを加えた形態における、アース部と柱部の内部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明にかかる実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における支柱1は、アース部10と、柱部30とを備え、電気柵システムに使用される杭の1つに使用される。他の杭は、通常、電気柵システムに使用される物が使用される。支柱1は、電気柵システムにおける高電圧を発生させるための装置(発電装置、電源、電気牧柵器)を内蔵し、杭の一部をアース棒と兼用する。
【0027】
なお、図3は、柱部30の内部の電気部材(例えば、バッテリー36)を省略している。また、図4、図5は、アース部10と柱部30との内部の接続状態を示すため、一部の部材(第4ネジ止め板13dなど)を省略している。
【0028】
アース部10の構成について説明する。アース部10は、ベース板11、第1〜第4ネジ止め板13a〜13d、第1〜第4ネジ孔14a〜14d、第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17b、第1〜第4圧着部18a〜18dを有する。但し、図2において、第3圧着部18cは、第3ネジ止め板13cに隠れて見えない位置にある。
【0029】
ベース板11は、円盤状で且つ導電性の金属部材であり、上に柱部30が固定され、下に第1アース棒15aなどが固定される。
【0030】
第1〜第4ネジ止め板13a〜13dは、ベース板11の上に固定された導電性の金属部材で、ベース板11に垂直な面に、第1〜第4ネジ孔14a〜14dが設けられる。第1〜第4ネジ止め板13a〜13dは、ベース板11の上に柱部30を載置した時に、下筒部31bの内壁面と接触する位置関係になるように、ベース板11の上に配置される。
【0031】
第1、第2アース棒15a、15bは、ベース板11の下に固定された導電性の金属部材で、地中に埋め込まれる。第1、第2アース棒15a、15bのベース板11への固定は、第1、第3圧着部18a、18cを介して、圧着などにより行われる。第1、第2アース棒15a、15bは、導電性の高い銅で構成されるのが望ましいが、電気を通す金属部材であれば他の部材であってもよい。第1、第2アース棒15a、15bは、アース棒としての役割の他、支柱1を地面に固定するための杭の役割も果たす。
【0032】
第1、第2杭17a、17bは、ベース板11の下に固定された導電性の金属部材で、地中に埋め込まれる。第1、第2杭17a、17bのベース板11への固定は、第2、第4圧着部18b、18dを介して、圧着などにより行われる。第1、第2杭17a、17bは、ステンレスなど腐食に強い部材であることが望ましい。第1、第2杭17a、17bも電気を通すため、支柱1を地面に固定するための杭の役割の他、アース棒としての役割も果たす。
【0033】
第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17bはいずれも90cm〜200cm程度の長さを有する。
【0034】
柱部30の構成について説明する。柱部30は、上筒部31a、下筒部31b、嵌合部32、太陽電池パネル33、第5〜第8ネジ孔34a〜34d、チャージコントローラ35、バッテリー36、パワーボックス37、アース端子38、ガイシ39、窓41、第1電力線43、第2電力線44、クリップ45を有する。
【0035】
上筒部31aは、樹脂製の筒状部材、下筒部31bは、導電性金属材料の筒状部材で、嵌合部32を介して、上筒部31aと下筒部31bとが接続される。上筒部31a、下筒部31bは、通常の電気柵システムに使用される支柱と同じように、約150mmの外径を有する。ただし、これ以上の太さの外径であってもよい。
【0036】
太陽電池パネル33は、太陽光などによる光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置で、上筒部31aの上面に設けられる。図1では、太陽電池パネル33が、上筒部31aの上面の内側に収められている形態を説明するが、電気柵システムで必要とされる電力に応じて、該上面からはみ出した大きさの太陽電池パネル33が設けられる形態であってもよい。
【0037】
第5〜第8ネジ孔34a〜34dは、ベース板11の上に柱部30を載置した時に、第1〜第4ネジ孔14a〜14dと対向するように、下筒部31bの壁面に設けられる。
【0038】
チャージコントローラ35は、太陽電池パネル33からバッテリー36への過充電を防止するものである。なお、チャージコントローラ35に代え、バッテリー36に充電された電気が太陽電池パネル33に流れる逆流現象を防止するブロッキングダイオードが設けられる形態であってもよい。
【0039】
パワーボックス37は、バッテリー36からの供給される電力に基づき、高電圧の電流をワイヤに流させる電気牧柵器(衝撃電圧発生機構)である。パワーボックス37の陽極端子からの第1電力線43は、上筒部31aの壁面に設けられたガイシ39を介して、柱部30の外側に架け渡され、クリップ45を使って、ワイヤと電気的に接続される(図5参照)。パワーボックス37の陰極端子からの第2電力線44は、リング形状またはクワ型形状のアース端子38と接続される。
【0040】
バッテリー36は、太陽電池パネル33で発電された電力を貯める蓄電池で、パワーボックス37の駆動に使用される。チャージコントローラ35、パワーボックス37、バッテリー36は、上筒部31aまたは下筒部31bの内側に配置される。
【0041】
上筒部31aに設けられた窓41(図1参照)は開閉可能で、窓41を介して、チャージコントローラ35、バッテリー36、パワーボックス37の交換やこれらの機器のパラメータ調整、オンオフ操作などが出来るように、窓41の大きさや位置が設定される。
【0042】
ガイシ39は、上筒部31aの壁面に設けられ、パワーボックス37の陽極部から架け渡された第1電力線43と上筒部31aの壁面との間の絶縁に用いられる。
【0043】
次に、支柱1の設置について説明する。第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17bを地中に埋めて、アース部10を地面に固定する。電気柵システムのワイヤが周囲を囲む形態の場合には、どの支柱の代わりに本実施形態の支柱1を用いても構わないが、電気柵システムのワイヤが1周しない形態の場合には、パワーボックス37の電気的な負担を軽減するために、当該略直線形状の中心近傍に使用される支柱に、本実施形態の支柱1を用いるのが望ましい。
【0044】
第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17bと、ベース板11とは、第1アース棒15aなどを地中に埋める前に圧着で固定した形態でも良いし、第1アース棒15aなどを地中に埋めた後に、圧着で固定する形態であってもよい。
【0045】
地面に固定されたアース部10の上に、柱部30を載置し、第1〜第4ネジ50a〜50dを使って、柱部30をアース部10に固定する。
【0046】
具体的には、アース部10の第1ネジ孔14aと下筒部31bの第5ネジ孔34aとが第1ネジ50aを使ってネジ止めされ、アース部10の第2ネジ孔14bと下筒部31bの第6ネジ孔34bとが第2ネジ50b(不図示)を使ってネジ止めされ、アース部10の第3ネジ孔14cと下筒部31bの第7ネジ孔34cとアース端子38とが第3ネジ50cを使ってネジ止めされ、アース部10の第4ネジ孔14dと下筒部31bの第8ネジ孔34dとが第4ネジ50d(不図示)を使ってネジ止めされる。アース端子38がネジ止めされる個所は、第3ネジ孔14cに限られる訳ではなく、他のネジ孔であってもよい。
【0047】
電気柵システムに使用する他の支柱の設置、当該ネジ止め、及び電気柵システムに使用するワイヤの張架の後、第1電力線43は、クリップ45を使って、ワイヤと電気的に接続される。
【0048】
ネジ止めにより、アース端子38と電気的に接続された第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17bが、アース棒として機能する。電気柵システムがオン状態で、ワイヤに接触した動物には、ワイヤ、支柱1、地中を介して、パワーボックス37で発生させた高圧電流が流れ、感電する。
【0049】
本実施形態では、支柱1にパワーボックス37などの電気部材を内蔵させるので、これらの部材の防水、盗難防止、いたずら防止などを用意に実現出来る。柱部30に防水処置を施しておけば、内部に配置されるパワーボックス37などに別途防水処置などを施す必要が無いため、これらの部材の小型化、設計の簡素化に貢献出来る。小型化出来るため、通常、約150mm程度の直径の支柱の内部にこれらの電気部材を内蔵させることも可能になる。柱部30においてバッテリー35が配置される部分に断熱材を配置してバッテリー35を被覆すれば、寒暖差によるバッテリー35の劣化を防ぐことも可能になる。
【0050】
アース棒は90cm〜200cmと、柱部と同等かそれ以上に長く、且つベース板に固定されるため、支柱の杭として使用出来る。
【0051】
パワーボックス37などを内蔵させた柱部30の下に、第1アース棒15aなどが埋め込まれたアース部10が配置されるため、第1電力線43とワイヤとの配線も、第2電力線44と第1アース棒15aなどとの配線も、パワーボックスと支柱とアース棒が別体で構成される形態に比べて容易に行えるメリットがある。
【0052】
アース棒は腐食による劣化があり、将来的には、取り替える必要性が生じる。本実施形態では、アース部10と柱部30とのネジ止めを外し、劣化したアース部10を新しいアース部10に取り替えることが出来るので、経年劣化時の交換が容易に行えるメリットがある。
【0053】
また、ネジ(第1〜第4ネジ50a〜50d)により、柱部30とアース部10との着脱と、アース端子38のアース部10への電気的な接続が行われるため、これらを別々に行う形態に比べて工事が簡単に行えるメリットがある。
【0054】
また、窓41を介して、これらの電気部材の取り外しや、これらの電気部材のパラメータ調整及びオンオフ操作が出来るため、電気柵システムの設置後のメンテナンスが容易に出来る。
【0055】
また、アース部10を取り替える形態に代えて、第1、第3圧着部18a、18cに設けた孔を介して、新しい第1アース棒15a、第2アース棒15bを上から地中に向けて打ち込み、第1アース棒15aを第1圧着部18aと圧着させ、第2アース棒15bを第3圧着部18cに圧着させる形態であってもよい。
【0056】
腐食すると、アース棒は、杭の役割を果たさなくなる可能性がある。このため、導電性は高いが腐食しやすい部材(耐腐食性の低い部材)で構成されたアース棒(第1、第2アース棒15a、15b)は、杭としての役割を果たさなくなる可能性があるが、腐食しにくい部材(耐腐食性の高い部材)で構成されたアース棒(第1、第2杭17a、17b)が、杭としての役割を果たし、支柱が立った状態を維持することが出来る。
【0057】
また、本実施形態では、柱部30の外側部分の筐体が、樹脂製の上筒部31aと、金属製の下筒部31bとで構成される形態を説明した。これにより、下筒部31bはアース端子38やアース部10と電気的に接触することになり、アース部材として機能させることが可能になるが、かかる筐体が一体的に樹脂製で構成される形態であってもよい。この場合は、アース部材として機能はしないが、アース端子38とアース部10とはネジを介して電気的に接続されているので、第1アース棒15aなどのアース部材としての機能は確保出来る。
【0058】
また、他の実施形態として、特定の周波数の振動を発生させる振動発生装置を設け、かかる振動をアース部10に伝達させると、地中に埋められた第1アース棒15aなどを介して、当該周波数の振動を地中に伝播させることが可能になる。具体的には、振動発生装置として、特定の周波数(300〜400Hz)を出力するオーディオ装置48と、スピーカー49を設け、スピーカー49をアース端子38に接触させる(図6参照)。なお、図6は、第2ネジ止め板13b、第2ネジ孔14b、第2ネジ50bを省略している。
【0059】
これにより、300〜400Hzの周波数の振動が第1アース棒15aなどから地中に伝播されるため、かかる周波数帯域を嫌うモグラなどが近寄りにくくなるメリットが得られる。なお、振動を発生する装置としてオーディオ装置48とスピーカー49とを使った形態を説明したが、振動子など他の装置を使って特定の周波数の振動を発生させる形態であってもよい。
【0060】
また、照明部51を上筒部31aの側面または上面に設け、照明部51を一定間隔ごと、もしくはランダムに点灯制御する照明コントローラ52を設ける(図6参照)ことにより、適当なタイミングで光を発することが可能になり、動物の忌避効果が得られる。特に、照明食を黄色にした場合には、カラスの忌避効果が得られる。
【0061】
なお、本実施形態では、4本のアース棒(第1アース棒15a、第2アース棒15b、第1杭17a、第2杭17b)を使ったものを説明するが、アース棒の数はこれに限定されるものではない。ただし、本実施形態のように、導電性や耐腐食性の高さが異なる複数種類の金属製棒をアース棒として使用すると、一方を主に支柱が立つ状態を維持する杭として使用し、他方を主にアースを確実に行うものとして使用することが出来る。また、ベース板11の下に固定されるアース棒の他に、アース部10から離れた位置に別途アース棒を設けて、アース効果を高める形態であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 支柱
10 アース部
11 ベース板
13a〜13d 第1〜第4ネジ止め板
14a〜14d 第1〜第4ネジ孔
15a、15b 第1、第2アース棒
17a、17b 第1、第2杭
18a〜18d 第1〜第4圧着部
30 柱部
31a 上筒部
31b 下筒部
32 嵌合部
33 太陽電池パネル
34a〜34d 第5〜第8ネジ孔
35 チャージコントローラ
36 バッテリー
37 パワーボックス
38 アース端子
39 ガイシ
41 窓
43、44 第1、第2電力線
45 クリップ
48 オーディオ装置
49 スピーカー
51 照明部
52 照明コントローラ
50a〜50d 第1〜第4ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アース棒と、前記アース棒が固定されたベース板とを有するアース部と、
バッテリーと電気牧柵器とを内側に有する柱部とを備え、
前記ベース板の上に、前記柱部が着脱可能な状態で固定され、
前記電気牧柵器のアース端子が、前記アース棒と電気的に接続されることを特徴とする電気柵システムのワイヤの張架に使用される支柱。
【請求項2】
前記アース棒は、前記支柱の杭として使用されることを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項3】
前記アース部は、導電性や耐腐食性の高さが異なる複数種類の金属製棒を前記アース棒として有することを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項4】
前記柱部は、ネジを使って前記ベース部の上に着脱可能な状態で固定され、
前記アース端子は、前記ネジを使って前記アース部に固定され、電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項5】
前記柱部は、窓を有し、
前記窓を介して、前記バッテリー、前記電気牧柵器の操作が可能になるように、前記窓の大きさや位置が決定されることを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項6】
前記柱部は、太陽電池パネルを有し、
前記太陽電池パネルで得られた電気エネルギーに基づいて、前記バッテリーへの充電が行われることを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項7】
前記柱部は、特定の周波数の振動を発生させる振動発生装置を有し、前記振動を前記アース棒に伝達させることを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項8】
前記柱部は、側面または上面に黄色に光る照明部を有することを特徴とする請求項1に記載の支柱。
【請求項9】
アース棒と、
前記アース棒が固定されたベース板とを備え、
前記ベース板の上に、バッテリーと電気牧柵器とを内側に有する柱部が着脱可能な状態で固定され、
前記電気牧柵器のアース端子が、前記アース棒と電気的に接続されることを特徴とする電気柵システムのワイヤの張架に使用される支柱のアース部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−223963(P2011−223963A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99440(P2010−99440)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(510043009)日本録機工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】