電気機器、放電ランプ点灯装置及び照明器具
【課題】回路基板固定機能と共にバーケースとベースケースの脱落防止を適切に実現する。
【解決手段】底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部に通孔部10がそれぞれ設けられたベースケース2と;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケース2の一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケース2における一対の側壁部に形成された前記通孔部10を介してベースケース2の内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケース5と;ベースケース2とカバーケース5の内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シート3と;電気部品を実装した回路基板6により構成され、回路基板6が絶縁シート3を介してベースケース2の底面部側に配置された電気回路とを具備する。
【解決手段】底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部に通孔部10がそれぞれ設けられたベースケース2と;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケース2の一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケース2における一対の側壁部に形成された前記通孔部10を介してベースケース2の内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケース5と;ベースケース2とカバーケース5の内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シート3と;電気部品を実装した回路基板6により構成され、回路基板6が絶縁シート3を介してベースケース2の底面部側に配置された電気回路とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱型の一方のケース内部に電気機器を実装した回路基板を保持させ、箱型の他方のケースを向かい合わせて結合した構成の電気機器、このような構成を採用して放電ランプを点灯させるようにした放電ランプ点灯装置、更には、この放電ランプ点灯装置を用いて構成した照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯ランプなどの放電ランプを点灯させる電気機器である放電ランプ点灯装置にあっては、電子安定器と称する機器が用いられている。この安定器は、電気部品が実装された回路基板を金属製のベースケースとカバーケースとの間に配置し、これらのケースを向かい合わせて結合した構成を有している。
【0003】
従来の放電ランプ点灯装置においては、ベースケースにストッパ溝および連結用通孔が形成され、カバーケースにストッパ凸部及び連結凸部を形成し、これらの構成により、ベースケースに対するカバーケースの嵌合深さや位置決めが行われている(特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、ストッパ凸部の下端面がストッパ溝部の底面に当接して、ベースケースに対するカバーケースの深さが決められ、ストッパ凸部の少なくとも一方の根元がストッパ溝部の一側面に接触することにより、ベースケースに対するカバーケースの長手方向位置が決定されている。また、連結凸部は、カバーケースの内側に折り曲げられ連結用通孔に侵入し、連結凸部の根元部側部分がプリント配線基板の上側の板面を抑えて、プリント配線基板を固定している。
【0005】
上記の放電ランプ点灯装置にあっては、ストッパ凸部がストッパ溝において固定されておらず、連結凸部が連結用通孔において固定されないので、カバーケースがベースケースに対して上下方向及び長手方向にがたつくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−197027号公報(特に、図2及びその説明)
【0007】
これに対し図23に示すように、ベースケース90の両側壁部90sに、四角形の連通孔91と円形の受孔92とを比較的近い位置に形成し、カバーケース95の両側板部95sに、爪片96aを有する爪孔96と、受孔92側に向かって突出する凸形状を有する係合凸部97を形成し、この係合凸部97を受孔92に嵌合させて、両側板部95sが内側に復元する弾性力によりベースケース90をカバーケース95で挟持する構成の電気機器が案出されている。
【0008】
上記の電気機器では、爪片96aをベースケース90の連通孔91における内側に向けて折り込んで回路基板98を保持すると共に、床面側に位置するカバーケース95がベースケース92から抜け落ちる危険性を回避している。
【0009】
しかしながら、上記の構成に係る電気機器においては、爪片96aを内側に折り込んだときに、爪片96aの基部96b及びこの近傍が押圧方向と逆の外側へ向かって反り返り、係合凸部97と受孔92の嵌合状態が解除されることがある。また、爪片96aにより回路基板98を固定する構成を採用している場合には、爪片96aによって、カバーケース95がベースケース92から抜け落ちる危険性を回避できるが、回路基板98の固定に支障が生じることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような電気機器の問題点に鑑みてなされたもので、回路基板固定機能と共にカバーケースとベースケースの脱落防止を適切に実現することのできる電気機器等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の本発明に係る電気機器は、底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部を介してベースケースの内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケースと;ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項1の本発明によれば、爪部によって回路基板を固定すると共にカバーケースの脱落を防止できる。
【0013】
請求項2の本発明に係る電気機器は、底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部の底面部側及び底部側以外の方向にそれぞれに通孔部を介してベースケースの内側に折り込まれる第1及び第2の爪孔部を備えたカバーケースと;ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;を具備することを特徴とする。
【0014】
上記請求項2の本発明において、第1の爪部は回路基板を固定し、第2の爪部はベースケースからの脱落防止機能を果たす。これは、カバーケースがベースケースから抜け落ちる危険性を回避する全ての構成を指す。孔部、爪孔部や爪部の数、爪部の基部から先端へ向かう方向等は適宜選択される。
【0015】
請求項3の本発明に係る電気機器では、前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4の本発明に係る電気機器では、ベースケースの一対の側壁部に形成され、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5の本発明に係る電気機器では、ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されていることを特徴とする。
【0018】
上記請求項5の本発明において、部材とは、爪部、通孔部、爪孔部、回路基板固定部などのすべての形成された部材を指す。
【0019】
請求項6の本発明に係る電気機器では、天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項7の本発明に係る放電ランプ点灯装置は、放電ランプ用点灯回路を有する電気回路が備えられた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器により構成されることを特徴とする。
【0021】
請求項8の本発明に係る照明器具は、請求項7に記載の放電ランプ点灯装置と;この放電ランプ点灯装置により点灯される放電ランプと;放電ランプ点灯装置及び放電ランプを配置している器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の本発明に係る電気機器によれば、ベースケースの孔部に設けられた爪部が、回路基板を固定すると共にベースケースからの脱落防止機能を実現するので、爪部を折込むように加工することによってカバーケースがベースケースから抜け落ちる危険性を回避できると共に回路基板の固定が適切になされる効果を有する。
【0023】
請求項2の本発明に係る電気機器によれば、爪孔部に回路基板固定機能の第1の爪部が備えられ、爪孔部にはベースケースからの脱落防止機能を有する第2の爪部が備えられているので、カバーケースとベースケースを重ねたときの同一位置において第1及び第2の爪部を一度に折り曲げることができ、これにより回路基板の固定と、カバーケースのベースケースからの抜け落ちの防止を実現できる。
【0024】
請求項3の本発明に係る電気機器によれば、前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられているので、爪孔部において第1及び第2の爪部の長さを大きく形成でき、小さな力でこれらの爪部を一度に折り曲げることができる。
【0025】
請求項4の本発明に係る電気機器によれば、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部がベースケースの一対の側壁部に形成されているので、絶縁シートなどにより適切な位置へ収まっていない回路基板を確実に固定することができる。
【0026】
請求項5の本発明に係る電気機器によれば、ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されているので、ベースケースとカバーケースとは、方向の調整を行うことなく組み立て作業などを行うことができ、効率よく作業を行うことができる。
【0027】
請求項6の本発明に係る電気機器によれば、天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されているので、絶縁シートの端部がこのテ―パ部に沿って収納されるように機能し、端板部によって絶縁シートが回路基板側に折り曲げられて挟み込まれる不具合を防止することが可能である。
【0028】
請求項7の本発明によれば、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器を備えた放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0029】
本請求項8の本発明によれば、請求項7に記載の放電ランプ点灯装置を備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す一部省略斜視図。
【図2】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態のベースケース側の構成を示す一部省略斜視図。
【図3】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態のカバーケース側の構成を示す一部省略斜視図。
【図4】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図5】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図6】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第2の実施形態の構成を示す側面図であり、(a)は全体図、(b)は要部拡大図。
【図7】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第2の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図8】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第3の実施形態の構成を示す要部側面図。
【図9】本発明の放電ランプ点灯装置に係る実施形態の構成を示す要部側面図であり、(a)は第4の実施形態を示す図、(b)は第5の実施形態を示す図。
【図10】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第4の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図11】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す組み立て斜視図。
【図12】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の要部を示す側面図。
【図13】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態のベースケースの底面を示す平面図。
【図14】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の絶縁シートを示す一部省略斜視図。
【図15】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す要部組み立て斜視図。
【図16】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を説明するための断面図。
【図17】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の組み立て過程を示す側面図。
【図18】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1乃至5の実施形態の構成を用いた場合の不具合を説明するための断面図。
【図19】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の組み立て過程を示す断面図。
【図20】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の完成後におけるレーザマーキングを説明するための平面図。
【図21】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す組み立て斜視図。
【図22】本発明の放電ランプ点灯装置に係る実施形態を用いて構成した照明器具の構成を示す斜視図。
【図23】既存の放電ランプ点灯装置の構成を示す組み立て斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。各図において同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。第1の実施形態に係る電気機器は放電ランプ点灯装置を示すものであり、図1に要部斜視図を示し、図2にカバーケースを取り外した状態の要部斜視図を示し、図3にカバーケースの要部斜視図を示す。
【0032】
上記各図に示されている放電ランプ点灯装置1は、ベースケース2、絶縁シート3、点灯回路4及びカバーケースを主な構成要素としている。絶縁シート3は、ベースケース2の内側を覆っており、金属製のベースケース2と点灯回路との電気的接続を遮断している。点灯回路4は、回路基板6に電気部品を実装した構成を有している。カバーケース5は、ベースケース2に覆い被さる蓋の機能を有し、カバーケース5とベースケース2により構成される筐体内には、点灯回路4が収納される。
【0033】
ベースケース2は、例えば1枚の金属製の平板を折り曲げて、底面部2aの両側部に一対の側壁部2b、2bを備えるように構成されている。金属としては、例えば鋼板材が用いられる。上記底面部2aは、細長い長方形の形状に形成されている。また、一対の側壁部2b、2bは、底面部2aの長手方向に沿うように両側から上方に折り曲げられ、底面部2aとほぼ直交し互いに対向してベースケース2の全体が略樋形状に形成されている。そして、上記側壁部2b、2bは、長手方向の両側の側縁2bb、2bbが下側に向かって拡がるように傾斜しており、全体として断面が略台形状に形成されている。
【0034】
一対の側壁部2b、2bは、図2に示されるようにその長手方向の一端側2ba及び図示しない他端側に、係合受部である孔8と、通孔部10がそれぞれ形成されている。孔8は、円形状に形成され、カバーケース5の係合部である凸部(ベースケース2側へ向かって凸)7と係合する大きさに形成されている。ここに、係合受部は、上記係合部との関係によりベースケース2とカバーケース5を結合することができるものであれば良く、係合受部と係合部のいずれか一方が凹部であり他方が凸部であるような構成を有する。係合部と係合受部の数は適宜選択される。本実施形態では、通孔部10は、カバーケース5に形成された爪孔部9と同形状であり、上方に先端が向いた第1の爪部10aが形成されている。この通孔部10における第1の爪部10aの基部10bが、回路基板6の上面6aと一致する位置に形成されている。第1の爪部10aの周囲は、第1の爪部10aを折り曲げ易くするための略U字状の開口部16が形成されている。
【0035】
更に、一対の側壁部2b、2bにおいては、その長手方向の一端側2ba及び図示しない他端側に、それぞれ側壁部2b、2bの内側に突出する長形の基板支持段部22が形成されている。合計4個である基板支持段部22は、予め基板支持段部22の形状に対応するように形成された絶縁シート3の凹段部を介して回路基板6を支持する。更に、底面部2aの長手方向の一端側2aa及び図示しない他端側には、取付孔12が穿設されている。
【0036】
絶縁シート3は、平面状に形成された絶縁性の例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂により構成され、ベースケース2の内面に沿ってベースケース2に配置され、一部が側壁部2b、2bから上方へ突出している。カバーケース5側にも絶縁シート3が内壁に沿うように設けられ(図11)、ベースケース2に配置された絶縁シート3とそれぞれの端部が重なるように収納される。絶縁シート3の厚さは、例えば0.2〜1.0mmである。
【0037】
点灯回路4は、電気部品が回路基板6に実装されて構成されている。回路基板6は、例えばガラスエポキシ材や紙フェノール材などにより構成されるものであり、長方形状に形成され、その長手方向の寸法がベースケース2の側壁部2bにおける上面2bcの長手方向の寸法によりも幾分小さく、その幅寸法が一対の側壁部2b、2b間の寸法から絶縁シート3の厚さを減じた値より幾分小さくなるように設計されている。
【0038】
更に、回路基板6には、その上面6aにおいて、一端側6bに入力用の端子台13が配設されており、図示しない他端側に出力用の端子台が配設されている。入力用の端子台13には、商用交流電源からの電源線が接続され、出力用の端子台からは、放電ランプが装着されるランプソケットに接続されるリード線が導出される。
【0039】
電気部品は、回路基板6の入力用の端子台13と出力用の端子台との間に実装されており、コンデンサC1、インダクタL1更に図示しないトランジスタなどによって、交流電圧を直流電圧へ変換する直流電源回路、直流電圧を高周波交流電圧へ変換するインバータ回路、更に放電ランプに共振電圧を印加する共振回路などが形成されている。
【0040】
上記の点灯回路4は、絶縁シート3を介してベースケース2の底面部2a側に配置されている。すなわち、回路基板6は、側壁部2b、2bに設けられた基板支持段部22により支持され、回路基板6の長手方向の両端側が底面部2aの切り起しにより形成された起立片11により移動が規制されている。基板支持段部22は、図5に示されるように、回路基板6の上面6aがベースケース2の通孔部10における第1の爪部10aの基部10bと一致する高さとなるように、底面部2aからの高さ寸法が設定されている。
【0041】
カバーケース5は、例えば鋼板材により構成され、一対の側板部5c、5c及びこの一対の側板部5c、5cをつなぐ天板部5aを有する。より詳細には、カバーケース5は、一枚の平板を折り曲げて構成したもので、長方形状の天板部5aと、この天板部5aの長手方向に沿う両端に連設すると共に天板部5aに対して互いに内向きに傾斜する一対の傾斜板部5b、5bを備える。この一対の傾斜板部5b、5bには、その長手方向に沿うように互いにほぼ平行に対向する一対の側板部5c、5cが連設している。更に、天板部5aにおける長手方向の両端には、天板部5aに対しほぼ直交するように形成された一対に端板部5d、5dが天板部5aに連設している。この端板部5d、5dは、平面形状が略五角形状をなし、カバーケース5における長手方向の両側端の開口部14の上側を略閉塞している。側板部5c、5cは、傾斜板部5b、5bを介して天板部5aの長手方向に沿う両側に連設されている。
【0042】
更に、カバーケース5は、その長手方向が回路基板6に配設されている入力用の端子台13と出力用の端子台との間に位置する大きさに形成されている。また、ベースケース2にカバーケース5を被嵌したときに、側板部5c、5cの開放端5ca、5caがベースケース2の底面部2aの位置よりも外方側に突出しないように、側板部5c、5cの丈寸法(カバーケース5の高さ寸法)が設定されている。また、端板部5dの開放端5daが回路基板6の上面6aに当接することがないように、端板部5dの天板からの深さ(高さ)が設定されている。更に、一対の側板部5c、5cの内面がベースケース2の一対の側壁部2b、2bの外面に重なり合うことができるように、側板部5c、5cの間隔が設定されている。カバーケース5が全体として弾性を有し、一対の側板部5c、5cに対し拡開するように変形させると、当初の形状に弾性復帰するような力が付与される。
【0043】
上記一対の側板部5c、5cのそれぞれの一端側5cb、5cbおよび図示しない他端側には、係合部である凸部(ベースケース2側へ向かって凸)7と爪孔部9が形成されている。凸部7は、図4に示すように、側板部5cの外面5ccを例えばプレスすることにより凹ませて形成され、側板部5cの内面5cdからカバーケース5の内側に突出している。そして、その突出面7aは、略球面状(楕円状)に形成されている。凸部7は、通称ダボ構造に形成されている。爪孔部9から凸部7までの距離は、第2の爪部9cを折り曲げた際に生じる基部9a付近に生じる反り返りの影響の範囲を避ける程度に十分長く設定されている。
【0044】
カバーケース5をベースケース2に連結するときに、ベース2の一対の側壁部2b、2bは、カバーケース5の側板部5c、5cに挟まれる。これにより、カバーケース5の側板部5c、5cの内面5cd、5cdとベースケース2の一対の側壁部2b、2bの外面が重なり合う。そして、カバーケース5をベースケース2の底面部2a側に押圧して移動させると、カバーケース5の凸部7が側壁部2b、2bの外面に乗り上がる。
【0045】
凸部7は、一対の側板部5c、5cがベースケース2の一対の側壁部2b、2bに重なり合うときに、側壁部2b、2bに設けられた孔8に嵌合する。このとき、孔8のほぼ全周の縁部に凸部7の突出面7aが当接する。これにより、凸部7は孔8に強固に固定され、孔8において移動しなくなる。
【0046】
爪孔部9は、図3に示すように側板部5cの外面5ccを切り込むことにより形成されている。爪孔部9には、側板部5cの出幅方向(側板部5cの長手方向に直交する方向)を向くように第2の爪部9cが形成されている。すなわち、第2の爪部9cの基部9aは側板部5cの開放端5ca側に位置し、第2の爪部9cの先端部9bは傾斜板部5b側に位置している。そして、基部9aを除く第2の爪部9cの周囲は、第2の爪部9cを折り曲げ易くするための略U字状の開口部15が形成されている。
【0047】
カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なり、第2の爪部9cと第1の爪部10aとが重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第2の爪部9cと第1の爪部10aを折り曲げる治具を用いて、第2の爪部9cと第1の爪部10aが図5に示すように内側に折り込まれる。
【0048】
第2の爪部9cの内面が第1の爪部10aに当接した状態で、基部9aと基部10bとを軸として内側に折り込まれることにより、先端部9bと先端部10cがベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シートを3介して内面10dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0049】
ここで、第1の爪部10aにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部10aにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部10aと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0050】
第2の爪部9cが基部9aを軸として折り曲げられるときに、その基部9a及びこの近傍が押圧方向と逆の外側へ向かって反り返ることになったとしても、爪孔部9から凸部7までの距離が、上記反り返りの影響の範囲を避ける程度に十分長く設定されており、従来のように床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係がズレ難くなっている。そして、この凸部7と孔8との嵌合が外れてカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、回路基板6は第1の爪部10aと基板支持段部22の間に保持固定されているために、回路基板6の固定に支障が生じることはない。
【0051】
更に、仮に、この凸部7と孔8との嵌合が外れて床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、カバーケース5の側板部5c、5cに形成された爪孔部9に存在する第2の爪部9cが、ベースケース2の通孔部10における開口部16の平縁部16aに当接し、カバーケース5がベースケース2から抜け落ちてしまう危険性を防止している。このように、爪孔部9は、通孔部10と共働して回路基板固定機能とベースケース2からの脱落防止機能を実現するものである。
【0052】
図6に、本発明の第2の実施形態である放電ランプ点灯装置1の側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の略平行な第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2が形成されている。第1の爪部9c−1は、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2は、図の上から下へ向かって延びている。縦方向に長い第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2を横に二本並べることにより爪孔部9と通孔部10が高さ方向に大きくなることを防止でき、一対の側板部5c、5cと一対の側壁部2b、2bの幅が大きくなることなく、ケースの大型化を防止できる構成となっている。
【0053】
一方の通孔部10には、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2を含む爪孔部9は、開口部15−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わされて形成されている。
【0054】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1と第2の爪部9c−2を折り曲げる治具を用いて、第1の爪部9c−1と第2の爪部9c−2を図7に示すように折り曲げる。
【0055】
第1の爪部9c−1は、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面9dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0056】
ここで、第1の爪部9c−1により押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側と中央部の六箇所において第1の爪部9c−1により押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1と基板支持段部22の間に保持固定される。
【0057】
一方、第2の爪部9c−2は、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部16−1の上平縁部16−1aに当接し、カバーケース5とベースケース2とを係合(固定)する。爪孔部9と通孔部10は全体で四組形成されているため、床面側に位置するカバーケース5がその重さによってベースケース2から抜け落ちることはなく、また凸部7と孔8との嵌合が外れ結合関係にズレが生じることがない。
【0058】
図8には、本発明の第3の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の向かい合う第1の爪部9c−1a、第2の爪部9c−2aが形成されている。第1の爪部9c−1aが、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2aは、図の上から下へ向かって延びている。
【0059】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第1の爪部9c−1a、第2の爪部9c−2aを含む爪孔部9は、ベースケース2の開口部16−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わせされて形成されている。
【0060】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1aと第2の爪部9c−2aを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1aと第2の爪部9c−2aを折り曲げると断面図は第2の実施形態を示した図7と概ね等しくなる。
【0061】
第1の爪部9c−1aは、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面により点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0062】
ここで、第1の爪部9c−1aにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部9c−1aにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1aと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0063】
一方、第2の爪部9c−2aは、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部16−1の上平縁部16−1aに当接し、カバーケース5とベースケース2とを係合(固定)する。爪孔部9と通孔部10は全体で六組形成されているため、床面側に位置するカバーケース5がその重さによってベースケース2から抜け落ちることはなく、また凸部7と孔8との嵌合が外れ結合関係にズレが生じることがない。
【0064】
図9(a)には、本発明の第4の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9には、縦に長い第1の爪部9c−1bと、左右方向(横方向)に長い第2の爪部9c−2bが形成されている。第1の爪部9c−1bは、爪孔部9における左側に位置して図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2bは、爪孔部9における上側に位置して図の右から左へ向かって延びている。
【0065】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第2の爪部9c−2b、第1の爪部9c−1bを含む爪孔部9は、ベースケース2の開口部16−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わせされて形成されている。
【0066】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げると断面図は、図10のようになる。
【0067】
第1の爪部9c−1bは、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面9dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0068】
ここで、第1の爪部9c−1bにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部9c−1bにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1bと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0069】
一方、第2の爪部9c−2bは、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部15−1の上平縁部15−1aに近接した状態となる。仮に、凸部7と孔8との嵌合が外れて床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、カバーケース5の側板部5c、5cに形成された爪孔部9に存在する第2の爪部9c−2bの上側の側部9c−2bbが、ベースケース2の通孔部10における開口部16の平縁部16aに当接し、カバーケース5がベースケース2から抜け落ちてしまう危険性を防止している。このように、爪孔部9は、通孔部10と共働して回路基板固定機能とベースケース2からの脱落防止機能を実現するものである。
【0070】
図9(b)には、本発明の第5の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の略平行な第2の爪部9c−2c、第1の爪部9c−1cが形成されている。第1の爪部9c−1cは、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2cは、図の上から下へ向かって延びている。第1の爪部9c−1c及び第2の爪部9c−2cは先端に向かって幅狭となるように、その側縁部がテーパ状に形成され、全体として三角形形状を有している。
【0071】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5の爪孔部9の開口部の面積はベースケース2の開口部16−1の面積より小さく、カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9の中側に破線にて示すようにベースケース2の通孔部10が位置する。
【0072】
上記の状態において、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げる治具を用いて、第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げる。これにより、第1の爪部9c−1c及び第2の爪部9c−2cおけるそれぞれの先端部分から通孔部10の開口部16−1に入り込むようにして折り曲げられ、そのテーパ状の側縁部がガイドとなって爪孔部9と通孔部10が位置合わせを行うことができる。第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げた状態は、図7のようであり、第1の爪部9c−1cは図7における第1の爪部9c−1として機能し、第2の爪部9c−2cは図7における第2の爪部9c−2として機能する。このように爪部の側縁部がテーパ状にされる構成は、図9(a)に示した横方向に延在する爪部についても採用することができる。
【0073】
図11は、第6の実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の構成を示す斜視図である。この実施形態において、ベースケース2の両側面である側壁部2b、2bには、ベースケース2の中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されている。これら各部材として、基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42が形成されている。即ち、これらの基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42は、図11、図12に示されている位置及び形状において側壁部2bに形成されており、図11、図12において隠れている側の側壁部2bにも全く同様の位置及び形状において同一部材が形成されている。従って、ベースケース2を図11、図12に示されている状態から180度の平面回転を行った場合にも、基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42が図11、図12に示されている状態にて現れる。
【0074】
図13は、ベースケース2の底面部2aを示す図である。ベースケース2の底面部2aには、照明器具本体に取り付けを行うためのネジを透通させる取付孔12と、起立片11を形成するための穴44と、端子台13及び出力側の端子台13Tから延びるリードを通過させる穴45が形成されている。ベースケース2の底面部2aは左右対称であり、180度の平面回転を行った場合にも同じ状態が現れる。
【0075】
更に、図11、図12に示されているように、カバーケース5の両側面である側板部5c、5cには、カバーケース5の中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されている。ここでは、部材としての爪孔部9とネジ取り付け用の窓部43が形成されている。このカバーケース5を図11、図12に示されている状態から180度の平面回転を行った場合にも、図11、図12に示されている状態と全く同様の位置及び形状において爪孔部9とネジ取り付け用の窓部43が現れる。以上の構成によって、ベースケース2とカバーケース5の方向を調整することなく、組立て作業を行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0076】
上記ベースケース2の基板支持段部22Aは、図12に示すように、四角形状の領域において上下に位置する長方形状の開口部22B、22Bを打ち抜き、中央部に帯状であってベースケース2の内部方向にアーチ状に突出したブリッジ22Cを設けたものである。ブリッジ22Cの上縁部に回路基板6の縁部が載置される。基板支持段部22Aは、ベースケース2の側壁部2bの長手方向の両端部付近と中央部に、等間隔で3個形成されている。
【0077】
絶縁シート3は、ベースケース2の底面部2aから側壁部2bへ到る部分において、図14と図15に示されるように構成されている。即ち、ベースケース2の底面部2aに沿う形状の底部31を有する。底部31の両側には、ベースケース2における一対の側壁部2b、2bに内面に沿った縦壁部32、32を有する。縦壁部32、32は、ベースケース2における角部2cの位置で縦壁部32、32が生じるように折り曲げられ、基端部には鋭角部35が形成される。
【0078】
更に、ブリッジ22Cの上縁部に一致する高さの鍔部33が生じる位置で外側に向かって折り曲げられる。鍔部33から鋭角部35までの傾斜部34がブリッジ22Cの下縁部に僅かに接触する程度の傾斜を有するように、外側から内側へ折り曲げられて直角部36が形成される。傾斜部34がブリッジ22Cの下縁部に僅かに接触するため、これを逃れるように、ブリッジ22Cの下縁部と上部の中央部に円弧形状の切削部22Dが形成されている(図15)。
【0079】
上記のような絶縁シート3をベースケース2に収納した後に、回路基板6を収納してブリッジ22Cに載置する場合には、絶縁シート3の弾性力のために図16に示すように回路基板6がブリッジ22Cに載置された鍔部33の僅かに上方の中途位置において浮いた状態となることがある。この回路基板6の設置作業は、人手による作業ではなく、自動機械による組立て作業によっているため、この状態で不具合が放置されることが少なくない。
【0080】
そこで、本実施形態では図17(a)に示すように、ベースケース2の側壁部2b、2bに回路基板固定部41を形成してある。回路基板固定部41は、ブリッジ22Cの高さ寸法にほぼ一致させて、四角形状の領域において下方から上方へ延びる長方形状の舌片部41Aを残して凹字状に打ち抜きを行ったものである。図16に示すようにブリッジ22Cに載置された鍔部33の僅かに上方の中途位置において回路基板6が浮いた状態にある場合でも、上記舌片部41Aをベースケース2の内側へ所定治具で押圧して折り曲げることにより、図17(b)に示すように絶縁シート3を介して回路基板6をベースケース2の底面部側へ押えて固定することができる。このため、カバーケース5を被せる前に的確に回路基板6を仮固定することができる。
【0081】
前述したカバーケース5に形成されている窓部43は図11に示すように、回路基板6に設けられているパワートランジスタTRが載置されて固定されている放熱板46をベースケース2へ固定するネジのスペースとして設けられている。
【0082】
また図14に示されるように、絶縁シート3においても、上記放熱板46の位置に合わせて、放熱板46の縦壁部よりやや大きい形状の開口部37が形成されている。開口部37の形成において、開口部37の底辺37Aは、鋭角部35が存在する長手方向ライン35Lより上部側であって、鍔部33を挟む折線ライン33La、Lbを避ける位置に形成する。なぜならば、開口部37の底辺37Aが、長手方向ライン35Lや折線ライン33La、Lbに一致する場合には、開口部37の底辺37Aから上記長手方向ライン35Lや折線ライン33La、Lb方向へ向かって裂けが生じやすく、絶縁シート3の歩留まりを低下させるためである。
【0083】
このように構成された絶縁シート3の内側に回路基板6が収納されて、ベースケース2における側壁部2bに形成された舌片部41Aをベースケース2の内側へ所定治具で押圧して折り曲げる。また、ベースケース2における側壁部2bに形成された一対のネジ取付穴42には、ネジ42Nが挿入され、放熱板46の縦壁部に形成されたネジ穴に螺合されて回路基板6の仮固定がなされる(図17(a)、(b))。
【0084】
また、図17に示すようにベースケース2の側壁部2bに形成された開口部16−2は、主四角形状部16Mに連通して長手方向の中央部に向かって突出する横長の小長方形部16Sが形成されている。この開口部16−2に対応するカバーケース5の爪孔部9は、図9(a)に示したものであり、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bとを備える。
【0085】
図17(b)を用いて説明した如くに回路基板6の仮固定がされたベースケース2に対して、カバーケース5と上側の絶縁シート3(図11の3U)とを上方から被せて、カバーケース5の爪孔部9をベースケース2の開口部16−2に位置合わせする。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げる。これにより、放電ランプ点灯装置1を完成させることができる。この第6の実施形態においては、係合受部と係合部を用いることなく、開口部16−2と爪孔部9によってベースケース2とカバーケース5とを結合している。この係合受部と係合部を用いない構成は、第1乃至第5の各実施形態においても採用することが可能である。
【0086】
上記のような放電ランプ点灯装置には、カバーケース5の端板部5dの外側であってベースケース2における側壁部2bの内壁に沿うように、絶縁シート3の他の部位より丈が低くされた端部3aが配置されている(図15)。放電ランプ点灯装置1の組立てを行う場合において、絶縁シート3の端部3aが自重や温度などによりベースケース2の内側へ撓んだ状態にあると、第1乃至第5の各実施形態におけるカバーケース5であると、図18に示されるようにカバーケース5における端板部5dの下端部5ddが絶縁シート3を巻き込んでしまうという問題があった。
【0087】
この問題を解決するために本実施形態においては図11や図19に示すように、カバーケース5の端板部5dに、カバーケース5の側板部5cとの間隔Dが下方から天板部5aへ向かって狭くなるテ―パ部5dtを形成した。これによって、絶縁シート3の端部3aがベースケース2の内側へ撓んだ状態であっても、図15の状態からカバーケース5をベースケース2に被せるときには、図19に示すようにカバーケース5における端板部5dの下端部5ddが絶縁シート3を巻き込むことなく、絶縁シート3の端部3aはカバーケース5の側板部5cとテーパ部5dtの間に入り、適切な状態でカバーケース5をベースケース2に被せて放電ランプ点灯装置1を組み立てて完成することができる。
【0088】
放電ランプ点灯装置1の組み立てが完了した後には、カバーケース5の天板部5aと傾斜板部5bにレーザマーキングにより所要の情報をマーキングする。この場合、レーザの照射部が平面を移動するか、放電ランプ点灯装置を平面において移動させるかによりレーザ照射を行うため、カバーケース5の天板部5aと傾斜板部5bとを同様にレーザ照射すると、カバーケース5の傾斜板部5bにおいては文字が潰れるなどする。
【0089】
そこで、三次元CADを用いて傾斜板部5bにマーキングする文字や記号などの形状(マーキングパターン)を変更し、また、大きさや太さを変えることで、傾斜板部5bに所望の文字記号をマーキングしている。しかし傾斜板部5bにマーキングされた文字記号は傾斜方向に粗く滲んで見えるので、具体的には図20に示すように、比較的マーキングが鮮明となるカバーケース5の天板部5aに電気用品安全法などの法規やJISなどの規格類により表示が義務化されている文字や識別記号などをマーキングして、視認・判読することができるようにしている。
【0090】
一方、傾斜板部5bには、メーカの名称や必要な事項などをマーキングする。この場合、文字潰れを考慮して横線方向のパターンを細くしたり、太いフォントは読み易い以外に用いなくするなどの制限を加え、判読し易い文字や記号のみをマーキングする。また、重要な情報は、傾斜板部5bにマーキングしないようにしている。
【0091】
また、マーキングの開始位置を、カバーケース5の天板部5aとする。更に、天板部5aと傾斜板部5bの境界部は少なくとも1mm幅にわたって非マーキング領域とする。
【0092】
以上のようにして、レーザマーキングを行っているため、重要な情報が読めないなどの不具合をなくし、また、傾斜板部5bにおいて文字潰れし難く、また文字潰れがあっても判読し易い文字や記号のみであり、容易に読むことができる。
【0093】
図21は、一枚のシートにより構成した絶縁シート3を用いた第7の実施形態に係る放電ランプ点灯装置1を示す図である。この絶縁シート3は、ベースケース2における一方の側壁部2bから突出した側が長く、先端部3sが僅かに内側へ折り曲げられている。カバーケース5を被せたときに、絶縁シート3の先端部6sは、カバーケース5の内面に沿って撓みながら回路基板6に実装された点灯回路4を内包するようにして、ベースケース2における他方の側壁部2bから突出している絶縁シート3と重なる。これによって、点灯回路4とカバーケース5及びベースケース2の絶縁が図られる。第7の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の他の構成は、第6の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の構成と変わらない。一枚のシートにより構成した絶縁シート3は、第1乃至第6の各実施形態においても採用することが可能である。
【0094】
図22に、本発明に係る照明器具の実施形態を示す。照明器具30は、天井面などに直付けされる照明器具であり、略枠状の器具本体17の両端に一対のランプソケット18、18が設けられている。このランプソケット18、18には、放電ランプである直管形蛍光ランプ19が装着されている。また、器具本体17は、蛍光ランプ19に対向して断面略皿状の反射板20を取り付けており、この反射板20の表面は反射面20aとなっている。
【0095】
また、器具本体17は、反射板20の内側において、各実施形態に係る放電ランプ点灯装置1をベースケース2の底面部2aに設けた取付孔12に通しねじにより固定している。そして、放電ランプ点灯装置1が給電されることにより、蛍光ランプ19が点灯する。
【0096】
照明器具30は、放電ランプ点灯装置1の小型化により、容易に配設スペースを確保することができ、放電ランプ点灯装置1の低コスト化により、安価に形成することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 放電ランプ点灯装置
2 ベースケース
3 絶縁シート
4 点灯回路
5 カバーケース
5d 端板部
5dt テ―パ部
7 凸部
8 孔
9 爪孔部
10 通孔部
17 器具本体
19 直管形蛍光ランプ
22A 基板支持段部
30 照明器具
41 回路基板固定部
【技術分野】
【0001】
この発明は、箱型の一方のケース内部に電気機器を実装した回路基板を保持させ、箱型の他方のケースを向かい合わせて結合した構成の電気機器、このような構成を採用して放電ランプを点灯させるようにした放電ランプ点灯装置、更には、この放電ランプ点灯装置を用いて構成した照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯ランプなどの放電ランプを点灯させる電気機器である放電ランプ点灯装置にあっては、電子安定器と称する機器が用いられている。この安定器は、電気部品が実装された回路基板を金属製のベースケースとカバーケースとの間に配置し、これらのケースを向かい合わせて結合した構成を有している。
【0003】
従来の放電ランプ点灯装置においては、ベースケースにストッパ溝および連結用通孔が形成され、カバーケースにストッパ凸部及び連結凸部を形成し、これらの構成により、ベースケースに対するカバーケースの嵌合深さや位置決めが行われている(特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、ストッパ凸部の下端面がストッパ溝部の底面に当接して、ベースケースに対するカバーケースの深さが決められ、ストッパ凸部の少なくとも一方の根元がストッパ溝部の一側面に接触することにより、ベースケースに対するカバーケースの長手方向位置が決定されている。また、連結凸部は、カバーケースの内側に折り曲げられ連結用通孔に侵入し、連結凸部の根元部側部分がプリント配線基板の上側の板面を抑えて、プリント配線基板を固定している。
【0005】
上記の放電ランプ点灯装置にあっては、ストッパ凸部がストッパ溝において固定されておらず、連結凸部が連結用通孔において固定されないので、カバーケースがベースケースに対して上下方向及び長手方向にがたつくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−197027号公報(特に、図2及びその説明)
【0007】
これに対し図23に示すように、ベースケース90の両側壁部90sに、四角形の連通孔91と円形の受孔92とを比較的近い位置に形成し、カバーケース95の両側板部95sに、爪片96aを有する爪孔96と、受孔92側に向かって突出する凸形状を有する係合凸部97を形成し、この係合凸部97を受孔92に嵌合させて、両側板部95sが内側に復元する弾性力によりベースケース90をカバーケース95で挟持する構成の電気機器が案出されている。
【0008】
上記の電気機器では、爪片96aをベースケース90の連通孔91における内側に向けて折り込んで回路基板98を保持すると共に、床面側に位置するカバーケース95がベースケース92から抜け落ちる危険性を回避している。
【0009】
しかしながら、上記の構成に係る電気機器においては、爪片96aを内側に折り込んだときに、爪片96aの基部96b及びこの近傍が押圧方向と逆の外側へ向かって反り返り、係合凸部97と受孔92の嵌合状態が解除されることがある。また、爪片96aにより回路基板98を固定する構成を採用している場合には、爪片96aによって、カバーケース95がベースケース92から抜け落ちる危険性を回避できるが、回路基板98の固定に支障が生じることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような電気機器の問題点に鑑みてなされたもので、回路基板固定機能と共にカバーケースとベースケースの脱落防止を適切に実現することのできる電気機器等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の本発明に係る電気機器は、底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部を介してベースケースの内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケースと;ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項1の本発明によれば、爪部によって回路基板を固定すると共にカバーケースの脱落を防止できる。
【0013】
請求項2の本発明に係る電気機器は、底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部の底面部側及び底部側以外の方向にそれぞれに通孔部を介してベースケースの内側に折り込まれる第1及び第2の爪孔部を備えたカバーケースと;ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;を具備することを特徴とする。
【0014】
上記請求項2の本発明において、第1の爪部は回路基板を固定し、第2の爪部はベースケースからの脱落防止機能を果たす。これは、カバーケースがベースケースから抜け落ちる危険性を回避する全ての構成を指す。孔部、爪孔部や爪部の数、爪部の基部から先端へ向かう方向等は適宜選択される。
【0015】
請求項3の本発明に係る電気機器では、前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項4の本発明に係る電気機器では、ベースケースの一対の側壁部に形成され、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項5の本発明に係る電気機器では、ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されていることを特徴とする。
【0018】
上記請求項5の本発明において、部材とは、爪部、通孔部、爪孔部、回路基板固定部などのすべての形成された部材を指す。
【0019】
請求項6の本発明に係る電気機器では、天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項7の本発明に係る放電ランプ点灯装置は、放電ランプ用点灯回路を有する電気回路が備えられた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器により構成されることを特徴とする。
【0021】
請求項8の本発明に係る照明器具は、請求項7に記載の放電ランプ点灯装置と;この放電ランプ点灯装置により点灯される放電ランプと;放電ランプ点灯装置及び放電ランプを配置している器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の本発明に係る電気機器によれば、ベースケースの孔部に設けられた爪部が、回路基板を固定すると共にベースケースからの脱落防止機能を実現するので、爪部を折込むように加工することによってカバーケースがベースケースから抜け落ちる危険性を回避できると共に回路基板の固定が適切になされる効果を有する。
【0023】
請求項2の本発明に係る電気機器によれば、爪孔部に回路基板固定機能の第1の爪部が備えられ、爪孔部にはベースケースからの脱落防止機能を有する第2の爪部が備えられているので、カバーケースとベースケースを重ねたときの同一位置において第1及び第2の爪部を一度に折り曲げることができ、これにより回路基板の固定と、カバーケースのベースケースからの抜け落ちの防止を実現できる。
【0024】
請求項3の本発明に係る電気機器によれば、前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられているので、爪孔部において第1及び第2の爪部の長さを大きく形成でき、小さな力でこれらの爪部を一度に折り曲げることができる。
【0025】
請求項4の本発明に係る電気機器によれば、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部がベースケースの一対の側壁部に形成されているので、絶縁シートなどにより適切な位置へ収まっていない回路基板を確実に固定することができる。
【0026】
請求項5の本発明に係る電気機器によれば、ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されているので、ベースケースとカバーケースとは、方向の調整を行うことなく組み立て作業などを行うことができ、効率よく作業を行うことができる。
【0027】
請求項6の本発明に係る電気機器によれば、天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されているので、絶縁シートの端部がこのテ―パ部に沿って収納されるように機能し、端板部によって絶縁シートが回路基板側に折り曲げられて挟み込まれる不具合を防止することが可能である。
【0028】
請求項7の本発明によれば、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器を備えた放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0029】
本請求項8の本発明によれば、請求項7に記載の放電ランプ点灯装置を備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す一部省略斜視図。
【図2】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態のベースケース側の構成を示す一部省略斜視図。
【図3】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態のカバーケース側の構成を示す一部省略斜視図。
【図4】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図5】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図6】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第2の実施形態の構成を示す側面図であり、(a)は全体図、(b)は要部拡大図。
【図7】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第2の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図8】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第3の実施形態の構成を示す要部側面図。
【図9】本発明の放電ランプ点灯装置に係る実施形態の構成を示す要部側面図であり、(a)は第4の実施形態を示す図、(b)は第5の実施形態を示す図。
【図10】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第4の実施形態の構成を示す要部断面図。
【図11】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す組み立て斜視図。
【図12】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の要部を示す側面図。
【図13】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態のベースケースの底面を示す平面図。
【図14】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の絶縁シートを示す一部省略斜視図。
【図15】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す要部組み立て斜視図。
【図16】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を説明するための断面図。
【図17】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の組み立て過程を示す側面図。
【図18】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第1乃至5の実施形態の構成を用いた場合の不具合を説明するための断面図。
【図19】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の組み立て過程を示す断面図。
【図20】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の完成後におけるレーザマーキングを説明するための平面図。
【図21】本発明の放電ランプ点灯装置に係る第6の実施形態の構成を示す組み立て斜視図。
【図22】本発明の放電ランプ点灯装置に係る実施形態を用いて構成した照明器具の構成を示す斜視図。
【図23】既存の放電ランプ点灯装置の構成を示す組み立て斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。各図において同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。第1の実施形態に係る電気機器は放電ランプ点灯装置を示すものであり、図1に要部斜視図を示し、図2にカバーケースを取り外した状態の要部斜視図を示し、図3にカバーケースの要部斜視図を示す。
【0032】
上記各図に示されている放電ランプ点灯装置1は、ベースケース2、絶縁シート3、点灯回路4及びカバーケースを主な構成要素としている。絶縁シート3は、ベースケース2の内側を覆っており、金属製のベースケース2と点灯回路との電気的接続を遮断している。点灯回路4は、回路基板6に電気部品を実装した構成を有している。カバーケース5は、ベースケース2に覆い被さる蓋の機能を有し、カバーケース5とベースケース2により構成される筐体内には、点灯回路4が収納される。
【0033】
ベースケース2は、例えば1枚の金属製の平板を折り曲げて、底面部2aの両側部に一対の側壁部2b、2bを備えるように構成されている。金属としては、例えば鋼板材が用いられる。上記底面部2aは、細長い長方形の形状に形成されている。また、一対の側壁部2b、2bは、底面部2aの長手方向に沿うように両側から上方に折り曲げられ、底面部2aとほぼ直交し互いに対向してベースケース2の全体が略樋形状に形成されている。そして、上記側壁部2b、2bは、長手方向の両側の側縁2bb、2bbが下側に向かって拡がるように傾斜しており、全体として断面が略台形状に形成されている。
【0034】
一対の側壁部2b、2bは、図2に示されるようにその長手方向の一端側2ba及び図示しない他端側に、係合受部である孔8と、通孔部10がそれぞれ形成されている。孔8は、円形状に形成され、カバーケース5の係合部である凸部(ベースケース2側へ向かって凸)7と係合する大きさに形成されている。ここに、係合受部は、上記係合部との関係によりベースケース2とカバーケース5を結合することができるものであれば良く、係合受部と係合部のいずれか一方が凹部であり他方が凸部であるような構成を有する。係合部と係合受部の数は適宜選択される。本実施形態では、通孔部10は、カバーケース5に形成された爪孔部9と同形状であり、上方に先端が向いた第1の爪部10aが形成されている。この通孔部10における第1の爪部10aの基部10bが、回路基板6の上面6aと一致する位置に形成されている。第1の爪部10aの周囲は、第1の爪部10aを折り曲げ易くするための略U字状の開口部16が形成されている。
【0035】
更に、一対の側壁部2b、2bにおいては、その長手方向の一端側2ba及び図示しない他端側に、それぞれ側壁部2b、2bの内側に突出する長形の基板支持段部22が形成されている。合計4個である基板支持段部22は、予め基板支持段部22の形状に対応するように形成された絶縁シート3の凹段部を介して回路基板6を支持する。更に、底面部2aの長手方向の一端側2aa及び図示しない他端側には、取付孔12が穿設されている。
【0036】
絶縁シート3は、平面状に形成された絶縁性の例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂により構成され、ベースケース2の内面に沿ってベースケース2に配置され、一部が側壁部2b、2bから上方へ突出している。カバーケース5側にも絶縁シート3が内壁に沿うように設けられ(図11)、ベースケース2に配置された絶縁シート3とそれぞれの端部が重なるように収納される。絶縁シート3の厚さは、例えば0.2〜1.0mmである。
【0037】
点灯回路4は、電気部品が回路基板6に実装されて構成されている。回路基板6は、例えばガラスエポキシ材や紙フェノール材などにより構成されるものであり、長方形状に形成され、その長手方向の寸法がベースケース2の側壁部2bにおける上面2bcの長手方向の寸法によりも幾分小さく、その幅寸法が一対の側壁部2b、2b間の寸法から絶縁シート3の厚さを減じた値より幾分小さくなるように設計されている。
【0038】
更に、回路基板6には、その上面6aにおいて、一端側6bに入力用の端子台13が配設されており、図示しない他端側に出力用の端子台が配設されている。入力用の端子台13には、商用交流電源からの電源線が接続され、出力用の端子台からは、放電ランプが装着されるランプソケットに接続されるリード線が導出される。
【0039】
電気部品は、回路基板6の入力用の端子台13と出力用の端子台との間に実装されており、コンデンサC1、インダクタL1更に図示しないトランジスタなどによって、交流電圧を直流電圧へ変換する直流電源回路、直流電圧を高周波交流電圧へ変換するインバータ回路、更に放電ランプに共振電圧を印加する共振回路などが形成されている。
【0040】
上記の点灯回路4は、絶縁シート3を介してベースケース2の底面部2a側に配置されている。すなわち、回路基板6は、側壁部2b、2bに設けられた基板支持段部22により支持され、回路基板6の長手方向の両端側が底面部2aの切り起しにより形成された起立片11により移動が規制されている。基板支持段部22は、図5に示されるように、回路基板6の上面6aがベースケース2の通孔部10における第1の爪部10aの基部10bと一致する高さとなるように、底面部2aからの高さ寸法が設定されている。
【0041】
カバーケース5は、例えば鋼板材により構成され、一対の側板部5c、5c及びこの一対の側板部5c、5cをつなぐ天板部5aを有する。より詳細には、カバーケース5は、一枚の平板を折り曲げて構成したもので、長方形状の天板部5aと、この天板部5aの長手方向に沿う両端に連設すると共に天板部5aに対して互いに内向きに傾斜する一対の傾斜板部5b、5bを備える。この一対の傾斜板部5b、5bには、その長手方向に沿うように互いにほぼ平行に対向する一対の側板部5c、5cが連設している。更に、天板部5aにおける長手方向の両端には、天板部5aに対しほぼ直交するように形成された一対に端板部5d、5dが天板部5aに連設している。この端板部5d、5dは、平面形状が略五角形状をなし、カバーケース5における長手方向の両側端の開口部14の上側を略閉塞している。側板部5c、5cは、傾斜板部5b、5bを介して天板部5aの長手方向に沿う両側に連設されている。
【0042】
更に、カバーケース5は、その長手方向が回路基板6に配設されている入力用の端子台13と出力用の端子台との間に位置する大きさに形成されている。また、ベースケース2にカバーケース5を被嵌したときに、側板部5c、5cの開放端5ca、5caがベースケース2の底面部2aの位置よりも外方側に突出しないように、側板部5c、5cの丈寸法(カバーケース5の高さ寸法)が設定されている。また、端板部5dの開放端5daが回路基板6の上面6aに当接することがないように、端板部5dの天板からの深さ(高さ)が設定されている。更に、一対の側板部5c、5cの内面がベースケース2の一対の側壁部2b、2bの外面に重なり合うことができるように、側板部5c、5cの間隔が設定されている。カバーケース5が全体として弾性を有し、一対の側板部5c、5cに対し拡開するように変形させると、当初の形状に弾性復帰するような力が付与される。
【0043】
上記一対の側板部5c、5cのそれぞれの一端側5cb、5cbおよび図示しない他端側には、係合部である凸部(ベースケース2側へ向かって凸)7と爪孔部9が形成されている。凸部7は、図4に示すように、側板部5cの外面5ccを例えばプレスすることにより凹ませて形成され、側板部5cの内面5cdからカバーケース5の内側に突出している。そして、その突出面7aは、略球面状(楕円状)に形成されている。凸部7は、通称ダボ構造に形成されている。爪孔部9から凸部7までの距離は、第2の爪部9cを折り曲げた際に生じる基部9a付近に生じる反り返りの影響の範囲を避ける程度に十分長く設定されている。
【0044】
カバーケース5をベースケース2に連結するときに、ベース2の一対の側壁部2b、2bは、カバーケース5の側板部5c、5cに挟まれる。これにより、カバーケース5の側板部5c、5cの内面5cd、5cdとベースケース2の一対の側壁部2b、2bの外面が重なり合う。そして、カバーケース5をベースケース2の底面部2a側に押圧して移動させると、カバーケース5の凸部7が側壁部2b、2bの外面に乗り上がる。
【0045】
凸部7は、一対の側板部5c、5cがベースケース2の一対の側壁部2b、2bに重なり合うときに、側壁部2b、2bに設けられた孔8に嵌合する。このとき、孔8のほぼ全周の縁部に凸部7の突出面7aが当接する。これにより、凸部7は孔8に強固に固定され、孔8において移動しなくなる。
【0046】
爪孔部9は、図3に示すように側板部5cの外面5ccを切り込むことにより形成されている。爪孔部9には、側板部5cの出幅方向(側板部5cの長手方向に直交する方向)を向くように第2の爪部9cが形成されている。すなわち、第2の爪部9cの基部9aは側板部5cの開放端5ca側に位置し、第2の爪部9cの先端部9bは傾斜板部5b側に位置している。そして、基部9aを除く第2の爪部9cの周囲は、第2の爪部9cを折り曲げ易くするための略U字状の開口部15が形成されている。
【0047】
カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なり、第2の爪部9cと第1の爪部10aとが重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第2の爪部9cと第1の爪部10aを折り曲げる治具を用いて、第2の爪部9cと第1の爪部10aが図5に示すように内側に折り込まれる。
【0048】
第2の爪部9cの内面が第1の爪部10aに当接した状態で、基部9aと基部10bとを軸として内側に折り込まれることにより、先端部9bと先端部10cがベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シートを3介して内面10dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0049】
ここで、第1の爪部10aにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部10aにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部10aと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0050】
第2の爪部9cが基部9aを軸として折り曲げられるときに、その基部9a及びこの近傍が押圧方向と逆の外側へ向かって反り返ることになったとしても、爪孔部9から凸部7までの距離が、上記反り返りの影響の範囲を避ける程度に十分長く設定されており、従来のように床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係がズレ難くなっている。そして、この凸部7と孔8との嵌合が外れてカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、回路基板6は第1の爪部10aと基板支持段部22の間に保持固定されているために、回路基板6の固定に支障が生じることはない。
【0051】
更に、仮に、この凸部7と孔8との嵌合が外れて床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、カバーケース5の側板部5c、5cに形成された爪孔部9に存在する第2の爪部9cが、ベースケース2の通孔部10における開口部16の平縁部16aに当接し、カバーケース5がベースケース2から抜け落ちてしまう危険性を防止している。このように、爪孔部9は、通孔部10と共働して回路基板固定機能とベースケース2からの脱落防止機能を実現するものである。
【0052】
図6に、本発明の第2の実施形態である放電ランプ点灯装置1の側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の略平行な第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2が形成されている。第1の爪部9c−1は、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2は、図の上から下へ向かって延びている。縦方向に長い第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2を横に二本並べることにより爪孔部9と通孔部10が高さ方向に大きくなることを防止でき、一対の側板部5c、5cと一対の側壁部2b、2bの幅が大きくなることなく、ケースの大型化を防止できる構成となっている。
【0053】
一方の通孔部10には、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第1の爪部9c−1、第2の爪部9c−2を含む爪孔部9は、開口部15−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わされて形成されている。
【0054】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1と第2の爪部9c−2を折り曲げる治具を用いて、第1の爪部9c−1と第2の爪部9c−2を図7に示すように折り曲げる。
【0055】
第1の爪部9c−1は、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面9dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0056】
ここで、第1の爪部9c−1により押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側と中央部の六箇所において第1の爪部9c−1により押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1と基板支持段部22の間に保持固定される。
【0057】
一方、第2の爪部9c−2は、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部16−1の上平縁部16−1aに当接し、カバーケース5とベースケース2とを係合(固定)する。爪孔部9と通孔部10は全体で四組形成されているため、床面側に位置するカバーケース5がその重さによってベースケース2から抜け落ちることはなく、また凸部7と孔8との嵌合が外れ結合関係にズレが生じることがない。
【0058】
図8には、本発明の第3の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の向かい合う第1の爪部9c−1a、第2の爪部9c−2aが形成されている。第1の爪部9c−1aが、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2aは、図の上から下へ向かって延びている。
【0059】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第1の爪部9c−1a、第2の爪部9c−2aを含む爪孔部9は、ベースケース2の開口部16−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わせされて形成されている。
【0060】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1aと第2の爪部9c−2aを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1aと第2の爪部9c−2aを折り曲げると断面図は第2の実施形態を示した図7と概ね等しくなる。
【0061】
第1の爪部9c−1aは、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面により点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0062】
ここで、第1の爪部9c−1aにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部9c−1aにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1aと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0063】
一方、第2の爪部9c−2aは、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部16−1の上平縁部16−1aに当接し、カバーケース5とベースケース2とを係合(固定)する。爪孔部9と通孔部10は全体で六組形成されているため、床面側に位置するカバーケース5がその重さによってベースケース2から抜け落ちることはなく、また凸部7と孔8との嵌合が外れ結合関係にズレが生じることがない。
【0064】
図9(a)には、本発明の第4の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9には、縦に長い第1の爪部9c−1bと、左右方向(横方向)に長い第2の爪部9c−2bが形成されている。第1の爪部9c−1bは、爪孔部9における左側に位置して図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2bは、爪孔部9における上側に位置して図の右から左へ向かって延びている。
【0065】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。つまり、第2の爪部9c−2b、第1の爪部9c−1bを含む爪孔部9は、ベースケース2の開口部16−1と同じ大きさのエリアに形成され、爪孔部9と通孔部10が位置合わせされて形成されている。
【0066】
上記以外の部分は、第1の実施形態と同一の構成を備えているので、爪孔部9と通孔部10とによる作用を説明する。カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9はベースケース2の通孔部10と重なる。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げると断面図は、図10のようになる。
【0067】
第1の爪部9c−1bは、基部9a−1を軸として折り曲げられて、先端部9b−1がベースケース2内面側に侵入し、絶縁シート3に当接し絶縁シート3を介して内面9dにより点灯回路4の回路基板6の上面を押圧して角部6aaを押さえる状態となる。
【0068】
ここで、第1の爪部9c−1bにより押さえられる回路基板6の部位は、電気部品の近くではあるが電気部品を破損することのない範囲である。そして、回路基板6は一対の側壁部2b、2bの一端側と他端側の4箇所において第1の爪部9c−1bにより押さえられる。これにより、回路基板6は、第1の爪部9c−1bと基板支持段部22の間に保持固定される。
【0069】
一方、第2の爪部9c−2bは、基部9a−2を軸として折り曲げられて、先端部9b−2がベースケース2内面側に侵入し、ベースケース2における通孔部10の開口部15−1の上平縁部15−1aに近接した状態となる。仮に、凸部7と孔8との嵌合が外れて床面側に位置するカバーケース5とベースケース2との結合関係にズレが生じても、カバーケース5の側板部5c、5cに形成された爪孔部9に存在する第2の爪部9c−2bの上側の側部9c−2bbが、ベースケース2の通孔部10における開口部16の平縁部16aに当接し、カバーケース5がベースケース2から抜け落ちてしまう危険性を防止している。このように、爪孔部9は、通孔部10と共働して回路基板固定機能とベースケース2からの脱落防止機能を実現するものである。
【0070】
図9(b)には、本発明の第5の実施形態である放電ランプ点灯装置のカバーケース5の要部側面図を示す。この構成例では、爪孔部9に二本の略平行な第2の爪部9c−2c、第1の爪部9c−1cが形成されている。第1の爪部9c−1cは、図の下から上へ向かって延びる一方、第2の爪部9c−2cは、図の上から下へ向かって延びている。第1の爪部9c−1c及び第2の爪部9c−2cは先端に向かって幅狭となるように、その側縁部がテーパ状に形成され、全体として三角形形状を有している。
【0071】
一方の通孔部10には第2の実施形態と同じ構成であり、爪部が形成されることなく、四角形状の開口部16−1が形成されている。カバーケース5の爪孔部9の開口部の面積はベースケース2の開口部16−1の面積より小さく、カバーケース5がベースケース2に被せられるようにして連結された状態では、カバーケース5の爪孔部9の中側に破線にて示すようにベースケース2の通孔部10が位置する。
【0072】
上記の状態において、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げる治具を用いて、第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げる。これにより、第1の爪部9c−1c及び第2の爪部9c−2cおけるそれぞれの先端部分から通孔部10の開口部16−1に入り込むようにして折り曲げられ、そのテーパ状の側縁部がガイドとなって爪孔部9と通孔部10が位置合わせを行うことができる。第1の爪部9c−1cと第2の爪部9c−2cを折り曲げた状態は、図7のようであり、第1の爪部9c−1cは図7における第1の爪部9c−1として機能し、第2の爪部9c−2cは図7における第2の爪部9c−2として機能する。このように爪部の側縁部がテーパ状にされる構成は、図9(a)に示した横方向に延在する爪部についても採用することができる。
【0073】
図11は、第6の実施形態に係る放電ランプ点灯装置1の構成を示す斜視図である。この実施形態において、ベースケース2の両側面である側壁部2b、2bには、ベースケース2の中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されている。これら各部材として、基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42が形成されている。即ち、これらの基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42は、図11、図12に示されている位置及び形状において側壁部2bに形成されており、図11、図12において隠れている側の側壁部2bにも全く同様の位置及び形状において同一部材が形成されている。従って、ベースケース2を図11、図12に示されている状態から180度の平面回転を行った場合にも、基板支持段部22A、開口部16−2、回路基板固定部41、一対のネジ取付穴42が図11、図12に示されている状態にて現れる。
【0074】
図13は、ベースケース2の底面部2aを示す図である。ベースケース2の底面部2aには、照明器具本体に取り付けを行うためのネジを透通させる取付孔12と、起立片11を形成するための穴44と、端子台13及び出力側の端子台13Tから延びるリードを通過させる穴45が形成されている。ベースケース2の底面部2aは左右対称であり、180度の平面回転を行った場合にも同じ状態が現れる。
【0075】
更に、図11、図12に示されているように、カバーケース5の両側面である側板部5c、5cには、カバーケース5の中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されている。ここでは、部材としての爪孔部9とネジ取り付け用の窓部43が形成されている。このカバーケース5を図11、図12に示されている状態から180度の平面回転を行った場合にも、図11、図12に示されている状態と全く同様の位置及び形状において爪孔部9とネジ取り付け用の窓部43が現れる。以上の構成によって、ベースケース2とカバーケース5の方向を調整することなく、組立て作業を行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0076】
上記ベースケース2の基板支持段部22Aは、図12に示すように、四角形状の領域において上下に位置する長方形状の開口部22B、22Bを打ち抜き、中央部に帯状であってベースケース2の内部方向にアーチ状に突出したブリッジ22Cを設けたものである。ブリッジ22Cの上縁部に回路基板6の縁部が載置される。基板支持段部22Aは、ベースケース2の側壁部2bの長手方向の両端部付近と中央部に、等間隔で3個形成されている。
【0077】
絶縁シート3は、ベースケース2の底面部2aから側壁部2bへ到る部分において、図14と図15に示されるように構成されている。即ち、ベースケース2の底面部2aに沿う形状の底部31を有する。底部31の両側には、ベースケース2における一対の側壁部2b、2bに内面に沿った縦壁部32、32を有する。縦壁部32、32は、ベースケース2における角部2cの位置で縦壁部32、32が生じるように折り曲げられ、基端部には鋭角部35が形成される。
【0078】
更に、ブリッジ22Cの上縁部に一致する高さの鍔部33が生じる位置で外側に向かって折り曲げられる。鍔部33から鋭角部35までの傾斜部34がブリッジ22Cの下縁部に僅かに接触する程度の傾斜を有するように、外側から内側へ折り曲げられて直角部36が形成される。傾斜部34がブリッジ22Cの下縁部に僅かに接触するため、これを逃れるように、ブリッジ22Cの下縁部と上部の中央部に円弧形状の切削部22Dが形成されている(図15)。
【0079】
上記のような絶縁シート3をベースケース2に収納した後に、回路基板6を収納してブリッジ22Cに載置する場合には、絶縁シート3の弾性力のために図16に示すように回路基板6がブリッジ22Cに載置された鍔部33の僅かに上方の中途位置において浮いた状態となることがある。この回路基板6の設置作業は、人手による作業ではなく、自動機械による組立て作業によっているため、この状態で不具合が放置されることが少なくない。
【0080】
そこで、本実施形態では図17(a)に示すように、ベースケース2の側壁部2b、2bに回路基板固定部41を形成してある。回路基板固定部41は、ブリッジ22Cの高さ寸法にほぼ一致させて、四角形状の領域において下方から上方へ延びる長方形状の舌片部41Aを残して凹字状に打ち抜きを行ったものである。図16に示すようにブリッジ22Cに載置された鍔部33の僅かに上方の中途位置において回路基板6が浮いた状態にある場合でも、上記舌片部41Aをベースケース2の内側へ所定治具で押圧して折り曲げることにより、図17(b)に示すように絶縁シート3を介して回路基板6をベースケース2の底面部側へ押えて固定することができる。このため、カバーケース5を被せる前に的確に回路基板6を仮固定することができる。
【0081】
前述したカバーケース5に形成されている窓部43は図11に示すように、回路基板6に設けられているパワートランジスタTRが載置されて固定されている放熱板46をベースケース2へ固定するネジのスペースとして設けられている。
【0082】
また図14に示されるように、絶縁シート3においても、上記放熱板46の位置に合わせて、放熱板46の縦壁部よりやや大きい形状の開口部37が形成されている。開口部37の形成において、開口部37の底辺37Aは、鋭角部35が存在する長手方向ライン35Lより上部側であって、鍔部33を挟む折線ライン33La、Lbを避ける位置に形成する。なぜならば、開口部37の底辺37Aが、長手方向ライン35Lや折線ライン33La、Lbに一致する場合には、開口部37の底辺37Aから上記長手方向ライン35Lや折線ライン33La、Lb方向へ向かって裂けが生じやすく、絶縁シート3の歩留まりを低下させるためである。
【0083】
このように構成された絶縁シート3の内側に回路基板6が収納されて、ベースケース2における側壁部2bに形成された舌片部41Aをベースケース2の内側へ所定治具で押圧して折り曲げる。また、ベースケース2における側壁部2bに形成された一対のネジ取付穴42には、ネジ42Nが挿入され、放熱板46の縦壁部に形成されたネジ穴に螺合されて回路基板6の仮固定がなされる(図17(a)、(b))。
【0084】
また、図17に示すようにベースケース2の側壁部2bに形成された開口部16−2は、主四角形状部16Mに連通して長手方向の中央部に向かって突出する横長の小長方形部16Sが形成されている。この開口部16−2に対応するカバーケース5の爪孔部9は、図9(a)に示したものであり、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bとを備える。
【0085】
図17(b)を用いて説明した如くに回路基板6の仮固定がされたベースケース2に対して、カバーケース5と上側の絶縁シート3(図11の3U)とを上方から被せて、カバーケース5の爪孔部9をベースケース2の開口部16−2に位置合わせする。ここで、爪孔部9の開口部15に相当する部位を内面方向に押圧して第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げるための治具を用いて、第1の爪部9c−1bと第2の爪部9c−2bを折り曲げる。これにより、放電ランプ点灯装置1を完成させることができる。この第6の実施形態においては、係合受部と係合部を用いることなく、開口部16−2と爪孔部9によってベースケース2とカバーケース5とを結合している。この係合受部と係合部を用いない構成は、第1乃至第5の各実施形態においても採用することが可能である。
【0086】
上記のような放電ランプ点灯装置には、カバーケース5の端板部5dの外側であってベースケース2における側壁部2bの内壁に沿うように、絶縁シート3の他の部位より丈が低くされた端部3aが配置されている(図15)。放電ランプ点灯装置1の組立てを行う場合において、絶縁シート3の端部3aが自重や温度などによりベースケース2の内側へ撓んだ状態にあると、第1乃至第5の各実施形態におけるカバーケース5であると、図18に示されるようにカバーケース5における端板部5dの下端部5ddが絶縁シート3を巻き込んでしまうという問題があった。
【0087】
この問題を解決するために本実施形態においては図11や図19に示すように、カバーケース5の端板部5dに、カバーケース5の側板部5cとの間隔Dが下方から天板部5aへ向かって狭くなるテ―パ部5dtを形成した。これによって、絶縁シート3の端部3aがベースケース2の内側へ撓んだ状態であっても、図15の状態からカバーケース5をベースケース2に被せるときには、図19に示すようにカバーケース5における端板部5dの下端部5ddが絶縁シート3を巻き込むことなく、絶縁シート3の端部3aはカバーケース5の側板部5cとテーパ部5dtの間に入り、適切な状態でカバーケース5をベースケース2に被せて放電ランプ点灯装置1を組み立てて完成することができる。
【0088】
放電ランプ点灯装置1の組み立てが完了した後には、カバーケース5の天板部5aと傾斜板部5bにレーザマーキングにより所要の情報をマーキングする。この場合、レーザの照射部が平面を移動するか、放電ランプ点灯装置を平面において移動させるかによりレーザ照射を行うため、カバーケース5の天板部5aと傾斜板部5bとを同様にレーザ照射すると、カバーケース5の傾斜板部5bにおいては文字が潰れるなどする。
【0089】
そこで、三次元CADを用いて傾斜板部5bにマーキングする文字や記号などの形状(マーキングパターン)を変更し、また、大きさや太さを変えることで、傾斜板部5bに所望の文字記号をマーキングしている。しかし傾斜板部5bにマーキングされた文字記号は傾斜方向に粗く滲んで見えるので、具体的には図20に示すように、比較的マーキングが鮮明となるカバーケース5の天板部5aに電気用品安全法などの法規やJISなどの規格類により表示が義務化されている文字や識別記号などをマーキングして、視認・判読することができるようにしている。
【0090】
一方、傾斜板部5bには、メーカの名称や必要な事項などをマーキングする。この場合、文字潰れを考慮して横線方向のパターンを細くしたり、太いフォントは読み易い以外に用いなくするなどの制限を加え、判読し易い文字や記号のみをマーキングする。また、重要な情報は、傾斜板部5bにマーキングしないようにしている。
【0091】
また、マーキングの開始位置を、カバーケース5の天板部5aとする。更に、天板部5aと傾斜板部5bの境界部は少なくとも1mm幅にわたって非マーキング領域とする。
【0092】
以上のようにして、レーザマーキングを行っているため、重要な情報が読めないなどの不具合をなくし、また、傾斜板部5bにおいて文字潰れし難く、また文字潰れがあっても判読し易い文字や記号のみであり、容易に読むことができる。
【0093】
図21は、一枚のシートにより構成した絶縁シート3を用いた第7の実施形態に係る放電ランプ点灯装置1を示す図である。この絶縁シート3は、ベースケース2における一方の側壁部2bから突出した側が長く、先端部3sが僅かに内側へ折り曲げられている。カバーケース5を被せたときに、絶縁シート3の先端部6sは、カバーケース5の内面に沿って撓みながら回路基板6に実装された点灯回路4を内包するようにして、ベースケース2における他方の側壁部2bから突出している絶縁シート3と重なる。これによって、点灯回路4とカバーケース5及びベースケース2の絶縁が図られる。第7の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の他の構成は、第6の実施形態に係る放電ランプ点灯装置の構成と変わらない。一枚のシートにより構成した絶縁シート3は、第1乃至第6の各実施形態においても採用することが可能である。
【0094】
図22に、本発明に係る照明器具の実施形態を示す。照明器具30は、天井面などに直付けされる照明器具であり、略枠状の器具本体17の両端に一対のランプソケット18、18が設けられている。このランプソケット18、18には、放電ランプである直管形蛍光ランプ19が装着されている。また、器具本体17は、蛍光ランプ19に対向して断面略皿状の反射板20を取り付けており、この反射板20の表面は反射面20aとなっている。
【0095】
また、器具本体17は、反射板20の内側において、各実施形態に係る放電ランプ点灯装置1をベースケース2の底面部2aに設けた取付孔12に通しねじにより固定している。そして、放電ランプ点灯装置1が給電されることにより、蛍光ランプ19が点灯する。
【0096】
照明器具30は、放電ランプ点灯装置1の小型化により、容易に配設スペースを確保することができ、放電ランプ点灯装置1の低コスト化により、安価に形成することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 放電ランプ点灯装置
2 ベースケース
3 絶縁シート
4 点灯回路
5 カバーケース
5d 端板部
5dt テ―パ部
7 凸部
8 孔
9 爪孔部
10 通孔部
17 器具本体
19 直管形蛍光ランプ
22A 基板支持段部
30 照明器具
41 回路基板固定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;
天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部を介してベースケースの内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケースと;
ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;
電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;
天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部の底面部側及び底部側以外の方向にそれぞれに通孔部を介してベースケースの内側に折り込まれる第1及び第2の爪孔部を備えたカバーケースと;
ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;
電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項3】
前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
ベースケースの一対の側壁部に形成され、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項5】
ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項6】
天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
放電ランプ用点灯回路を有する電気回路が備えられた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器により構成されることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
【請求項8】
請求項7に記載の放電ランプ点灯装置と;
この放電ランプ点灯装置により点灯される放電ランプと;
放電ランプ点灯装置及び放電ランプを配置している器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項1】
底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;
天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部を介してベースケースの内部へ折り込まれることで回路基板を保持する爪部が形成された爪孔部を備えたカバーケースと;
ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;
電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
底面部及びこの底面部の両側から上方に連続する一対の側壁部により樋形状に構成され、前記一対の側壁部に通孔部がそれぞれ設けられたベースケースと;
天板部及びこの天板部の両側から連続してベースケースの一対の側壁部に重なるように形成された一対の側板部を有し、ベースケースにおける一対の側壁部に形成された前記通孔部の底面部側及び底部側以外の方向にそれぞれに通孔部を介してベースケースの内側に折り込まれる第1及び第2の爪孔部を備えたカバーケースと;
ベースケースとカバーケースの内側面に沿って配置され、端部が重ねられた絶縁シートと;
電気部品を実装した回路基板により構成され、回路基板が絶縁シートを介してベースケースの底面部側に配置された電気回路と;
を具備することを特徴とする電気機器。
【請求項3】
前記爪孔部の第1の爪部は下方から上方へ、第2の爪部は上方から下方または左右方向へそれぞれの先端が延在すると共に、互いに隣接するように前記爪孔部内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
ベースケースの一対の側壁部に形成され、絶縁シートを介して回路基板をベースケースの底面部側へ押えて固定する回路基板固定部を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項5】
ベースケースの両側面と底面、カバーケースの両側面には、ベースケースとカバーケースの中心を軸として180度の平面回転対称となる位置に各部材が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項6】
天板部における長手方向の両端には、天板部に対しほぼ直交し、カバーケースの側板部との間隔が下方から天板部へ向かって狭くなるテ―パ部を有する端板部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
放電ランプ用点灯回路を有する電気回路が備えられた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機器により構成されることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
【請求項8】
請求項7に記載の放電ランプ点灯装置と;
この放電ランプ点灯装置により点灯される放電ランプと;
放電ランプ点灯装置及び放電ランプを配置している器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−80433(P2010−80433A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179919(P2009−179919)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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