説明

電気機械のための冷却システム及び方法

【課題】固定子アセンブリを含むことができる電気機械を含む電気機械モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、固定子アセンブリを含むことができる電気機械を含む電気機械モジュールを提供する。固定子アセンブリは、固定子端部巻回を含むことができる。一部の実施形態は、電気機械を少なくとも部分的に封入するハウジングを提供することができ、ハウジングは、機械空洞を少なくとも部分的に形成することができる。更に、少なくとも1つのバッフルを少なくとも1つのバッフルが固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むように固定子端部巻回の付近の領域でハウジングに連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気機械を冷却するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械を冷却するための従来型の方法は、電気機械上への直接的な冷却剤の噴射及び散布を含む。冷却剤は、電気機械の上側部分の付近の固定子端部巻回上に散布されることが多い。冷却剤は、それが固定子端部巻回を下って滴り落ちて電気機械の下側部分の付近に溜まる時に電気機械を冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
溜まった冷却剤は、電気機械の下側部分の付近の固定子端部巻回の冷却に役立つように、電気機械の下側部分の内で特定のレベルに維持されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、固定子アセンブリを含むことができる電気機械を含む電気機械モジュールを提供する。固定子アセンブリは、固定子端部巻回を含むことができる。一部の実施形態は、電気機械を少なくとも部分的に封入するハウジングを提供することができ、ハウジングは、機械空洞を少なくとも部分的に形成することができる。更に、少なくとも1つのバッフルをこの少なくとも1つのバッフルが固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むように固定子端部巻回の付近の領域でハウジングに連結することができる。
【0005】
本発明の一部の実施形態は、固定子アセンブリを含む電気機械を準備する段階を含む電気機械を冷却する方法を提供する。固定子アセンブリは、固定子端部巻回を含むことができる。一部の実施形態は、電気機械を少なくとも部分的に封入するハウジングを準備する段階を含むことができる。ハウジングは、機械空洞を少なくとも部分的に形成することができ、かつほぼ下側の領域を含むことができる。一部の実施形態では、バッフルをこのバッフルが固定子端部巻回の周囲を取り囲み、かつ冷却剤を機械空洞内に導入することができるように固定子端部巻回の付近の実質的にほぼ下側の領域内でハウジングに連結することができる。一部の実施形態は、冷却剤の一部分が、冷却剤のその部分の一部がバッフルに接触して電気機械の冷却を少なくとも部分的に助けるように、機械空洞を通ってほぼ下側の領域に向けて循環することができることを提供する。
【0006】
本発明の一部の実施形態は、固定子アセンブリを含むことができる電気機械を含む電気機械モジュールを提供する。固定子アセンブリは、固定子端部巻回を含むことができる。一部の実施形態は、電気機械を少なくとも部分的に封入するハウジングを提供することができ、ハウジングは、ほぼ下側の領域を含むことができる。一部の実施形態は、バッフルを固定子端部巻回の付近の実質的にほぼ下側の領域内でハウジングに連結することができ、バッフルが、実質的に非導電性の材料から形成されることを含むことができ、かつ固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むことができることを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による電気機械モジュールの斜視図である。
【図2】図1の電気機械モジュールの側面図である。
【図3】図1の電気機械モジュールの正面図である。
【図4】図1の電気機械の透視断面図である。
【図5】図4の透視断面図の後面図である。
【図6】A−A線に沿った図3の電気機械モジュールの断面図である。
【図7】B−B線に沿った図3の電気機械モジュールの断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態による電気機械モジュールの部分正面断面図である。
【図9】C−C線に沿った図3の電気機械モジュールの正面断面図である。
【図10】図6の電気機械モジュールの部分正面断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態による電気機械モジュールの部分正面断面図である。
【図12】図11の電気機械モジュールの固定子アセンブリ及びバッフルの部分斜視図である。
【図13】図11の電気機械モジュールの固定子端部巻回及びバッフルの部分正面断面図である。
【図14】図11の電気機械モジュールの固定子端部巻回及びバッフルの別の部分正面断面図である。
【図15】図15Aは図11の電気機械モジュールのバッフルの上面図である。図15Bは図15Aのバッフルの側面図である。図15Cは図15Aのバッフルの正面図である。図15Dは 図15Aのバッフルの正面断面図である。
【図16】図1の電気機械モジュールの斜視図である。
【図17】図7の電気機械モジュールの部分正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明で示し、又は添付図面に表す構造の細部又は構成要素の配列への本発明の適用に制限されないことは理解されるものとする。本発明は、他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明の目的であって制限と見なすべきでないことも理解されるものとする。本明細書での「含有する(including)」、「含む(comprising)」、又は「備える(having)」、及びそれらの変形は、その後に列挙される項目及びそれらの均等物のみならず付加的な項目も包含することを意味する。別途指定又は制限されなければ、「取り付けられた」、「接続された」、「支持された」、及び「連結された」の語句、並びにそれらの変形は広義に用いられ、かつ直接的及び間接的の両方での取付け、接続、支持、及び連結を包含する。更に、「接続された」及び「連結された」は、物理的又は機械的の接続又は連結に制限されない。
【0009】
以下の説明は、当業者が本発明の実施形態を製造して使用することができるように提供されるものである。図示の実施形態への様々な修正は、当業者に容易に理解することができると考えられ、本明細書での網羅的原理は、本発明の実施形態から逸脱することなく他の実施形態及び用途に適用することができる。従って、本発明の実施形態は、図示の実施形態に制限されず、本明細書に開示する原理及び特徴に適合する最大の範囲を許容することを意図している。以下の詳細説明は、異なる図における同種の要素が同じ参照番号を有する添付図面を参照して読まれるべきである。添付図面は、必ずしも一定の尺度ではなく、選択された実施形態を示すものであり、本発明の実施形態の範囲を制限することを意図しない。当業者は、本明細書に提供する実施例が多くの有用な代替を有して本発明の実施形態の範囲に含まれることを認識するであろう。
【0010】
図1−図3は、本発明の一実施形態による電気機械モジュール10の各部分を示している。電気機械モジュール10は、ハウジング12及び電気接続部29を含むことができる。加えて、一部の実施形態では、ハウジング12は、リブ構造31を含むことができ、これは、ハウジング12のための構造的支持を部分的に提供することができる。
【0011】
図4−図7は、本発明の一実施形態による電気機械モジュール10の各部分を示している。ハウジング12は、実質的に封入されて実質的に円筒形のキャニスター15と、単一の末端キャップ17とを含むことができる。電気機械20は、キャニスター15と末端キャップ17とによって少なくとも部分的に形成される機械空洞22内に格納することができる。ハウジング12は、電気機械20と実質的に外接し、かつ少なくとも部分的にそれを封入することができる。他の実施形態では、図8に示すように、ハウジング12は、スリーブ部材14と、第1の末端キャップ16と、第2の末端キャップップ18とを含むことができる。例えば、スリーブ部材14及び末端キャップ16、18又は末端キャップ17及びキャニスター15は、ファスナ11又は別の適切な連結方式によって連結され、機械空洞22内に電気機械20を封入することができる。
【0012】
電気機械20は、回転子24と、固定子28及び固定子端部巻回30を含む固定子アセンブリ26と、ベアリング32とを含むことができ、主出力シャフト34の周りに位置決めすることができる。図4−図8に示すように、固定子アセンブリ26は、回転子24を取り囲むことができる。一部の実施形態では、電気機械20は、回転子ハブ36を含むことができ、又は「ハブなし」設計(図示せず)を有することができる。更に、一部の実施形態では、ハウジング12は、一般的に2つの領域、すなわち、ほぼ上側の領域48とほぼ下側の領域50とに分割することができる。ほぼ上側の領域48は、主出力シャフト34よりも実質的に上方に位置決めされた領域を含むことができ、ほぼ下側の領域50は、主出力シャフト34よりも実質的に下方に位置決めされた領域を含むことができる。
【0013】
一部の実施形態では、図6−図10に示すように、ハウジング12は、冷却剤ジャケット21を含むことができる。冷却剤ジャケット21は、固定子アセンブリ26の一部分に実質的に外接するか又はそれを少なくとも部分的に取り囲むことができ、かつオイル、液圧作動オイル、不凍液、モータオイル、トランスミッションオイル、又は類似の流体のような冷却剤を収容することができる。冷却剤ジャケット21は、冷却剤を収容する流体供給源(図示せず)と連通することができる。冷却剤は、冷却剤が冷却剤ジャケット21に入る時に加圧することができ、それによって冷却剤ジャケット21を通って冷却剤が循環することができるようになっている。電気機械20によって発生した熱エネルギーは、冷却剤にそれが冷却剤ジャケット21を通って循環する時に伝達することができ、これは、部分的に電気機械20の冷却をもたらすことができる。図6に示すように、一部の実施形態では、冷却剤は、冷却剤入口27を通じて冷却剤ジャケット21内に導入することができる。一部の実施形態では、冷却剤入口27は、ハウジング12のほぼ下側の領域50内に位置決めすることができる。
【0014】
一部の実施形態では、冷却剤ジャケット21は、スリーブ部材14又はキャニスター15内に形成することができ、その場合、ハウジング12の半径方向最内側壁23(例えば、スリーブ部材14又はキャニスター15の)は、冷却剤ジャケット21を機械空洞22から実質的に分離することができる。一部の実施形態では、図6及び図7に示すように、ハウジング12は、内部スリーブ部材19を含むことができる。こうした実施形態では、冷却剤ジャケット21は、内部スリーブ部材19とスリーブ部材14又はキャニスター15との間に形成することができる。特に、内部スリーブ部材19は、冷却剤ジャケット21と機械空洞22との間を実質的に分離する内側壁23を形成することができる。一部の実施形態では、例えば、内部スリーブ部材19は、その中に固定子28を設置又は圧入することができるステンレス鋼リングとすることができる。
【0015】
図6及び図7に示すように、一部の実施形態では、固定子端部巻回30は、捻り端部固定子端部巻回38と溶接端部固定子端部巻回40とを含む。捻り端部固定子端部巻回38と溶接端部固定子端部巻回40は、固定子アセンブリ26の実質的に対向する軸線方向端部に位置決めすることができる。
【0016】
電気機械20は、以下に限定されるものではないが、ハイブリッド電気モータ、発電機、又は車両のための交流発電機のような電気モータとすることができる。一実施形態では、電気機械20は、ハイブリッド車両に用いる「高電圧ヘアピン(HVH)」電気モータとすることができる。更に別の実施形態では、電気機械20は、ハイブリッド車両に用いる内部永久磁石(IPM)電気機械とすることができる。
【0017】
以下に制限されるものではないが、固定子アセンブリ26及び回転子24のような電気機械20の構成要素は、電気機械20の作動中に熱を発生する可能性がある。これらの構成要素は、電気機械20の性能を改善してその寿命を延長させるために冷却することができる。
【0018】
図6−図8に示すように、一部の実施形態では、1つ又はそれよりも多くのバッフル42をハウジング12に連結することができる。一部の実施形態では、バッフル42は、図11、図12、及び図13に示すようなネジ式ファスナ44、又は他のファスナ、接着剤、又は他の適切な連結方法を用いてハウジング12に連結することができる。一部の実施形態では、バッフル42は、1つ又はそれよりも多くの連結構造46を含むことができる。図15A−図15Dに示すように、バッフル42をハウジング12に連結するために、連結構造46を通じてあらゆる種類の連結装置を挿入することができる。連結構造としては、ネジ式ファスナ44、他のファスナ、接着剤、又は他の適切な連結方法を含むことができる。更に、一部の実施形態では、バッフル42は、非導電材料、又は電気機械によって生成した熱エネルギーと冷却剤のような機械空洞22内に導入される物質とに適合することができる他の適切な材料で形成することができる。一部の実施形態では、非導電材料は、ガラス、セラミック、プラスチックのようなポリマー、別の適切な非導電材料、又はその組合せを含むことができる。
【0019】
本発明の一部の実施形態により、バッフル42は、複数のユニット又は実質的に単一のユニットから構成することができる。例えば、バッフル42は、垂直サブユニット56と水平サブユニット58から構成することができる。一部の実施形態では、垂直サブユニット56は、主出力シャフト34の水平軸と実質的に直角に向けることができ、水平サブユニット58は、主出力シャフト34の水平軸と実質的に平行に向けることができる。また、水平サブユニット58は、図13及び図14に示すように、固定子アセンブリ26の方向に軸線方向内側に延びることができる。更に、一部の実施形態では、2つのサブユニット56、58は、ネジ式ファスナ、接着剤、又は別の適切な方法を用いて連結された2つの異なる部分とすることができる。他の実施形態では、2つのサブユニット56、58は、2つの部分が実質的に単一のユニットとして生成されるように(例えば、成形処理又は他の適切な処理により)製造することができる。
【0020】
更に、一部の実施形態では、バッフル42は、ほぼ円形の固定子アセンブリ26の形状に実質的に従うように、図15A−図15Dに示すようなほぼ湾曲、傾斜、又は曲げの形状を含むことができる。他の実施形態では、バッフル42は、製造業者及び使用者の要求を満たす他の形状及び構造を含むことができる。
【0021】
図6−図8及び図10−図14を参照すると、一部の実施形態では、バッフル42は、固定子端部巻回30のほぼ近くでハウジング12に連結することができる。ハウジング12に連結される時に、バッフル42は、固定子端部巻回30の周囲の少なくとも一部分を取り囲むことができる。一部の実施形態では、バッフル42の垂直サブユニット56は、末端キャップ16、18(又は末端キャップ17及びキャニスター15)の一方又は両方、又はハウジング12の別の適切な領域に連結することができる。一部の実施形態では、バッフル42は、固定子端部巻回30のほぼ近くでハウジング12に連結することができ、ほぼ上側の領域48及び/又はほぼ下側の領域50でハウジング12内に位置決めすることができる。例えば、一実施形態では、バッフル42は、図6−図8及び図10−図14に示すように、ほぼ下側の領域50内に実質的に位置決めすることができる。加えて、バッフル42は、バッフル42の少なくとも一部分が固定子アセンブリ26及び固定子端部巻回30の最下部区域(すなわち、「6時」の位置)の付近に位置付けることができるように位置決めすることができる。実質的に非導電材料で形成されているために、バッフル42は、非導電性組成物が電気機械20の電気力学に仮に影響しても最低限にしか影響しないので、導電材料で形成されたバッフル42と比較して固定子端部巻回30により接近して位置決めすることができる。
【0022】
図13及び図14に示すように、一部の実施形態では、水平サブユニット58は、固定子端部巻回30の導電体の大きさ、寸法、及び形状に緊密に適合するように適応的に構成することができる。例えば、水平サブユニット58は、捻り端部固定子端部巻回38の導電体を受け取るように湾曲され、傾斜され、又は曲げることができる。別の実施例において、水平サブユニット58は、溶接端部固定子端部巻回40を受け取るように実質的に平面、平坦、又は一直線とすることができる。一部の実施形態では、ほぼ平面の水平サブユニット58を含むバッフル42は、捻り端部固定子端部巻回38に接近して位置決めすることができ、ほぼ湾曲した水平サブユニット58を含むバッフルは、溶接端部固定子端部巻回40に接近して位置決めすることができる。加えて、バッフル42は、例えば、製造業者及び最終使用者の望ましい成果を得るための他の構成、形状、及び/又は設計を含むことができる。
【0023】
本発明の一部の実施形態により、冷却剤ジャケット21を通って循環する冷却剤は、図9に示すように、内側壁23の少なくとも1つを通って延びる複数の冷却剤開口25から機械空洞22内に噴射又は散布することができる。一部の実施形態では、内側壁23は、約7つの冷却剤開口25を含むことができる。他の実施形態では、7より多く又は7より少ない冷却剤開口25を含むことができる。複数の冷却剤開口25は、少なくとも、機械空洞22及び冷却剤ジャケット21と連通することができる。一部の実施形態では、複数の冷却剤開口25は、固定子端部巻回30に実質的に隣接してハウジング12に沿って軸線方向に位置付けることができる(例えば、ハウジング12の両方の軸線方向端部の付近に位置付ける)。結果として、冷却剤は、冷却剤ジャケット21から複数の冷却剤開口25を通り、固定子端部巻回30の上に又はその周りに少なくとも部分的に散布することができる。散布された冷却剤は、固定子端部巻回30から熱エネルギーを受け取ることができ、これは、電気機械20の少なくとも部分的な冷却をもたらすことができる。一部の実施形態では、複数の冷却剤開口25は、ハウジング12のほぼ上側の領域48の周りに周方向に位置付けることができる。他の実施形態では、複数の冷却剤開口25は、ハウジング12の円周の周り全体に周方向に位置決めすることができる。
【0024】
一部の実施形態では、複数の冷却剤開口25に加えて、冷却剤の追加容量は、例えば、回転子ハブ36の基部から又は主出力シャフト34から回転子ハブ36の付近に放出することができる(図示せず)。図6に示すように、一部の実施形態では、冷却剤入口27を通過した後、冷却剤の一部分は、回転子ハブ36の付近に冷却剤の一部が放出することができるように冷却剤入口配管33を通って流れることができる。回転子ハブ36から放出された冷却剤は、ハウジング12及び固定子アセンブリ26の方向に半径方向外側に流れることができる(例えば、遠心力により)。冷却剤のこの追加容量は、固定子アセンブリ26を含む電気機械20を冷却するのを更を助けることができる。
【0025】
一部の実施形態では、冷却剤が電気機械22内に導入された後、重力が、冷却剤の少なくとも一部分をほぼ下向き方向に引き込むのを助けることができる。冷却剤がほぼ下向き方向に流れる時に、冷却剤は、電気機械20によって生成された熱エネルギーの少なくとも一部分を受け取って除去することにより、電気機械20を冷却することを助けることができる。冷却剤がほぼ下向きに流れる時に、冷却剤の一部は、電気機械20及び/又はハウジング12に沿って流れることができ、これは、電気機械モジュール10の更に別の冷却をもたらすことができる。例えば、一部の実施形態では、冷却剤の少なくとも一部分は、固定子端部巻回30の外径及び/又は内径を横切って流れ、電気機械20を冷却するのを少なくとも部分的を助けることができる。
【0026】
一部の実施形態では、ハウジング12は、冷却剤ガイド60を含むことができる。一部の実施形態では、冷却剤ガイド60は、隆起部、棚部、溝部、シュラウド、リブ構造、及び他の類似形態を一般的に含むことができ、それらは、末端キャップ16、18及びスリーブ部材14、末端キャップ17及びキャニスター15、又はハウジング12上又は内の他の適切な位置から機械空洞22内に軸線方向又は半径方向に延びることができる。一部の冷却剤がほぼ下向きに流れる時に、冷却剤は、冷却剤ガイド60によってハウジング12の内部表面に沿って案内され、又は誘導することができる。一部の実施形態では、冷却剤ガイド60は、冷却剤ガイド60がハウジング12の要素と一体であるように形成することができる。他の実施形態では、冷却剤ガイド60は、上述の技術のいずれかを用いてハウジング12に連結することができる。
【0027】
加えて、一部の実施形態では、ハウジング12は、冷却剤ガイドドレーン61を含むことができる。一部の実施形態では、冷却剤ガイドドレーン61は、冷却剤ガイド60によって案内されている冷却剤の少なくとも一部分が、バッフル42の方向に案内され、誘導され、排出され、又は向かうことができるように、バッフル42の付近に位置決めすることができる。一部の実施形態では、冷却剤ガイドドレーン61は、冷却剤が冷却剤ガイド60に沿って流れる時に冷却剤がより迅速にほぼ下側の領域50の方向に流れるようにドレーン61を通って流れることができるような間隔で冷却剤ガイド60を通じて位置付けることができる。一部の実施形態では、図11、図13、図14、及び図17に示すように、冷却剤ガイドドレーン61は、冷却剤ガイド60、末端キャップ16、18及びスリーブ部材14、末端キャップ17及びキャニスター15、又はハウジング12の別の要素の一部分を通って形成されたほぼチューブ状構造を含み、バッフル42に向う冷却剤の流し込みを助けることができる。他の実施形態では、冷却剤ガイドドレーン61は、例えば、製造業者又は最終使用者による必要に応じて他の構成及び形態を含むことができる。
【0028】
一部の実施形態では、上述のように、ほぼ下側の領域50内に位置決めすることができるバッフル42は、電気機械20の冷却を更に改善することができる。例えば、一部の実施形態では、冷却剤がほぼ下方向に流れる時に、冷却剤の一部分は、図13及び図14に示すように、固定子端部巻回30の内径にわたって流れることができ、固定子端部巻回30の導電体を通って流れることができ、固定子端部巻回30の周囲の周りに流れることができ、かつ固定子端部巻回30の外径の周りに流れることができる。一部の実施形態では、バッフル42の包含により、冷却剤の一部は、固定子端部巻回30の周り及び/又は付近に集中することができ、これは、バッフルを含まないか又はほぼ下側の領域にバッフルを含まない従来型電気機械モジュールと比較して改善した冷却を提供することができる。
【0029】
図13及び図14に示すように、一部の実施形態では、バッフル42は、バッフル出口70を含むことができる。一部の実施形態では、バッフル出口70は、固定子端部巻回30の周囲の一部分と水平サブユニット58とから少なくとも部分的に構成することができる。より具体的には、バッフル出口70は、冷却剤が下方向に流れる時に、冷却剤の一部分がバッフル42に接近してその周りに溜まることができ、一部の冷却剤がバッフル出口70を通って流れることができるように、バッフル42の実質的に軸線方向最内側区域に位置決めすることができる。
【0030】
図13、図14、及び図17に示すように、一部の実施形態では、少なくとも1つの冷却剤チャンネル62を電気機械モジュール10内に含むことができるが、1つよりも多い冷却剤チャンネル62を含むことができる。一部の実施形態では、冷却剤チャンネル62は、バッフル42、固定子アセンブリ26、及び以下に制限されるものではないが、内側壁23、末端キャップ16、18及びスリーブ部材14、及び/又は末端キャップ17及びキャニスター15を含むハウジング12の一部から少なくとも部分的に構成することができる。より具体的には、バッフル出口70を通って流れることができる冷却剤の一部は、冷却剤チャンネル62によって案内することができる。結果として、一部の実施形態では、バッフル42及び固定子端部巻回30に到達する冷却剤の少なくとも一部分は、バッフル出口70を通って固定子アセンブリ26の付近、かつその周りで冷却剤チャンネル62に案内することができる。一部の実施形態では、冷却剤の実質的に一定の流れは、バッフル42、及びハウジング12のほぼ下側の領域50内の固定子端部巻回30を含む固定子アセンブリ26を横切りかつ通過して、バッフル出口70を通じて冷却剤チャンネル62に流れる。この構成は、過剰の熱エネルギーの存在を低減するのに役立ち、ほぼ下側の領域50内の電気機械20構成要素に対する冷却を容易にする。
【0031】
また、本発明の一部の実施形態では、1つ又はそれよりも多くの冷却剤出口64は、電気機械モジュール10内に含めることができる。一部の実施形態では、冷却剤出口64は、末端キャップ16、18及びスリーブ部材14、又は末端キャップ17及びキャニスター15のようなハウジング12の一部を通って形成された開口とすることができる。一部の実施形態では、冷却剤出口は、図17に示すように、ハウジング12の実質的に対向する軸線方向端部でハウジング12のほぼ下側の領域50の一部を通して形成することができる。冷却剤出口64は、電気機械モジュール10内に導入された冷却剤のためのドレーンとして機能することができ、かつ一部の実施形態では、冷却剤チャンネル62の一部分の付近又はその内部に位置付けることができる。例えば、図13及び図14に示すように、冷却剤チャンネル62内を流れる冷却剤の少なくとも一部は、冷却剤出口64に向けて誘導することができる。
【0032】
図6、図16、及び図17を参照すると、電気機械モジュール10は、排水システム68を含むことができる。一部の実施形態では、排水システム68は、排水配管71、排水出口73、及び排水区域(図示せず)を含むことができる。排水配管71は、冷却剤出口64と連通することができ、これは、冷却剤出口64を通って流れる冷却剤の一部分を排水配管71及び排水出口73を通って排水区域内に分散させることを可能にする。一部の実施形態では、排水区域は、冷却剤が機械空洞を溢れ出た後の冷却剤のためのリザーバとして役立たせることができる。一部の実施形態では、排水区域は、冷却剤が、冷却剤により運ばれる熱エネルギーの一部分を除去することができ、かつ冷却剤がモジュール10に再循環することができる熱交換要素に循環することができるように、ラジエータ又は類似の機能のような熱交換要素に流体的に接続することができる。
【0033】
また、図16に示すように、一部の実施形態では、モジュール10には、補助入口75及び補助出口77がある。補助入口75及び補助出口77は、モジュール10に出入りする増加した冷却剤流れが製造業者及び/又は最終使用者によって望まれる可能性がある用途のために使用することができる。一部の実施形態では、補助入口75及び補助出口77が、モジュール作動10に一般的に必要とされない場合には、それらは、プラグ79を用いて実質的に密封することができる。
【0034】
加えて、本発明の一部の実施形態では、バッフル42の包含は、ハウジング12の底部で冷却剤プールを維持する必要性を排除する又は低減することができ、かつ冷却剤の流れ制御を単純化することができる。一部の従来型電気機械モジュールにおいては、冷却剤プールは、それが固定子アセンブリ26及び固定子端部巻回30の冷却に役立つことができるので(すなわち、冷却剤プールは、冷却剤が固定子端部巻回30に接触することができるように十分に上げることができる)、重要な機能とすることができる。冷却剤プールはまた、例えば、固定子アセンブリ26と回転子24の間の間隙66の電気機械20の作動を妨げる可能性があるフラッディングを引き起こすことによって電気機械モジュール作動における難しさを招く可能性もある。結果として、間隙66のフラッディングを回避するために、モジュールに流入して流出する冷却剤の流量を入念に調整することが必要になる場合がある。本発明の一部の実施形態におけるバッフル42の包含は、冷却剤プールの必要性を解消することができ、その理由は、冷却剤の一部分が固定子アセンブリ26の周りに集中することができるので、冷却剤の少なくとも一部が、依然として電気機械20の熱エネルギー生成部分の一部に露出されるが、冷却剤プールに比べてより直接的な方法で露出されるからである。また、冷却剤は、冷却剤チャンネル62の迅速な通過を許容され、かつ排水システム68内に排出することができ、これは、冷却剤プールの必要性を更に否定することができ、それによって一部の実施形態では、流量の入念な調整を不要とし又は最低限とすることができる。
【0035】
本発明を特定的な実施形態及び実施例に関連して上述したが、本発明は、必ずしもそのように制限されず、かつ多くの他の実施形態、実施例、用途、修正、及びこれらの実施形態、実施例、及び用途からの逸脱は、ここに添付の特許請求の範囲によって網羅されるように意図されることは当業者によって認められるであろう。本明細書に引用された各特許及び文献の開示全体は、あたかも各々のそのような特許又は文献が本明細書に引用により個々に組み込まれたかのように引用により組み込まれている。本発明の様々な特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に示されている。
【符号の説明】
【0036】
10 電気機械モジュール
12 ハウジング
15 キャニスター
29 電気接続部
31 リブ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子端部巻回を含む固定子アセンブリを含む電気機械と、
少なくとも部分的に前記電気機械を封入し、少なくとも部分的に機械空洞を形成するハウジングと、
少なくとも1つのバッフルが前記固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むように該固定子端部巻回の付近の領域で前記ハウジングに連結された少なくとも1つのバッフルと、
を含むことを特徴とする電気機械モジュール。
【請求項2】
前記少なくとも1つのバッフルは、実質的に非導電性の材料から形成されることを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項3】
前記実質的に非導電性の材料は、プラスチックを含むことを特徴とする請求項2に記載の電気機械モジュール。
【請求項4】
前記ハウジングは、冷却剤ガイドを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバッフル、前記固定子アセンブリ、及び前記ハウジングは、少なくとも1つの冷却剤チャンネルを実質的に形成することを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項6】
前記固定子端部巻回は、捻り端部固定子端部巻回及び溶接端部固定子端部巻回を含み、
前記少なくとも1つのバッフルは、2つのバッフルを含み、該2つのバッフルの各々は、水平サブユニットを含み、該水平サブユニットは、それぞれ前記捻り端部固定子端部巻回及び前記溶接端部固定子端部巻回に適合するように適応的に構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項7】
前記ハウジングは、冷却剤出口を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項8】
前記ハウジングは、ほぼ下側の領域を含み、前記少なくとも1つのバッフルは、実質的に該ほぼ下側の領域内で該ハウジングに連結されることを特徴とする請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項9】
前記機械空洞内に散布することができる冷却剤を更に含み、
前記冷却剤の少なくとも一部分は、前記少なくとも1つのバッフルに向けてほぼ下方に流れて前記電気機械の冷却を少なくとも部分的に助ける、
ことを特徴とする請求項8に記載の電気機械モジュール。
【請求項10】
排水システムを更に含み、
前記冷却剤の一部分は、前記排水システムに向けて流れる、
ことを特徴とする請求項9に記載の電気機械モジュール。
【請求項11】
電気機械を冷却する方法であって、
固定子端部巻回を含む固定子アセンブリを含む電気機械を準備する段階と、
少なくとも部分的に前記電気機械を封入し、少なくとも部分的に機械空洞を形成し、かつほぼ下側の領域を含むハウジングを準備する段階と、
バッフルを該バッフルが前記固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むように該固定子端部巻回の付近で前記ハウジングの前記ほぼ下側の領域に連結する段階と、
前記機械空洞内に冷却剤を導入する段階と、
前記冷却剤の一部分を該冷却剤の該部分の一部が前記バッフルに接触して前記電気機械の冷却を少なくとも部分的に助けるように前記機械空洞を通して前記ほぼ下側の領域に向けて循環させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記バッフルは、実質的に非導電性の材料から形成されることを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記非導電性材料は、プラスチックを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
実質的に前記ほぼ下側の領域内に位置決めされた少なくとも1つの冷却剤出口を準備する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの冷却剤出口を通って流れる前記冷却剤の少なくとも一部を排出する段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの冷却剤出口に流体的に接続した排水システムを準備する段階を更に含み、
前記少なくとも1つの冷却剤出口を通じて排出される前記冷却剤の少なくとも一部は、前記排水システムに流入する、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
固定子端部巻回を含む固定子アセンブリを含む電気機械と、
前記電気機械を少なくとも部分的に封入し、ほぼ下側の領域を含むハウジングと、
前記固定子端部巻回の周囲の一部分を取り囲むように該固定子端部巻回の付近で前記ハウジングの前記ほぼ下側の領域に連結され、実質的に非導電性の材料から形成されることを含むバッフルと、
を含むことを特徴とする電気機械モジュール。
【請求項18】
前記固定子アセンブリは、実質的に回転子に外接することを特徴とする請求項17に記載の電気機械モジュール。
【請求項19】
前記固定子端部巻回は、捻り端部固定子端部巻回及び溶接端部固定子端部巻回を含み、
前記バッフルの各々は、水平サブユニットを含み、
前記水平サブユニットは、それぞれ前記捻り端部固定子端部巻回及び前記溶接端部固定子端部巻回に適合するように適応的に構成される、
ことを特徴とする請求項17に記載の電気機械モジュール。
【請求項20】
前記バッフル、前記固定子アセンブリ、及び前記ハウジングは、実質的に冷却剤チャンネルを形成することを特徴とする請求項17に記載の電気機械モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−21915(P2013−21915A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−165201(P2012−165201)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【出願人】(512187354)レミー テクノロジーズ リミテッド ライアビリティー カンパニー (4)
【Fターム(参考)】