説明

電気湯沸かし器

【課題】湯沸かし容器内の液体を設定された保温温度まで素早く低下させることができる使用勝手の良い電気湯沸かし器を提供する。
【解決手段】液体を収容し沸かして保温する湯沸かし容器1と、湯沸かし容器1内の液体を加熱する加熱手段2と、湯沸かし容器1に供給される液体を収容する給水容器7と、給水容器7の液体を湯沸かし容器1に給水する給水手段13と、湯沸かし容器1内の液体を湯沸かし容器1外に出した後に再度湯沸かし容器1内に戻す循環経路4と、循環経路4の途中に設置された電動ポンプ5と、循環経路4の一部は給水容器7と接する構成としたもので、電動ポンプ5を駆動して、循環経路4に湯沸かし容器1内の液体を通過させると、給水容器7及び給水容器7内の液体により放熱され、湯沸かし容器1内の液体の温度を素早く低下させて、使用者が必要とする温度の液体を早く提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯沸かし容器内に収納した液体を加熱、保温する加熱手段と、前記湯沸かし容器に供給される液体を収納する給水容器を備えた電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な従来の給水容器を備えた電気湯沸かし器は、湯沸かし後に、設定された保温温度に低下するまでは自然冷却によるものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、前記特許文献1に記載された従来の電気湯沸かし器の概略構成を示す図である。図5において、従来の電気湯沸かし器は、液体を収納し湯沸かし保温する湯沸かし容器1と、湯沸かし容器1内の液体を加熱する加熱手段2と、湯沸かし容器1内の液体の温度を検知する温度検知手段3と、加熱手段2を制御する制御手段6と、使用者が希望の保温温度などを設定するための外部入力手段8と、湯沸かし容器1内の液体を外部に排出させるための排出用電動ポンプ9と、温度検知手段3で検知された温度などを表示する表示手段10と、湯沸かし容器1に供給される液体を収納する給水容器7と、給水容器7と湯沸かし容器1を結ぶ給水経路12と、電動ポンプ等で構成されると共に給水経路12の途中に設置された給水手段13と、湯沸かし容器1内の水位を検知する水位検知手段11から構成され、運転を開始すると、加熱手段2で一旦湯沸かし容器1内の液体を沸騰させた後、加熱手段2への通電を停止し、湯沸かし容器1内の液体の温度が希望の保温温度まで自然に低下してくると、加熱手段2に断続的に通電して、液体を希望の保温温度で保つようになっている。また、水位検知手段11により、所定以下の水位が検知されると、制御手段6は給水手段13を駆動して、給水容器7内の液体を湯沸かし容器1に給水する。
【特許文献1】特開2004−24651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、昨今湯沸かし容器1の断熱効果が向上したこともあり、従来の電気湯沸かし器の構成では、湯沸かしが行われた後、設定された保温温度まで、湯沸かし容器1内の液体の温度が低下するまでに時間がかかり、使用者にとって不便である、という課題を有していた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、沸騰後、湯沸かし容器内の液体の温度を設定された保温温度までに素早く低下させることができる、使用勝手の良い電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、液体を収容し沸かして保温する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記湯沸かし容器に供給される液体を収容する給水容器と、前記給水容器の液体を前記湯沸かし容器に給水する給水手段と、前記湯沸かし容器内の液体を前記湯沸かし容器外に出した後に再度前記湯沸かし容器内に戻す循環経路と、前記循環経路の途中に設置された電動ポンプと、前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段とを備え、前記循環経路の一部は前記給水容器と接する構成としたもので、電動ポンプを駆動して、循環経路に湯沸かし容器内の液体を通過させることにより、給水容器及び給水容器内の液体により放熱され、湯沸かし容器内の液体の温度を素早く低下させることが可能となり、使用者が必要とする温度の液体を使用者に早く提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気湯沸かし器は、湯沸かし容器内の液体の温度を設定された保温温度まで素早く低下させることができ、使用者の不便を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、液体を収容し沸かして保温する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記湯沸かし容器に供給される液体を収容する給水容器と、前記給水容器の液体を前記湯沸かし容器に給水する給水手段と、前記湯沸かし容器内の液体を前記湯沸かし容器外に出した後に再度前記湯沸かし容器内に戻す循環経路と、前記循環経路の途中に設置された電動ポンプと、前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段とを備え、前記循環経路の一部は前記給水容器と接する構成としたもので、電動ポンプを駆動して、循環経路に湯沸かし容器内の液体を通過させることにより、給水容器及び給水容器内の液体により放熱され、湯沸かし容器内の液体の温度を素早く低下させることが可能となり、使用者が必要とする温度の液体を使用者に早く提供することができる。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知すると、電動ポンプを駆動するもので、自動的に湯沸かし容器内の液体の温度を素早く低下させることが可能となる。
【0010】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知した後、所定時間経過すると、電動ポンプを駆動するもので、泡がみによる電動ポンプの効率を落とすことなく、自動的に湯沸かし容器内の液体の温度を素早く低下させることが可能となる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知した後、前記液体の温度が第一の所定温度以下になると、電動ポンプを駆動するもので、泡がみによる電動ポンプの効率を落とすことなく、自動的に湯沸かし容器内の液体の温度を素早く低下させることが可能となる。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度まで低下すると、電動ポンプの駆動を停止するもので、自動的に湯沸かし容器内の液体の温度を所定の温度まで素早く低下させることが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供でき、使用者の使用勝手を向上することができる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に達すると、電動ポンプの駆動を停止するもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのを防止することが可能となる。
【0014】
第7の発明は、特に、第5の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従い電動ポンプの回転数を低下させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのを防止することが可能となる。
【0015】
第8の発明は、特に、第6の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの回転数を低下させるもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温
度が第2の所定温度よりさらに低下するのをより確実に防止することが可能となる。
【0016】
第9の発明は、特に、第5の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度になるまで電動ポンプを間欠駆動するもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのを防止することが可能となる。
【0017】
第10の発明は、特に、第6の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度になるまで電動ポンプを間欠駆動するもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのをより確実に防止することが可能となる。
【0018】
第11の発明は、特に、第9の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくするもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのをより確実に防止することが可能となる。
【0019】
第12の発明は、特に、第10の発明の制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくするもので、温度検知手段による液体温度検知の遅れによって、湯沸かし容器内の液体の温度が第2の所定温度よりさらに低下するのをさらに確実に防止することが可能となる。
【0020】
第13の発明は、特に、第5〜12のいずれか一つの発明の液体の保温温度を選択できる外部入力手段を有し、選択された保温温度を第二の所定温度としたもので、使用者は保温温度を選択でき、また、選択された保温温度の液体を素早く提供できることにより、使用者の使用勝手を向上させることができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電気湯沸かし器の概略構成を示す図である。尚、上記従来の電気湯沸かし器と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】
図1において、1は、湯を沸かして保温する湯沸かし容器である。加熱手段2は、湯沸かし容器1内の液体を加熱または保温を行うもので、ヒータなどから構成されている。温度検知手段3は、湯沸かし容器1内の液体の温度を検知するもので、サーミスタなどから構成されている。
【0024】
4は、湯沸かし容器1の外に設けられると共に湯沸かし容器1の上部分と下部分を連通し、湯沸かし容器1内の液体を循環させるための循環経路で、その途中に設けた電動ポンプ5を駆動することにより、湯沸かし容器1内の液体を循環経路4の下部部分から汲み上げて、循環経路4の上部部分から湯沸かし容器1内に戻すようになっている。制御手段6は、温度検知手段3からの検知信号により加熱手段2を制御して湯沸かし容器1内の液体の加熱または保温を行う。
【0025】
また温度検知手段3が検知する湯沸かし容器1内の液体の温度の温度上昇勾配により沸騰検知を行う。さらに温度検知手段3からの検知信号により、電動ポンプ5の駆動制御を
行う。11は湯沸かし容器1内の液体の水位を検知する水位検知手段である。7は、湯沸かし容器1に供給される液体を収容する給水容器であり、給水経路12により湯沸かし容器1と接続されている。
【0026】
電動ポンプ等で構成された給水手段13は、給水経路12の途中に設置されている。湯沸かし容器1内の液体水位が水位検知手段11により所定の水位以下と検知されると、制御手段6は、給水手段13を駆動して、給水容器7内の液体を湯沸かし容器1内に送る。また、循環経路4の一部は給水容器7に接した構成となっており、循環経路4を通過する液体は、給水容器7に接した部分で放熱され、冷やされる。外部入力手段8は、保温温度の選択や湯沸かし容器1内の液体の排出を行うスイッチなどで構成されている。9は、湯沸かし容器1内の液体を排出する排出用電動ポンプである。10は、電気湯沸かし器の運転状態を示す表示手段である。
【0027】
以上のように構成された本実施の形態における電気湯沸かし器について、図2を用いながら以下動作、作用を説明する。
【0028】
図2(a)は、湯沸かし容器1内の液体の温度変化を示す図である。制御手段6は、温度検知手段3からの検知信号により湯沸かし容器1内の液体の温度が低いと判断すると、加熱手段2を駆動して湯沸かしを行い、液体の温度の温度上昇勾配が所定の値より低くなると、沸騰と判断して加熱手段2を停止(t1時点)する。
【0029】
図2(b)は、電動ポンプ5の動作を示す図であり、制御手段6は、t1時点で電動ポンプ5の駆動を開始する。電動ポンプ5の駆動が開始されると、湯沸かし容器1内の液体が、湯沸かし容器1の下部から循環経路4側に送り込まれ、循環経路4を通って湯沸かし容器1の上部から再度湯沸かし容器1内に戻される。この時、循環経路4を通過する液体は、循環経路4に接触している給水容器7と、給水容器7内の液体により熱が奪われて温度が低下する。これが繰り返されることにより湯沸かし容器1内の液体の温度を素早く低下させることができる。
【0030】
また、制御手段6で、沸騰検知時(t1時点)と同時に電動ポンプ5を駆動する代わりに、沸騰検知時(t1時点)より、所定時間経過後に電動ポンプ5を駆動するようにすれば、沸騰直後の電動ポンプ5内の泡がみによるポンプ効率の低下を防止することができる。或いは、沸騰検知(t1時点)後、第一の所定温度以下まで低下したら、制御手段6で、電動ポンプ5を駆動するようにしても、沸騰直後の電動ポンプ5内の泡がみによるポンプ効率の低下を防止することができる。
【0031】
そして、制御手段6は、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで低下すると、電動ポンプ5を停止させるもので、これにより、自動的に湯沸かし容器1内の液体の温度を所定の温度まで素早く低下させることが可能となる。
【0032】
また、制御手段6で、液体の温度が第二の所定温度(θ3)になった時に電動ポンプ5を停止する代わりに、液体の温度が第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)になった時に電動ポンプ5を停止するようにしても良い。このことにより、温度検知手段3が湯沸かし容器1に接して設置されて、間接的に液体の温度を検知するために発生する検知遅れにより、第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止でき、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0033】
なお、本実施の形態における第二の所定温度(θ3)とは、使用者が外部入力手段8を操作して設定した液体の保温温度である。以上のように本実施の形態によれば、湯沸かし
容器内の液体が一旦沸騰した後、設定された保温温度まで素早く低下させることができ、使用者の不便を解消できる。
【0034】
(実施の形態2)
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態における電気湯沸かし器の湯沸かし容器内の液体の温度変化を示す図、図3(b)は、同電気湯沸かし器の電動ポンプの回転数の推移を示す図である。尚、本実施の形態における電気湯沸かし器と、上記第1の実施の形態における電気湯沸かし器とは、電動ポンプ5の動作内容のみ異なるもので、異なる点のみ説明する。
【0035】
図3において、制御手段6は、t1時点で、電動ポンプ5の駆動を高速回転で開始する。電動ポンプ5の駆動が開始されると、湯沸かし容器1内の液体が湯沸かし容器1の下部から循環経路4側に送り込まれ、循環経路4を通って湯沸かし容器1の上部から再度湯沸かし容器1内に戻される。
【0036】
この時循環経路4を通過する液体は、循環経路4に接触した給水容器7により熱が奪われて温度低下する。電動ポンプ5の回転数を高速にするほど、温度低下の効果は高まる。そして、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、電動ポンプ5の回転数を徐々に低下させることにより、循環経路4の上部から液体を戻すことによる湯沸かし容器1内の液体の対流による液体温度検知の不確かさを低減できる。
【0037】
このことにより、湯沸かし容器1内の液体の温度が第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止することが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0038】
尚、上記実施の形態では、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、電動ポンプ5の回転数を徐々に下げ、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5を停止するようにしたが、t1の時点より、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)に近づくに従い、電動ポンプ5の回転数を徐々に低下させ、θ2まで低下した時点で、電動ポンプ5を停止するようにすれば、循環経路4の上部から液体を戻すことによる湯沸かし容器1内の液体の対流による液体温度検知の不確かさをより低減し、液体の温度が第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを確実に防止することが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0039】
(実施の形態3)
図4(a)は、本発明の第3の実施の形態における電気湯沸かし器の湯沸かし容器内の液体の温度変化を示す図、図4(b)は、同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図である。尚、本実施の形態における電気湯沸かし器と、上記第1の実施の形態における電気湯沸かし器とは、電動ポンプの動作内容のみ異なるもので、異なる点のみ説明する。
【0040】
図4において、制御手段6は、t1時点で電動ポンプ5の駆動を間欠駆動で開始する。電動ポンプ5の間欠駆動が開始されると、湯沸かし容器1内の液体が湯沸かし容器1の下部から循環経路4側に送り込まれ、循環経路4を通って湯沸かし容器1の上部から再度湯沸かし容器1内に戻される。この時循環経路4を通過する液体は、循環経路4に接触した給水容器7により熱が奪われて温度が低下する。そして、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5の運転を停止するものである。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、電動ポンプ5を間欠駆動することにより、循環経路4の上部から液体を戻すことによる湯沸かし容器1内の液体の対流による液体温度検
知の不確かさを低減できる。このことにより第二の所定温度(θ3)よりさらに下がるのを防止することが可能となり、使用者に必要な温度の液体を素早く提供できると共に、再度加熱手段2による温め直しをする必要も無く省エネにもなる。
【0042】
尚、上記実施の形態では、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで下がる間に、電動ポンプ5を間欠駆動し、液体の温度が第二の所定温度(θ3)まで低下したら、電動ポンプ5を停止するようにしたが、t1の時点より、液体の温度が、第二の所定温度(θ3)より第三の所定温度(Δθ)だけ高い温度(θ2)までの間に、電動ポンプ5を間欠駆動し、θ2まで低下した時点で、電動ポンプ5を停止するようにしてもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0043】
また、図4(b)に示すように、制御手段6で、第二の所定温度(θ3)に近づくに従い、間欠の比率を大きくするようにすれば、上記効果をさらに増すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明にかかる給水容器を備えた電気湯沸かし器は、沸騰した液体の温度を素早く低下させることが可能であり、特に、保温効果の高い電気湯沸かし器において、使用者が選択した保温温度の液体を素早く提供することが可能となり、使用者にとって使い勝手の良いもので、各種電気湯沸かし器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電気湯沸かし器の概略構成を示す図
【図2】(a)同電気湯沸かし器の湯沸かし容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図
【図3】(a)本発明の第2の実施の形態における電気湯沸かし器の湯沸かし容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの回転数の推移を示す図
【図4】(a)本発明の第3の実施の形態における電気湯沸かし器の湯沸かし容器内の液体の温度変化を示す図(b)同電気湯沸かし器の電動ポンプの動作を示す図
【図5】従来の電気湯沸かし器の概略構成を示す図
【符号の説明】
【0046】
1 湯沸かし容器
2 加熱手段
3 温度検知手段
4 循環経路
5 電動ポンプ
6 制御手段
7 給水容器
8 外部入力手段
13 給水手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容し沸かして保温する湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし容器内の液体の温度を検知する温度検知手段と、前記湯沸かし容器に供給される液体を収容する給水容器と、前記給水容器の液体を前記湯沸かし容器に給水する給水手段と、前記湯沸かし容器内の液体を前記湯沸かし容器外に出した後に再度前記湯沸かし容器内に戻す循環経路と、前記循環経路の途中に設置された電動ポンプと、前記電動ポンプの駆動を制御する制御手段とを備え、前記循環経路の一部は前記給水容器と接する構成とした電気湯沸かし器。
【請求項2】
制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知すると、電動ポンプを駆動する請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知した後、所定時間経過すると、電動ポンプを駆動する請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項4】
制御手段は、温度検知手段により湯沸かし容器内の液体の沸騰を検知した後、前記液体の温度が第一の所定温度以下になると、電動ポンプを駆動する請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項5】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度まで低下すると、電動ポンプの駆動を停止する請求項1〜4の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項6】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に達すると、電動ポンプの駆動を停止する請求項1〜4の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。
【請求項7】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従い電動ポンプの回転数を低下させる請求項5に記載の電気湯沸かし器。
【請求項8】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの回転数を低下させる請求項6に記載の電気湯沸かし器。
【請求項9】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度になるまで電動ポンプを間欠駆動する請求項5に記載の電気湯沸かし器。
【請求項10】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度になるまで電動ポンプを間欠駆動する請求項6に記載の電気湯沸かし器。
【請求項11】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくする請求項9に記載の電気湯沸かし器。
【請求項12】
制御手段は、湯沸かし容器内の液体の温度が第二の所定温度より第三の所定温度だけ高い温度に近づくに従い電動ポンプの間欠の比率を大きくする請求項10に記載の電気湯沸かし器。
【請求項13】
液体の保温温度を選択できる外部入力手段を有し、選択された保温温度を第二の所定温度とした請求項5〜12の何れか1項に記載の電気湯沸かし器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−57785(P2010−57785A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227931(P2008−227931)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】