説明

電気湯沸かし器

【課題】 使い勝手と安全性を高めることができる湯沸かし器を提供する。
【解決手段】本発明の電気湯沸かし器は、本体1と、この本体1と分離した電源台11とを設けてなり、本体1はその内部に容器3を備え、本体1の後方にハンドル7を備え、ハンドル7の内部に容器3の加熱装置4を制御する制御装置8を備え、ハンドル7の下方に、加熱装置4に接続して本体1の後方側面から視認可能な電極としての電極ピン9A,9Bを下向きに突出して設ける一方で、ハンドル7の上方に、容器3の加熱開始を表示する表示部22とを設け、電源台11の後方に対向電極14A,14Bを設け、電源台11に本体1を載置すると、本体1の自重で電極ピン9A,9Bが対向電極14A,14Bに当接して、電源台11から本体1への給電が行なわれる構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源台と本体とを分離した電気沸かし器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気湯沸かし器として、例えば特許文献1には、本体およびこの本体と分離した電源台を設けたものが開示されている。従来は、本体に電極を設ける一方で、電源台に対向電極を設け、本体を電源台に載置したときに電極が対向電極に接触して、本体に電源供給を行なう構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−41855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の電気湯沸かし器では次のような問題がある。
【0005】
第1に、電極と対向電極との間の接触を図るためには、大電流用の接触構造を設けることが困難であり、電極と対向電極とを垂直方向に接触させるのが難しく、水平方向に接触させる構造では、電極の接触性が容易に悪化する難点があり、安全性の面で電極と対向電極の接触悪化が無視できない問題となる。
【0006】
第2に、従来の電気湯沸かし器は、電極の異常を確認する際に、本体の底部を覗き込んだりする必要があり、電極の点検がおろそかになって安全性が低下する。
【0007】
第3に、従来の電気湯沸かし器は、対向電極を電源台の略中央に設けているので、対向電極に異物が浸入しやすく、また異物の侵入を簡単に視認できず、さらに視認できたとしても異物を除去できない問題があった。
【0008】
第4に、従来の電気湯沸かし器は、単に容器を本体に備えているに過ぎず、容器の使用に対して、十分な実用性と安全性が配慮されてはいなかった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、本発明の目的は、使い勝手と安全性を高めることができる電気湯沸かし器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1における電気湯沸かし器は、本体の所定方向に設けたハンドルの直下に電極を設けることで、本体を電源台に載置する際に、ハンドルを握る手の近傍に電極が自ずと位置することになり、電源台の後方に設けた対向電極に本体の電極を容易に対向させることができ、使い勝手がよく、また確実に本体の電極を電源台の対向電極に接触させて、電極と対向電極が半接触になるなどの接触悪化を防止できる。さらに、ハンドル内部に備えた制御装置によって、容器が空状態での重心が本体の所定方向寄りになり、空の容器を電源台へ載置した場合でも、本体の電極が安定して電源台の対向電極に接触すると共に、多少の振動があっても電極が浮き上がることがなく、この点でも電極と対向電極との接触悪化を防止して、安全性の高い電気湯沸かし器を提供できる。
【0011】
また、本体の後方から電極を視認できるので、手でハンドルを持ち上げるだけで、本体の外底面を覗き込んだり、本体を裏返しにしたりする必要なく、電極の汚れや水の付着などの異常を容易に確認でき、電極の点検も十分に行なわれて、安全性が向上する。さらに、加熱状態を表示部で確認でき、この点でも使い勝手が良好となる。
【0012】
本発明の請求項2における電気湯沸かし器は、対向電極の周辺近傍を壁部によりガードし、対向電極が直に露出することがなく、対向電極の側方からのごみや水が対向電極にかかりにくくなって安全性が向上する。
【0013】
本発明の請求項3における電気湯沸かし器は、容器を傾斜させることで、本体の所定方向に備えたハンドルを手で持って、本体を傾けながら本体の上部から容器内部の液体を注ぐときに、本体の重心が移動していて注ぎやすく、また容器への給液の際にも、容器が傾いている分、蛇口などがハンドルから離れていて給液しやすくなり、湯沸かし器としての実用性を高めることが可能となる。さらに、電極がハンドルの下方に位置するので、電極に対して容器から液体を注いだり、容器へ液体を供給する位置が最大限離れたものとなり、電極に液体がかかりにくくなって安全性がさらに向上する。
【0014】
本発明の請求項4における電気湯沸かし器は、本体の底部に設けた接点に対向させて、電源台に対向接点を設けたので、本体を電源台に載せると、常時特定のポイントで接点と対向接点が当接することになり、接点と対向接点との間で安定した接触性を確保できる。また、本体を電源台に載せない限り、シャッターで開口が塞がれるので、異物の侵入を低減できる。さらに、電気的な接触性を良好にするために、例えば直径が1mm以上の対向接点を用いた場合に、開口から入った導電部材が対向接点に接触する虞れがあるが、シャッターによりそうした導電部材が入らない構造となり、電気湯沸かし器としての安全性を高めることができる。
【0015】
本発明の請求項5における電気湯沸かし器は、電源台に本体を載せようとするときに、本体が立上壁にガイドされ、電源台に対する本体の位置決めがなされて、電源台と本体との位置ずれが防止される。また傾斜面によって、本体を電源台に載せたときに、その傾斜面に沿って本体が電源台の中央に案内され、電源台と本体との位置合わせの精度が向上し、位置ずれの防止効果がより有効なものとなる。
【0016】
本発明の請求項6における電気湯沸かし器は、電極台を立上壁に連接させることで、所定方向に突起させた台座の強度が向上し、台座の変形やガタつきによって、対向接点の接触ポイントにずれが生じる不具合を防止できる。また、立上壁をガイドにして本体を電源台に載置したときに、本体の接点と電源台の対向接点との位置を安定的に合致する構造にできる。
【0017】
本発明の請求項7における電気湯沸かし器は、開口から流体が入った場合でも、隔離壁部で対向接点が電気的に隔離され、流体でショートする懸念を払拭できる。また、接点板と隔離壁部との組み合わせにより、対向接点の電気的絶縁性を十分に確保できる。
【0018】
本発明の請求項8における電気湯沸かし器は、開口からの流体を流路に導くことで、対向接点間の部材に水が付着して閉回路が形成され、トラッキング現象が生じる虞れを防止できる。
【0019】
本発明の請求項9における電気湯沸かし器は、巻取手段によって電源台から電源コードを簡単に出し入れすることができ、容易に電源コードの長さを調節できる。また、本体と電源台の載置に水平方向の位置規制があると、電源台の向きや設置場所を変える場合が多くなって、電源台の向きを変えたときに電源コードの長さ調整を行なったり、電源台の設置場所を変えたときに電源台を移動したりする必要があるが、その場合も電源コードを容易に電源台に収容できるので、電気湯沸し器としての使い勝手を向上できる。また、電極部を電源台の内部に収容することで、巻取り手段も電源台の内部に収容でき、電源台の高さを抑制できる。そのため、電源台の高さが増大して、本体を載置したときに本体の設置が不安定になることを防止できる。
【0020】
本発明の請求項10における電気湯沸かし器は、巻取手段を利用して電源台の外郭部材を兼用させることができ、電源台の構造を簡素化できる。
【0021】
本発明の請求項11における電気湯沸かし器は、電極部を電源台の内部で所定方向の向きに設けることで、巻取手段の電極部と電源台の対向接点は自ずと対面することになり、双方の部材間で電気的接続が容易になる。また、電極部を本体へ電力を供給するための対向接点と隔離させたことで、開口から液体が侵入した場合に、電極部に液体が付着するのを防止でき、安全性を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、使い勝手と安全性を高めることができる電気湯沸かし器を提供できる。
【0023】
請求項2の発明によれば、対向電極の側方からのごみや水が対向電極にかかりにくくなって、さらに安全性を高めた電気湯沸かし器を提供できる。
【0024】
請求項3の発明によれば、容器への給液や容器からの注液に対して実用性を高め、さらに電極に対する安全性を高めた電気湯沸かし器を提供できる。
【0025】
請求項4の発明によれば、安全性を高めることができる電気湯沸かし器を提供できる。
【0026】
請求項5の発明によれば、水平方向における電源台と本体との位置ずれを防止し、且つ電源台と本体との位置合わせの精度を向上させることができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、対向接点の接触ポイントにずれが生じる不具合を防止し、本体の接点と電源台の対向接点との位置を安定的に合致する構造にできる。
【0028】
請求項7の発明によれば、流体でショートする懸念を払拭できると共に、対向接点の電気的絶縁性を十分に確保できる。
【0029】
請求項8の発明によれば、対向接点が流体でショートする懸念をより払拭できる他、トラッキング現象が生じる虞れを防止できる。
【0030】
請求項9の発明によれば、容易に電源コードの長さを調節でき、また容易に電源コードを電源台に収容できるので、電気湯沸かし器としての使い勝手を向上できる。さらに、本体を載置したときに本体の設置が不安定になることを防止できる。
【0031】
請求項10の発明によれば、電源台の構造を簡素化できる。
【0032】
請求項11の発明によれば、巻取手段の電極部と電源台の対向接点との間で電気的接続が容易になると共に、電極部に液体が付着するのを防止でき、安全性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気湯沸かし器の全体断面図である。
【図2】同上、図1の矢印A方向から見た矢視図である。
【図3】同上、電気湯沸かし器の側面図である。
【図4】同上、本体の背面図である。
【図5】同上、蓋体を外したときに本体の上方から見た斜視図である。
【図6】同上、本体の要部拡大斜視図である。
【図7】同上、電源台の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す電源台の平面図である。
【図9】同上、電源台の底面図である。
【図10】同上、電源台の正面図である。
【図11】同上、電源台の側面からみた部分断面図である。
【図12】同上、シャッターが開いた状態における電源台の要部拡大斜視図である。
【図13】同上、シャッターが閉じた状態における電源台の要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における電気湯沸かし器の好ましい実施例を説明する。
【実施例1】
【0035】
図1〜図7は本発明の第一実施例を示すもので、これらの各図において、1は本体であって、これはプラスチック製の外装ケース2で外郭が形成され、内部には有底筒状をなすステンレス製の容器3を備えている。液体である水を収容する容器3の外底面には、円環状のシーズヒータなどからなる加熱装置4がブレージング(ろう付け)などで設けてあり、この加熱装置4が動作することによって、容器3内の水を加熱し、沸騰させる構成となっている。加熱装置4の加熱量は、交流100Vの入力電圧に対し900〜1400Wで、交流200V系の入力電圧よりも大きな電流を流すことができ、短時間で湯沸しが可能な構成となっている。
【0036】
本体1の上部開口には、蓋体5が着脱自在に設けられる一方で、本体1の前方側面上部には、嘴状に形成した液体の注ぎ口6が設けられる。この注ぎ口6とは反対側の本体1の後方側面には、外装ケース2と一体化したハンドル7が設けられる。ハンドル7の内部には、前記加熱装置4のオン/オフ制御を行なうための制御装置8が内蔵される。図示しないが、当該制御装置8は制御処理部としてのマイコンや、そのマイコンからの制御信号を受けて加熱装置4のオン/オフを切り替えるリレーや、マイコンやリレーを含む各種電子部品を実装する基板などで構成される。
【0037】
本実施例におけるハンドル7は垂直方向に延びて、その上端部と下端部が本体1の後方側面につながっており、手で握って本体1を持ち運びしやすいようななだらかな形状に形成される。ハンドル7の下方底部には、加熱装置4や制御装置8に電力を供給する2本の電極ピン9A,9Bが、何れも下向きに突出して設けられる。また電極ピン9A,9Bは、本体1の後方底面に形成した凹部10に設けられており、この凹部10が電極ピン9A,9Bを保護するようになっている。ここでの電極ピン9A,9Bは、下端に至るまで垂直に突出させても、さもなければ垂直から途中で傾斜させてもよい。また、ライブとニュートラルの電極ピン9A,9Bの他に、アースの電極ピン(図示せず)を付加し、電極ピンを3本にしても構わない。
【0038】
11は、本体1と分離して設けられ、必要に応じてこの本体1を載置する電源台である。電源台11は電源コード12を巻取るための巻取り手段として、その内部にコードリール13が内蔵される。当該コードリール13により電源コード12の収納を容易な構造とすれば、電気湯沸し器としてより実用性が向上する。電源台11の上面後方には、電源台11に本体1を載置したときに、電極ピン9A,9Bに対向する位置に2本の対向電極14A,14Bが設けられ、これらの対向電極14A,14Bは、図示しない接点バネなどの弾性部材で常時上方向へ付勢される。また対向電極14A,14Bは、電源台11の内部で電源コード12の基端と電気的に接続する。電極ピン9A,9Bの先端には、厚さが0.5mm以上の銀材料からなる接点15A,15Bが接合すると共に、対向電極14A,14Bにも同様に、厚さが0.5mm以上の銀材料からなる対向接点16A,16Bが接合し、高電流での電気的接触性を良好にしており、本体1を電源台11に載置したときに、本体1の自重で電極ピン9A,9Bを対向電極14A,14Bに弾性的に当接させ、電源台11の電源コード12から、何れも導電性の電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bを介して本体1の各部へ給電を行なうようになっている。
【0039】
前述したように、電極ピン9A,9Bは凹部10に設けられているが、本体1の後方側面から視認できるように配置される。これにより、ハンドル7を持って本体1を持ち上げたときに、先端部の接点15A,15Bを含めて電極ピン9A,9Bの状態を容易に視認できるようになる。
【0040】
電源台11の上面は、対向電極14A,14Bに電極ピン9A,9Bが対向して、本体1が自然に載置されるような形状を有している。具体的には、電源台11の上面外周囲に、上方へ隆起する立上壁17が形成される。また、立上壁17から電源台11の上面内方に向けて傾斜面18が形成される。この傾斜面18は、本体1の外底面に沿った形状にするのが好ましい。こうすることで、電源台11に本体1を載せようとするときに、本体1の底部外周が立上壁17にガイドされ、電源台11に対する本体1の位置決めがなされて、水平方向における電源台11と本体1との位置ずれが防止される。また傾斜面18によって、本体1を電源台11に載せたときに、その傾斜面18に沿って本体1の外底面が電源台11の中央に案内され、電源台11と本体1との位置合わせの精度が向上し、位置ずれの防止効果がより有効なものとなる。
【0041】
また、前記本体1の凹部10に対応するように、電源台11の上面後方には対向電極14A,14Bを有する電極台19が、上方に突起させた状態で設けられる。この電極台19の周囲は、立上壁17を含む他の電源台10の上面部位よりも部分的に高く配置した立壁部20が形成され、電源台11の対向電極14A,14B周囲近傍をガードしている。
【0042】
前記電極ピン9A,9Bとは反対方向にあって、ハンドル7の上面部には、シート状の押動可能な加熱開始スイッチ21が操作部として設けられる。加熱開始スイッチ21の表面を、ハンドル7の上面と面一なシート状に形成するのは、水などがかかった場合に、制御装置8を内蔵するハンドル7内への侵入を防止するためである。また、加熱開始スイッチ21の近傍に位置して、同じくハンドル7の上面部には、加熱装置4が容器3の加熱を開始すると表示を行なう例えばLEDランプなどの表示部22が設けられる。ここでの表示部22は加熱表示LEDとして、制御装置8からの制御信号を受けて、加熱装置4による容器3の加熱中に点灯または点滅し、加熱装置4が容器3を加熱していないときに消灯するものであるが、その表示形態については特に限定しない。
【0043】
本実施例では、ほぼ水平な容器3の底面3Aおよび開口した上面3Bに対して、容器3の側面3Cは前方に傾斜している。また、この容器3の形状に合わせて、本体1の外装ケース2も前方に傾斜した形状を有している。図2に示すように、容器3の外底面には、前記加熱装置4の他に空炊き検知用の安全装置として空焚き検知サーモ23が設けられ、容器3の温度が水の沸騰温度を大幅に超えて上昇したときに、これを容器3の空炊き状態として検知し、加熱装置4への給電を強制的に遮断する構成になっている。さらに容器3の外底面には、別な安全装置としての異常検知リミッタ24が設けられる。
【0044】
上記構成における電気湯沸かし器を使用するには、ハンドル7を手で握って本体1を保持しながら、蓋体5を開けた本体1の上部開口から水を投入する。必要量の水を容器3内に入れた後、本体1の上部開口を蓋体5で閉じ、電源台11の上面後方にある電極台19を目標として、この電極台19の上部にハンドル7が位置するように、電源台11の上面に本体1を載せる。
【0045】
このとき、本体1の底部外周が立上壁17にガイドされ、水平方向における電源台11に対する本体1の位置決めがなされると共に、傾斜面18に沿って本体1の外底面が電源台11の中央に案内され、電源台11と本体1との位置合わせの精度が一層向上する。さらに、突出した電極台19が本体1の凹部10に入り込んで、本体1の電極ピン9A,9Bが自ずと電源台11の対向電極14A,14Bに対向する。電源台11の上面に本体1を載せた状態では、本体1の自重で電極ピン9A,9Bの先端にある接点15A,15Bが、対向電極14A,14Bの先端にある対向接点16A,16Bに弾性的に当接し、大電流が流れる電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bとの間で確実な導通が図られる。これにより、電源台11のコードリール12から本体1の各部に対する電力の供給が可能になる。
【0046】
その後、ハンドル7を手で持った状態のまま、加熱開始スイッチ21を押動操作すると、制御装置8からの制御信号によって加熱装置4が動作し、所定の加熱量で容器3ひいては容器3内の水を加熱する。それと共に、加熱開始スイッチ21の近傍に設けられた表示部22が点灯し、使用者は加熱開始を容易に視認することができる。
【0047】
上記一連の動作に関連して、本実施例の電気湯沸かし器では、本体1または容器3が前方に傾斜しているので、本体1の後方に備えたハンドル7を手で持って、本体1を前方に傾けながら本体1の前方上部に形成した注ぎ口6から湯を注ぐときに、従来の直立した円筒状の容器よりも本体1の重心が前側に移動して注ぎやすくなる。同じくハンドル7を手で持って、水道水を容器3へ給水する際にも、容器3が前方に傾いている分、水道の蛇口がハンドル7から離れていて給水しやすくなり、実用性を高めることが可能となる。さらに、電極ピン9A,9Bをハンドル7の下方に設けた構造により、電極ピン9A,9Bに対して容器3から湯を注いだり、容器3へ水を供給したりする位置が最大限離れたものとなり、電極ピン9A,9Bに液体がかかりにくくなって安全性がさらに向上する。
【0048】
ここでは、容器3内の温度が上昇すると、例えば所定の130℃以上になるとオフし、80℃以下になるとオンする空焚き検知サーモ23によって、空焚きの検知が行なわれる。この場合、容器3内の温度が130℃以上では空焚き検知サーモ23がオン動作して、機械的に加熱装置4がオン,オフするようになるので、容器3が空焚き状態で加熱されることがない。また、容器3の温度が更に上昇すると、例えば所定の260℃以上になるとオフし、240℃以下になるとオンする別な異常検知リミッタ24によって、異常温度上昇の検知が行なわれる。この場合、容器3内の温度が260℃以上に達すると異常検知リミッタ24がオン動作して、機械的に加熱装置4がオン,オフするようになるので、容器3が異常に温度上昇した状態で、加熱装置4の通電が継続する弊害を取り除くことができる。
【0049】
ところで、容器3を前方に傾斜させて使い勝手を向上させた場合、容器3の底面3Aの後方側を持ち上げて形成すると、容器3内の水が少なくなった場合に、その水が前方に残り、容器3の外底面に設けた空炊き検知用の安全装置である前記空焚き検知サーモ23や異常検知リミッタ24が誤動作する虞れがある。しかし本実施例の容器3は、本体1を電源台11に載置した状態で、その底面3Aが水平に位置するので、残水が底面3Aの一部に偏ることなく全体に残り、安全装置の誤動作を低減できる。また、容器3に水を収容したときの本体1の重心が、本体1の前方側に偏ることが緩和され、本体1の後方側に設けた電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bとの接触性が阻害するのを防止できる。
【0050】
また、容器3を前方に傾斜させて使い勝手を向上させた場合、容器3の底面3Aの後方側を持ち上げて形成すると、容器3の開口した上面3Bが前方に向かうに従い下方に傾斜した状態になり、容器3内に水を満たすと、容器3は後方部に比べて前方部の高さが低くなる。こうなると、容器3内の水が前方から流出する可能性があり、また容器3の内容積が有効に利用できない欠点を生じるが、本実施例の容器3は、本体1を電源台11に載置した状態で、その上面3Bが水平に位置するので、そうした問題を回避することができる。
【0051】
従来の電気湯沸かし器における本体の電極と電源台の対向電極の接触構造は、交流200V〜240V(200V系)を入力電圧とする低電流に適したものであったが、本実施例では、交流100V〜110V(100V系)を入力電圧とする効果熱量に適した安全性の高い接触構造に改良を図っている。また、本体1を電源台11に載置するときに方向性は生じるが、使い勝手は悪化しない電気湯沸かし器を提供するものである。さらに、容器3から湯を注ぐときや、容器3に水を入れるときに従来にはない非常に使い勝手のよい電気湯沸かし器を提供するものである。
【0052】
具体的には、本実施例における電気湯沸かし器は、本体1と、この本体1と分離した電源台11とを設けてなり、本体1はその内部に容器3を備え、容器3の外底面に加熱装置4を備えると共に、本体1の所定方向である後方にハンドル7を備え、ハンドル7の内部に容器3の加熱装置4を制御する制御装置8を備え、ハンドル7の下方に、加熱装置4に接続して本体1の後方側面から視認可能な電極としての電極ピン9A,9Bを下向きに突出して設ける一方で、ハンドル7の上方に、容器3への加熱を開始させる操作部としての加熱開始スイッチ21と、容器3内の加熱状態を表示する表示部22とを設け、電源台11の後方に対向電極14A,14Bを設け、電源台11に本体1を載置すると、本体1の自重で電極ピン9A,9Bが対向電極14A,14Bに当接して、電源台11から本体1への給電が行なわれる構成となっている。
【0053】
この場合、本体1の後方に設けたハンドル7の直下に電極ピン9A,9Bを設けることで、本体1を電源台11に載置する際に、ハンドル7を握る手の近傍に電極ピン9A,9Bが自ずと位置することになり、本体1を電源台11に載せるときに方向性はあるものの、電源台11の後方に設けた対向電極14A,14Bに本体1の電極ピン9A,9Bを容易に対向させることができ、使い勝手がよく、また確実に本体1の電極ピン9A,9Bを電源台11の対向電極14A,14Bに接触させて、電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bが半接触になるなどの接触悪化を防止できる。さらに、ハンドル7内部に備えた制御装置8によって、容器3が空状態での重心が本体1の後方寄りになり、空の容器3を電源台11へ載置した場合でも、本体の電極ピン9A,9Bが安定して電源台の対向電極14A,14Bに接触すると共に、多少の振動があっても電極ピン9A,9Bが浮き上がることがなく、この点でも電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bとの接触悪化を防止して、安全性の電気湯沸かし器を提供できる。
【0054】
また、本体1の後方側面から電極ピン9A,9Bを視認できるので、手でハンドル7を持ち上げるだけで、本体1の外底面を覗き込んだり、本体1を裏返しにしたりする必要なく、電極ピン9A,9Bの汚れや水の付着などの異常を容易に確認でき、電極ピン9A,9Bの点検も十分に行なわれて、安全性が向上する。さらに、電極ピン9A,9Bの点検を行った後、電源台11に本体1を載置して、ハンドル7を持ったまま加熱開始スイッチ21の操作が可能で、安全確認,本体載置,加熱開始を一連の動作で行うことができ、使い勝手が極めて良好となる。しかも、加熱開始スイッチ21を操作した後に、加熱状態を表示部22で確認でき、この点でも使い勝手が良好となる。
【0055】
また本実施例では、電源台11の後方に対向電極14A,14Bを有する電極台19を設け、この電極台19は、電源台11の上面に設けた他の部位よりも電極台11を高く配置する壁部としての立壁部20を形成している。
【0056】
こうすると、電源台11に設けた対向電極の周辺近傍を立壁部20によりガードすることで、対向電極14A,14Bが立壁部20で囲まれていて直に露出することがなく、対向電極14A,14Bの側方からのごみや水が対向電極14A,14Bにかかりにくくなって、安全性を向上させることができる。
【0057】
また、本実施例では容器3を例えば前側に傾斜させており、本体1の後方に備えたハンドル7を手で持って、本体1を前方に傾けながら本体1の前方上部から容器3内部の液体を注ぐときに、本体1の重心が前側に移動していて注ぎやすく、また容器3への給液の際にも、容器3が前方に傾いている分、蛇口などがハンドル7から離れていて給液しやすくなり、湯沸かし器としての実用性を高めることが可能となる。さらに、電極ピン9A,9Bがハンドル7の下方に位置するので、電極ピン9A,9Bに対して容器3から液体を注いだり、容器3へ液体を供給したりする位置が最大限離れたものとなり、電極ピン9A,9Bに液体がかかりにくくなって安全性がさらに向上する。
【0058】
加えて本実施例では、本体1を電源台11に載置した状態で、有底筒状をなす容器3の底面3Aを水平に位置させることにより、容器3内の水を底面3Aの全体に残すことが可能になり、安全装置の誤動作を低減できると共に、容器3に水を収容したときの本体1の重心が、本体1の前方側に偏らないようにして、電極ピン9A,9Bと対向電極14A,14Bとの接触性を良好に維持できる。
【0059】
また、本体1を電源台11に載置した状態で、容器3の上面3Bを水平に位置させることにより、容器3内の水が前方から流出しやすくなったり、容器3の内容積が有効に利用できなくなったりする欠点を回避できる。
【実施例2】
【0060】
次に、本発明の第2実施例における電気湯沸かし器について、特に電源台11の構成を図8〜図13に基づいて説明する。なお、第1実施例と共通する部分には共通の符号を付し、同一箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0061】
本実施例における本体1は上記第1実施例と全く同一であり、電源台11の構成の一部が異なる。具体的には、電源台11の内部において、その先端にある対向接点16A,16Bが上向きに設けられた棒状の対向電極14A,14Bは、電極台19の上面に形成した2個の開口31A,31Bにそれぞれ臨んでいる。ここでの開口31A,31Bは、対向電極14A,14Bひいては電極ピン9A,9Bの数に合わせて形成される。また、32は開口31A,31Bを覆う開閉自在なシャッターで、本体1を電源台11に載置していない状態では、シャッター32が図示しない弾性部材に付勢されて開口31A,31Bを閉じる一方で、本体1を電源台11に載置した状態では、本体1の自重が弾性部材の付勢に抗してシャッター32を移動させて開口31A,31Bを開き、対向接点16A,16Bに接点15A,15Bが当接して、電源台11から本体1の各部への給電を行なう構成となっている。
【0062】
本実施例の電源台11においても、電源台11の上面外周囲に立上壁17を設け、この立上壁17から電源台11の内方に向けて、好ましくは本体1の外底面に沿った形状の傾斜面を形成している。そして、電源台11の上面中央には、本体1の最底部に沿った形状を有し、ほぼ平坦な水平方向に展開する載置面33が形成される。台座としての電極台19は、電源台11の上面後方に上方に突起させた状態で設けられるが、この電極台19は電源台11の上面から独立して突出しているのではなく、電源台11の外周囲に形成した立上壁17に連なるように設けられる。
【0063】
次に、対向接点16A,16の先端に対向電極14A,14Bを設けた対向電極部の周辺構造をさらに詳しく説明すると、対向接点16A,16を有する対向電極14A,14Bは、外側に壁状の接点板34A,34Bが各々設けられると共に、一方の対向電極14Aおよび接点板34Aと、他方の対向電極14Bおよび接点板34Bとの間には、これらの部材間を隔離するための隔離壁35が設けられる。接点板34A,34Bは、対向接点16A,16を含む対向電極14A,14Bと外部部材との電気的絶縁を図るためのものであり、また隔離壁35は対向電極14A,14B間の電気的絶縁を図るもので、これらは何れも絶縁材料からなり、好ましくは電源台11と一体的に形成される。
【0064】
前記隔離壁35は単独に設けてもよいが、本実施例のように、対向電極14A,14Bおよび接点板34A,34Bとの間に近接して複数設けて、その間に溝状の流路36を形成してもよい。この流路36の上端は、前記開口31A,31Bと連通しており、開口31A,31Bから水などの流体が侵入した場合でも、その流体をシャッター32の上面から流路36の上端に導いて、流路36の下端から電源台11の底部に送り出し、対向接点16A,16間のショート(短絡)を防ぐようにしている。また、隔離壁35を複数設けることで、対向接点16A,16を含む対向電極14A,14B間の電気絶縁性を高めることができる。
【0065】
一方、電源台11の内部に設けたコードリール13は扁平円板状で、その上面に2個のコードリール電極41A,41Bが上向きに突出して設けられる。また、これらのコードリール電極41A,41Bは、電源台11の内部に収容して設けられる。図示しないが、コードリール電極41A,41Bと対向電極14A,14Bひいては対向接点16A,16Bは、リード線などの線材で電気的に接続される。コードリール電極41A,41Bは対向電極14A,14Bから離れた位置にあって、さらにその間にはシャッター32が設けられていて互いに隔離されており、開口31A,31Bから流体が侵入した場合でも、その流体がコードリール電極41A,41Bに達しないように配置される。また、コードリール13の内部で、コードリール電極41A,41Bは前記電源コード12の基端に電気的に接続される。
【0066】
電源コード12の先端には、家庭用のコンセントなどに差込が可能な電源プラグ42が接続される。電源コード12は、図示しない付勢手段の付勢力によりコードリール13内の巻取り部に巻取られており、電源プラグ42を手で保持しながら、付勢手段の付勢力に抗して電源コード12を引き出すと、コードリール13の内部で巻取り部が係合部に係合して、電源コード12が引き出されたままの状態を保持する。また、そこから電源コード12を少し引き出すなどして、巻取り部と係合部との係合を解除すれば、付勢手段の付勢力が作用して、電源プラグ42がコードリール13の側面に突き当たる位置まで電源コード12が巻取られる。したがって、本実施例のように電源台11に対する本体1の載置に、水平方向の位置規制がある場合は、電源台11の向きや設置場所が頻繁に変わることになるが、コードリール13を利用して電源台11の移動時に電源コード12を容易に収容することができ、使い勝手が向上する。
【0067】
さらに、ここでのコードリール13は、コードリール電極41A,41Bを設けた上面の反対側に位置する外底面13Aが、電源台11の外底面の一部を構成して露出している。電源台11の外底面部材をコードリール13の外郭部材で兼用することで、電源台11の構造を簡素化できる。また、電源台11の略中央にコードリール13が配置されることから、コードリール13の重量で電源台11が傾いたりすることがなく、電源台11全体の重量が増加して、電源台11を設置したときの安定性(容易に動かない)を向上させることができる。
【0068】
以上のように本実施例では、本体1と、この本体1と分離した電源台11とを設けてなり、前記本体1は、容器3と、前記容器3の加熱装置4に接続する電極ピン9A,9Bと、この電極ピン9A,9Bに備えた接点15A,15Bとにより構成され、接点15A,15Bが下向きになるように、電極ピン9A,9Bを本体1の底部すなわち外底面に設けた電気湯沸かし器において、電源台11は、電源台11の上面に形成した開口31A,31Bに臨んで上向きに設けた対向接点16A,16Bと、開口31A,31Bを開閉するシャッター32とを備え、本体1を電源台11に載置しないときにはシャッター32が開口31A,31Bを覆う一方で、本体1を電源台11に載置したときにはシャッター32が移動して開口31A,31Bを開き、対向接点16A,16Bに接点15A,15Bが当接して、電源台11から加熱装置4への給電を行なう構成となっている。
【0069】
この場合、本体1の外底面から下向きに設けた接点15A,15Bに対向させて、電源台11には上向きに対向接点16A,16Bを設けたので、本体1を電源台11に載せると、常時垂直すなわち重力方向に、且つ特定のポイントで接点15A,15Bと対向接点16A,16Bが当接することになり、接点15A,15Bと対向接点16A,16Bとの間で安定した接触性を確保できる。また、本体1を電源台11に載せない限り、シャッター32で開口31A,31Bが塞がれるので、埃やゴミ,水などの異物の侵入を低減できる。さらに、電気的な接触性を良好にするために、例えば直径が1mm以上の対向接点16A,16Bを用いた場合に、開口31A,31Bから入った金属ピンなどの導電部材が対向接点16A,16Bに接触する虞れがあるが、シャッター32によりそうした導電部材が入らない構造となり、電気湯沸かし器としての安全性を高めることができる。
【0070】
また本実施例では、電源台11の所定部である上面外周囲に立上壁17を設け、この立上壁17から電源台11の内方に向けて傾斜面18を形成している。
【0071】
こうすると、電源台11に本体1を載せようとするときに、本体1の底部外周が立上壁17にガイドされ、電源台11に対する本体1の位置決めがなされて、水平方向における電源台11と本体1との位置ずれが防止される。また傾斜面18によって、本体1を電源台11に載せたときに、その傾斜面18に沿って本体1の外底面が電源台11の中央に案内され、電源台11と本体1との位置合わせの精度が向上し、位置ずれの防止効果がより有効なものとなる。
【0072】
また本実施例では、対向接点16A,16Bの台座である電極台19を所定方向である上方に突起させ、立上壁17に連接させて電極台19を設けている。
【0073】
こうすると、電極台19の上面を立上壁17の上面に連接させることで、上方に突起させた電極台19の強度が向上し、電極台19の変形やガタつきによって、対向接点16A,16Bの接触ポイントにずれが生じる不具合を防止できる。また、立上壁17をガイドにして本体1を電源台11に載置したときに、本体1の接点15A,15Bと電源台11の対向接点16A,16Bとの位置を安定的に合致する構造にできる。
【0074】
本実施例では、接点15A,15Bおよび対向接点16A,16Bが複数設けられており、それぞれの対向接点16A,16Bに接点板34A,34Bを設けると共に、対向接点16Aおよび接点板34Aと、対向接点16Bおよび接点板34Bとの間を隔離する隔離壁部として、一乃至複数の隔離壁35を設けている。
【0075】
こうすると、万一開口31A,31Bから水などの流体が入った場合でも、隔離壁35で対向接点16A,16Bが電気的に隔離され、流体でショートする懸念を払拭できる。また、接点板34A,34Bと隔離壁35との組み合わせにより、対向接点16A,16Bの電気的絶縁性を十分に確保できる。
【0076】
また本実施例では、隔離壁35を複数形成し、その隔離壁35間に溝状の流路36を形成している。
【0077】
こうすると、複数の隔離壁35により、対向接点16A,16Bが流体でショートする懸念をより払拭できる他、開口31A,31Bからの流体を流路36に導くことで、対向接点16A,16B間の部材に水が付着して閉回路が形成され、トラッキング現象が生じる虞れを防止できる。
【0078】
本実施例では、本体1に電力を供給する電源コード12と、電源コード12を巻取る巻取り手段としてのコードリール13を電源台11に設け、対向接点16A,16Bに接続するコードリール13の電極部すなわちコードリール電極41A,41Bを、電源台11の内部に収容している。
【0079】
従来、この種の電気湯沸かし器における電源台は、本体を電源台に載置する際の水平方向における位置規制がなく、使用の目的や使用の状況に応じて、電源台の位置を変える必要性が少なかったため、電源コードは単に電源台の裏面に外観から隠蔽させた状態で巻き付けているに過ぎず、その長さ調節が不便であった。しかし、本実施例ではコードリール13によって、電源台11から電源コード12を簡単に出し入れすることができ、容易に電源コード12の長さを調節できる。また本実施例では、電源台11の上面後方にある対向接点16A,16Bに、本体1の接点15A,15Bを接触させる関係で、本体1と電源台11の載置に水平方向の位置規制があり、電源台11の向きや設置場所を変える場合が多くなって、電源台11の向きを変えたときに電源コード12の長さ調整を行なったり、電源台11の設置場所を変えたときに電源台11を移動したりする必要があるが、電源コード12を容易に電源台11に収容できるので、電気湯沸し器としての使い勝手を向上できる。
【0080】
また、コードリール電極41A,41Bを電源台11の内部に収容することで、コードリール13も電源台11の内部に収容でき、電源台11の高さを抑制できる。そのため、電源台11の高さが増大して、本体1を載置したときに本体1の設置が不安定になることを防止できる。
【0081】
また、本実施例のコードリール13は、コードリール電極41A,41Bと反対側にある外底面13Aが、電源台11の例えば外底面に露出している。
【0082】
こうすると、コードリール13を利用して電源台11の外郭部材を兼用させることができ、電源台11の構造を簡素化できる。
【0083】
さらに、本実施例のコードリール電極41A,41Bは、対向接点16A,16Bと隔離して所定方向の例えば上向きに設けられる。
【0084】
このように、コードリール電極41A,41Bを電源台11の内部で上向きに設けることで、コードリール電極41A,41Bと電源台11の対向接点16A,16Bは、自ずと対面することになり、双方の部材間でリード線での結線を行なう電気的接続が容易になる。また、コードリール電極41A,41Bを本体1へ電力を供給するための対向接点16A,16Bと所定距離離して隔離させたことで、開口31A,31Bから液体が侵入した場合に、コードリール電極41A,41Bに液体が付着するのを防止でき、安全性を高めることが可能になる。
【0085】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 本体
4 加熱装置
7 ハンドル
8 制御装置
9A,9B 電極ピン(電極)
11 電源台
13 コードリール(巻取手段)
14A,14B 対向電極
15A,15B 接点
16A,16B 対向接点
17 立上壁
18 傾斜面
19 電極台(台座)
20 立壁部(壁部)
22 表示部
31A,31B 開口
34A,34B 接点部
35 隔離壁(隔離壁部)
36 流路
41A,41B コードリール電極(電極部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体と分離した電源台とを設けてなる電気沸かし器において、
前記本体は容器を備えると共に、所定方向にハンドルを備え、
前記ハンドルに、加熱装置に接続して前記本体の後方から視認可能な電極を設け、
前記ハンドルに加熱状態を表示する表示部とを設け、
前記電源台の後方に対向電極を設け、
前記電源台に前記本体を載置すると、前記電極が前記対向電極に当接して、前記電源台から前記本体への給電が行なわれる構成としたことを特徴とする電気湯沸かし器。
【請求項2】
前記電源台の後方に前記対向電極を有する電極台を設け、
この電極台は、前記電源台の他の部位よりも前記電極台を高く配置する壁部を形成したことを特徴とする請求項1記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
前記容器を傾斜させたことを特徴とする請求項1または2記載の電気湯沸かし器。
【請求項4】
前記本体は、前記電極に備えた接点を有し、
前記電極を本体の底部に設けた電気湯沸かし器において、
前記電源台は、対向接点と開口を開閉するシャッターとを備え、
前記本体を前記電源台に載置しないときには前記シャッターが前記開口を覆う一方で、前記本体を前記電源台に載置したときには前記シャッターが移動して前記開口を開き、前記対向接点に前記接点が当接して、前記電源台から前記加熱装置への給電を行なう構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに一つに記載の電気湯沸かし器。
【請求項5】
前記電源台の所定部に立上壁を設け、この立上壁から前記電源台の内方に向けて傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに一つに記載の電気湯沸かし器。
【請求項6】
前記対向接点の台座を所定方向に突起させ、前記立上壁に連接させて設けたことを特徴とする請求項5記載の電気湯沸かし器。
【請求項7】
前記対向接点に接点板を設けると共に、前記対向接点および前記接点板間を隔離する隔離壁部を設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の電気湯沸かし器。
【請求項8】
前記隔離壁部間に流路を形成したことを特徴とする請求項7記載の電気湯沸かし器。
【請求項9】
電力を供給する電源コードと、前記電源コードを巻取る巻取り手段とを前記電源台に設け、前記対向接点に接続する前記巻取り手段の電極部を、前記電源台の内部に収容したことを特徴とする請求項4〜8のいずれか一つに記載の電気湯沸かし器。
【請求項10】
前記巻取手段は、前記電極部の反対側面が前記電源台に露出することを特徴とする請求項9記載の電気湯沸かし器。
【請求項11】
前記電極部は、前記対向接点と隔離して所定方向の向きに設けられることを特徴とする請求項9または10記載の電気湯沸かし器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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