説明

電気炊飯器

【課題】 具のもつ固有の美味さを活かした炊込みができる炊込み炊飯メニューを備えた炊飯器を提供すること。
【解決手段】 鍋と、開口部及び加熱手段を有する炊飯器本体と、炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、鍋内の内圧を調整する圧力弁と、圧力弁を制御する圧力弁開放機構と、各種炊飯メニューを選択する選択手段と、選択手段により選択された炊飯メニューにより加熱手段及び圧力弁開放機構を制御して鍋内の被炊飯物に水分を吸水させる吸水工程Iと、被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程IIと被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程IIIと、被炊飯物を蒸らす蒸らし工程IVと、を順次実行する制御手段と、を備え、蒸らし工程IVには蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間IV2を設け、制御手段は、選択手段により炊込み炊飯メニューが選択されたときに、この蒸らし待機期間に蓋体を一時開成して鍋内への炊込み具の投入を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に係り、さらに詳しくは炊込み炊飯メニューを備えた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電気炊飯器は、一般家庭において必需品となっており、種々タイプの炊飯器が開発されている。近年の炊飯器は、マイクロコンピュータが組み込まれて、このコンピュータメモリに種々の炊飯メニューが記憶されて、ユーザーが好みの炊飯メニューを選定して炊飯できるようになっている。この炊飯メニューには、例えば、白米、玄米などの米の種類に応じて炊き上げるメニュー、種々の硬さなどを選択できるメニュー、或はおこわ、炊き込みメニューなどの様々なものが開発されている。
【0003】
これらの炊飯メニューのうち、炊込み炊飯は、(i)洗米した米に醤油などの調味料及び生の具を一緒に混ぜて炊き込む方法、或は(ii)洗米した米に市販のレトルト炊き込み食品を加えて炊き込む方法などで行なわれている。上記(ii)のレトルト食品は、通常、醤油、鰹節や昆布などのだし汁にみりんなどを混ぜ合わせて濃縮した味付け汁と、予め濃い味付けにして煮込んだ茸などの炊込み具とを一緒にして袋詰めしたものとなっている。
【0004】
ところが、このレトルトの炊込み食品を使用すると、この食品には液体成分が含まれているので、炊飯時に通常の炊飯通りの水加減にして、この炊込み食品を加えてしまうと、全体の水分量が多くなってしまい、好みの炊き込みができないことがある。このため、このレトルト食品を使用する炊き込みは、その水加減が難しくなっている。
【0005】
この課題を解決するために、特殊な乾燥味付け材を使用した炊込み炊飯が下記特許文献1に紹介されている。この炊込み炊飯は、まず、釜に米と水を入れた後に、米の上に生の具を載せ、この具の上から乾燥味付け材をふりかけて炊飯し、ご飯を乾燥味付け材の溶液で味付けするものである。なお、この乾燥味付け材は、醤油5.0〜35.0乾燥重量%、旨味成分10.0〜80.0乾燥重量%、糖分16.0〜25.0乾燥重量%、食塩10.0〜25.0乾燥重量%を配合したものとなっている。また、下記特許文献2には、炊き上がったご飯の上に柑橘類の果皮を散す炊込み炊飯が記載されている。この炊込み炊飯は、炊飯器具の内部に、米と炊飯用昆布だし汁、塩、柑橘類の果肉入り果汁を入れて炊飯した後に、この炊き上がったご飯の上に柑橘類の果皮を散して、ご飯と柑橘類の果皮とを攪拌具でかき混ぜて炊込みご飯を作るものである。
【特許文献1】特許第3845324号公報(段落〔0016〕〜〔0022〕、図1)
【特許文献2】特開2004−89167号公報(段落〔0005〕〜〔0008〕、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記(i)、(ii)の炊込み炊飯は、炊飯時に洗米した米に生の具或いはレトルト食品を一緒に混ぜて炊飯するので、具のもつ固有の美味さが活かされず、また水加減が難しくなるなどの課題が潜在している。例えば、洗米した米に生の具を混ぜて炊込む炊飯は、ご飯と具とが同じ濃さの味付けになってしまい具の味付けが不足し、しかも、具の味を活かした炊き込みができない。また、予め具に下味を付けることも考えられるが、これでは手間がかかってしまうし、風味も抜けてしまうことになる。さらに、予め煮込んだ具と味付け汁とを一緒に袋詰めしたレトルト食品は、きのこなどの具の風味や歯ごたえを保つことができないので、出来上がった炊き込みご飯は具が入っていても、その風味に欠け、具の歯ごたえにも物足りなさが残る。これは、具を煮込む時と、レトルトにする際の加熱殺菌時と、炊込み炊飯時とで、炊込む具は少なくとも3回加熱されているので、加熱する度に風味が抜けてしまうからである。特に、具の風味と食感が重要な具、例えば、旬の松茸などの炊き込みは松茸の風味が抜けてしまうことになる。この点、上記特許文献2の炊込み炊飯は、炊き上がったご飯に柑橘類を混ぜ合わせるので、柑橘類の香りが揮散して、食欲を増進させ、食した瞬間口の中に柑橘類の甘酸っぱさを漂わせることができる。しかし、この具は柑橘類の果皮、すなわち、煮炊きが不要な具に限定されるので煮炊きが必要な具を使用することができない。
【0007】
本発明は、このような炊込み炊飯の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、具のもつ固有の美味さを活かした炊込みができる炊込み炊飯メニューを備えた炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本願の請求項1の炊飯器の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、この鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、この炊飯器本体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、各種の炊飯メニューを選択する選択手段と、この選択手段により選択された炊飯メニューにより前記加熱手段を制御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分を吸水させる吸水工程と、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、この維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程を順次実行する制御手段と、を備えた炊飯器において、前記蒸らし工程には、該蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間を設け、前記制御手段は、前記選択手段により炊込み炊飯メニューが選択されたときに、該蒸らし待機期間に前記蓋体を一時開成して前記鍋内への炊込み具の投入を可能にすることを特徴とする。
【0009】
本願の請求項2の発明は、請求項1に記載の炊飯器において、前記蒸らし待機期間は、前記沸騰維持工程終了後の前記鍋内の内圧が低下した時点に設定されていることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に移行する前に、前記蓋体を開成し炊込み具の投入が可能であることを報知することを特徴とする。
【0011】
本願の請求項3の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間経過後に前記加熱手段を制御して前記鍋内の温度を上げて投入された炊込み具を加熱調理し、残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【0012】
本願の請求項5の発明は、請求項4に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間の経過前に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされたときに、該蒸らし待機期間を短縮して、直ちに残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【0013】
本願の請求項6の発明は、請求項4に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされず該蒸らし待機期間が徒過したときは自動的に残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【0014】
本願の請求項7の炊飯器の発明は、被炊飯物が投入される鍋と、この鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、この炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、この蓋体に装着されて前記鍋内の内圧を調整する圧力弁と、この圧力弁を制御する圧力弁開放機構と、各種の炊飯メニューを選択する選択手段と、この選択手段により選択された炊飯メニューにより前記加熱手段及び前記圧力弁開放機構を制御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分を吸水させる吸水工程と、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、この沸騰維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程を順次実行する制御手段と、を備えた圧力式の炊飯器において、前記蒸らし工程には、該蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間を設け、前記制御手段は、前記選択手段により炊込み炊飯メニューが選択されたときに、前記蒸らし待機期間に前記蓋体を一時開成して前記鍋内への炊込み具の投入を可能にすることを特徴とする。
【0015】
本願の請求項8の発明は、請求項7に記載の炊飯器において、前記蒸らし待機期間は、前記沸騰維持工程終了後に前記圧力弁開放機構により前記圧力弁を開成させて前記鍋内の圧力を抜いた後に設定されていることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項9の発明は、請求項7又は8に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に移行する前に、前記蓋体を開成し炊込み具の投入が可能である信号を報知することを特徴とする。
【0017】
本願の請求項10の発明は、請求項7〜9のいずれか1つに記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間経過後に前記加熱手段を制御して前記鍋内の温度を上げて投入された炊込み具を加熱調理し、残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【0018】
本願の請求項11の発明は、請求項10に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間の経過前に炊込み具の投入及び前記蓋体の閉成がなされたときは、該蒸らし待機期間を短縮して、直ちに残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【0019】
本願の請求項12の発明は、請求項10に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされず該蒸らし待機期間が徒過したときは自動的に残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏するものである。すなわち、請求項1の発明によれば、蒸らし工程において、この工程を一時中断させる蒸らし待機期間を設け、この待機期間に炊き込み具を投入するので、具の新鮮味、香りなどを活かした炊き込みができる。すなわち、炊き込み具は完全に煮込んだものでなく、生或は半生の具が使用できるので、新鮮な生のもの、例えば具が貝類であれば牡蠣、サザエなど、或は豆類、茸類であれば、グリーンピース、松茸などの旬のものが使用でき、これらの新鮮味、香りなどを活かした炊き込みが可能になる。
【0021】
請求項2の発明によれば、蒸らし待機期間は、沸騰維持工程終了後の前記鍋内の内圧が低下した時点に設定されるので、蓋体の開成したときに被炊飯物が飛散することがなく安全に具の投入が可能になる。
【0022】
請求項3の発明によれば、制御手段は、蒸らし待機期間に移行する前に蓋体を開成し炊込み具の投入が可能である信号を報知するので蓋体の開成及び具の投入が容易になる。
【0023】
請求項4の発明によれば、制御手段は、蒸らし待機期間経過後に加熱手段を制御して鍋内の温度を上げて投入された炊込み具を加熱調理し、その後蒸らすことにより、短期間に具の煮込みが可能になる。
【0024】
請求項5の発明によれば、制御手段は、蒸らし待機期間の経過前に蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされたときは、この蒸らし待機期間を短縮して、直ちに残りの蒸らし工程を実行するので、蒸らし工程の時間を短縮することができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、制御手段は、蒸らし待機期間に蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされず待機期間が徒過したときは自動的に追炊きを開始するので、何らかの事情で蓋体が開成されず具の投入がされない場合に対応でき、炊飯工程に支障をきたすことがなくなる。
【0026】
請求項7の発明によれば、圧力式の炊飯器において、請求項1と同様の作用効果を奏することができる。
【0027】
請求項8の発明によれば、蒸らし待機期間は沸騰維持工程終了後に圧力弁開放機構により前記圧力弁を開成させて鍋内の圧力を抜いた後に設定されているので、蓋体の開成したときに被炊飯物が飛散することがなく安全に具の投入が可能になる。
【0028】
請求項9〜12の発明によれば、圧力式の炊飯器において、各炊飯器は、請求項3〜6と同様の作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこの炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【0030】
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る炊飯器の構造及び制御手段を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る炊飯器を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の表示部分の拡大図、図2は図1の炊飯器の外ケース等が省略された縦断面図、図3は図2の圧力弁開放機構を拡大した拡大断面図、図4は制御手段のブロック図である。
【0031】
炊飯器1は、図1、図2に示すように、被炊飯物が投入される鍋7と、上方にこの鍋7が収容される開口部及び内部にこの鍋7を加熱し被炊飯物を加熱する加熱手段5a、5bを有する炊飯器本体(以下、本体という)2と、この本体2の一側に枢支されて開口部を覆い閉塞状態に係止する係止機構を有する蓋体10と、この蓋体10に装着されて鍋7内の内圧を調整する圧力弁13と、この圧力弁を制御する圧力弁開放機構18と、各種の炊飯メニューを表示して選択する表示操作部25と、選択された炊飯メニューにより加熱手段5a、5b及び圧力弁開放機構18を制御する制御手段24と、を備えている。
【0032】
本体2は、図1、図2に示すように、有底の箱状外部ケース3と、この外部ケースに収容されその中に鍋7が収容される内部ケース4とからなり、外部ケース3と内部ケース4との間に隙間が形成され、この隙間に制御手段24を構成する制御回路基板等(図示省略)が配設されている。内部ケース4は、その底部4a及び側部4bに加熱手段5a、5b、底部4aに鍋底温度を検出するサーミスタ等からなる鍋底温度センサ6が設けられている。加熱手段5a、5bには、ドーナツ状に巻装した電磁誘導コイル(以下、IHコイルと言うことがある)が使用されている。なお、蓋体10にも上蓋ヒータが設けられているが、図2では省略されている。鍋7は、水及び米とからなる所定量の被炊飯物が投入される比較的深底の容器からなり、アルミニウムとステンレスとのクラッド材で形成されている。
【0033】
蓋体10は、図2に示すように、鍋7の開口部を閉蓋する内蓋11と、本体2の開口部全体を閉蓋する外蓋12等とで構成されている。この蓋体10は、一端が本体2の一端に枢支され、他端が本体の他端に係止機構により係止されるようになっている。内蓋11上部には、圧力弁13とこの圧力弁を開放させる圧力弁開放機構18が設けられている。圧力弁13は、図3に示すように、所定径の弁孔14が形成された弁座15と、この弁孔14を塞ぐように弁座15上に載置される金属製ボール16と、このボール16の移動を規制しボール16を弁座15上に保持するカバー17とで構成されている。また、圧力弁開放機構18は、電磁コイルが巻回されたシリンダ19aと、このシリンダ19a内を電磁コイルの励磁により摺動してボール16を移動させるプランジャ19bと、プランジャの先端に装着されたバネ及び作動棹20とで構成されている。圧力弁開放機構18は、制御手段24により制御される。すなわち、制御手段24からの指令に基づいて電磁コイルが励磁されると、プランジャ19bがシリンダ19aから飛出してボール16に衝突し、このボール16を横方向に押し出す。この押し出しにより、ボール16は弁孔14上から移動されて弁孔14を強制的に開放させる。また、この開放状態において、電磁コイルへの励磁がストップされると、プランジャ19bがシリンダ19a内にばね力により引き戻され、この引っ込みにより、プランジャ19bがボール16を横方向に押す力がなくなり、ボール16は弁孔14上に戻り、弁孔14がボール16により閉塞される。外蓋12には、内蓋11と外蓋12との間の空間と大気とを連通する蒸気口21が設けられている。また、内蓋11には、鍋内の圧力が所定圧力以上の異常圧力に上昇したときに、鍋7内の蒸気を、蒸気口21を介して外部に逃がすための安全弁22が設けられている。また、この内蓋11には、蒸気温度センサ23(図3参照)が取り付けられている。
【0034】
本体2の前面壁には、各種の炊飯メニューが表示され、この表示されたメニューから所定のメニュー等を設定する複数個の操作釦等を備えた表示操作部25が設けられている。この表示操作部25は、図1に示すように、各種の炊飯選択メニュー及び時刻等が表示される表示パネル8と、この表示パネル8の左右及び下方に複数個のスイッチ操作釦3a〜3f、9が配設されている。これらの操作釦は、炊飯器を作動させる炊飯スタート釦3a、炊飯予約をする予約釦3b、炊飯等の設定を取消す切釦3c、米を選択するお米選択釦3d、炊飯メニューを選択するメニュー釦3e、コースを選択するコース釦3f、及び表示パネル8に表示されたメニュー等を選択・決定する十字シフトキー9となっている。
【0035】
これらの釦及びキーは、押し釦式のスイッチを構成する操作釦等であって、この釦或いはキーを押圧することにより、それぞれのスイッチ(図示省略)が作動されるようになっている。これらの操作釦3a〜3fのうち、メニュー釦3eは、各種炊飯メニューを表示パネル8に表示させるもので、この釦を押圧すると、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、炊込み、おこわ、もちもちなどの炊飯メニューが表示される。また、お米選択釦3dは、米の種類を選定するもので、例えば白米、無洗米、玄米、発芽玄米等の何れかを選択するものである。更に、コース釦3fは、うまみ保温、おやすみ保温及びクリーニング等を選択するものである。また、十字シフトキー9は、表示パネル8に表示された種々のメニューから所定のメニューを選択するもので、表示された炊飯メニュー、例えば、ふつう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし、カレー用、もちもち、四季炊き(春、夏、秋、冬)等から十字シフトキー9を操作してカーソル(点滅表示)を上下及び左右に移動させて選択するものである。表示パネル8に表示される春、夏、秋、冬は、四季の変移、すなわち1年を通して美味しいご飯を炊き上げるものである。なお、表示パネル8には、その他、甘み、粘り及び硬さが表示され、それぞれのレベルが設定できるようになっている。
【0036】
制御手段24は、図4に示すように、CPU、ROM、RAMなどが搭載された回路基板からなるハードウェアを備え、炊飯/スタート釦3a、メニュー選択釦3e、炊飯予約釦3b及び取消/保温釦3c、鍋底温度センサ6、蒸気センサ23などにそれぞれ接続され、これらの釦及びセンサからの信号がCPUに入力されるようになっている。また、CPUには、所定時間を計時する第1〜第4タイマー及びROM、RAMが接続されている。また、出力部(ドライバ)には、ヒータ(IHコイル)5a、5b、圧力弁開放機構(ソレノイド)19a’、および表示器8などが接続されている。ROMには、各種の炊飯メニューおよびこのメニューを実行するプログラムが収納されている。第1タイマーは吸水時間TA(t0)を設定して計時する吸水タイマー、第2タイマーは蒸らし時間TB(t)が設定されて計時する蒸らしタイマー、第3タイマーは第1蒸らし工程IV1の時間TC(t1+t2)が設定されて計時するタイマー、第4タイマーは蒸らし待機時間IV2のTD(t3)が設定されて計時するタイマー、第5タイマーは、第2蒸らし工程IV3の時間TE(t4+t5)が設定されて計時するタイマーである。
【0037】
次に、図5を参照して、炊込み炊飯の概要を説明する。なお、図5は炊込み炊飯工程における鍋内の温度及び圧力変化を示した曲線図である。
【0038】
炊飯工程は、所定の吸水温度及び時間で米に所定量の水を吸水させる吸水工程Iと、この吸水後に炊飯物を沸騰温度まで昇温加熱する立上加熱工程IIと、所定の沸騰維持電力で所定時間沸騰状態に維持する沸騰維持工程IIIと、この沸騰維持終了後に炊飯されたご飯を所定時間蒸らす追い炊き工程IVと、を有している。
【0039】
吸水工程Iでは、IHコイルへの通電を所定時間間隔でオン・オフして、鍋内の温度を所定温度θ1にして所定時間t0を掛けて被炊飯物に所定量の水を吸水させる。温度θ1は、固定値でなく所定の幅、59.0〜59.9℃範囲の値にするのが好ましい。吸水時間TAは例えば18分である。立上加熱工程IIでは、IHコイルへの通電をオンすると共に圧力弁13を閉成して、吸水後の被炊飯物を沸騰温度まで昇温加熱する。この立上加熱工程IIでは、鍋内の圧力が大気圧から略1.2気圧まで昇圧する。この加熱・昇圧により鍋内の被炊飯物は沸騰状態になる。次の沸騰維持工程IIIでは、IHコイルへの通電及び圧力弁13の開閉を所定の時間間隔で行う。
【0040】
この沸騰維持工程IIIにおける圧力弁13の開閉は、沸騰維持工程の初期段階に1回乃至数回行う。この圧力弁の開成により、鍋内の内圧は、1、2気圧から略大気圧近傍まで一気に低下する。この圧力変化により、鍋内で炊飯物が激しく攪拌されて、突沸現象が発生する。この突沸現象により、鍋内の米粒は攪拌される。特に、沸騰維持工程の初期段階に圧力弁の開閉を行うと、この段階では鍋内の水が多くなっているので米粒は効率よく攪拌される。一方IHコイルへの通電は、圧力弁13の開閉に同期してオン/オフする。すなわち、圧力弁が閉成されているときはIHコイルへの通電をオンし、開成のときはオフする。蒸らし工程IVの途中には、蒸らしを一時中断して所定期間待機する蒸らし待機期間IV2を設ける。すなわち、この蒸らし待機期間IV2は、第1、第2蒸らし工程IV1、IV3との間に設ける。このため、全体の蒸らし工程IVの時間は、標準の蒸らし工程の時間より長くする。例えば、標準の蒸らし工程の時間tを16分とすると、2分程の延ばし17分とする。この2分の間は炊込み具の投入などの時間となる。
【0041】
この蒸らし工程IVのうち、第1蒸らし工程IV1は、所定時間(t1+t2)に設定し、時間t1は、圧力弁13を閉成し鍋内の温度を上昇させて追炊きする時間に設定し、続く時間t2は、圧力弁13を開成して鍋内の圧力を抜き蓋体の開成ができる状態に準備する時間に設定する。この第1蒸らし工程IV1では、蒸らしを開始した所定時間後、すなわち沸騰維持工程IIIの終了後の所定時間t1後に、圧力弁を開成して鍋内の圧力を抜き、所定時間t2経過後に蓋体が開成できるようにする。時間t1とt2との関係は、t2>t1に設定されている。
【0042】
この時間t2は、圧力弁13を開成後、鍋7内の圧力をほぼ抜いて鍋内外の圧力差をなくして被炊飯物が飛散しない安全性を考慮して設定される。この時間は、例えば約3分程度にする。蒸らし工程IV1の時間(t1+t2)は、合計で5分とし、その内訳でt1は2分、t2は3分にする。また、この蒸らし開始後、所定時間(t1+t2)経過後に蓋体の開成が可能で炊込み具の投入ができることを促す信号を報知する。この報知は表示操作部25での点滅などによって行う。この時間(t1+t2)経過後に、蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間IV2に移行する。この蒸らし待機期間IV2に移行すると、鍋内の圧力が抜かれ、しかも、IHコイルへの通電もオフしているので、炊飯物が外へ飛散するようなことがなく安全に蓋体を開成できる。そこで、蓋体を開成して鍋内に予め調理して置いた炊込み具を投入する。この炊込み具は、具の種類によっても異なるが、完全に煮込んだものでなく、生或は半生の具が使用される。例えば、具が牡蠣、サザエなどの貝類であれば、新鮮な生のものであり、グリーンピースなどの豆類であれば、旬のものである。鍋内に具を投入した後に、蓋体を閉成して、スタート炊飯釦を押して、次に、蒸らし工程IV3へ移行させる。
【0043】
この間の蒸らし待機期間IV2の時間は、最大で時間t3に設定する。この時間t3は、蓋体の開成、炊込み具の投入及び蓋体の閉成を行う一連の作業に要する時間と、炊込み炊飯メニューを設定したにも拘わらず具の投入が行われない場合があるので、これらの事情を考慮して設定する。すなわち、この時間t3は、第1蒸らし工程IV1から蒸らし待機期間IV2に移行した後に、蓋体の開成、具の投入及び蓋体の閉成を行う一連の作業に要する時間が最小限必要となる。この時間は、経験から1分前後掛る。一方、第1蒸らし工程IV1から蒸らし待機期間IV2に移行後に、蓋体の開成、炊込み具の投入、蓋体の閉成及び炊飯釦のオンが行われないと、この時間t3を長くして置くと、長い時間が無駄に徒過されてしまい、全体の炊飯時間が長くなり、しかも、鍋内の温度が極度に低下してしまい蒸らしが失敗し、ご飯の炊き上がりが悪くなる。したがって、このような状況を考慮し、中断しても蒸らしに悪影響を与えない時間に設定する必要があり、この時間t3は経験から2分以内が好ましい。この蒸らし待機期間IV2の時間t3は、少なければ少ない程、蒸らしへの影響が少なくできるので、時間t3が経過する前に炊込み具が投入され、蓋体が閉成された後に炊飯スタート釦が押さたときは、この待機時間IV2の時間t3を短縮して、次の蒸らし工程IV3へ移行させる。待機時間を短縮した分、蒸らし工程の時間が短くなる。第2蒸らし工程IV3では、まず時間t4掛けて鍋内に投入された生の具を煮、次いで、時間t5掛けて蒸らす。炊込み具を煮る時、この蒸らし工程IV3の時間t4の間は、IHコイルへの通電を行うと共に圧力弁を閉成して鍋内の温度及び内圧を上げて、鍋内に投入された具を煮込む。この時間t4は、経験から例えば5分2秒(320秒)にする。この時間は具を煮込む煮込み時間となっており、5分20秒あれば、鍋内の余熱も加わって生の具であっても具の新鮮味を活かして煮込むことができる。この煮込みが終了した後は、IHコイルへの通電を停止すると共に圧力弁を開成して、残りの蒸らし時間t5掛けて、通常の蒸らしを行う。
【0044】
表示操作部25で炊込み炊飯メニューが選定されると、蓋体の開成ができ鍋内への具の投入ができることが表示パネルなどに報知されるが、何らかの事情で蓋体が開成されず炊込み具の投入がされないことがある。このような場合に備えて、最大時間t3を待って、この時間が経過した後に、自動的に蒸らし工程IV3へ移行し蒸らしを行う。このとき、鍋内に炊込み具が投入されたのと同じ第2蒸らし工程IV3で炊飯を行う。すなわち、この第2蒸らし工程IV3では、鍋内の圧力及び温度を上昇させて蒸らし工程を実行する。この温度上昇は、蒸らし中断で低下した温度を元に戻すのと具を煮込む温度に設定されているが炊込み具の投入がないので、その分過熱ぎみになるが、おこげができる程度で炊飯の障害となることがない。
【0045】
次に、図5、図7〜図9を参照して、炊込み炊飯メニューを実行する炊飯工程を説明する。なお、図7〜図9は炊込み炊飯メニューの炊飯工程のフローチャートである。
【0046】
まず、炊込み炊飯メニューをスタートする前に、鍋7内に所定量の白米、水及び所定の出汁などの被炊飯物を収容して炊込みの準備をする。被炊飯物を収容した鍋7を内部ケース4内に収容し、蓋体10を閉めて本体2に係止してロックする。
【0047】
ステップS1において炊飯予約をしない場合は、ステップS5で炊飯/スタート釦3aを押圧して、インバータ回路を起動しIHコイル5aへの通電を行い、炊飯を開始する(ステップS6〜S8)。なお、炊飯予約する場合は、ステップS2でタイマーに予約時間をセットして、炊飯予約モードで炊飯する(ステップS3、S4)。
【0048】
この通電により、内部ケース4の底壁に取り付けたIHコイル5aに高周波電流が流れて、鍋7に渦電流が発生し鍋7が発熱して被炊飯物の加熱が開始される。同時に、制御手段24により圧力弁開放機構18を作動させてボール16を移動せしめ、圧力弁13を開状態にして吸水工程Iを実行する(ステップS9、S10)。この吸水工程Iでは、第1タイマーに吸水時間TA、例えば18分をセットして置く(ステップS11、S12)。この吸水工程Iが開始されると、第1タイマーが吸水時間TA(t0=18分)の計時を開始する(ステップS13)。この吸水時間に、鍋底温度センサ6により鍋底温度K1を計測し、この計測値K1が所定の温度(θ1)60℃(実際は59.9℃)に達するまでIHコイル5aへの通電のオン、オフが行われる(ステップS14〜S18)。第1タイマーがタイムアップすると、次の立上加熱工程IIへ移行する。この立上加熱工程IIでは、短時間で沸騰状態になるようにフルパワーで加熱を行うと共に圧力弁13を閉成する(ステップS19、S20)。フルパワー加熱制御及び圧力弁の閉成は制御手段24で行う。圧力弁13は、圧力弁開放機構18を作動させてプランジャ19aを引き戻すことでボール16により圧力弁13を閉成する。この圧力弁13の閉成は、ボール16が自重により弁孔14上に転がって弁孔14を塞ぐことによって行われる。ステップS21で蒸気センサ23により蒸気温度K2を計測する。ステップS22でこの計測値K2が75℃に達しているか否かを判定し、達している場合は、立上加熱工程IIを終了させて、次に沸騰維持工程IIIへ移行させる(ステップS23)。沸騰維持工程IIIへ移行すると、鍋7内の圧力は大気圧以上の所定圧力、例えば約1.2気圧とし、米粒はこの圧力に対応する飽和温度で沸騰する。この沸騰維持工程IIIへ移行した初期段階から、制御手段24により圧力弁開放機構18を作動させて圧力弁13を強制的に複数回開成させる(ステップS24)。この圧力弁の強制的開動作により、鍋7内の圧力が大気圧近傍まで低下する。鍋7内の圧力が所定沸騰圧力(約1.2気圧)から一気に大気圧近傍まで低下すると、鍋7内が激しい突沸状態となる。この突沸状態になると、鍋内に泡が発生しこの泡によって米粒が撹拌される。なお、この沸騰維持工程IIIにおいて所定の時間が経過すると、鍋7内の残水量が減少し、圧力変動幅が小さくなり、突沸現象が弱くなる。このため、圧力弁の強制的な開放は沸騰維持工程の初期段階に集中させると効果的である。圧力弁13を複数回開放する操作を終える(ステップS25)と、ステップS26において圧力弁開放機構18による圧力弁の強制的開放を停止し、圧力弁13を閉状態にすると共にIHコイル5aへの通電を制御して沸騰状態を維持する(ステップS26、S27)。ステップS28において鍋底温度K3を計測する。ステップS29において鍋底温度K3が所定温度、例えば130℃になると、鍋7内の水が枯れて強制ドライアップが終了したと判断されるので、ステップS30においてIHコイル5aへの通電を停止し、圧力弁13の閉成を維持したまま蒸らし工程IVへ移行する(ステップS31、S32)。
【0049】
この蒸らし工程IVは、第1蒸らし工程IV1、蒸らし待機期間IV2及び第2蒸らし工程IV3に区分されている。まず、ステップS33で蒸らし工程IVを実行する全体の蒸らし時間(t=17分)を第2タイマーにセットして、ステップS34でこの第2タイマーの時間(TB)を計時する(ステップS34)。ステップS35で第1蒸らし工程IV1の第3タイマー(TC)に設定された時間(t1=2分)を計時し、この2分経過後に圧力弁13を開成する(ステップS36、S37)。ステップS38で5分経過するとステップS39で報知器を作動させて蒸らし待機期間IV2に移行させる。ステップS40で第4タイマーに待機期間(TD=t2)をセットし、ステップS41でこの時間内に表示パネル8の表示を点滅させて蓋体の開成が可能で煮込み具の投入を促す(ステップS42。この時点では、圧力弁が開成され鍋内の圧力がほぼ抜かれて鍋内外の圧力差がなくなっており、しかも、IHコイルへの通電もオフされているので、炊飯物が外へ飛散するようなことがなく安全に蓋体を開成できる。そこで、蓋体を開成して鍋内に予め調理して置いた炊込み具を投入する(ステップS43、S44)。この炊込み具は、具の種類によっても異なるが、完全に煮込んだものでなく、生或は半生の具が使用される。例えば、具が牡蠣、サザエなどの貝類であれば、新鮮な生のものであり、グリーンピースなどの豆類であれば、旬のものである。その後、蓋体を閉成して、炊飯スタート釦3aをオンする(ステップS45、S46)。これにより、蒸らし待機期間IV2が終了する(ステップS47)。次の蒸らし工程IV3では第5タイマーに設定した時間(t4)掛けて、投入された炊込み具を煮込む(ステップS48)。この煮込みは、IHコイルへの通電をオンすると共に圧力弁を閉成して行われる(ステップS49〜S51)。ステップS49で第2蒸らし時間が終了すると、IHコイルへの通電をオフすると共に圧力弁を開成して、第2タイマーでの時間差2分間蒸らし工程を実行する。この蒸らし工程IVが終了した後は保温工程へ移行して保温する(ステップS52〜S56)。
【0050】
また、表示操作部25などに炊込み具の投入が報知されたにも拘わらず、何らかの事情で蓋体が開成されず炊込み具の投入されないことがある。この場合は、蒸らし待機期間IV2が終了した後に、次の蒸らし工程IV3へ移行させて蒸らす。この場合、煮込み時間t3内に鍋内の圧力及び温度を上昇させて蒸らし工程を実行する。この温度上昇は、蒸らし中断で低下した温度を元に戻すのと具を煮込む温度に設定されているが炊込み具の投入がないので、その分過熱ぎみになるが、おこげができる程度で炊飯の障害となることがない。
【0051】
本発明は、圧力式の炊飯器で説明したが、この圧力式の炊飯器に限定されず、常圧式の炊飯器でよい。また、加熱手段は、誘導コイルによる渦電流によって加熱するIH加熱方式に限らず、ヒータを内装した熱板を鍋底に装着したものやその他の加熱方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明の実施形態に係る炊飯器を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の表示部分の拡大図である。
【図2】図2は図1の炊飯器の外ケース等が省略された縦断面図である。
【図3】図3は図2の圧力弁開放機構を拡大した拡大断面図である。
【図4】図4は制御手段のブロック図である。
【図5】図5は炊込み炊飯工程における鍋内の温度変化及び圧力変化を示した曲線図である。
【図6】図6は炊飯フローチャート図である。
【図7】図7は図6に続く炊飯フローチャート図である。
【図8】図8は図7に続く炊飯フローチャート図である。
【図9】図9は図8に続く炊飯フローチャート図である。
【符号の説明】
【0053】
1 炊飯器
2 炊飯器本体
3 外部ケース
4 内部ケース
5a 加熱手段(IHコイル)
5b 加熱手段(IHコイル)
6 鍋底温度センサ
7 鍋
10 蓋体
11 内蓋
12 外蓋
13 圧力弁
16 ボール
17 カバー
18 圧力弁開放機構
22 安全弁
21 蒸気口
24 制御手段
25 表示操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物が投入される鍋と、この鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、この炊飯器本体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、各種の炊飯メニューを選択する選択手段と、この選択手段により選択された炊飯メニューにより前記加熱手段を制御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分を吸水させる吸水工程と、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、この維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程を順次実行する制御手段と、を備えた炊飯器において、前記蒸らし工程には、該蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間を設け、前記制御手段は、前記選択手段により炊込み炊飯メニューが選択されたときに、該蒸らし待機期間に前記蓋体を一時開成して前記鍋内への炊込み具の投入を可能にすることを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記蒸らし待機期間は、前記沸騰維持工程終了後の前記鍋内の内圧が低下した時点に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に移行する前に、前記蓋体を開成し炊込み具の投入が可能であることを報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間経過後に前記加熱手段を制御して前記鍋内の温度を上げて投入された炊込み具を加熱調理し、残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間の経過前に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされたときに、該蒸らし待機期間を短縮して、直ちに残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項4に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされず該蒸らし待機期間が徒過したときは自動的に残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項4に記載の炊飯器。
【請求項7】
被炊飯物が投入される鍋と、この鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、この炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、この蓋体に装着されて前記鍋内の内圧を調整する圧力弁と、この圧力弁を制御する圧力弁開放機構と、各種の炊飯メニューを選択する選択手段と、この選択手段により選択された炊飯メニューにより前記加熱手段及び前記圧力弁開放機構を制御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分を吸水させる吸水工程と、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、この沸騰維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程を順次実行する制御手段と、を備えた圧力式の炊飯器において、前記蒸らし工程には、該蒸らし工程を一時中断する蒸らし待機期間を設け、前記制御手段は、前記選択手段により炊込み炊飯メニューが選択されたときに、前記蒸らし待機期間に前記蓋体を一時開成して前記鍋内への炊込み具の投入を可能にすることを特徴とする炊飯器。
【請求項8】
前記蒸らし待機期間は、前記沸騰維持工程終了後に前記圧力弁開放機構により前記圧力弁を開成させて前記鍋内の圧力を抜いた後に設定されていることを特徴とする請求項7に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に移行する前に、前記蓋体を開成し炊込み具の投入が可能である信号を報知することを特徴とする請求項7又は8に記載の炊飯器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間経過後に前記加熱手段を制御して前記鍋内の温度を上げて投入された炊込み具を加熱調理し、残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項11】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間の経過前に炊込み具の投入及び前記蓋体の閉成がなされたときは、該蒸らし待機期間を短縮して、直ちに残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項10に記載の炊飯器。
【請求項12】
前記制御手段は、前記蒸らし待機期間に前記蓋体の開成及び炊込み具の投入がなされず該蒸らし待機期間が徒過したときは自動的に残りの蒸らし工程を実行することを特徴とする請求項10に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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