説明

電気的エネルギー貯蔵セルおよびセルブロック、電気的エネルギー貯蔵装置ならびに当該装置を有する車両

電気的エネルギー貯蔵セルには、外部から供給された電気的エネルギーを貯蔵し、貯蔵された電気的エネルギーを外部に向けて放出するために設置され、調整されている活性部分と、前記活性部分と接続され、電流を外部から前記活性部分へ供給するため、および、前記活性部分から放出された電流を外部に向けて放出するために設置され、調整されている少なくとも2つの電流導体と、略直方体の輪郭を有する角柱状の基本形を描き、前記活性部分を気体および液体が漏れないように包むカバーとが設けられている。本発明によると、前記カバーは、2つの平らなホイル部分と、周囲を取り囲んでおり、前記ホイル部分の縁を結合する接合部分とを有しており、前記接合部分は、前記活性部分を枠状に包囲し、かつ、最大の厚さの部分を有しており、前記部分においては、厚さは、一様に前記活性部分の厚さよりも大きい。セルブロックは、複数の前記電気的エネルギー貯蔵セルから構成されており、前記セルはその厚さ方向において積層されており、端子と共に電気的エネルギー貯蔵装置を形成し、前記装置は有利には車両内で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的エネルギー貯蔵セルおよび複数の互いに接続された電気的エネルギー貯蔵セルから成るセルブロック、セルブロックを有する電気的エネルギー貯蔵装置、ならびに当該装置が装備された車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的エネルギーを貯蔵するためのバッテリ(一次貯蔵装置)および蓄電池(二次貯蔵装置)が知られている。当該貯蔵装置は、1つまたは複数の貯蔵セルから構成されており、当該セルにおいては、充電電流を印加するときには、電解質内もしくは電解質間のカソードおよびアノード間の電気化学的充電反応における電気的エネルギーが化学的エネルギーに変換されて貯蔵され、電気負荷を印加するときには、電気化学的放電反応における化学的エネルギーが電気的エネルギーに変換される。このとき一般的に、一次貯蔵装置は一回のみ充電され、放電後に処理されるが、二次貯蔵装置は複数の充放電サイクル(数百〜一万超サイクル)を許容する。このとき注意すべきなのは、時折蓄電池もバッテリと称されることである。例えば、知られているように度重なる充電サイクルを有する車両バッテリなどである。
【0003】
近年、リチウム化合物に基づく一次および二次貯蔵装置が重要性を増している。当該貯蔵装置は、高いエネルギー密度と熱的安定性とを有しており、少量の自己放電において一定の電圧を供給し、いわゆるメモリ効果から免れている。
【0004】
エネルギー貯蔵装置、特にリチウムバッテリおよびリチウム蓄電池を薄板形状で製造することが知られている。2005年2月のグラーツ工科大学のDr. K.−C. MoellerおよびDr. M. Winterによる、無機化学技術実習のためのスクリプト「一次および再充電可能リチウムバッテリ」は、例えばキャッシュカードまたはスマートカード形状のリチウムイオンポリマーセルを示している。リチウムイオンセルの機能原理については、例えば前記スクリプトが参照される。このようなセルの場合、カソード材料、アノード材料、電流コレクタ、およびセパレータは、薄箔の形状において、適切な方法で積み重ねられ(積層され)、複合材料から成るカバーホイルに包まれる。カソードもしくはアノードの電流コレクタホイルに接続されている電流導体は、セルの縁において側方に突出している。
【0005】
例えば特許文献1から知られているように、アノード対およびカソード対の数を変更することによって、このようなセルの容量を必要に応じて調節することができる。そこでは、カバーホイル内部の電流コレクタホイルの端部は、集約され、かつ、カバーホイルを垂直に貫通するリベットなどの接続手段によって、外側でカバーホイルに載置された棒状の電流導体に接続される。この外側に配置された電流導体は、やはり平型セルの縁で突出している。
【0006】
特許文献2では、電流コレクタホイルの端部から分離した、棒状の電流導体も設けられている。しかし当該導体は、すでにカバーホイル内部で電流コレクタホイルの端部に接続されており、カバーホイルの溶接継目を通って再び外部に向かって導かれる。このとき、棒状の電流導体は、自由な選択において、平型セルの1つの縁で、しかしまたは、互いに向かい合う縁で突出している。
【0007】
例えば特許文献3または特許文献4に記載されているように、複数の平型セルが1つの電池パックに積層される場合、このような場合は例えば自動車のバッテリでは、比較的高い電圧および容量が要求されるので規則的に必要になるのだが、個別セルの接続は一般的に上面で行われる。図14は、特許文献3に記載された、セルスタック101内における、複数の平型で、直方体またはプレート状の個別セル102のアセンブリを示している。セル102のアノードAおよびカソードKから、向かい合う側面において、それぞれ接触タブ103.A、103.Kが、セルの同一の上側縁の同一の平面(小幅面(Schmalseite))に接して、上に向かって突出している。このとき、各セル102のカソード接触タブ103.Kは直線状であるが、各セル102のアノード接触タブ103.Aは、各セル102の略厚さ分(厚さよりも大きい場合もあり得る)だけ屈曲している。セルスタック101内では、それぞれ、アノードAが右に、カソードKが左に配置されたセル102が、アノードAが左に、カソードKが右に配置されたセル102の後に続いている。このような方法で、さらに付け加えることなく、それぞれの(屈曲した)アノード接触タブ103.Aは、(直線状の)カソード接触タブ103.Kと接触するか、または少なくとも近づくので、これらのタブは互いに接続可能である。このようにして、直列接続が実現する。セル102は、互いに間隔を置いて配置され、力接続的または形状接続的に基板105上に固定されている。
【0008】
基板105上での配置および固定は、注意深い調整と確かな固定とを必要とする。セルの分解には、個別のセル102を個別に取り外すことが必要である。セルの固定は下側領域でのみ行われるので、加速または振動の影響に際して、上側領域における接触タブの間に、セル102の慣性および弾性に基づいて形成された接続箇所には力学的負荷が与えられ得る。これは、ただわずかに緩く基板105に固定された場合に増大する。接触タブ103.A、103.Kの接触面は比較的小さい。
【0009】
まだ公開されていない開発から知られていることには、複数の薄型の直方体のガルバニセルが、1つまたは複数のスタックに集約され、それによって、その広がりが最大の側同士が対向または接触し、保持装置において接合される。このようなアセンブリは、もはや分解できない。
【0010】
発明者には、印刷物では詳細に証明されていないアセンブリも知られている。当該アセンブリにおいては、複数の平型セルが、2つの終板間でスタックを形成しており、当該スタックは、終板間に延在するタイロッド(スタッド)によって一体化している。ここでは、貯蔵セルの内側領域に存在する活性部分に、少なからず圧力が加えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1475852号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1562242号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/128764号パンフレット
【特許文献4】特開平7‐282841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の課題は、平型の電気的エネルギー貯蔵セルおよび複数の当該セルから構成されるセルブロックを提供することにある。当該セルおよびセルブロックは、従来の型に対する選択肢を提供し、特に従来の型の欠点を回避するものである。
【0013】
特に、本発明の課題は、ブロックを形成する際にセル間の確実な位置固定が可能であるような、平型の電気的エネルギー貯蔵セルを構成することにある。
【0014】
本発明のさらなる課題は、平型の電気的エネルギー貯蔵セルから形成されるブロックが可能な限りコンパクトであり、活性領域が圧縮応力を受けることのないように、平型の電気的エネルギー貯蔵セルを構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本課題は、独立請求項1および25の特徴によって解決される。本発明の有利なさらなる構成は、従属請求項の対象である。
【0016】
本発明に係る電気的エネルギー貯蔵セルは、
外部から供給された電気的エネルギーを貯蔵し、貯蔵された電気的エネルギーを外部に向けて放出するために設置され、調整されている活性部分と、
当該活性部分と接続され、電流を外部から当該活性部分へ供給するため、および、当該活性部分から放出された電流を外部に向けて放出するために設置され、調整されている少なくとも2つの電流導体と、
略直方体の輪郭を有する角柱状基本形(prismatischen Goundform)を描き、当該活性部分を気体および液体が漏れないように包むカバーと、
を有している。当該カバーは、2つの平らなホイル部分と、周囲を取り囲んでおり、ホイル部分の縁を結合する接合部分とを有しており、当該接合部分は、当該活性部分を枠状に包囲し、かつ、最大の厚さの部分を有している。当該部分においては、機械的圧力を受けた場合の厚さも、一様に当該活性部分の厚さよりも大きい。
【0017】
このような構成によって、電気的エネルギー貯蔵セル(以下、短縮して「セル」と呼ぶ)を積層し、活性部分に力学的作用を加えることなく、当該セルが、接合部分の最大厚さの部分で互いに接し合うことが可能になる。ホイル部分および接合部分のために適切な材料を選択する際、ならびに、ホイル部分と接合部分との間の接続プロセスにおいて、当該活性部分を電磁場の影響から保護し、当該カバーを、当該活性部分に存在する、および/または当該活性部分において生成される物質に対して耐性を有するように構成することも可能である。
【0018】
好ましくは、少なくとも最大の厚さの部分における2つのホイル部分は、接合部分の向かい合う平面上に平らに載置されており、当該平面と密接して接続されている。このような方法によって確実に、ホイル部分は2つの平行な面において張られており、角柱状基本形の平面を形成する。
【0019】
このようなセルから構成されたセルブロックの場合、セルはその厚さ方向において積層され、好ましくは少なくとも接合部分の最大厚さの領域に対応する領域において、積み重ねられる。このとき、当該セルは積層方向において、好ましくは圧力を加えて互いに締め付けることによって固定されている。したがって、それぞれのセルの活性部分に圧力を加えることなく、コンパクトかつ確実なアセンブリおよび個別セルの取り付けが可能である。
【0020】
好ましくは、接合部分は、厚さ方向に延在する通過穴を、最大厚さの部分において有しており、ホイル部分は、当該通過穴と並んだ穴を有している。このようなセルから構成されたセルブロックにおいては、セルの締め付けによる固定は、全てのセルの通過穴を貫通して延在しているタイロッドを用いて行われる。このような方法で、セルブロックの特に容易かつコンパクトな構成が可能になる。セルの体積は、締め付けによる固定のために用いられるからである。当該セルは、少なくとも摩擦によって、位置が安定するように互いに固定されている。セルが互いに締め付けによって固定されるより前にすでに、タイロッドを通じて、通過穴と共に、セルの心出しが積層方向に対して垂直に行われる。これによって取り付けが容易になり、かつ、組立の際の締め付けによる固定が防止される。
【0021】
特に好ましくはスリーブが設けられており、当該スリーブは、通過穴の長さの一部に渡って、それぞれ当該通過穴内で延在しており、接合部分の側面から突出している。好ましくは、スリーブの突起および通過穴内で開放されている長さは、ホイルの総合した厚さよりも大きく、複数のホイルの内1枚のホイルの厚さを含めた接合部分の最大厚さの半分よりも小さい。このようなセルをセルブロックに組み立てる際、それぞれスリーブのセルから突出した部分は、隣接するセルの接合部分の通過穴の開放された部分内に延在している。このような方法でセル同士の心出しが、タイロッドが挿入され、締め付けによって固定される前に、すでに組立に際して積層方向に対して垂直に行われる。このとき、タイロッドはスリーブを貫通しているので、確実に誘導されている。
【0022】
別の選択肢として、接合部分は、厚さ方向において突出した突起を有している。突起のそれぞれ向かい合う側には、形状および大きさにおいて当該突起に対応しており、かつ、当該突起と厚さ方向において並んだ窪みが設けられている。ホイル部分は、当該突起もしくは窪みと並んだ、対応する形状および広がりの穴を有しており、好ましくは、当該突起の高さおよび当該窪みの深さは、ホイルの総合した厚さよりも大きく、複数のホイルの内1枚のホイルの厚さを含めた接合部分の最大厚さの半分よりも小さい。このようなセルをセルブロックに組み立てる際、それぞれセルの接合部分の1つの突起は、隣接するセルの接合部分の窪み内に延在している。このような方法で、セルの組立に際して、心出しが積層方向に対して垂直に行われる。
【0023】
突起および窪みに加えて、接合部分は、最大厚さの部分において、厚さ方向に延在する通過穴を有していても良く、ホイル部分は当該通過穴と並んだ穴を有していても良い。好ましくは当該通過穴には、中央に並んだ突起もしくは窪みが設けられている。上記の方法において、タイロッドが通過穴を貫通して延在することによって、確実かつ省スペースかつ容易に、複数のセルを締め付けによって固定してセルブロックを形成することができる。
【0024】
好ましくは、セルの電流導体は平らな断面を有しており、カバーから突出している。平らな断面を有し、突出した電流導体によって、セルブロック内部におけるセルのフィードスルーが特に容易に可能になる。それぞれ、セルの電流導体は、隣接するセルの電流導体に接続されており、当該セルがセルブロックの最初または最後のセルでない限りにおいて、当該セルのもう一方の電流導体は、もう一方の隣接するセルの電流導体に接続されている。
【0025】
このとき、異なる極性の電流導体がつねに互いに接続されている場合、セルをセルブロック内で直列接続することが特に容易になる。
【0026】
電流導体は、好ましくは、カバーによって画定される角柱状基本形の平面に対して平行に突出しており、特に好ましくは、カバーによって画定される角柱状基本形の向かい合う平面に接して延在している。このようなセルをセルブロック内で統合もしくは積層する場合、好ましくは当該セルは、つねに電流導体が、当該電流導体が接する平面で、セルブロックの積層方向において向かい合うように配置される。それによって、隣接するセルの接続されるべき電流導体は、つねに互いに最小の軸方向間隔において向かい合い、クランプまたはその他の適切な手段によって、容易に互いに接触することになる。
【0027】
このとき、電流導体は、カバーによって画定される角柱状基本形の向かい合う小幅面から、または別の選択肢として、同じ小幅面から突出している。さらに、角柱状の構築物は、4つの同じ長さの小幅面を有する、すなわち積層方向もしくは角方向に対して横の断面において正方形に形成されるか、または、異なる長さの2対の向かい合う小幅面を有していても良い。電流導体は、より長い1対の小幅面から、またはより短い1対の小幅面から突出している。最終的な選択は、取り付け条件に従う。現在は、電流導体が、カバーによって画定される角柱状基本形の向かい合う小幅面から、かつ、より長い1対の小幅面から突出することが好まれている。
【0028】
小幅面から第1および第2の電流導体が突出しているが、当該小幅面に沿った第1および第2の電流導体の広がりは、好ましくは、当該小幅面の長さの半分よりも大きい。このような方法で、電流導体間の接触面は特に大きく、境界抵抗は有利には小さくなる。
【0029】
特に好ましくは、電流導体はそれぞれ、接合部分と複数のホイルの内1枚のホイルとの間を貫いて延在しており、これらと密接に接続されている。したがって、カバー内部の、セルの活性部分内部に配置された電極は、電流導体に接続可能であり、フィードスルーする、外側に位置する電流導体との密閉に関する問題が回避される。
【0030】
特に好ましくは、電流導体はL字型の断面を有しており、その1つの辺は、活性部分の小幅面に接しており、そのもう1つの辺は、接合部分と複数のホイルの内の1枚との間を貫いて延在している。L字型断面によって、活性部分の小幅面は画定かつ安定化され、当該小幅面は、活性部分に作用することなく、接合部分のフレーム形状の内側に接する。
【0031】
接合部分が付加的に、形状および大きさにおいて電流導体に適合したノッチを有している場合、平面の平らな外側輪郭が保障される。
【0032】
本発明は、特に好ましくは、しかし限定されることなく、ガルバニセル、特に平型のガルバニ二次セルに適用される。当該セルにおいては、活性部分は、2種類の化学的に活性な材料、導電性材料、および分離層の積層した、場合によっては電解質材料が浸み込ませられたホイルパックから構成される。少なくとも1種類の化学的に活性な材料は、好ましくはリチウム化合物を含有しており、もう1種類の化学的に活性な材料は、好ましくはグラファイトを含有している。特に好ましくは、所望されない反応を回避するために、当該活性部分は真空にされる。
【0033】
セルブロック内の最初のセルの自由な電流導体が端子と接続されており、セルブロック内の最後のセルの自由な電流導体がもう一方の端子と接続されている場合、有利には、当該セルブロックは電気的エネルギー貯蔵装置として利用可能である。
【0034】
特に有利には、このような電気的エネルギー貯蔵装置は、車両内で用いられる。
【0035】
本発明の前記およびさらなる特徴、課題、利点は、以下の図を用いた説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るガルバニセルの構成部品もしくはアセンブリの分解斜視図である。
【図2A】図1の面IIに沿ったフレーム部分の断面図である。
【図2B】図1の面IIに沿った活性部分の断面図である。
【図3】図1の面IIIに沿ったフレーム部分の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るガルバニセルの、組み立てられた状態における斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るセルブロックの構成部品もしくはアセンブリの分解斜視図である。
【図6】図5のセルブロックのいくつかのアセンブリを他の視点から見た拡大図である。
【図7】図5のセルブロックの組み立てた状態における斜視図である。
【図8】図7の構成部品VIIIの拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るガルバニセルの上側小幅面の斜視図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るガルバニセルの上側小幅面の斜視図である。
【図11】第6の実施形態に係るガルバニセルの電気的アセンブリの斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施形態に係るガルバニセルの上側小幅面の斜視図である。
【図13】本発明の第8の実施形態におけるフレーム部分の断面図であり、図3における上側部分に相当する図である。
【図14】先行技術のセルブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図は概略的であり、本発明の理解にとって重要な特徴の再現に制限されていることに注意が必要である。また、図中に再現された寸法や大きさの関係は、図を明確にするためだけのものであり、限定的に理解されるべきものではないことにも注意が必要である。
【実施例1】
【0038】
本発明の一実施形態として、以下に図1〜図3を用いて、ガルバニセルの説明を行う。このとき、図1は、ガルバニセル1の構成部品もしくはアセンブリの分解斜視図であり、図2aは、図1の面IIに沿ったフレーム部分の断面を示し、図2bは、図2の面IIに沿った活性部分の断面を示し、図3は、図1の面IIIに沿ったフレーム部分の断面を示す。ガルバニセル1は、本発明に係る電気的エネルギー貯蔵セルである。
【0039】
図1によると、ガルバニセル1は、電気的アセンブリ2、フレーム部分4、および2枚のカバーホイル6から構成されている。当該電気的アセンブリは、ホイルパック8、アノード導体10、およびカソード導体12を有している。方向付けのために、図中には座標が示されている。その原点は、任意に、前面のカバーホイル6の中心に定められている。セル1の横方向は、横方向Aにおける中心線によって定められており、セル1の垂直軸は、高さ方向Bにおける中心線によって定められており、同時にセルの厚さ方向でもあるセルの軸方向は、長手軸方向Cにおける中心線によって定められている。全ての軸は一点鎖線で示されている。正方向はそれぞれ矢印によって示されている。
【0040】
図から明らかであるように、ホイルパック8は、略プレート状の輪郭を有しており、横方向(A)における広がりは、垂直方向(B)における広がりよりも大きい。アノード導体10は、導電性に優れた材料から形成されており、L字型の横断面を有する。アノード導体10のL字型断面の短辺は、ホイルパック8の上側小幅面に取り付けられている。同様に、カソード導体12も、導電性に優れた材料から形成されており、L字型の横断面を有しており、カソード導体のL字型断面の短辺は、ホイルパック8の下側小幅面に取り付けられている。したがって、アノード導体10の長辺は、ホイルパック8の前方の平面と並んで上に向かって延在しており(正方向B)、カソード導体12の長辺は、ホイルパック8の後方の平面と並んで下に向かって延在している(負方向B)。厚さ方向においてホイルパックに背向する側では、アノード導体およびカソード導体のL字型断面の長辺は、前方もしくは後方のカバーホイル6と接続するために、それぞれシールホイル14のストリップを有している。ホイルパック8は、本発明に係るセルの活性部分を形成している。電流導体10、12には、銅、アルミニウム、またはその他の金属、またはそれらの合金などの知られている材料から選択される。接触を改善するために(境界抵抗を減少させるために)、および/または腐食を防止するために、電流導体10、12には銀めっきまたは金めっきを行っても良い。
【0041】
フレーム部分4は、2つの垂直方向の棒16と、2つの水平方向の棒18とを有しており、当該棒は1つのフレームを形成している。当該フレームの内側輪郭は、ホイルパック8の外側輪郭に適応している。上側の水平方向の棒18は、横断面がL字型のノッチ20を有しており、当該ノッチは、内側面において、および、前方のカバーホイル6の方向を向いた側において(正方向C)、その厚さを減少させる。下側の水平な棒18はノッチ20を有しており、当該ノッチは、内側面において、および、後方のカバーホイルに対向する側において(負方向C)、その厚さを減少させる。ノッチ20の形状は、アノード導体10およびカソード導体12のL字型断面を受容するように定められる。
【0042】
フレーム部分4は、本発明に係る接合部分であり、フレーム部分4の垂直方向の棒16および水平方向の棒18の、ノッチ20を有さない部分は、本発明における最大厚さの部分である。フレーム部分4の材料は、導電性を有さず、十分なねじり剛性を有しているので、軸方向の圧力を加えても(軸C方向)、最大厚さの部分は、電気的アセンブリ2よりも依然としてより厚く、フレーム部分4はその形状を安定的に維持している。材料としては、様々なプラスチック、セラミックス、および商用ガラスが考えられる。
【0043】
前方の平面(正方向C)では、フレーム部分4は、最大厚さの部分において心出しニップル20を有しており、心出しニップル20は、カバーホイル6において心出し穴24と並んでいる。明確にするために、図中では、セル1の左側(負方向A)における心出しニップル22および心出し穴24の軸F、F’が示されている。図2Aおよび図2Bには、フレーム部分4もしくは電気的アセンブリ2が、面IIに沿って断面で示されており、面IIは、軸Bおよび軸Cによって張られている(軸方向における垂直な中心面)。図示されているように、フレーム部分4は、その最大厚さの部分において、厚さTを有している。当該厚さは、電気的アセンブリ2の厚さt、特にそのホイルパック8の厚さtよりも大きい。図2Bには、ホイルパック8の領域における構造が概略的に示されている。アノード面(アノード導電ホイル)26の電流コレクタホイルは、アノード導体10と接続され、かつ、カソード面(カソード導電ホイル)28の電流コレクタホイルと交互に配置されており、当該電流コレクタホイルは、カソード導体12と接続されている。その間に配置されている、アノード面およびカソード面の化学的に活性な材料のホイルと、ホイルスタック8内部のセパレータホイルとは、明確にするために、図中では省略されている。
【0044】
図3は、図1の面IIIに沿ったフレーム部分4の断面を示したものであり、面IIIは面IIに対して平行であり、かつ、両方の左側の心出し穴24および心出しニップル22を通って延在している(図1の軸F、F’、Eを参照)。当該断面は、定義に従って、フレーム部分4の左側の垂直方向の棒16を通って延在しているが、上側領域および下側領域は、任意にそれぞれ水平方向の棒18にも配設され得る。図から明らかなように、それぞれ通過穴30は、心出しニップル22と並んで延在しており、フレーム部分4の、心出しニップル22に向かい合う平面上には、それぞれ窪み32が設けられている。当該窪みは、心出しニップル22を受容できるように寸法が決定されている。
【0045】
セル1を組み立てるために(図1を参照)、電気的アセンブリ2はフレーム部分4に挿入されるので、アノード導体10およびカソード導体12のL字型断面は、フレーム部分4のノッチ20内に収まっている。図から明らかなように、この目的のために、電気的アセンブリ2およびフレーム部分4は、まず互いに対して傾斜(verkippt)させられなければならない。それによって、例えばカソード導体12は、フレーム部分4の開口部を貫通する。電気的アセンブリ2がフレーム部分4内に挿入されると同時に、心出し穴24を有する前方のカバーホイル6は、フレーム部分4の心出しニップル22に合わせて、当該フレーム部分に載置され、例えば適した接着、溶接、またはその他の付着方法によって密接に結合される。このとき、アノード導体10上のシールホイル14のストリップは、アノード導体10とカバーホイル6との間を接続するために用いられる。最終的に、後方のカバーホイル6は、フレーム部分4の後方平面に載置される。心出し穴24は、窪み32と並んで、前方カバーホイル6の場合と同じように、フレーム部分4およびカソード導体12と接続される。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施形態に係るガルバニセル1’の、組み立てられた状態における斜視図である。第2の実施形態のガルバニセル1’は、構造においては、第1の実施形態に係る上述のセル1と同じであるが、電流導体10、12が、セル1’のより長い小幅面からではなく、より短い小幅面から延在している点が異なっている。
【0047】
本発明の第3の実施形態として、以下に、図5〜図8を用いて、セルブロック34について説明を行う。このとき、図5は、セルブロック34の構成部品もしくはアセンブリの分解斜視図であり、図6は、セルブロック34のいくつかのアセンブリを他の視点から見た拡大図であり、図7は、セルブロック34の組み立てた状態における斜視図であり、図8は、図7の構成部品VIIIの拡大図である。
【0048】
図5に示したように、セルブロック34は、第1の実施形態に係る10個の個別ガルバニセル1〜1、4つのボルト36、8つの座金38、および4つのナット40から構成されている。このとき、各偶数番目のセル1iiおよび1は、図1の図に対応するように配置されている。すなわち、図中、偶数番目のセル1ii〜1においては、アノード導体10が上側かつ観察者に対向する側に存在するのに対して、セルブロック内のカソード導体12は、下側かつ観察者に背向する側に存在している(図では、偶数番目セル1ii〜1の下側に位置するカソード導体12は、その前に位置するセルによって隠されている)。それに対して、奇数番目のセル1〜1ixは、図1の図に対して、軸Cを中心に180度回転した方向に配置されている。すなわち、当該セルにおいては、セルブロック内のカソード導体12は、上側かつ観察者に背向する側に存在しているが、セルブロック内のアノード導体10は、下側かつ観察者に対向する側に存在している。このような方法で、それぞれの奇数番目のセル、例えばセル1のカソード導体12は、次の偶数番目のセル、つまり選択された例ではセル1iiのアノード導体10と、積層方向において直接隣で向かい合っている。偶数番目のセル1iiのカソード導体10と、次の奇数番目のセル、ここではつまりセル1iiiのカソード導体12との間には、2つのフレーム部分4の略厚さ分の間隔が形成されている。偶数番目のセル1iiのカソード導体12は、次の奇数番目のセル、ここではつまりセル1iiiのアノード導体と、セルブロックの下側面で、積層方向において、直接向かい合っている。奇数番目のセル1iiiのアノード導体10と、次の偶数番目のセル1ivのカソード導体10との間にもやはり、2つのフレーム部分4の略厚さ分の間隔が形成されている。これは最後のセル1ix、1まで続く。言い換えると、セルの序数が1から1へと上がっていく方向では、積層方向において、それぞれカソード導体12とアノード導体10とが互いに直接向かい合っているが、アノード導体10と次のカソード導体12との間には、顕著な間隔が形成されている。さらに指摘すべきことには、最初のセル1においては、アノード導体10は、スタック34の前方端面でアクセス可能であるが、最後のセル1においては、カソード導体12は、セルスタック34の後方端面でアクセス可能である。
【0049】
さらに明らかなことに、ボルト36は、個別セル1のフレーム部分4の通過穴30およびカバーホイル6の通過穴24を貫通して延在しており(例えば図5の軸F、F’を参照)、座金38を介してナット40によって固定されている。
【0050】
以上、本発明を、具体的な実施例を用いて、その重要な特徴について説明してきたが、本発明は当該実施例に限定されるものではなく、請求項によって定められた程度および範囲内で一部変更を加えることが可能である。
【0051】
例えば、第3の実施形態に係るセルブロック34内のセルは、ボルト、座金、およびナットを用いて、締め付けによって固定されている。当該固定方法は単なる例として理解されるべきものであり、場合によっては適切なプレス板によるリベット接合なども可能である。セルスタック34の容易な分解が所望されているが、ボルト連結が有利である場合、接続もしくは締め付けによる固定の解除を行うことができない適用事例において、上記のリベット接合のような解除不能な接続が好まれる場合があり得る。
【0052】
セル1のフレーム状シール接合部分内の通過穴を貫通して延在するクランプ要素を用いたセルスタックの締め付けによる固定は、単なる例として理解されるべきものである。締め付けによる固定は、外部から取り付けられたクリップまたはスリーブによっても行われる。
【0053】
図1に示されたフレーム部分4の形状も一例である。本発明の機能方法にとって重要なことは、パウチセルのシール接合部分が、枠状に形成されており、当該セルの活性部分を包囲しており、少なくとも当該セルに外部から軸方向の圧力が加えられることが予測される箇所において、当該活性部分よりも厚いことである。
【0054】
電気的アセンブリ2、つまり電極パック8および導体10、12の構成および形状は、図1および図2Bに単に例として示されているのであって、要求に適応させることができる。導体10、12は異なる断面を有していても良いし、電極26、28の数は完全に任意で決定できる。電流導体10、12に関する部分的な変更の例は、図9から図12に示されている。
【0055】
導体10、12の位置を要求に応じて変更することができる。例えば、図9または図10に示したように、両方の導体10、12を、セルの小幅面の内の1つに配置することが考えられる。その利点は、導体を傷つけることなく、セルを底面で置くことができる点にある。第4の実施形態に係るセルにおいては、図9によると、アノード導体10およびカソード導体12が、当該セルの向かい合う平面に接して配置されているが、第5の実施形態に係るセルの場合、図10によると、アノード導体10およびカソード導体12は、上側小幅面の中央に並んで配置されている。接続は、適切に構成された接触クリップによって行われる。
【0056】
図11には、第6の実施形態が示されている。ここでも、両方の導体10、12は、その自由端で、電気的アセンブリ2の小幅面に沿って延在しているが、しかしながらそれぞれ、全幅に渡っており、向かい合う平面と並んでいる。このとき、導体の内の1つは(当該図ではアノード導体10)ホイルスタック8全体を取り囲んでいる。当該実施形態に係るアセンブリには、スタック内でセルが交互に配置されることによって、直に隣接する電流導体との直流接続が実現されるという利点がある。
【0057】
図12に示された第7の実施形態においても、第1から第6までの実施形態のように接続することが可能であるが、電流導体10、12によってホイルスタック8を取り囲むことは回避される。当該実施形態においては、L字型断面を有する2つの電流導体10、12が、ホイルスタック8の同一の小幅面に配置されており、導体10、12のL字型断面の、ホイルスタック8に対向する辺のそれぞれ一部は、互いにかみ合うような形で、切り込みが設けられている。図中、アノード導体10は、単に断面を明らかにするために中断された形で示されていることに注意が必要である。実際には、アノード導体10も中断のない断面である。
【0058】
図13には第8の実施形態が示されている。図13の描写は図3の描写に対応するが、フレーム部分4の上半分のみが示されている。当該実施形態においては、心出しニップル22の代わりに、穴44に挿入された心出しスリーブ42が設けられている。このとき、心出しスリーブ42は、第1の実施形態における心出しニップル22および通過穴30の機能(図3を参照)を果たし、穴44は、さらに、心出しスリーブ42を受容するために、第1の実施形態における窪み32の役割を果たしている。単独の通過穴または外側に配置された要素を通じて、セル1の締め付けによる固定が行われる場合、スリーブの変わりに、心出しピンを用いることも可能である(詳細は図示されていない)。
【0059】
第4から第8の実施形態は、第1または第2の実施形態を一部変更したものである。第1または第2の実施形態に関する説明は、当該変更によって不可能にならない限りは、第4から第8の実施形態に例外なく適用可能である。
【0060】
本発明は、電気的エネルギーを貯蔵および放出するためのあらゆる種類の貯蔵セルに適しているが、特に任意の種類の電気化学的一次セルおよび二次セルに適している。特に好ましいのは、本発明を平型のリチウムイオン電池と、当該電池から構成されるセルブロックとに適用することである。
【0061】
上記の説明に基づくセルブロックは、最初もしくは最後のセル1、1の自由な電流導体10、12と接続されている端子、および任意のハウジングと共に、バッテリまたは蓄電池を形成する。当該バッテリまたは蓄電池は、車両内またはその他の技術的利用において、電気系統の供給または電気的駆動のために利用可能である。このようなバッテリまたは蓄電池は、本発明における電気的エネルギー貯蔵装置である。
【符号の説明】
【0062】
1、1’ ガルバニセル
2 電気的アセンブリ
4 フレーム部分(接合部分)
6 カバーホイル(ホイル部分)
8 ホイルパック(活性部分)
10 アノード導体
12 カソード導体
14 シールホイル
16 垂直方向の棒
18 水平方向の棒
20 ノッチ
22 心出しニップル
24 心出し穴
26 アノード導体ホイル
28 カソード導体ホイル
30 通過穴
32 窪み
34 セルブロック
36 ボルト
38 座金
40 ナット
42 心出しスリーブ
44 穴
101 (先行技術:セルスタック)
102 (先行技術:セル)
103 (先行技術:接触タブ)
105 (先行技術:基板)
A 横方向における中心軸(先行技術:アノード)
B 高さ方向における中心軸
C 長手軸方向における水平中心軸
D、D’ 側面方向における24を通過する水平軸
E 24を通過する垂直軸
F、F’ 長手軸方向における22、24を通過する水平軸
i,…,x 1に関する添え字
II 面B‐C
III 面E‐F/F’
K (先行技術:カソード)
t 2の全幅
T 4の全幅
当該参照符号リストは明細書の一部であることを明記しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的エネルギー貯蔵セルであって、
外部から供給された電気的エネルギーを貯蔵し、貯蔵された電気的エネルギーを外部に向けて放出するために設置され、調整されている活性部分と、
前記活性部分と接続され、電流を外部から前記活性部分へ供給するため、および、前記活性部分から放出された電流を外部に向けて放出するために設置され、調整されている少なくとも2つの電流導体と、
略直方体の輪郭を有する角柱状基本形を描き、前記活性部分を気体および液体が漏れないように包むカバーであって、前記セルの前記角柱状基本形の厚さ方向における広がりは、残りの2つの空間方向における広がりよりもはるかに小さく、好ましくは、前記残りの2つの空間方向の内1つの空間方向における広がりが、前記残りの2つの空間方向の内もう1つの空間方向における広がりよりも大きいカバーと、
を有する電気的エネルギー貯蔵セルにおいて、
前記カバーは、2つの平らなホイル部分と、周囲を取り囲んでおり、前記ホイル部分の縁を結合する接合部分とを有しており、
前記接合部分は、前記活性部分を枠状に包囲し、かつ、最大の厚さの部分を有しており、前記部分においては、機械的圧力を受けた場合の厚さも、一様に前記活性部分の厚さよりも大きいことを特徴とする電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項2】
前記2つのホイル部分は、少なくとも最大厚さの部分において、前記接合部分の向かい合う平面に平らに載置されており、前記平面に密接に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項3】
前記接合部分は、厚さ方向に延在する通過穴を、最大厚さの部分に有しており、前記ホイル部分は、前記通過穴と並んだ穴を有していることを特徴とする請求項2に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項4】
前記通過穴の長さの一部に亘って、前記通過穴内で延在しており、前記接合部分の側面から突出しているスリーブであって、
好ましくは、前記スリーブの突起および前記通過穴内で開放されている長さは、前記ホイルの厚さの2倍よりも大きく、前記ホイルの厚さを含めた前記接合部分の最大厚さの半分よりも小さいスリーブをさらなる特徴とする請求項3に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項5】
前記接合部分は、厚さ方向において突出した突起を有しており、
突起のそれぞれ向かい合う側には、形状および大きさにおいて前記突起に対応しており、かつ、前記突起と厚さ方向において並んだ窪みが設けられており、前記ホイル部分は、前記突起もしくは窪みと並んだ、対応する形状および広がりの穴を有しており、
好ましくは、前記突起の高さおよび前記窪みの深さは、前記ホイルの厚さの2倍よりも大きく、前記ホイルの厚さを含めた前記接合部分の最大厚さの半分よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項6】
前記接合部分は、最大厚さの部分において、厚さ方向に延在する通過穴を有しており、前記ホイル部分は、前記通過穴と並んだ穴を有していることを特徴とする請求項5に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項7】
前記通過穴には、中央に並んだ突起が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項8】
前記電流導体はそれぞれ平らな断面を有しており、前記カバーから突出していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項9】
前記電流導体は、前記カバーによって画定される前記角柱状基本形の平面に対して平行に突出していることを特徴とする請求項8に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項10】
前記電流導体は、前記カバーによって画定される角柱状基本形の向かい合う平面に接して延在していることを特徴とする請求項9に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項11】
前記電流導体は、前記カバーによって画定される角柱状基本形の向かい合う小幅面から突出していることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項12】
角柱状の構築物は、異なる長さの2対の向かい合う小幅面を有しており、前記電流導体は、より長い1対の小幅面から突出していることを特徴とする請求項11に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項13】
前記小幅面から第1の電流導体および第2の電流導体が突出しており、前記小幅面に沿った前記第1の電流導体および前記第2の電流導体の広がりは、前記小幅面の長さの半分よりも大きいことを特徴とする請求項11または12に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項14】
前記電流導体はそれぞれ、前記接合部分と複数のホイルの内1枚のホイルとの間を貫いて延在しており、前記接合部分および前記ホイルと密接に接続されていることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項15】
前記電流導体はL字型の断面を有しており、その1つの辺は、前記活性部分の小幅面に接しており、そのもう1つの辺は、前記接合部分と前記複数のホイルの内の1枚との間を貫いて延在していることを特徴とする請求項14に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項16】
前記接合部分が、前記電流導体の形状および大きさに適合したノッチを有していることを特徴とする請求項14または15に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項17】
電気的エネルギーの貯蔵および放出は、それぞれ、電気化学的反応を通じて行われることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項18】
ガルバニセル、特にガルバニ二次セルであることを特徴とする請求項17に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項19】
前記活性部分は、2種類の電極を複数有しており、それぞれ第1の種類の電極は、分離層によって、第2の種類の電極から分離されており、前記第1の種類の電極と、前記第2の種類の電極とは、それぞれ互いに接続され、且つ前記電流導体と接続されていることを特徴とする請求項17または18に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項20】
各電極は積層材であり、前記積層材は、化学的活性材料の層を少なくとも2つ、および、導電性材料の層を少なくとも1つ有しており、かつ、電解質材料が染み込んでおり、
前記導電性材料の少なくとも1つの層は、前記各化学的活性材料の層よりも長く、かつ、前記積層材の側において突出しており、
前記電極と、それぞれその間に位置する分離層との積層材は、1種類の電極の導電性材料の層が、一方の側において突出するとともに互いに接続されており、前記一方の側が、もう1種類の電極の導電性材料の層が突出するとともに互いに接続されている側と、長手軸方向において向かい合うように配置され、好ましくは積層されていることを特徴とする請求項19に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項21】
複数の電極の内、少なくとも1つの電極の前記化学的活性物質は、リチウム化合物を含有していることを特徴とする請求項20に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項22】
複数の電極の内、少なくとも1つの電極の前記化学的活性物質は、グラファイトを含有していることを特徴とする請求項20または21に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項23】
前記分離層は電解質材料を有することを特徴とする請求項20から22のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項24】
前記活性部分は真空にされることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セル。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載の電気的エネルギー貯蔵セルを複数用いて構成されるセルブロックにおいて、
前記セルはその厚さ方向において積層されており、好ましくは少なくとも、接合部分の最大厚さの部分に対応する領域において積み重ねられていることを特徴とするセルブロック。
【請求項26】
前記セルは、積層方向において圧力を加えることで、互いに締め付けられることによって固定されていることを特徴とする請求項25に記載のセルブロック。
【請求項27】
前記セルの締め付けによる固定は、全てのセルの通過穴を貫通して延在しているタイロッドを用いて行われることを特徴とする、請求項3、6、または7を引用する請求項26に記載のセルブロック。
【請求項28】
前記タイロッドは、前記スリーブを貫通して延在していることを特徴とする請求項4を引用する請求項27に記載のセルブロック。
【請求項29】
それぞれスリーブのセルから突出した部分は、隣接するセルの接合部分の通過穴の開放された部分内に延在していることを特徴とする請求項4を引用する請求項25から28のいずれか一項に記載のセルブロック。
【請求項30】
それぞれセルの接合部分の突起は、隣接するセルの接合部分の窪み内に延在していることを特徴とする請求項5または7を引用する請求項25から28のいずれか一項に記載のセルブロック。
【請求項31】
セルの電流導体はそれぞれ、隣接するセルの電流導体に接続されており、前記セルがセルブロックの最初または最後のセルではない限りにおいて、前記セルのもう一方の電流導体は、隣接するもう一方のセルの電流導体と接続されていることを特徴とする請求項25から30のいずれか一項に記載のセルブロック。
【請求項32】
つねに異なる極性の電流導体が互いに接続されていることを特徴とする請求項31に記載のセルブロック。
【請求項33】
つねに電流導体が、前記電流導体が接する平面で、前記セルブロックの積層方向において向かい合うことを特徴とする請求項31または32に記載のセルブロック。
【請求項34】
請求項25から33のいずれか一項に記載のセルブロック、ならびに、
最初の電気的エネルギー貯蔵セルの自由な電流導体と接続されている第1の極、および、
最後の電気的エネルギー貯蔵セルの自由な電流導体と接続されている第2の極、
を有する電気的エネルギー貯蔵装置。
【請求項35】
請求項34に記載の電気的エネルギー貯蔵装置を有する車両。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−519362(P2012−519362A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552349(P2011−552349)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001218
【国際公開番号】WO2010/099906
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】