説明

電気的接続機構及びこれを備えた画像形成装置

【課題】ドロワコネクタを損傷等から防いでこれを保護することができる電気的接続機構を提供すること。
【解決手段】ペーパーフィーダ(オプション機器)3に、ドロワコネクタ16が取り付けられたスライダ18と本体検知レバー13を上下動可能に設けるとともに、スライダ18に長孔係合によって連結されたドロワ上昇レバー19を回動可能に設け、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態においてドロワ上昇レバー19の回動をロックするロック手段を設け、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される動作によって本体検知レバー13が押し下げられることによってロック手段によるドロワ上昇レバー19の回動ロックを解除し、該ドロワ上昇レバー19の手動による回動操作によってスライダ18をこれに取り付けられたドロワコネクタ16と共に上昇させて画像形成装置本体2側のドロワコネクタ14に接続するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体がオプション機器上に設置されて両者に設けられたドロワコネクタ同士が確実に接続された後に給電スイッチがONして画像形成装置本体からオプション機器への給電がなされるよう構成した電気的接続機構とこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置には、オプション機器としてペーパーフィーダを増設する場合がある。この場合、ペーパーフィーダの上に画像形成装置本体が位置決めされて載置されるが、画像形成装置本体側からペーパーフィーダ側に給電するために両者を電気的に接続する必要がある。
【0003】
ペーパーフィーダ等のオプション機器のセットアップは従来はサービスマンが行うことが多く、オプション機器と画像形成装置本体との電気的な接続は専ら電線を用いて行うことが多かった。
【0004】
ところが、近年、オプション機器のセットアップをユーザーが行うケースも増えてきており、オプション機器と画像形成装置本体との電気的な接続を電線が一切不要なドロワコネクタによって行うようにしている。この場合、例えばオプション機器側のドロワコネクタが突出していると、ユーザーが画像形成装置本体をオプション機器の上に設置する際にドロワコネクタに画像形成装置本体をぶつけてドロワコネクタを損傷させる可能性がある。
【0005】
そこで、特許文献1には、オプション機器単体(画像形成装置本体が載置されていない状態)ではドロワコネクタが退避しており、その上に画像形成装置本体が設置されると、その動作に連動してドロワコネクタが接続位置へと突出して画像形成装置本体側のドロワコネクタに接続される構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−295319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において提案された構成によれば、オプション機器に画像形成装置本体を設置する際にはオプション機器側のドロワコネクタは退避しているために損傷の問題は発生しないが、画像形成装置本体側のドロワコネクタとオプション機器側のドロワコネクタとが不完全に接続された状態でも画像形成装置本体側からオプション機器側に給電がなされるという不具合が発生する可能性がある。
【0008】
そこで、画像形成装置本体のオプション機器上への設置動作に連動してオプション機器側のドロワコネクタを上昇させてこれを画像形成装置本体側のドロワコネクタに接続するとともに、画像形成装置本体の最後の下降ストロークを利用して画像形成装置本体側に設けられた給電スイッチをONするよう構成し、画像形成装置本体とオプション機器にそれぞれ設けられたドロワコネクタ同士の接続が不完全である状態での画像形成装置本体からオプション機器への給電を防いで高い安全性を確保することが考えられる。
【0009】
ところが、上記のような構成であっても、画像形成装置本体をオプション機器上に設置する前の状態でのユーザーの操作によってオプション機器側のドロワコネクタが意に反して上昇し、該ドロワコネクタがオプション機器の上面から上方へ突出するために該ドロワコネクタが外力によって損傷する等の不具合が発生する可能性がある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ドロワコネクタを損傷等から防いでこれを保護するとともに、画像形成装置本体側とオプション機器側のドロワコネクタ同士の接続不良による不具合の発生を防ぐことができる電気的接続機構及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、オプション機器とその上に設置される画像形成装置本体にドロワコネクタをそれぞれ設け、前記画像形成装置本体に前記ドロワコネクタとは別に給電スイッチを設け、画像形成装置本体がオプション機器上に設置されて両ドロワコネクタが確実に接続された後に前記給電スイッチがONして画像形成装置本体からオプション機器への給電がなされるよう構成した電気的接続機構において、前記オプション機器に、前記ドロワコネクタが取り付けられたスライダと本体検知レバーを上下動可能に設けるとともに、前記スライダに長孔係合によって連結されたドロワ上昇レバーを回動可能に設け、前記画像形成装置本体が前記オプション機器上に設置される前の状態において前記ドロワ上昇レバーの回動をロックするロック手段を設け、前記画像形成装置本体が前記オプション機器上に設置される動作によって前記本体検知レバーが押し下げられることによって前記ロック手段による前記ドロワ上昇レバーの回動ロックを解除し、該ドロワ上昇レバーの手動による回動操作によって前記スライダをこれに取り付けられたドロワコネクタと共に上昇させて画像形成装置本体側のドロワコネクタに接続するとともに、前記給電スイッチをONするよう構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ロック手段を、前記本体検知レバーに形成されたロック爪と、前記ドロワ上昇レバーに設けられて前記ロック爪に係脱するロックピンとで構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記本体検知レバーと前記ドロワ上昇レバーを上下動可能に収容保持するハウジングにカム溝を形成し、前記ドロワ上昇レバーに突設されたピンボスを前記カム溝に挿通係合させ、該ピンボスの前記カム溝から突出する端部に手動操作用の把手を取り付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ドロワ上昇レバーを押し下げる方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、前記スライダが上限位置にあるときに前記ピンボスが嵌合する嵌合凹部を前記カム溝に形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1〜4の何れかに記載の電気的接続機構を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オプション機器側のドロワコネクタはオペレータによる手動操作によって上昇して画像形成装置本体側のドロワコネクタに接続されるが、画像形成装置本体がオプション機器上に設置される前の状態においてはドロワ上昇レバーの回動はロック手段によってロックされているため、オペレータが不用意にドロワ上昇レバーを手動操作してオプション機器側のドロワコネクタを上昇させてオプション機器の上面から突出させる自体の発生が防がれ、ドロワコネクタの外力等による損傷が確実に防がれる。又、画像形成装置本体がオプション機器上に設置される前の状態においてオペレータが本体検知レバーを操作しても、該本体検知レバーとドロワ上昇レバーの回動(オプション機器側のドロワコネクタ)とは連動しないため、ドロワコネクタが回動してオプション機器側のドロワコネクタが上昇することがなく、該ドロワコネクタが意に反してオプション機器の上面から突出することによって損傷する等の不具合の発生が確実に防がれる。
【0017】
そして、画像形成装置本体がオプション機器上に設置されて両ドロワコネクタが確実に接続された後に給電スイッチがONして画像形成装置本体からオプション機器への給電がなされるよう構成したため、画像形成装置本体側とオプション機器側のドロワコネクタ同士の接続不良による不具合の発生が確実に防がれる。
【0018】
又、ドロワ上昇レバーを押し下げる方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、スライダが上限位置にあるときにドロワ上昇レバーのピンボスが嵌合する嵌合凹部をハウジングのカム溝に形成したため、ドロワ上昇レバーの付勢手段による回動が阻止されてスライダが上限位置に保持され、画像形成装置本体側とオプション機器側の両ドロワコネクタの接続と給電スイッチのON状態が維持される。
【0019】
そして、画像形成装置本体を持ち上げてこれをペーパーフィーダから取り外す場合、両ドロワコネクタ同士の接合力によってスライダも画像形成装置本体と共に持ち上げられるため、該スライダに長孔係合するドロワ上昇レバーも持ち上げられる。このようにドロワ上昇レバーが持ち上げられると、これに突設されたピンボスが上昇してカム溝の嵌合凹部との嵌合が外れるため、ドロワ上昇レバーは付勢手段の付勢力によって回動してスライダを押し下げ、スライダに取り付けられたドロワコネクタが下降してハウジング内に収容され、ドロワ上昇レバーとスライダ及びドロワコネクタは画像形成装置本体がペーパーフィーダ上に設置される前の状態に自動的に復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】オプション機器であるペーパーフィーダの斜視図である。
【図3】(a),(b)は画像形成装置本体をペーパーフィーダ上に設置する手順を示す正面図である。
【図4】本発明に係る電気的接続機構の斜視図である。
【図5】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図6】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図7】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図8】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図9】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図10】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【図11】本発明に係る電気的接続機構の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明に係る画像形成装置の斜視図、図2はペーパーフィーダの斜視図、図3(a),(b)は画像形成装置本体をペーパーフィーダ上に設置する手順を示す正面図、図4は本発明に係る電気的接続機構の斜視図、図5〜図11は同電気的接続機構の作用説明図である。
【0023】
図1に示す画像形成装置1は、複写機能とプリンタ機能及びファクシミリ機能を備えた複合機(MFP)であって、画像形成装置本体2とオプション機器であるペーパーフィーダ(PF)3とで構成されており、ペーパーフィーダ3は床面上に設置され、その上に画像形成装置本体2が重ねて設置されている。
【0024】
画像形成装置本体2の上部には画像読取装置4が配設されており、その下方の画像形成部5には不図示の感光ドラム、帯電器、レーザービームスキャナ(LSU)等の光走査装置、現像装置、転写装置、定着装置、クリーニング装置等の各種プロセス機器が内蔵されている。又、画像読取装置4の前面側には操作表示部4aが設けられており、画像読取装置4と画像形成部5との間には排紙トレイ6が形成されている。そして、画像形成部5には手前側に引き出すことができる上下2段の給紙カセット7,8が設けられており、各給紙カセット7,8には複数枚の用紙が収容されている。
【0025】
他方、ペーパーフィーダ3は、図2に示すように、手前側に引き出すことができる上下2段の給紙カセット9,10が設けられており、各給紙カセット9,10には複数枚の用紙が収容されている。そして、このペーパーフィーダ3の画像形成装置本体2が載置される上面の4箇所の各コーナー部にはロック爪11(図2には3つのみ図示)が設けられており、奥側の左右には位置決めピン12が立設され、これらの位置決めピン12の間には本発明に係る電気的接続機構の一部を構成する上下動可能な本体検知レバー13が垂直に突出している。尚、図示しないが、画像形成装置本体2の底面の位置決めピン12に対応する箇所には、位置決めピン12が挿入される位置決め孔が形成されている。
【0026】
ここで、本発明に係る電気的接続機構の構成と作用を図4〜図11に基づいて以下に説明する。
【0027】
図6に示すように、画像形成装置本体2の下部にはドロワコネクタ14と給電スイッチ15が固設されており、これらのドロワコネクタ14と給電スイッチ15は画像形成装置本体2の内部に収納され、画像形成装置本体2の下面から突出していない。
【0028】
一方、図4及び図5に示すように、ペーパーフィーダ3には上下動可能に支持されたドロワコネクタ16が設けられており、このドロワコネクタ16は、ペーパーフィーダ3の上に画像形成装置本体2が設置される前の状態(図2及び図3(a)に示す単体の状態)では図4及び図5に示すようにペーパーフィーダ3の内部に退避してペーパーフィーダ3の上面から突出していない。
【0029】
而して、本実施の形態では、画像形成装置本体2側のドロワコネクタ14とペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16同士が接続され、これらのドロワコネクタ14,16にそれぞれ設けられた全てのコネクタピンが電気的に確実に連結された後、図8及び図9に示すように給電スイッチ15がONされて画像形成装置本体2側からペーパーフィーダ3側への給電を可能としている。
【0030】
ところで、本実施の形態では、ペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16は手動によって上昇するよう構成されている。そして、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態においてはドロワコネクタ16の手動によって上昇はロック手段によって阻止され、その後、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される動作によってロック手段によるドロワコネクタ16のロックが解除されて手動による該ドロワコネクタ16の上昇が許容されるよう構成されている。
【0031】
即ち、ペーパーフィーダ3の後面の幅方向中央には上下が貫通した矩形ボックス状のハウジング17が取り付けられており、このハウジング17内には前記本体検知レバー13と矩形ブロック状のスライダ18がそれぞれ上下動可能に収納保持されるとともに、ドロワ上昇レバー19が回動可能に収容されている。
【0032】
上記ハウジング17には、矩形窓17aと、円弧状のカム溝17b及び上下方向に長い長孔17cが形成されている。
【0033】
前記スライダ18の上部には前記ドロワコネクタ16が取り付けられている。又、このスライダ18の正面にはハウジング17の長孔17cに貫通するピンボス18aが一体に突設され、スライダ18の上面の幅方向一端には画像形成装置本体2側に設けられた前記給電スイッチ15を押圧してこれをONさせる突起状の操作子18bが一体に立設されている。
【0034】
前記本体検知レバー13は、上下方向に長い部材であって、その下端部の幅方向一端には上下方向に長いロック爪13aが形成されている。尚、この本体検知レバー13は、スプリング等の不図示の付勢手段によって常時上方に付勢されており、ペーパーフィーダ3上に画像形成装置本体2が設置されていない状態では、図4及び図5に示すようにペーパーフィーダ3の上面から突出している。
【0035】
前記ドロワ上昇レバー19には、本体検知レバー13の下端部に形成された前記ロック爪13aに係脱するロックピン19aが図5〜図11の紙面垂直方向奥側に向かって突設されるとともに、ピンボス19bがロックピン19aとは逆方向(図5〜図11の紙面垂直方向手前側)に向かって突設されている。又、ドロワ上昇レバー19には長孔19cと係止爪19dが形成されている。尚、本体検知レバー13に形成されたロック爪13aとドロワ上昇レバー19に突設されたロックピン19aは、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態においてドロワ上昇レバー19の回動(ドロワコネクタ16の上昇)をロックするためのロック手段を構成している。
【0036】
而して、スライダ18に突設された前記ピンボス18aがドロワ上昇レバー19の長孔19cとハウジング17に形成された長孔17cに挿通係合することによってドロワ上昇レバー19がスライダ18に長孔係合している。又、ドロワ上昇レバー19に突設されたピンボス19bは、ハウジング17のカム溝17bに挿通係合されており、図4に示すように、該ピンボス19bのカム溝17bから突出する端部には手動操作用の把手20が取り付けられている。そして、図5〜図11に示すように、ドロワ上昇レバー19の係止爪19dとハウジング17の係止段部17dとの間には、ドロワ上昇レバー19(ドロワコネクタ16)を押し下げる方向(図の時計方向)に付勢する付勢手段であるスプリング21が縮装されている。尚、ハウジング17のカム溝17bの一端には、図9に示すようにドロワ上昇レバーが上限位置にあるときにドロワ上昇レバー19のピンボス19bが嵌合する嵌合凹部17b−1が形成されている。
【0037】
而して、図3(a)、図4及び図5に示すように画像形成装置本体2をペーパーフィーダ3上に載置する前の状態では、前述のように本体検知レバー13がペーパーフィーダ3の上面から垂直に突出するとともに、ドロワ上昇レバー19が下限位置にあるためにドロワコネクタ16も下限位置にあってハウジング17内に収容されている。このとき、図5に示すように、ドロワ上昇レバー19に突設されたロックピン19aは本体検知レバー13に形成されたロック爪13aに係合しているため、把手20(図4参照)をハウジング17のカム溝17bに沿って操作してドロワ上昇レバー19を回すことができず、従って、ドロワ上昇レバー19に連結されたスライダ18とこれに取り付けられたドロワコネクタ16の上昇が阻止される。このため、画像形成装置本体2をペーパーフィーダ3上に載置する前の状態では、ドロワコネクタ16はハウジング17内に収容されてペーパーフィーダ3の上面から突出することがなく、該ドロワコネクタ16の外力等による損傷が確実に防がれる。
【0038】
上記状態から画像形成装置本体2の底面に形成された不図示の位置決め孔をペーパーフィーダ3側の位置決めピン12(図2参照)に合わせて画像形成装置本体2を降ろしていくと、図6に示すように、該画像形成装置本体2の底面がペーパーフィーダ3側の本体検知レバー13に当接してこれを不図示の付勢手段の付勢力に抗して押し下げるため、該本体検知レバー13に形成されたロック爪13aがドロワ上昇レバー19のロックピン19aの下方に位置して両者の係合が解除されるため、ドロワ上昇レバー19の回動ロックも解除される。
【0039】
従って、この状態から把手20を把持してこれをハウジング17のカム溝17bに沿って図6の矢印方向に移動させると、ドロワ上昇レバー13が矢印方向(反時計方向)に回動し、該ドロワ上昇レバー19の長孔19cに係合するピンボス18aが形成されたスライダ17がハウジング17の長孔17cに沿って垂直に上昇し、図7に示すように、該スライダ18の上部に取り付けられたドロワコネクタ16がペーパーフィーダ3の上面から突出して画像形成装置本体2側のドロワコネクタ14に接続され始める。又、スライダ18に立設された操作子18bも上昇する。
【0040】
そして、把手20を操作してドロワ上昇レバー19のピンボス19bを図8に示すようにハウジング17のカム溝17bの端部(上限位置)まで移動させると、スライダ18とこれに取り付けられたドロワコネクタ16及びスライダ18に立設された操作子18bが共に上限位置へと上昇し、両ドロワコネクタ14,16のコネクタピン同士が確実に連結されるとともに、スライダ18に設けられた作動子18bが画像形成装置本体2側に設けられた給電スイッチ15を押圧してこれをONするため、画像形成装置本体2側からペーパーフィーダ3側への給電が可能となる。この状態からオペレータが把手20から手を離すと、ドロワ上昇レバー19がスプリング21の付勢力によって下降しようとするが、この下降は該ドロワ上昇レバー19に形成されたピンボス19bが図9に示すようにハウジング17のカム溝17bの端部(上限端)に形成された嵌合凹部17b−1に嵌合することによって保持されるため、両ドロワコネクタ14,16同士の接続と給電スイッチ15のON状態が維持される。又、画像形成装置本体2が図3(b)に示すようにペーパーフィーダ3上に完全に載置されてセットされると、ペーパーフィーダ3の上面に突出する4つの前記ロック爪11(図2参照)が画像形成装置本体2の底面に形成された不図示の位置決め孔に係合するため、画像形成装置本体2とフェーパーフィーダ3とが連結一体化される。
【0041】
次に、画像形成装置本体2を持ち上げてこれをペーパーフィーダ3から取り外す場合、両ドロワコネクタ14,16同士の接合力によってスライダ18も画像形成装置本体2と共に持ち上げられるため、該スライダ18に長孔係合するドロワ上昇レバー19も持ち上げられる。このようにドロワ上昇レバー19が持ち上げられると、これに突設されたピンボス19bが図10に示すように上昇してカム溝17の嵌合凹部17b−1との嵌合が外れるため、ドロワ上昇レバー19はスプリング21の付勢力によって図11の矢印方向(時計方向)に回動してスライダ18を押し下げる。すると、スライダ18に取り付けられたドロワコネクタ16が下降してハウジング17内に収容され、ドロワ上昇レバー19とスライダ18及びドロワコネクタ16は図1に示す状態(画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態)に自動的に復帰する。尚、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3から取り外されると、本体検知レバー13は不図示の付勢手段によって上動して図4及び図5に示すようにペーパーフィーダ3の上面から突出する。
【0042】
以上のように、本実施の形態では、ペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16はオペレータによる手動操作によって上昇して画像形成装置本体2側のドロワコネクタ14に接続されるが、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態においてはドロワ上昇レバー19の回動はロック手段(ロックピン19aとロック爪13a)によってロックされているため、オペレータが不用意にドロワ上昇レバー19を手動操作してペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16を上昇させてこれをペーパーフィーダ3の上面から突出させる事態の発生が防がれ、ドロワコネクタ16の外力等による損傷が確実に防がれる。又、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置される前の状態においてオペレータが本体検知レバー13を押圧操作しても、該本体検知レバー13とドロワ上昇レバー19の回動(ペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16)とは連動しないため、ドロワ上昇レバー19が回動してペーパーフィーダ3側のドロワコネクタ16が上昇することがなく、該ドロワコネクタ16が意に反してペーパーフィーダ3の上面から突出することによって損傷する等の不具合の発生が確実に防がれる。
【0043】
そして、本実施の形態に係る電気的接続機構においては、画像形成装置本体2がペーパーフィーダ3上に設置されて両ドロワコネクタ14,16が確実に接続された後に給電スイッチ15がONして画像形成装置本体2からペーパーフィーダ4への給電がなされるよう構成したため、画像形成装置本体2側とパーパーフィーダ3側のドロワコネクタ14,16同士の接続不良による不具合の発生が確実に防がれて高い安全性が確保されるという効果も得られる。
【0044】
尚、以上は本発明を複合機に対して適用した形態について説明したが、本発明は、単体としての複写機やプリンタ等、他の任意の画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。又、本発明は、ペーパーフィーダ以外のオプション機器を備える画像形成装置の電気的接続機構に対しても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 ペーパーフィーダ(オプション機器)
4 画像読取装置
4a 画像読取装置の操作表示部
5 画像形成部
6 排紙トレイ
7〜10 給紙カセット
11 ロック爪
12 位置決めピン
13 本体検知レバー
13a 本体検知レバーのロック爪
14 ドロワコネクタ
15 給電スイッチ
16 ドロワコネクタ
17 ハウジング
17a ハウジングの矩形窓
17b ハウジングのカム溝
17b−1 カム溝の嵌合凹部
17c ハウジングの長孔
17d ハウジングの係止段部
18 スライダ
18a スライダのピンボス
18b スライダの操作子
19 ドロワ上昇レバー
19a ドロワ上昇レバーのロックピン
19b ドロワ上昇レバーのピンボス
19c ドロワ上昇レバーの長孔
19d ドロワ上昇レバーの係止爪
20 把手
21 スプリング(付勢手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプション機器とその上に設置される画像形成装置本体にドロワコネクタをそれぞれ設け、前記画像形成装置本体に前記ドロワコネクタとは別に給電スイッチを設け、画像形成装置本体がオプション機器上に設置されて両ドロワコネクタが確実に接続された後に前記給電スイッチがONして画像形成装置本体からオプション機器への給電がなされるよう構成した電気的接続機構において、
前記オプション機器に、前記ドロワコネクタが取り付けられたスライダと本体検知レバーを上下動可能に設けるとともに、前記スライダに長孔係合によって連結されたドロワ上昇レバーを回動可能に設け、前記画像形成装置本体が前記オプション機器上に設置される前の状態において前記ドロワ上昇レバーの回動をロックするロック手段を設け、前記画像形成装置本体が前記オプション機器上に設置される動作によって前記本体検知レバーが押し下げられることによって前記ロック手段による前記ドロワ上昇レバーの回動ロックを解除し、該ドロワ上昇レバーの手動による回動操作によって前記スライダをこれに取り付けられたドロワコネクタと共に上昇させて画像形成装置本体側のドロワコネクタに接続するとともに、前記給電スイッチをONするよう構成したことを特徴とする電気的接続機構。
【請求項2】
前記ロック手段を、前記本体検知レバーに形成されたロック爪と、前記ドロワ上昇レバーに設けられて前記ロック爪に係脱するロックピンとで構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的接続機構。
【請求項3】
前記本体検知レバーと前記ドロワ上昇レバーを上下動可能に収容保持するハウジングにカム溝を形成し、前記ドロワ上昇レバーに突設されたピンボスを前記カム溝に挿通係合させ、該ピンボスの前記カム溝から突出する端部に手動操作用の把手を取り付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電気的接続機構。
【請求項4】
前記ドロワ上昇レバーを押し下げる方向に付勢する付勢手段を設けるとともに、前記スライダが上限位置にあるときに前記ピンボスが嵌合する嵌合凹部を前記カム溝に形成したことを特徴とする請求項3記載の電気的接続機構。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の電気的接続機構を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−118178(P2012−118178A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266214(P2010−266214)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】