説明

電気的薬物移送製剤

溶解状態で不安定な薬物を含有する薬物保持層を非分極性電極に隣接させた状態で製品化するに際し、保存時の薬物安定性の増大、更に電極由来の金属イオンが原因で誘発される薬物保持層の外観変化(着色)の防止を可能とする共に、皮膚への電極成分の付着を防止し、薬物の高い生物学的利用率を得ることができる電気的薬物移送製剤を提供する。 電気的薬物移送製剤(1)は、電極支持基材(5)と、電極支持基材(5)上に配置された電極層(2)と、電極層(2)上に配置された薬物保持層(3)と、薬物保持層(3)を覆うフタ材(4)とを備える。ここで、薬物保持層(3)は金属キレート剤および/または前記電極層(2)と反応して難溶性化合物を形成する電解質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮または経粘膜への適用に好適な電気的薬物移送製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願において「電気的薬物移送」とは、薬物保持層に起電力を与えることで、薬物を荷電または無荷電に拘わらず、経皮または経粘膜投与する方法を意味するものである。電気的薬物移送装置の一形態であるイオントフォレーシスでは、陽極用と陰極用のイオントフォレーシス用電極を一定間隔において例えば皮膚に貼着し、電流発生器から生じた電流を上記電極に導くことにより治療が実施されるように構成されており、電気的移動(electromigration)、電気的浸透(electroosmosis)、またはこの両者の組み合わせにより薬物投与を可能にしている。更に、その他の方法であるエレクトロポレーション(electroporation)は、電界の印加により皮膚表面に一時的に孔を形成し、この孔を通して薬物を受動的又は能動的に(電位勾配の影響で)経皮投与するものである。尚、本願において電気的薬物移送は、上記の方法に限らず、電気的移送プロセスを含む薬物の投与方法であれば、全てを含むものと解釈される。
【0003】
このような電気的薬物移送に用いる電気的薬物移送製剤は、薬物保持層と電極層とを隣接させた構造を有しており、薬物保持層には、薬物の体内血中濃度を一定時間維持する目的で、あらかじめ設計された一定量の薬効成分の他、必要に応じて種々の添加剤が安定した薬効を維持できるように封入されている。
【0004】
通常、製剤の形態は、薬物の安定性を考慮に入れ、別包装の薬物を適用時に電極層に装着する薬物分離包装型、薬物を乾燥状態で薬物保持層に保持し適用時に溶解させる用時溶解一体包装型、更に含浸部材に薬液を含浸させた状態で保持するか、水溶性高分子等の親水性ゲル基剤に予め配合した状態で保持する薬物一体包装型の3つに大別できる。但し、医療現場では、操作性の面から、溶解した薬物を製剤中に予め保持された形態(薬物一体包装型)が、最も望まれている。この場合、薬物保持層の薬物の安定性確保が、非常に大きな課題であり、この課題の解決を目的としてこれまで数多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1または特許文献2には、麻酔薬リドカインと血管収縮剤エピネフリンを配合したイオントフォレーシス製剤が開示されている。この製剤の場合、エピネフリンが酸化し易いのを受け、ピロ亜硫酸ナトリウムやメタ亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、更にエデト酸二ナトリウム等の金属キレート剤を配合することで薬物安定化を実現する共に、pH制御及び窒素置換による更なる安定性向上が提案されている。この2つの技術は、薬物保持層のみに主眼を置いた薬物安定化方法である。しかし、実際の薬物分解機構では、電極からの溶出成分が関与している。上記2つの技術はこの点については全く着目しておらず、また、実際に係る点に対して対策が実施された例は皆無である。
【特許文献1】WO 00/30621号公報
【特許文献2】特表2001−505197号公報
【0006】
一方、通電状態での電極と薬物の相互作用に関しては、多くの報告がなされている。例えば、非特許文献1には、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム及びリン酸ヒドロコルチゾンナトリウムのイオントフォレーシス投与時に、水の電気分解によるpH変動が原因で、薬物安定性が低下することが報告されている。その解決策として、例えば、特許文献3には、薬物含有層と電極の間に薬物の電気化学的な分解を抑制する物質を積層するイオントフォレーシス用電極組成物が開示されており、これにより薬物の電気化学的安定性を向上させることが提案されている。
【非特許文献1】Sandesh C.Seth,international journal of pharmaceutics,106,7−14(1994)
【特許文献3】特開平11−99209号公報
【0007】
一般に、電気的薬物移送製剤では、電極層に分極性電極の白金、金、カーボン、チタンや、非分極性電極の銀、銅、塩化銀、塩化銅が使用される。特に、イオントフォレーシス製剤では、分極性電極と非分極性電極の両方を使用することができるが、分極性電極を用いた場合には電気分解が発生し、薬物保持層のpHが変化するため、薬物の分解(加水分解)が発生し易い。そのため、イオントフォレーシス製剤では、生体への安全性の面から、pH変動が少ない非分極性電極を使用するケースがほとんどである。しかし、非分極性電極は、電極自身が化学変化を受け、イオン化傾向が強い成分であるため、薬物保持層の条件(pH、電解質量)によっては、非通電状態でも電極成分の金属イオンが薬物保持層に遊離する危険性がある。この遊離金属イオンについては、早期に金属イオンが皮膚に到達して生体内に吸収され易くなり、有害性が発生し易くなる点と、遊離金属イオンが薬物イオンの競合イオンとなり、薬物吸収性を阻害する点が指摘されている。例えば、特許文献4には、電極部にイオン交換膜を設置したイオントフォレーシス製剤が、特許文献5には、非分極性電極に隣接した薬物保持層にイオン交換樹脂を分散させたイオントフォレーシス製剤が開示されているが、何れの製剤も、薬物吸収の競合となる遊離金属イオンの除去を目的としたものであり、薬物安定性への影響を検討したものではない。
【特許文献4】特許2636290号公報
【特許文献5】特開平10−66733号公報
【0008】
この様に、製剤保管時の非分極性電極の電極成分による薬物保持層の配合成分への影響に着目して、薬物保持層の組成を検討した事例はないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、溶解状態で不安定な薬物を含有する薬物保持層を非分極性電極に隣接させた状態で製品化するに際し、保存時の薬物安定性の増大、更に電極由来の金属イオンが原因で誘発される薬物保持層の外観変化(着色)の防止を可能とする共に、皮膚への電極成分の付着を防止し、薬物の高い生物学的利用率を得ることができる電気的薬物移送製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、電気的薬物移送製剤について、上記課題を解決すべく、鋭意に研究を実施した。その結果、電極成分である金属イオンが、薬物や添加剤の酸化分解を増進させ、薬物保持層の着色等の外観変化及び薬物安定性の低下を発生させていることを突き止め、この電極溶出成分について対策を行うことにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至ったものである。したがって本発明では、製剤保存時に電極層(非分極性電極)から薬物保持層に溶出してこようとする金属イオンを陰イオンで化学的に反応させ難溶性化合物に変化させることにより金属イオンの薬物保持層への移行を未然に防ぐ電解質、および/または、溶出した金属イオンを選択的にトラップする金属キレート剤が薬物保持層に配合される。これにより、電極層からの遊離金属イオンの移動が特異的に防止され、製剤の酸化による安定性の問題が解決され、薬効成分及び添加剤の含量低下や着色を抑制することができる。
【0011】
すなわち本発明は、薬効成分を含有する薬物保持層と、前記薬物保持層と隣接設置された電極層とを備えた経皮または経粘膜用の電気的薬物移送製剤であって、前記薬物保持層が金属キレート剤および/または前記電極層と反応して難溶性化合物を形成する電解質を含む電気的薬物移送製剤である。ここで、前記電解質は陰イオンを含有または生成し、また前記電極層は非分極性金属成分を含有するものとすることができる。前記非分極性金属成分は、銀または銀を含有する混合物とすることができる。
【0012】
前記難溶性化合物は、水への溶解度10g/dm以下または溶解度積(Ksp)1×10−2以下とすることができ、前記難溶性化合物の酸化還元反応の標準電極電位(25℃)は、−1V〜+2Vとすることができる。また、前記金属キレート剤は、エデト酸またはその塩とすることができる。前記金属キレート剤の配合量は、0.001〜1質量%であることが好ましい。前記電解質は、溶解時にハロゲン化物イオン(フッ素イオンを除く)、硫化物イオン、硫酸イオンおよびリン酸イオンの少なくとも一つ生成するものであることが好ましい。前記電解質の配合量は、0.001〜1質量%であることが好ましい。
【0013】
前記薬効成分は、ステロイドホルモンを含むことができる。前記ステロイドホルモンは、リン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、メタスルホン安息香酸デキサメタゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレニゾロン、リン酸ベタメタゾン及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電極層と薬効成分を含有する薬物保持層が隣接した電気的薬物移送製剤において、電極からの遊離金属イオンの移動を特異的に防止できるため、酸化による安定性が問題となる薬効成分及び添加剤の含量低下や、薬物保持層の着色抑制が可能であり、製剤の長期の品質保証を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る電気的薬物移送製剤(電極)の一構成例を示す分解図である。
【図2】図1の電気的薬物移送製剤の断面図である。
【図3】本発明の実施例および比較例における薬物吸収性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0016】
1 電気的薬物移送製剤
2 電極層
3 薬物保持層
4 フタ材
5 電極支持基材
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について以下詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電気的薬物移送製剤(電極)の一構成例を示す分解図、図2は図1の電気的薬物移送製剤の断面図である。図示のように、電気的薬物移送製剤1は、電極支持基材5と、電極支持基材5上に配置された電極層2と、電極層2上に配置された薬物保持層3と、薬物保持層3を覆うフタ材4とを備える。電極層2は外部電源に接続するための電極端子6に接続されている。
本発明の電極層の電極組成は、電気的薬物移送製剤に用いることができればいずれでも良く、例えば、白金、銀、塩化銀、銅、塩化銅、チタン、ニッケル、ステンレス、カーボン等が挙げげられるが、薬物の電気的分解を考慮した場合には、非分極性電極である銀、塩化銀、銅、塩化銅を使用することが好ましく、本発明は、特に非分極性電極を使用した場合により高い効力を発揮する。
更に、本発明の薬物保持層は、薬効成分以外に、金属キレート剤や電極成分と反応して難溶性化合物を形成する陰イオンを含有する電解質を配合することにより、電極成分による配合成分への影響を抑制している。
【0018】
金属キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)とそのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム二ナトリウム塩、ジアンモニウム塩、及びトリエタノールアミン塩(TEA−EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアンミン四酢酸(HEDTA)とその三ナトリウム塩、及びそれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。また、その金属キレート剤の配合量は、組成物の全質量に対して0.001〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。上記配合量が、0.001質量%未満では、十分な遊離金属イオンの捕捉効果が得られないのに対して、1質量%以上では、薬物の競合イオンとなり、薬物吸収を低下させると共に、金属キレート剤自体の人体への影響が懸念される。
【0019】
本発明で使用する電解質は、電極成分と反応して難溶性化合物を形成し、薬物保持層への金属成分の移行を抑制できるものであれば使用可能であるが、薬物保持層中のその他の成分との緩衝や反応が少ない物を選ぶことが好ましい。例えば、塩化物イオンを有する電解質は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化第一スズ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸、塩酸アラギニン、塩酸トリエタノールアミン等が挙げられ、更に臭化物イオン有する電解質は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム等が挙げられる。更に、ヨウ化物イオンを有する電解質は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが挙げられる。また、硫酸イオンを有する電解質は、硫酸、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸マグネシウム等が挙げられる。また、硫化物イオンを有する電解質は、硫化ナトリウム、硫化カリウム等が挙げられる。また、リン酸イオンを有する電解質は、リン酸、リン酸一水素カルシウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。また、炭酸イオンを有する電解質は、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。尚、電解質の使用形態は、無水物若しくは水和物の単独形態でも、薬効成分の付加塩の形態でもいずれでも構わない。
【0020】
尚、本発明の難溶性化合物は、水への溶解度10g/dm以下、若しくは溶解度積(Ksp)1×10−2以下であることが好ましく、より好ましくは溶解度1g/dm以下若しくは溶解度積(Ksp)1×10−5以下である。溶解度10g/dm以上若しくは溶解度積(Ksp)1×10−2以上では、難溶性化合物の再溶解が起こり易くなるため、十分な機能を発揮しない場合がある。また、難溶性化合物は、薬物保持層中で結晶化沈殿するものではなく、本質的に電極表面に積層する形で結晶化するものであり、その結果、電極表面に絶縁性が増大することになる。そのため、難溶性化合物に電気を掛けた場合の電極反応(酸化型←→還元型)の標準電極電位(25℃)は、−1V〜+2Vであることが好ましく、より好ましくは−0.5V〜+1Vである。−1V以下の標準電極電位(25℃)には、電極表面での分極が増加するばかりか、電気的な皮膚刺激を誘発する。また、+2V以上では、自己還元が発生し易くなるという問題がある。
【0021】
上記に該当する難溶性化合物としては、例えば、銀含有電極を使用した場合には、塩化銀(溶解度30mg/dm(25℃),標準電極電位+0.22V)、臭化銀(溶解度5.5mg/dm(25℃),標準電極電位+0.07V)、ヨウ化銀(溶解度積8.5×10−17(25℃),標準電極電位−0.15V)、シアン化銀(溶解度積1.6×10−14(25℃),標準電極電位−0.017V)、炭酸銀(溶解度積8.1×10−12(25℃),標準電極電位+0.47V)、硫化銀(溶解度6.151×10−10mg/dm(10℃),標準電極電位−0.71V)、リン酸銀(溶解度積6.44×10−3(20℃),標準電極電位+0.34V)、硫酸銀(溶解度0.84g/100g(25℃),標準電極電位+0.65V))等が挙げられる。
【0022】
また、本発明の電解質の配合量は、組成物の全質量に対して0.001〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。上記配合量が、0.001質量%未満では遊離金属イオンの捕捉効果が得られないのに対して、1質量%以上では、薬物の競合イオンとなり、薬物吸収を低下させる。
【0023】
また、薬物保持層には、薬物溶液を含浸部材にしみ込ませて保持する含浸型と、薬物を保形性のあるゲル状若しくは半固形状にして保持するマトリックス型に分けられる。含浸型では、例えば、不織布、脱脂綿、ガーゼ、紙、合成樹脂連続発泡体又は吸収性樹脂等のスポンジや多孔質材等に薬物溶液を保持させた状態で保存するものである。一方、マトリックス型では、親水性基剤が好適に使用され、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸完全中和物、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体及び中和物、メトキシエチレンマレイン酸共重合体及び中和物、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸デンプン、ポリアクリルアミドおよびポリアクリルアミド誘導体、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミドとアクリル酸および/またはアクリル酸塩との共重合体等のイオン性合成高分子や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等の非イオン性合成高分子、更にアラビアガム、トラガントガム、ローカストビンガム、グアーガム、エコーガム、カラヤガム、寒天、デンプン、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、デキストラン、デキストリン、アミロース、ゼラチン、コラーゲン、プルラン、ペクチン、アミロペクチン、スターチ、キチン、キトサン、アルブミン、カゼイン、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等の天然樹脂及び半合成系樹脂が挙げられ、これらに水を添加してゲル状又は固体状にしたり、更にグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等のジオール類、D−ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール等の糖アルコール類を添加して柔軟可塑化して、自己保形性及び皮膚接着性を有する柔軟なフィルム又はシート状ゲルに成形したものが挙げられる。また、必要に応じて、防腐剤、緩衝化剤、pH調整剤等を添加できるが、配合量は、薬物との競合を考慮し、投与時の薬物吸収性を低下させない程度とする。
【0024】
本発明の組成物に含有される薬物は、薬物保持層中に溶解状態で存在し、陽イオン又は陰イオンに解離するものであれば、あらゆる治療分野における薬剤が使用可能であり、特に分子量1×10〜1×10の生理活性物質が広く用いられる。例えば、抗アレルギー剤、麻酔剤、鎮痛剤、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗腫瘍薬、解熱薬、抗不整脈薬、降圧薬、利尿薬、血管拡張薬、制吐薬、中枢神経系興奮薬、診断薬、ホルモン剤、抗炎症薬、抗うつ薬、抗精神病薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、抗ウイルス薬、抗生物質、抗血栓形成薬、骨吸収抑制剤、骨形成促進剤などが例示として挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独あるいは必要に応じて組み合わせて使用される。
【0025】
陽イオンに解離しうる種々の薬物の例としては、バカンピシリン、スルタミシリン、セフポドキシムプロキセチル、セフテレラムピボキシル、セフメノキシム、セフェチィアム、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサクリン、エリスロマイシン、ロキタマイシン、アミカシン、アルベカシン、アストロマイシン、ジベカシン、ゲンタマイシン、イセパマイシン、カナマイシン、ミクロノマシイン、シソマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、エタンブトール、イソニアシド、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、アシクロビル、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、ホスホマイシン、バンコマイシン、アクラルビシン、ブレオマイシン、シタラビン、ダカルバジン、ニムスチン、ペプロマイシン、プロカルバジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、カルシトニン類、パタチドライドホルモン(PTH)、顆粒球コロニー形成刺激因子(G−CSF)、メカセルミン、アリメマジン、クロルフェニラム、クレマスチン、メキタジン、アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミド、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、コルヒチン、カモスタッド、ガベキサート、ナファモスタット、ミゾリビン、ピロキシカム、プログルメタシン、エモルファゾン、チアラミド、ブプレノルフィン、エルゴタミン、フェナセチン、リルマザホン、トリアゾラム、ゾピクロン、ニトラゼパム、クロナゼパム、アマンタジン、ブロモクリプチン、クロルプロマジン、スルトプリド、クロルジアゼポキシド、クロキサゾラム、ジアゼパム、エチゾラム、オキサゾラム、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、セチプチリン、チクロピジン、アトロピン、臭化パンクロニウム、チザニジン、臭化ピリドスチグミン、ドブタミン、ドパミン、ベニジピン、ジルチアゼム、ニカルジピン、ベラパミル、アセプトロール、アテノロール、カルテオロール、メトピロロール、ニプラジロール、ピンドロール、プロプラノロール、ジピリダモール、ニコランジル、トラジピル、アジマリン、アプリンジン、ジベンゾリン、ジソピラミド、フレカイニド、イソプレナリン、リドカイン、メキシレチン、プロカイン、プロカインアミド、テトラカイン、シブカイン、プロパフェノン、キニジン、ヒドロクロロチアジド、トリクロロチアジド、トリパミド、アゾセミド、アモスラロール、ブドララジン、ブナゾシン、カドララジン、クロニジン、デラプリル、エナラプリル、グアネチジン、ヒドララジン、ラベタロール、プラゾシン、レセルピン、テラゾシン、ウラジピル、ニコモール、エピネフリン、エチレフリン、ミドドリン、パパベリン、クレンブテロール、フェノテロール、マブテロール、プロカテロール、サルブタモール、テルブタリン、ツロブテロール、チペプジン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ロキサチジンアセタート、ベネキサート、オメプラール、ピレンゼピン、スルピリド、シサプリド、ドンペリドン、メトクロプラミド、トリメブチン、コデイン、モルヒネ、フェンタニル、ペチジン、オキシブチン、リトドリン、トロジリン及びそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
陰イオンに解離しうる種々の薬物の例としては、アモキシシリン、アンピシリン、アスポキシシリン、ベンジルペニシリン、メチシリン、ピペラシリン、スルベニシリン、チカルシリン、セファクロル、セフェドロキシル、セフェレキシン、セファトリジン、セフィキシム、セフラジン、セフロキサジン、セファマンドール、セファゾリン、セフメタゾール、セフミノクス、セファペラゾン、セフォタキシム、セフォタテン、セフォキシチン、セフピラミド、セフスロジン、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフゾナム、アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、イメペネム、ラタモキセフ、シプロフロキサシン、エノキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ビダラゾン、フルオロウラシル、メトトレキサート、レボチロキシン、リオチロニン、アンレキサノクス、クロモグリク酸、トラニラスト、グリクラジド、インシュリン類、プロスタグランジン類、ベンズブロマロン、カルバゾクロム、トラネキサム酸、アルコロフェナック、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メフェナム酸、スリンダク、チアプロフェン酸、トルメチン、スルピリン、ロベンザリット、ペニシラミン、アモバルビタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、チオペンタール、フェニトレン、バルプロ酸、ドロキシドパ、アセタゾラミド、ブメタニド、カンレン酸、エタクリン酸、アラセプリル、カプトプリル、リシノプリル、メチルドパ、クロフィラブラート、プラバスタチン、プロブコール、アルプロスタジル、アミノフィリン、テオフィリン、カルボシステイン、リン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、メタスルホン安息香酸デキサメタゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレニゾロン、リン酸ベタメタゾン及びそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明において好適な薬物としては、加水分解及び酸化分解により非常に薬物安定性の維持が難しい薬物や、経時での外観変化(着色)が顕著を薬物が挙げられる。更に好ましい薬物としては、水溶性ステロイド化合物が挙げられる。代表的な化合物として、リン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、メタスルホン安息香酸デキサメタゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレニゾロン、リン酸ベタメタゾン及びそれらの塩がある。
【実施例】
【0026】
以下に、実施例および試験例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。尚、本発明の実施例および比較例における薬物保持層の配合量を表1、表2、および表3に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
(実施例1)
ポリビニルアルコール(完全ケン化物、クラレ製)15質量%をグリセリン10質量%に分散させた後、水を添加し加熱溶解させた。別に、リン酸デキサメタゾンナトリウム3質量%、エデト酸二ナトリウム0.1質量%を水に溶解させ調製した。両調製品を真空練合機で脱泡を行いながら練合した。得られた組成物(薬物保持層)は、剥離処理したポリエステルテレフタレート製の凸型成型容器(直径24mm,深さ1.5mm)に0.8g充填した後、電極層を印刷したポリエステルテレフタレートフィルムを貼り合わせ、−40℃で凍結後、5℃下で解凍することで本実施例の製剤を得た。
【0031】
(実施例2〜15)
表1または表2に記載した成分について実施例1と同様の方法でゲルを調製した。
(実施例16)
水39.83質量%にゼラチン(新田ゼラチン製)2質量%、D−ソルビトール液(日研化学製)3質量%、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(MYS10,日光ケミカルズ製)0.3質量%を添加し、加熱溶解させた。別に、ポリビニルアルコール(部分ケン化物,クラレ製)2質量%、ポリエチレンオキサイド(coagulant,ダウケミカル製)1.5質量%をグリセリン12質量%に分散させ調製した。両調製品を真空練合機で脱泡を行いながら練合した。次に、ポリアクリル酸ナトリウム(F−480ss,昭和電工製)2質量%、ポリアクリル酸部分中和物(NP−700,昭和電工製)0.5質量%、パラヒドキシ安息香酸メチル0.18質量%、パラヒドキシ安息香酸プロピル0.02質量%をグリセリン10質量%に分散させた調製品、及びリン酸デキサメタゾンナトリウム3質量%、塩化カルシウム2水和物0.2質量%を水15質量%に溶解さた調製品を順次添加し、均一に溶解させた。最後に、乾燥水酸化アルミニウムゲル(協和化学製)0.37質量%をグリセリン3質量%に分散させた調製品とエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1質量%を添加し、均一になるまで練合した。得られた組成物(薬物保持層)は、剥離処理したポリエステルテレフタレート製の凸型成型容器(直径24mm,深さ1.5mm)に0.8g充填した後、電極層を印刷したポリエステルテレフタレートフィルムを貼り合わせ、本実施例の製剤を得た。
【0032】
(実施例17〜18)
表2に記載した成分について実施例16と同様の方法でゲルを調製した。
(実施例19)
水30質量%にN−ビニルアセトアミド/アクリル酸共重合体(GE−167,昭和電工製)5質量%、グリセリン21質量%、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(MYS10,日光ケミカルズ製)0.4質量%を添加し、加熱溶解させた。別に、ポリビニルアルコール(部分ケン化物,クラレ製)3質量%、パラヒドキシ安息香酸メチル0.18質量%、パラヒドキシ安息香酸プロピル0.02質量%をグリセリン9質量%に分散させ調製した。両調製品を真空練合機で脱泡を行いながら練合した。次に、水13質量%にゼラチン(新田ゼラチン製)3質量%を添加し加熱溶解させた調製品、及びリン酸デキサメタゾンナトリウム3質量%、塩化ナトリウム0.2質量%を水12.2質量%に溶解さた調製品を順次添加し、均一に溶解させた。最後に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1質量%を添加し、均一になるまで練合した。得られた組成物(薬物保持層)は、剥離処理したポリエステルテレフタレート製の凸型成型容器(直径24mm,深さ1.5mm)に0.8g充填した後、電極層を印刷したポリエステルテレフタレートフィルムを貼り合わせ、本実施例の製剤を得た。
(実施例20)
表2に記載した成分について実施例19と同様の方法でゲルを調製した。
(比較例1〜8)
表3に記載した成分について実施例1と同様の方法でゲルを調製した。
(比較例9)
表3に記載した成分について実施例16と同様の方法でゲルを調製した。
(比較例10)
表3に記載した成分について実施例19と同様の方法でゲルを調製した。
【0033】
(実験例1:外観変化の観察)
実施例1〜20及び比較例1〜10のゲル組成物(4.5cm)は、非分極性電極(銀/塩化銀(1:1):銀と塩化銀の混合物)若しくは分極性電極(カーボン)を印刷したポリエステルフィルムを装着した製剤をアルミニウム包装し、評価試料とした。本実施例の電極は、ドナー及びリファレンスの兼用電極である。本実験例を40℃で保存し、薬物保持層の外観変化の度合いを検討した。その結果を表4に示した。また、表4には、薬物保持層の電解質と電極層とが反応して生成すると思われる主な生成塩を記載した。
【0034】
【表4】

【0035】
表4に示した結果において、薬物を含有しない比較例1は、電極の有無に関わらず薬物保持層の着色が無かったの対し、薬物を含有した比較例2では、非分極性電極(銀/塩化銀)では着色が確認されたが、分極性電極(カーボン)では確認されなかった。この結果は、非分極性電極(銀/塩化銀)を使用し、薬物を含有した系で、明らかな着色が発生することを示唆する。
一方、着色防止を念頭に金属キレート剤や電解質を配合した実施例1〜20では、非分極性電極(銀/塩化銀)を設置した系でも薬物保持層の明らかな着色は認められなかった。ただ、比較例3〜7では、電解質を配合したにも関わらず、単独では着色を防止することはできなかった。
【0036】
この原因は、生成する陰イオンの移動度(その他の成分との相互作用)の違いと、電極層と反応して形成する塩の溶解度や溶解度積の違いによるものと判断できる。因みに、比較例3では、難溶性塩の水酸化銀が生成される予定であったが、水酸化イオンが緩衝を受けるため、塩を生成するまでに到らなかったもののと思われる。(表4記載の生成塩の溶解度や溶解度積は、詳細な説明の欄を参照。尚、水酸化銀(溶解度2.65mg/dm(25℃),硝酸銀(溶解度241g/100g(25℃)である。)
【0037】
上記の結果より、非分極性電極(銀/塩化銀)を設置した製剤では、金属キレート剤および/または電極層と反応して難溶性化合物を形成する陰イオンを生成する電解質を配合することにより、着色の抑制及び防止が可能であり、電極層による影響を抑制していることは明らかである。
【0038】
(実験例2:薬物安定性試験)本発明の実施例1、実施例5及び比較例2のゲル組成物(4.5cm)に銀/塩化銀ペーストを印刷したポリエステルフィルムを装着した製剤をアルミニウム包装を施した状態で、50℃で保存し、薬効成分(リン酸デキサメタゾンナトリウム)の経時的変化の度合いを検討した。その結果を表5に示した。
【0039】
【表5】

【0040】
比較例2を装着した実験例に対し、実施例1(エデト酸二ナトリウム配合)及び実施例5(エデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウム配合)を装着した実験例は、薬物残存率が高く、更に分解物の構成に違いがあることが明らかである。特に、実施例1及び実施例5では、その他の分解物(酸化物等)の生成率が減少している。尚、リン酸デキサメタゾンナトリウムの分解機構は、酸化分解と加水分解が主反応であり、特に酸化分解には金属イオンの関与が大きいことが知られている。係る点より、遊離した銀イオンが薬物安定性に悪影響を及ぼすことが予想されたが、本実験例でも確認された。この結果より、本実施例の金属キレート剤と電解質が、銀イオンの遊離を抑制するため、薬物安定性が向上したものと判断できる。
【0041】
(実験例3:in vivo薬物吸収性)
実施例2、実施例5及び比較例2、比較例8で得たゲル組成物(4.5cm)に塩化銀ペーストを印刷したポリエステルフィルムを装着し、ドナー電極(陰極)とした。更に、銀ペーストを印刷した電極の印刷面にPET不織布を装着した製剤(4.5cm)に生理食塩水を含浸させてものをリファレンス電極(陽極)とした。
【0042】
実験開始時には、SDラット7週齢(体重300g,N=4)の腹部をシェーバー処理した後、製剤を貼布し、エラテックステープ(アルケア製)で固定し、更に電源装置および記録装置と接続したコードを製剤に接続し、通電(定電流:0.45mA/patch,通電時間:3hr)を開始した。採血は、経時的に徑静脈よりシリンジで採血し、血漿をアルカリフォスファターゼにより脱リン酸化し、ODSカートリッジでクリーンアップ後、HPLCで定量した。その結果を図3に示した。図3は、本発明の実施例および比較例における薬物吸収性を示すグラフであり、横軸は時間(hr)、縦軸は血清中dexamethasone濃度(ng/ml)を示す。
【0043】
図3に示した結果において、実施例2(塩化ナトリウム0.1質量%配合)と実施例5(塩化ナトリウム0.1質量%,エデト酸二ナトリウム0.1質量%配合)は、比較例2(未配合)と同等の薬物吸収性を示した。一方、比較例8(塩化ナトリウムを1.0質量%配合)では、薬物吸収性が低下しており、配合した電解質が薬物の競合イオンとなっていることが判明した。然るに、薬物吸収性の面からは、電解質の配合を極力少なくすることが重要になる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、医療用製品として長期の品質保証を実現することができる電気的薬物移送製剤に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬効成分を含有する薬物保持層と、前記薬物保持層と隣接設置された電極層とを備えた経皮または経粘膜用の電気的薬物移送製剤であって、前記薬物保持層が金属キレート剤および/または前記電極層と反応して難溶性化合物を形成する電解質を含むことを特徴とする電気的薬物移送製剤。
【請求項2】
前記電解質が陰イオンを含有または生成することを特徴とする請求項1記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項3】
前記電極層が非分極性金属成分を含有することを特徴とする請求項1または2記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項4】
前記非分極性金属成分が、銀または銀を含有する混合物からなることを特徴とする請求項3記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項5】
前記難溶性化合物が、水への溶解度10g/dm以下または溶解度積(Ksp)1×10−2以下であることが特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項6】
前記難溶性化合物の酸化還元反応の標準電極電位(25℃)が、−1V〜+2Vであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項7】
前記金属キレート剤が、エデト酸またはその塩であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項8】
前記金属キレート剤の配合量が、0.001〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項9】
前記電解質が、溶解時にハロゲン化物イオン(フッ素イオンを除く)、硫化物イオン、硫酸イオンおよびリン酸イオンの少なくとも一つ生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項10】
前記電解質の配合量が、0.001〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項11】
前記薬効成分が、ステロイドホルモンを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電気的薬物移送製剤。
【請求項12】
前記ステロイドホルモンが、リン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、メタスルホン安息香酸デキサメタゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレニゾロン、リン酸ベタメタゾン及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項11記載の電気的薬物移送製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【国際公開番号】WO2005/020967
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【発行日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513430(P2005−513430)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012091
【国際出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000160522)久光製薬株式会社 (121)
【Fターム(参考)】