電気自動車、および電力管理装置
【課題】ユーザが電気自動車に蓄電された電力を電気自動車以外の用途に使用するために放電する場合、蓄電電力は既に充電時に課税されているので、その放電電力量に応じた返金ができるようにする電気自動車及び電力管理装置を提供する。
【解決手段】スマートメータ21を介して系統電源31に接続された際、充電量計測回路2と放電量計測回路3によりバッテリ1に対する充放電量の計測を行う。充放電制御回路4は、認証回路5による認証の結果、課税を管理できるスマートメータ21と接続された場合は、当該スマートメータ21にバッテリ1の充放電量を通知し、課税を管理できないスマートメータ21に接続された場合には、バッテリ1の充放電量を充放電制御回路4内のROM42に記憶する。
【解決手段】スマートメータ21を介して系統電源31に接続された際、充電量計測回路2と放電量計測回路3によりバッテリ1に対する充放電量の計測を行う。充放電制御回路4は、認証回路5による認証の結果、課税を管理できるスマートメータ21と接続された場合は、当該スマートメータ21にバッテリ1の充放電量を通知し、課税を管理できないスマートメータ21に接続された場合には、バッテリ1の充放電量を充放電制御回路4内のROM42に記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の電力蓄積手段を有する電気自動車、およびその電力管理装置に係り、特には電気自動車の充放電電力の課税のための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減に向け、ピーク電力が発電所から供給される電力量を超えそうな場合は、EVなどのバッテリに予め蓄電された電力を電力系統に放電することで電力の安定化を図るスマートグリッド技術の開発、および実証実験が実施されている。さらに、このピーク電力の削減に加え、需要家の環境への意識の向上に伴い、二酸化炭素を排出せず発電できる太陽光などの自然エネルギを利用した発電システムが普及し、分散型エネルギコミュニティを形成しつつあり、太陽光パネルで発電した余剰電力を電力系統に売電することがごく一般に行われつつある。
【0003】
また、一般的なガソリン車に代わり、今後の温暖化対策の一環として、環境にやさしい電気自動車(以下、EVと記す)が普及した場合に、ガソリン税に代わる新たな税金を付与する必要が出てくる。なお、以下において、EVには、電気二輪車なども含まれる。
【0004】
ところで、従来技術では、新たな税金を付与する場合の電力使用量と、税金を管理する管理技術が開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。具体的には、例えば自宅などの特定エリアでEVに充電する際は、EVへの充電量と自宅内の家電機器の電力使用量とを分けて管理する必要がある。一方、特定エリア以外での充電を行う際には、充電量に加えてエリア情報を管理する。また、EVへの充電には、契約者ID、世帯IDなどで認証し、認証ができたならば充電を行う。電力料金の算出に関しては、EVについては、電力使用量、および車種情報などに基づき電力使用量と税金を計算する。そして、家電機器の電力使用量、EVへの充電量、およびEV充電の際の税金を合わせてユーザから電力料金として徴収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−129384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載されている技術では、EVへ充電する際に、ガソリン税に代わる税金を電力料金として徴収する課金手法について開示されているが、EVのバッテリから放電した電力については考慮されていない。従って、EVに一旦充電した電力を放電する場合に、放電電力の内のEV自体で使用する電力については、ガソリン税と同様に税金として課金されるのは理解できても、EV以外の用途、例えば自宅内の家電機器などにEVからの放電電力を使用した場合にも、EVへの電力使用と見なされてガソリン税と同様な税金が課せられるのでは、ユーザが不必要な税金まで納めることになって妥当でない。
【0007】
そこで、本発明は、上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、EVに充電された電力を放電する場合に、その使用用途に応じて課税/非課税を判断し、電力使用料金と税金とを合理的に徴収できる電気自動車、およびその電気自動車向けの電力管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気自動車(請求項1)は、車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を有するとともに、上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、上記蓄電手段からの放電量を計測する放電量計測手段と、上記蓄電手段への充放電を制御する充放電制御手段と、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段で計測される上記蓄電手段に対する放電量と充電量とをそれぞれ記憶する充放電量記憶手段と、車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電、または上記蓄電手段から車外への放電の実施が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段とを備え、上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記通信手段を介して当該電力管理手段に通知する一方、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できない場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記充放電量記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の電気自動車(請求項13)は、車外に対して充電可能な大容量の蓄電手段を有するとともに、上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、上記蓄電手段への充電を制御する充電制御手段と、上記充電量計測手段で計測される上記蓄電手段への充電量を記憶する充電量記憶手段と、車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、上記蓄電手段への車外からの充電が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段とを備え、上記電力管理手段は、車外に設置された電源系統と接続手段で接続した際、少なくとも該認証手段での認証に失敗した場合、充電量に対する課税を管理できる車外の電力管理手段情報が登録されているかを確認し、登録されていた場合は、充電量計測手段に充電量計測指示を通知し、該蓄電手段に充電を行うよう制御することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の電力管理装置(請求項17)は、充放電可能な大容量の蓄電手段を備えた電気自動車に対して系統電源から供給される供給電力量、および上記電気自動車から上記系統電源へ放電される放電電力量をそれぞれ管理するものであって、上記系統電源と上記電気自動車とを接続する接続手段と、電力会社へ需要家宅内での使用電力量を通知する使用電力量通知手段と、上記系統電源から上記電気自動車への供給電力量を計測する供給電力量計測手段と、上記電気自動車との間で通信を行う通信手段と、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されたものどうかを上記通信手段を介して認証する認証手段と、上記系統電源と上記電気自動車との間で充放電される電力量を管理する電力量管理手段と、課税管理を行うための電力使用量に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、上記電力量管理手段は、上記接続手段により宅内系統電源と電気自動車が接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されている場合には、上記電気自動車への充電要求、あるいは電気自動車からの放電要求に応じて上記系統電源から上記蓄電手段への充電または放電を実施するとともに、上記供給電力量計測手段で計測される上記電気自動車への供給電力量および上記電気自動車から与えられる充放電電力情報に基づいて、上記系統電源からの電力使用量、電気自動車への充電量、および電気自動車からの放電量をそれぞれ区分して上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明(請求項1)の電気自動車は、車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を利用し、ピーク電力時、あるいは電力料金が高い時間帯にこの蓄電手段に蓄電された電力を放電することで、ピーク電力時の電力使用の削減、あるいは安価な深夜電力などで充電した電力の有効利用を図ることができる。その場合、蓄電手段に電力を充電する際に課金された電力を、電気自動車を動かすため以外の宅内の電気機器や系統電源への放電に使用した場合には、その放電量を確実に管理し、その管理結果に基づき、ユーザが払いすぎた税金の調整を確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明(請求項13)の電気自動車は、課税ができる充電スタンド以外であっても、蓄電手段への充電が許可された電力管理手段に接続して蓄電手段に電力を充電した場合、後でその充電量を調べて課税することができるので、充電に対する課税が確実に行え、このため、ユーザは、自宅のみならず、実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。
【0013】
また、本発明(請求項17)の電力管理装置は、ユーザが宅内の家電機器を使用するために電気自動車内の蓄電手段から放電した電力量、あるいは電気自動車が登録されていない電源からの電気自動車への充電量(税金を納めていない電力量)を、電気自動車から読み出すことができる。このため、電気自動車への充放電を行った際にかかる税金に対して確実に管理することができるとともに、例えば、電力会社が、電気自動車からの放電を行ったユーザに対して、その放電量に基づき、放電量に応じた電力料金の割引などを実施する場合においても、充電量、放電量、電力使用量を別々に管理するので、確実に放電量に応じて電力料金の割引を行うことができ、ユーザは不必要な税金を払う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気自動車、および電力管理システムのシステム構成を概略的に示す構成図である。
【図2】図1に示される電気自動車内の充放電制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1に示されるスマートメータの構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】図1に示される電力課金サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】図1に示される電気自動車が電源I/Fに接続された時の全体的な制御フローである。
【図6】図1に示されるスマートメータに電気自動車が接続された時の全体的な制御フローである。
【図7】図1に示されるスマートメータの電源がオンされて起動された時の全体的な制御フローである。
【図8】図1に示される電力課金サーバの全体的な制御フローである。
【図9】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際の電気自動車内の制御フローである。
【図10】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際のスマートメータの制御フローである。
【図11】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際の電力課金サーバの制御フローである。
【図12】本実施の形態1において電気自動車の登録時の電気自動車、スマートメータ、および電力課金サーバの相互間の動作シーケンスを示す説明図である。
【図13】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際の電気自動車の認証、接続処理を示す制御フローである。
【図14】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際のスマートメータによる認証、接続処理を示す制御フローである。
【図15】本実施の形態1における電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際の、電気自動車およびスマートメータの相互間の認証、接続処理の動作シーケンスを示す説明図である。
【図16】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車を充電する際の電気自動車の処理を示す制御フローである。
【図17】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車を充電する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図18】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続して電気自動車から放電する際の電気自動車の処理を示す制御フローである。
【図19】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車から放電する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図20】図1に示される宅内での電力使用量、電気自動車への充電電力量、電気自動車からの放電電力量に基づいてユーザに請求する電力使用量を計算する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図21】図1に示される宅内での電力使用量、電気自動車への充電電力量、電気自動車からの放電電力量に基づいてユーザに請求する電力使用量を計算する際の電力課金サーバの処理を示す制御フローである。
【図22】図1に示される電気自動車およびスマートメータ内に登録されている電気自動車とスマートメータに関する登録情報を削除する際の処理を示す制御フローである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気自動車、および電力管理装置を中心としたシステム構成図である。
図において、1はEV10に搭載されているバッテリ、2はバッテリ1への充電量を計測する充電量計測回路、3はバッテリ1から自動車電源I/F8を通して宅内に供給する放電電力量を計測する放電量計測回路、4はバッテリ1への充電量、バッテリ1からの放電量を制御する充放電制御回路、5は通信回路6を介して接続された宅内のスマートメータ21、あるいは図示していない充電スタンドとEV間で機器認証を行う認証回路、6は宅内のスマートメータ21、あるいは図示していない充電スタンドと通信を行う通信回路、7はバッテリ1に充電された充電電力量、およびバッテリ1から放電される放電電力量を管理する課税管理回路、8は宅内電源I/F23、あるいは図示していない充電スタンドの電源インターフェースと接続する自動車電源I/F回路、9はエアコン等の車載機器である。
【0016】
EV10のバッテリ1を中心とした充放電制御系は、バッテリ1、充電量計測回路2、放電量計測回路3、充放電制御回路4、認証回路5、通信回路6、課税管理回路7、自動車電源I/F回路8、および車載機器9で構成される。
【0017】
21は宅内20に配置されたスマートメータ、22はスマートメータ21から出力される機器情報を表示するモニタ、23はEV10と接続する宅内電源I/F回路である。31は宅内20に供給される系統電源、32はインターネット、33はスマートメータ21から通知される宅内20での電力消費量、EV10への充電電力量、EV10からの放電電力量、EV10の未納分充電電力量を元に、ユーザに請求する電力使用料、税金を算出する電力課金サーバである。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1に係るEV10内の充放電制御回路4を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0019】
図2において、41は充放電制御回路4を制御するCPU、42はCPU41で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM42をフラッシュROMで構成し、EV10自身のIPアドレス、MACアドレス、自宅のスマートメータ21の情報、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、未課税の充電電力量、未通知の放電電力量などを記憶する。
【0020】
43はCPU41でプログラムを実行する際にワーク領域などとして使用するRAM、44はCPUバス、45は充電量計測回路2より出力される充電電力量に基づいて課税対象となる充電電力量を算出する充電課税算出回路、46は放電量計測回路3より出力される放電電力量に基づいて税金精算が未調整の放電電力量を算出する放電課税算出回路である。
【0021】
47は自動車電源I/F8より供給されるDC電力の電圧値を変更してバッテリ1に供給、あるいはバッテリ1から放電されるDC電力の電圧値を変更して宅内のスマートメータ21に供給するDC−DCコンバータ48を制御するDC−DCコンバータ制御回路、48はDC−DCコンバータである。
【0022】
そして、特許請求の範囲における蓄電手段が上記のバッテリ1に、充電量計測手段が充電量計測回路2に、放電量計測手段が放電量計測回路3に、充放電制御手段および充電制御手段が充放電制御回路4に、充放電量記憶手段および充電量記憶手段がROM42に、接続手段が自動車電源I/F8に、認証手段が認証回路5に、通信手段が通信回路6に、それぞれ対応している。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1に係るスマートメータ21のEV充放電制御を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0024】
図3において、61はスマートメータ21を制御するCPU、62はCPU61で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM62をフラッシュROMで構成し、スマートメータ21のIPアドレス、MACアドレス、ユーザが管理するEV10の情報、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、ユーザが系統電源31より供給を受け消費した電力量、未課税の充電電力量、EV10内のバッテリ1からの放電電力量などを記憶する。
【0025】
63はCPU61でプログラムを実行する際にワーク領域などとして使用するRAM、64はCPUバス、65はEV間通信回路70を介して接続されたEV10との間の機器認証、あるいはインターネット通信回路71を介して接続された電力課金サーバ33との間の機器認証を行う認証回路、66は宅内20で使用した系統電源31より供給された電力量、EV10に充電した電力量、EV10から放電した電力量を管理する課金・課税管理回路である。
【0026】
67はEV間通信回路70を介して受信したEV10内のバッテリ1の情報(具体的には、バッテリ1の蓄電量、バッテリ1への充電時の制御方法に関する情報など)を管理するとともに、EV10からの充電要求、CPU61からの充電、あるいは放電要求に基づき、AC−DCコンバータ制御回路68に充電、あるいは放電指示、および充電、あるいは放電制御指示を出力するEVバッテリ充放電制御管理回路である。
【0027】
68はEVバッテリ充放電制御管理回路67より出力される充電、あるいは放電指示に基づきAC/DCコンバータ69を制御するAC−DCコンバータ制御回路、69は系統より供給される交流電力(以下、AC電力、あるいは単にACと記す)を直流電力(以下、DC電力、あるいは単にDCと記す)に変換、あるいはEV10内のバッテリ1より供給されるDC電力をAC電力に変換するAC−DCコンバータ、70はEV10とスマートメータ21間の通信を行うEV間通信回路、71はインターネット32に接続された電力課金サーバ33とスマートメータ21間の通信を行うインターネット通信回路である。
【0028】
そして、特許請求の範囲における電力管理装置および電力管理手段がスマートメータ21に、接続手段が宅内電源I/Fに、使用電力量通知手段がインターネット通信回路71に、供給電力量計測手段が課金・課税管理回路66に、通信手段(入力手段)がEV間通信回路70に、認証手段が認証回路65に、電力量管理手段がEVバッテリ充放電制御管理回路67に、記憶手段がROM62に、報知手段がモニタ22およびモニタ制御回路72に、それぞれ対応している。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態1に係る電力課金サーバ33の電力課金制御を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0030】
図4において、81は電力課金サーバ33を制御するCPU、82はCPU81で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM82をフラッシュROM、あるいはハードディスクドライブで構成し、電力課金サーバ33自身のIPアドレス、MACアドレス、インターネット32に接続された各家庭内に配置されたスマートメータ21のIPアドレス、MACアドレス、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、スマートメータ21より通知される各家庭で使用した系統電源31から供給した電力量、スマートメータ21が管理するEV10に充電した充電電力量、EV10から放電した放電電力量などを記憶する。
【0031】
83はCPU61でプログラムを実行する際にワーク領域として使用するとともに、各スマートメータ21より通知される各家庭で使用した系統電源31から供給した電力量、スマートメータ21が管理するEV10に充電した充電電力量、EV10から放電した放電電力量などを一旦記憶するRAMである。
また、84はCPUバス、85はインターネット32に接続されたスマートメータ21を認証する認証回路、86はインターネット通信回路、87はユーザが登録を要請してきたEV情報を登録するEV登録データベース、88は電力課金サーバ33が管理するスマートメータ21の情報を登録する需要家登録データベース、89はスマートメータ21から通知される各需要家の電力使用量を管理する電力使用量管理回路、90はEV登録データベースに登録されているEV10に充電した電力量、およびEV10からの放電量を元に需要家に対する課税額を算出する税金管理回路である。
【0032】
なお、本実施の形態1では、説明を分かりやすくするために、充放電制御回路4、認証回路5、通信回路6、課税管理回路7、充電課税算出回路45、放電課税算出回路46、DC−DCコンバータ制御回路47、認証回路65、課金・課税管理回路66、EVバッテリ充放電制御管理回路67、AC−DCコンバータ制御回路68、認証回路85、EV登録データベース87、需要家登録データベース88、電力使用量管理回路89、税金管理回路90などをH/Wで構成するものとして図1〜図4を説明しているが、これに限るものではなく、上記全ての回路、あるいは一部の回路をS/Wで実現しても同様の効果を奏することはいうまでもない。また、上記各回路の機能をS/WとH/Wに分割し同様の機能を実現しても良いことは言うまでもない。
【0033】
次に、図1〜図22を用いて本実施の形態1の電気自動車、および電力管理装置の具体的な動作について説明する。
先ず始めに、図1〜図12を用いてEV10、および電力管理装置の認証・登録動作について説明する。ここに、図5はEV10の自動車電源I/F8を電源に接続した際のEV10の充放電制御回路4の全体的な制御フロー、図6はEV10の自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続された場合のスマートメータ21の全体的な制御フロー、図7はスマートメータ21の電源をオンして立ち上げた際の制御フローである。また、図8は電力課金サーバ33の全体的な制御フロー、図9はEV10がスマートメータ21および電力課金サーバ33にEV10を登録する際の制御フローである。図10はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する際のスマートメータ21の制御フロー、図11はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する際の電力課金サーバ33の制御フローである。また、図12はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する時の相互間の動作シーケンスを示す説明図である。
【0034】
まず、図5を用いてEV10の自動車電源I/F8が電源I/Fに接続された場合のEV10の全体的な動作について説明する。
【0035】
EV10内の自動車電源I/F8は、自宅の宅内電源I/F23に接続されるだけでなく、それ以外の図示していない充電スタンドの充電I/Fや、例えば帰省時に、実家の電源I/Fや、旅行先のホテルの電源I/Fなどに接続される。従って、自動車電源I/F8が上記のような何らかの電源I/Fに接続されると、EV10内の充放電制御回路4は、自動車電源I/F8の電源接続を確認する(S1)。次に、充放電制御回路4は、自動車電源I/F8が何らかの電源I/Fに接続されると、充電スタンドの電源I/Fとの接続かを確認する(S2)。これは、EV10の通信回路6を通じて接続相手先の機器との間で情報をやりとりすることで確認する。
確認の結果、充電スタンドの電源I/Fとの接続であると判断した場合には、EV10内のバッテリ1への充電を開始する(S3)。その際、充放電制御回路4内の充電課税算出回路45は、充電量計測回路2よりバッテリ1への充電量の計測結果を取得し、バッテリ1への充電電力量、および課税対象充電量を算出する。
【0036】
なお、本実施の形態1では、バッテリ1へ実質的に充電された電力量のみを課税対象とし、充電時に例えばEV10に搭載された車載機器9などを利用した電力については課税対象としないものとする。これは、EV10への充電の際、バッテリ1の温度上昇を抑えるために、車載エアコンで冷房しながら充電を実施する場合もあるためである。なお、課税対象範囲については上記例に限るものではなく、充電時に使用したすべての電力を課税対象としても良いことは言うまでもない。
【0037】
先のS2で接続先が充電スタンドではなかった場合は、EV10内に自宅のスマートメータ21が登録されているかどうかを確認する(S4)。この場合の自宅のスマートメータ21の定義としては、本実施の形態1では、ユーザが自分のEV10の登録手続きを済ませて自己のEV10への充電電力に対する課税料金の徴収を認めている全てのスマートメータを指す。従って、例えば現在実際に居住していて税金の引き落とし口座を設けているような家屋に設置されている税金の徴収口となる自宅のスマートメータ21に加えて、充電スタンドを除く、例えば実家や、友人、旅行先のホテルなど、本来の自宅以外の場所で充電する場合でも、ユーザが自分のEV10の登録手続きを済ませてEV10への充電電力に対する課税料金の徴収を認めているスマートメータを含む。従って、これらのスマートメータ21からのEV10への充電電力は全て課税料金の徴収対象になり、課税料金が使用電力料金と合わせて徴収されることになる。
【0038】
なお、EV10からの放電については、詳細は後述するが、課税料金の調整を含め、EV10が税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続された場合のみ実施可能であるとする。ただし、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21からの放電以外であっても、ユーザが認めた場合については、放電を行ってもEV10からの放電量はEV10内の充放電制御回路4内で管理されるので、課税料金の徴収は可能となるので差し支えない。
【0039】
先のS4でEV10内に自宅のスマートメータ21が登録されていないかった場合は、S5で自宅のスマートメータ21の登録処理を実施する。なお、自宅のスマートメータ21の登録動作については後述する(図9参照)。上記S4で自宅のスマートメータ21が登録されていた場合、あるいはS5で自宅のスマートメータ21の登録処理を完了した場合、続いて、電源の接続先が税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21であるかどうかを確認する(S6)。S6で税金の徴収口のスマートメータ21でなかった場合は、課税料金徴収口および充電スタンド以外でのバッテリ1への充電処理を実施し(S7)、充電完了後、EV10は処理を終了する。なお、充電スタンドでの充電以外のバッテリ1への充電動作については、後述する(図16参照)。
【0040】
先のS6で電源の接続先が税金の徴収口のスマートメータ21の宅内電源I/F23であった場合、スマートメータ21との認証を実施するため、EV10内の充放電制御回路4は通信回路6を介して、スマートメータ21に登録要求を送信する(S8)。そして、これに応じてスマートメータ21からEV10に対して送信された登録要求応答を受信した場合(S9)、EV10内の充放電制御回路4は、再度、自宅のスマートメータ21の登録処理を行う(S16)(図9参照)。
【0041】
このように、再度、自宅のスマートメータ21の登録処理を行うのは、次の理由による。本実施の形態1では、EV10への充電時の課税料金の徴収を、税金徴収口として登録しているスマートメータ21のある自宅において、充電スタンド以外で使用した電力料金と併せて行う。従って、EV10が長期間、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続されなかった場合、例えば、ユーザが最初はEV10に自宅のスマートメータ21を登録しても、その後、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に電源を接続せず、例えば近くの実家の電源I/Fを使用して充電した場合、ユーザは税金を納めることなしにEV10への充電を行って走り続けることができ、EV10への充電電力の課税料金の徴収ができなくなってしまう。よって、このような不具合が生じるのを防ぐため、ユーザが予め定められた所定期間にわたって税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続しなかった場合は、EV10内の自宅のスマートメータ21の情報、およびスマートメータ21内のEV10の情報を削除する。これにより、詳細は後述するが、ユーザは予め定められた時間、当該スマートメータ21にEV10を接続しなかった場合は、充電スタンドでの充電以外、再度税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21と接続してスマートメータ21の情報を登録しなければ、バッテリ1への充電はできなくなるようにしている(図22参照)。
【0042】
一方、S9でスマートメータ21からEV10の登録要求応答を受信しなかった場合は、スマートメータ21との認証・接続処理を実施する(S10)。なお、スマートメータ21との認証・接続処理の詳細については後述する(図13参照)。S10で認証・接続処理を完了すると、EV10内のCPU41はバッテリ1の残量を確認し、バッテリ1に充電を行うかどうかを判断する(S11)。具体的には、CPU41はバッテリ1への充電時に、充電課税算出回路45よりバッテリ1内の充電量を取得する。その際、放電課税算出回路46からの放電量を取得し、取得結果に基づき、バッテリ1内の蓄電電力量を算出する。そして、この蓄電電力量からCPU41はバッテリ1への充電を実施するかどうかを決定する。
【0043】
本実施の形態1では、図示はしていないが、バッテリ1内の蓄電電力量が、予め定められた電力未満の場合(例えば緊急にEV10を使用する場合を考慮し、バッテリ1の蓄電量が50%未満の場合)は、即座に充電を行うが、上記電力以上の場合は、基本的には、太陽電池、風力発電など自宅に設置した自然エネルギを利用した発電電力に余剰電力がある場合、あるいは深夜など電力料金が安い場合に充電を実施する。また、特にユーザから充電要求があった場合は、その要求に基づきCPU41は充電を開始する。上述の要領でCPU41がS11で充電指示を出した場合は、自宅でのバッテリ1への充電処理を実施する(S12)。なお、充電処理については後述する(図16参照)。
【0044】
先のS11で充電の必要がないと判断した場合は、次に、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21からの放電要求がないか確認する(S13)。放電要求がある場合は、EV10内のバッテリ1に蓄電した電力を放電する(S14)。放電処理については後述する(図18参照)。S13で自宅のスマートメータ21からの放電要求がない場合、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23が接続状態にあるかどうかを確認し(S15)、接続状態にある場合は、S11からの処理を繰り返す。一方、接続状態にない場合は、処理を終了する。
【0045】
次に、図6を用いて自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続された場合のスマートメータ21の動作を説明する。
自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続されると、スマートメータ21内のCPU61は、接続されたEV10から図5のS8で出力される認証要求を受信したかどうかを確認する(S41)。受信していない場合は、EV10からの登録要求を受信したか確認する(S42)。このEV10からの登録要求は、図5のS5あるいはS16の処理に際してスマートメータ21に出される。そして、EV10からの登録要求を受信していた場合は、EV10の登録処理を行う(S43)。なお、EV10の登録処理の詳細な説明は後述する(図10参照)。
【0046】
一方、EV10の登録要求がない場合はS41に戻り、EV10の認証要求、あるいはEV10からの登録要求が受信されるまで待機する。
先のS41でEV10からの認証要求を受信すると、CPU41は、課金・課税管理回路66内のEV管理用のデータベースにアクセスしてEV10がすでに登録されているかどうかを確認する(S44)。そして、EV10が登録されていない場合は、EV10の登録処理要求をEV10に対してEV間通信回路70を介して送信する(S45)。EV10がスマートメータ21からの登録処理要求を受信すると、EV10は認証・登録要求をスマートメータ21に送付し、図5のS5、S16における登録処理を開始する。なお、EV10の登録処理の詳細は後述する(図9参照)。
【0047】
一方、図6のS44でEV10がすでにスマートメータ21に登録されていた場合は、EV10との認証・接続処理を実施する(S46)。具体的には、宅内電源I/F23に接続されたEV10の認証と、認証後にEV10内で管理されているバッテリ1への充電時に税金が未払いの未課税情報、放電時の放電電力により非課税となるべき未調整課税情報、およびバッテリ1内に充電されている蓄電量情報を取得する。
EV10から上記情報を収集すると、CPU61は課税に係わる情報を課金・課税管理回路66内のメモリに記憶し、バッテリ1の蓄電力量をEVバッテリ充放電制御管理回路67内のメモリに記憶する。なお、スマートメータ21のEV10との認証・接続処理は後述する(図14参照)。
【0048】
先のS46でのEV10との認証・接続処理を完了すると、CPU61は、EV10からの充電要求を受信しているかどうかを確認する(S47)。EV10からの充電要求を受信していた場合は、後述する処理フローに従いEV10への充電処理を実施する(S48)。EV10への充電処理の詳細は後述する(図17参照)。
S47で、EV10からの充電要求を受信していなかった場合は、CPU41は、バッテリ1に対して放電要求を出力するかを判断する(S49)。S49でバッテリ1に対して放電要求を出力すると判断した場合、CPU41はEV10からの放電処理行う(S50)。なお、スマートメータ21によるEV10への放電処理の詳細は後述する(図19参照)。
【0049】
先のS49でEV10からの放電が必要ないと判断すると、CPU41はEV10との接続確認を実施する(S51)。接続確認の結果、つながっていると判断した場合は、S47に戻り上記処理を繰り返す(S52)。一方、S52でEV10と接続されていないと判断すると、EV10との接続処理を終了する。
【0050】
次に、スマートメータ21の電源立ち上げ時の処理を図7の制御フローを用いて説明する。
スマートメータ21が起動すると、CPU41は、電力課金サーバ33に対して認証要求を送信する(S81)。そして、電力課金サーバ33と認証処理を実施する(S82)。この認証処理を終了すると、スマートメータ21は宅内での電力使用量、PVパネルでの発電量、電力系統への回生電力量などの計測を実施する。上記処理を実施中に電力課金サーバ33からユーザ電力使用量・EV課税電力量の送信要求をインタ−ネット通信回路71を介して受信すると(S83)、CPU41は、課金・課税管理回路66内のユーザが使用した電力量、ユーザが系統に回生した回生電力量、ユーザがEV10に充電して税金が未払いの未課税の充電電力量、EV10のバッテリ1からの放電により非課税となるべき未調整の放電電力量、電力会社の省エネ要求に協力した回数などの情報を読み出し、電力計算処理を実施する(S84)。
【0051】
先のS83で、ユーザ電力使用量・EV課税電力量の送信要求を受信していなかった場合は、電力課金サーバ33より省エネ要求を受信したかを確認する(S85)。省エネ要求を受信していた場合は、宅内の図示していない家電機器に対して、省エネを行うよう指示を出す(S86)。具体的には、エアコンなどの空調機器については設定温度を変更し省エネを図り、また、液晶TVなどはバックライトの輝度を暗くして省エネを図る。
【0052】
省エネ要求により宅内20の家電機器に対して消費電力削減を行っても発電所からの供給電力量が不足する場合には、電力課金サーバ33は、各需要家宅内のバッテリからの放電を要求する。スマートメータ21は、電力課金サーバ33から放電要求を受信すると(S87)、EV10内のバッテリ1からの放電処理を実施する(S88)。なお、スマートメータ21による放電処理の詳細については後述する(図19参照)。
【0053】
電力課金サーバ33からの省エネ要求(S85)、あるいは蓄電池からの放電要求(S87)がなかった場合、EV10から図5のS5やS16の登録処理に伴って出される登録要求があるかを確認する(S89)。EV10からの登録要求があれば、EV10の登録処理を実施する(S90)。EV10の登録処理の詳細については後述する(図10参照)。S89でEV10からの登録要求がない場合は、S83に戻って以下、上述の処理を繰り返す。
【0054】
次に、電力課金サーバ33の全体的な処理について図8の制御フローを用いて説明する。
電力課金サーバ33内のCPU81は、スマートメータ21からの認証要求がないかどうかを確認する(S121)。スマートメータ21からの認証要求がある場合は、後述するフロー(図11)に従い認証を行う(S122)。一方、認証要求がない場合は、CPU81はスマートメータ21からEV10の登録要求があるかを確認する。登録要求がある場合は、後述する制御フロー(図11)に基づきEV10を登録する(S124)。S122で、EV10の登録要求がなかった場合は、発電所からの電力の供給量が十分であるかを確認する(S125)。そして、電力供給量が十分になかった場合は、省エネ要求を作成し各需要家のスマートメータ21に対して省エネ要求を送付する(S126)。上記省エネ要求送付後、再度、電力供給量が十分であるかどうかを確認し(S127)、まだ、十分に電力供給ができていない場合は、バッテリ1からの放電要求を策定し、各需要家に対して送付する(S128)。そして、再度、電力供給量が十分かどうかを確認し(S129)、電力供給が十分でない場合は、電力供給量追加要求を作成し、発電所に対して送信する(S130)。S127、S129でそれぞれ供給電力が十分であった場合、およびS130で発電所に対して電力供給量追加要求を送信後は、CPU81はS121に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0055】
先のS125で電力供給量が十分にあった場合は、CPU81は現在の時刻を確認し、電力料金計算タイミングかを判断する(S131)。なお、本実施の形態1では、電力料金計算のための各スマートメータ21からの情報収集は、1日1回実施するものとする。S131で電力料金の計算タイミングであった場合は、電力料金計算処理を実施する(S132)。なお、電力課金サーバ33による電力料金計算処理の詳細は後述する(図21参照)。S132で電力料金の計算処理が完了した場合、あるいはS131で電力料金計算処理タイミングでなかった場合は、CPU81はS121に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0056】
なお、ここでは説明を簡単にするため、電力課金サーバ33は、個々のスマートメータ21を1つ1つ処理していく場合を前提とするが、これに限るものではなく、複数のスマートメータ21から、例えばEV10の登録要求を同時に受信した場合は、1つのステップで、要求してきた複数のスマートメータ21を対象として同時にEV10の登録処理を実施しても良いことは言うまでもない。
【0057】
次に、図9〜図12を用いてEV10、自宅のスマートメータ21、および電力課金サーバ33の登録処理の動作について説明する。
図5のS5でEV10による自宅のスマートメータ21の登録が開始されると、図9に示すようにEV10内のCPU41は、スマートメータ21に登録要求を出力する(S161)。すなわち、具体的には、図12に示すように、自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続されると、EV10内のCPU41は、プローブ要求(接続要求)を通信回路6を介してスマートメータ21に出力する。スマートメータ21内のCPU61は、EV間通信回路70を介してEV10からのプローブ要求を受信すると、プローブ応答をEV間通信回路70を介してEV10に送信し、接続を許可する。EV10がプローブ応答を受信すると、CPU41は、自宅のスマートメータ21に対し登録要求を送信する(S161)。
【0058】
一方、スマートメータ21側では、図10に示すように、プローブ応答を送信したCPU61は、EV10から図9のS161により出力される登録要求の受信を待つ(S201)。EV10からの登録要求を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は、送付されたEV10の情報を元に課金・課税管理回路66で管理している図示していないEV情報の登録データベースを確認し(図12参照)、登録要求を送信したEV10がすでに登録されているかどうかを確認する(S202)。すでに登録されていた場合は、EV10に対して登録応答を送信する(S221)。
【0059】
先のS202で登録データベースにEV10の情報が登録されていなかった場合、CPU61は、その旨をモニタ制御回路72を介してモニタ22に表示し、ユーザに対してEV10を識別するためにキー番号情報を入力するよう表示する。本実施の形態1では、EV10を登録する際、ユーザから直接EV10のキー番号など、EV10を認証するための車特有の情報を入力させる(S203)。
【0060】
本実施の形態1では、キー番号情報の入力は、図示していないモニタ22に搭載したタッチパネル機能を用いて実施するものとする。これは、ユーザに現在宅内電源I/F23に接続されているEV10を登録してよいか確認させるためである。自動認証の場合、意図しないEV10が接続された場合も登録してしまい、盗電、あるいは言われもない税金を請求される可能性があるので、これを防ぐ意味がある。また、本実施の形態1では、詳細は説明しないが、EV10をスマートメータ21に登録する際は、さらに安全性を確保するため、IDやパスワードといったものを利用して管理しても良いことは言うまでもない。さらに、後述する電力課金サーバ33にEV10を登録する際にも、IDやパスワードを入力するよう構成し、EV10の登録管理を行っても良いことは言うまでもない。
【0061】
先のS203でEV10のキー番号の入力を完了すると、CPU81は、ユーザに再度EV10を登録してよいか確認するため、宅内20のモニタ22上に確認メッセージを表示する(S204)。ユーザは、表示されたキー情報を含む内容を確認後、EV10をスマートメータ21に登録して問題がない場合は、その旨を図示していないモニタ22のタッチパネル機能を利用し入力する。S204でユーザがEV10の登録を認めない場合は処理を終了する一方、ユーザが登録を許可した場合は、スマートメータ21内のCPU61は、EV10に対してユーザが入力したキー情報がEV10が管理するキー情報と一致するかどうかを確認するため、キー番号確認要求をEV10に対して出力する(S205)(図12参照)。
【0062】
一方、EV10側では、図9のS161で登録要求の送信が完了すると、自宅のスマートメータ21からの応答を受信するまで待機する(S162、S163)。なお、所定の時間にわたって待機しても(S163)、キー番号確認要求を受信できない場合は、タイムアウト処理Iを実施する(S164)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しスマートメータ21で登録要求が受信できなかったものと見なして、登録要求を再送する。本実施の形態1では、再送を3回実施してスマートメータ21から応答がない場合は、EV10は自宅のスマートメータ21の登録処理を終了する。
先のS162で自宅のスマートメータ21からの応答を受信した場合は、キー番号確認要求かどうかを確認する(S165)。キー番号確認要求ではなかった場合は、受信パケットに基づく処理を実施し(S166)、次のスマートメータ21からの応答を受信するまで待機する。
【0063】
S165でキー番号確認要求を受信した場合は、自宅のスマートメータ21から送付されたキー番号が自車のものか確認し(S167)、自車のものではなかった場合、キー番号が異なっていたことを指し示すフラグ情報を持つキー番号確認応答をスマートメータ21に送信し、自宅のスマートメータ21から再送される次のキー番号確認要求を待つ(S168)。本実施の形態1では、ユーザはキー番号の入力をミスする可能性が高いので再度キー番号を入力するよう、再入力を要求する。
先のS167で自車のキー番号と一致していた場合は、キー番号が正しかったことを指し示すフラグ情報を含むキー番号確認応答をスマートメータ21に送信する(S169)。次いで、自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答を受信したかどうかを判断する(S170)。
【0064】
図10に戻って、S205でキー番号確認要求を送信したスマートメータ21は、EV10からのキー番号確認応答を受信するまで所定の時間待機する(S206、S207)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理IIIを実施する(S208)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してEV10でキー番号確認要求が受信できなかったものと見なして、キー番号確認要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10の接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0065】
一方、S206でキー番号確認応答を受信した場合、スマートメータ21内のCPU61は、キー番号がEV10のものと一致していたかどうかを確認し(S209)、一致していなかった場合は、ユーザがキー番号の入力を間違えたと判断してS203に戻り、再度キー番号入力からの手順を繰り返す。なお、本繰り返しは、最大3回とし、3回リトライを繰り返しキー番号が一致しない場合は、登録したいEV10とは異なるEVが接続されているものと判断し、EV10の登録フローを終了する(S210)。
【0066】
先のS209で、受信したキー番号確認応答を確認した結果、キー番号がEV10自体のキー番号と一致していた場合には、スマートメータ21内のCPU61は、電力課金サーバ33にEV10を登録すべく、EV10の電力課金サーバ33への登録を要求する(S211)。具体的には、EV10関連の情報(キー番号、車体製造番号、ナンバープレート情報など)、スマートメータ21関連の情報(契約ユーザ名、住所など)を付加したEV登録要求を電力課金サーバ33に対して通知する。
【0067】
一方、電力課金サーバ33側では、図11に示すように、CPU81は、インターネット通信回路86を介してスマートメータ21からのパケットが受信されるまで待機する(S241)。スマートメータ21からのパケットを受信すると、次にスマートメータ21の認証を実施する(S242)。
すなわち、電力課金サーバ33は、例えば共通鍵方式を用いた認証手順に基づきスマートメータ21を認証する。具体的には、スマートメータ21は、送信パケット内に共通鍵で暗号化を実施した、スマートメータ21の個別情報(スマートメータ21にMACアドレス、IPアドレス、使用者氏名、住所、EV10の所有の有無、および使用台数などの情報)を乗せ、電力課金サーバ33に送信する。
【0068】
電力課金サーバ33は、受信した上記スマートメータ21の情報を共通鍵で複号し、電力課金サーバ33内の需要家登録データベース88と比較する。受信したスマートメータ21の個別情報と、需要家登録データベース88内の情報が一致した場合は、上記受信したスマートメータ21に関する情報に加え、電力課金サーバ33に関する情報(電力課金サーバ33のMACアドレス、IPアドレスなどの情報)を共通鍵で暗号化し、スマートメータ21に送信する。この情報送信完了後は、電力課金サーバ33は、スマートメータ21からの受信応答を待つ。この受信応答の受信を完了するとスマートメータ21の認証を完了する。
【0069】
こうして、S242でスマートメータ21の認証に成功すると、CPU81は、スマートメータ21から受信したパケットを解析し、EV10の登録要求かどうかを確認する(S243)。登録要求ではない場合は、所定の処理を実施した後(S244)、S241に戻り、次のスマートメータ21からのパケット受信を待つ。
【0070】
一方、S243でスマートメータ21からのEV10の登録要求であった場合は、EV10はすでに電力課金サーバ33に登録されているかどうかを確認する(S245)。そして、すでに登録されていた場合は、登録内容を確認して変更がなければ、EV登録済み応答をスマートメータ21に送信する(S246)。そして、スマートメータ21からのEV登録済み受信応答を待つ(S247)。その際、所定時間待っても(S248)、EV登録済み受信応答が受信されない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してスマートメータ21でEV登録済みパケットが受信できなかったものと見なして、EV登録済みパケットを再送する。なお、本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、スマートメータ21が故障したなどの原因で接続が絶たれたものと判断し、タイムアウト処理VIIを実行し(S249)、EV10の登録フローを終了する。同様に、S247でEV登録済み受信応答を受信した場合も、EV10の登録確認が無事に終了したものとして処理を終了する。
【0071】
先のS245で、EV10が登録されていなかった場合、あるいは登録内容に変更があった場合は、EV10登録要求パケットで送付されたEV10の情報、およびスマートメータ21の情報をEV登録データベース87、および需要家登録データベース88に登録する(S250)。
具体的には、EV登録データベース87には、EV10のキー番号、製造番号、ナンバープレート情報などEV10が識別できる情報とともに、税金情報を収集するスマートメータに関する情報を記憶する。同様に、需要家登録データベース88には、スマートメータ21に関するMACアドレス、IPアドレス、使用者氏名、住所、EV10の所有の有無、および所有台数などを記憶する。
【0072】
先のS250でEV10の情報、およびスマートメータ21の情報の登録が完了すると、CPU81は、EV10の登録完了応答をスマートメータ21に送信する(S251)(図12参照)。S251でEV10の登録完了応答をスマートメータ21に送付すると、CPU81は、スマートメータ21からのEV10の登録完了受信応答の受信を所定時間待つ(S252、S253)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理VIIIを実施する(S254)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10の登録完了応答をスマートメータ21が受信できなかったとして、EV10の登録完了応答を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、スマートメータ21との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0073】
図10に戻って、スマートメータ21内のCPU61は、S211で電力課金サーバ33へEV10の登録要求を送信すると、電力課金サーバ33からのEV10の登録完了応答の受信を所定の時間待つ(S212、S213)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理IVを実施する(S214)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10の登録要求を電力課金サーバ33が受信できなかったとして、EV10の登録要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、電力課金サーバ33との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0074】
先のS212で電力課金サーバ33からのEV10の登録済み応答、あるいはEV10の登録完了応答を受信すると、電力課金サーバ33へのEV10の登録完了受信応答、あるいはEV10の登録済み受信応答を送付する(S215)。
電力課金サーバ33へのEV10の登録完了受信応答を出力すると、CPU61は、課金・課税管理回路66内のデータベースに、EV10の情報(キー番号、製造番号、ナンバープレート情報など)を登録する(S216)。EV10の情報の登録が完了すると、スマートメータ21はEV10に対してEV10の登録完了応答を送信する(S217)。
【0075】
図9に戻って、EV10が先のS169でキー番号確認応答を出力すると、EV10内のCPU41は、自宅のスマートメータ21から図10のS217の処理により出力されるEV10の登録完了応答の受信を所定時間待つ(S170、S171)。所定時間待っても受信できない場合は、タイムアウト処理IIを実施する(S172)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答が受信できなかったもの判断し、スマートメータ21の登録フローを終了する。
【0076】
一方、先のS170で自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答を受信すると、CPU41は、自宅のスマートメータ21の情報を課税管理回路7内の図示していないデータベースに登録する(S173)。そして、登録完了後、自宅のスマートメータ21に対して自宅のスマートメータ21の情報登録完了通知応答を出力し(S174)、自宅のスマートメータ21の登録フローを完了する。
【0077】
一方、図10において、スマートメータ21が先のS217においてEV10の登録完了通知を出力すると、続いて、スマートメータ21のCPU61は、EV10から図9のS174の処理により出力される情報登録完了通知応答が受信されるのを所定時間待つ(S218、S219)。所定の時間を過ぎると、(S219)、タイムアウト処理Vを実施する(S219)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してEV10がスマートメータ21に送信したEV10に関する情報登録完了通知応答が受信できなかったもの見なして、EV10の登録フローを終了する。
【0078】
先のS218でスマートメータ21のCPU61がEV10からの情報登録完了通知応答を受信すると、次に、CPU61はEV10の登録応答を出力する(S221)。続いて、EV10から、このEV10の登録応答に対する登録応答受信応答が受信されるのを所定時間待つ(S222、S223)。所定の時間を過ぎると(S223)、タイムアウト処理VIを実施する(S224)。具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、EV10との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
一方、S222でEV10からの登録応答受信応答が受信されると、CPU61は、EV10の登録フローを終了する。
【0079】
次に、図13〜図15を用いて、EV10をスマートメータ21に接続した際の課税に必要となる相互間の認証および接続確認のための認証・接続処理フローについて説明する。
図13において、EV10はスマートメータ21との接続を開始すると、スマートメータ21との認証を行う(S281)。具体的には、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23が接続されると、EV10内のCPU41は通信回路6を介して、スマートメータ21にプローブ要求(接続要求)を送信する。EV10からのプローブ要求を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は、プローブ応答(接続許可)をEV10に対して送信する。スマートメータ21からのプローブ応答を受信すると、EV10は例えば共通鍵方式を用いた認証手順に基づきスマートメータ21と認証を行う。
【0080】
すなわち、認証時のシーケンスの具体例としては、図15に示すように、プローブ応答受信後、EV10内のCPU41は、スマートメータ21に対して認証要求を送付する。認証要求を受信すると、スマートメータ21は、EV10から送信された認証要求を元に、課金・課税管理回路66内のデータベースにEV10が登録されているかを確認する。確認の結果、EV10が登録されている場合は、スマートメータ21の情報を認証応答に載せてEV10に送信する。EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの認証応答を受信すると、課税管理回路7内のデータベースに登録されているスマートメータ21の情報を確認し、接続したスマートメータ21が登録済みのものかどうかを確認する。そして、登録済みであれば、認証受信応答をスマートメータ21に送信する。その後にスマートメータ21に対してアソシエーション要求を送信する。アソシエーション要求を受信したスマートメータ21は、アソシエーション応答をEV10に出力して一連の認証シーケンスを終了する。
なお、認証方式は共通鍵方式に限るものではなく、EV10を購入する際に、キー番号、製造番号、ナンバープレートなどの情報を予めEV10を管理する図示していないサーバに登録し、そのサーバを用いたIEEE802.1Xに基づく認証を用いても良いことは言うまでもない。
【0081】
一方、スマートメータ21側では、図14に示すように、S321でEV10の認証を行い、次いで、この認証に基づいて、EV10がスマートメータ21に登録済みかどうかを確認する(S322)。EV10がスマートメータ21に登録されていなかった場合、スマートメータ21は、ユーザに対してEV10を登録するかどうかを確認する(S323)。具体的には、モニタ22上にEV10を登録するかを確認する画面を表示させ、ユーザの登録の意思を確認する。S323でユーザが登録しないと判断した場合はEV10との接続処理を終了する。
【0082】
これに対して、S323でユーザがEV10を登録する判断した場合には、EV10に対して登録要求を送信し(S324)、EV10の登録処理、および認証処理を実施する(S325)。
一方、S322でEV10がすでに登録されていた場合、あるいはS325でEV10の登録処理、および認証処理が完了すると、スマートメータ21内のCPU61は、EV10に対してEV10内に記憶している税金情報を送付するよう税金情報送付要求を送信する。
【0083】
図13に戻って、EV10側では、先のS281でスマートメータ21との認証を完了すると、スマートメータ21からのパケット受信を待つ(S282)。そして、パケットを受信すると、パケットを解析し、スマートメータ21からの税金情報送信要求であるかどうかを確認する(S283)。税金情報送信要求ではなかった場合は、個別処理を実施する。個別処理の実施後は、基本的にはバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)をスマートメータ21に送信し、スマートメータ21との接続処理を終了する。ただし、スマートメータ21からの個別処理内容がEV10の登録であった場合は、処理完了後、S282に戻る。
【0084】
先のS283でスマートメータ21からの税金情報送信要求を受信したと判断すると、EV10内のCPU41は、課税管理回路7内のデータベースから、ホテルで充電したような場合の未課税の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)、および宅内の家電機器や電力系統に放電した場合のような税金精算が未調整の放電情報(放電量、放電日時、放電時間、放電要求元などの情報)を読み出し、これらの情報を税金情報として通信回路6を介して、スマートメータ21に送信する(S285)。
【0085】
一方、スマートメータ21側では、図14に示すように、S326で税金情報送信要求を送信したCPU61は、EV10からの税金情報の通知を所定時間待つ(S327、S328)。所定時間待ってもEV10からの税金情報の通知を受信できない場合はタイムアウト処理11を実施する(S329)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しスマートメータ21がEV10に送信した税金情報送信要求が受信できなかったとして、税金情報送信要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10からのバッテリ1充電量情報の受信を待つ(S338)。
【0086】
先のS327で税金情報を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は受信した税金情報を課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶する。その際、税金情報の中身を解析し、すでに登録されている情報があれば、その情報は記憶しない。この税金情報の記憶を終了すると、CPU61はEV10に対して税金情報受信応答を送信する(S330)。
【0087】
一方、EV10側では、図13に示すように、S285で税金情報の送信を完了すると、EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの税金情報受信応答の受信を所定の時間待つ(S286、S287)。所定時間待ってもスマートメータ21からの税金情報受信応答の通知を受信できない場合は、タイムアウト処理IXを実施する(S288)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10がスマートメータ21に送信したEV10の税金情報が受信できなかったとして、税金情報を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送を3回繰り返し、応答がない場合は、バッテリ1の充電量情報を送付し(S295)、スマートメータ21との接続処理を終了する。
【0088】
先のS286でスマートメータ21から図14のS330の処理により出力される税金情報受信応答を受信したEV10内のCPU41は、受信応答中のパケットを解析する。本実施の形態1では、税金情報が確実にスマートメータ21に通知されているかを確認するために、スマートメータ21からの応答パケット内に送信した税金情報を付加しておく。そして、税金情報受信応答を受信したEV10内のCPU41は、パケットを解析し、S285で送付した税金情報と、上記応答パケットに付加された税金情報が一致しなかった場合は、図示はしていないが、再度EV10より税金情報をスマートメータ21に送付する。
【0089】
一方、税金情報が一致していた場合は、税金情報フラグのクリア要求をスマートメータ21に送信する(S289)。本税金情報フラグは、詳細は後述するが、EV10が未課税でバッテリ1にした充電量情報(充電量、充電日時などの情報)、あるいはバッテリ1から放電した税金精算が未調整の放電情報(放電量、放電日時などの情報)を指し示すフラグである。本フラグは、EV10内の課税管理回路7中のデータベースにこの税金関連情報とともに管理しているものである。
【0090】
一方、スマートメータ21側では、図14のS330で税金情報受信応答をEV10に送信するとEV10より税金情報フラグクリア要求が送信されてくるのを所定時間待つ(S331)。所定時間待ってもEV10からの税金情報フラグクリア要求を受信できない場合は、タイムアウト処理12を実施する(S333)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報受信応答が受信できなかったとして、税金情報受信応答を再送する。一方、S331で税金情報フラグクリア要求を受信すると、CPU61は税金情報フラグクリア要求確認応答をEV10に送信する。
【0091】
図13に戻って、S289で税金情報フラグクリア要求を送信したEV10内のCPU41は、スマートメータ21からの税金情報フラグクリア要求確認応答の受信を所定時間待つ(S290)。所定時間待ってもスマートメータ21からの税金情報フラグクリア要求確認応答を受信できない場合は、タイムアウト処理Xを実施する(S292)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報フラグクリア要求がスマートメータ21で受信できなかったとして、税金情報フラグクリア要求を再送する。再送は、最大3回繰り返し、税金情報フラグクリア要求確認応答を受信できなかった場合は、バッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)を通知し(S295)、スマートメータ21との接続処理を終了する。
【0092】
EV10が先のS290で税金情報フラグクリア要求確認応答を受信すると、CPU41は課税管理回路7内のデータベースに登録されている課税情報フラグをクリアする(S293)。その際、課税情報フラグに関連付けて記憶されていた充電量、充電日時、放電量、放電日時などの情報も消去する。そして、税金情報フラグクリア完了応答をスマートメータ21に送信した後(S294)、バッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)をスマートメータ21に通知し(S295)、スマートメータとの接続処理を終了する。
【0093】
一方、スマートメータ21側では、図14のS334で税金情報フラグクリア要求確認応答を送信すると、CPU61は、EV10からの税金情報フラグクリア完了応答の受信を所定時間待つ(S335、S336)。所定時間待ってもEV10からの税金情報フラグクリア完了応答を受信できない場合は、タイムアウト処理13を実施する(S337)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報フラグクリア要求確認応答がスマートメータ21で受信できなかったものと見なしして、税金情報フラグクリア要求確認応答を再送する。
【0094】
先のS335で税金情報フラグクリア完了応答を受信すると、CPU61は、課金・課税管理回路66内のデータベースにその旨を記憶する。これにより、課金・課税管理回路66はEV10との充電・放電時の税金に関する情報のやり取りが完全に終了したことが確認できる。本情報が記憶されていない場合は、次回のEV10との接続時に同じ情報が送られてきた場合、2重に課税、あるいは調整する可能性があるため、後述する電力課金サーバ33に税金情報を送付した後でも課税データはデータベースの中に記憶しておく。そして、次の接続時にEV10より送付された課税情報を確認し、同一の情報が含まれていない課税情報については、その時点で課金・課税管理回路66内のデータベースから削除する。
【0095】
また、先のS335で税金情報フラグクリア完了応答を受信した場合、スマートメータ21内のCPU61は、EV10内のバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)の通知を所定時間待つ(S338、S339)。所定時間待ってもEV10からのバッテリ1の充電量情報を受信できない場合は、EV10との接続処理フローを終了する(S340)。
【0096】
なお、バッテリ1の充電量情報については、バッテリ1への充電開始時、あるいはバッテリ1からの放電開始時にも確認するので、本実施の形態1では再送などの処理は実施しない。なお、本実施の形態1では、EV10のCPU41は、課税管理回路7内のデータベースに記憶されている課税関連の情報(充電量、充電日時、充電場所、課税情報フラグの状況、放電量、放電日時、放電場所、課税情報フラグなど)を図示していないカーナビなどのモニタ上にユーザからの要求があった場合、表示する。これにより、ユーザは未払いの税金がどの程度あるかを把握することができる効果がある。
【0097】
次に、宅内電源I/F23からEV10へ充電する際の制御フローを図16、および図17を用いて説明する。
まず、図16において、EV10のバッテリ1に充電を開始する場合、EV10内のCPU41は、接続先の電源I/Fの種別を特定し、その結果に基づき充放電制御回路4内の処理を変える。
【0098】
具体的には、充電スタンドでの充電であると特定した場合は(S361)、予め定められた手順に従って充電スタンドに対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S362)。なお、充電時のバッテリ1の制御方法とは、例えば、バッテリ1の充電量が80%になるまでは定電流(例えば20A)で充電し、80%を越えた後は定電圧(例えば320V)で充電するなどの制御方法を指す。
【0099】
先のS362で充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S363)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2はCPU41から計測開始指示が入力されると電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、EV10から通知された充電制御方式に基づき(電流値、および電圧などを通知された情報に基づき制御する)DC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する(S363)。
なお、バッテリ1内の充電量情報などは逐次EV10内の充放電制御回路4より通信I/F6を介してもらうものとする。なお、また、EV10内の充放電制御回路4より充電電圧、充電電流情報をもらい、その情報に基づきDC/DCコンバータ48を制御しても良いことは言うまでもない。
【0100】
そして、先のS363でバッテリ1への充電が開始されると、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると、充電を終了するように、DC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S364、S365)。CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止して充電を終了する。 また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S366)。なお、本実施の形態1では、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについては、すでに税金を充電スタンドで充電電力料金とともに支払うので、クリアしてデータベースに登録する。データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41は図示しない充電スタンドの制御端末に対して充電が終了した旨の通知を送信し(S367)、EV10への充電処理を終了する。
【0101】
一方、S361で充電スタンドではなかった場合、接続先が税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21であるかどうかを確認する(S368)。そして、税金の徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21でなかった場合、続いて、CPU41は、EV10内に自宅のスマートメータ21の情報が登録されているかどうかを確認する(S369)。確認の結果、課税管理回路7内のデータベースに自宅のスマートメータ21が登録されていなかった場合は、充電を行わず処理を終了する。その理由は、スマートメータ21によってバッテリ1を充電する場合、自宅のスマートメータ21が登録されていないEV10は、充電量に対する税金の徴収ができないので、EV10への充電を禁止する必要があるためである。一方、充電スタンドの場合は、ガソリンスタンドと同様に税金を充電時に徴収できるため、上述したように充電を禁止する必要はない。
【0102】
S369でEV10に自宅のスマートメータ21の情報が記憶されていた場合は、CPU41は、予め定められた手順に従い、スマートメータ21に対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S370)。
【0103】
こうして充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S371)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2は、CPU41から計測開始指示が入力されると、電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、予め決められた充電制御方式に基づきDC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する(S371)。
【0104】
そして、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると充電を終了するようDC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S372、S373)。
CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止し充電を終了する。また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S374)。その際、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについてもセットしてデータベースに記憶する。データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41はスマートメータ21に対して充電が終了した旨の充電完了通知を送信し(S375)、EV10への充電処理を終了する。
【0105】
先のS368で税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21からの充電であった場合、EV10のCPU41は、予め定められた手順に従い、スマートメータ21に対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S376)。
【0106】
この充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S377)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2は、CPU41から計測開始指示が入力されると、電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41はDC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、予め決められた充電制御方式に基づきDC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する。
【0107】
そして、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると充電を終了するようDC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S378、S379)。
CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止し充電を終了する。また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S380)。その際、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについてもセットしてデータベースに記憶する。
データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41はスマートメータ21に対して充電が終了した旨の充電完了通知を送信する(S381)。その際、バッテリ1に充電した充電量情報(充電量、充電日時など)についてもスマートメータ21に通知する。
【0108】
先のS381で充電完了通知、および充電量情報をスマートメータ21に送付すると、CPU41は、スマートメータ21からの充電完了・充電量情報受信応答の受信を所定時間待つ(S382、S383)。所定時間待ってもスマートメータ21からの充電完了・充電量情報受信応答を受信できない場合には(S383)、EV10への充電処理を終了する。
一方、S382で充電完了・充電量情報受信応答を受信した場合、受信パケット内の充電量に関する情報を確認し、先に送付した内容と同じであった場合は、税金情報フラグをクリアしEV10への充電処理を終了する。なお、図示はしていないが、内容が異なっていた場合は、S381に戻り再度充電完了通知・充電量情報をスマートメータ21に送付する。
【0109】
次に、EV10のバッテリ1に充電する際のスマートメータ21の動作を図17に示す制御フローを用いて説明する。
スマートメータ21内のCPU61は、EV10から図16のS362、S370、S376の各処理により出力される充電関連情報を受信するまで待機する(S401)。充電関連情報を受信すると、CPU61は、EVバッテリ充放電制御管理回路67に充電指示を出すとともに、AC/DCコンバータ制御回路68に受信した充電制御方法に関する情報をセットする。この情報のセットが完了すると、CPU61はEVバッテリ充放電制御管理回路67、およびAC/DCコンバータ制御回路68に対して充電開始指示を出す(S402)。
【0110】
充電開始時を受け取ると、AC/DCコンバータ制御回路68は、AC/DCコンバータに対して制御信号を出力し、EV10内のバッテリ1への電力供給を開始する(S403)。AC/DCコンバータ制御回路68は、EV10より充電完了通知が受信されるまで制御信号をAC/DCコンバータ69に出力し、バッテリ1に電力を供給し続ける(S404)。
EV10より充電完了通知を受信すると、CPU61は、EVバッテリ充放電制御管理回路67、およびAC/DCコンバータ制御回路68に対して充電停止指示を出力する。この指示を受け取ったAC/DCコンバータ制御回路68は、AC/DCコンバータ69への制御信号の出力を停止する(S405)。
【0111】
一方、CPU61は、S405で電力供給停止を指示すると、EV10が自己のスマートメータ21に登録されているかどうかを、課金・課税管理回路66内のデータベースを検索して確認する(S406)。EV10がこのデータベースに登録されていなかった場合は、EV10への充電処理を終了する。
【0112】
先のS406で自己のスマートメータ21にEV10が登録されていた場合は、EV10から図16のS381の処理により出力されるバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時など)が送付されたかどうかを確認する。充電量情報が送付されていない場合は、EV充電処理を終了する。一方、充電量情報が送信されていた場合は、送付された充電量情報を課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶する(S408)。
データベースへの充電量情報の記録を完了すると、CPU61は、先のS409で記憶した充電量情報を含む充電完了・充電量情報受信応答を作成してEV10に送信し(S409)、EV10への充電処理を終了する。
【0113】
なお、本実施の形態1では、EV10内のバッテリ1への充電量をEV10内の充電量計測回路2により計測する。この充電時において、例えば、バッテリ1としてリチュウムイオン電池を使用した場合、バッテリ1の温度が上がってくると、バッテリ1を保護するため、EV10は車載機器(エアコン)9を動作させ、バッテリ1の温度を下げる。このため、スマートメータ21から供給する全ての電力に対して課税した場合、ユーザはバッテリ1に供給する電力以外に、エアコンなどの車載機器や、充放電のためのDC/DCコンバータ48などで消費される電力に対しても課税されてしまい、税金を必要以上に請求されることになる。従って、本実施の形態1では、バッテリ1に供給される電力のみを課税対象とし、その充電電力量をEV10よりスマートメータ21に通知するようしている。なお、上記充電時に使用する全ての電力を課税対象となる場合は、スマートメータ21で供給電力量を計測しても良いことは言うまでもない。
【0114】
次に、EV10から宅内へ放電する際の制御について、図18および図19を用いて説明する。
EV10からの放電は、スマートメータ21からEV10に対して送信する放電要求により開始する。
【0115】
まず、図18において、EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの放電要求を受信すると(S441)、放電要求元のスマートメータ21が、課税管理回路7内のデータベースに税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21かどうかを確認する(S442)。確認の結果、スマートメータ21が税金徴収口として登録されていない場合は、本実施の形態1では、スマートメータ21からの放電要求を破棄し、EV10の放電フローを終了する。
【0116】
これは、例えば、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外の場所で接続中(例えば、友人宅のスマートメータ)に、ピーク電力削減のためスマートメータ21からの放電要求に基づき放電してしまうと、ユーザが意図していない放電がなされて、帰宅時にバッテリ1に十分な電力が充電されていない場合や、あるいは、ユーザが知らないうちにバッテリ1から電力が放電されているという不具合の発生を防ぐため、本実施の形態1では、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電要求を受け付けないものとした。
なお、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電についても、課税管理回路7にて放電電力量を管理するため、ユーザが納めた税金に対する調整は行えるので、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電要求についても受け付けるように構成しても良い。
【0117】
先のS442で税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21からの放電要求であった場合は、放電要求受信応答をスマートメータ21に送信する(S443)。そして、スマートメータ21に放電要求受信応答を送信すると、CPU41は、課税管理回路7内に記憶されているバッテリ1の蓄電量を確認する(S444)。そして、CPU41は、この蓄電量の情報を元にバッテリ1からの放電可能量を算出し、その算出結果をスマートメータ21に送信する(S445)。
【0118】
本実施の形態1では、放電可能量の算出に際しては、最初に、ユーザに蓄電量の下限値を設定させておく。具体的には、ユーザが緊急に自動車を使用する場合の走行距離から、最低のバッテリ1の蓄電量を算出し、それを設定する。具体的には、例えばユーザに緊急に使用する場合の走行距離(例えば50Km)を設定させ、設定した距離が走れる最低の電力量を蓄電量の下限値とする。
【0119】
一方、スマートメータ21側では、図19に示すように、例えば電力課金サーバ33からの省エネ要求を受信したような場合、この省エネ要求に応える上で、EV10のバッテリ1からの放電を行う。その際、スマートメータ21は、宅内電源I/F23を介して接続されているEV10が課金・課税管理回路66に登録されているかどうかを確認する(S481)。そして、課金・課税管理回路66内のデータベースにEV10が登録されていない場合は、放電フローを終了する。なお、EV10が宅内電源I/F23に接続されていない場合も放電フローを終了する。
【0120】
一方、先のS481でEV10が課金・課税管理回路66内のデータベースに登録されていた場合、CPU61は、放電要求を生成してEV10に送信する(S482)。そして、CPU61は、EV10からの放電要求受信応答を所定時間待つ(S483、S484)。所定の時間を過ぎると(S484)、タイムアウト処理15を実施する(S485)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10で放電要求が受信できなかったとして、放電要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10の接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0121】
先のS483でEV10から放電要求受信応答を受信すると、EV10から図18のS445の処理により出力されるバッテリ1からの放電可能電力量の通知を所定時間待つ(S485、S486)。所定の時間を過ぎると(S486)、タイムアウト処理16を実施する(S488)。具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、EV10との接続がなくなったと判断し、EV10からの放電処理を終了する。
先のS486でEV10から送信された放電可能電力量の通知を受信すると、CPU61は、EV10からの放電電力量、および総放電電力量を決定する(S489)。なお、本実施の形態1では、放電電力量とは、単位時間当たりにEV10内のバッテリ1より放電する電力量の平均値を示し、総放電電力量は、今回の放電要求でEV10内のバッテリ1より放電するトータルの電力量を示す。
【0122】
先のS489でEV10からの放電電力量、および総放電電力量を決定すると、CPU61は、EV10に対して放電制御情報(放電電力量、総放電電力量などの情報)を送信し(S490)、EV10からの放電開始を待つ(S491)。
EV10からの放電が開始されると、CPU61は、放電を完了してよいかどうかを監視する(S492)。具体的には、電力課金サーバ33からの放電停止要求の受信、あるいは宅内家電機器の省エネにより、電力課金サーバよ33より提示された省エネ目標を達成した場合に、EV10からの放電を完了する。
【0123】
先のS492で放電を完了しない場合は、EV10内のバッテリ1からの総放電電力量が、先のS490で算出した総放電電力量を超えていないかどうかを確認する(S493)。そして、総放電電力量が超えていなかった場合には、S492に戻り放電終了の監視を継続する。
また、先のS493で総放電電力量が超えていた場合には、CPU61は、EV10に対して放電停止要求を送信するとともに(S494)、EVバッテリ充放電制御管理回路67に対してEV10からの放電電力の受け入れを停止するよう指示を出す。この受け入れ停止指示が入力されると、EVバッテリ充放電制御管理回路67は、AC/DCコンバータ制御回路68に対して、EV10内のバッテリ1からの放電電力を受け入れないように指示を出す。左記指示が入力されると、AC−DCコンバータ制御回路68はAC/DCコンバータ69へ供給していた制御信号の出力を停止する。
【0124】
一方、EV10側においては、図18に示すように、S445でCPU41が放電可能電力量情報の送信を完了すると、スマートメータ21から図19のS490の処理により出力される放電制御情報(放電電力量、総放電電力量等)の受信を待つ(S446)。
そして、この放電制御情報を受信すると、CPU41は、バッテリ1からの放電を開始するよう放電課税算出回路46、DC/DCコンバータ制御回路47に指示を出す(S447)。CPU41から放電開始指示を受け取ると、放電課税算出回路46は放電量計測回路3に対して、放電量の計測を開始するよう指示を出す。放電課税算出回路46より放電量計測開始の指示を受けた放電量計測回路3は、まず、始めに図示していない回路内の放電量計測カウンタのカウント値を“0”にクリアする。そして、放電量計測回路3はバッテリ1から放電されてくる放電電力量の計測を開始する。
【0125】
一方、DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41より放電開始指示を受け取るとスマートメータ21から送付された放電に関する情報がCPU41より通知されるのを待つ。そして、CPU41より放電情報が通知されると放電電力量などをもとにDC/DCコンバータ48の制御信号の生成を開始して放電を実行する(S447)。バッテリ1からの放電を開始すると、CPU41は、スマートメータ21より通知される放電停止要求についても監視する(S448)。
【0126】
そして、スマートメータ21からの放電停止要求を受信すると、CPU41はDC/DCコンバータ制御回路47に対してバッテリ1からの放電を停止するよう指示を出す。CPU41から放電停止指示を受け取ると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号の出力を停止する(S450)。
【0127】
先のS448でスマートメータ21からの放電停止要求を受信しなかった場合は、CPU41は、放電課税算出回路46より出力される放電量を監視する(S449)。そして、この放電量がスマートメータ21から通知された総放電量を超えたかを確認し、超えた場合、CPU41はバッテリ1からの放電を停止するようDC/DCコンバータ制御回路47に指示を出す。指示を受け取ったDC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号の出力を停止するので、放電が停止される(S450)。
【0128】
先のS450でバッテリ1からの放電が停止すると、CPU41は、今回の放電に関する情報を課税管理回路7内のデータベースに書き込む(S451)。具体的には、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47への放電停止指示出力後、放電課税算出回路46を介して放電量計測回路3で計測した今回の放電量を取得する。
そして、S451で取得した放電量情報、日時情報、放電場所情報などを課税管理回路7内の図示していないデータベースに記憶する。その際、税金が未徴収であることを示す課税情報フラグもセットする。
【0129】
こうして放電関連の情報の課税管理回路7内のデータベースへの記憶が終了すると、CPU41は、スマートメータ21に対して、放電完了・放電量通知を生成して送信する(S452)。そして、スマートメータ21からの放電完了・放電量通知受信応答の受信を所定時間待つ(S453)。所定時間待っても放電完了・放電量通知受信応答を受信しなかった場合には、バッテリ1からの放電処理を終了する(S454)。
【0130】
なお、S454で処理を終了した場合は、課税管理回路7内のデータベースに記憶した放電に関する情報は、次にEV10が税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続された際に再度送信するため、税金が未徴収であることを示す課税情報フラグはクリアせずにデータベース内に記憶しておく。
【0131】
その理由は、例えば、EV10からの放電中にEV10を急遽使用する必要が発生した場合、上述のような手続きを踏むことなく、宅内電源I/F23との間の接続が絶たれる場合がある。その際、EV10のバッテリ1からの放電量情報は、スマートメータ21に通知される前に宅内電源I/F23との接続が絶たれるため、放電量に対する課税料金の調整を行うことができない事態が生じる。これに対処するため、本実施の形態1では、放電量に関す情報は、一旦EV10内の課税管理回路7内に記憶するようにしている。こうすれば、放電後に放電量をスマートメータ21に通知する前に宅内電源I/F23との接続が切れた場合でも、放電量関連情報はEV10内の課税管理回路7内のデータベースの残っているため、次回に税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21と接続された際に課税情報を通知でき、ユーザが不必要に税金を払うことがない効果がある。
【0132】
先のS453でEV10がスマートメータ21からの放電完了・放電量通知受信応答を受信した場合、CPU41は、課税情報フラグクリア要求をスマートメータ21に送付する(S455)。この課税情報フラグクリア要求を送信すると、CPU41は、スマートメータ21からの課税情報フラグクリア要求受信応答の受信を所定時間待つ。そして、所定時間待っても受信できない場合は、放電処理をそのまま終了する。
【0133】
一方、スマートメータ21からの課税情報フラグクリア要求受信応答を受信すると、CPU41は、課税情報フラグクリア要求受信応答に付加された今回の放電情報の内容を確認し、送信した内容と同じ場合は、課税管理回路7内のデータベースに記憶された今回の放電に関する課税情報フラグをクリアし放電処理を終了する(S458)。一方、同じでない場合は、図示していないが、通信の際に誤りが発生したと判断して何もせず放電処理を終了する。
【0134】
一方、スマートメータ21側では、図19に示すように、CPU61は、EV10に対して放電停止要求を送信すると(S494)、EV10から図18のS452の処理で出力される放電完了・放電量通知の受信を所定時間待つ(S495)。所定時間待っても、放電完了・放電量通知を受信できない場合は、タイムアウト処理17を実施する。具体的には、EV10からの電力が供給されているかをAC/DCコンバータ制御回路68が確認し、確認の結果、EV10からの放電が停止していない場合は、放電停止要求を再送する。一方、停止していた場合は、そのままEV10からの放電処理を終了する。なお、タイムアウト処理17では、放電停止が確認できるまで放電要求の再送は繰り返す。これは、EV10より不必要にバッテリ1から放電させないためである。
【0135】
先のS495で放電完了・放電量通知を受信すると、CPU61は、パケット中の放電量に関する情報を抜き出し、課金・課税管理回路66内の図示していないデータベースに記憶する。データベースへの記憶を完了すると、CPU61は受信した放電量情報を元に放電完了・放電量情報通知受信応答を作成し、EV10に送信する(S498)。そして、EV10からの課税情報フラグクリア要求の受信を所定時間待つ(S499)。所定時間待ち受信できない場合は、そのままEV10の放電処理を終了する。一方、受信できた場合は、課税情報フラグクリア要求を生成しEV10に送信する(S501)。その際、課金・課税管理回路66内のデータベースに、課税情報クリア要求を受信したことを記憶する。
【0136】
次に、図20、および図21を用いて電力料金計算時のスマートメータ21と電力課金サーバ33の課金データのやり取りについて説明する。
まず、図20において、スマートメータ21は、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求を受信すると(S521)、スマートメータ21内のCPU61は電力課金サーバ33と認証済みであるかを確認する(S522)。認証が行われていない場合は、認証処理を実施する(S523)。
【0137】
先のS522で既に電力課金サーバ33と認証済み、あるいは先のS523で認証が完了すると、CPU61は、ユーザが使用した電力量等の算出を行う(S524)。そして、ユーザが使用した電力量等の集計を終了すると、CPU61は、課金・課税管理回路66中のデータベースを検索し、今回の料金算出の際に課税対象となるEV10への充電電力量情報(充電電力量、充電日時、充電場所などの情報)を抽出する。次いで、EV10が放電した税金精算が未調整の(減税対象となる)放電電力量情報(放電電力量、放電日時、放電場所などの情報)を抽出する(S526)。引き続いて、図示してはいないが、太陽電池などで発電した発電電力、あるいはEVからの放電電力を交流電力系統に回生した回生電力量情報を抽出する(S527)。
【0138】
続いて、その他電力使用量関連情報をデータベースより抽出する(S528)。なお、その他電力使用量関連情報とは、例えば、電力課金サーバ33の要請でEV10より放電した放電電力量や、放電回数、あるいは電力課金サーバ33の要請で実施した省エネ回数などの情報を指す。本実施の形態1では、ユーザが電力課金サーバ33からの要請で省エネや、EV10からの放電を実施した場合、ユーザの電力使用料金が下がるものとして、上述のようなその他電力使用量関連情報を電力課金サーバ33へ通知するようにしている。これにより、ピーク電力時に電力課金サーバ33からの要請で省エネ、EV10からの放電を実施したユーザは、電力料金が安くなるメリットがある。一方、電力会社にとっても、ピーク電力の抑制ができ、火力発電所などで必要以上に燃料を消費せず、CO2の発生を最低限に抑えることができるとともに、燃料代の節約を行うことができる効果がある。
【0139】
先のS524〜S528でユーザ電力使用料金・EV10への課税電力量を算出する際に必要となる情報の収集が完了すると、CPU61は、上記吸い上げた情報を元に、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付する(S529)。
そして、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答の受信を所定の時間待つ(S530、S531)。所定所時間待ってもユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答が受信できない場合には(S531)、タイムアウト処理17を実施する(S532)。
具体的には、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報の再送を3回実施する。再送を3回実施してもユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答が受信できない場合は、図示していないがスマートメータ21内のCPU61は再送処理を終了し、モニタ制御回路72を介して、正常に電力課金サーバ33に電力使用明細を送付できなかった旨を通知する情報をモニタ22に表示し、電量料金算出フローを終了する。
【0140】
先のS530でユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信した場合、CPU61は、受信したパケットより電力使用量、EV課金情報などを抽出し、自己が送信したデータと一致するか確認する。このとき、データが一致していた場合は、電量料金算出フローを終了する。一方、一致していなかった場合は、再度ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付し、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を待つ。
そして、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信したら、再度中身を解析し、自己が送付した情報と一致していたかを確認する。一致していない場合は、再度ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付する。本再送制御を3回繰り返しても正常にユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信できない場合は、CPU61は、正常に電力課金サーバ33に電力使用明細を送付できなかった旨を通知する。具体的には、情報をモニタ22に表示し、電量料金算出フローを終了する。
【0141】
次に、電力課金サーバ33による電力料金計算処理の動作を図21の制御フローを用いて説明する。
電力料金の計算を開始すると、電力課金サーバ33内のCPU81は、電力使用量管理回路89内のデータベースを検索し、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21の情報を収集する。その際、選択したこのスマートメータ21がすでに認証済みかを確認し(S561)、認証済みではない場合は、スマートメータ21との認証を実施する(S562)。
【0142】
先のS561で、既に認証済みである場合、あるいは先のS562で認証を完了すると、CPU81はユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求をスマートメータ21に送信する(S563)。そして、ユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求を送付すると、CPU81は、スマートメータ21からの図20のS529の処理により出力されるユーザ電力使用量・EV10の課税電力量情報が受信されるまで所定の時間待つ(S564、S565)。所定時間待っても受信できない場合には(S565)、タイムアウト処理18を実施する(S566)。
具体的には、ユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求をスマートメータ21に再送する。そして、再送を3回繰り返しユーザ使用電力量・EV10の課税電力量情報が受信できない場合は、その旨を図示していないモニタ、あるいは印字装置に出力し、電力料金計算フローを終了する。
【0143】
先のS564でユーザ使用電力量・EV10の課税電力量情報を受信できた場合は、受信パケットを解析し、電力使用量、EV課金情報等を抽出し、左記情報を電力使用量管理回路89、および税金管理回路90内のデータベースにそれぞれ記憶する。上記データベースへの電力使用量、EV課金情報等の記憶を完了すると、CPU81は、受信した電力使用量、EV課金情報等を元に、ユーザ使用電力量・EV課税電量情報受信応答を作成し、スマートメータ21に送信する(S567)。そして、ユーザ使用電力量・EV課税電量情報受信応答の送信を終了すると、CPU81は、受信したユーザ使用電力量、およびEV課税電力量情報等を元に、ユーザに請求する電力使用料金、および課税料を算出する(S568)。
【0144】
こうして、ユーザに請求する電力使用料金、および課税料の算出が完了すると、CPU81は、電力使用量、EV10の課税明細(いつ、どこで、どれだけ充電をしたかなどの情報を含む)から料金の明細書を作成する(S569)。そして、料金明細を作成すると、電力課金サーバ33内のCPU81は、スマートメータ21に対して料金明細を通知する(S570)。なお、本実施の形態1では、ネットワーク経由で電力料金明細を送付する場合について説明したが、これに限るものではなく、紙に印刷してユーザに送付しても良いことは言うまでもない。
【0145】
次に、図22を用いてEV10内の課税管理回路7内に登録されているスマートメータ21の情報の管理、およびスマートメータ21の課金・課税管理回路66内で管理しているEV10の情報の管理方法について説明する。
【0146】
EV10の自動車電源I/F8と宅内電源I/F23との接続が解除されると、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路に所定の値をセットする(S601)。同様にスマートメータ21内のCPU61も図示していないタイマ回路に所定の値をセットする。
なお、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23との接続の有無は、スマートメータ21内のCPU61が定期的に接続確認用のパケットをEV間通信回路70を介して送信し、この接続確認用のパケットを通信回路6を介して受信したEV10内のCPU41が応答パケットをスマートメータ21に送信することで確認する。
【0147】
そして、EV10は、所定の期間(この接続確認用パケットの送信周期の例えば5倍の期間)、この接続確認用パケットを受信しなかった場合、あるいはユーザがEV10を使用するためにエンジンをかけた場合(具体的には、キーをまわして車を動かす意思を示した場合)に、自宅の宅内電源I/F23との接続が解除されたものと判断する。同様に、スマートメータ21では、複数回にわたって上記EV10からの接続確認用パケットの応答パケットが受信できなかった場合に、自宅宅内電源I/F23との接続が解除されたものと判断する。
【0148】
この接続解除後に、EV10と税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21との接続の有無を確認する(S602)。具体的には、自動車電源I/F8が税金徴収口として登録されている自宅の宅内電源I/F23に接続され、EV10とスマートメータ21の間で図15に示す制御シーケンスが完了した時点(EV10内の課税管理回路7内のデータベースに登録されている充放電に関する課税関連の情報がスマートメータ21に送付されたことが確認された時点)で、EV10と自宅のスマートメータ21が接続されたと判断する。
こうして、EV10とスマートメータ21の接続が確認されると、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路を停止させ、カウント値をクリアする。同様にスマートメータ21内のCPU61も図示していないタイマ回路を停止させ、カウント値をクリアする。
【0149】
これに対して、先のS602でEV10と税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21が未接続と判断された場合は、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路からの割り込みが入力されていないかどうかを確認する(S603)。タイマ割り込みが入力されていない場合は、S602に戻ってEV10とスマートメータ21の接続確認を再度実施する。
【0150】
同様に、スマートメータ21内のCPU61は、先のS603で図示していないタイマ回路からの割り込みが入力されていないかを確認する。タイマ割り込みが入力されていない場合は、S602に戻ってEV10とスマートメータ21の接続確認を再度実施する。 S603でEV10内のCPU41は図示していないタイマ回路からの割り込みを検出すると、課税管理回路7内のデータベースに記憶されているスマートメータ21の情報を全て削除した後(S604)、タイマ回路を停止し(S605)、タイマ値をクリアして処理を停止する。同様に、S603でスマートメータ21内のCPU61は、図示していないタイマ回路からの割り込みを検出すると、課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶されているEV10の情報を削除した後(S604)、タイマ回路を停止し(S605)、タイマ値をクリアして処理を停止する。
【0151】
上述のような制御を行うことで、EV10を一度だけは税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続しても、その後は一度もEV10を当該自宅のスマートメータ21や充電スタンドに接続せず、例えば、専ら帰省先の実家での充電や、友人宅での充電を行って税金を収めないようなユーザの不正な充電を防ぐことができる。
すなわち、例えばS601でセットするタイマ値を予め定められた期間(例えば1ヶ月間)に設定しておけば、1ヶ月以上、EV10を税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続しない場合、上述のS604で、EV10内の課税管理回路7内の図示していないデータベースに登録されているスマートメータ21に関する情報が消去されるため、それ以降は、帰省先の実家での充電、友人宅での充電などを行えなくなるので、税金を納めないユーザの所有するEV10の不正な充電を防止し、課金できないなどの不具合発生を防止できる効果がある。
【0152】
以上説明したように、本実施の形態1では、請求項1記載の構成を備えているので、車外に対して充放電可能な大容量のバッテリ1を有するEV10を使用し、ピーク電力時、あるいは電力料金が高い時間帯にこのバッテリ1に蓄電された電力を放電し、ピーク電力時の電力使用の削減、あるいは安価な深夜電力などで充電した電力の有効利用を図ることができる。その場合、バッテリ1に電力を充電する際に課金された電力を、EV10を動かすため以外の宅内20の電気機器や系統電源31への放電に使用した場合には、その放電量を確実に管理でき、その管理結果に基づき、ユーザが払いすぎた税金の調整を確実に行うことができる。
【0153】
更に、本実施の形態1では、請求項2記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として自己のEV10を登録しているスマートメータ21以外の場所、例えば友人宅で自分のEV10のバッテリ1に充電した場合でも、友人に税金が課されるといったことを無くすことができる。
【0154】
更に、本実施の形態1では、請求項3記載の構成を備えているので、EV10のバッテリ1に充電した充電電力情報を確実に通信回路6を介してバッテリ1の充放電量に対する課税を管理できるスマートメータ21に通知することができる。しかも、スマートメータ21に充電量情報を通知するので、EV10側では、充電電力量情報を管理、記憶するROM42のデータベースのサイズを小さくでき、コスト削減が図れる。また、通信異常が発生した場合でも、未課税の充電電力量は、次に課税を管理できるスマートメータ21に接続した際に再度通知することができる。
【0155】
更に、本実施の形態1では、請求項4記載の構成を備えているので、例えば、既に課税処理が完了した充電電力は、課税情報フラグにより見分けることができるため、ユーザが税金を払いすぎることはない。また、通信の段階でデータに誤りが混入し、スマートメータ21が、充電量情報を受信できなかった場合でも、課税完了を指し示す応答パケットを受信するまで、上記課税情報フラグのクリアを行わないので、充電電力量に対して確実に税金を課金できる。なお、充電量の通知の送信に失敗した場合は、再送を繰り返すので、確実に税金を課金できる。
【0156】
更に、本実施の形態1では、請求項5記載の構成を備えているので、バッテリ1への充電完了あるいはスマートメータ21への充電量の通知完了の際、課税情報フラグの状態が表示されるため、ユーザは課税情報フラグの表示状態を見て、未払いの税金がどの程度あるのかをモニタで確認することができ、利便性が高くなる。
【0157】
更に、本実施の形態1では、請求項6記載の構成を備えているので、EV10側でスマートメータ21からの応答パケットを受信しなかった場合、充電量計測回路2で計測された充電量がROM42に記憶されるため、充電の途中に充電ガンを抜かれたような場合でも、それまでの充電量、充電日時、充電場所、課税情報フラグを記憶しておくことができ、充電電力量に対して確実に税金を課金することができる。また、充電量の通知の送信に失敗した場合は、例えば次回の接続時に再度送信するので、確実に税金を課金することができる。
【0158】
更に、本実施の形態1では、請求項7記載の構成を備えているので、EV10の充放電制御回路4は、EV10が宅内20の課税を管理できるスマートメータ21に接続された際に、ROM42に記憶された充電量の内の未課税分の充電量をスマートメータ21に通知するので、自宅以外の例えば帰省時に実家、友人・知人宅、旅行先のホテルの駐車場などで充電した場合でも確実に充電量に対して課税することができる。
【0159】
更に、本実施の形態1では、請求項8記載の構成を備えているので、EV10が税金徴収口として登録されているスマートメータ21に接続された場合には、充放電制御回路4は、当該スマートメータ21からのからの放電要求に対してバッテリ1からの放電を許可するとともに、放電量計測回路3により放電量を計測するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがない。
【0160】
更に、本実施の形態1では、請求項9記載の構成を備えているので、通信の段階でデータに誤りが混入し、スマートメータ21が、放電量情報を受信できなかった場合でも、課税処理完了を指し示す応答パケットを受信するまで課税情報フラグのクリアを行わないので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがない。なお、放電量の通知の送信に失敗した場合は、再送を繰り返すので、放電電力量を確実に管理することができる。
【0161】
更に、本実施の形態1では、請求項10記載の構成を備えているので、バッテリ1からの放電完了およびスマートメータ21への放電量の通知完了の際、課税情報フラグの状態をモニタに表示するなどしてユーザに知らせるので、ユーザは未調整の税金がどの程度あるのかをモニタで確認でき、利便性が高まる。
【0162】
更に、本実施の形態1では、請求項11記載の構成を備えているので、スマートメータ21から応答パケットを受信しなかった場合や、バッテリ1の放電途中で充電ガンを抜かれたような場合でも、それまでの放電量、放電日時、放電場所、課税情報フラグをROM42記憶するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがなくなる。
【0163】
更に、本実施の形態では、請求項12記載の構成を備えているので、EV10の充放電制御回路4は、EV10が税金徴収口として登録されている宅内20のスマートメータ21に接続された場合には、ROM42に記憶された放電量の内の減税対象となる未返還課税分の放電量をスマートメータ21に通知するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、放電量に見合った減税を実施することができる。
【0164】
更に、本実施の形態1では、請求項13記載の構成を備えているので、課税ができる充電スタンド以外であっても、蓄電手段への充電が許可された電力管理手段にEV10が接続されれば、蓄電手段に電力を充電して、後で課税することができるので、充電に対する課税が確実に行え、このため、ユーザは、自宅のみならず、実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。
【0165】
更に、本実施の形態1では、請求項14記載の構成を備えているので、バッテリ1の充電完了後、スマートメータ21がユーザが税金徴収口としてEV10を予め登録している自宅のスマートメータ以外の場合には、充電量計測回路2で計測されたバッテリ1への充電量をROM42に記憶するので、自宅以外の実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先で充電しても、それまでの充電量、充電日時、充電場所を記憶しておくことができ、このため充電電力量に対して確実に税金を課金することができる。
【0166】
更に、本実施の形態1では、請求項15記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21にEV10が予め設定された時間内に接続されない場合には、EV10に登録されているスマートメータ21に関する情報が全て破棄されるので、一度自宅のスマートメータ21に接続した後、実家や友人宅など自宅以外の充電場所でバッテリ1への充電を続けた場合、所定期間が経過するとバッテリ1の充電ができなくなる。このため、税金を納めずに充電するのを防止でき、確実に税金を徴収できるようになる。
【0167】
更に、本実施の形態1では、請求項16記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21にEV10が接続された際、ROM42に記憶されている充電量の内の未課税分の充電量をスマートメータ21に通知するので、充電時にかかる税金を確実に納めさせることができる。
【0168】
更に、本実施の形態1では、請求項17記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10への充放電を行った際にかかる税金に対して確実に管理することができるとともに、例えば、電力会社が、EV10からの放電を行ったユーザに対して、その放電量に基づき、放電量に応じた電力料金の割引などを実施する場合においても、充電量、放電量、電力使用量を別々に管理するので、確実に放電量に応じて電力料金の割引を行うことができる。
【0169】
更に、本実施の形態1では、請求項18記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10を有するユーザの課税に対する情報を収集することができ、充電、あるいは放電による税金管理を確実に行うことができる。
【0170】
更に、本実施の形態1では、請求項19記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10との間で通信の際にエラーなどが発生して情報を受信できなかった場合でも、EV10内には記憶されている税金に関する情報の再送を促すことができるため、確実に税金に関する情報を入手して管理することができる。
【0171】
更に、本実施の形態1では、請求項20記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、当該スマートメータ21に対して登録されたEV10を特定する情報とEV10側に登録されている当該EV10を特定する情報とが一致している場合にのみ、当該EV10に関する情報をROM62に登録するとともに、当該情報をEV10側に通知するので、EV10に自宅のスマートメータ21が不正に登録されてアクセスされるのを防ぐことができ、システムの信頼性を高めることができる。
【0172】
更に、本実施の形態1では、請求項21記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10内に充電量に対する課税を管理できるスマートメータ21に関する情報が登録されている場合についてのみ、系統電源31からEV10への電力供給を実行するので、実家や友人宅、あるいは旅館・ホテルなど、充電スタンド以外の場所であっても、充電量に対する課税を管理できるスマートメータ21が登録されている場所であれば、そのスマートメータ21からEV10のバッテリ1に充電することができ、外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。また、課税処理ができるスマートメータ21が登録されていないEV10は、課税処理が可能な充電スタンド以外では充電ができないため、確実に税金を徴収できる効果がある。
【0173】
更に、本実施の形態1では、請求項22記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10が接続された際、未課税のEV10への充電量情報、および税金未清算のEV10からの放電量情報、および課税情報がモニタ22に表示できるため、ユーザは、EV10に対する課税額などを容易に把握することができ、利便性が高まる。
【0174】
変形例の説明.
なお、本実施の形態1では、実家や友人宅での充電に際してもスマートメータを介した通信で相手先を判別していたが、これに限るものではなく、例えばEV10をクリスマスなどで、宅外の電飾に電源を供給する電源口に接続しても良い。その場合、スマートメータ21との通信が行えないため、EV10は自宅以外での充電と判断し、充電量を充放電制御回路4内の課税管理回路7内のデータベースに登録する。そして、自宅スマートメータ21に接続した際に、充電量、充電日時、充電場所などの情報を自宅スマートメータ21に通知するので、税金を確実に徴収できる効果がある。
【0175】
また、本実施の形態1では、図5〜図22に示す制御フロー、制御シーケンスに基づき、税金の管理方法について説明してきたが、制御手法はこの制御フロー、制御シーケンスに限るものではなく、例えば、タイムアウト処理などは、再送を3回程度で説明したが、再送回数は3回に限るものではない。本実施の形態1では、EV10内の課税情報フラグのクリアを、スマートメータ21との通信が成功した場合のみ行うので、再送を失敗した場合でも、例えば次の接続時に再度データのやり取りを行うので、課税を確実に処理することができる効果がある。また、本実施の形態1では、EV10より同一の課税情報が送付された場合でも、スマートメータ21は、課金・課税管理回路66内に記憶されている前回送付された課税関連の情報と比較し、すでに受信した情報かを判断し、すでに受信した情報であればこのデータベース内の情報と受信した情報を比較し、同一であれば、受信情報を破棄するよう制御する。一方、一致しなければ、再送するようEV10に対して、再送要求を出すよう制御しても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0176】
1 バッテリ、2 充電量計測回路、3 放電量計測回路、4 充放電制御回路、
5 認証回路、6 通信回路、7 課税管理回路、8 自動車電源I/F、9 車載機器、10 電気自動車、20 宅内、21 スマートメータ、22 モニタ、
23 宅内電源I/F、31 系統電源、32 インターネット、33 電力課金サーバ、41 CPU、42 ROM、43 RAM、44 CPUバス、
45 充電課税算出回路、46 放電課税算出回路、
47 DC/DCコンバータ制御回路、48 DC/DCコンバータ、61 CPU、
62 ROM、63 RAM、64 CPUバス、65 認証回路、
66 課金・課税管理回路、67 EVバッテリ充放電制御管理回路、
68 AC/DCコンバータ制御回路、69 AC/DCコンバータ、
70 EV間通信回路、71 インターネット通信回路、81 CPU、82 ROM、
83 RAM、84 CPUバス、85 認証回路、86 インターネット通信回路、
87 EV登録データベース、88 需要家登録データベース、
89 電力使用量管理回路、90 税金管理回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の電力蓄積手段を有する電気自動車、およびその電力管理装置に係り、特には電気自動車の充放電電力の課税のための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減に向け、ピーク電力が発電所から供給される電力量を超えそうな場合は、EVなどのバッテリに予め蓄電された電力を電力系統に放電することで電力の安定化を図るスマートグリッド技術の開発、および実証実験が実施されている。さらに、このピーク電力の削減に加え、需要家の環境への意識の向上に伴い、二酸化炭素を排出せず発電できる太陽光などの自然エネルギを利用した発電システムが普及し、分散型エネルギコミュニティを形成しつつあり、太陽光パネルで発電した余剰電力を電力系統に売電することがごく一般に行われつつある。
【0003】
また、一般的なガソリン車に代わり、今後の温暖化対策の一環として、環境にやさしい電気自動車(以下、EVと記す)が普及した場合に、ガソリン税に代わる新たな税金を付与する必要が出てくる。なお、以下において、EVには、電気二輪車なども含まれる。
【0004】
ところで、従来技術では、新たな税金を付与する場合の電力使用量と、税金を管理する管理技術が開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。具体的には、例えば自宅などの特定エリアでEVに充電する際は、EVへの充電量と自宅内の家電機器の電力使用量とを分けて管理する必要がある。一方、特定エリア以外での充電を行う際には、充電量に加えてエリア情報を管理する。また、EVへの充電には、契約者ID、世帯IDなどで認証し、認証ができたならば充電を行う。電力料金の算出に関しては、EVについては、電力使用量、および車種情報などに基づき電力使用量と税金を計算する。そして、家電機器の電力使用量、EVへの充電量、およびEV充電の際の税金を合わせてユーザから電力料金として徴収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−129384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載されている技術では、EVへ充電する際に、ガソリン税に代わる税金を電力料金として徴収する課金手法について開示されているが、EVのバッテリから放電した電力については考慮されていない。従って、EVに一旦充電した電力を放電する場合に、放電電力の内のEV自体で使用する電力については、ガソリン税と同様に税金として課金されるのは理解できても、EV以外の用途、例えば自宅内の家電機器などにEVからの放電電力を使用した場合にも、EVへの電力使用と見なされてガソリン税と同様な税金が課せられるのでは、ユーザが不必要な税金まで納めることになって妥当でない。
【0007】
そこで、本発明は、上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、EVに充電された電力を放電する場合に、その使用用途に応じて課税/非課税を判断し、電力使用料金と税金とを合理的に徴収できる電気自動車、およびその電気自動車向けの電力管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気自動車(請求項1)は、車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を有するとともに、上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、上記蓄電手段からの放電量を計測する放電量計測手段と、上記蓄電手段への充放電を制御する充放電制御手段と、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段で計測される上記蓄電手段に対する放電量と充電量とをそれぞれ記憶する充放電量記憶手段と、車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電、または上記蓄電手段から車外への放電の実施が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段とを備え、上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記通信手段を介して当該電力管理手段に通知する一方、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できない場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記充放電量記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の電気自動車(請求項13)は、車外に対して充電可能な大容量の蓄電手段を有するとともに、上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、上記蓄電手段への充電を制御する充電制御手段と、上記充電量計測手段で計測される上記蓄電手段への充電量を記憶する充電量記憶手段と、車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、上記蓄電手段への車外からの充電が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段とを備え、上記電力管理手段は、車外に設置された電源系統と接続手段で接続した際、少なくとも該認証手段での認証に失敗した場合、充電量に対する課税を管理できる車外の電力管理手段情報が登録されているかを確認し、登録されていた場合は、充電量計測手段に充電量計測指示を通知し、該蓄電手段に充電を行うよう制御することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の電力管理装置(請求項17)は、充放電可能な大容量の蓄電手段を備えた電気自動車に対して系統電源から供給される供給電力量、および上記電気自動車から上記系統電源へ放電される放電電力量をそれぞれ管理するものであって、上記系統電源と上記電気自動車とを接続する接続手段と、電力会社へ需要家宅内での使用電力量を通知する使用電力量通知手段と、上記系統電源から上記電気自動車への供給電力量を計測する供給電力量計測手段と、上記電気自動車との間で通信を行う通信手段と、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されたものどうかを上記通信手段を介して認証する認証手段と、上記系統電源と上記電気自動車との間で充放電される電力量を管理する電力量管理手段と、課税管理を行うための電力使用量に関する情報を記憶する記憶手段とを有し、上記電力量管理手段は、上記接続手段により宅内系統電源と電気自動車が接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されている場合には、上記電気自動車への充電要求、あるいは電気自動車からの放電要求に応じて上記系統電源から上記蓄電手段への充電または放電を実施するとともに、上記供給電力量計測手段で計測される上記電気自動車への供給電力量および上記電気自動車から与えられる充放電電力情報に基づいて、上記系統電源からの電力使用量、電気自動車への充電量、および電気自動車からの放電量をそれぞれ区分して上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明(請求項1)の電気自動車は、車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を利用し、ピーク電力時、あるいは電力料金が高い時間帯にこの蓄電手段に蓄電された電力を放電することで、ピーク電力時の電力使用の削減、あるいは安価な深夜電力などで充電した電力の有効利用を図ることができる。その場合、蓄電手段に電力を充電する際に課金された電力を、電気自動車を動かすため以外の宅内の電気機器や系統電源への放電に使用した場合には、その放電量を確実に管理し、その管理結果に基づき、ユーザが払いすぎた税金の調整を確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明(請求項13)の電気自動車は、課税ができる充電スタンド以外であっても、蓄電手段への充電が許可された電力管理手段に接続して蓄電手段に電力を充電した場合、後でその充電量を調べて課税することができるので、充電に対する課税が確実に行え、このため、ユーザは、自宅のみならず、実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。
【0013】
また、本発明(請求項17)の電力管理装置は、ユーザが宅内の家電機器を使用するために電気自動車内の蓄電手段から放電した電力量、あるいは電気自動車が登録されていない電源からの電気自動車への充電量(税金を納めていない電力量)を、電気自動車から読み出すことができる。このため、電気自動車への充放電を行った際にかかる税金に対して確実に管理することができるとともに、例えば、電力会社が、電気自動車からの放電を行ったユーザに対して、その放電量に基づき、放電量に応じた電力料金の割引などを実施する場合においても、充電量、放電量、電力使用量を別々に管理するので、確実に放電量に応じて電力料金の割引を行うことができ、ユーザは不必要な税金を払う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気自動車、および電力管理システムのシステム構成を概略的に示す構成図である。
【図2】図1に示される電気自動車内の充放電制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1に示されるスマートメータの構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】図1に示される電力課金サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】図1に示される電気自動車が電源I/Fに接続された時の全体的な制御フローである。
【図6】図1に示されるスマートメータに電気自動車が接続された時の全体的な制御フローである。
【図7】図1に示されるスマートメータの電源がオンされて起動された時の全体的な制御フローである。
【図8】図1に示される電力課金サーバの全体的な制御フローである。
【図9】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際の電気自動車内の制御フローである。
【図10】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際のスマートメータの制御フローである。
【図11】図1に示される電気自動車をスマートメータ、および電力課金サーバに登録する際の電力課金サーバの制御フローである。
【図12】本実施の形態1において電気自動車の登録時の電気自動車、スマートメータ、および電力課金サーバの相互間の動作シーケンスを示す説明図である。
【図13】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際の電気自動車の認証、接続処理を示す制御フローである。
【図14】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際のスマートメータによる認証、接続処理を示す制御フローである。
【図15】本実施の形態1における電気自動車を宅内電源I/Fに接続した際の、電気自動車およびスマートメータの相互間の認証、接続処理の動作シーケンスを示す説明図である。
【図16】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車を充電する際の電気自動車の処理を示す制御フローである。
【図17】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車を充電する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図18】図1に示される電気自動車を宅内電源I/Fに接続して電気自動車から放電する際の電気自動車の処理を示す制御フローである。
【図19】図1に示される電気自動車を電源I/Fに接続して電気自動車から放電する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図20】図1に示される宅内での電力使用量、電気自動車への充電電力量、電気自動車からの放電電力量に基づいてユーザに請求する電力使用量を計算する際のスマートメータの処理を示す制御フローである。
【図21】図1に示される宅内での電力使用量、電気自動車への充電電力量、電気自動車からの放電電力量に基づいてユーザに請求する電力使用量を計算する際の電力課金サーバの処理を示す制御フローである。
【図22】図1に示される電気自動車およびスマートメータ内に登録されている電気自動車とスマートメータに関する登録情報を削除する際の処理を示す制御フローである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気自動車、および電力管理装置を中心としたシステム構成図である。
図において、1はEV10に搭載されているバッテリ、2はバッテリ1への充電量を計測する充電量計測回路、3はバッテリ1から自動車電源I/F8を通して宅内に供給する放電電力量を計測する放電量計測回路、4はバッテリ1への充電量、バッテリ1からの放電量を制御する充放電制御回路、5は通信回路6を介して接続された宅内のスマートメータ21、あるいは図示していない充電スタンドとEV間で機器認証を行う認証回路、6は宅内のスマートメータ21、あるいは図示していない充電スタンドと通信を行う通信回路、7はバッテリ1に充電された充電電力量、およびバッテリ1から放電される放電電力量を管理する課税管理回路、8は宅内電源I/F23、あるいは図示していない充電スタンドの電源インターフェースと接続する自動車電源I/F回路、9はエアコン等の車載機器である。
【0016】
EV10のバッテリ1を中心とした充放電制御系は、バッテリ1、充電量計測回路2、放電量計測回路3、充放電制御回路4、認証回路5、通信回路6、課税管理回路7、自動車電源I/F回路8、および車載機器9で構成される。
【0017】
21は宅内20に配置されたスマートメータ、22はスマートメータ21から出力される機器情報を表示するモニタ、23はEV10と接続する宅内電源I/F回路である。31は宅内20に供給される系統電源、32はインターネット、33はスマートメータ21から通知される宅内20での電力消費量、EV10への充電電力量、EV10からの放電電力量、EV10の未納分充電電力量を元に、ユーザに請求する電力使用料、税金を算出する電力課金サーバである。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態1に係るEV10内の充放電制御回路4を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0019】
図2において、41は充放電制御回路4を制御するCPU、42はCPU41で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM42をフラッシュROMで構成し、EV10自身のIPアドレス、MACアドレス、自宅のスマートメータ21の情報、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、未課税の充電電力量、未通知の放電電力量などを記憶する。
【0020】
43はCPU41でプログラムを実行する際にワーク領域などとして使用するRAM、44はCPUバス、45は充電量計測回路2より出力される充電電力量に基づいて課税対象となる充電電力量を算出する充電課税算出回路、46は放電量計測回路3より出力される放電電力量に基づいて税金精算が未調整の放電電力量を算出する放電課税算出回路である。
【0021】
47は自動車電源I/F8より供給されるDC電力の電圧値を変更してバッテリ1に供給、あるいはバッテリ1から放電されるDC電力の電圧値を変更して宅内のスマートメータ21に供給するDC−DCコンバータ48を制御するDC−DCコンバータ制御回路、48はDC−DCコンバータである。
【0022】
そして、特許請求の範囲における蓄電手段が上記のバッテリ1に、充電量計測手段が充電量計測回路2に、放電量計測手段が放電量計測回路3に、充放電制御手段および充電制御手段が充放電制御回路4に、充放電量記憶手段および充電量記憶手段がROM42に、接続手段が自動車電源I/F8に、認証手段が認証回路5に、通信手段が通信回路6に、それぞれ対応している。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1に係るスマートメータ21のEV充放電制御を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0024】
図3において、61はスマートメータ21を制御するCPU、62はCPU61で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM62をフラッシュROMで構成し、スマートメータ21のIPアドレス、MACアドレス、ユーザが管理するEV10の情報、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、ユーザが系統電源31より供給を受け消費した電力量、未課税の充電電力量、EV10内のバッテリ1からの放電電力量などを記憶する。
【0025】
63はCPU61でプログラムを実行する際にワーク領域などとして使用するRAM、64はCPUバス、65はEV間通信回路70を介して接続されたEV10との間の機器認証、あるいはインターネット通信回路71を介して接続された電力課金サーバ33との間の機器認証を行う認証回路、66は宅内20で使用した系統電源31より供給された電力量、EV10に充電した電力量、EV10から放電した電力量を管理する課金・課税管理回路である。
【0026】
67はEV間通信回路70を介して受信したEV10内のバッテリ1の情報(具体的には、バッテリ1の蓄電量、バッテリ1への充電時の制御方法に関する情報など)を管理するとともに、EV10からの充電要求、CPU61からの充電、あるいは放電要求に基づき、AC−DCコンバータ制御回路68に充電、あるいは放電指示、および充電、あるいは放電制御指示を出力するEVバッテリ充放電制御管理回路である。
【0027】
68はEVバッテリ充放電制御管理回路67より出力される充電、あるいは放電指示に基づきAC/DCコンバータ69を制御するAC−DCコンバータ制御回路、69は系統より供給される交流電力(以下、AC電力、あるいは単にACと記す)を直流電力(以下、DC電力、あるいは単にDCと記す)に変換、あるいはEV10内のバッテリ1より供給されるDC電力をAC電力に変換するAC−DCコンバータ、70はEV10とスマートメータ21間の通信を行うEV間通信回路、71はインターネット32に接続された電力課金サーバ33とスマートメータ21間の通信を行うインターネット通信回路である。
【0028】
そして、特許請求の範囲における電力管理装置および電力管理手段がスマートメータ21に、接続手段が宅内電源I/Fに、使用電力量通知手段がインターネット通信回路71に、供給電力量計測手段が課金・課税管理回路66に、通信手段(入力手段)がEV間通信回路70に、認証手段が認証回路65に、電力量管理手段がEVバッテリ充放電制御管理回路67に、記憶手段がROM62に、報知手段がモニタ22およびモニタ制御回路72に、それぞれ対応している。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態1に係る電力課金サーバ33の電力課金制御を中心としたシステム構成図である。なお、同図中、図1と同一符号を記したものは同一の構成部分であるから説明は省略する。
【0030】
図4において、81は電力課金サーバ33を制御するCPU、82はCPU81で実行するプログラムを内蔵するROMである。なお、本実施の形態1ではROM82をフラッシュROM、あるいはハードディスクドライブで構成し、電力課金サーバ33自身のIPアドレス、MACアドレス、インターネット32に接続された各家庭内に配置されたスマートメータ21のIPアドレス、MACアドレス、機器認証などに使用する暗号化の際の鍵情報、スマートメータ21より通知される各家庭で使用した系統電源31から供給した電力量、スマートメータ21が管理するEV10に充電した充電電力量、EV10から放電した放電電力量などを記憶する。
【0031】
83はCPU61でプログラムを実行する際にワーク領域として使用するとともに、各スマートメータ21より通知される各家庭で使用した系統電源31から供給した電力量、スマートメータ21が管理するEV10に充電した充電電力量、EV10から放電した放電電力量などを一旦記憶するRAMである。
また、84はCPUバス、85はインターネット32に接続されたスマートメータ21を認証する認証回路、86はインターネット通信回路、87はユーザが登録を要請してきたEV情報を登録するEV登録データベース、88は電力課金サーバ33が管理するスマートメータ21の情報を登録する需要家登録データベース、89はスマートメータ21から通知される各需要家の電力使用量を管理する電力使用量管理回路、90はEV登録データベースに登録されているEV10に充電した電力量、およびEV10からの放電量を元に需要家に対する課税額を算出する税金管理回路である。
【0032】
なお、本実施の形態1では、説明を分かりやすくするために、充放電制御回路4、認証回路5、通信回路6、課税管理回路7、充電課税算出回路45、放電課税算出回路46、DC−DCコンバータ制御回路47、認証回路65、課金・課税管理回路66、EVバッテリ充放電制御管理回路67、AC−DCコンバータ制御回路68、認証回路85、EV登録データベース87、需要家登録データベース88、電力使用量管理回路89、税金管理回路90などをH/Wで構成するものとして図1〜図4を説明しているが、これに限るものではなく、上記全ての回路、あるいは一部の回路をS/Wで実現しても同様の効果を奏することはいうまでもない。また、上記各回路の機能をS/WとH/Wに分割し同様の機能を実現しても良いことは言うまでもない。
【0033】
次に、図1〜図22を用いて本実施の形態1の電気自動車、および電力管理装置の具体的な動作について説明する。
先ず始めに、図1〜図12を用いてEV10、および電力管理装置の認証・登録動作について説明する。ここに、図5はEV10の自動車電源I/F8を電源に接続した際のEV10の充放電制御回路4の全体的な制御フロー、図6はEV10の自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続された場合のスマートメータ21の全体的な制御フロー、図7はスマートメータ21の電源をオンして立ち上げた際の制御フローである。また、図8は電力課金サーバ33の全体的な制御フロー、図9はEV10がスマートメータ21および電力課金サーバ33にEV10を登録する際の制御フローである。図10はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する際のスマートメータ21の制御フロー、図11はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する際の電力課金サーバ33の制御フローである。また、図12はEV10をスマートメータ21および電力課金サーバ33に登録する時の相互間の動作シーケンスを示す説明図である。
【0034】
まず、図5を用いてEV10の自動車電源I/F8が電源I/Fに接続された場合のEV10の全体的な動作について説明する。
【0035】
EV10内の自動車電源I/F8は、自宅の宅内電源I/F23に接続されるだけでなく、それ以外の図示していない充電スタンドの充電I/Fや、例えば帰省時に、実家の電源I/Fや、旅行先のホテルの電源I/Fなどに接続される。従って、自動車電源I/F8が上記のような何らかの電源I/Fに接続されると、EV10内の充放電制御回路4は、自動車電源I/F8の電源接続を確認する(S1)。次に、充放電制御回路4は、自動車電源I/F8が何らかの電源I/Fに接続されると、充電スタンドの電源I/Fとの接続かを確認する(S2)。これは、EV10の通信回路6を通じて接続相手先の機器との間で情報をやりとりすることで確認する。
確認の結果、充電スタンドの電源I/Fとの接続であると判断した場合には、EV10内のバッテリ1への充電を開始する(S3)。その際、充放電制御回路4内の充電課税算出回路45は、充電量計測回路2よりバッテリ1への充電量の計測結果を取得し、バッテリ1への充電電力量、および課税対象充電量を算出する。
【0036】
なお、本実施の形態1では、バッテリ1へ実質的に充電された電力量のみを課税対象とし、充電時に例えばEV10に搭載された車載機器9などを利用した電力については課税対象としないものとする。これは、EV10への充電の際、バッテリ1の温度上昇を抑えるために、車載エアコンで冷房しながら充電を実施する場合もあるためである。なお、課税対象範囲については上記例に限るものではなく、充電時に使用したすべての電力を課税対象としても良いことは言うまでもない。
【0037】
先のS2で接続先が充電スタンドではなかった場合は、EV10内に自宅のスマートメータ21が登録されているかどうかを確認する(S4)。この場合の自宅のスマートメータ21の定義としては、本実施の形態1では、ユーザが自分のEV10の登録手続きを済ませて自己のEV10への充電電力に対する課税料金の徴収を認めている全てのスマートメータを指す。従って、例えば現在実際に居住していて税金の引き落とし口座を設けているような家屋に設置されている税金の徴収口となる自宅のスマートメータ21に加えて、充電スタンドを除く、例えば実家や、友人、旅行先のホテルなど、本来の自宅以外の場所で充電する場合でも、ユーザが自分のEV10の登録手続きを済ませてEV10への充電電力に対する課税料金の徴収を認めているスマートメータを含む。従って、これらのスマートメータ21からのEV10への充電電力は全て課税料金の徴収対象になり、課税料金が使用電力料金と合わせて徴収されることになる。
【0038】
なお、EV10からの放電については、詳細は後述するが、課税料金の調整を含め、EV10が税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続された場合のみ実施可能であるとする。ただし、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21からの放電以外であっても、ユーザが認めた場合については、放電を行ってもEV10からの放電量はEV10内の充放電制御回路4内で管理されるので、課税料金の徴収は可能となるので差し支えない。
【0039】
先のS4でEV10内に自宅のスマートメータ21が登録されていないかった場合は、S5で自宅のスマートメータ21の登録処理を実施する。なお、自宅のスマートメータ21の登録動作については後述する(図9参照)。上記S4で自宅のスマートメータ21が登録されていた場合、あるいはS5で自宅のスマートメータ21の登録処理を完了した場合、続いて、電源の接続先が税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21であるかどうかを確認する(S6)。S6で税金の徴収口のスマートメータ21でなかった場合は、課税料金徴収口および充電スタンド以外でのバッテリ1への充電処理を実施し(S7)、充電完了後、EV10は処理を終了する。なお、充電スタンドでの充電以外のバッテリ1への充電動作については、後述する(図16参照)。
【0040】
先のS6で電源の接続先が税金の徴収口のスマートメータ21の宅内電源I/F23であった場合、スマートメータ21との認証を実施するため、EV10内の充放電制御回路4は通信回路6を介して、スマートメータ21に登録要求を送信する(S8)。そして、これに応じてスマートメータ21からEV10に対して送信された登録要求応答を受信した場合(S9)、EV10内の充放電制御回路4は、再度、自宅のスマートメータ21の登録処理を行う(S16)(図9参照)。
【0041】
このように、再度、自宅のスマートメータ21の登録処理を行うのは、次の理由による。本実施の形態1では、EV10への充電時の課税料金の徴収を、税金徴収口として登録しているスマートメータ21のある自宅において、充電スタンド以外で使用した電力料金と併せて行う。従って、EV10が長期間、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続されなかった場合、例えば、ユーザが最初はEV10に自宅のスマートメータ21を登録しても、その後、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に電源を接続せず、例えば近くの実家の電源I/Fを使用して充電した場合、ユーザは税金を納めることなしにEV10への充電を行って走り続けることができ、EV10への充電電力の課税料金の徴収ができなくなってしまう。よって、このような不具合が生じるのを防ぐため、ユーザが予め定められた所定期間にわたって税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21に接続しなかった場合は、EV10内の自宅のスマートメータ21の情報、およびスマートメータ21内のEV10の情報を削除する。これにより、詳細は後述するが、ユーザは予め定められた時間、当該スマートメータ21にEV10を接続しなかった場合は、充電スタンドでの充電以外、再度税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21と接続してスマートメータ21の情報を登録しなければ、バッテリ1への充電はできなくなるようにしている(図22参照)。
【0042】
一方、S9でスマートメータ21からEV10の登録要求応答を受信しなかった場合は、スマートメータ21との認証・接続処理を実施する(S10)。なお、スマートメータ21との認証・接続処理の詳細については後述する(図13参照)。S10で認証・接続処理を完了すると、EV10内のCPU41はバッテリ1の残量を確認し、バッテリ1に充電を行うかどうかを判断する(S11)。具体的には、CPU41はバッテリ1への充電時に、充電課税算出回路45よりバッテリ1内の充電量を取得する。その際、放電課税算出回路46からの放電量を取得し、取得結果に基づき、バッテリ1内の蓄電電力量を算出する。そして、この蓄電電力量からCPU41はバッテリ1への充電を実施するかどうかを決定する。
【0043】
本実施の形態1では、図示はしていないが、バッテリ1内の蓄電電力量が、予め定められた電力未満の場合(例えば緊急にEV10を使用する場合を考慮し、バッテリ1の蓄電量が50%未満の場合)は、即座に充電を行うが、上記電力以上の場合は、基本的には、太陽電池、風力発電など自宅に設置した自然エネルギを利用した発電電力に余剰電力がある場合、あるいは深夜など電力料金が安い場合に充電を実施する。また、特にユーザから充電要求があった場合は、その要求に基づきCPU41は充電を開始する。上述の要領でCPU41がS11で充電指示を出した場合は、自宅でのバッテリ1への充電処理を実施する(S12)。なお、充電処理については後述する(図16参照)。
【0044】
先のS11で充電の必要がないと判断した場合は、次に、税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21からの放電要求がないか確認する(S13)。放電要求がある場合は、EV10内のバッテリ1に蓄電した電力を放電する(S14)。放電処理については後述する(図18参照)。S13で自宅のスマートメータ21からの放電要求がない場合、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23が接続状態にあるかどうかを確認し(S15)、接続状態にある場合は、S11からの処理を繰り返す。一方、接続状態にない場合は、処理を終了する。
【0045】
次に、図6を用いて自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続された場合のスマートメータ21の動作を説明する。
自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続されると、スマートメータ21内のCPU61は、接続されたEV10から図5のS8で出力される認証要求を受信したかどうかを確認する(S41)。受信していない場合は、EV10からの登録要求を受信したか確認する(S42)。このEV10からの登録要求は、図5のS5あるいはS16の処理に際してスマートメータ21に出される。そして、EV10からの登録要求を受信していた場合は、EV10の登録処理を行う(S43)。なお、EV10の登録処理の詳細な説明は後述する(図10参照)。
【0046】
一方、EV10の登録要求がない場合はS41に戻り、EV10の認証要求、あるいはEV10からの登録要求が受信されるまで待機する。
先のS41でEV10からの認証要求を受信すると、CPU41は、課金・課税管理回路66内のEV管理用のデータベースにアクセスしてEV10がすでに登録されているかどうかを確認する(S44)。そして、EV10が登録されていない場合は、EV10の登録処理要求をEV10に対してEV間通信回路70を介して送信する(S45)。EV10がスマートメータ21からの登録処理要求を受信すると、EV10は認証・登録要求をスマートメータ21に送付し、図5のS5、S16における登録処理を開始する。なお、EV10の登録処理の詳細は後述する(図9参照)。
【0047】
一方、図6のS44でEV10がすでにスマートメータ21に登録されていた場合は、EV10との認証・接続処理を実施する(S46)。具体的には、宅内電源I/F23に接続されたEV10の認証と、認証後にEV10内で管理されているバッテリ1への充電時に税金が未払いの未課税情報、放電時の放電電力により非課税となるべき未調整課税情報、およびバッテリ1内に充電されている蓄電量情報を取得する。
EV10から上記情報を収集すると、CPU61は課税に係わる情報を課金・課税管理回路66内のメモリに記憶し、バッテリ1の蓄電力量をEVバッテリ充放電制御管理回路67内のメモリに記憶する。なお、スマートメータ21のEV10との認証・接続処理は後述する(図14参照)。
【0048】
先のS46でのEV10との認証・接続処理を完了すると、CPU61は、EV10からの充電要求を受信しているかどうかを確認する(S47)。EV10からの充電要求を受信していた場合は、後述する処理フローに従いEV10への充電処理を実施する(S48)。EV10への充電処理の詳細は後述する(図17参照)。
S47で、EV10からの充電要求を受信していなかった場合は、CPU41は、バッテリ1に対して放電要求を出力するかを判断する(S49)。S49でバッテリ1に対して放電要求を出力すると判断した場合、CPU41はEV10からの放電処理行う(S50)。なお、スマートメータ21によるEV10への放電処理の詳細は後述する(図19参照)。
【0049】
先のS49でEV10からの放電が必要ないと判断すると、CPU41はEV10との接続確認を実施する(S51)。接続確認の結果、つながっていると判断した場合は、S47に戻り上記処理を繰り返す(S52)。一方、S52でEV10と接続されていないと判断すると、EV10との接続処理を終了する。
【0050】
次に、スマートメータ21の電源立ち上げ時の処理を図7の制御フローを用いて説明する。
スマートメータ21が起動すると、CPU41は、電力課金サーバ33に対して認証要求を送信する(S81)。そして、電力課金サーバ33と認証処理を実施する(S82)。この認証処理を終了すると、スマートメータ21は宅内での電力使用量、PVパネルでの発電量、電力系統への回生電力量などの計測を実施する。上記処理を実施中に電力課金サーバ33からユーザ電力使用量・EV課税電力量の送信要求をインタ−ネット通信回路71を介して受信すると(S83)、CPU41は、課金・課税管理回路66内のユーザが使用した電力量、ユーザが系統に回生した回生電力量、ユーザがEV10に充電して税金が未払いの未課税の充電電力量、EV10のバッテリ1からの放電により非課税となるべき未調整の放電電力量、電力会社の省エネ要求に協力した回数などの情報を読み出し、電力計算処理を実施する(S84)。
【0051】
先のS83で、ユーザ電力使用量・EV課税電力量の送信要求を受信していなかった場合は、電力課金サーバ33より省エネ要求を受信したかを確認する(S85)。省エネ要求を受信していた場合は、宅内の図示していない家電機器に対して、省エネを行うよう指示を出す(S86)。具体的には、エアコンなどの空調機器については設定温度を変更し省エネを図り、また、液晶TVなどはバックライトの輝度を暗くして省エネを図る。
【0052】
省エネ要求により宅内20の家電機器に対して消費電力削減を行っても発電所からの供給電力量が不足する場合には、電力課金サーバ33は、各需要家宅内のバッテリからの放電を要求する。スマートメータ21は、電力課金サーバ33から放電要求を受信すると(S87)、EV10内のバッテリ1からの放電処理を実施する(S88)。なお、スマートメータ21による放電処理の詳細については後述する(図19参照)。
【0053】
電力課金サーバ33からの省エネ要求(S85)、あるいは蓄電池からの放電要求(S87)がなかった場合、EV10から図5のS5やS16の登録処理に伴って出される登録要求があるかを確認する(S89)。EV10からの登録要求があれば、EV10の登録処理を実施する(S90)。EV10の登録処理の詳細については後述する(図10参照)。S89でEV10からの登録要求がない場合は、S83に戻って以下、上述の処理を繰り返す。
【0054】
次に、電力課金サーバ33の全体的な処理について図8の制御フローを用いて説明する。
電力課金サーバ33内のCPU81は、スマートメータ21からの認証要求がないかどうかを確認する(S121)。スマートメータ21からの認証要求がある場合は、後述するフロー(図11)に従い認証を行う(S122)。一方、認証要求がない場合は、CPU81はスマートメータ21からEV10の登録要求があるかを確認する。登録要求がある場合は、後述する制御フロー(図11)に基づきEV10を登録する(S124)。S122で、EV10の登録要求がなかった場合は、発電所からの電力の供給量が十分であるかを確認する(S125)。そして、電力供給量が十分になかった場合は、省エネ要求を作成し各需要家のスマートメータ21に対して省エネ要求を送付する(S126)。上記省エネ要求送付後、再度、電力供給量が十分であるかどうかを確認し(S127)、まだ、十分に電力供給ができていない場合は、バッテリ1からの放電要求を策定し、各需要家に対して送付する(S128)。そして、再度、電力供給量が十分かどうかを確認し(S129)、電力供給が十分でない場合は、電力供給量追加要求を作成し、発電所に対して送信する(S130)。S127、S129でそれぞれ供給電力が十分であった場合、およびS130で発電所に対して電力供給量追加要求を送信後は、CPU81はS121に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0055】
先のS125で電力供給量が十分にあった場合は、CPU81は現在の時刻を確認し、電力料金計算タイミングかを判断する(S131)。なお、本実施の形態1では、電力料金計算のための各スマートメータ21からの情報収集は、1日1回実施するものとする。S131で電力料金の計算タイミングであった場合は、電力料金計算処理を実施する(S132)。なお、電力課金サーバ33による電力料金計算処理の詳細は後述する(図21参照)。S132で電力料金の計算処理が完了した場合、あるいはS131で電力料金計算処理タイミングでなかった場合は、CPU81はS121に戻り、同じ処理を繰り返す。
【0056】
なお、ここでは説明を簡単にするため、電力課金サーバ33は、個々のスマートメータ21を1つ1つ処理していく場合を前提とするが、これに限るものではなく、複数のスマートメータ21から、例えばEV10の登録要求を同時に受信した場合は、1つのステップで、要求してきた複数のスマートメータ21を対象として同時にEV10の登録処理を実施しても良いことは言うまでもない。
【0057】
次に、図9〜図12を用いてEV10、自宅のスマートメータ21、および電力課金サーバ33の登録処理の動作について説明する。
図5のS5でEV10による自宅のスマートメータ21の登録が開始されると、図9に示すようにEV10内のCPU41は、スマートメータ21に登録要求を出力する(S161)。すなわち、具体的には、図12に示すように、自動車電源I/F8が宅内電源I/F23に接続されると、EV10内のCPU41は、プローブ要求(接続要求)を通信回路6を介してスマートメータ21に出力する。スマートメータ21内のCPU61は、EV間通信回路70を介してEV10からのプローブ要求を受信すると、プローブ応答をEV間通信回路70を介してEV10に送信し、接続を許可する。EV10がプローブ応答を受信すると、CPU41は、自宅のスマートメータ21に対し登録要求を送信する(S161)。
【0058】
一方、スマートメータ21側では、図10に示すように、プローブ応答を送信したCPU61は、EV10から図9のS161により出力される登録要求の受信を待つ(S201)。EV10からの登録要求を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は、送付されたEV10の情報を元に課金・課税管理回路66で管理している図示していないEV情報の登録データベースを確認し(図12参照)、登録要求を送信したEV10がすでに登録されているかどうかを確認する(S202)。すでに登録されていた場合は、EV10に対して登録応答を送信する(S221)。
【0059】
先のS202で登録データベースにEV10の情報が登録されていなかった場合、CPU61は、その旨をモニタ制御回路72を介してモニタ22に表示し、ユーザに対してEV10を識別するためにキー番号情報を入力するよう表示する。本実施の形態1では、EV10を登録する際、ユーザから直接EV10のキー番号など、EV10を認証するための車特有の情報を入力させる(S203)。
【0060】
本実施の形態1では、キー番号情報の入力は、図示していないモニタ22に搭載したタッチパネル機能を用いて実施するものとする。これは、ユーザに現在宅内電源I/F23に接続されているEV10を登録してよいか確認させるためである。自動認証の場合、意図しないEV10が接続された場合も登録してしまい、盗電、あるいは言われもない税金を請求される可能性があるので、これを防ぐ意味がある。また、本実施の形態1では、詳細は説明しないが、EV10をスマートメータ21に登録する際は、さらに安全性を確保するため、IDやパスワードといったものを利用して管理しても良いことは言うまでもない。さらに、後述する電力課金サーバ33にEV10を登録する際にも、IDやパスワードを入力するよう構成し、EV10の登録管理を行っても良いことは言うまでもない。
【0061】
先のS203でEV10のキー番号の入力を完了すると、CPU81は、ユーザに再度EV10を登録してよいか確認するため、宅内20のモニタ22上に確認メッセージを表示する(S204)。ユーザは、表示されたキー情報を含む内容を確認後、EV10をスマートメータ21に登録して問題がない場合は、その旨を図示していないモニタ22のタッチパネル機能を利用し入力する。S204でユーザがEV10の登録を認めない場合は処理を終了する一方、ユーザが登録を許可した場合は、スマートメータ21内のCPU61は、EV10に対してユーザが入力したキー情報がEV10が管理するキー情報と一致するかどうかを確認するため、キー番号確認要求をEV10に対して出力する(S205)(図12参照)。
【0062】
一方、EV10側では、図9のS161で登録要求の送信が完了すると、自宅のスマートメータ21からの応答を受信するまで待機する(S162、S163)。なお、所定の時間にわたって待機しても(S163)、キー番号確認要求を受信できない場合は、タイムアウト処理Iを実施する(S164)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しスマートメータ21で登録要求が受信できなかったものと見なして、登録要求を再送する。本実施の形態1では、再送を3回実施してスマートメータ21から応答がない場合は、EV10は自宅のスマートメータ21の登録処理を終了する。
先のS162で自宅のスマートメータ21からの応答を受信した場合は、キー番号確認要求かどうかを確認する(S165)。キー番号確認要求ではなかった場合は、受信パケットに基づく処理を実施し(S166)、次のスマートメータ21からの応答を受信するまで待機する。
【0063】
S165でキー番号確認要求を受信した場合は、自宅のスマートメータ21から送付されたキー番号が自車のものか確認し(S167)、自車のものではなかった場合、キー番号が異なっていたことを指し示すフラグ情報を持つキー番号確認応答をスマートメータ21に送信し、自宅のスマートメータ21から再送される次のキー番号確認要求を待つ(S168)。本実施の形態1では、ユーザはキー番号の入力をミスする可能性が高いので再度キー番号を入力するよう、再入力を要求する。
先のS167で自車のキー番号と一致していた場合は、キー番号が正しかったことを指し示すフラグ情報を含むキー番号確認応答をスマートメータ21に送信する(S169)。次いで、自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答を受信したかどうかを判断する(S170)。
【0064】
図10に戻って、S205でキー番号確認要求を送信したスマートメータ21は、EV10からのキー番号確認応答を受信するまで所定の時間待機する(S206、S207)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理IIIを実施する(S208)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してEV10でキー番号確認要求が受信できなかったものと見なして、キー番号確認要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10の接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0065】
一方、S206でキー番号確認応答を受信した場合、スマートメータ21内のCPU61は、キー番号がEV10のものと一致していたかどうかを確認し(S209)、一致していなかった場合は、ユーザがキー番号の入力を間違えたと判断してS203に戻り、再度キー番号入力からの手順を繰り返す。なお、本繰り返しは、最大3回とし、3回リトライを繰り返しキー番号が一致しない場合は、登録したいEV10とは異なるEVが接続されているものと判断し、EV10の登録フローを終了する(S210)。
【0066】
先のS209で、受信したキー番号確認応答を確認した結果、キー番号がEV10自体のキー番号と一致していた場合には、スマートメータ21内のCPU61は、電力課金サーバ33にEV10を登録すべく、EV10の電力課金サーバ33への登録を要求する(S211)。具体的には、EV10関連の情報(キー番号、車体製造番号、ナンバープレート情報など)、スマートメータ21関連の情報(契約ユーザ名、住所など)を付加したEV登録要求を電力課金サーバ33に対して通知する。
【0067】
一方、電力課金サーバ33側では、図11に示すように、CPU81は、インターネット通信回路86を介してスマートメータ21からのパケットが受信されるまで待機する(S241)。スマートメータ21からのパケットを受信すると、次にスマートメータ21の認証を実施する(S242)。
すなわち、電力課金サーバ33は、例えば共通鍵方式を用いた認証手順に基づきスマートメータ21を認証する。具体的には、スマートメータ21は、送信パケット内に共通鍵で暗号化を実施した、スマートメータ21の個別情報(スマートメータ21にMACアドレス、IPアドレス、使用者氏名、住所、EV10の所有の有無、および使用台数などの情報)を乗せ、電力課金サーバ33に送信する。
【0068】
電力課金サーバ33は、受信した上記スマートメータ21の情報を共通鍵で複号し、電力課金サーバ33内の需要家登録データベース88と比較する。受信したスマートメータ21の個別情報と、需要家登録データベース88内の情報が一致した場合は、上記受信したスマートメータ21に関する情報に加え、電力課金サーバ33に関する情報(電力課金サーバ33のMACアドレス、IPアドレスなどの情報)を共通鍵で暗号化し、スマートメータ21に送信する。この情報送信完了後は、電力課金サーバ33は、スマートメータ21からの受信応答を待つ。この受信応答の受信を完了するとスマートメータ21の認証を完了する。
【0069】
こうして、S242でスマートメータ21の認証に成功すると、CPU81は、スマートメータ21から受信したパケットを解析し、EV10の登録要求かどうかを確認する(S243)。登録要求ではない場合は、所定の処理を実施した後(S244)、S241に戻り、次のスマートメータ21からのパケット受信を待つ。
【0070】
一方、S243でスマートメータ21からのEV10の登録要求であった場合は、EV10はすでに電力課金サーバ33に登録されているかどうかを確認する(S245)。そして、すでに登録されていた場合は、登録内容を確認して変更がなければ、EV登録済み応答をスマートメータ21に送信する(S246)。そして、スマートメータ21からのEV登録済み受信応答を待つ(S247)。その際、所定時間待っても(S248)、EV登録済み受信応答が受信されない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してスマートメータ21でEV登録済みパケットが受信できなかったものと見なして、EV登録済みパケットを再送する。なお、本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、スマートメータ21が故障したなどの原因で接続が絶たれたものと判断し、タイムアウト処理VIIを実行し(S249)、EV10の登録フローを終了する。同様に、S247でEV登録済み受信応答を受信した場合も、EV10の登録確認が無事に終了したものとして処理を終了する。
【0071】
先のS245で、EV10が登録されていなかった場合、あるいは登録内容に変更があった場合は、EV10登録要求パケットで送付されたEV10の情報、およびスマートメータ21の情報をEV登録データベース87、および需要家登録データベース88に登録する(S250)。
具体的には、EV登録データベース87には、EV10のキー番号、製造番号、ナンバープレート情報などEV10が識別できる情報とともに、税金情報を収集するスマートメータに関する情報を記憶する。同様に、需要家登録データベース88には、スマートメータ21に関するMACアドレス、IPアドレス、使用者氏名、住所、EV10の所有の有無、および所有台数などを記憶する。
【0072】
先のS250でEV10の情報、およびスマートメータ21の情報の登録が完了すると、CPU81は、EV10の登録完了応答をスマートメータ21に送信する(S251)(図12参照)。S251でEV10の登録完了応答をスマートメータ21に送付すると、CPU81は、スマートメータ21からのEV10の登録完了受信応答の受信を所定時間待つ(S252、S253)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理VIIIを実施する(S254)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10の登録完了応答をスマートメータ21が受信できなかったとして、EV10の登録完了応答を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、スマートメータ21との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0073】
図10に戻って、スマートメータ21内のCPU61は、S211で電力課金サーバ33へEV10の登録要求を送信すると、電力課金サーバ33からのEV10の登録完了応答の受信を所定の時間待つ(S212、S213)。所定の時間を過ぎると、タイムアウト処理IVを実施する(S214)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10の登録要求を電力課金サーバ33が受信できなかったとして、EV10の登録要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、電力課金サーバ33との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0074】
先のS212で電力課金サーバ33からのEV10の登録済み応答、あるいはEV10の登録完了応答を受信すると、電力課金サーバ33へのEV10の登録完了受信応答、あるいはEV10の登録済み受信応答を送付する(S215)。
電力課金サーバ33へのEV10の登録完了受信応答を出力すると、CPU61は、課金・課税管理回路66内のデータベースに、EV10の情報(キー番号、製造番号、ナンバープレート情報など)を登録する(S216)。EV10の情報の登録が完了すると、スマートメータ21はEV10に対してEV10の登録完了応答を送信する(S217)。
【0075】
図9に戻って、EV10が先のS169でキー番号確認応答を出力すると、EV10内のCPU41は、自宅のスマートメータ21から図10のS217の処理により出力されるEV10の登録完了応答の受信を所定時間待つ(S170、S171)。所定時間待っても受信できない場合は、タイムアウト処理IIを実施する(S172)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答が受信できなかったもの判断し、スマートメータ21の登録フローを終了する。
【0076】
一方、先のS170で自宅のスマートメータ21からのEV10の登録完了応答を受信すると、CPU41は、自宅のスマートメータ21の情報を課税管理回路7内の図示していないデータベースに登録する(S173)。そして、登録完了後、自宅のスマートメータ21に対して自宅のスマートメータ21の情報登録完了通知応答を出力し(S174)、自宅のスマートメータ21の登録フローを完了する。
【0077】
一方、図10において、スマートメータ21が先のS217においてEV10の登録完了通知を出力すると、続いて、スマートメータ21のCPU61は、EV10から図9のS174の処理により出力される情報登録完了通知応答が受信されるのを所定時間待つ(S218、S219)。所定の時間を過ぎると、(S219)、タイムアウト処理Vを実施する(S219)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入してEV10がスマートメータ21に送信したEV10に関する情報登録完了通知応答が受信できなかったもの見なして、EV10の登録フローを終了する。
【0078】
先のS218でスマートメータ21のCPU61がEV10からの情報登録完了通知応答を受信すると、次に、CPU61はEV10の登録応答を出力する(S221)。続いて、EV10から、このEV10の登録応答に対する登録応答受信応答が受信されるのを所定時間待つ(S222、S223)。所定の時間を過ぎると(S223)、タイムアウト処理VIを実施する(S224)。具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、EV10との接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
一方、S222でEV10からの登録応答受信応答が受信されると、CPU61は、EV10の登録フローを終了する。
【0079】
次に、図13〜図15を用いて、EV10をスマートメータ21に接続した際の課税に必要となる相互間の認証および接続確認のための認証・接続処理フローについて説明する。
図13において、EV10はスマートメータ21との接続を開始すると、スマートメータ21との認証を行う(S281)。具体的には、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23が接続されると、EV10内のCPU41は通信回路6を介して、スマートメータ21にプローブ要求(接続要求)を送信する。EV10からのプローブ要求を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は、プローブ応答(接続許可)をEV10に対して送信する。スマートメータ21からのプローブ応答を受信すると、EV10は例えば共通鍵方式を用いた認証手順に基づきスマートメータ21と認証を行う。
【0080】
すなわち、認証時のシーケンスの具体例としては、図15に示すように、プローブ応答受信後、EV10内のCPU41は、スマートメータ21に対して認証要求を送付する。認証要求を受信すると、スマートメータ21は、EV10から送信された認証要求を元に、課金・課税管理回路66内のデータベースにEV10が登録されているかを確認する。確認の結果、EV10が登録されている場合は、スマートメータ21の情報を認証応答に載せてEV10に送信する。EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの認証応答を受信すると、課税管理回路7内のデータベースに登録されているスマートメータ21の情報を確認し、接続したスマートメータ21が登録済みのものかどうかを確認する。そして、登録済みであれば、認証受信応答をスマートメータ21に送信する。その後にスマートメータ21に対してアソシエーション要求を送信する。アソシエーション要求を受信したスマートメータ21は、アソシエーション応答をEV10に出力して一連の認証シーケンスを終了する。
なお、認証方式は共通鍵方式に限るものではなく、EV10を購入する際に、キー番号、製造番号、ナンバープレートなどの情報を予めEV10を管理する図示していないサーバに登録し、そのサーバを用いたIEEE802.1Xに基づく認証を用いても良いことは言うまでもない。
【0081】
一方、スマートメータ21側では、図14に示すように、S321でEV10の認証を行い、次いで、この認証に基づいて、EV10がスマートメータ21に登録済みかどうかを確認する(S322)。EV10がスマートメータ21に登録されていなかった場合、スマートメータ21は、ユーザに対してEV10を登録するかどうかを確認する(S323)。具体的には、モニタ22上にEV10を登録するかを確認する画面を表示させ、ユーザの登録の意思を確認する。S323でユーザが登録しないと判断した場合はEV10との接続処理を終了する。
【0082】
これに対して、S323でユーザがEV10を登録する判断した場合には、EV10に対して登録要求を送信し(S324)、EV10の登録処理、および認証処理を実施する(S325)。
一方、S322でEV10がすでに登録されていた場合、あるいはS325でEV10の登録処理、および認証処理が完了すると、スマートメータ21内のCPU61は、EV10に対してEV10内に記憶している税金情報を送付するよう税金情報送付要求を送信する。
【0083】
図13に戻って、EV10側では、先のS281でスマートメータ21との認証を完了すると、スマートメータ21からのパケット受信を待つ(S282)。そして、パケットを受信すると、パケットを解析し、スマートメータ21からの税金情報送信要求であるかどうかを確認する(S283)。税金情報送信要求ではなかった場合は、個別処理を実施する。個別処理の実施後は、基本的にはバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)をスマートメータ21に送信し、スマートメータ21との接続処理を終了する。ただし、スマートメータ21からの個別処理内容がEV10の登録であった場合は、処理完了後、S282に戻る。
【0084】
先のS283でスマートメータ21からの税金情報送信要求を受信したと判断すると、EV10内のCPU41は、課税管理回路7内のデータベースから、ホテルで充電したような場合の未課税の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)、および宅内の家電機器や電力系統に放電した場合のような税金精算が未調整の放電情報(放電量、放電日時、放電時間、放電要求元などの情報)を読み出し、これらの情報を税金情報として通信回路6を介して、スマートメータ21に送信する(S285)。
【0085】
一方、スマートメータ21側では、図14に示すように、S326で税金情報送信要求を送信したCPU61は、EV10からの税金情報の通知を所定時間待つ(S327、S328)。所定時間待ってもEV10からの税金情報の通知を受信できない場合はタイムアウト処理11を実施する(S329)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しスマートメータ21がEV10に送信した税金情報送信要求が受信できなかったとして、税金情報送信要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10からのバッテリ1充電量情報の受信を待つ(S338)。
【0086】
先のS327で税金情報を受信すると、スマートメータ21内のCPU61は受信した税金情報を課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶する。その際、税金情報の中身を解析し、すでに登録されている情報があれば、その情報は記憶しない。この税金情報の記憶を終了すると、CPU61はEV10に対して税金情報受信応答を送信する(S330)。
【0087】
一方、EV10側では、図13に示すように、S285で税金情報の送信を完了すると、EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの税金情報受信応答の受信を所定の時間待つ(S286、S287)。所定時間待ってもスマートメータ21からの税金情報受信応答の通知を受信できない場合は、タイムアウト処理IXを実施する(S288)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10がスマートメータ21に送信したEV10の税金情報が受信できなかったとして、税金情報を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送を3回繰り返し、応答がない場合は、バッテリ1の充電量情報を送付し(S295)、スマートメータ21との接続処理を終了する。
【0088】
先のS286でスマートメータ21から図14のS330の処理により出力される税金情報受信応答を受信したEV10内のCPU41は、受信応答中のパケットを解析する。本実施の形態1では、税金情報が確実にスマートメータ21に通知されているかを確認するために、スマートメータ21からの応答パケット内に送信した税金情報を付加しておく。そして、税金情報受信応答を受信したEV10内のCPU41は、パケットを解析し、S285で送付した税金情報と、上記応答パケットに付加された税金情報が一致しなかった場合は、図示はしていないが、再度EV10より税金情報をスマートメータ21に送付する。
【0089】
一方、税金情報が一致していた場合は、税金情報フラグのクリア要求をスマートメータ21に送信する(S289)。本税金情報フラグは、詳細は後述するが、EV10が未課税でバッテリ1にした充電量情報(充電量、充電日時などの情報)、あるいはバッテリ1から放電した税金精算が未調整の放電情報(放電量、放電日時などの情報)を指し示すフラグである。本フラグは、EV10内の課税管理回路7中のデータベースにこの税金関連情報とともに管理しているものである。
【0090】
一方、スマートメータ21側では、図14のS330で税金情報受信応答をEV10に送信するとEV10より税金情報フラグクリア要求が送信されてくるのを所定時間待つ(S331)。所定時間待ってもEV10からの税金情報フラグクリア要求を受信できない場合は、タイムアウト処理12を実施する(S333)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報受信応答が受信できなかったとして、税金情報受信応答を再送する。一方、S331で税金情報フラグクリア要求を受信すると、CPU61は税金情報フラグクリア要求確認応答をEV10に送信する。
【0091】
図13に戻って、S289で税金情報フラグクリア要求を送信したEV10内のCPU41は、スマートメータ21からの税金情報フラグクリア要求確認応答の受信を所定時間待つ(S290)。所定時間待ってもスマートメータ21からの税金情報フラグクリア要求確認応答を受信できない場合は、タイムアウト処理Xを実施する(S292)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報フラグクリア要求がスマートメータ21で受信できなかったとして、税金情報フラグクリア要求を再送する。再送は、最大3回繰り返し、税金情報フラグクリア要求確認応答を受信できなかった場合は、バッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)を通知し(S295)、スマートメータ21との接続処理を終了する。
【0092】
EV10が先のS290で税金情報フラグクリア要求確認応答を受信すると、CPU41は課税管理回路7内のデータベースに登録されている課税情報フラグをクリアする(S293)。その際、課税情報フラグに関連付けて記憶されていた充電量、充電日時、放電量、放電日時などの情報も消去する。そして、税金情報フラグクリア完了応答をスマートメータ21に送信した後(S294)、バッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)をスマートメータ21に通知し(S295)、スマートメータとの接続処理を終了する。
【0093】
一方、スマートメータ21側では、図14のS334で税金情報フラグクリア要求確認応答を送信すると、CPU61は、EV10からの税金情報フラグクリア完了応答の受信を所定時間待つ(S335、S336)。所定時間待ってもEV10からの税金情報フラグクリア完了応答を受信できない場合は、タイムアウト処理13を実施する(S337)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入し税金情報フラグクリア要求確認応答がスマートメータ21で受信できなかったものと見なしして、税金情報フラグクリア要求確認応答を再送する。
【0094】
先のS335で税金情報フラグクリア完了応答を受信すると、CPU61は、課金・課税管理回路66内のデータベースにその旨を記憶する。これにより、課金・課税管理回路66はEV10との充電・放電時の税金に関する情報のやり取りが完全に終了したことが確認できる。本情報が記憶されていない場合は、次回のEV10との接続時に同じ情報が送られてきた場合、2重に課税、あるいは調整する可能性があるため、後述する電力課金サーバ33に税金情報を送付した後でも課税データはデータベースの中に記憶しておく。そして、次の接続時にEV10より送付された課税情報を確認し、同一の情報が含まれていない課税情報については、その時点で課金・課税管理回路66内のデータベースから削除する。
【0095】
また、先のS335で税金情報フラグクリア完了応答を受信した場合、スマートメータ21内のCPU61は、EV10内のバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時などの情報)の通知を所定時間待つ(S338、S339)。所定時間待ってもEV10からのバッテリ1の充電量情報を受信できない場合は、EV10との接続処理フローを終了する(S340)。
【0096】
なお、バッテリ1の充電量情報については、バッテリ1への充電開始時、あるいはバッテリ1からの放電開始時にも確認するので、本実施の形態1では再送などの処理は実施しない。なお、本実施の形態1では、EV10のCPU41は、課税管理回路7内のデータベースに記憶されている課税関連の情報(充電量、充電日時、充電場所、課税情報フラグの状況、放電量、放電日時、放電場所、課税情報フラグなど)を図示していないカーナビなどのモニタ上にユーザからの要求があった場合、表示する。これにより、ユーザは未払いの税金がどの程度あるかを把握することができる効果がある。
【0097】
次に、宅内電源I/F23からEV10へ充電する際の制御フローを図16、および図17を用いて説明する。
まず、図16において、EV10のバッテリ1に充電を開始する場合、EV10内のCPU41は、接続先の電源I/Fの種別を特定し、その結果に基づき充放電制御回路4内の処理を変える。
【0098】
具体的には、充電スタンドでの充電であると特定した場合は(S361)、予め定められた手順に従って充電スタンドに対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S362)。なお、充電時のバッテリ1の制御方法とは、例えば、バッテリ1の充電量が80%になるまでは定電流(例えば20A)で充電し、80%を越えた後は定電圧(例えば320V)で充電するなどの制御方法を指す。
【0099】
先のS362で充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S363)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2はCPU41から計測開始指示が入力されると電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、EV10から通知された充電制御方式に基づき(電流値、および電圧などを通知された情報に基づき制御する)DC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する(S363)。
なお、バッテリ1内の充電量情報などは逐次EV10内の充放電制御回路4より通信I/F6を介してもらうものとする。なお、また、EV10内の充放電制御回路4より充電電圧、充電電流情報をもらい、その情報に基づきDC/DCコンバータ48を制御しても良いことは言うまでもない。
【0100】
そして、先のS363でバッテリ1への充電が開始されると、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると、充電を終了するように、DC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S364、S365)。CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止して充電を終了する。 また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S366)。なお、本実施の形態1では、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについては、すでに税金を充電スタンドで充電電力料金とともに支払うので、クリアしてデータベースに登録する。データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41は図示しない充電スタンドの制御端末に対して充電が終了した旨の通知を送信し(S367)、EV10への充電処理を終了する。
【0101】
一方、S361で充電スタンドではなかった場合、接続先が税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21であるかどうかを確認する(S368)。そして、税金の徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21でなかった場合、続いて、CPU41は、EV10内に自宅のスマートメータ21の情報が登録されているかどうかを確認する(S369)。確認の結果、課税管理回路7内のデータベースに自宅のスマートメータ21が登録されていなかった場合は、充電を行わず処理を終了する。その理由は、スマートメータ21によってバッテリ1を充電する場合、自宅のスマートメータ21が登録されていないEV10は、充電量に対する税金の徴収ができないので、EV10への充電を禁止する必要があるためである。一方、充電スタンドの場合は、ガソリンスタンドと同様に税金を充電時に徴収できるため、上述したように充電を禁止する必要はない。
【0102】
S369でEV10に自宅のスマートメータ21の情報が記憶されていた場合は、CPU41は、予め定められた手順に従い、スマートメータ21に対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S370)。
【0103】
こうして充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S371)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2は、CPU41から計測開始指示が入力されると、電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、予め決められた充電制御方式に基づきDC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する(S371)。
【0104】
そして、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると充電を終了するようDC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S372、S373)。
CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止し充電を終了する。また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S374)。その際、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについてもセットしてデータベースに記憶する。データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41はスマートメータ21に対して充電が終了した旨の充電完了通知を送信し(S375)、EV10への充電処理を終了する。
【0105】
先のS368で税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21からの充電であった場合、EV10のCPU41は、予め定められた手順に従い、スマートメータ21に対してバッテリ1への充電の際に必要な充電関連情報(バッテリ1内の蓄電量、今回充電する充電量、充電時のバッテリ1の制御方法等)を送付する(S376)。
【0106】
この充電関連情報の送信が終了すると、バッテリ1への充電を開始する(S377)。充電が開始されると、CPU41は、充電量計測回路2に充電量を計測するよう指示を出す。充電量計測回路2は、CPU41から計測開始指示が入力されると、電力量を計測するカウンタのカウント値を“0”にクリアする。充電量計測回路2内の左記カウンタのクリアが完了すると、CPU41はDC/DCコンバータ制御回路47に対して充電指示を出す。DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41からの充電指示を受け取ると、予め決められた充電制御方式に基づきDC/DCコンバータ48を制御し、バッテリ1への充電を開始する。
【0107】
そして、CPU41は、充電課税算出回路45を介して充電量計測回路2より出力される充電量情報を監視し、バッテリ1が満充電、あるいは充電前にユーザが指定した電力量になると充電を終了するようDC/DCコンバータ制御回路47、および充電課税算出回路45に指示を出す(S378、S379)。
CPU41より充電終了指示が出力されると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号出力を停止し充電を終了する。また、充電課税算出回路45は、CPU41から充電終了指示を受け取ると、充電量計測回路2より最終的な充電量を読み出し、充電課税算出回路45内のデータベースに充電量、充電日時、充電場所(自宅、充電スタンド、自宅以外など)を記憶する(S380)。その際、税金が未徴収であることを指し示す税金情報フラグについてもセットしてデータベースに記憶する。
データベースへの充電量情報の登録が終了すると、CPU41はスマートメータ21に対して充電が終了した旨の充電完了通知を送信する(S381)。その際、バッテリ1に充電した充電量情報(充電量、充電日時など)についてもスマートメータ21に通知する。
【0108】
先のS381で充電完了通知、および充電量情報をスマートメータ21に送付すると、CPU41は、スマートメータ21からの充電完了・充電量情報受信応答の受信を所定時間待つ(S382、S383)。所定時間待ってもスマートメータ21からの充電完了・充電量情報受信応答を受信できない場合には(S383)、EV10への充電処理を終了する。
一方、S382で充電完了・充電量情報受信応答を受信した場合、受信パケット内の充電量に関する情報を確認し、先に送付した内容と同じであった場合は、税金情報フラグをクリアしEV10への充電処理を終了する。なお、図示はしていないが、内容が異なっていた場合は、S381に戻り再度充電完了通知・充電量情報をスマートメータ21に送付する。
【0109】
次に、EV10のバッテリ1に充電する際のスマートメータ21の動作を図17に示す制御フローを用いて説明する。
スマートメータ21内のCPU61は、EV10から図16のS362、S370、S376の各処理により出力される充電関連情報を受信するまで待機する(S401)。充電関連情報を受信すると、CPU61は、EVバッテリ充放電制御管理回路67に充電指示を出すとともに、AC/DCコンバータ制御回路68に受信した充電制御方法に関する情報をセットする。この情報のセットが完了すると、CPU61はEVバッテリ充放電制御管理回路67、およびAC/DCコンバータ制御回路68に対して充電開始指示を出す(S402)。
【0110】
充電開始時を受け取ると、AC/DCコンバータ制御回路68は、AC/DCコンバータに対して制御信号を出力し、EV10内のバッテリ1への電力供給を開始する(S403)。AC/DCコンバータ制御回路68は、EV10より充電完了通知が受信されるまで制御信号をAC/DCコンバータ69に出力し、バッテリ1に電力を供給し続ける(S404)。
EV10より充電完了通知を受信すると、CPU61は、EVバッテリ充放電制御管理回路67、およびAC/DCコンバータ制御回路68に対して充電停止指示を出力する。この指示を受け取ったAC/DCコンバータ制御回路68は、AC/DCコンバータ69への制御信号の出力を停止する(S405)。
【0111】
一方、CPU61は、S405で電力供給停止を指示すると、EV10が自己のスマートメータ21に登録されているかどうかを、課金・課税管理回路66内のデータベースを検索して確認する(S406)。EV10がこのデータベースに登録されていなかった場合は、EV10への充電処理を終了する。
【0112】
先のS406で自己のスマートメータ21にEV10が登録されていた場合は、EV10から図16のS381の処理により出力されるバッテリ1の充電量情報(充電量、充電日時など)が送付されたかどうかを確認する。充電量情報が送付されていない場合は、EV充電処理を終了する。一方、充電量情報が送信されていた場合は、送付された充電量情報を課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶する(S408)。
データベースへの充電量情報の記録を完了すると、CPU61は、先のS409で記憶した充電量情報を含む充電完了・充電量情報受信応答を作成してEV10に送信し(S409)、EV10への充電処理を終了する。
【0113】
なお、本実施の形態1では、EV10内のバッテリ1への充電量をEV10内の充電量計測回路2により計測する。この充電時において、例えば、バッテリ1としてリチュウムイオン電池を使用した場合、バッテリ1の温度が上がってくると、バッテリ1を保護するため、EV10は車載機器(エアコン)9を動作させ、バッテリ1の温度を下げる。このため、スマートメータ21から供給する全ての電力に対して課税した場合、ユーザはバッテリ1に供給する電力以外に、エアコンなどの車載機器や、充放電のためのDC/DCコンバータ48などで消費される電力に対しても課税されてしまい、税金を必要以上に請求されることになる。従って、本実施の形態1では、バッテリ1に供給される電力のみを課税対象とし、その充電電力量をEV10よりスマートメータ21に通知するようしている。なお、上記充電時に使用する全ての電力を課税対象となる場合は、スマートメータ21で供給電力量を計測しても良いことは言うまでもない。
【0114】
次に、EV10から宅内へ放電する際の制御について、図18および図19を用いて説明する。
EV10からの放電は、スマートメータ21からEV10に対して送信する放電要求により開始する。
【0115】
まず、図18において、EV10内のCPU41は、スマートメータ21からの放電要求を受信すると(S441)、放電要求元のスマートメータ21が、課税管理回路7内のデータベースに税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21かどうかを確認する(S442)。確認の結果、スマートメータ21が税金徴収口として登録されていない場合は、本実施の形態1では、スマートメータ21からの放電要求を破棄し、EV10の放電フローを終了する。
【0116】
これは、例えば、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外の場所で接続中(例えば、友人宅のスマートメータ)に、ピーク電力削減のためスマートメータ21からの放電要求に基づき放電してしまうと、ユーザが意図していない放電がなされて、帰宅時にバッテリ1に十分な電力が充電されていない場合や、あるいは、ユーザが知らないうちにバッテリ1から電力が放電されているという不具合の発生を防ぐため、本実施の形態1では、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電要求を受け付けないものとした。
なお、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電についても、課税管理回路7にて放電電力量を管理するため、ユーザが納めた税金に対する調整は行えるので、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21以外からの放電要求についても受け付けるように構成しても良い。
【0117】
先のS442で税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21からの放電要求であった場合は、放電要求受信応答をスマートメータ21に送信する(S443)。そして、スマートメータ21に放電要求受信応答を送信すると、CPU41は、課税管理回路7内に記憶されているバッテリ1の蓄電量を確認する(S444)。そして、CPU41は、この蓄電量の情報を元にバッテリ1からの放電可能量を算出し、その算出結果をスマートメータ21に送信する(S445)。
【0118】
本実施の形態1では、放電可能量の算出に際しては、最初に、ユーザに蓄電量の下限値を設定させておく。具体的には、ユーザが緊急に自動車を使用する場合の走行距離から、最低のバッテリ1の蓄電量を算出し、それを設定する。具体的には、例えばユーザに緊急に使用する場合の走行距離(例えば50Km)を設定させ、設定した距離が走れる最低の電力量を蓄電量の下限値とする。
【0119】
一方、スマートメータ21側では、図19に示すように、例えば電力課金サーバ33からの省エネ要求を受信したような場合、この省エネ要求に応える上で、EV10のバッテリ1からの放電を行う。その際、スマートメータ21は、宅内電源I/F23を介して接続されているEV10が課金・課税管理回路66に登録されているかどうかを確認する(S481)。そして、課金・課税管理回路66内のデータベースにEV10が登録されていない場合は、放電フローを終了する。なお、EV10が宅内電源I/F23に接続されていない場合も放電フローを終了する。
【0120】
一方、先のS481でEV10が課金・課税管理回路66内のデータベースに登録されていた場合、CPU61は、放電要求を生成してEV10に送信する(S482)。そして、CPU61は、EV10からの放電要求受信応答を所定時間待つ(S483、S484)。所定の時間を過ぎると(S484)、タイムアウト処理15を実施する(S485)。
具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、通信の途中でエラーなどが混入しEV10で放電要求が受信できなかったとして、放電要求を再送する。本実施の形態1では、同一内容のデータの再送は3回繰り返し、応答がない場合は、EV10の接続が絶たれたものと判断し、EV10の登録フローを終了する。
【0121】
先のS483でEV10から放電要求受信応答を受信すると、EV10から図18のS445の処理により出力されるバッテリ1からの放電可能電力量の通知を所定時間待つ(S485、S486)。所定の時間を過ぎると(S486)、タイムアウト処理16を実施する(S488)。具体的には、所定時間待っても受信できない場合は、EV10との接続がなくなったと判断し、EV10からの放電処理を終了する。
先のS486でEV10から送信された放電可能電力量の通知を受信すると、CPU61は、EV10からの放電電力量、および総放電電力量を決定する(S489)。なお、本実施の形態1では、放電電力量とは、単位時間当たりにEV10内のバッテリ1より放電する電力量の平均値を示し、総放電電力量は、今回の放電要求でEV10内のバッテリ1より放電するトータルの電力量を示す。
【0122】
先のS489でEV10からの放電電力量、および総放電電力量を決定すると、CPU61は、EV10に対して放電制御情報(放電電力量、総放電電力量などの情報)を送信し(S490)、EV10からの放電開始を待つ(S491)。
EV10からの放電が開始されると、CPU61は、放電を完了してよいかどうかを監視する(S492)。具体的には、電力課金サーバ33からの放電停止要求の受信、あるいは宅内家電機器の省エネにより、電力課金サーバよ33より提示された省エネ目標を達成した場合に、EV10からの放電を完了する。
【0123】
先のS492で放電を完了しない場合は、EV10内のバッテリ1からの総放電電力量が、先のS490で算出した総放電電力量を超えていないかどうかを確認する(S493)。そして、総放電電力量が超えていなかった場合には、S492に戻り放電終了の監視を継続する。
また、先のS493で総放電電力量が超えていた場合には、CPU61は、EV10に対して放電停止要求を送信するとともに(S494)、EVバッテリ充放電制御管理回路67に対してEV10からの放電電力の受け入れを停止するよう指示を出す。この受け入れ停止指示が入力されると、EVバッテリ充放電制御管理回路67は、AC/DCコンバータ制御回路68に対して、EV10内のバッテリ1からの放電電力を受け入れないように指示を出す。左記指示が入力されると、AC−DCコンバータ制御回路68はAC/DCコンバータ69へ供給していた制御信号の出力を停止する。
【0124】
一方、EV10側においては、図18に示すように、S445でCPU41が放電可能電力量情報の送信を完了すると、スマートメータ21から図19のS490の処理により出力される放電制御情報(放電電力量、総放電電力量等)の受信を待つ(S446)。
そして、この放電制御情報を受信すると、CPU41は、バッテリ1からの放電を開始するよう放電課税算出回路46、DC/DCコンバータ制御回路47に指示を出す(S447)。CPU41から放電開始指示を受け取ると、放電課税算出回路46は放電量計測回路3に対して、放電量の計測を開始するよう指示を出す。放電課税算出回路46より放電量計測開始の指示を受けた放電量計測回路3は、まず、始めに図示していない回路内の放電量計測カウンタのカウント値を“0”にクリアする。そして、放電量計測回路3はバッテリ1から放電されてくる放電電力量の計測を開始する。
【0125】
一方、DC/DCコンバータ制御回路47は、CPU41より放電開始指示を受け取るとスマートメータ21から送付された放電に関する情報がCPU41より通知されるのを待つ。そして、CPU41より放電情報が通知されると放電電力量などをもとにDC/DCコンバータ48の制御信号の生成を開始して放電を実行する(S447)。バッテリ1からの放電を開始すると、CPU41は、スマートメータ21より通知される放電停止要求についても監視する(S448)。
【0126】
そして、スマートメータ21からの放電停止要求を受信すると、CPU41はDC/DCコンバータ制御回路47に対してバッテリ1からの放電を停止するよう指示を出す。CPU41から放電停止指示を受け取ると、DC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号の出力を停止する(S450)。
【0127】
先のS448でスマートメータ21からの放電停止要求を受信しなかった場合は、CPU41は、放電課税算出回路46より出力される放電量を監視する(S449)。そして、この放電量がスマートメータ21から通知された総放電量を超えたかを確認し、超えた場合、CPU41はバッテリ1からの放電を停止するようDC/DCコンバータ制御回路47に指示を出す。指示を受け取ったDC/DCコンバータ制御回路47は、DC/DCコンバータ48への制御信号の出力を停止するので、放電が停止される(S450)。
【0128】
先のS450でバッテリ1からの放電が停止すると、CPU41は、今回の放電に関する情報を課税管理回路7内のデータベースに書き込む(S451)。具体的には、CPU41は、DC/DCコンバータ制御回路47への放電停止指示出力後、放電課税算出回路46を介して放電量計測回路3で計測した今回の放電量を取得する。
そして、S451で取得した放電量情報、日時情報、放電場所情報などを課税管理回路7内の図示していないデータベースに記憶する。その際、税金が未徴収であることを示す課税情報フラグもセットする。
【0129】
こうして放電関連の情報の課税管理回路7内のデータベースへの記憶が終了すると、CPU41は、スマートメータ21に対して、放電完了・放電量通知を生成して送信する(S452)。そして、スマートメータ21からの放電完了・放電量通知受信応答の受信を所定時間待つ(S453)。所定時間待っても放電完了・放電量通知受信応答を受信しなかった場合には、バッテリ1からの放電処理を終了する(S454)。
【0130】
なお、S454で処理を終了した場合は、課税管理回路7内のデータベースに記憶した放電に関する情報は、次にEV10が税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続された際に再度送信するため、税金が未徴収であることを示す課税情報フラグはクリアせずにデータベース内に記憶しておく。
【0131】
その理由は、例えば、EV10からの放電中にEV10を急遽使用する必要が発生した場合、上述のような手続きを踏むことなく、宅内電源I/F23との間の接続が絶たれる場合がある。その際、EV10のバッテリ1からの放電量情報は、スマートメータ21に通知される前に宅内電源I/F23との接続が絶たれるため、放電量に対する課税料金の調整を行うことができない事態が生じる。これに対処するため、本実施の形態1では、放電量に関す情報は、一旦EV10内の課税管理回路7内に記憶するようにしている。こうすれば、放電後に放電量をスマートメータ21に通知する前に宅内電源I/F23との接続が切れた場合でも、放電量関連情報はEV10内の課税管理回路7内のデータベースの残っているため、次回に税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21と接続された際に課税情報を通知でき、ユーザが不必要に税金を払うことがない効果がある。
【0132】
先のS453でEV10がスマートメータ21からの放電完了・放電量通知受信応答を受信した場合、CPU41は、課税情報フラグクリア要求をスマートメータ21に送付する(S455)。この課税情報フラグクリア要求を送信すると、CPU41は、スマートメータ21からの課税情報フラグクリア要求受信応答の受信を所定時間待つ。そして、所定時間待っても受信できない場合は、放電処理をそのまま終了する。
【0133】
一方、スマートメータ21からの課税情報フラグクリア要求受信応答を受信すると、CPU41は、課税情報フラグクリア要求受信応答に付加された今回の放電情報の内容を確認し、送信した内容と同じ場合は、課税管理回路7内のデータベースに記憶された今回の放電に関する課税情報フラグをクリアし放電処理を終了する(S458)。一方、同じでない場合は、図示していないが、通信の際に誤りが発生したと判断して何もせず放電処理を終了する。
【0134】
一方、スマートメータ21側では、図19に示すように、CPU61は、EV10に対して放電停止要求を送信すると(S494)、EV10から図18のS452の処理で出力される放電完了・放電量通知の受信を所定時間待つ(S495)。所定時間待っても、放電完了・放電量通知を受信できない場合は、タイムアウト処理17を実施する。具体的には、EV10からの電力が供給されているかをAC/DCコンバータ制御回路68が確認し、確認の結果、EV10からの放電が停止していない場合は、放電停止要求を再送する。一方、停止していた場合は、そのままEV10からの放電処理を終了する。なお、タイムアウト処理17では、放電停止が確認できるまで放電要求の再送は繰り返す。これは、EV10より不必要にバッテリ1から放電させないためである。
【0135】
先のS495で放電完了・放電量通知を受信すると、CPU61は、パケット中の放電量に関する情報を抜き出し、課金・課税管理回路66内の図示していないデータベースに記憶する。データベースへの記憶を完了すると、CPU61は受信した放電量情報を元に放電完了・放電量情報通知受信応答を作成し、EV10に送信する(S498)。そして、EV10からの課税情報フラグクリア要求の受信を所定時間待つ(S499)。所定時間待ち受信できない場合は、そのままEV10の放電処理を終了する。一方、受信できた場合は、課税情報フラグクリア要求を生成しEV10に送信する(S501)。その際、課金・課税管理回路66内のデータベースに、課税情報クリア要求を受信したことを記憶する。
【0136】
次に、図20、および図21を用いて電力料金計算時のスマートメータ21と電力課金サーバ33の課金データのやり取りについて説明する。
まず、図20において、スマートメータ21は、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求を受信すると(S521)、スマートメータ21内のCPU61は電力課金サーバ33と認証済みであるかを確認する(S522)。認証が行われていない場合は、認証処理を実施する(S523)。
【0137】
先のS522で既に電力課金サーバ33と認証済み、あるいは先のS523で認証が完了すると、CPU61は、ユーザが使用した電力量等の算出を行う(S524)。そして、ユーザが使用した電力量等の集計を終了すると、CPU61は、課金・課税管理回路66中のデータベースを検索し、今回の料金算出の際に課税対象となるEV10への充電電力量情報(充電電力量、充電日時、充電場所などの情報)を抽出する。次いで、EV10が放電した税金精算が未調整の(減税対象となる)放電電力量情報(放電電力量、放電日時、放電場所などの情報)を抽出する(S526)。引き続いて、図示してはいないが、太陽電池などで発電した発電電力、あるいはEVからの放電電力を交流電力系統に回生した回生電力量情報を抽出する(S527)。
【0138】
続いて、その他電力使用量関連情報をデータベースより抽出する(S528)。なお、その他電力使用量関連情報とは、例えば、電力課金サーバ33の要請でEV10より放電した放電電力量や、放電回数、あるいは電力課金サーバ33の要請で実施した省エネ回数などの情報を指す。本実施の形態1では、ユーザが電力課金サーバ33からの要請で省エネや、EV10からの放電を実施した場合、ユーザの電力使用料金が下がるものとして、上述のようなその他電力使用量関連情報を電力課金サーバ33へ通知するようにしている。これにより、ピーク電力時に電力課金サーバ33からの要請で省エネ、EV10からの放電を実施したユーザは、電力料金が安くなるメリットがある。一方、電力会社にとっても、ピーク電力の抑制ができ、火力発電所などで必要以上に燃料を消費せず、CO2の発生を最低限に抑えることができるとともに、燃料代の節約を行うことができる効果がある。
【0139】
先のS524〜S528でユーザ電力使用料金・EV10への課税電力量を算出する際に必要となる情報の収集が完了すると、CPU61は、上記吸い上げた情報を元に、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付する(S529)。
そして、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答の受信を所定の時間待つ(S530、S531)。所定所時間待ってもユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答が受信できない場合には(S531)、タイムアウト処理17を実施する(S532)。
具体的には、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報の再送を3回実施する。再送を3回実施してもユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答が受信できない場合は、図示していないがスマートメータ21内のCPU61は再送処理を終了し、モニタ制御回路72を介して、正常に電力課金サーバ33に電力使用明細を送付できなかった旨を通知する情報をモニタ22に表示し、電量料金算出フローを終了する。
【0140】
先のS530でユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信した場合、CPU61は、受信したパケットより電力使用量、EV課金情報などを抽出し、自己が送信したデータと一致するか確認する。このとき、データが一致していた場合は、電量料金算出フローを終了する。一方、一致していなかった場合は、再度ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付し、電力課金サーバ33からのユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を待つ。
そして、ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信したら、再度中身を解析し、自己が送付した情報と一致していたかを確認する。一致していない場合は、再度ユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報を電力課金サーバ33に送付する。本再送制御を3回繰り返しても正常にユーザ使用電力量、EV10の課税電力量情報受信応答を受信できない場合は、CPU61は、正常に電力課金サーバ33に電力使用明細を送付できなかった旨を通知する。具体的には、情報をモニタ22に表示し、電量料金算出フローを終了する。
【0141】
次に、電力課金サーバ33による電力料金計算処理の動作を図21の制御フローを用いて説明する。
電力料金の計算を開始すると、電力課金サーバ33内のCPU81は、電力使用量管理回路89内のデータベースを検索し、税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21の情報を収集する。その際、選択したこのスマートメータ21がすでに認証済みかを確認し(S561)、認証済みではない場合は、スマートメータ21との認証を実施する(S562)。
【0142】
先のS561で、既に認証済みである場合、あるいは先のS562で認証を完了すると、CPU81はユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求をスマートメータ21に送信する(S563)。そして、ユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求を送付すると、CPU81は、スマートメータ21からの図20のS529の処理により出力されるユーザ電力使用量・EV10の課税電力量情報が受信されるまで所定の時間待つ(S564、S565)。所定時間待っても受信できない場合には(S565)、タイムアウト処理18を実施する(S566)。
具体的には、ユーザ使用電力量・EV課税電力量送信要求をスマートメータ21に再送する。そして、再送を3回繰り返しユーザ使用電力量・EV10の課税電力量情報が受信できない場合は、その旨を図示していないモニタ、あるいは印字装置に出力し、電力料金計算フローを終了する。
【0143】
先のS564でユーザ使用電力量・EV10の課税電力量情報を受信できた場合は、受信パケットを解析し、電力使用量、EV課金情報等を抽出し、左記情報を電力使用量管理回路89、および税金管理回路90内のデータベースにそれぞれ記憶する。上記データベースへの電力使用量、EV課金情報等の記憶を完了すると、CPU81は、受信した電力使用量、EV課金情報等を元に、ユーザ使用電力量・EV課税電量情報受信応答を作成し、スマートメータ21に送信する(S567)。そして、ユーザ使用電力量・EV課税電量情報受信応答の送信を終了すると、CPU81は、受信したユーザ使用電力量、およびEV課税電力量情報等を元に、ユーザに請求する電力使用料金、および課税料を算出する(S568)。
【0144】
こうして、ユーザに請求する電力使用料金、および課税料の算出が完了すると、CPU81は、電力使用量、EV10の課税明細(いつ、どこで、どれだけ充電をしたかなどの情報を含む)から料金の明細書を作成する(S569)。そして、料金明細を作成すると、電力課金サーバ33内のCPU81は、スマートメータ21に対して料金明細を通知する(S570)。なお、本実施の形態1では、ネットワーク経由で電力料金明細を送付する場合について説明したが、これに限るものではなく、紙に印刷してユーザに送付しても良いことは言うまでもない。
【0145】
次に、図22を用いてEV10内の課税管理回路7内に登録されているスマートメータ21の情報の管理、およびスマートメータ21の課金・課税管理回路66内で管理しているEV10の情報の管理方法について説明する。
【0146】
EV10の自動車電源I/F8と宅内電源I/F23との接続が解除されると、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路に所定の値をセットする(S601)。同様にスマートメータ21内のCPU61も図示していないタイマ回路に所定の値をセットする。
なお、自動車電源I/F8と宅内電源I/F23との接続の有無は、スマートメータ21内のCPU61が定期的に接続確認用のパケットをEV間通信回路70を介して送信し、この接続確認用のパケットを通信回路6を介して受信したEV10内のCPU41が応答パケットをスマートメータ21に送信することで確認する。
【0147】
そして、EV10は、所定の期間(この接続確認用パケットの送信周期の例えば5倍の期間)、この接続確認用パケットを受信しなかった場合、あるいはユーザがEV10を使用するためにエンジンをかけた場合(具体的には、キーをまわして車を動かす意思を示した場合)に、自宅の宅内電源I/F23との接続が解除されたものと判断する。同様に、スマートメータ21では、複数回にわたって上記EV10からの接続確認用パケットの応答パケットが受信できなかった場合に、自宅宅内電源I/F23との接続が解除されたものと判断する。
【0148】
この接続解除後に、EV10と税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21との接続の有無を確認する(S602)。具体的には、自動車電源I/F8が税金徴収口として登録されている自宅の宅内電源I/F23に接続され、EV10とスマートメータ21の間で図15に示す制御シーケンスが完了した時点(EV10内の課税管理回路7内のデータベースに登録されている充放電に関する課税関連の情報がスマートメータ21に送付されたことが確認された時点)で、EV10と自宅のスマートメータ21が接続されたと判断する。
こうして、EV10とスマートメータ21の接続が確認されると、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路を停止させ、カウント値をクリアする。同様にスマートメータ21内のCPU61も図示していないタイマ回路を停止させ、カウント値をクリアする。
【0149】
これに対して、先のS602でEV10と税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21が未接続と判断された場合は、EV10内のCPU41は、図示していないタイマ回路からの割り込みが入力されていないかどうかを確認する(S603)。タイマ割り込みが入力されていない場合は、S602に戻ってEV10とスマートメータ21の接続確認を再度実施する。
【0150】
同様に、スマートメータ21内のCPU61は、先のS603で図示していないタイマ回路からの割り込みが入力されていないかを確認する。タイマ割り込みが入力されていない場合は、S602に戻ってEV10とスマートメータ21の接続確認を再度実施する。 S603でEV10内のCPU41は図示していないタイマ回路からの割り込みを検出すると、課税管理回路7内のデータベースに記憶されているスマートメータ21の情報を全て削除した後(S604)、タイマ回路を停止し(S605)、タイマ値をクリアして処理を停止する。同様に、S603でスマートメータ21内のCPU61は、図示していないタイマ回路からの割り込みを検出すると、課金・課税管理回路66内のデータベースに記憶されているEV10の情報を削除した後(S604)、タイマ回路を停止し(S605)、タイマ値をクリアして処理を停止する。
【0151】
上述のような制御を行うことで、EV10を一度だけは税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続しても、その後は一度もEV10を当該自宅のスマートメータ21や充電スタンドに接続せず、例えば、専ら帰省先の実家での充電や、友人宅での充電を行って税金を収めないようなユーザの不正な充電を防ぐことができる。
すなわち、例えばS601でセットするタイマ値を予め定められた期間(例えば1ヶ月間)に設定しておけば、1ヶ月以上、EV10を税金徴収口として登録されている自宅のスマートメータ21に接続しない場合、上述のS604で、EV10内の課税管理回路7内の図示していないデータベースに登録されているスマートメータ21に関する情報が消去されるため、それ以降は、帰省先の実家での充電、友人宅での充電などを行えなくなるので、税金を納めないユーザの所有するEV10の不正な充電を防止し、課金できないなどの不具合発生を防止できる効果がある。
【0152】
以上説明したように、本実施の形態1では、請求項1記載の構成を備えているので、車外に対して充放電可能な大容量のバッテリ1を有するEV10を使用し、ピーク電力時、あるいは電力料金が高い時間帯にこのバッテリ1に蓄電された電力を放電し、ピーク電力時の電力使用の削減、あるいは安価な深夜電力などで充電した電力の有効利用を図ることができる。その場合、バッテリ1に電力を充電する際に課金された電力を、EV10を動かすため以外の宅内20の電気機器や系統電源31への放電に使用した場合には、その放電量を確実に管理でき、その管理結果に基づき、ユーザが払いすぎた税金の調整を確実に行うことができる。
【0153】
更に、本実施の形態1では、請求項2記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として自己のEV10を登録しているスマートメータ21以外の場所、例えば友人宅で自分のEV10のバッテリ1に充電した場合でも、友人に税金が課されるといったことを無くすことができる。
【0154】
更に、本実施の形態1では、請求項3記載の構成を備えているので、EV10のバッテリ1に充電した充電電力情報を確実に通信回路6を介してバッテリ1の充放電量に対する課税を管理できるスマートメータ21に通知することができる。しかも、スマートメータ21に充電量情報を通知するので、EV10側では、充電電力量情報を管理、記憶するROM42のデータベースのサイズを小さくでき、コスト削減が図れる。また、通信異常が発生した場合でも、未課税の充電電力量は、次に課税を管理できるスマートメータ21に接続した際に再度通知することができる。
【0155】
更に、本実施の形態1では、請求項4記載の構成を備えているので、例えば、既に課税処理が完了した充電電力は、課税情報フラグにより見分けることができるため、ユーザが税金を払いすぎることはない。また、通信の段階でデータに誤りが混入し、スマートメータ21が、充電量情報を受信できなかった場合でも、課税完了を指し示す応答パケットを受信するまで、上記課税情報フラグのクリアを行わないので、充電電力量に対して確実に税金を課金できる。なお、充電量の通知の送信に失敗した場合は、再送を繰り返すので、確実に税金を課金できる。
【0156】
更に、本実施の形態1では、請求項5記載の構成を備えているので、バッテリ1への充電完了あるいはスマートメータ21への充電量の通知完了の際、課税情報フラグの状態が表示されるため、ユーザは課税情報フラグの表示状態を見て、未払いの税金がどの程度あるのかをモニタで確認することができ、利便性が高くなる。
【0157】
更に、本実施の形態1では、請求項6記載の構成を備えているので、EV10側でスマートメータ21からの応答パケットを受信しなかった場合、充電量計測回路2で計測された充電量がROM42に記憶されるため、充電の途中に充電ガンを抜かれたような場合でも、それまでの充電量、充電日時、充電場所、課税情報フラグを記憶しておくことができ、充電電力量に対して確実に税金を課金することができる。また、充電量の通知の送信に失敗した場合は、例えば次回の接続時に再度送信するので、確実に税金を課金することができる。
【0158】
更に、本実施の形態1では、請求項7記載の構成を備えているので、EV10の充放電制御回路4は、EV10が宅内20の課税を管理できるスマートメータ21に接続された際に、ROM42に記憶された充電量の内の未課税分の充電量をスマートメータ21に通知するので、自宅以外の例えば帰省時に実家、友人・知人宅、旅行先のホテルの駐車場などで充電した場合でも確実に充電量に対して課税することができる。
【0159】
更に、本実施の形態1では、請求項8記載の構成を備えているので、EV10が税金徴収口として登録されているスマートメータ21に接続された場合には、充放電制御回路4は、当該スマートメータ21からのからの放電要求に対してバッテリ1からの放電を許可するとともに、放電量計測回路3により放電量を計測するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがない。
【0160】
更に、本実施の形態1では、請求項9記載の構成を備えているので、通信の段階でデータに誤りが混入し、スマートメータ21が、放電量情報を受信できなかった場合でも、課税処理完了を指し示す応答パケットを受信するまで課税情報フラグのクリアを行わないので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがない。なお、放電量の通知の送信に失敗した場合は、再送を繰り返すので、放電電力量を確実に管理することができる。
【0161】
更に、本実施の形態1では、請求項10記載の構成を備えているので、バッテリ1からの放電完了およびスマートメータ21への放電量の通知完了の際、課税情報フラグの状態をモニタに表示するなどしてユーザに知らせるので、ユーザは未調整の税金がどの程度あるのかをモニタで確認でき、利便性が高まる。
【0162】
更に、本実施の形態1では、請求項11記載の構成を備えているので、スマートメータ21から応答パケットを受信しなかった場合や、バッテリ1の放電途中で充電ガンを抜かれたような場合でも、それまでの放電量、放電日時、放電場所、課税情報フラグをROM42記憶するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、ユーザが不必要に税金を多く払いすぎることがなくなる。
【0163】
更に、本実施の形態では、請求項12記載の構成を備えているので、EV10の充放電制御回路4は、EV10が税金徴収口として登録されている宅内20のスマートメータ21に接続された場合には、ROM42に記憶された放電量の内の減税対象となる未返還課税分の放電量をスマートメータ21に通知するので、EV10から放電した放電電力量を確実に管理することができ、放電量に見合った減税を実施することができる。
【0164】
更に、本実施の形態1では、請求項13記載の構成を備えているので、課税ができる充電スタンド以外であっても、蓄電手段への充電が許可された電力管理手段にEV10が接続されれば、蓄電手段に電力を充電して、後で課税することができるので、充電に対する課税が確実に行え、このため、ユーザは、自宅のみならず、実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。
【0165】
更に、本実施の形態1では、請求項14記載の構成を備えているので、バッテリ1の充電完了後、スマートメータ21がユーザが税金徴収口としてEV10を予め登録している自宅のスマートメータ以外の場合には、充電量計測回路2で計測されたバッテリ1への充電量をROM42に記憶するので、自宅以外の実家や友人宅、旅館、ホテルなど外出先で充電しても、それまでの充電量、充電日時、充電場所を記憶しておくことができ、このため充電電力量に対して確実に税金を課金することができる。
【0166】
更に、本実施の形態1では、請求項15記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21にEV10が予め設定された時間内に接続されない場合には、EV10に登録されているスマートメータ21に関する情報が全て破棄されるので、一度自宅のスマートメータ21に接続した後、実家や友人宅など自宅以外の充電場所でバッテリ1への充電を続けた場合、所定期間が経過するとバッテリ1の充電ができなくなる。このため、税金を納めずに充電するのを防止でき、確実に税金を徴収できるようになる。
【0167】
更に、本実施の形態1では、請求項16記載の構成を備えているので、ユーザが予め税金徴収口として登録している自宅のスマートメータ21にEV10が接続された際、ROM42に記憶されている充電量の内の未課税分の充電量をスマートメータ21に通知するので、充電時にかかる税金を確実に納めさせることができる。
【0168】
更に、本実施の形態1では、請求項17記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10への充放電を行った際にかかる税金に対して確実に管理することができるとともに、例えば、電力会社が、EV10からの放電を行ったユーザに対して、その放電量に基づき、放電量に応じた電力料金の割引などを実施する場合においても、充電量、放電量、電力使用量を別々に管理するので、確実に放電量に応じて電力料金の割引を行うことができる。
【0169】
更に、本実施の形態1では、請求項18記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10を有するユーザの課税に対する情報を収集することができ、充電、あるいは放電による税金管理を確実に行うことができる。
【0170】
更に、本実施の形態1では、請求項19記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10との間で通信の際にエラーなどが発生して情報を受信できなかった場合でも、EV10内には記憶されている税金に関する情報の再送を促すことができるため、確実に税金に関する情報を入手して管理することができる。
【0171】
更に、本実施の形態1では、請求項20記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、当該スマートメータ21に対して登録されたEV10を特定する情報とEV10側に登録されている当該EV10を特定する情報とが一致している場合にのみ、当該EV10に関する情報をROM62に登録するとともに、当該情報をEV10側に通知するので、EV10に自宅のスマートメータ21が不正に登録されてアクセスされるのを防ぐことができ、システムの信頼性を高めることができる。
【0172】
更に、本実施の形態1では、請求項21記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10内に充電量に対する課税を管理できるスマートメータ21に関する情報が登録されている場合についてのみ、系統電源31からEV10への電力供給を実行するので、実家や友人宅、あるいは旅館・ホテルなど、充電スタンド以外の場所であっても、充電量に対する課税を管理できるスマートメータ21が登録されている場所であれば、そのスマートメータ21からEV10のバッテリ1に充電することができ、外出先での充電に関する選択肢を広けることができる。また、課税処理ができるスマートメータ21が登録されていないEV10は、課税処理が可能な充電スタンド以外では充電ができないため、確実に税金を徴収できる効果がある。
【0173】
更に、本実施の形態1では、請求項22記載の構成を備えているので、スマートメータ21は、EV10が接続された際、未課税のEV10への充電量情報、および税金未清算のEV10からの放電量情報、および課税情報がモニタ22に表示できるため、ユーザは、EV10に対する課税額などを容易に把握することができ、利便性が高まる。
【0174】
変形例の説明.
なお、本実施の形態1では、実家や友人宅での充電に際してもスマートメータを介した通信で相手先を判別していたが、これに限るものではなく、例えばEV10をクリスマスなどで、宅外の電飾に電源を供給する電源口に接続しても良い。その場合、スマートメータ21との通信が行えないため、EV10は自宅以外での充電と判断し、充電量を充放電制御回路4内の課税管理回路7内のデータベースに登録する。そして、自宅スマートメータ21に接続した際に、充電量、充電日時、充電場所などの情報を自宅スマートメータ21に通知するので、税金を確実に徴収できる効果がある。
【0175】
また、本実施の形態1では、図5〜図22に示す制御フロー、制御シーケンスに基づき、税金の管理方法について説明してきたが、制御手法はこの制御フロー、制御シーケンスに限るものではなく、例えば、タイムアウト処理などは、再送を3回程度で説明したが、再送回数は3回に限るものではない。本実施の形態1では、EV10内の課税情報フラグのクリアを、スマートメータ21との通信が成功した場合のみ行うので、再送を失敗した場合でも、例えば次の接続時に再度データのやり取りを行うので、課税を確実に処理することができる効果がある。また、本実施の形態1では、EV10より同一の課税情報が送付された場合でも、スマートメータ21は、課金・課税管理回路66内に記憶されている前回送付された課税関連の情報と比較し、すでに受信した情報かを判断し、すでに受信した情報であればこのデータベース内の情報と受信した情報を比較し、同一であれば、受信情報を破棄するよう制御する。一方、一致しなければ、再送するようEV10に対して、再送要求を出すよう制御しても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0176】
1 バッテリ、2 充電量計測回路、3 放電量計測回路、4 充放電制御回路、
5 認証回路、6 通信回路、7 課税管理回路、8 自動車電源I/F、9 車載機器、10 電気自動車、20 宅内、21 スマートメータ、22 モニタ、
23 宅内電源I/F、31 系統電源、32 インターネット、33 電力課金サーバ、41 CPU、42 ROM、43 RAM、44 CPUバス、
45 充電課税算出回路、46 放電課税算出回路、
47 DC/DCコンバータ制御回路、48 DC/DCコンバータ、61 CPU、
62 ROM、63 RAM、64 CPUバス、65 認証回路、
66 課金・課税管理回路、67 EVバッテリ充放電制御管理回路、
68 AC/DCコンバータ制御回路、69 AC/DCコンバータ、
70 EV間通信回路、71 インターネット通信回路、81 CPU、82 ROM、
83 RAM、84 CPUバス、85 認証回路、86 インターネット通信回路、
87 EV登録データベース、88 需要家登録データベース、
89 電力使用量管理回路、90 税金管理回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を有する電気自動車において、
上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、
上記蓄電手段からの放電量を計測する放電量計測手段と、
上記蓄電手段への充放電を制御する充放電制御手段と、
上記充電量計測手段および上記放電量計測手段で計測される上記蓄電手段に対する放電量と充電量とをそれぞれ記憶する充放電量記憶手段と、
車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、
車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電、または上記蓄電手段から車外への放電の実施が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段と、
を備え、
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記通信手段を介して当該電力管理手段に通知する一方、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できない場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記充放電量記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる上記電力管理手段は、ユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録していることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電開始時に上記充電量計測手段による充電量計測の開始指示を与える一方、上記蓄電手段への充電完了に応じて上記充電量計測手段で計測された充電量を上記通信手段を介して上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる上記電力管理手段に通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気自動車。
【請求項4】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電開始時には課税処理が完了していなことを示す課税情報フラグを立てる一方、上記蓄電手段への充電完了および上記電力管理手段への充電量の通知完了後、上記電力管理手段から課税処理完了を指し示す応答パケットを受信した場合には、上記課税情報フラグをクリアする制御を行うものである、ことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車。
【請求項5】
上記蓄電手段への充電時の課税情報を利用者に報知する報知手段を有し、上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電完了および上記電力管理手段への充電量の通知完了の際、上記報知手段に上記課税情報フラグの状態を表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気自動車。
【請求項6】
上記充放電量制御手段は、上記電力管理手段から上記応答パケットを受信しなかった場合には、上記充電量計測手段で計測された上記蓄電手段への充電量を上記充放電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の電気自動車。
【請求項7】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる電力管理手段である場合には、上記充放電量記憶手段に記憶された充電量の内の未課税分の充電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項6に記載の電気自動車。
【請求項8】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の当該
電力管理手段からの放電要求に対して上記蓄電手段からの放電を許可するとともに、上記放電量計測手段に対して放電量を計測するよう指示を出す制御を行うものであることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項9】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段からの放電開始時には課税処理が完了していなことを示す課税情報フラグを立てる一方、上記蓄電手段からの放電完了および上記電力管理手段への放電量の通知完了後、上記電力管理手段から課税処理完了を指し示す応答パケットを受信した場合には、上記課税情報フラグをクリアする制御を行うものである、請求項8に記載の電気自動車。
【請求項10】
上記蓄電手段への放電時の課税情報を利用者に報知する報知手段を有し、上記充放電制御手段は、上記蓄電手段からの放電完了および上記電力管理手段への放電量の通知完了の際、上記報知手段に上記課税情報フラグの状態を表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電気自動車。
【請求項11】
上記充放電量記憶手段は、上記電力管理手段から上記応答パケットを受信しなかった場合、または上記蓄電手段からの放電途中で上記接続手段の接続が切断された場合には、上記放電量計測手段で計測された上記蓄電手段からの放電量を上記充放電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項9に記載の電気自動車。
【請求項12】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された場合には、上記充放電量記憶手段に記憶された放電量の内の減税対象となる未返還課税分の放電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項2ないし請求項11のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項13】
車外に対して充電可能な大容量の蓄電手段を有する電気自動車において、
上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、
上記蓄電手段への充電を制御する充電制御手段と、
上記充電量計測手段で計測される上記蓄電手段への充電量を記憶する充電量記憶手段と、
車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、
車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電がユーザにより許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段と、
を備え、
上記電力管理手段は、車外に設置された電源系統と接続手段で接続した際、少なくとも該認証手段での認証に失敗した場合、充電量に対する課税を管理できる車外の電力管理手段情報が登録されているかを確認し、登録されていた場合は、充電量計測手段に充電量計測指示を通知し、該蓄電手段に充電を行うよう制御することを特徴とする電気自動車。
【請求項14】
上記充電制御手段は、上記通信手段を介した上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段がユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している電力管理手段以外の場合には、上記充電量計測手段で計測された上記蓄電手段への充電量を上記充電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項13に記載の電気自動車。
【請求項15】
ユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している上記電力管理手段との接続が予め定められた時間内になされたかどうかを計測する計時手段を備える一方、上記充電制御手段は、上記計時手段により、上記電力管理手段との接続が予め定められた時間内になされない場合には、上記電力管理手段に関する情報の登録を破棄する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の電気自動車。
【請求項16】
上記充電制御手段は、上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段がユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している電力管理手段である場合、上記充電量記憶手段に記憶された充電量の内の未課税分の充電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項17】
充放電可能な大容量の蓄電手段を備えた電気自動車に対して系統電源から供給される供給電力量、および上記電気自動車から上記系統電源へ放電される放電電力量をそれぞれ管理する電力管理装置において、
上記系統電源と上記電気自動車とを接続する接続手段と、
電力会社へ需要家宅内での使用電力量を通知する使用電力量通知手段と、
上記系統電源から上記電気自動車への供給電力量を計測する供給電力量計測手段と、
上記電気自動車との間で通信を行う通信手段と、
上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されたものどうかを上記通信手段を介して認証する認証手段と、
上記系統電源と上記電気自動車との間で充放電される電力量を管理する電力量管理手段と、
課税管理を行うための電力使用量に関する情報を記憶する記憶手段と、
を有し、
上記電力量管理手段は、上記接続手段により宅内系統電源と電気自動車が接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されている場合には、上記電気自動車への充電要求、あるいは電気自動車からの放電要求に応じて上記系統電源から上記蓄電手段への充電または放電を実施するとともに、上記供給電力量計測手段で計測される上記電気自動車への供給電力量および上記電気自動車から与えられる充放電電力情報に基づいて、上記系統電源からの電力使用量、電気自動車への充電量、および電気自動車からの放電量をそれぞれ区分して上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする電力管理装置。
【請求項18】
上記電力量管理手段は、上記電気自動車に対して未課税の充電量情報、および税金未清算の放電量情報の通知を要求を出し、この要求に応じて上記電気自動車から通知されるこれらの情報を上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17に記載の電力管理装置。
【請求項19】
上記電力量管理手段は、上記電気自動車から当該電気自動車に関する未課税の充電量情報、および税金未清算の放電量情報が通知された場合には、これに応じて電気自動車に対して上記情報を受信した旨を通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項18に記載の電力管理装置。
【請求項20】
上記電気自動車を特定する情報を入力する入力手段を有し、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された際に、上記認証手段は上記入力手段で入力された電気自動車を特定する情報と上記電気自動車に登録されている当該電気自動車を特定する情報とが一致するかどうかを上記通信手段を介して認証する一方、上記電力量管理手段は、上記認証手段によって上記両情報が一致すると認証された場合、これに応じて、上記入力手段で入力された上記情報を上記記憶手段に登録するとともに、当該情報を上記通信手段を介して上記電気自動車に通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項21】
上記電力量管理手段は、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された際の上記電気自動車からの充電要求に対して、当該電気自動車内に充電量に対する課税を管理できる電力量管理手段の情報が登録されているかどうかを確認し、この情報が登録されている場合についてのみ、上記系統電源から上記電気自動車への電力供給を実行するものである、ことを特徴とする請求項17ないは請求項20のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項22】
各種情報を表示する表示手段を有するとともに、上記電力量管理手段は、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された場合に、上記記憶手段に記憶されている未課税の電気自動車への充電量情報、および税金未清算の電気自動車からの放電量情報、および課税情報を上記表示手段に表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17ないし請求項21のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項1】
車外に対して充放電可能な大容量の蓄電手段を有する電気自動車において、
上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、
上記蓄電手段からの放電量を計測する放電量計測手段と、
上記蓄電手段への充放電を制御する充放電制御手段と、
上記充電量計測手段および上記放電量計測手段で計測される上記蓄電手段に対する放電量と充電量とをそれぞれ記憶する充放電量記憶手段と、
車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、
車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電、または上記蓄電手段から車外への放電の実施が許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段と、
を備え、
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記通信手段を介して当該電力管理手段に通知する一方、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できない場合には、上記充電量計測手段および上記放電量計測手段によりそれぞれ計測される上記蓄電手段に対する充電量と放電量を上記充放電量記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする電気自動車。
【請求項2】
上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる上記電力管理手段は、ユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録していることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電開始時に上記充電量計測手段による充電量計測の開始指示を与える一方、上記蓄電手段への充電完了に応じて上記充電量計測手段で計測された充電量を上記通信手段を介して上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる上記電力管理手段に通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気自動車。
【請求項4】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電開始時には課税処理が完了していなことを示す課税情報フラグを立てる一方、上記蓄電手段への充電完了および上記電力管理手段への充電量の通知完了後、上記電力管理手段から課税処理完了を指し示す応答パケットを受信した場合には、上記課税情報フラグをクリアする制御を行うものである、ことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車。
【請求項5】
上記蓄電手段への充電時の課税情報を利用者に報知する報知手段を有し、上記充放電制御手段は、上記蓄電手段への充電完了および上記電力管理手段への充電量の通知完了の際、上記報知手段に上記課税情報フラグの状態を表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気自動車。
【請求項6】
上記充放電量制御手段は、上記電力管理手段から上記応答パケットを受信しなかった場合には、上記充電量計測手段で計測された上記蓄電手段への充電量を上記充放電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の電気自動車。
【請求項7】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段が上記蓄電手段の充放電量に対する課税を管理できる電力管理手段である場合には、上記充放電量記憶手段に記憶された充電量の内の未課税分の充電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項6に記載の電気自動車。
【請求項8】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された際の当該
電力管理手段からの放電要求に対して上記蓄電手段からの放電を許可するとともに、上記放電量計測手段に対して放電量を計測するよう指示を出す制御を行うものであることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項9】
上記充放電制御手段は、上記蓄電手段からの放電開始時には課税処理が完了していなことを示す課税情報フラグを立てる一方、上記蓄電手段からの放電完了および上記電力管理手段への放電量の通知完了後、上記電力管理手段から課税処理完了を指し示す応答パケットを受信した場合には、上記課税情報フラグをクリアする制御を行うものである、請求項8に記載の電気自動車。
【請求項10】
上記蓄電手段への放電時の課税情報を利用者に報知する報知手段を有し、上記充放電制御手段は、上記蓄電手段からの放電完了および上記電力管理手段への放電量の通知完了の際、上記報知手段に上記課税情報フラグの状態を表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の電気自動車。
【請求項11】
上記充放電量記憶手段は、上記電力管理手段から上記応答パケットを受信しなかった場合、または上記蓄電手段からの放電途中で上記接続手段の接続が切断された場合には、上記放電量計測手段で計測された上記蓄電手段からの放電量を上記充放電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項9に記載の電気自動車。
【請求項12】
上記充放電制御手段は、上記接続手段を介して上記電力管理手段に接続された場合には、上記充放電量記憶手段に記憶された放電量の内の減税対象となる未返還課税分の放電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項2ないし請求項11のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項13】
車外に対して充電可能な大容量の蓄電手段を有する電気自動車において、
上記蓄電手段への充電量を計測する充電量計測手段と、
上記蓄電手段への充電を制御する充電制御手段と、
上記充電量計測手段で計測される上記蓄電手段への充電量を記憶する充電量記憶手段と、
車外に設置された電源系統と接続する接続手段と、
車外に設置された電力管理手段に対して通信を行う通信手段と、
上記蓄電手段への車外からの充電がユーザにより許可されたものかどうかを上記通信手段を介して上記電力管理手段と通信して認証する認証手段と、
を備え、
上記電力管理手段は、車外に設置された電源系統と接続手段で接続した際、少なくとも該認証手段での認証に失敗した場合、充電量に対する課税を管理できる車外の電力管理手段情報が登録されているかを確認し、登録されていた場合は、充電量計測手段に充電量計測指示を通知し、該蓄電手段に充電を行うよう制御することを特徴とする電気自動車。
【請求項14】
上記充電制御手段は、上記通信手段を介した上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段がユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している電力管理手段以外の場合には、上記充電量計測手段で計測された上記蓄電手段への充電量を上記充電量記憶手段に記憶するものである、ことを特徴とする請求項13に記載の電気自動車。
【請求項15】
ユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している上記電力管理手段との接続が予め定められた時間内になされたかどうかを計測する計時手段を備える一方、上記充電制御手段は、上記計時手段により、上記電力管理手段との接続が予め定められた時間内になされない場合には、上記電力管理手段に関する情報の登録を破棄する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の電気自動車。
【請求項16】
上記充電制御手段は、上記認証手段による認証の結果、上記電力管理手段がユーザが予め税金徴収口として自己の電気自動車を登録している電力管理手段である場合、上記充電量記憶手段に記憶された充電量の内の未課税分の充電量を上記電力管理手段に通知するものである、ことを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の電気自動車。
【請求項17】
充放電可能な大容量の蓄電手段を備えた電気自動車に対して系統電源から供給される供給電力量、および上記電気自動車から上記系統電源へ放電される放電電力量をそれぞれ管理する電力管理装置において、
上記系統電源と上記電気自動車とを接続する接続手段と、
電力会社へ需要家宅内での使用電力量を通知する使用電力量通知手段と、
上記系統電源から上記電気自動車への供給電力量を計測する供給電力量計測手段と、
上記電気自動車との間で通信を行う通信手段と、
上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されたものどうかを上記通信手段を介して認証する認証手段と、
上記系統電源と上記電気自動車との間で充放電される電力量を管理する電力量管理手段と、
課税管理を行うための電力使用量に関する情報を記憶する記憶手段と、
を有し、
上記電力量管理手段は、上記接続手段により宅内系統電源と電気自動車が接続された際の上記認証手段による認証の結果、上記電気自動車の上記蓄電手段に対しての充放電がユーザにより許可されている場合には、上記電気自動車への充電要求、あるいは電気自動車からの放電要求に応じて上記系統電源から上記蓄電手段への充電または放電を実施するとともに、上記供給電力量計測手段で計測される上記電気自動車への供給電力量および上記電気自動車から与えられる充放電電力情報に基づいて、上記系統電源からの電力使用量、電気自動車への充電量、および電気自動車からの放電量をそれぞれ区分して上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする電力管理装置。
【請求項18】
上記電力量管理手段は、上記電気自動車に対して未課税の充電量情報、および税金未清算の放電量情報の通知を要求を出し、この要求に応じて上記電気自動車から通知されるこれらの情報を上記記憶手段に記憶する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17に記載の電力管理装置。
【請求項19】
上記電力量管理手段は、上記電気自動車から当該電気自動車に関する未課税の充電量情報、および税金未清算の放電量情報が通知された場合には、これに応じて電気自動車に対して上記情報を受信した旨を通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項18に記載の電力管理装置。
【請求項20】
上記電気自動車を特定する情報を入力する入力手段を有し、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された際に、上記認証手段は上記入力手段で入力された電気自動車を特定する情報と上記電気自動車に登録されている当該電気自動車を特定する情報とが一致するかどうかを上記通信手段を介して認証する一方、上記電力量管理手段は、上記認証手段によって上記両情報が一致すると認証された場合、これに応じて、上記入力手段で入力された上記情報を上記記憶手段に登録するとともに、当該情報を上記通信手段を介して上記電気自動車に通知する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項21】
上記電力量管理手段は、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された際の上記電気自動車からの充電要求に対して、当該電気自動車内に充電量に対する課税を管理できる電力量管理手段の情報が登録されているかどうかを確認し、この情報が登録されている場合についてのみ、上記系統電源から上記電気自動車への電力供給を実行するものである、ことを特徴とする請求項17ないは請求項20のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【請求項22】
各種情報を表示する表示手段を有するとともに、上記電力量管理手段は、上記接続手段を介して上記電気自動車が接続された場合に、上記記憶手段に記憶されている未課税の電気自動車への充電量情報、および税金未清算の電気自動車からの放電量情報、および課税情報を上記表示手段に表示する制御を行うものである、ことを特徴とする請求項17ないし請求項21のいずれか1項に記載の電力管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−20393(P2013−20393A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152449(P2011−152449)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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